生物学的処理用途における溶液の自動無菌移送のためのシングルユースマニホールドおよびセンサ
滅菌梱包およびシングルユース手法のために設計された、滅菌済みマニホールドが提供される。使い捨て配管および柔軟な壁の容器が無菌コネクタを介して組み立てられる。これらのマニホールドは、生物工学流体の自動化された正確な配送を提供するコントローラによって操作できる弁およびポンプ機器と相互作用する。マニホールドはまた、生物工学流体の導電率を測定するために使用される1つまたは複数の導電率センサとも併せて使用される。このようなセンサはコントローラと相互作用し、または別個のユーザインターフェースに接続される。使い捨て配管、柔軟な壁の容器、無菌コネクタ、マニホールド、コントローラ、および導電率センサの組合せは、洗浄および品質保証手順を回避するまたは低減しながら、無菌環境を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許第7052603号および特許第6712963号は各々参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、1つまたは複数の生物流体および/またはプロセス流体の保存または供給容器からの、溶液の無菌移送に関する。シングルユースマニホールド装置は、生物学的処理用途において必要とされる移送を実施する。本発明を用いて、好ましくは1つまたは複数の使い捨て導電率センサおよびしばしば1つまたは複数の遠隔制御ピンチ弁と関連して、自動分注が達成される。
【背景技術】
【0003】
良好な製造実施および政府規制は、任意の製薬、生物工学および生物医学的製造プロセスまたは手順の要である。このような製造プロセスおよび手順は、関連する機器と同様、委託され、しばしば長期にわたり、かつ費用のかかる確認手順を受けなければならない。このようなシステムで必要とされる導電率センサなどのセンサに対しても同様の問題が存在する。
【0004】
例えば、生物医学的生成物の分離および精製のために使用される機器は、明白な理由で、厳しい清浄度要件を満たさなければならない。新規のまたは再委託された精製機器(分取クロマトグラフィまたは接線流濾過のための機器などの、センサ機器を含む)の洗浄確認は、50もの多数の露出した表面の試験標本およびそれに続くそのような試験標本の生物学的分析検査を必要とするかもしれない。精製機器単体に対しては、一回の洗浄確認の関連するおよび再発するコストは、数千ドルを簡単に超えるかもしれない。
【0005】
このような洗浄確認のコストおよび費用を低減するために、及び/または洗浄が必要とされるもしくは要求される場合を低減するために、製薬および生物工学の事業所は、溶液の移送および保存のために、予め滅菌された、シングルユースプラスチック配管および折りたたみ可能なプラスチックバッグの採用を増やしている。滅菌は、管/袋マニホールド全体をガンマ放射線、またはエチレンオキシド雰囲気にさらすことによって達成される。予め滅菌され、無菌包装された管/袋マニホールドは市販されており(現在は、例えば、TCテック、ハイクローン、セイント・ゴベイン・パフォーマンス・プラスティクス(TC Tech、HyClone、St Gobain Performance Plastics)から入手可能)、溶液の手動移送のために使用される。典型的には、溶液移送手順は、ぜん動ポンプを操作するために、かつ溶液をリザーバから保存袋へ差し向けるための管クランプを手動で開閉するために、専門家を必要とする。この手順は、洗浄労力および洗浄確認費用を低減するけれども、操作者の相互作用および時間がなお要求され、これらの手法は、一貫した正確さおよび精密さに対して操作者の専門的技術に依存する。
【0006】
自動化された特徴を有する分注手法(センサ、モニタおよびプログラム可能なコントローラを含むことができる)は一般に知られている。キーズ(Keys)らの米国特許第5480063号および特許第5680960号は、閉ループ手法と併せて流体容積を制御する流体分注ユニットを記載しており、上記の特許は、これらが通気の必要性を回避することができることを示唆している。分注されるべき流体は、コントローラによって導かれるように、充填管を通って閉ループ機器から抜け出る。このような手法は、洗浄要求および/または洗浄確認コストおよび費用に対処しないが、これらの種類のシステムは、製薬および生物工学の事業所において、生物または化学流体を分注する、導く、組み合わせるまたは分離するために使用されるはずである。
【0007】
従前の装置は、プロセス溶液と直接接触するようになる隔膜弁を組み込むことができ、これらの弁は潜在的な汚染源である。したがって、隔膜弁は、費用のかかる洗浄確認手順を必要とする。加えて、このような装置は典型的には、適切なセンサ、特に導電率センサを欠いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によって、予め滅菌されたシングルユースプラスチック配管および少なくとも1つの折りたたみ可能な部分を有する容器を包含する技術分野において、自動化された無菌マニホールドおよびセンサを組み込むシステムにおける著しいコスト削減およびよりよい性能が実現できることが見出された。生物学的または化学的流体と接触する部品およびセンサは各々予め滅菌され、使用後は廃棄可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのセンサを含み、予め滅菌された使い捨てのマニホールドユニットに関し、これらマニホールドユニットを、「棚から即」使用可能なように滅菌梱包され、従って使用場所における長く時間のかかる洗浄および検査という問題に直接対処する使い捨てユニットにしている。複数の実施形態が開示される。各実施形態は、配管部分、少なくとも1つのセンサおよび複数のシングルユース保存または収集袋を含み、これらの各々は、選択的に開閉可能な複数の入口および/または出口通路を有する。配管部分は、遠隔操作が可能な1つまたは複数のピンチ弁と相互作用することができる。遠隔操作は、選択される実施形態に従って手順を実行するようにプログラムされたコントローラによって自動化される。
【0010】
生物学的処理または化学的処理用途における溶液の自動化された無菌移送のための、少なくとも1つのセンサを備える、改善されたシングルユースマニホールドを提供することが、本発明の全体的な態様または目的である。
【0011】
本発明のもう1つの態様または目的は、ピンチ弁の使用を、少なくとも1つの使い捨てセンサを含む使い捨ての滅菌済みマニホールド分注器ユニットと組み合わせる、改善された機器および方法を提供することである。
【0012】
この発明のもう1つの態様または目的は、生物学的および/または化学的流体の汚染を許容できない製薬および生物事業所および研究所で使用される移送機器のための洗浄手順に充てられる時間および資源の消費を著しく低減する、改善された機器および方法を提供することである。
【0013】
本発明の1つの態様または目的は、例えば、生物医学的生成物の調整、分離、検知および分注と関連した、流体の分離および精製で使用される機器のための検査手順の必要性を低減することである。
【0014】
この発明のもう1つの態様または目的は、それが、流体分注、分取クロマトグラフィおよび接線流濾過などの、検知機能を含む手順に対する清浄度要件を、これらの手順の操作を自動化しながら扱うことである。
【0015】
もう1つの態様または目的は、使い捨て導電率センサを、流体の分離および精製で使用される機器と一体化することである。
【0016】
もう1つの態様または目的は、使い捨て導電率センサをシステムコントローラまたはユーザインターフェースのいずれかと接続できる能力を提供することである。
【0017】
本発明のこれらのおよび他の目的、態様、特徴、改善および利点は、以下の詳細な記述の考察を通じて明瞭に理解されるであろう。
【0018】
この記述の間に、添付の図面の参照が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
必要に応じ、本発明の詳細な実施形態が本明細書で開示されるが、しかしながら、開示される実施形態は単に本発明の例となるものであり、それは様々な形で具体化されてもよいことを理解されたい。したがって、本明細書で開示される特有の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲に対する根拠として、および事実上任意の適切な方法で本発明を様々に用いるように当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0020】
自動無菌溶液移送装置として使用するために特別に設計された装置が図1〜3で例示される。この発明により処理される流体は、本明細書では、生物工学流体、医薬流体、化学流体など、様々に称される。これらは、溶液、液体、又は、気体含有系などであると理解される。一般に、これらは本明細書では生物工学流体と称される。
【0021】
製薬および生物工学の事業所では、媒質調整部門は典型的には、良好な製造実施に付随する溶液生成プロトコルで使用される溶液を調整する。媒質調整部門は、溶液配合を維持すること、緩衝溶液を調整しかつ保存すること、ならびに整合性および正確性を要求する他の任務に対して責任がある。例えば、緩衝溶液は大きなタンク内で調整され、次いで、例えば0.1μの空孔を有する、滅菌フィルタを通してポンプでくみ上げられる。典型的にはこのような溶液は、後の使用のために、滅菌済みのシングルユース保存袋に充填される必要がある。媒質調整部門はまた、接種溶液を生物反応器の操作者に提供しなければならない場合もある。生物反応器のバッチ完了時には、反応器の培養液はしばしば、後の処理のために滅菌保存袋に充填される。
【0022】
図1は、本発明による、滅菌済みシングルユース(single−use)部品を示す。一般に、これらの使い捨て部品は、マニホールドおよび移送配管アセンブリと、複数の袋である。複数のシングルユース保存/収集袋21、22、23が示される。各々は3つの管接続部を有する。主要な入口配管は、無菌コネクタ24および手動遮断クランプ25を備え、各々は一般に既知の構成から成る。溶液保存中、無菌コネクタ24は、無菌コネクタ24を汚染から保護するためにエンドキャップ(図示されず)で覆われる。手動遮断クランプ25は、溶液保存中は閉じられる。これらは第1の管接続部30において示される。
【0023】
第2の管接続部26は、閉じた手動遮断クランプと共に袋に接続される、短い配管部分を備える。この配管およびクランプ構成は、充填操作中の袋内部のいかなる気体および/または圧力上昇をも取り除くように使用される。第3の管接続部27は、第2の接続部と同一であり、短い配管部分およびクランプを含む。これは、袋の内容物の再循環のための補助入口および/または出口として使用されることができる。
【0024】
典型的な袋充填操作中は、第1のおよび/または最後の収集袋は、品質制御袋の目的を果たすことができる。しばしばこれらの品質制御袋は、1リッタ(106mm3)などのように、より小さな容積であろう。最初の装置起動サイクル中に、第1のこのような品質保証(QA)袋はプロセス溶液で満たされる。通常は(1または複数の)QA袋よりも大きな容積を有し、操作の生成物を含む袋の全てが充填された分注サイクルの終わりには、第2のQA袋が充填される。QA袋に含まれる溶液は、次に、汚染または他の品質保証の必要性のために分析される。
【0025】
袋充填処理が完了すると、各袋上の手動遮断クランプが閉じられ、無菌管接続部が非接続状態にされる。保存中、無菌コネクタ端部はエンドキャップ(図示されず)で保護される。
【0026】
次いで図1のシングルユース滅菌済みマニホールドおよび移送配管アセンブリを参照すると、1つのこのようなユニットは28で全体的に示される。これは、自動溶液移送のための一般化されたマニホールドを示す。ユニット28の移送配管31の入口端部29は、溶液、典型的には滅菌溶液の、タンクなどの容器との連通のためである。滅菌されたマニホールドおよび移送配管アセンブリ28は、随意のインライン圧力センサ32およびシングルユース滅菌フィルタ33と一緒に示される。連続的に接続された複数の端部を有する1つの端部が、例示されるフィルタ33の下流に位置している。適切な動きを与えるデバイスによって、溶液は、タンクまたはリザーバからセンサ32(もし含まれていれば)およびフィルタ33を通って移動し、次いでシングルユース滅菌済み保存袋へ連続的に分岐される。
【0027】
図2は、複数のピンチ弁41、42、43、およびこれらの保存袋に対するそれぞれの相対位置を示す。弁のいくつかまたは全ては、遠隔操作されることができ、典型的には空気圧でまたは電気的に駆動される。典型的な装備は、12までのまたはそれより多くの空気圧で作動されるピンチ弁を収容できる能力を有する。同様の数の保存袋が収容されてよい。図2は、随意の圧力センサおよびシングルユース滅菌フィルタに関連する、ピンチ弁の相対的な位置を示す。図3は、タンク44およびポンプユニット45のポンプヘッドに対するマニホールドおよび移送配管アセンブリ28の相対的な位置を示す。好ましくは、ポンプは、穏やかで再現可能な袋充填を提供する、高精度、低せん断のぜん動ポンプである。一実施例はワトソン・マーロウ(Watson Marlow)620REぜん動ポンプヘッドである。
【0028】
保存袋へのアクセスはピンチ弁を介して提供される。ピンチ弁は通常閉じられており、典型的な空気圧ピンチ弁は、開くために加圧された空気(例えば、551.58〜689.475KPa(80〜100psi))を必要とする。このようなピンチ弁が加圧されると、溶液は保存袋へ入ることが許容され、一方、袋内の空気は一体の通気フィルタを通って逃がされる。(1又は複数の)ピンチ弁は、空気圧でまたは電気的に操作されるピンチ弁(現在はアクロ・アソシエイツ・インク(ACRO Assoiates、Inc)から入手可能)である。それらは、配管外部に取り付けられ、複数弁用コントローラ(現在はサイログ社(SciLog Inc.)から入手可能)または別のコンピュータベースの処理ロジック制御(PLC)デバイスによって操作される。外部ピンチ弁は、配管内の滅菌環境を損なうことなく、マニホールド内部の溶液を分岐させる。他の装置で使用されている隔膜弁は、プロセス溶液と常に接触しているが、ピンチ弁はプロセス溶液と接触しない。
【0029】
