生物組織を温熱治療するための組立体
生物組織の部位(60)を温熱治療するための組立体(1)は、前記部位の焦点(P)にエネルギーを供給するエネルギー発生手段(20)と、前記部位における空間温度分布を測定する手段(10)と、設定された分布に一致する空間温度分布を与えるために、所定の軌道に沿って前記焦点(P)の移動を制御するための制御ユニット(40)と、を備え、前記焦点(P)が前記軌道に沿って変位するように、前記制御ユニット(40)は、比例−積分−微分項を含む制御法則に従って、測定温度分布および設定分布に基づいて、前記発生手段(20)によって供給される前記エネルギーの分布を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、温熱療法による生物組織の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
温熱療法(hyperthermia therapies)は、生物組織(biological tissue)の局部治療のためにごく普通に使用される手法である。これらはエネルギー源(レーザ、マイクロ波、高周波、超音波)を使用して生物組織の標的部位(target area)を加熱することから成る。
【0003】
一般に、局部温熱療法による治療は最小限の侵襲で治療を可能にする。使用されるエネルギーの種類の中で、集束超音波(FUS)が、それは標的部位が非侵襲的にかつ組織中で深さ方向に加熱されることを可能にするので特に関心が高い。
【0004】
治療時に、標的部位およびその直近の周囲部位の温度は、厳密にかつ連続的に監視されなければならない。しかし、超音波によってもたらされる組織中の温度上昇は、このような温度上昇が標的部位中の組織の生物学的および生理学的特徴(吸収、熱拡散)に依存するので評価困難である。
【0005】
仏国第2823678号明細書(2002年10月25日公開)の文書が、治療されるべき組織の標的部位における自動的な温度制御に使用され得る温熱治療(heat treatment)用の組立体(assembly)を説明する。この組立体は、超音波発生器と、標的部位の空間温度分布を測定しかつ記録するためのMRI撮像手段と、空間温度分布をドットごとにデジタル処理する手段を有する制御ユニットとを備える。制御ユニットユニットは、標的部位における温度が設定された温度プロフィルに追従するように、超音波発生器が、撮像手段によって測定された温度分布に関連して空間移動するように命令(command)する。
【0006】
文書「Local hyperthermia with MR−guided focused ultrasound:Spiral trajectory of the focal point optimized for temperature uniformity in the target region」、Journal of Magnetic Resonance Imaging 12:571〜583頁(2000年に出版)が集束超音波を使用する治療方法を説明するが、その目的は、大容積の標的部位における均一な温度上昇を実現することである。この方法によれば、超音波発生器の焦点が第1の螺旋形状の軌道に沿って移動される。標的部位における空間温度分布がMRIによって測定される。得られた空間分布に関連して第2の螺旋軌道が決定されるが、そこでは焦点の移動速度が、第1の軌道後に残留する温度分布における非均質性を埋め合わせるように修正される。超音波発生器の焦点は、この第2の軌道に沿って移動される。
【0007】
しかし、該方法は組織挙動の線形モデリングに基づく。しかも幾つかの組織は、特にこれらの熱伝導特性に関して非線形的な挙動を有し得る。これは不安定な温度サーボ制御をもたらす恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、生理学的な助変数に関する推定不確定性に対して適切な許容差を有する安定した治療デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、生物組織部位を治療するための温熱治療組立体であって、
−この部位の焦点にエネルギーを供給するエネルギー発生手段と、
−該部位における空間温度分布を測定する手段と、
−設定された分布に一致する空間温度分布を得ることを目的に、所定の軌道に沿って焦点の移動を命令できる制御ユニットと、を備え、
制御ユニットは、焦点が変位する間に、比例−積分−微分項(Proportional−Integral−Derivative term)を有する制御法則(control law)に従って、測定温度分布および設定分布に関連して、軌道の長さに沿って発生手段によって供給されるエネルギーの分布を命令できることを特徴とする組立体を提案する。
【0010】
この治療組立体で使用される制御法則は、治療中のどのような非線形的な生理学的効果にもかかわらず、広い標的部位で、予め規定された設定温度プロフィルに到達することを可能にする。
【0011】
