説明

生物学的組織イメージを解析する方法および装置

本発明は、生物学的組織、とくに、人間または動物の器官のイメージを処理する方法および装置に関する。生物学的身体の部分または組織あるいはそこに含まれている異常な物質スポットまたは集合体の計量定量化もまた行なわれる。本発明は、とくに、コンピュータ化された軸方向断層撮影技術に適用される。とくに、本発明は、(1a)イメージを異なった寸法のボックスに反復的に分割し、(2a)相対分散(RD)の値のセットを各象限に関連付けるために画素の平均値により除算された標準偏差として得られるRDを各除算スケールで各象限に対して計算し、(3a)各地点の輝度が各象限に対するそのRDの値のセットの平均によって与えられるグレースケールイメージとして均質性マップを生成するステップを含んでおり、ここで、高い輝度を有するイメージの領域は同質の領域に対応している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的組織、とくに、人間または動物器官のイメージを処理する方法および装置に関する。本発明の方法により生物学的身体の部分または組織あるいはそこに含まれている異常物質のスポットまたは集合体の計量定量化もまた行なわれる。
【0002】
本発明よる方法は、とくに、コンピュータ化された軸方向断層撮影技術に適用される。
【背景技術】
【0003】
“異常物質のスポットまたは集合体”という用語に関して、それは病理学的状態または、事前または事後の病理学的状況を生じさせる状態と形態学的に結び付けられた物質のスポットまたは集合体を意味するものである。異常物質のスポットまたは集合体の例には、腫瘍、アテローム性動脈硬化症の斑、浮腫、血腫、急性または慢性の炎症性障害、傷跡、および膠原病が含まれることができる。
【0004】
病状の診断に身体部分または器官の観察が必要とされるとき、このような観察は直接的に行われるか、あるいはX線撮影、コンピュータ化された軸方向断層撮影(CAT)、超音波検査解析等のような間接的手段により行われることができる。観察された身体部分または器官のイメージ、すなわち、デジタルイメージは、コンピュータにより獲得された解析されることができる。
【0005】
コンピュータ軸方向断層撮影(CATまたはCTスキャンとしても知られている)は、X線の使用とコンピュータ技術とを組合せた非侵入性の診断検査である。CATスキャナは、患者のベッドがゆっくり通過されるリング形状の本体から構成されている。このリング形状の本体の内側には、X線管とこのX線管に対向した位置に配置された検出器のバンクとが配置されている。このX線管および検出器バンクはリングに沿って、したがって患者のベッドの周囲を同期した状態で360°回転する。身体のセクションの2次元イメージが生成されるように、その身体の各セクションに対して多数のスキャンがとられる。身体がリングを通過されるにしたがって、Z軸に沿ったその身体または選択された身体部分の完全なスキャンが行なわれる。いくつかのセクションのイメージを組合せることにより、解析された身体の3次元再構成がコンピュータによって複雑なアルゴリズムにより行なわれる。
【0006】
CATスキャンは、しばしば、輪郭がぼやけた組織、とくに、頭、胸部、腹部および骨盤の異常を検出し、視覚化するために使用される。CATイメージには、通常のX線技術よりはるかに高いレベルの詳細が含まれる。実際に、X線撮影は20乃至30のグレーの色調を獲得するが、CATスキャンでは200までのグレーの色調に到達することが可能である。
【0007】
CATスキャンにより得られた多数のイメージにおいては、異なった対象がそれらの色または輝度の均一さによって検出されることができる。しかしながら、いくつかの場合、とくに、ぼやけたイメージの場合には、多かれ少なかれ不明確な輪郭が対象の境界規定を非常に困難にすることが分かっている。これらの場合においては、医師は、X線撮影またはCATイメージを観察したとき、類似した均質性を有する領域またはゾーンを認識することしかできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの対象を定量的に解析しようとすれば、必ず劇的な許容できない計算エラーが生じることは明らかである。他方において、このような対象の計量定量化は、病理の正確な診断を行なうための中心的なものである。典型的な例は、アテローム性動脈硬化症の斑または腫瘍の範囲の評価である。このような場合、既知の装置は、体積のような要求されるパラメータの正しい定量化を行なうことはできず、その結果、解析の結果は不正確なものになる可能性があり、あるいは誤解を招くことさえある。したがって、このような定量化が要求される任意の項目の形態学的パラメータの正しい定量化を可能にする改良された装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、添付された請求の範囲に記載されている方法および装置により上述およびその他の問題に対処し、それらを解決する。