随意の使い捨て圧力センサ22は、フィルタの背圧を連続的に監視する。このセンサは、望まれない事態を回避するために、適切なコントローラに情報を提供することができる。例えば、使用者が決定する安全な圧力限界が超過されたとき、コントローラは、滅菌フィルタの能力が使い尽されたことを示す警報を発することができる。この件についての詳細は、米国特許第5947689号および特許第6350382号、ならびに米国特許出願公開第2002/0043487号で見いだされる。本明細書で言及されるこれらの特許および公開ならびに全ての他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
コントローラは、独立型のユニットまたは別のデバイスと関連していてもよい。好ましい構成では、コントローラはポンプユニット45と関連する。これは図3の46において示される。それがどのような形態をとるにしても、コントローラは、遠隔操作可能な(1又は複数の)ピンチ弁の操作を制御する。バッチ充填速度は、各保存袋へ供給されるバッチ容積と同様、コントローラ内に存在するソフトウエアを介して使用者がプログラミング可能である。コントローラは、容積、重量によってまたは充填時間およびポンプ速度に基づいて自動袋充填を提供する。
【0031】
典型的には、使用者により決定されるプログラムが、図1〜3による保存袋の自動充填のために提供されるであろう。これは、サイログ社(Scilog、Inc.)のサイプロ(SciPro)コントローラに関して記載され、一般的には、米国特許第5947689号および特許第6350382号ならびに米国特許出願公開第2002/0043487号に記載されている。これらの手法を使って、過剰な圧力上昇が、関連する漏洩および袋の破損と共に防止される。例えば、そのようにプログラムされれば、使用者が決定する安全圧力限界が超過されると、コントローラは、全てのポンピング動作を停止する。
【0032】
マニホールドを制御するための例示の溶液移送プログラムは次のとおりである。SciPro編集モードにおいて、使用者は複数袋用の計測プログラムを入力し、保存する。下記のものは、3つの20リッタ(206mm3)保存袋21、22、23を充填するための簡単なプログラムの一実施例である。
充填プログラム実施例
【0033】
【表1】
【0034】
速度および時間プログラムステップの変化はいかなる保存袋容積にも適合する。充填されるべき袋の数を増やす(実施例では12まで)ために、追加の「実行」プログラムブロックを挿入することができる。しかしながら、容量または重量プログラム命令のいずれかに基づいて保存袋が充填される、類似のソフトウエアプログラムを作成することができる。重量による袋充填のためには、適切な能力を持つ重量計が必要とされる。この点に関してコントローラにデータを供給するために、随意の重量計またはロードセル47を提供することができる。この実施形態は使用者が決定した流体の容積を測定し、これらは、充填されるべき次の空の保存袋へ自動的に切り換わることが理解されるであろう。
【0035】
図4〜6で全体的に例示される第2の実施形態は、自動分取クロマトグラフィを達成する。分取クロマトグラフィでは、対象となる生体分子を含有するプロセス溶液は、液体中に懸濁されるゲル状粒子(固定相)のカラムを通ってポンプでくみ上げられる。対象の生体分子は、特に固定相と(例えば、イオン対イオン相互作用、疎水性相互作用、大きさによる分離、親和性を介して)相互作用し、これにより生体分子がカラムを通って進むのを遅らせる。理想的には、他の溶解した生体材料は、固定相と弱くのみ相互作用し、従って早急にカラムから抜け出る。
【0036】
その結果は、プロセス溶液基質の残部からの生体分子の分離と濃縮である。溶離緩衝液の導入は、固定相の局所的な化学的環境を変化させ、それによって生体分子が解放されるようになり、従ってカラムの外側で溶離緩衝液の比較的小さな容積内に収集されることが可能となる。
【0037】
自動分取クロマトグラフィでは、固定相を含有するカラムは最初に洗浄され及び/または適切な緩衝溶液を用いて平衡状態にされる。この洗浄および/または平衡化サイクルの後には負荷サイクルが続き、負荷サイクル中にプロセス溶液がカラムを通ってポンプでくみ上げられる。対象となる生体分子は固定相に付着する。負荷サイクルは、プロセス溶液の容積およびカラムを通って溶液がポンプでくみ上げられるポンプ速度に依存して、多くの時間がかかる可能性がある。負荷サイクルの後には、吸着されなかった生体材料をカラムから除去するために、第2の洗浄サイクルが続く。
【0038】
次いで、カラムから生体分子を除去するために、溶離緩衝液が導入される。この生体分子の除去は、階段状の勾配または線形の勾配のいずれかで実施される。ピーク回収が完了した後、当技術分野で一般的に知られているように、クロマトグラフィカラムは、適切な緩衝溶液を使用して再生され、再平衡化される。
【0039】
マニホールドおよび移送配管アセンブリ48は、分取クロマトグラフィ手順を自動化するための一般化されたマニホールドを示す。操作において、およびコントローラシステムを利用して、例示の空気圧で制御されるピンチ弁51が加圧され、従って開かれ、それによって洗浄および/または平衡化緩衝液袋54へのアクセスを提供する。使用者が決定可能なポンプ速度で、洗浄緩衝液は、使い捨てのインライン圧力センサ55を通り、気泡トラップ(図示されず)を通り、クロマトグラフィカラム56を通り、および検出器またはUVフローセル57を通ってポンプでくみ上げられる。フローセルを出ると、ピンチ弁49が加圧され従って開いた状態で、洗浄/平衡化緩衝液は廃棄物容器または袋58内に収集される。
【0040】
負荷サイクル中、ピンチ弁51および49は開かれ/加圧され、一方、ピンチ弁52、53および59は閉じられたままである。ポンプユニット45は、マニホールド装置48、カラム56およびフローセル57を通じてプロセス溶液をくみ上げ、廃棄物容器または袋57に収集する。いくつかのクロマトグラフィ用途では、フローセルを出る処理溶液は、再処理の可能性のために「プロセス受取袋」(図示されず)に別個に保存される必要がある。もう1つのピンチ弁(図示されず)は、このような「プロセス受取袋」へのアクセスを提供する。
【0041】
負荷サイクルの後に、吸収されない材料をカラムから廃棄するために運び出す洗浄サイクル(弁51および49は開かれ/加圧され、他の全てのピンチ弁は閉じられる)が続く。ピンチ弁53および49を開くことによって、袋63内の溶離緩衝液はカラム内に導入され、最初に廃棄するためにポンプでくみ上げられる。しかしながら、UV検出器57からの信号が使用者定義値を超えると、ピンチ弁59は開かれ、それによってピーク回収袋61へのアクセスを提供し、一方弁49は閉じられる。溶離ピークの後側では、弁59は再び閉じられ、一方同時に弁49は開かれる。
【0042】
対象となる材料が袋61に収集された後、クロマトグラフィカラム56は再生および再平衡化を必要とする。カラム再生プロセスは、当技術分野では一般に既知の適切な緩衝溶液(図示されず)へのアクセスを介して簡単に自動化される。潜在するクロマトグラフィの複雑さに依存して、5つまたは6つの緩衝溶液へのアクセスが必要とされるかも知れず、これらは、所望の、それら自身のシングルユース袋で提供されることができる。同様に、もし複数の生成物ピークが回収されるべきであるならば、追加の(1又は複数の)ピーク回収袋が、追加の(1又は複数の)ピンチ弁と同様、マニホールドおよび移送配管アセンブリ48に導入されることもありうる。
【0043】
供給区分として示されるマニホールドおよび移送配管アセンブリ48、ならびにクロマトグラフィ済み流体のための第2の管および袋アセンブリ64の、シングルユース滅菌済み部品が図4に示される。図4に示されるシングルユース保存/収集袋54、62、63の各々は3つの管接続部を有する。主要な入口配管65は無菌コネクタ66および手動遮断クランプ67を備える。溶液保存中、無菌コネクタ66は、該コネクタを汚染から保護するためにエンドキャップで覆われる。手動遮断クランプは、溶液保存中は閉じられる。
【0044】
第2の管および袋アセンブリ64は、閉じた手動遮断クランプ68と共に袋に接続される短い配管部分68を備える。第2の配管/クランプ構成71は、充填操作中の袋内部のいかなる気体および/または圧力上昇をも取り除くように使用される。第3の管接続部72は第2の配管/クランプ構成71と同一であり、袋内容物の再循環のための補助入口/出口として使用される。
【0045】
シングルユース保存/収集袋58および61は、図4および図5で示されるように、残りの管マニホールド72に接続される。図5は、ピンチ弁51、52、53、49および59の相対位置ならびに圧力センサ55の位置を示す。図6は、マニホールド配管のぜん動ポンプヘッド45への挿入とクロマトグラフィカラム56および検出器57への接続を示す。
【0046】
典型的なクロマトグラフィ用途では、シングルユース保存袋54(洗浄緩衝液のため)、52(プロセス溶液のため)および63(溶離緩衝液のため)は、例えば図1〜3の実施形態を使用することによって、あらかじめ充填された。クロマトグラフィの実行が完了すると、各収集袋58(廃棄物のため)、61(ピーク回収のため)上の、および(所望により)プロセス受取(図示されず)のための手動遮断クランプが閉じられ、無菌管接続部が非接続状態にされる。保存中、無菌コネクタ端部はエンドキャップで保護される。
【0047】
クロマトグラフィのためのマニホールド構成を制御するためにプログラムされたサイプロ(SciPro)コントローラをさらに参照すると、そのモードは、一連の簡単な命令、即ち、実行(RUN)、速度(RATE)、時間(TIME)、容量(VOLUME)、P 限界(LIMIT) 1、および、V=000000(全ピンチ弁が閉じられる)またはV=123456(全ピンチ弁が開かれる)などの弁状態(Valve States)の入力および保存を可能とする。
【0048】
このコントローラモードはサブプログラムのブロックに整理される。1つのプログラムブロックの終了命令文は「容量(VOLUME)」、「時間(TIME)」、「P 限界(LIMIT) D1(またはD2)」または「N 限界(LIMIT) D1(またはD2)」命令文とすることができる。命令文「P 限界(LIMIT) D1=5%」は「5%フルスケール(FS)のしきい値を持つ検出器D1の正勾配信号」と読める。クロマトグラフィプログラムの実施例を参照されたい。
クロマトグラフィプログラムの実施例
【0049】
【表2】
【0050】
例えば、ライン014において、D1信号が正勾配および5%FSより大きな値を有する(ライン013)と、コントローラは「廃棄」から「回収」へ切り換わる。命令文「N LIMIT D1=10%」は「10%FSのしきい値を持つ検出器D1の負勾配信号」と読める。ライン016において、D1信号が負勾配(ピークの後側)および10%FSの値を有する(ライン15)と、コントローラは「回収」から「廃棄」へ切り換わる。
【0051】
使用者は、クロマトグラフィの実行中の任意の時刻に、RUN、RATE、TIME、VOLUME、P LIMIT 1、N LIMIT D1および弁状態(Valve States)の値を編集および/または修正することができる。使用者定義の用途プログラムは、コンピュータのハイパーターミナルを利用することによって、任意の時刻に外部のコンピュータからアップロードまたはダウンロードすることができる。
【0052】
この実施形態でもって、事象の逐次スケジューリングが達成されることが理解されるであろう。これらは、洗浄、負荷および溶離サイクルの逐次スケジューリングを含む。コントローラは、緩衝液選択、負荷およびピーク容積回収を開始することができる。典型的なインライン濃度検出器は、同時に監視可能な4〜20MA出力の複数出力を有するウェッジウッド(Wedgewood)のUVおよび/またはpH検出器とすることができる。典型的なポンプは、1分間につき15リッタ(15×106mm3)のポンプ速度で413.685KPa(60psi)を生成することができる、ワトソン・マーロウ(Watson Marlow) 620Rぜん動ポンプヘッドである。
【0053】
使用者定義の検出しきいレベルは、弁切換えおよびピーク容積回収のために使用される。ポンプ速度、カラム圧力、および弁位置などの、全ての溶液取扱いパラメータは、実時間で監視し、記録することができ、印刷するまたは電子的に保存することができる。
【0054】
第3の実施形態では、この使用のために設計された変形装置を用いて、自動接線流濾過が実施される。先に参照された米国特許第5947689号および米国特許第6350382号ならびに米国公開特許出願第2002/0043487号は、接線流濾過(TFF)手順の自動化を開示する。これらは、使い捨ての、シングルユースマニホールドの使用と組み合わせられ、このマニホールドはまた、使い捨て圧力センサおよび折りたたみ可能なシングルユース保存袋ならびに遠隔操作される(1または複数の)ピンチ弁の使用も含む。
【0055】
シングルユース滅菌済みマニホールドを利用する典型的なTFF用途は図7〜9に示される。図7は、使い捨ての滅菌済み部品を示し、配管の濾過通液(flow−through)区分内のプロセス溶液袋82と同様、透過収集袋81を有する配管濾過済み流体区分を含む。これらは無菌で密封され、予め滅菌された(例えば、放射線を受けた)梱包内にある。TFF用途の最初、透過収集袋81は空で、ガス抜きされており、無菌でTFFマニホールドに接続された。プロセス溶液袋は、図1〜3のシステムを使用するなどによって、予め充填された。プロセス溶液袋82は随意の計器83上に置かれ、装置の残部に無菌で接続される。いくつかの用途では、重量情報が、制御ロジックを実行する際にコントローラに伝達されることができる。
【0056】
この実施形態の滅菌済み部品は図7に示される。透過収集袋81は3つの管接続部を有する。主要な入口配管84は、無菌コネクタ85および手動遮断クランプ86を備える。溶液保存中、無菌コネクタ85は、該コネクタを汚染から保護するために、エンドキャップで覆われる。手動遮断クランプは、溶液保存中は閉じられる。
【0057】
第2の管接続部は、閉じた手動遮断クランプ88と共に袋に接続される短い配管部分87を備える。第2の配管およびクランプ構成は、充填操作中の袋内部のいかなる気体および/または圧力上昇も取り除くように使用される。第3の管接続部89は第2の配管およびクランプ構成と同一とすることができ、袋内容物の再循環のための補助の入口および出口として使用される。
【0058】
同様に、プロセス溶液袋82は、3つの入口および/または出口管接続部を有する。第1の管接続部91は、溶液を袋からポンプでくみ出すための出口として使用される。第2の管接続部92は、再循環された未透過物(retentate)を収容するための戻り入口としての役目をする。第3の管接続部93は再度、袋内部のいかなる過剰な気体および/または圧力上昇も取り除くように作用する。