治療組立体の一実施形態では、制御ユニットは、一連の連続軌道に沿って焦点の移動を命令し、かつ各軌道に関して、当該軌道に関連する設定された分布および先行する軌道全体を通して測定された温度分布に関連して、対応するエネルギーの分布を命令することが可能である。
【0012】
この実施形態では、制御ユニットは、第1の軌道に沿って焦点の移動を命令し、かつその結果、測定された温度上昇に関連して、標的部位における熱拡散係数(thermal diffusion coefficient)Dを演繹する(deduce)ことが可能である。制御ユニットは、この熱拡散係数を制御法則に算入することが可能である。
【0013】
本発明の一実施形態では、エネルギーの分布を命令するために、制御ユニットは、時間に関連して軌道に沿って焦点の位置を規定する分布関数(distribution function)を決定することが可能である。
【0014】
本発明の一実施形態では、制御ユニットは、焦点が、軌道に沿って分布された複数の個別的な(discrete)音波処理点(sonication point)に変位するように命令することが可能である。制御ユニットは、エネルギー発生手段に、これらが音波処理点ごとに同じである所与のエネルギー量を各音波処理点に堆積(deposit)するように命令することが可能である。この実施形態では、標的部位に堆積されるエネルギーの分布を決定するのは、軌道上における音波処理点の分布である。
【0015】
本発明は生物組織の部位を温熱治療する方法にも関し、そこでは、エネルギー発生手段が該部位における焦点にエネルギーを供給し、測定手段が該部位における空間温度分布を測定し、かつ制御ユニットが、設定された分布に一致する空間温度分布を得る目的で、所定の軌道に沿って焦点の移動を命令し、制御ユニットは、焦点が移動する間に、比例−積分−微分項を含む制御法則に従って、測定温度分布および設定分布に関連して該軌道に沿って発生手段によって供給されるエネルギーの分布を命令することを特徴とする。
【0016】
他の特徴および利点は、純粋に例示的かつ非限定的であり、さらに添付の図面に関連して読まれるべきである以下の説明から明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、図示されている治療組立体1が、磁石10を含むMRI撮像装置を備える。組立体1は、環状配列プローブ20の形態にあるエネルギー発生手段と、この環状配列プローブ20にエネルギーを供給するマルチチャネル発生器50とを備える。プローブ20は、磁石10の土台の中に組み込まれ、プローブが発生器50によってエネルギーの供給を受けるとき、焦点Pの方向に超音波を放出することができる発生要素21を含む。
【0018】
環状配列プローブ20は、例えば、80mmの半径、96mmの開口部直径、および垂直軸に沿って60nmと110mmとの間の焦点距離の変動値を有するUltrasonic(仏国、ブザンソン(Besancon)社)によって製造されたプローブである。超音波発生要素21は、約1.5MHzの周波数で放出することができる。
【0019】
エネルギー発生手段20は、エルイーピー(LEP)社(仏国、パリ市)から入手可能なピストン31および32を有する油圧移動システム30によって水平面内で移動することができる。この移動システム30は、レーザ案内手段を有し、その最大移動速度は、毎秒約3mmであり、その実効速度は毎秒2mmである。
【0020】
組立体1は中央ユニットを含む制御ユニット40も備え、その中央ユニットの入力は、MRI撮像装置からデータを受け取ることが可能であり、このようなデータに関連して、移動システム30に環状配列プローブ20の焦点Pを修正するように命令できる。
【0021】
温熱治療組立体1は、動作時において、患者組織の標的部位60を治療するために使用される。制御ユニット40は、マルチチャネル発生器50および移動システム30に、図2に示されたステップを実行するように命令する。
【0022】
最初に、エネルギー発生手段20は、焦点Pが治療されるべき標的部位60の実質的に中心に配置された点Oに位置決めされるように、患者に対して配置される。
【0023】
図2は、温熱治療組立体1によって実行される治療ステップを模式的に例示する。
【0024】
第1のステップ100の間に、制御ユニット40は、移動システム30に、第1の所定の軌道(j=1)に沿った複数の音波処理点に連続的にエネルギー発生手段の焦点を位置決めするように命令する。この軌道は、標的部位の中心Oから出発して当該部位から外向きに延びる概ね楕円形の形状である。さらには、制御ユニット50は、エネルギー発生手段20に、これらが軌道に沿った複数の音波処理点の各点に所与のエネルギー量を印加するように命令する。軌道の螺旋形状は、エネルギーが標的部位60の中心Oから出発して、徐々に標的部位の縁部に向かって外方に及ぶように堆積されることを可能にする。該螺旋軌道は、熱拡散を標的部位の中心から当該部位の縁部に向かって促進し、標的部位における温度上昇を制御するために、このような拡散から利点が引き出されることを可能にすることが理解されよう。
【0025】