【0010】
不規則な形状にされた対象のイメージを本発明にしたがって解析するための方法および装置の別の特徴および利点は、以下の好ましい実施形態の非制限的な例による説明および添付図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に説明する例は、イメージを獲得して処理するシステム1に関し、このシステム1は、電動ベッド3を備えた通常のCATスキャン装置2を具備し、この電動ベッド3がCATスキャン装置を横断して移動することができる。
【0012】
CATスキャン装置2は、X線管4と、このX線管と直径的に反対側の位置に配置された検出器バンク5とを備えている。X線管4および検出器バンク5は、解析中に患者が横たわっている前記ベッド3の周囲を同期して回転することが可能である。
【0013】
電子イメージ獲得手段6は前記検出器バンク5に動作するように接続されている。さらに、この電子イメージ獲得手段6は処理システム7に動作するように接続されている。処理システム7は、たとえば、中央処理装置(CPU)等の処理手段を記憶手段に接続するバスを備えたパーソナルコンピュータ(PC)によって実現されることができ、この記憶手段には、たとえば、RAM作業用メモリ、コンピュータをスタートさせる基本的なプログラムを含む読出し専用メモリ(ROM)、磁気ハードディスク、オプションで光ディスク(CD−ROM)を読取るためのドライブ、オプションでフロッピー(R)ディスクの読取り/書込みをするドライブ(DRV)等が含まれる。さらに、処理システム7はオプションにより、通信ネットワーク、キーボード制御装置、マウス制御装置およびビデオ制御装置との通信を制御するモデムその他のネットワーク手段を備えている。キーボード、マウスおよびモニタ8はそれぞれ制御装置に接続されている。電子イメージ獲得手段6は、インターフェースポート(ITF)によりバスに接続されている。このバスには、制御インターフェースポート(CITF)により電動ベッド3も接続されており、このCITFは、デカルト軸に沿ったステージの移動を支配している。
【0014】
実行段階中に作業用メモリにロードされたプログラム(PRG)と、各データベースとは、ハードディスク上に記憶されている。典型的に、プログラム(PRG)は、ハードディスク上にインストールするために1以上のCD−ROM上に分散されている。
【0015】
処理システム7が異なった構造を有している場合、それは、たとえば、種々の端末が接続される中央処理装置によって、あるいは通信コンピュータネットワーク(インターネット、イントラネット、VPNのような)によって構成され、あるいは、それが別の装置(プリンタのような)を備えている等の場合には、類似した考慮事項が適用される。その代り、プログラムはフロッピー(R)ディスク上に供給されるか、ハードディスク上に予めロードされるか、あるいはコンピュータにより読出されることのできる任意の別の基板上に記憶されて、通信ネットワークによってユーザのコンピュータに送られ、無線によって同報通信され、あるいは、さらに一般的には、ユーザのコンピュータの作業用メモリ中に直接ロードされることのできる任意の形態で供給される。
【0016】
本発明の方法のステップのいくつかは、コンピュータシステム7によりプログラムPRGを実行することによって行なわれることが可能であることが指摘される。
【0017】
CATスキャンからイメージ獲得手段6へのイメージの獲得は、DICOMフォーマットで標準化された強度値を使用して行なわれる。DICOM(医療におけるデジタル画像化および通信)は、コンピュータ間における放射線イメージの転送に対する国際的に認識された工業規格である。獲得されたイメージは、解析される生物学的項目に応じて変化することのできるDICOM強度値のウインドウを使用して、8ビットの適合PCフォーマットイメージに変換される。たとえば、肺の場合には、ウインドウ=1100、レベル=−400のDICOMパラメータが適用される。これは、それが8ビット情報のサブセットで抽出されなければならない12ビットのイメージ情報を含むDICOMフォーマットのためである。これは、どの範囲の情報が考慮されるかを特定するウインドウおよびレベルの値を適用することによって行なわれる。
【0018】