【0059】
透過収集袋およびプロセス溶液袋は、図7の94で全体的に示される濾過管マニホールドに接続される。図8は、ピンチ弁95および96の相対的な位置ならびに3つの圧力センサ97、98、99の位置を示す。図9は、ぜん動ポンプユニット45のヘッドへのマニホールド配管の挿入を示す。
【0060】
ポンプユニット45を起動する前に、手動遮断クランプの全ては、袋内部の気体および/または圧力上昇を取り除くクランプを除いて、開かれる。最初に弁95が閉じられ、弁96が開き、一方、ポンプユニット45は、接線流フィルタシステム101を通って、プロセス溶液袋82内に含まれる溶液を再循環させ始める。配管および接線流フィルタシステム101内に含まれる空気容積は、最後にはプロセス溶液袋82内へ行き、ここでそれは、滅菌空気フィルタ(図示されず)を通って外部に排気される。最適ポンプ再循環速度が安定化されるとすぐに、ピンチ弁95が開かれ、透過物が収集される。
【0061】
マイクロ濾過またはウルトラ濾過は、一定速度または一定圧力のどちらかによって実施されることができる。コントローラ46の使用を通じて濾過処理を自動化するのに適するソフトウエアプロブラムは、米国特許第5947689号および第6350382号ならびに米国特許出願公開第2002/00434487号に記載されている。
【0062】
図10、図11、および図12で全体的に例示される第4、第5、および第6の実施形態は、図1〜9で例示される第1の3つの実施形態に多くの点で類似している。しかしながら、図10〜12で示される装置は少なくとも1つの導電率センサを含む。任意の入手可能な電導率センサをこれらの装置で使用することができ、例えば、環状センサがある。本発明によれば、導電率センサは、滅菌済シングルユースの使い捨てインラインセンサである。図13で示される実施形態は、電極を有するセンサである。
【0063】
図10は、図1〜3の装置に類似する無菌溶液移送装置を示し、同様の数字は同様の部品を示す。しかしながら、この実施形態では、インライン圧力センサ32は、使い捨てインライン導電率センサ102に置き換えられている。操作中、溶液は、タンクまたはリザーバ44からセンサ102、フィルタ33を通って移動し、次いでシングルユース保存袋21、22および23内へ連続的に分岐される。上述のピンチ弁41、42、および43は、所望により含まれていてもよく、各保存袋へのラインを閉じるように遠隔操作されることができ、典型的には空気圧でまたは電気的に作動させられる。
【0064】
導電率センサは溶液の導電率レベルを監視する。導電率レベルは、情報を表示するユーザインターフェースまたはマニホールドコントローラ46のいずれかに折り返し報告される。1または複数の導電率センサによって提供される情報に基づいて、マニホールドコントローラ46(またはいくつかの実施形態ではユーザインターフェース)は次いで、ポンプユニット45の操作を変更し、様々なピンチ弁を開閉し、使用者決定プログラムを開始し、または使用者決定プログラムを停止することができる。
【0065】
第5の実施形態は図11で全体的に例示され、自動分取クロマトグラフィを達成するために利用される。上述のように、分取クロマトグラフィでは、対象となる生体分子を含むプロセス溶液は、液体内に懸濁されるゲル状粒子(固定相)のカラムを通ってポンプでくみ上げられる。対象となる生体分子は固定相と相互作用し、一方、プロセス溶液内のその他の生体分子はカラムから早急に抜け出る。マニホールドおよび移送配管アセンブリ48は、図4〜6で示されるような一般化されたマニホールド装置を表す。図4〜6で示される装置とは異なり、第5の実施形態は、インライン圧力センサ55、検出器57、または両方が、インライン導電率センサ155、157に置き換えられている。
【0066】
導電率センサは、クロマトグラフィカラム56に入る溶液の導電率レベルおよび溶液がカラムから離れるときの導電率レベルを監視する。導電率レベルは、情報を表示するユーザインターフェースまたはマニホールドコントローラ46のいずれかに折り返し報告される。導電率センサによって提供される情報に基づいて、マニホールドコントローラ46(またはいくつかの実施形態ではユーザインターフェース)は次いで、ポンプユニット45の操作を変更し、様々なピンチ弁を開閉し、使用者決定プログラムを開始し、または使用者決定プログラムを停止することができる。
【0067】
図12で示される第6の実施形態は、導電率センサが自動接線流濾過を実施するように設計された装置と併せて、どのように使用されるかを示す。第6の実施形態は、図7〜9で示される装置と同じ全体的な構成を有し、圧力センサ98の後におよびピンチ弁96の前に置かれるインライン導電率センサ158が追加されている。
【0068】
導電率センサは、プロセス溶液袋82に移動する流体の導電率レベルを監視する。導電率レベルは、情報を表示するユーザインターフェースまたはマニホールドコントローラ46のいずれかに折り返し報告される。導電率センサによって提供される情報に基づいて、マニホールドコントローラ46(またはいくつかの実施形態ではユーザインターフェース)は次いで、ポンプユニット45の操作を変更し、様々なピンチ弁を開閉し、使用者決定プログラムを開始し、または使用者決定プログラムを停止することができる。導電率センサ158は、配管を通ってプロセス溶液袋82へ移動する分子の濃度または不在を監視するので、TFFにおいて有用である。例えば、もし、接線流フィルタの洗浄または操作の間に、導電率センサが異常に高い導電率レベルを計測すると、該センサは、フィルタに不具合があることを、コントローラまたは使用者へ信号を発して知らせることができる。一方、もし、接線流フィルタの洗浄または操作の間に、導電率センサが異常に低い導電率レベルを計測すると、それは、フィルタまたは配管が閉塞していることを信号を発して知らせることができる。
【0069】
インライン導電率センサの好ましい実施形態は、2つの部品、即ち、ユーザインターフェースまたはコントローラ46および使い捨てセンサアセンブリモジュールを有する。インラインのシングルユースまたは使い捨ての導電率センサのさらなる説明は、参照により本明細書に組み込まれ、本出願と同時に出願された、題名「バイオプロセシング用の使い捨て較正済み確認済みセンサ(Disposable、Pre−Calibrated、Pre−Validated Sensor for use in Bio−processing Applications)」の同時係属の出願第 号で見いだされる。しかしながら、他の実施形態では、各部品の機能性はその他の部品と組み合わされ、またはその他の部品に移動される。
【0070】
図13で200として全体的に示される使い捨てセンサアセンブリモジュールは、安価な部品を含む。典型的には、センサアセンブリモジュールは、短い管状流体導管202および全体的に201として示される検知部分を含み、この検知部分は、電極203、印刷回路基板(PCB)204およびセンサ組み込み不揮発性メモリチップ(図示されず)を含む。この実施形態では、4つの電極ピン203は、流体導管壁202に直線状に配置された4つの穴を貫通して圧入され、流体導管202の両端部において接続される装置を通って進む流体の通路内に置かれる。電極203および穴は、漏洩または汚染を防止するために、所定の位置にエポキシ樹脂で接着され、接続されまたは密封される。PCB104はシース205内に封入される。汚染を防止するために、およびアセンブリ201をいかなる流体にも影響されないようにするために、シース205、PCB204、電極203およびある程度の流体導管202の組合せは、外部筐体206内に密封される。
【0071】
環状導電率センサが、センサアセンブリ202内の電極の代わりに使用されてもよい。環状センサの環状部分は、流体回路の周りを閉塞しないように(non−obtrusive manner)配置することができる。典型的には、2つの環状部分が使用される。1つの環状部分は、流体を通って電流を「駆動する」または誘起するために使用され、一方もう1つは、流体を通って誘起される電流を「検知する」または計測する。
【0072】
電極または環状部分はPCB204に接続される。PCBは、流体回路202内の流体の温度を測定するためのサーミスタまたは不揮発性メモリチップもしくはEEPROMなどの様々な部品を含んでもよい。PCBは、ユーザインターフェース、制御ユニット、またはコントローラ46に接続される。コントローラ46またはユーザインターフェースは、差し込み式ワイヤまたはリード線(図示されず)によって、PCB204、その部品、および電極203に接続し、アクセスする。
【0073】
コントローラ46またはユーザインターフェースは、電極または環状部分を駆動する電流を生成し、「検知する」電極または環状部分で電流を測定することによって導電率を測定する。流体導管を通過する流体の導電率は、1つまたは複数の電極を通って電流を駆動し、次いで残りの電極を使用して流体を通過する電流を測定することによって測定される。測定される電流または電圧降下は、流体導管を通過する流体の導電率に比例する。
【0074】
ユーザインターフェースまたはコントローラ46は、センサの不揮発性メモリに保存される較正情報にアクセスしてもよい。使い捨てセンサ200の製造中の、電極203の設計および配置における小さな変化は、サーミスタの精度の変化と同様、不正確な導電率測定につながるかもしれない。しかしながら、各センサは、これらの小さな変化による悪影響をなくすために個別に較正される。センサ固有の較正情報は、センサの不揮発性メモリに保存される。
【0075】
この較正情報はオフセット温度および導電率定数を含んでもよい。オフセット温度は、流体の既知の温度と較正時のセンサによる温度基準との間の線形差を表す。導電率定数は、流体の既知の導電率と較正時のセンサによる導電率基準との間の差を表す。流体導管内の流体の導電率を測定するとき、ユーザインターフェースまたはコントローラ46は、導電率を求める計算において使用するために、較正情報を引き出すことになる。オフセット温度および導電率定数は、流体導管202を通過する生物工学流体の実際の導電率を計算するために、ユーザインターフェースまたはコントローラ46によって後に利用される。
【0076】
較正情報はまた、較正の方法、同じロット内の異なるセンサ間の統計的ばらつき、およびセンサが最後に較正された日付についての情報も含んでよい。
【0077】
較正情報に加えて、製造情報がセンサの不揮発性メモリに保存されてもよい。製造情報は、センサが製造された日付、時間、またはロット番号などの項目を含んでよい。
【0078】
図14は、全体的に210で示される、ユーザインターフェースの可能な一実施形態を示す。上述のように、センサ200は、コントローラ46かまたはユーザインターフェース210に接続されてもよい。ユーザインターフェース210もコントローラ46も両方とも同じ機能を提供し、同様の情報を表示できるが、図14におけるユーザインターフェース210の実施形態が有利でありうる。ユーザインターフェース210は、全体のマニホールド装置またはコントローラ46と比較して、いくらかは携帯により便利であり、全体の装置から切り離して利用されてもよく、ユーザインターフェースまたは装置部品のいずれかが独立して改良されるまたは取り換えられることを可能とする。他の実施形態はコントローラ46をユーザインターフェース210に置き換えることができる。これらの実施形態では、より小さなユーザインターフェース210はまた、装置からデータを受け取り、様々な弁およびポンプを操作するために制御ロジックも有する。本発明において、ユーザインターフェースおよびコントローラという用語は交換可能に使用されてもよい。
【0079】
ユーザインターフェース210は、その表面に表示部211およびいくつかの入力キーを有する。これらのキーは、Menuキー222、Upキー223、Downキー224、Re−Calキー225、Enterキー226、Exitキー227およびSensor On/Sensor Standbyキー228を含む。ユーザインターフェースをオンにするためには、使用者はSensor Onキー228を押さなければならない。通常の操作中は、表示部211は典型的には、装置によって測定されている流体の導電率をジーメンスで、流体の温度を℃で、全導電率の百分率を、および全導電率の百分率のグラフ表現を報告する。
【0080】
Menuキー222は、使用者が図15で示されるように異なるメニューを経て進行することを可能にする。表示部画面221は最初「実行(RUN)」画面230を提示し、これは典型的には、装置によって測定されている流体の導電率(conductivity)をジーメンスで、流体の温度を℃で、全導電率の百分率を、および全導電率の百分率のグラフ表現を表示する。使用者がMenuキー222を繰り返し押すと、画面221は、高導電率値231(例えば、80000μS)を、次いで低導電率値232(例えば、0μS)を表示する。使用者がMenuキー222を押し続けると、ユーザインターフェース220は、センサの不揮発性メモリから引き出された較正情報を表示する。
【0081】
ユーザインターフェースは、必ずしもセンサに保存される較正情報を使用する必要はない。例示の実施形態では、使用者は、センサの不揮発性メモリに保存される情報を恒久的に変更することなく、ユーザインターフェース220によって利用される較正情報を変更してもよい。使用者は、ユーザインターフェース220によって利用される較正情報を、対応する画面が表示されたとき、上向きまたは下向きの矢印キー223、224を選択することによって、手動で変えてもよい。
【0082】
変更可能な較正情報は、基準温度233、温度係数234、およびオフセット温度235を含んでもよい。Menuキー222を押すことによって、使用者は、上向きまたは下向きの矢印キー223、224を使用して、導電率が表示される単位236、シリアルポートの設定237、印刷オプションのための異なる印刷時間238、ユーザインターフェース220が高警報音239または低警報音240を生成する点での最大導電率測定値を変更してもよい。使用者はまた、工場較正値241を再保存または再導入するように選択してもよく、または日付242および時間243を変えてもよい。任意の上述のオプションが提示されたとき、使用者は、Exitキー227を押すことによって、オプションを変えることなくユーザインターフェースを通常の操作に戻してもよい。
【0083】