原点が標的部位60の中心Oである基準点(Ox,Oz)では、焦点Pの軌道の助変数方程式が次のように定義され得る。
【数1】
上式で、(x,z)は基準点(Ox,Oz)における焦点の座標であり、ΔaおよびΔbは、連続的な巻き間における軸OxおよびOzに沿ったそれぞれの間隔であり、さらにξは0と2π・N(Nは楕円の巻き数)との間にある軌道の助変数である。
【0026】
第1の軌道の間に、焦点Pは既に治療された領域に単位時間ごとに加えられる面積Ωが一定であるように移動される。このような同等関係は、時間tに関して次の微分方程式として表現される。
【数2】
上式で、Ωは螺旋軌道によって既に網羅された部位に単位時間ごとに加えられる面積であり、さらにεはΔb/Δaに等しくかつ楕円の離心率(eccentricity)を規定する。
【0027】
この第1の楕円軌道は、複数の個別的な音波処理i(iは0からnまでの範囲にわたる)から形成され、その楕円の中心Oに対する位置は、ベクトルr1=(xi,zi)によって規定される(但し、i∈[0,n])。焦点は、規則的な速度で、位置r1における1つの音波処理位置iから位置ri+1における次の処理位置i+1に移動する。音波処理の持続時間Δtは音波処理点ごとに一定である。
【0028】
第2のステップ200の間に、撮像装置が標的部位において得られた温度分布T1(x,z)を測定する。
【0029】
標的部位の組織が完全に均質であったら、すなわち、熱吸収および拡散特性が標的部位全体において均一であれば、第1のステップ100の間に実行された軌道は標的部位における均一な温度上昇につながることになる。
【0030】
しかし、この場合には、治療される組織が一般に均質ではないので、そのようにはならない。
【0031】
測定された温度分布は、平均的な熱拡散係数Dを決定するために使用される。
【0032】
第3のステップ300の間に、制御ユニットが、測定された空間温度分布T1(x,z)に関連して、第2の軌道(j=2)を決定する。この第2の軌道は、第1の軌道と同じ螺旋形状を有する。しかし、焦点の移動速度は、次式のように、軌道上の焦点の位置(x,z)に依存するエネルギー分布関数R2に従って修正される。
【数3】
【0033】
この分布関数R2の効果は、2つの連続的な音波処理点間の距離を、したがって螺旋軌道に沿って焦点が移動する速度を修正することである。標的部位全体にわたってR2がR1=1によって置き換えられるとき、方程式[3]は方程式[2]へ約されることが留意されるべきである。関数R2は、標的部位において局部的に送達されるエネルギー密度を変調することによって、第1の軌道の後に残留する非均質性を埋め合わせるように決定される。
【0034】
個々の各音波処理の時間は常にΔtであり、焦点は第1の軌道の間と同じ速度で1つの音波処理点から次の処理点に移動する。螺旋軌道に沿った個々の音波処理の数n+1は常に等しい。
【0035】
第4のステップ400の間に、制御ユニットは、移動システムに、エネルギー発生手段の焦点を第2の軌道の複数の音波処理点に連続的に位置決めするように命令する。
【0036】
上述のステップ200、300、および400は、設定された温度プロフィルを所定の治療時間の間に治療されるべき部位に確立するように、連続軌道の数Mを実現するために随意選択的に更新される。各第jの軌道では、制御ユニットは、新たな分布関数Rjを決定し、かつこのように決定された第jの軌道に沿って、移動システムにエネルギー発生手段の焦点を移動させるように命令する。
【0037】
制御ユニットによって計算される分布関数Rjの計算ステップ300の一般的な説明が下に与えられる。
【0038】
制御モジュールは、エネルギー発生手段の焦点が所定形状の軌道の数Mにわたって移動するように、移動システムおよびエネルギー発生手段に命令することが考慮される。
【0039】
以下の記号が使用される。
O 標的部位における原点(例えば、標的部位の中心に配置される)、
(Ox,Oz) 原点Oの2次元的記述、
θj(x,z) 第jの軌道の経路にわたって点(x,z)で到達されるべき設定温度、
Tj(x,z) 第jの軌道の終了後に、MRI撮像装置によって点(x,z)で有効に測定された温度、
Rj 第jの軌道に関して決定された分布関数、
G(D,τ) 2つの軌道間の経過時間τにわたる、組織中の熱拡散D(第1の軌道の後で評価された)による温度の変動を評価するために使用されるグリーン関数。
【0040】
グリーン関数は、例えば、付属文書「Local hyperthermia with MR−guided focused ultrasound:Spiral trajectory of the focal point optimized for temperature uniformity in the target region」、Journal of Magnetic Resonance Imaging 12:571〜583頁(2000年に出版)で説明されている。その表式は次式である。
【数4】
【0041】
第1の軌道の間の加温有効性は、点Oにおける係数α1の形式で表現され得る。
【数5】