その後、選択されたイメージは処理システムの記憶手段中に256の値のグレースケールで保存される。ファイルフォーマットは、jpegまたはbitmapのような通常使用されているイメージフォーマットの1つであることができる。要求されるイメージ鮮明度を維持すると共にメモリスペースを節約するために、高品質のjpegフォーマットが使用されることが好ましい。
【0019】
本発明によるイメージ処理の第1の段階は、均質性マップ生成の段階(HOMO−GEN段階)である。
【0020】
このHOMO−GEN段階は、
(1a)最初に4つの象限においてイメージを異なった寸法のボックスに反復的に分割し、その後予め規定された寸法まで線形関数または指数関数ステップで進み、
(2a)相対分散(RD)の値のセットを各象限に関連付けるために画素の平均値により除算された標準偏差として得られるRDを各除算スケールで各象限に対して計算し、
(3a)各地点の輝度が各象限に対するそのRDの値のセットの平均によって与えられるグレースケールイメージとして均質性マップを生成し、RDの平均値を0乃至255の範囲内で拡大するステップを含み、ここで、高い輝度を有するイメージの領域は同質の領域に対応し、
(4a)オプションとして、予め規定されたしきい値より高いRDを有する均質性マップの象限を選択し、それらの位置を処理システム7の記憶手段中に保存し、前記選択された象限からなるイメージを再構成するステップをさらに含んでいる。
【0021】
ステップ(1a)において“線形関数または指数関数ステップで進む”という表現は、細分が指数関数的法則に従う(すなわち、一辺の長さ=1からスタートすると、細分は1/2、1/4、1/8、1/16等となる)か、あるいは線形関数的法則に従う(すなわち、最初の辺の長さの1/2、1/3、1/4、1/5等になる)ことができるという意味である。
【0022】
ステップ(1a)における前記“予め規定された寸法”は、1の画素の辺より大きい値であり、それはケースバイケースで熟練者によって決定されることができる。
【0023】
ステップ(3a)において、“RDの平均値を0乃至255の範囲内で拡大する”ステップは、各画素に関連したRD平均値を1より大きい255までの整数Nと乗算することによって行なわれる。Nは255であることが好ましい。RDの平均値は通常、0と1との間に含まれるが、しかしそれらはまた1より大きい値を有していてもよい。この後者の場合、拡大されたRD値は255より大きくなる。すなわち、これは可能な値ではないため、それは255に設定される。
【0024】
ステップ(3a)において、前記平均値は、当業者によく知られている統計学的方法にしたがって、各細分RD値に対して異なった加重を使用して加重されることができる。
【0025】
上述の均質性マップの生成により、ある定まった均質性によって特徴付けられる領域を識別できるようになる。前述のように、これは、計器によって獲得されたデジタルイメージがしばしばぼやけてしまい、したがって異なった項目を識別して視覚的に解析することが困難になるCATイメージのような場合に必要不可欠である。
【0026】
オプションのステップ(4a)は、均質の領域の境界をさらに良好に定め、したがってそれらの即座の識別と定量化を可能にするので好ましい。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によると、この方法はさらに、元のCATイメージおよび対応した均質性イメージが並んで設定される二重イメージを生成するステップを含んでいる。これは、医師による均質性マップの解釈を容易にする。
【0028】
本発明による方法の次の段階は、均質性クリーニングの段階(HOMO−CLEAN)である。
【0029】
この段階は、
(1b)白黒イメージを生成するためにHOMO−GEN段階にしたがって生成された均質性マップを1ビットに量子化し、
(2b)均質性マップ中において、前記1ビットに量子化されたイメージ中の暗い画素に対する画素相同物を暗くし、
(3b)ステップ(2b)の結果得られたイメージを生成するステップを含んでいる。
【0030】
均質性マップおよび1ビットに量子化された対応したイメージ中における“画素相同物”という用語に関して、それらは、2つのイメージにおいて同じデカルト座標を有する画素を意味するものである。
【0031】