使用者はまた、再較正プログラムを実行するRe−calキー225を選択することによって、センサを再較正してもよく、または不揮発性メモリチップに保存される較正情報を上書きしてもよい。図16に示されるように、再較正プログラムは、表示部画面221上に較正情報を表示する。使用者は、上向きおよび下向きの矢印キー223、224を使用することによって、較正情報を走査することができる。Menuキー222を押すことによって、使用者は、ポンプ低計算溶液244、外部較正データ245および246、ならびに高ポンプ較正247、248および249などの、較正情報の特定の部分を選択してもよい。使用者は次いで、上向きまたは下向きのキー223,224を選択することによって、較正情報の各部分に対する値を変更してもよい。
【0084】
情報が変更された後、使用者がEnterキー225を押すと、新しい値が、センサの不揮発性メモリに保存される情報を上書きする。表示部211は次いで、新しい較正情報を使用して計算されたものとして現在の読み250を報告する。将来は、使用者が「工場リセット」241を選択すると、ユーザインターフェースの現在の設定は、最後の再較正プログラム中に使用者によって入力された値と取り換えられる。しかしながら、もし使用者が、オプションを変えることなく再較正プログラムを終了させることを望むならば、使用者はExitキー227を押すだけでよい。
【0085】
ユーザインターフェース220はまたSensorキー(図示されず)も含んでよい。図17に示されるように、使用者がSensorキーを押すと、ユーザインターフェースは、センサの不揮発性メモリに保存される製造情報および較正情報を引き出す。較正情報は、再較正プログラムによって取り換えられた情報を含んでもよい。最初に、この操作は、センサ251に対する唯一のID番号を表示する。Menuキー222を押すことによって、使用者は、示されるような較正中に使用される溶液の種類、較正溶液の温度、およびセンサに対する統計的情報などの、他の較正情報252を見てもよい。使用者はまた、センサが最後に較正されたまたは再較正された日付253を見てもよい。使用者は、Exitキー227を押すことによって、ユーザインターフェースを通常の操作254に戻してもよい。
【0086】
述べられてきた本発明の実施形態は、本発明の原理の応用のいくつかの例示であることが理解されるであろう。本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更形態が実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】溶液の移送および収集に特に適しているシングルユース滅菌済み装置のやや概略的な図である。
【図2】そのうちの少なくとも1つが遠隔操作可能であるピンチ弁と作動的に関連する、図1のシングルユース装置の図である。
【図3】装置を通って溶液を移送するために使用する手段と共に示される、図1および図2の特徴の組合せを示す図である。
【図4】自動分取クロマトグラフィでの使用に特に適しているシングルユースの滅菌済み装置のやや概略的な図である。
【図5】そのうちの少なくとも1つが遠隔操作可能であるピンチ弁と作動的に関連する、図4のシングルユース装置の図である。
【図6】装置を通って溶液を移送するために使用する手段と共に示される、図4および図5の特徴の組合せを示す図である。
【図7】自動接線流濾過手順に特に適しているシングルユース滅菌済み装置のやや概略的な図である。
【図8】そのうちの少なくとも1つが遠隔操作可能であるピンチ弁と作動的に関連する、図7のシングルユース装置の説明図である。
【図9】装置を通って溶液を移送するために使用する手段と共に示される、図7および図8の特徴の組合せを示す図である。
【図10】少なくとも1つの使い捨て導電率センサと作動的に関連する、溶液の移送および収集に特に適しているシングルユース装置の説明図である。
【図11】使い捨て導電率センサと作動的に関連する、自動分取クロマトグラフィでの使用に特に適しているシングルユース装置の図である。
【図12】少なくとも1つの使い捨て導電率センサと作動的に関連する、自動接線流濾過手順に特に適しているシングルユース装置の図である。
【図13】使い捨て導電率センサの切り欠き図である。
【図14】ユーザインターフェースの外観を示す図である。
【図15】ユーザインターフェースによって提示される異なる画面を示すフローチャートの例である。
【図16】使用者が再較正プログラムを実行するように選択するとき、ユーザインターフェースによって提示される異なる画面を示すフローチャートの例である。
【図17】使用者が較正および生成情報を見るように選択するとき、ユーザインターフェースによって提示される異なる画面を示すフローチャートの例である。
【技術分野】
【0001】
米国特許第7052603号および特許第6712963号は各々参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、1つまたは複数の生物流体および/またはプロセス流体の保存または供給容器からの、溶液の無菌移送に関する。シングルユースマニホールド装置は、生物学的処理用途において必要とされる移送を実施する。本発明を用いて、好ましくは1つまたは複数の使い捨て導電率センサおよびしばしば1つまたは複数の遠隔制御ピンチ弁と関連して、自動分注が達成される。
【背景技術】
【0003】
良好な製造実施および政府規制は、任意の製薬、生物工学および生物医学的製造プロセスまたは手順の要である。このような製造プロセスおよび手順は、関連する機器と同様、委託され、しばしば長期にわたり、かつ費用のかかる確認手順を受けなければならない。このようなシステムで必要とされる導電率センサなどのセンサに対しても同様の問題が存在する。
【0004】
例えば、生物医学的生成物の分離および精製のために使用される機器は、明白な理由で、厳しい清浄度要件を満たさなければならない。新規のまたは再委託された精製機器(分取クロマトグラフィまたは接線流濾過のための機器などの、センサ機器を含む)の洗浄確認は、50もの多数の露出した表面の試験標本およびそれに続くそのような試験標本の生物学的分析検査を必要とするかもしれない。精製機器単体に対しては、一回の洗浄確認の関連するおよび再発するコストは、数千ドルを簡単に超えるかもしれない。
【0005】
このような洗浄確認のコストおよび費用を低減するために、及び/または洗浄が必要とされるもしくは要求される場合を低減するために、製薬および生物工学の事業所は、溶液の移送および保存のために、予め滅菌された、シングルユースプラスチック配管および折りたたみ可能なプラスチックバッグの採用を増やしている。滅菌は、管/袋マニホールド全体をガンマ放射線、またはエチレンオキシド雰囲気にさらすことによって達成される。予め滅菌され、無菌包装された管/袋マニホールドは市販されており(現在は、例えば、TCテック、ハイクローン、セイント・ゴベイン・パフォーマンス・プラスティクス(TC Tech、HyClone、St Gobain Performance Plastics)から入手可能)、溶液の手動移送のために使用される。典型的には、溶液移送手順は、ぜん動ポンプを操作するために、かつ溶液をリザーバから保存袋へ差し向けるための管クランプを手動で開閉するために、専門家を必要とする。この手順は、洗浄労力および洗浄確認費用を低減するけれども、操作者の相互作用および時間がなお要求され、これらの手法は、一貫した正確さおよび精密さに対して操作者の専門的技術に依存する。
【0006】
自動化された特徴を有する分注手法(センサ、モニタおよびプログラム可能なコントローラを含むことができる)は一般に知られている。キーズ(Keys)らの米国特許第5480063号および特許第5680960号は、閉ループ手法と併せて流体容積を制御する流体分注ユニットを記載しており、上記の特許は、これらが通気の必要性を回避することができることを示唆している。分注されるべき流体は、コントローラによって導かれるように、充填管を通って閉ループ機器から抜け出る。このような手法は、洗浄要求および/または洗浄確認コストおよび費用に対処しないが、これらの種類のシステムは、製薬および生物工学の事業所において、生物または化学流体を分注する、導く、組み合わせるまたは分離するために使用されるはずである。
【0007】
従前の装置は、プロセス溶液と直接接触するようになる隔膜弁を組み込むことができ、これらの弁は潜在的な汚染源である。したがって、隔膜弁は、費用のかかる洗浄確認手順を必要とする。加えて、このような装置は典型的には、適切なセンサ、特に導電率センサを欠いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によって、予め滅菌されたシングルユースプラスチック配管および少なくとも1つの折りたたみ可能な部分を有する容器を包含する技術分野において、自動化された無菌マニホールドおよびセンサを組み込むシステムにおける著しいコスト削減およびよりよい性能が実現できることが見出された。生物学的または化学的流体と接触する部品およびセンサは各々予め滅菌され、使用後は廃棄可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのセンサを含み、予め滅菌された使い捨てのマニホールドユニットに関し、これらマニホールドユニットを、「棚から即」使用可能なように滅菌梱包され、従って使用場所における長く時間のかかる洗浄および検査という問題に直接対処する使い捨てユニットにしている。複数の実施形態が開示される。各実施形態は、配管部分、少なくとも1つのセンサおよび複数のシングルユース保存または収集袋を含み、これらの各々は、選択的に開閉可能な複数の入口および/または出口通路を有する。配管部分は、遠隔操作が可能な1つまたは複数のピンチ弁と相互作用することができる。遠隔操作は、選択される実施形態に従って手順を実行するようにプログラムされたコントローラによって自動化される。
【0010】
生物学的処理または化学的処理用途における溶液の自動化された無菌移送のための、少なくとも1つのセンサを備える、改善されたシングルユースマニホールドを提供することが、本発明の全体的な態様または目的である。
【0011】
本発明のもう1つの態様または目的は、ピンチ弁の使用を、少なくとも1つの使い捨てセンサを含む使い捨ての滅菌済みマニホールド分注器ユニットと組み合わせる、改善された機器および方法を提供することである。
【0012】
この発明のもう1つの態様または目的は、生物学的および/または化学的流体の汚染を許容できない製薬および生物事業所および研究所で使用される移送機器のための洗浄手順に充てられる時間および資源の消費を著しく低減する、改善された機器および方法を提供することである。
【0013】
本発明の1つの態様または目的は、例えば、生物医学的生成物の調整、分離、検知および分注と関連した、流体の分離および精製で使用される機器のための検査手順の必要性を低減することである。
【0014】
この発明のもう1つの態様または目的は、それが、流体分注、分取クロマトグラフィおよび接線流濾過などの、検知機能を含む手順に対する清浄度要件を、これらの手順の操作を自動化しながら扱うことである。
【0015】
もう1つの態様または目的は、使い捨て導電率センサを、流体の分離および精製で使用される機器と一体化することである。
【0016】
もう1つの態様または目的は、使い捨て導電率センサをシステムコントローラまたはユーザインターフェースのいずれかと接続できる能力を提供することである。
【0017】
本発明のこれらのおよび他の目的、態様、特徴、改善および利点は、以下の詳細な記述の考察を通じて明瞭に理解されるであろう。
【0018】
この記述の間に、添付の図面の参照が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
必要に応じ、本発明の詳細な実施形態が本明細書で開示されるが、しかしながら、開示される実施形態は単に本発明の例となるものであり、それは様々な形で具体化されてもよいことを理解されたい。したがって、本明細書で開示される特有の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲に対する根拠として、および事実上任意の適切な方法で本発明を様々に用いるように当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0020】
自動無菌溶液移送装置として使用するために特別に設計された装置が図1〜3で例示される。この発明により処理される流体は、本明細書では、生物工学流体、医薬流体、化学流体など、様々に称される。これらは、溶液、液体、又は、気体含有系などであると理解される。一般に、これらは本明細書では生物工学流体と称される。
【0021】
製薬および生物工学の事業所では、媒質調整部門は典型的には、良好な製造実施に付随する溶液生成プロトコルで使用される溶液を調整する。媒質調整部門は、溶液配合を維持すること、緩衝溶液を調整しかつ保存すること、ならびに整合性および正確性を要求する他の任務に対して責任がある。例えば、緩衝溶液は大きなタンク内で調整され、次いで、例えば0.1μの空孔を有する、滅菌フィルタを通してポンプでくみ上げられる。典型的にはこのような溶液は、後の使用のために、滅菌済みのシングルユース保存袋に充填される必要がある。媒質調整部門はまた、接種溶液を生物反応器の操作者に提供しなければならない場合もある。生物反応器のバッチ完了時には、反応器の培養液はしばしば、後の処理のために滅菌保存袋に充填される。
【0022】
図1は、本発明による、滅菌済みシングルユース(single−use)部品を示す。一般に、これらの使い捨て部品は、マニホールドおよび移送配管アセンブリと、複数の袋である。複数のシングルユース保存/収集袋21、22、23が示される。各々は3つの管接続部を有する。主要な入口配管は、無菌コネクタ24および手動遮断クランプ25を備え、各々は一般に既知の構成から成る。溶液保存中、無菌コネクタ24は、無菌コネクタ24を汚染から保護するためにエンドキャップ(図示されず)で覆われる。手動遮断クランプ25は、溶液保存中は閉じられる。これらは第1の管接続部30において示される。
【0023】
第2の管接続部26は、閉じた手動遮断クランプと共に袋に接続される、短い配管部分を備える。この配管およびクランプ構成は、充填操作中の袋内部のいかなる気体および/または圧力上昇をも取り除くように使用される。第3の管接続部27は、第2の接続部と同一であり、短い配管部分およびクランプを含む。これは、袋の内容物の再循環のための補助入口および/または出口として使用されることができる。
【0024】