【0042】
設定された温度の空間プロフィルは、次式によって与えられる。
【数6】
【0043】
この方程式では、ηj+1の値は、第jの軌道と第(j+1)の軌道との間の望ましい温度傾向を規定する。ηj+1=1は、標的部位における静的温度に対応する。すなわち、第(j+1)の軌道の間に、分布関数Rj+1によって規定された標的部位におけるエネルギーの堆積は、もっぱら組織中の熱伝導による熱損失を埋め合わせなければならない。
【0044】
ηjの値は、反復的アルゴリズムによって、各軌道jに関して、エネルギー発生手段によって供給される必要な出力が機器の技術的限界許容値を超えない最大値(αと1との間)に固定される。この限界許容値はエネルギー発生手段に依存し、このような限界値はこれらのエネルギー発生手段の製造業者によって規定される。
【0045】
第(j+1)の軌道の終了後に得られることになる点r(x,z)における温度は、次のように評価され得る。
【数7】
【0046】
この温度は、第jの軌道と第(j+1)の軌道との間の熱拡散、および新たなエネルギー分布Rj+1を考慮する。熱拡散係数Dが一定であると想定されかつ持続時間τが各軌道に関して同じである限り、グリーン関数は常に同じである。
【0047】
自動制御に関する1つの条件は、Tj+1=θj+1である。
【0048】
その結果、次式が演繹される。
【数8】
【0049】
この方程式は、微分型(differential type)および比例型(proportional type)の制御法則の中心的な方程式である。本発明の下では、この式はPID制御法則(比例、積分および微分)を得るために修正される。このPID制御法則の方程式は、次に以下の式になる。
【数9】
【0050】
方程式[8]において、第1項(1)は2つの連続軌道jとj+1との間における組織中の熱拡散による温度変動を考慮する。第2項(2)は第(j+1)の軌道によって温度プロフィルに追加された追加的階層を考慮する制御法則の微分項である。第3項(3)は、測定温度と先行する第jの軌道に関して規定された設定温度との間の瞬間誤差を考慮する制御法則の比例項である。最後に、第4項(4)は、測定温度と各先行軌道に関して規定された設定温度との間の誤差を考慮する制御法則の積分項である。助変数αは、エネルギー発生手段の移動システムの制御ループの応答時間に関する無次元の大きさである。制御ループの応答時間は2τ/αである。
【0051】
助変数αが大きくなればなるほど、それだけ大幅に自動制御が、予想変動を含む実験雑音に対して敏感になることに留意されるべきである。助変数αに関する推奨値は、
【数10】
である。この値は、第1の軌道の終了後にR2を計算するとき、方程式[8]中の項(3)および(4)の消去に導く。次いで、制御ループの応答時間は2τ/α≒2.4143・τとなり、この値は測定温度の誤差をいずれも補正するために自動制御によって必要とされる時間を表す。
【0052】
方程式[8]は次式に等しい。
【数11】
【0053】
軌道の時間が常に一定に留まるように、軌道は、その継続時間を値τにするために、時間拡張されるかまたは時間が圧縮される。同時に、エネルギー発生手段によって堆積された超音波出力は、考慮中の当該領域におけるRj+1の空間平均に等しい因数によって逆方向に再正規化(re−normalized)される。
【0054】
図3は、設定温度の空間プロフィルRj(r)・θ1(r)の実施例aおよびbを示し、これらが螺旋形状の軌道に関して命令され得るようなっている。これらの実施例は、軸OxおよびOzに沿って、それぞれ12mmおよび16mmの直径を有する螺旋軌道に基づいている。拡散係数Dは0.05mm2/秒である。軌道はn+1=100個の音波処理点を含み、これらの音波処理点はΔt=1.6秒だけ離間されている。実施例aは、均一の分布関数R1(x,z)=1に関し、他方で実施例bは、一定の傾き(軸Oxに沿って、−0.025mm−1の一定の勾配)を有する分布関数Rjに対応する。
【0055】
図4は、エネルギー発生手段の焦点によって追従された楕円形の螺旋軌道の実施例である。視野は、画像1では128×128mm2であり、他方で画像2は4倍に拡大された。螺旋軌道は、軸OxおよびOzに沿って、それぞれ15mmおよび11mmの直径を有する。背景画像は、MRI温度測定に使用された勾配エコー・シーケンス(echo sequence)によって得られる。寒天ゲルの3つの試料が画像1に見られる。これらの試料は、温度測定の3点補正を可能にする。処理された試料の構造の中に非均質性が見られる。
【0056】
図5では、グラフは、エネルギー発生手段の焦点が、図4に示された螺旋軌道にわたって移動した後の測定温度の分布を示す。グラフbは、治療されるべき組織の均一な熱拡散係数D=0.13mm2/秒に関するシミュレートされた温度分布を示す。グラフbは、グラフaの実験プロフィルに最も近似するグラフである。このグラフbは、治療されるべき標的部位における平均的な熱拡散係数を推定するために使用され得る。
【0057】