HOMO−CLEAN段階は、きれいなイメージを生成することを可能にし、ここで、観察される対象の背景は除去される。しかしながら、このような対象、たとえば、肺のような器官は依然として、おそらく、そこに存在する塊体またはスポットによるものである異なった均質性の領域を証明することができる。これらの領域は通常、医師がより関心を払う腫瘍、血腫、あるいは、血管解析の場合では、アテローム性動脈硬化症の斑のような項目であり、それはそれらの面積を計算するために、また3次元再構成においてはそれらの体積を計算するために定量化されなければならない。このようなスポットまたは塊体は、周囲の組織に対して高い均質性を有していることが認識されている。
【0032】
したがって、本発明による方法の次の段階は、均質性識別の段階(HOMO−ID段階)である。この段階は、上記のHOMO−CLEAN段階にしたがって生成されたイメージを1ビットに量子化するステップを含んでいる。これにより、均質性の度合いが低いイメージの領域に対応した画素を暗くし、一方均質性の度合いが高い領域の明るさを増大させることが可能になる。
【0033】
HOMO−CLEAN段階およびHOMO−ID段階の両方においてイメージを1ビットに量子化するステップは、
(1c)各画素に対するパラメータを考慮し、
(2c)前記画素のパラメータを前記パラメータに対する予め設定されたしきい値またはしきい値範囲と比較し、
(3c)前記比較に基づいてアクティブな画素のクラスタおよび非アクティブな画素のクラスタを選択するステップにしたがって行なわれる。
【0034】
前記画素のパラメータは輝度(グレースケール)であることが好ましい。前記パラメータに対する前記予め設定されたしきい値またはその範囲は、検出されなければならない対象の種類に依存し、したがって生物学的組織等の種類に依存する。このようなしきい値またはその範囲の選択は、その特定の場合に対して熟練者により何等発明的技術を使用せずに経験的に行なわれることができる。たとえば、イメージが獲得される必要のある対象が肺である場合、そのしきい値範囲は0−128でなければならない。
【0035】
上記の段階、すなわち、HOMO−GEN、HOMO−CLEANおよびHOMO−ID段階は、検査されている患者の身体の部分のZ軸に沿ったスキャンにより得られた全ての断面のイメージに関して順次行なわれる。そのように処理された断面のイメージは、その後、3次元イメージを再構成するために組合せられる。
【0036】
したがって、本発明の方法の次の段階は、3次元再構成の段階(3D−R段階)である。本発明の手順によると、3次元イメージは、検査された身体の部分の各断面に対して収集された2次元イメージを、当業者によく知られている動作ルーチンにしたがって重複させることにより得られる。
【0037】
いくつかの例においては、観察されている身体の部分が解析中に少し動いただけでも、1つの2次元イメージとそれに続く2次元イメージとの間において、ある誤整列がスキャン方向において生じる可能性が高い。これらの特定の場合において、本発明の方法は、重複されたイメージの間のオフセットの調節を行なう。
【0038】
この場合、3D−R段階は、
(1d)各イメージをそれに続いて得られたイメージとZ軸に沿って重複させ、
(2d)イメージを互いに関してx軸および、またはy軸に沿ってシフトすることにより重複した画素の間の輝度の差を最小化し、
(3d)隣接したイメージの各対に対してステップ(1g)および(2g)を繰り返すステップを含んでいる。
【0039】
3次元イメージが再構成されると、本発明の方法は、体積計算の段階(V−CLC段階)により進行する。この段階にしたがって、検査されている対象の体積が決定される。
【0040】
V−CLC段階は、
(1e)第1の対象の断面に対応した第1の2次元イメージ中の各対象の面積を計算し、
(2e)ステップ(1e)にしたがって計算された面積を、同じ対象のイメージが含まれているZ方向のスキャンで得られた前記第1の断面のイメージとそれに続いて得られた断面のイメージとの間の距離とを乗算し、
(3e)各断面のイメージに対してステップ(1e)および(2e)をこの順序で何度も繰り返すステップを含んでいる。
【0041】
検査された組織中の対象の全体的な体積は、上記の手順にしたがって計算された単一の体積の和として決定される。
【0042】
ステップ(1e)による面積の計算は、同じ対象に属するアクティブな画素の数をカウントし、その後これをその画素の面積と乗算することにより行なわれることが好ましい。
【0043】
各断面のイメージと続いて得られたイメージとの間の距離は、CATスキャン技術において知られているパラメータである。
【0044】
上記の体積は、この対象の体積を実質上円筒形の固体の体積に近似することにより計算された。しかしながら、それを円錐台に近似することにより、その体積は、
【数2】

【0045】
として計算され、ここで、dは2つの断面の間の既知の距離であり、Aは第1の対象の断面の面積であり、aは第2の対象の断面の面積である。