典型的な袋充填操作中は、第1のおよび/または最後の収集袋は、品質制御袋の目的を果たすことができる。しばしばこれらの品質制御袋は、1リッタ(106mm3)などのように、より小さな容積であろう。最初の装置起動サイクル中に、第1のこのような品質保証(QA)袋はプロセス溶液で満たされる。通常は(1または複数の)QA袋よりも大きな容積を有し、操作の生成物を含む袋の全てが充填された分注サイクルの終わりには、第2のQA袋が充填される。QA袋に含まれる溶液は、次に、汚染または他の品質保証の必要性のために分析される。
【0025】
袋充填処理が完了すると、各袋上の手動遮断クランプが閉じられ、無菌管接続部が非接続状態にされる。保存中、無菌コネクタ端部はエンドキャップ(図示されず)で保護される。
【0026】
次いで図1のシングルユース滅菌済みマニホールドおよび移送配管アセンブリを参照すると、1つのこのようなユニットは28で全体的に示される。これは、自動溶液移送のための一般化されたマニホールドを示す。ユニット28の移送配管31の入口端部29は、溶液、典型的には滅菌溶液の、タンクなどの容器との連通のためである。滅菌されたマニホールドおよび移送配管アセンブリ28は、随意のインライン圧力センサ32およびシングルユース滅菌フィルタ33と一緒に示される。連続的に接続された複数の端部を有する1つの端部が、例示されるフィルタ33の下流に位置している。適切な動きを与えるデバイスによって、溶液は、タンクまたはリザーバからセンサ32(もし含まれていれば)およびフィルタ33を通って移動し、次いでシングルユース滅菌済み保存袋へ連続的に分岐される。
【0027】
図2は、複数のピンチ弁41、42、43、およびこれらの保存袋に対するそれぞれの相対位置を示す。弁のいくつかまたは全ては、遠隔操作されることができ、典型的には空気圧でまたは電気的に駆動される。典型的な装備は、12までのまたはそれより多くの空気圧で作動されるピンチ弁を収容できる能力を有する。同様の数の保存袋が収容されてよい。図2は、随意の圧力センサおよびシングルユース滅菌フィルタに関連する、ピンチ弁の相対的な位置を示す。図3は、タンク44およびポンプユニット45のポンプヘッドに対するマニホールドおよび移送配管アセンブリ28の相対的な位置を示す。好ましくは、ポンプは、穏やかで再現可能な袋充填を提供する、高精度、低せん断のぜん動ポンプである。一実施例はワトソン・マーロウ(Watson Marlow)620REぜん動ポンプヘッドである。
【0028】
保存袋へのアクセスはピンチ弁を介して提供される。ピンチ弁は通常閉じられており、典型的な空気圧ピンチ弁は、開くために加圧された空気(例えば、551.58〜689.475KPa(80〜100psi))を必要とする。このようなピンチ弁が加圧されると、溶液は保存袋へ入ることが許容され、一方、袋内の空気は一体の通気フィルタを通って逃がされる。(1又は複数の)ピンチ弁は、空気圧でまたは電気的に操作されるピンチ弁(現在はアクロ・アソシエイツ・インク(ACRO Assoiates、Inc)から入手可能)である。それらは、配管外部に取り付けられ、複数弁用コントローラ(現在はサイログ社(SciLog Inc.)から入手可能)または別のコンピュータベースの処理ロジック制御(PLC)デバイスによって操作される。外部ピンチ弁は、配管内の滅菌環境を損なうことなく、マニホールド内部の溶液を分岐させる。他の装置で使用されている隔膜弁は、プロセス溶液と常に接触しているが、ピンチ弁はプロセス溶液と接触しない。
【0029】
随意の使い捨て圧力センサ22は、フィルタの背圧を連続的に監視する。このセンサは、望まれない事態を回避するために、適切なコントローラに情報を提供することができる。例えば、使用者が決定する安全な圧力限界が超過されたとき、コントローラは、滅菌フィルタの能力が使い尽されたことを示す警報を発することができる。この件についての詳細は、米国特許第5947689号および特許第6350382号、ならびに米国特許出願公開第2002/0043487号で見いだされる。本明細書で言及されるこれらの特許および公開ならびに全ての他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
コントローラは、独立型のユニットまたは別のデバイスと関連していてもよい。好ましい構成では、コントローラはポンプユニット45と関連する。これは図3の46において示される。それがどのような形態をとるにしても、コントローラは、遠隔操作可能な(1又は複数の)ピンチ弁の操作を制御する。バッチ充填速度は、各保存袋へ供給されるバッチ容積と同様、コントローラ内に存在するソフトウエアを介して使用者がプログラミング可能である。コントローラは、容積、重量によってまたは充填時間およびポンプ速度に基づいて自動袋充填を提供する。
【0031】
典型的には、使用者により決定されるプログラムが、図1〜3による保存袋の自動充填のために提供されるであろう。これは、サイログ社(Scilog、Inc.)のサイプロ(SciPro)コントローラに関して記載され、一般的には、米国特許第5947689号および特許第6350382号ならびに米国特許出願公開第2002/0043487号に記載されている。これらの手法を使って、過剰な圧力上昇が、関連する漏洩および袋の破損と共に防止される。例えば、そのようにプログラムされれば、使用者が決定する安全圧力限界が超過されると、コントローラは、全てのポンピング動作を停止する。
【0032】
マニホールドを制御するための例示の溶液移送プログラムは次のとおりである。SciPro編集モードにおいて、使用者は複数袋用の計測プログラムを入力し、保存する。下記のものは、3つの20リッタ(206mm3)保存袋21、22、23を充填するための簡単なプログラムの一実施例である。
充填プログラム実施例
【0033】
【表1】
【0034】
速度および時間プログラムステップの変化はいかなる保存袋容積にも適合する。充填されるべき袋の数を増やす(実施例では12まで)ために、追加の「実行」プログラムブロックを挿入することができる。しかしながら、容量または重量プログラム命令のいずれかに基づいて保存袋が充填される、類似のソフトウエアプログラムを作成することができる。重量による袋充填のためには、適切な能力を持つ重量計が必要とされる。この点に関してコントローラにデータを供給するために、随意の重量計またはロードセル47を提供することができる。この実施形態は使用者が決定した流体の容積を測定し、これらは、充填されるべき次の空の保存袋へ自動的に切り換わることが理解されるであろう。
【0035】
図4〜6で全体的に例示される第2の実施形態は、自動分取クロマトグラフィを達成する。分取クロマトグラフィでは、対象となる生体分子を含有するプロセス溶液は、液体中に懸濁されるゲル状粒子(固定相)のカラムを通ってポンプでくみ上げられる。対象の生体分子は、特に固定相と(例えば、イオン対イオン相互作用、疎水性相互作用、大きさによる分離、親和性を介して)相互作用し、これにより生体分子がカラムを通って進むのを遅らせる。理想的には、他の溶解した生体材料は、固定相と弱くのみ相互作用し、従って早急にカラムから抜け出る。
【0036】
その結果は、プロセス溶液基質の残部からの生体分子の分離と濃縮である。溶離緩衝液の導入は、固定相の局所的な化学的環境を変化させ、それによって生体分子が解放されるようになり、従ってカラムの外側で溶離緩衝液の比較的小さな容積内に収集されることが可能となる。
【0037】
自動分取クロマトグラフィでは、固定相を含有するカラムは最初に洗浄され及び/または適切な緩衝溶液を用いて平衡状態にされる。この洗浄および/または平衡化サイクルの後には負荷サイクルが続き、負荷サイクル中にプロセス溶液がカラムを通ってポンプでくみ上げられる。対象となる生体分子は固定相に付着する。負荷サイクルは、プロセス溶液の容積およびカラムを通って溶液がポンプでくみ上げられるポンプ速度に依存して、多くの時間がかかる可能性がある。負荷サイクルの後には、吸着されなかった生体材料をカラムから除去するために、第2の洗浄サイクルが続く。
【0038】
次いで、カラムから生体分子を除去するために、溶離緩衝液が導入される。この生体分子の除去は、階段状の勾配または線形の勾配のいずれかで実施される。ピーク回収が完了した後、当技術分野で一般的に知られているように、クロマトグラフィカラムは、適切な緩衝溶液を使用して再生され、再平衡化される。
【0039】
マニホールドおよび移送配管アセンブリ48は、分取クロマトグラフィ手順を自動化するための一般化されたマニホールドを示す。操作において、およびコントローラシステムを利用して、例示の空気圧で制御されるピンチ弁51が加圧され、従って開かれ、それによって洗浄および/または平衡化緩衝液袋54へのアクセスを提供する。使用者が決定可能なポンプ速度で、洗浄緩衝液は、使い捨てのインライン圧力センサ55を通り、気泡トラップ(図示されず)を通り、クロマトグラフィカラム56を通り、および検出器またはUVフローセル57を通ってポンプでくみ上げられる。フローセルを出ると、ピンチ弁49が加圧され従って開いた状態で、洗浄/平衡化緩衝液は廃棄物容器または袋58内に収集される。
【0040】
負荷サイクル中、ピンチ弁51および49は開かれ/加圧され、一方、ピンチ弁52、53および59は閉じられたままである。ポンプユニット45は、マニホールド装置48、カラム56およびフローセル57を通じてプロセス溶液をくみ上げ、廃棄物容器または袋57に収集する。いくつかのクロマトグラフィ用途では、フローセルを出る処理溶液は、再処理の可能性のために「プロセス受取袋」(図示されず)に別個に保存される必要がある。もう1つのピンチ弁(図示されず)は、このような「プロセス受取袋」へのアクセスを提供する。
【0041】
負荷サイクルの後に、吸収されない材料をカラムから廃棄するために運び出す洗浄サイクル(弁51および49は開かれ/加圧され、他の全てのピンチ弁は閉じられる)が続く。ピンチ弁53および49を開くことによって、袋63内の溶離緩衝液はカラム内に導入され、最初に廃棄するためにポンプでくみ上げられる。しかしながら、UV検出器57からの信号が使用者定義値を超えると、ピンチ弁59は開かれ、それによってピーク回収袋61へのアクセスを提供し、一方弁49は閉じられる。溶離ピークの後側では、弁59は再び閉じられ、一方同時に弁49は開かれる。
【0042】
対象となる材料が袋61に収集された後、クロマトグラフィカラム56は再生および再平衡化を必要とする。カラム再生プロセスは、当技術分野では一般に既知の適切な緩衝溶液(図示されず)へのアクセスを介して簡単に自動化される。潜在するクロマトグラフィの複雑さに依存して、5つまたは6つの緩衝溶液へのアクセスが必要とされるかも知れず、これらは、所望の、それら自身のシングルユース袋で提供されることができる。同様に、もし複数の生成物ピークが回収されるべきであるならば、追加の(1又は複数の)ピーク回収袋が、追加の(1又は複数の)ピンチ弁と同様、マニホールドおよび移送配管アセンブリ48に導入されることもありうる。
【0043】
供給区分として示されるマニホールドおよび移送配管アセンブリ48、ならびにクロマトグラフィ済み流体のための第2の管および袋アセンブリ64の、シングルユース滅菌済み部品が図4に示される。図4に示されるシングルユース保存/収集袋54、62、63の各々は3つの管接続部を有する。主要な入口配管65は無菌コネクタ66および手動遮断クランプ67を備える。溶液保存中、無菌コネクタ66は、該コネクタを汚染から保護するためにエンドキャップで覆われる。手動遮断クランプは、溶液保存中は閉じられる。
【0044】
第2の管および袋アセンブリ64は、閉じた手動遮断クランプ68と共に袋に接続される短い配管部分68を備える。第2の配管/クランプ構成71は、充填操作中の袋内部のいかなる気体および/または圧力上昇をも取り除くように使用される。第3の管接続部72は第2の配管/クランプ構成71と同一であり、袋内容物の再循環のための補助入口/出口として使用される。
【0045】
シングルユース保存/収集袋58および61は、図4および図5で示されるように、残りの管マニホールド72に接続される。図5は、ピンチ弁51、52、53、49および59の相対位置ならびに圧力センサ55の位置を示す。図6は、マニホールド配管のぜん動ポンプヘッド45への挿入とクロマトグラフィカラム56および検出器57への接続を示す。
【0046】
典型的なクロマトグラフィ用途では、シングルユース保存袋54(洗浄緩衝液のため)、52(プロセス溶液のため)および63(溶離緩衝液のため)は、例えば図1〜3の実施形態を使用することによって、あらかじめ充填された。クロマトグラフィの実行が完了すると、各収集袋58(廃棄物のため)、61(ピーク回収のため)上の、および(所望により)プロセス受取(図示されず)のための手動遮断クランプが閉じられ、無菌管接続部が非接続状態にされる。保存中、無菌コネクタ端部はエンドキャップで保護される。
【0047】
クロマトグラフィのためのマニホールド構成を制御するためにプログラムされたサイプロ(SciPro)コントローラをさらに参照すると、そのモードは、一連の簡単な命令、即ち、実行(RUN)、速度(RATE)、時間(TIME)、容量(VOLUME)、P 限界(LIMIT) 1、および、V=000000(全ピンチ弁が閉じられる)またはV=123456(全ピンチ弁が開かれる)などの弁状態(Valve States)の入力および保存を可能とする。
【0048】
このコントローラモードはサブプログラムのブロックに整理される。1つのプログラムブロックの終了命令文は「容量(VOLUME)」、「時間(TIME)」、「P 限界(LIMIT) D1(またはD2)」または「N 限界(LIMIT) D1(またはD2)」命令文とすることができる。命令文「P 限界(LIMIT) D1=5%」は「5%フルスケール(FS)のしきい値を持つ検出器D1の正勾配信号」と読める。クロマトグラフィプログラムの実施例を参照されたい。
クロマトグラフィプログラムの実施例
【0049】
【表2】
【0050】
例えば、ライン014において、D1信号が正勾配および5%FSより大きな値を有する(ライン013)と、コントローラは「廃棄」から「回収」へ切り換わる。命令文「N LIMIT D1=10%」は「10%FSのしきい値を持つ検出器D1の負勾配信号」と読める。ライン016において、D1信号が負勾配(ピークの後側)および10%FSの値を有する(ライン15)と、コントローラは「回収」から「廃棄」へ切り換わる。
【0051】
使用者は、クロマトグラフィの実行中の任意の時刻に、RUN、RATE、TIME、VOLUME、P LIMIT 1、N LIMIT D1および弁状態(Valve States)の値を編集および/または修正することができる。使用者定義の用途プログラムは、コンピュータのハイパーターミナルを利用することによって、任意の時刻に外部のコンピュータからアップロードまたはダウンロードすることができる。