図6は、エキソビボ実験(ex vivo experimenting)中に、時間に関して標的部位の中心Oにおいて測定された温度の傾向を示すグラフである。測定温度は一連のM=10個の連続軌道にわたって変化する。設定温度は標的部位全体において8℃である(亜致死温熱療法(sublethal hyperthermia))。
【0058】
図7は、列1において、図6の実験中に行われた一連の10個の各軌道の焦点座標xの傾向を示す。第2の列は、各軌道の間にエネルギー発生手段によって堆積された超音波出力を示す。第3の列は、各軌道の後に、点O、すなわち、標的部位の中心を通過する標的部位区分において測定された温度プロフィルを与える。第4の列は、各軌道の間に得られた、標的部位区分において測定された温度上昇プロフィルを与える。
【0059】
図8は、エキソビボ実験中に、時間に関して標的部位の中心Oにおいて測定された温度の傾向を示すグラフである。測定温度は一連のM=10個の連続軌道にわたって変化する。設定温度は、熱切除を実現する目的のために、標的部位全体において初期温度よりも18℃高い(致死温熱療法(lethal hyperthermia))。
【0060】
図9は、列1において、図8の実験中に行われた一連の10個の各軌道の焦点座標xの傾向を示す。第2の列は、各軌道の間にエネルギー発生手段によって堆積された超音波出力を示す。第3の列は、各軌道の後に、点O、すなわち、標的部位の中心を通過する方向で計算された分布関数Rのプロフィルを示す。第4の列は、各軌道の間に得られた、標的部位区分中で測定された温度上昇プロフィルを示す。
【0061】
図10は、図11に対応する第6の軌道の端部でMRI装置を使用して得られた3次元温度マップ標本である。実験データは、1×1×5mm3の空間解像度で得られ、各方向(Ox)および(Oz)における1mmの標準偏差の2次元ガウス関数を使って、たたみこみによって平滑化された。温度分布は、熱拡散のために高い空間周波数を含むことはできない。
【0062】
図11は、インビボ実験(in vivo experimenting)において標的部位(標的部位の直径は11mm)の中心Oにおける、時間に関する温度の傾向を示すグラフである。測定温度は、一連のM=6個の連続軌道にわたって上昇する。点線は、設定温度上昇(摂氏で生理学的温度を13度超える)を表す。2つの連続軌道の差は2分である。
【0063】
図12では、図表が、第1の軌道(j=1)に沿った異なる音波処理点の位置と、治療されるべき標的部位の限界(楕円)とを示す。この図で分かるように、螺旋軌道は徐々に標的部位を網羅する。軌道は、標的部位の外側に達する追加的な巻きも含む。このような追加的な巻きは、実際には、エネルギー発生手段によって現実には実行されない。それは、もっぱら標的部位の境界に堆積されるべきエネルギー量を計算するために使用される。
【0064】
図12では、図表bが、径方向の投影方向へ標的部位の輪郭(楕円)上に追加的巻きの音波処理点を投影することから成るステップを示す。
【0065】
図12では、図表cが、軌道がエネルギー発生手段によって効果的に実行されるような、連続音波処理点を有する軌道を示す。この実際の軌道は、標的部位の輪郭の上に投影された追加的な巻きの音波処理点を含む。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る一実施形態に適合する温熱治療組立体の実施例を模式的に示す図である。
【図2】温熱治療組立体によって実行される治療ステップを模式的に例示する図である。
【図3】設定点の温度の空間プロフィルの実施例aおよびbを示す図であり、これらは螺旋形状の軌道に関して命令され得るようになっている。
【図4】エネルギー発生手段の焦点によって追従された楕円形の螺旋の形態にある軌道の実施例を示す図である。
【図5】2つのグラフであり、エネルギー発生手段の焦点が螺旋軌道に追従した後で測定された温度分布と、治療されるべき組織における均一な熱拡散係数に関してシミュレートされた温度分布とをそれぞれ示す。
【図6】エキソビボ実験中における、一連の10個の連続軌道にわたって、治療されるべき標的部位の中心における時間に関する温度の傾向を示すグラフであり、設定温度は標的部位全体における初期温度よりも8℃高い。
【図7】図6に関して実施された一連の各軌道の間における助変数の傾向を示すグラフであり、これらの助変数は、軌道が形成される基準点の軸(Ox)の1つに沿った焦点の座標と、エネルギー発生手段によって堆積された超音波出力と、標的部位の1つの区分において測定された温度プロフィルと、この標的部位区分における温度上昇プロフィルとを含む。
【図8】エキソビボ実験中における、一連の10個の連続軌道にわたって、治療されるべき標的部位の中心における時間に関する温度の傾向を示すグラフであり、設定温度は標的部位全体における初期温度よりも18℃高い。
【図9】図8に関して実施された一連の各軌道の間における助変数の傾向を示すグラフであり、これらの助変数は、軌道が形成される基準点の軸(Ox)の1つに沿った焦点の座標と、エネルギー堆積手段によって堆積された超音波出力と、標的部位の1つの区分におけるエネルギー分布プロフィルと、この標的部位の区分において規定された温度上昇プロフィルとを含む。