【0046】
本発明の別の実施形態において、V−CLC段階はHOMO−CLEAN段階の直後に行なわれる。HOMO−ID段階は、3次元イメージに関して、すなわち、3次元イメージを構成するいくつかの2次元イメージに関して行なわれる。V−CLC段階は、対象の体積を与えるために最後に行なわれる。本発明の方法のこの変形は、図2において破線で示されている。
【0047】
HOMO−CLEAN段階において異なったしきい値を選択することにより、細区分された体積(sub−volumes)を定量化するために対象の個々の部分を強調することも可能である。たとえば、肺においては、HOMO−CLEAN段階において明るい方のしきい値を選択することによりその水様液成分の同質性/異質性体積を評価することができる。
【0048】
上記に開示されているように、本発明の方法には、検査されている対象のイメージをきれいにすることによりCATスキャンの視覚的解析を改良する利点がある。
【0049】
この特徴の結果、体積計算もまたさらに正確に行なわれるため、患者の病状の診断およびその病状の進行の評価で生じるエラーが減少する。
【0050】
当然ながら、本発明による生物学的組織標本を解析するための方法および装置のいくつかの特定の実施形態だけが説明されており、当業者はそれを特定の適用に適合させるために必要な変更を本発明の技術的範囲を逸脱することなく行なうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による装置の概略図。
【図2】本発明によるイメージの処理方法を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
均質性マップ生成の段階(HOMO−GEN)を含んでいるCATスキャン技術により獲得されたイメージを処理する方法において、
(1a)最初に4つの象限においてイメージを異なった寸法のボックスに反復的に分割し、その後予め規定された寸法まで線形関数または指数関数ステップで進行させ、
(2a)相対分散(RD)の値のセットを各象限に関連付けるために画素の平均値により除算された標準偏差として得られる相対分散(RD)を各除算スケールで各象限に対して計算し、
(3a)各地点の輝度が各象限に対するその相対分散(RD)の値のセットの平均によって与えられるグレースケールイメージとして均質性マップを生成し、相対分散(RD)の平均値を0乃至255の範囲内で拡大するステップを含んでおり、ここで、高い輝度を有するイメージの領域は同質の領域に対応しているイメージを処理する方法。
【請求項2】
ステップ(3a)において相対分散(RD)の平均値を0乃至255の範囲内で拡大するステップは、各画素に関連した相対分散(RD)平均値を1より大きい255までの整数Nと乗算し、この乗算の後に255より大きい数となる拡大された相対分散(RD)値を全て255に設定することによって行なわれる請求項1記載の方法。
【請求項3】
Nは255である請求項2記載の方法。
【請求項4】
(4a)予め規定されたしきい値より高い相対分散(RD)を有する均質性マップの象限を選択し、それらの位置を処理システム(7)の記憶手段の中に保存し、前記選択された象限からなるイメージを再構成するステップをさらに含んでいる請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
元のCATイメージおよび対応した均質性マップが並んで設定される二重イメージを生成するステップをさらに含んでいる請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
(1b)白黒イメージを生成するためにHOMO−GEN段階のステップ(3a)にしたがって生成された均質性マップを1ビットに量子化し、
(2b)均質性マップ中において、前記1ビットに量子化されたイメージ中の暗い画素に対する画素相同物を暗くし、
(3b)ステップ(2b)の結果得られたイメージを生成するステップを含んでいる均質性クリーニングの段階(HOMO−CLEAN)をさらに含んでいる請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
さらに、HOMO−CLEAN段階のステップ(3b)にしたがって生成されたイメージを1ビットに量子化するステップを含んでいる均質性識別の段階(HOMO−ID)を含んでいる請求項1乃至6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