【0052】
この実施形態でもって、事象の逐次スケジューリングが達成されることが理解されるであろう。これらは、洗浄、負荷および溶離サイクルの逐次スケジューリングを含む。コントローラは、緩衝液選択、負荷およびピーク容積回収を開始することができる。典型的なインライン濃度検出器は、同時に監視可能な4〜20MA出力の複数出力を有するウェッジウッド(Wedgewood)のUVおよび/またはpH検出器とすることができる。典型的なポンプは、1分間につき15リッタ(15×106mm3)のポンプ速度で413.685KPa(60psi)を生成することができる、ワトソン・マーロウ(Watson Marlow) 620Rぜん動ポンプヘッドである。
【0053】
使用者定義の検出しきいレベルは、弁切換えおよびピーク容積回収のために使用される。ポンプ速度、カラム圧力、および弁位置などの、全ての溶液取扱いパラメータは、実時間で監視し、記録することができ、印刷するまたは電子的に保存することができる。
【0054】
第3の実施形態では、この使用のために設計された変形装置を用いて、自動接線流濾過が実施される。先に参照された米国特許第5947689号および米国特許第6350382号ならびに米国公開特許出願第2002/0043487号は、接線流濾過(TFF)手順の自動化を開示する。これらは、使い捨ての、シングルユースマニホールドの使用と組み合わせられ、このマニホールドはまた、使い捨て圧力センサおよび折りたたみ可能なシングルユース保存袋ならびに遠隔操作される(1または複数の)ピンチ弁の使用も含む。
【0055】
シングルユース滅菌済みマニホールドを利用する典型的なTFF用途は図7〜9に示される。図7は、使い捨ての滅菌済み部品を示し、配管の濾過通液(flow−through)区分内のプロセス溶液袋82と同様、透過収集袋81を有する配管濾過済み流体区分を含む。これらは無菌で密封され、予め滅菌された(例えば、放射線を受けた)梱包内にある。TFF用途の最初、透過収集袋81は空で、ガス抜きされており、無菌でTFFマニホールドに接続された。プロセス溶液袋は、図1〜3のシステムを使用するなどによって、予め充填された。プロセス溶液袋82は随意の計器83上に置かれ、装置の残部に無菌で接続される。いくつかの用途では、重量情報が、制御ロジックを実行する際にコントローラに伝達されることができる。
【0056】
この実施形態の滅菌済み部品は図7に示される。透過収集袋81は3つの管接続部を有する。主要な入口配管84は、無菌コネクタ85および手動遮断クランプ86を備える。溶液保存中、無菌コネクタ85は、該コネクタを汚染から保護するために、エンドキャップで覆われる。手動遮断クランプは、溶液保存中は閉じられる。
【0057】
第2の管接続部は、閉じた手動遮断クランプ88と共に袋に接続される短い配管部分87を備える。第2の配管およびクランプ構成は、充填操作中の袋内部のいかなる気体および/または圧力上昇も取り除くように使用される。第3の管接続部89は第2の配管およびクランプ構成と同一とすることができ、袋内容物の再循環のための補助の入口および出口として使用される。
【0058】
同様に、プロセス溶液袋82は、3つの入口および/または出口管接続部を有する。第1の管接続部91は、溶液を袋からポンプでくみ出すための出口として使用される。第2の管接続部92は、再循環された未透過物(retentate)を収容するための戻り入口としての役目をする。第3の管接続部93は再度、袋内部のいかなる過剰な気体および/または圧力上昇も取り除くように作用する。
【0059】
透過収集袋およびプロセス溶液袋は、図7の94で全体的に示される濾過管マニホールドに接続される。図8は、ピンチ弁95および96の相対的な位置ならびに3つの圧力センサ97、98、99の位置を示す。図9は、ぜん動ポンプユニット45のヘッドへのマニホールド配管の挿入を示す。
【0060】
ポンプユニット45を起動する前に、手動遮断クランプの全ては、袋内部の気体および/または圧力上昇を取り除くクランプを除いて、開かれる。最初に弁95が閉じられ、弁96が開き、一方、ポンプユニット45は、接線流フィルタシステム101を通って、プロセス溶液袋82内に含まれる溶液を再循環させ始める。配管および接線流フィルタシステム101内に含まれる空気容積は、最後にはプロセス溶液袋82内へ行き、ここでそれは、滅菌空気フィルタ(図示されず)を通って外部に排気される。最適ポンプ再循環速度が安定化されるとすぐに、ピンチ弁95が開かれ、透過物が収集される。
【0061】
マイクロ濾過またはウルトラ濾過は、一定速度または一定圧力のどちらかによって実施されることができる。コントローラ46の使用を通じて濾過処理を自動化するのに適するソフトウエアプロブラムは、米国特許第5947689号および第6350382号ならびに米国特許出願公開第2002/00434487号に記載されている。
【0062】
図10、図11、および図12で全体的に例示される第4、第5、および第6の実施形態は、図1〜9で例示される第1の3つの実施形態に多くの点で類似している。しかしながら、図10〜12で示される装置は少なくとも1つの導電率センサを含む。任意の入手可能な電導率センサをこれらの装置で使用することができ、例えば、環状センサがある。本発明によれば、導電率センサは、滅菌済シングルユースの使い捨てインラインセンサである。図13で示される実施形態は、電極を有するセンサである。
【0063】
図10は、図1〜3の装置に類似する無菌溶液移送装置を示し、同様の数字は同様の部品を示す。しかしながら、この実施形態では、インライン圧力センサ32は、使い捨てインライン導電率センサ102に置き換えられている。操作中、溶液は、タンクまたはリザーバ44からセンサ102、フィルタ33を通って移動し、次いでシングルユース保存袋21、22および23内へ連続的に分岐される。上述のピンチ弁41、42、および43は、所望により含まれていてもよく、各保存袋へのラインを閉じるように遠隔操作されることができ、典型的には空気圧でまたは電気的に作動させられる。
【0064】
導電率センサは溶液の導電率レベルを監視する。導電率レベルは、情報を表示するユーザインターフェースまたはマニホールドコントローラ46のいずれかに折り返し報告される。1または複数の導電率センサによって提供される情報に基づいて、マニホールドコントローラ46(またはいくつかの実施形態ではユーザインターフェース)は次いで、ポンプユニット45の操作を変更し、様々なピンチ弁を開閉し、使用者決定プログラムを開始し、または使用者決定プログラムを停止することができる。
【0065】
第5の実施形態は図11で全体的に例示され、自動分取クロマトグラフィを達成するために利用される。上述のように、分取クロマトグラフィでは、対象となる生体分子を含むプロセス溶液は、液体内に懸濁されるゲル状粒子(固定相)のカラムを通ってポンプでくみ上げられる。対象となる生体分子は固定相と相互作用し、一方、プロセス溶液内のその他の生体分子はカラムから早急に抜け出る。マニホールドおよび移送配管アセンブリ48は、図4〜6で示されるような一般化されたマニホールド装置を表す。図4〜6で示される装置とは異なり、第5の実施形態は、インライン圧力センサ55、検出器57、または両方が、インライン導電率センサ155、157に置き換えられている。
【0066】
導電率センサは、クロマトグラフィカラム56に入る溶液の導電率レベルおよび溶液がカラムから離れるときの導電率レベルを監視する。導電率レベルは、情報を表示するユーザインターフェースまたはマニホールドコントローラ46のいずれかに折り返し報告される。導電率センサによって提供される情報に基づいて、マニホールドコントローラ46(またはいくつかの実施形態ではユーザインターフェース)は次いで、ポンプユニット45の操作を変更し、様々なピンチ弁を開閉し、使用者決定プログラムを開始し、または使用者決定プログラムを停止することができる。
【0067】
図12で示される第6の実施形態は、導電率センサが自動接線流濾過を実施するように設計された装置と併せて、どのように使用されるかを示す。第6の実施形態は、図7〜9で示される装置と同じ全体的な構成を有し、圧力センサ98の後におよびピンチ弁96の前に置かれるインライン導電率センサ158が追加されている。
【0068】
導電率センサは、プロセス溶液袋82に移動する流体の導電率レベルを監視する。導電率レベルは、情報を表示するユーザインターフェースまたはマニホールドコントローラ46のいずれかに折り返し報告される。導電率センサによって提供される情報に基づいて、マニホールドコントローラ46(またはいくつかの実施形態ではユーザインターフェース)は次いで、ポンプユニット45の操作を変更し、様々なピンチ弁を開閉し、使用者決定プログラムを開始し、または使用者決定プログラムを停止することができる。導電率センサ158は、配管を通ってプロセス溶液袋82へ移動する分子の濃度または不在を監視するので、TFFにおいて有用である。例えば、もし、接線流フィルタの洗浄または操作の間に、導電率センサが異常に高い導電率レベルを計測すると、該センサは、フィルタに不具合があることを、コントローラまたは使用者へ信号を発して知らせることができる。一方、もし、接線流フィルタの洗浄または操作の間に、導電率センサが異常に低い導電率レベルを計測すると、それは、フィルタまたは配管が閉塞していることを信号を発して知らせることができる。
【0069】
インライン導電率センサの好ましい実施形態は、2つの部品、即ち、ユーザインターフェースまたはコントローラ46および使い捨てセンサアセンブリモジュールを有する。インラインのシングルユースまたは使い捨ての導電率センサのさらなる説明は、参照により本明細書に組み込まれ、本出願と同時に出願された、題名「バイオプロセシング用の使い捨て較正済み確認済みセンサ(Disposable、Pre−Calibrated、Pre−Validated Sensor for use in Bio−processing Applications)」の同時係属の出願第 号で見いだされる。しかしながら、他の実施形態では、各部品の機能性はその他の部品と組み合わされ、またはその他の部品に移動される。
【0070】
図13で200として全体的に示される使い捨てセンサアセンブリモジュールは、安価な部品を含む。典型的には、センサアセンブリモジュールは、短い管状流体導管202および全体的に201として示される検知部分を含み、この検知部分は、電極203、印刷回路基板(PCB)204およびセンサ組み込み不揮発性メモリチップ(図示されず)を含む。この実施形態では、4つの電極ピン203は、流体導管壁202に直線状に配置された4つの穴を貫通して圧入され、流体導管202の両端部において接続される装置を通って進む流体の通路内に置かれる。電極203および穴は、漏洩または汚染を防止するために、所定の位置にエポキシ樹脂で接着され、接続されまたは密封される。PCB104はシース205内に封入される。汚染を防止するために、およびアセンブリ201をいかなる流体にも影響されないようにするために、シース205、PCB204、電極203およびある程度の流体導管202の組合せは、外部筐体206内に密封される。
【0071】
環状導電率センサが、センサアセンブリ202内の電極の代わりに使用されてもよい。環状センサの環状部分は、流体回路の周りを閉塞しないように(non−obtrusive manner)配置することができる。典型的には、2つの環状部分が使用される。1つの環状部分は、流体を通って電流を「駆動する」または誘起するために使用され、一方もう1つは、流体を通って誘起される電流を「検知する」または計測する。
【0072】
電極または環状部分はPCB204に接続される。PCBは、流体回路202内の流体の温度を測定するためのサーミスタまたは不揮発性メモリチップもしくはEEPROMなどの様々な部品を含んでもよい。PCBは、ユーザインターフェース、制御ユニット、またはコントローラ46に接続される。コントローラ46またはユーザインターフェースは、差し込み式ワイヤまたはリード線(図示されず)によって、PCB204、その部品、および電極203に接続し、アクセスする。
【0073】
コントローラ46またはユーザインターフェースは、電極または環状部分を駆動する電流を生成し、「検知する」電極または環状部分で電流を測定することによって導電率を測定する。流体導管を通過する流体の導電率は、1つまたは複数の電極を通って電流を駆動し、次いで残りの電極を使用して流体を通過する電流を測定することによって測定される。測定される電流または電圧降下は、流体導管を通過する流体の導電率に比例する。
【0074】
ユーザインターフェースまたはコントローラ46は、センサの不揮発性メモリに保存される較正情報にアクセスしてもよい。使い捨てセンサ200の製造中の、電極203の設計および配置における小さな変化は、サーミスタの精度の変化と同様、不正確な導電率測定につながるかもしれない。しかしながら、各センサは、これらの小さな変化による悪影響をなくすために個別に較正される。センサ固有の較正情報は、センサの不揮発性メモリに保存される。
【0075】
この較正情報はオフセット温度および導電率定数を含んでもよい。オフセット温度は、流体の既知の温度と較正時のセンサによる温度基準との間の線形差を表す。導電率定数は、流体の既知の導電率と較正時のセンサによる導電率基準との間の差を表す。流体導管内の流体の導電率を測定するとき、ユーザインターフェースまたはコントローラ46は、導電率を求める計算において使用するために、較正情報を引き出すことになる。オフセット温度および導電率定数は、流体導管202を通過する生物工学流体の実際の導電率を計算するために、ユーザインターフェースまたはコントローラ46によって後に利用される。
【0076】
較正情報はまた、較正の方法、同じロット内の異なるセンサ間の統計的ばらつき、およびセンサが最後に較正された日付についての情報も含んでよい。
【0077】
較正情報に加えて、製造情報がセンサの不揮発性メモリに保存されてもよい。製造情報は、センサが製造された日付、時間、またはロット番号などの項目を含んでよい。
【0078】