【図10】MRI撮像装置を使用して得られた3次元温度マップの標本である。
【図11】インビボ実験中における、治療されるべき標的部位の中心における時間に関する温度の傾向を示すグラフである。
【図12】3つの図表a、b、およびcであり、それぞれに、理論上の螺旋軌道を例示し、追加的な巻き(additional turn)が治療されるべき標的部位の外側に達するのを示し、追加的な巻きの音波処理点が標的部位の輪郭上に投影されるのを示すが、実際の軌道は追加的な巻きの投影された音波処理点を含む。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、温熱療法による生物組織の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
温熱療法(hyperthermia therapies)は、生物組織(biological tissue)の局部治療のためにごく普通に使用される手法である。これらはエネルギー源(レーザ、マイクロ波、高周波、超音波)を使用して生物組織の標的部位(target area)を加熱することから成る。
【0003】
一般に、局部温熱療法による治療は最小限の侵襲で治療を可能にする。使用されるエネルギーの種類の中で、集束超音波(FUS)が、それは標的部位が非侵襲的にかつ組織中で深さ方向に加熱されることを可能にするので特に関心が高い。
【0004】
治療時に、標的部位およびその直近の周囲部位の温度は、厳密にかつ連続的に監視されなければならない。しかし、超音波によってもたらされる組織中の温度上昇は、このような温度上昇が標的部位中の組織の生物学的および生理学的特徴(吸収、熱拡散)に依存するので評価困難である。
【0005】
仏国第2823678号明細書(2002年10月25日公開)の文書が、治療されるべき組織の標的部位における自動的な温度制御に使用され得る温熱治療(heat treatment)用の組立体(assembly)を説明する。この組立体は、超音波発生器と、標的部位の空間温度分布を測定しかつ記録するためのMRI撮像手段と、空間温度分布をドットごとにデジタル処理する手段を有する制御ユニットとを備える。制御ユニットユニットは、標的部位における温度が設定された温度プロフィルに追従するように、超音波発生器が、撮像手段によって測定された温度分布に関連して空間移動するように命令(command)する。
【0006】
文書「Local hyperthermia with MR−guided focused ultrasound:Spiral trajectory of the focal point optimized for temperature uniformity in the target region」、Journal of Magnetic Resonance Imaging 12:571〜583頁(2000年に出版)が集束超音波を使用する治療方法を説明するが、その目的は、大容積の標的部位における均一な温度上昇を実現することである。この方法によれば、超音波発生器の焦点が第1の螺旋形状の軌道に沿って移動される。標的部位における空間温度分布がMRIによって測定される。得られた空間分布に関連して第2の螺旋軌道が決定されるが、そこでは焦点の移動速度が、第1の軌道後に残留する温度分布における非均質性を埋め合わせるように修正される。超音波発生器の焦点は、この第2の軌道に沿って移動される。
【0007】
しかし、該方法は組織挙動の線形モデリングに基づく。しかも幾つかの組織は、特にこれらの熱伝導特性に関して非線形的な挙動を有し得る。これは不安定な温度サーボ制御をもたらす恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、生理学的な助変数に関する推定不確定性に対して適切な許容差を有する安定した治療デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、生物組織部位を治療するための温熱治療組立体であって、
−この部位の焦点にエネルギーを供給するエネルギー発生手段と、
−該部位における空間温度分布を測定する手段と、
−設定された分布に一致する空間温度分布を得ることを目的に、所定の軌道に沿って焦点の移動を命令できる制御ユニットと、を備え、
制御ユニットは、焦点が変位する間に、比例−積分−微分項(Proportional−Integral−Derivative term)を有する制御法則(control law)に従って、測定温度分布および設定分布に関連して、軌道の長さに沿って発生手段によって供給されるエネルギーの分布を命令できることを特徴とする組立体を提案する。
【0010】
この治療組立体で使用される制御法則は、治療中のどのような非線形的な生理学的効果にもかかわらず、広い標的部位で、予め規定された設定温度プロフィルに到達することを可能にする。
【0011】