均質性マップまたはHOMO−CLEAN段階のステップ(3b)にしたがって生成されたイメージをそれぞれ1ビットに量子化する前記ステップは、
(1c)各画素に対するパラメータを考慮し、
(2c)前記画素のパラメータを前記パラメータに対する予め設定されたしきい値またはしきい値範囲と比較し、
(3c)前記比較に基づいてアクティブな画素のクラスタと非アクティブな画素のクラスタとを選択するステップを含んでいる請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記画素のパラメータは輝度である請求項8記載の方法。
【請求項10】
さらに、各セ断面に対して収集された2次元イメージを、検査されている対象のZ軸に沿って重複させる3次元再構成段階(3D−R)を含んでいる請求項1乃至9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
(1d)各イメージをそれに続いて得られたイメージとZ軸に沿って重複させ、
(2d)イメージを互いに関してx軸および、またはy軸に沿ってシフトすることにより重複した画素の間の輝度の差を最小化し、
(3d)隣接したイメージの各対に対してステップ(1g)および(2g)を繰り返すステップを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項12】
(1e)第1の対象の断面に対応した第1の2次元イメージ中の各対象の面積を計算し、
(2e)ステップ(1e)にしたがって計算された面積を、同じ対象のイメージが含まれているZ方向のスキャンで得られた前記第1の断面のイメージとそれに続いて得られた断面のイメージとの間の距離と乗算し、
(3e)各断面のイメージに対してステップ(1e)および(2e)をこの順序で何度も繰り返すステップを含んでいる体積計算の段階(V−CLC)をさらに含んでいる請求項1乃至11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
検査されている組織中の対象の全体的な体積は、単一の体積の和として決定される請求項12記載の方法。
【請求項14】
ステップ(1e)にしたがった面積計算は、同じ対象に属するアクティブな画素の数をカウントし、その後これをその画素の面積と乗算することにより行なわれる請求項12または13項記載の方法。
【請求項15】
体積は、
【数1】

として計算され、ここで、dは2つの断面の間の既知の距離であり、Aは第1の対象の断面の面積であり、aは第2の対象の断面の面積である請求項12乃至14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
デジタルイメージを獲得して処理するシステム(1)において、
電動ベッド(3)およびX線管(4)を備えたCATスキャン装置(2)と、このX線管(4)と直径的に対向した位置に配置された検出器バンク(5)とを具備し、X線管(4)および検出器バンク(5)は前記電動ベッド(3)の周囲を同期して回転することが可能であるシステム(1)であって、さらに、前記CATスキャン装置(2)に動作するように接続された電子イメージ獲得手段(6)と、前記CATスキャン装置(2)および前記電子イメージ獲得手段(6)に動作するように接続された処理システム(7)とを具備し、この処理システム(7)は処理装置(CPU)と、RAM作業用メモリおよびハードディスクを含む記憶手段とを備え、プログラム(RPG)を動作させて請求項1乃至15のいずれか1項記載の方法を行なうシステム(1)。
【請求項17】
請求項1乃至15のいずれか1項記載の方法を行なうためのソフトウェアプログラム(PRG)。
【請求項18】
請求項1乃至15のいずれか1項記載の方法を行なうためのプログラム(PRG)を含んでいるコンピュータ読み出し可能なサポート。
【請求項19】
請求項1乃至15のいずれか1項記載の方法を行なうための請求項16記載のシステム(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−515970(P2007−515970A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504354(P2005−504354)
【出願日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003332
【国際公開番号】WO2005/008585
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(504312771)ヒューマニタス・ミラソーレ・エス.ピー.エー. (8)
【Fターム(参考)】