図14は、全体的に210で示される、ユーザインターフェースの可能な一実施形態を示す。上述のように、センサ200は、コントローラ46かまたはユーザインターフェース210に接続されてもよい。ユーザインターフェース210もコントローラ46も両方とも同じ機能を提供し、同様の情報を表示できるが、図14におけるユーザインターフェース210の実施形態が有利でありうる。ユーザインターフェース210は、全体のマニホールド装置またはコントローラ46と比較して、いくらかは携帯により便利であり、全体の装置から切り離して利用されてもよく、ユーザインターフェースまたは装置部品のいずれかが独立して改良されるまたは取り換えられることを可能とする。他の実施形態はコントローラ46をユーザインターフェース210に置き換えることができる。これらの実施形態では、より小さなユーザインターフェース210はまた、装置からデータを受け取り、様々な弁およびポンプを操作するために制御ロジックも有する。本発明において、ユーザインターフェースおよびコントローラという用語は交換可能に使用されてもよい。
【0079】
ユーザインターフェース210は、その表面に表示部211およびいくつかの入力キーを有する。これらのキーは、Menuキー222、Upキー223、Downキー224、Re−Calキー225、Enterキー226、Exitキー227およびSensor On/Sensor Standbyキー228を含む。ユーザインターフェースをオンにするためには、使用者はSensor Onキー228を押さなければならない。通常の操作中は、表示部211は典型的には、装置によって測定されている流体の導電率をジーメンスで、流体の温度を℃で、全導電率の百分率を、および全導電率の百分率のグラフ表現を報告する。
【0080】
Menuキー222は、使用者が図15で示されるように異なるメニューを経て進行することを可能にする。表示部画面221は最初「実行(RUN)」画面230を提示し、これは典型的には、装置によって測定されている流体の導電率(conductivity)をジーメンスで、流体の温度を℃で、全導電率の百分率を、および全導電率の百分率のグラフ表現を表示する。使用者がMenuキー222を繰り返し押すと、画面221は、高導電率値231(例えば、80000μS)を、次いで低導電率値232(例えば、0μS)を表示する。使用者がMenuキー222を押し続けると、ユーザインターフェース220は、センサの不揮発性メモリから引き出された較正情報を表示する。
【0081】
ユーザインターフェースは、必ずしもセンサに保存される較正情報を使用する必要はない。例示の実施形態では、使用者は、センサの不揮発性メモリに保存される情報を恒久的に変更することなく、ユーザインターフェース220によって利用される較正情報を変更してもよい。使用者は、ユーザインターフェース220によって利用される較正情報を、対応する画面が表示されたとき、上向きまたは下向きの矢印キー223、224を選択することによって、手動で変えてもよい。
【0082】
変更可能な較正情報は、基準温度233、温度係数234、およびオフセット温度235を含んでもよい。Menuキー222を押すことによって、使用者は、上向きまたは下向きの矢印キー223、224を使用して、導電率が表示される単位236、シリアルポートの設定237、印刷オプションのための異なる印刷時間238、ユーザインターフェース220が高警報音239または低警報音240を生成する点での最大導電率測定値を変更してもよい。使用者はまた、工場較正値241を再保存または再導入するように選択してもよく、または日付242および時間243を変えてもよい。任意の上述のオプションが提示されたとき、使用者は、Exitキー227を押すことによって、オプションを変えることなくユーザインターフェースを通常の操作に戻してもよい。
【0083】
使用者はまた、再較正プログラムを実行するRe−calキー225を選択することによって、センサを再較正してもよく、または不揮発性メモリチップに保存される較正情報を上書きしてもよい。図16に示されるように、再較正プログラムは、表示部画面221上に較正情報を表示する。使用者は、上向きおよび下向きの矢印キー223、224を使用することによって、較正情報を走査することができる。Menuキー222を押すことによって、使用者は、ポンプ低計算溶液244、外部較正データ245および246、ならびに高ポンプ較正247、248および249などの、較正情報の特定の部分を選択してもよい。使用者は次いで、上向きまたは下向きのキー223,224を選択することによって、較正情報の各部分に対する値を変更してもよい。
【0084】
情報が変更された後、使用者がEnterキー225を押すと、新しい値が、センサの不揮発性メモリに保存される情報を上書きする。表示部211は次いで、新しい較正情報を使用して計算されたものとして現在の読み250を報告する。将来は、使用者が「工場リセット」241を選択すると、ユーザインターフェースの現在の設定は、最後の再較正プログラム中に使用者によって入力された値と取り換えられる。しかしながら、もし使用者が、オプションを変えることなく再較正プログラムを終了させることを望むならば、使用者はExitキー227を押すだけでよい。
【0085】
ユーザインターフェース220はまたSensorキー(図示されず)も含んでよい。図17に示されるように、使用者がSensorキーを押すと、ユーザインターフェースは、センサの不揮発性メモリに保存される製造情報および較正情報を引き出す。較正情報は、再較正プログラムによって取り換えられた情報を含んでもよい。最初に、この操作は、センサ251に対する唯一のID番号を表示する。Menuキー222を押すことによって、使用者は、示されるような較正中に使用される溶液の種類、較正溶液の温度、およびセンサに対する統計的情報などの、他の較正情報252を見てもよい。使用者はまた、センサが最後に較正されたまたは再較正された日付253を見てもよい。使用者は、Exitキー227を押すことによって、ユーザインターフェースを通常の操作254に戻してもよい。
【0086】
述べられてきた本発明の実施形態は、本発明の原理の応用のいくつかの例示であることが理解されるであろう。本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更形態が実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】溶液の移送および収集に特に適しているシングルユース滅菌済み装置のやや概略的な図である。
【図2】そのうちの少なくとも1つが遠隔操作可能であるピンチ弁と作動的に関連する、図1のシングルユース装置の図である。
【図3】装置を通って溶液を移送するために使用する手段と共に示される、図1および図2の特徴の組合せを示す図である。
【図4】自動分取クロマトグラフィでの使用に特に適しているシングルユースの滅菌済み装置のやや概略的な図である。
【図5】そのうちの少なくとも1つが遠隔操作可能であるピンチ弁と作動的に関連する、図4のシングルユース装置の図である。
【図6】装置を通って溶液を移送するために使用する手段と共に示される、図4および図5の特徴の組合せを示す図である。
【図7】自動接線流濾過手順に特に適しているシングルユース滅菌済み装置のやや概略的な図である。
【図8】そのうちの少なくとも1つが遠隔操作可能であるピンチ弁と作動的に関連する、図7のシングルユース装置の説明図である。
【図9】装置を通って溶液を移送するために使用する手段と共に示される、図7および図8の特徴の組合せを示す図である。
【図10】少なくとも1つの使い捨て導電率センサと作動的に関連する、溶液の移送および収集に特に適しているシングルユース装置の説明図である。
【図11】使い捨て導電率センサと作動的に関連する、自動分取クロマトグラフィでの使用に特に適しているシングルユース装置の図である。
【図12】少なくとも1つの使い捨て導電率センサと作動的に関連する、自動接線流濾過手順に特に適しているシングルユース装置の図である。
【図13】使い捨て導電率センサの切り欠き図である。
【図14】ユーザインターフェースの外観を示す図である。
【図15】ユーザインターフェースによって提示される異なる画面を示すフローチャートの例である。
【図16】使用者が再較正プログラムを実行するように選択するとき、ユーザインターフェースによって提示される異なる画面を示すフローチャートの例である。
【図17】使用者が較正および生成情報を見るように選択するとき、ユーザインターフェースによって提示される異なる画面を示すフローチャートの例である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物工学用途のためのマニホールド装置であって、1回の使用に適合するように滅菌済みであり且つ使い捨てのマニホールドユニットを備えており、前記マニホールドユニットは、
(a)少なくとも1つの入口端部、少なくとも1つの出口端部、外側表面、および生物工学流体の通過のために滅菌された内側表面を有する少なくとも1つの配管部分と、
(b)主要アクセスポートを有する少なくとも1つのシングルユース袋と、
(c)前記シングルユース袋の前記主要アクセスポートに前記配管部分を作動的に接続するための無菌コネクタ手段と、
(d)一回の使用に適合する1つまたは複数の滅菌済み使い捨て導電率センサと、を備える、マニホールド装置。
【請求項2】
前記装置が、自動化された無菌流体移送に用いられ、さらに、複数の前記シングルユース袋を備えており、前記シングルユース袋の各々が主要なアクセスポートを有しており、前記無菌コネクタ手段が、前記シングルユース袋のうち少なくとも1つの前記主要アクセスポートに、前記配管部分を作動的に接続し、前記配管部分の前記出口端部が、前記シングルユース袋との作動的な接続のための前記無菌コネクタ手段の1つを有する連続的に配置された複数の出口通路を有する、請求項1に記載のマニホールド装置。
【請求項3】
複数のピンチ弁をさらに含み、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが前記ピンチ弁から離れた信号に応答して遠隔操作可能であり、前記ピンチ弁の各々が前記配管部分の前記外側表面と該外側表面に沿った個別の位置で係合し、前記ピンチ弁の各々が、前記配管部分の前記内側表面を通過する生物工学流体の流れを、該ピンチ弁の前記個別の位置において独立して選択的に許容または停止する、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項4】
前記使い捨て導電率センサが、
(a)生物工学流体を案内するための導管であって、少なくとも1つの前記配管部分に接続可能な導管と
(b)前記生物工学流体の導電率を検知するように配置された検知部分と、
(c)データを保存することが可能なメモリ部品と、
を備える、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項5】
ユーザインターフェースユニットをさらに含み、前記使い捨て導電率センサが前記ユーザインターフェースユニットに電気的に接続される、請求項3に記載のマニホールド装置。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記マニホールド装置の外部操作を少なくとも部分的に命令するまたは制御する制御ロジックを含む、請求項5に記載のマニホールド装置。
【請求項7】
少なくとも1つの配管部分の前記外側表面と係合するポンプユニットをさらに備え、前記ポンプユニットが、少なくとも部分的に前記ユーザインターフェースユニットによって制御され、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが、前記ポンプユニットに係合するまたは前記ポンプユニットを停止することにより前記マニホールド装置の外部操作を行う、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項8】
1つまたは複数のピンチ弁をさらに備え、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが遠隔操作可能であり、前記ユーザインターフェースユニットが、前記ピンチ弁の操作を制御し、前記ユーザインターフェースユニットが、前記遠隔操作可能なピンチ弁の開閉のタイミングを制御または命令する制御ロジックを有し、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが外部操作を行う、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサを通過する前記生物工学流体の導電率に応答して、前記マニホールド装置の外部操作を制御する、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサの検知部分を通って電流を駆動することによって、前記導管を通過する前記生物工学流体の導電率を測定する、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項11】
使い捨て圧力センサであって、前記生物工学流体が前記出口端部より上流側の位置において前記圧力センサを通って流れるように前記配管に沿って位置決めされる使い捨て圧力センサ、をさらに含む、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項12】
前記装置が自動分取クロマトグラフィに用いられ、
(a)前記配管が、クロマトグラフィ供給区分およびクロマトグラフィ済み流体区分を含む少なくとも2つの区分にあり
(b)前記クロマトグラフィ供給区分が、出口と、前記シングルユース袋との作動的な接続のための前記無菌コネクタ手段の1つを有する連続的に配置された複数の入口通路と、を有し、
(c)前記クロマトグラフィ済み流体区分が、入口と、前記シングルユース袋との作動的な接続のための前記無菌コネクタ手段の1つを有する連続的に配置された複数の出口通路を有する前記配管の前記出口端部と、を有し、
さらに、前記クロマトグラフィ供給区分と前記クロマトグラフィ済み流体区分との間にクロマトグラフィカラムを備える、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項13】
前記使い捨て導電率センサのうち少なくとも1つが、前記クロマトグラフィカラムより下流側に配置される、請求項12に記載のマニホールド装置。
【請求項14】
前記使い捨て導電率センサのうち少なくとも1つが、前記クロマトグラフィカラムより上流側に配置される、請求項12に記載のマニホールド装置。
【請求項15】
ユーザインターフェースユニットをさらに含み、前記1つまたは複数の使い捨て導電率センサが、前記ユーザインターフェースユニットに電気的に接続される、請求項12に記載のマニホールド装置。