治療組立体の一実施形態では、制御ユニットは、一連の連続軌道に沿って焦点の移動を命令し、かつ各軌道に関して、当該軌道に関連する設定された分布および先行する軌道全体を通して測定された温度分布に関連して、対応するエネルギーの分布を命令することが可能である。
【0012】
この実施形態では、制御ユニットは、第1の軌道に沿って焦点の移動を命令し、かつその結果、測定された温度上昇に関連して、標的部位における熱拡散係数(thermal diffusion coefficient)Dを演繹する(deduce)ことが可能である。制御ユニットは、この熱拡散係数を制御法則に算入することが可能である。
【0013】
本発明の一実施形態では、エネルギーの分布を命令するために、制御ユニットは、時間に関連して軌道に沿って焦点の位置を規定する分布関数(distribution function)を決定することが可能である。
【0014】
本発明の一実施形態では、制御ユニットは、焦点が、軌道に沿って分布された複数の個別的な(discrete)音波処理点(sonication point)に変位するように命令することが可能である。制御ユニットは、エネルギー発生手段に、これらが音波処理点ごとに同じである所与のエネルギー量を各音波処理点に堆積(deposit)するように命令することが可能である。この実施形態では、標的部位に堆積されるエネルギーの分布を決定するのは、軌道上における音波処理点の分布である。
【0015】
本発明は生物組織の部位を温熱治療する方法にも関し、そこでは、エネルギー発生手段が該部位における焦点にエネルギーを供給し、測定手段が該部位における空間温度分布を測定し、かつ制御ユニットが、設定された分布に一致する空間温度分布を得る目的で、所定の軌道に沿って焦点の移動を命令し、制御ユニットは、焦点が移動する間に、比例−積分−微分項を含む制御法則に従って、測定温度分布および設定分布に関連して該軌道に沿って発生手段によって供給されるエネルギーの分布を命令することを特徴とする。
【0016】
他の特徴および利点は、純粋に例示的かつ非限定的であり、さらに添付の図面に関連して読まれるべきである以下の説明から明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、図示されている治療組立体1が、磁石10を含むMRI撮像装置を備える。組立体1は、環状配列プローブ20の形態にあるエネルギー発生手段と、この環状配列プローブ20にエネルギーを供給するマルチチャネル発生器50とを備える。プローブ20は、磁石10の土台の中に組み込まれ、プローブが発生器50によってエネルギーの供給を受けるとき、焦点Pの方向に超音波を放出することができる発生要素21を含む。
【0018】
環状配列プローブ20は、例えば、80mmの半径、96mmの開口部直径、および垂直軸に沿って60nmと110mmとの間の焦点距離の変動値を有するUltrasonic(仏国、ブザンソン(Besancon)社)によって製造されたプローブである。超音波発生要素21は、約1.5MHzの周波数で放出することができる。
【0019】
エネルギー発生手段20は、エルイーピー(LEP)社(仏国、パリ市)から入手可能なピストン31および32を有する油圧移動システム30によって水平面内で移動することができる。この移動システム30は、レーザ案内手段を有し、その最大移動速度は、毎秒約3mmであり、その実効速度は毎秒2mmである。
【0020】
組立体1は中央ユニットを含む制御ユニット40も備え、その中央ユニットの入力は、MRI撮像装置からデータを受け取ることが可能であり、このようなデータに関連して、移動システム30に環状配列プローブ20の焦点Pを修正するように命令できる。
【0021】
温熱治療組立体1は、動作時において、患者組織の標的部位60を治療するために使用される。制御ユニット40は、マルチチャネル発生器50および移動システム30に、図2に示されたステップを実行するように命令する。
【0022】
最初に、エネルギー発生手段20は、焦点Pが治療されるべき標的部位60の実質的に中心に配置された点Oに位置決めされるように、患者に対して配置される。
【0023】
図2は、温熱治療組立体1によって実行される治療ステップを模式的に例示する。
【0024】
第1のステップ100の間に、制御ユニット40は、移動システム30に、第1の所定の軌道(j=1)に沿った複数の音波処理点に連続的にエネルギー発生手段の焦点を位置決めするように命令する。この軌道は、標的部位の中心Oから出発して当該部位から外向きに延びる概ね楕円形の形状である。さらには、制御ユニット50は、エネルギー発生手段20に、これらが軌道に沿った複数の音波処理点の各点に所与のエネルギー量を印加するように命令する。軌道の螺旋形状は、エネルギーが標的部位60の中心Oから出発して、徐々に標的部位の縁部に向かって外方に及ぶように堆積されることを可能にする。該螺旋軌道は、熱拡散を標的部位の中心から当該部位の縁部に向かって促進し、標的部位における温度上昇を制御するために、このような拡散から利点が引き出されることを可能にすることが理解されよう。
【0025】