【請求項16】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサを通過する前記生物工学流体の導電率に応答して、前記マニホールド装置の外部操作を制御する、請求項15に記載のマニホールド装置。
【請求項17】
少なくとも1つの配管部分の前記外側表面と係合するポンプユニットをさらに備え、前記ポンプユニットが、少なくとも部分的に前記ユーザインターフェースユニットによって制御され、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが、前記ポンプユニットに係合するまたは前記ポンプユニットを停止することによって、前記マニホールド装置の外部操作を行う、請求項16に記載のマニホールド装置。
【請求項18】
1つまたは複数のピンチ弁をさらに備え、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが遠隔操作可能であり、前記ユーザインターフェースユニットが前記ピンチ弁の操作を制御し、前記ユーザインターフェースユニットが、前記遠隔操作可能なピンチ弁の開閉のタイミングを制御または命令する制御ロジックを有し、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが外部操作を行う、請求項16に記載のマニホールド装置。
【請求項19】
前記装置が接線流濾過に用いられ、
1つの前記シングルユース袋がプロセス溶液袋であり、もう1つのシングルユース袋が透過収集袋であり、
前記配管が、濾過通液区分および濾過済流体区分を含む少なくとも2つの区分内にあり、前記濾過通液区分が前記プロセス溶液袋を含み、
前記濾過済流体区分が、前記配管部分を前記シングルユース袋と作動的に接続するための前記無菌コネクタ手段を利用する前記透過収集袋を含み、
さらに、前記濾過通液区分と前記濾過済流体区分との間に使い捨てフィルタを備え、これにより、前記プロセス溶液袋からの流体が、前記使い捨てフィルタを通って濾過され、前記透過収集袋に収集される、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項20】
ユーザインターフェースユニットをさらに含み、前記使い捨て導電率センサが前記ユーザインターフェースユニットに電気的に接続され、前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサから信号を受け取り且つ解釈する制御ロジックを含む、請求項19に記載のマニホールド装置。
【請求項21】
前記使い捨て導電率センサのうち1つが前記使い捨てフィルタより下流側の位置に沿って位置決めされ、前記導電率センサが前記ユーザインターフェースユニットに接続され、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが前記配管内の前記流体の導電率を監視する、請求項20に記載のマニホールド装置。
【請求項22】
1つまたは複数のピンチ弁をさらに備え、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが遠隔操作可能であり、前記ユーザインターフェースユニットが前記ピンチ弁の操作を制御し、前記ユーザインターフェースユニットが、前記遠隔操作可能なピンチ弁の開閉のタイミングを制御または命令する制御ロジックを有し、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが外部操作を行う、請求項20に記載のマニホールド装置。
【請求項23】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記マニホールド装置の外部操作を、少なくとも部分的に命令または制御する制御ロジックを含む、請求項20に記載のマニホールド装置。
【請求項1】
生物工学用途のためのマニホールド装置であって、1回の使用に適合するように滅菌済みであり且つ使い捨てのマニホールドユニットを備えており、前記マニホールドユニットは、
(a)少なくとも1つの入口端部、少なくとも1つの出口端部、外側表面、および生物工学流体の通過のために滅菌された内側表面を有する少なくとも1つの配管部分と、
(b)主要アクセスポートを有する少なくとも1つのシングルユース袋と、
(c)前記シングルユース袋の前記主要アクセスポートに前記配管部分を作動的に接続するための無菌コネクタ手段と、
(d)一回の使用に適合する1つまたは複数の滅菌済み使い捨て導電率センサと、を備える、マニホールド装置。
【請求項2】
前記装置が、自動化された無菌流体移送に用いられ、さらに、複数の前記シングルユース袋を備えており、前記シングルユース袋の各々が主要なアクセスポートを有しており、前記無菌コネクタ手段が、前記シングルユース袋のうち少なくとも1つの前記主要アクセスポートに、前記配管部分を作動的に接続し、前記配管部分の前記出口端部が、前記シングルユース袋との作動的な接続のための前記無菌コネクタ手段の1つを有する連続的に配置された複数の出口通路を有する、請求項1に記載のマニホールド装置。
【請求項3】
複数のピンチ弁をさらに含み、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが前記ピンチ弁から離れた信号に応答して遠隔操作可能であり、前記ピンチ弁の各々が前記配管部分の前記外側表面と該外側表面に沿った個別の位置で係合し、前記ピンチ弁の各々が、前記配管部分の前記内側表面を通過する生物工学流体の流れを、該ピンチ弁の前記個別の位置において独立して選択的に許容または停止する、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項4】
前記使い捨て導電率センサが、
(a)生物工学流体を案内するための導管であって、少なくとも1つの前記配管部分に接続可能な導管と
(b)前記生物工学流体の導電率を検知するように配置された検知部分と、
(c)データを保存することが可能なメモリ部品と、
を備える、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項5】
ユーザインターフェースユニットをさらに含み、前記使い捨て導電率センサが前記ユーザインターフェースユニットに電気的に接続される、請求項3に記載のマニホールド装置。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記マニホールド装置の外部操作を少なくとも部分的に命令するまたは制御する制御ロジックを含む、請求項5に記載のマニホールド装置。
【請求項7】
少なくとも1つの配管部分の前記外側表面と係合するポンプユニットをさらに備え、前記ポンプユニットが、少なくとも部分的に前記ユーザインターフェースユニットによって制御され、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが、前記ポンプユニットに係合するまたは前記ポンプユニットを停止することにより前記マニホールド装置の外部操作を行う、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項8】
1つまたは複数のピンチ弁をさらに備え、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが遠隔操作可能であり、前記ユーザインターフェースユニットが、前記ピンチ弁の操作を制御し、前記ユーザインターフェースユニットが、前記遠隔操作可能なピンチ弁の開閉のタイミングを制御または命令する制御ロジックを有し、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが外部操作を行う、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサを通過する前記生物工学流体の導電率に応答して、前記マニホールド装置の外部操作を制御する、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサの検知部分を通って電流を駆動することによって、前記導管を通過する前記生物工学流体の導電率を測定する、請求項6に記載のマニホールド装置。
【請求項11】
使い捨て圧力センサであって、前記生物工学流体が前記出口端部より上流側の位置において前記圧力センサを通って流れるように前記配管に沿って位置決めされる使い捨て圧力センサ、をさらに含む、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項12】
前記装置が自動分取クロマトグラフィに用いられ、
(a)前記配管が、クロマトグラフィ供給区分およびクロマトグラフィ済み流体区分を含む少なくとも2つの区分にあり
(b)前記クロマトグラフィ供給区分が、出口と、前記シングルユース袋との作動的な接続のための前記無菌コネクタ手段の1つを有する連続的に配置された複数の入口通路と、を有し、
(c)前記クロマトグラフィ済み流体区分が、入口と、前記シングルユース袋との作動的な接続のための前記無菌コネクタ手段の1つを有する連続的に配置された複数の出口通路を有する前記配管の前記出口端部と、を有し、
さらに、前記クロマトグラフィ供給区分と前記クロマトグラフィ済み流体区分との間にクロマトグラフィカラムを備える、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項13】
前記使い捨て導電率センサのうち少なくとも1つが、前記クロマトグラフィカラムより下流側に配置される、請求項12に記載のマニホールド装置。
【請求項14】
前記使い捨て導電率センサのうち少なくとも1つが、前記クロマトグラフィカラムより上流側に配置される、請求項12に記載のマニホールド装置。
【請求項15】
ユーザインターフェースユニットをさらに含み、前記1つまたは複数の使い捨て導電率センサが、前記ユーザインターフェースユニットに電気的に接続される、請求項12に記載のマニホールド装置。
【請求項16】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサを通過する前記生物工学流体の導電率に応答して、前記マニホールド装置の外部操作を制御する、請求項15に記載のマニホールド装置。
【請求項17】
少なくとも1つの配管部分の前記外側表面と係合するポンプユニットをさらに備え、前記ポンプユニットが、少なくとも部分的に前記ユーザインターフェースユニットによって制御され、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが、前記ポンプユニットに係合するまたは前記ポンプユニットを停止することによって、前記マニホールド装置の外部操作を行う、請求項16に記載のマニホールド装置。
【請求項18】
1つまたは複数のピンチ弁をさらに備え、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが遠隔操作可能であり、前記ユーザインターフェースユニットが前記ピンチ弁の操作を制御し、前記ユーザインターフェースユニットが、前記遠隔操作可能なピンチ弁の開閉のタイミングを制御または命令する制御ロジックを有し、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが外部操作を行う、請求項16に記載のマニホールド装置。
【請求項19】
前記装置が接線流濾過に用いられ、
1つの前記シングルユース袋がプロセス溶液袋であり、もう1つのシングルユース袋が透過収集袋であり、
前記配管が、濾過通液区分および濾過済流体区分を含む少なくとも2つの区分内にあり、前記濾過通液区分が前記プロセス溶液袋を含み、
前記濾過済流体区分が、前記配管部分を前記シングルユース袋と作動的に接続するための前記無菌コネクタ手段を利用する前記透過収集袋を含み、
さらに、前記濾過通液区分と前記濾過済流体区分との間に使い捨てフィルタを備え、これにより、前記プロセス溶液袋からの流体が、前記使い捨てフィルタを通って濾過され、前記透過収集袋に収集される、請求項1または2に記載のマニホールド装置。
【請求項20】
ユーザインターフェースユニットをさらに含み、前記使い捨て導電率センサが前記ユーザインターフェースユニットに電気的に接続され、前記ユーザインターフェースユニットが、前記導電率センサから信号を受け取り且つ解釈する制御ロジックを含む、請求項19に記載のマニホールド装置。
【請求項21】
前記使い捨て導電率センサのうち1つが前記使い捨てフィルタより下流側の位置に沿って位置決めされ、前記導電率センサが前記ユーザインターフェースユニットに接続され、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが前記配管内の前記流体の導電率を監視する、請求項20に記載のマニホールド装置。
【請求項22】
1つまたは複数のピンチ弁をさらに備え、前記ピンチ弁のうち少なくとも1つが遠隔操作可能であり、前記ユーザインターフェースユニットが前記ピンチ弁の操作を制御し、前記ユーザインターフェースユニットが、前記遠隔操作可能なピンチ弁の開閉のタイミングを制御または命令する制御ロジックを有し、これにより、前記ユーザインターフェースユニットが外部操作を行う、請求項20に記載のマニホールド装置。
【請求項23】
前記ユーザインターフェースユニットが、前記マニホールド装置の外部操作を、少なくとも部分的に命令または制御する制御ロジックを含む、請求項20に記載のマニホールド装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2009−519440(P2009−519440A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544623(P2008−544623)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/061565
【国際公開番号】WO2007/067882
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508168675)サイログ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/061565
【国際公開番号】WO2007/067882
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508168675)サイログ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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