原点が標的部位60の中心Oである基準点(Ox,Oz)では、焦点Pの軌道の助変数方程式が次のように定義され得る。
【数1】
上式で、(x,z)は基準点(Ox,Oz)における焦点の座標であり、ΔaおよびΔbは、連続的な巻き間における軸OxおよびOzに沿ったそれぞれの間隔であり、さらにξは0と2π・N(Nは楕円の巻き数)との間にある軌道の助変数である。
【0026】
第1の軌道の間に、焦点Pは既に治療された領域に単位時間ごとに加えられる面積Ωが一定であるように移動される。このような同等関係は、時間tに関して次の微分方程式として表現される。
【数2】
上式で、Ωは螺旋軌道によって既に網羅された部位に単位時間ごとに加えられる面積であり、さらにεはΔb/Δaに等しくかつ楕円の離心率(eccentricity)を規定する。
【0027】
この第1の楕円軌道は、複数の個別的な音波処理i(iは0からnまでの範囲にわたる)から形成され、その楕円の中心Oに対する位置は、ベクトルr1=(xi,zi)によって規定される(但し、i∈[0,n])。焦点は、規則的な速度で、位置r1における1つの音波処理位置iから位置ri+1における次の処理位置i+1に移動する。音波処理の持続時間Δtは音波処理点ごとに一定である。
【0028】
第2のステップ200の間に、撮像装置が標的部位において得られた温度分布T1(x,z)を測定する。
【0029】
標的部位の組織が完全に均質であったら、すなわち、熱吸収および拡散特性が標的部位全体において均一であれば、第1のステップ100の間に実行された軌道は標的部位における均一な温度上昇につながることになる。
【0030】
しかし、この場合には、治療される組織が一般に均質ではないので、そのようにはならない。
【0031】
測定された温度分布は、平均的な熱拡散係数Dを決定するために使用される。
【0032】
第3のステップ300の間に、制御ユニットが、測定された空間温度分布T1(x,z)に関連して、第2の軌道(j=2)を決定する。この第2の軌道は、第1の軌道と同じ螺旋形状を有する。しかし、焦点の移動速度は、次式のように、軌道上の焦点の位置(x,z)に依存するエネルギー分布関数R2に従って修正される。
【数3】
【0033】
この分布関数R2の効果は、2つの連続的な音波処理点間の距離を、したがって螺旋軌道に沿って焦点が移動する速度を修正することである。標的部位全体にわたってR2がR1=1によって置き換えられるとき、方程式[3]は方程式[2]へ約されることが留意されるべきである。関数R2は、標的部位において局部的に送達されるエネルギー密度を変調することによって、第1の軌道の後に残留する非均質性を埋め合わせるように決定される。
【0034】
個々の各音波処理の時間は常にΔtであり、焦点は第1の軌道の間と同じ速度で1つの音波処理点から次の処理点に移動する。螺旋軌道に沿った個々の音波処理の数n+1は常に等しい。
【0035】
第4のステップ400の間に、制御ユニットは、移動システムに、エネルギー発生手段の焦点を第2の軌道の複数の音波処理点に連続的に位置決めするように命令する。
【0036】
上述のステップ200、300、および400は、設定された温度プロフィルを所定の治療時間の間に治療されるべき部位に確立するように、連続軌道の数Mを実現するために随意選択的に更新される。各第jの軌道では、制御ユニットは、新たな分布関数Rjを決定し、かつこのように決定された第jの軌道に沿って、移動システムにエネルギー発生手段の焦点を移動させるように命令する。
【0037】
制御ユニットによって計算される分布関数Rjの計算ステップ300の一般的な説明が下に与えられる。
【0038】
制御モジュールは、エネルギー発生手段の焦点が所定形状の軌道の数Mにわたって移動するように、移動システムおよびエネルギー発生手段に命令することが考慮される。
【0039】
以下の記号が使用される。
O 標的部位における原点(例えば、標的部位の中心に配置される)、
(Ox,Oz) 原点Oの2次元的記述、
θj(x,z) 第jの軌道の経路にわたって点(x,z)で到達されるべき設定温度、
Tj(x,z) 第jの軌道の終了後に、MRI撮像装置によって点(x,z)で有効に測定された温度、
Rj 第jの軌道に関して決定された分布関数、
G(D,τ) 2つの軌道間の経過時間τにわたる、組織中の熱拡散D(第1の軌道の後で評価された)による温度の変動を評価するために使用されるグリーン関数。
【0040】
グリーン関数は、例えば、付属文書「Local hyperthermia with MR−guided focused ultrasound:Spiral trajectory of the focal point optimized for temperature uniformity in the target region」、Journal of Magnetic Resonance Imaging 12:571〜583頁(2000年に出版)で説明されている。その表式は次式である。
【数4】
【0041】
第1の軌道の間の加温有効性は、点Oにおける係数α1の形式で表現され得る。
【数5】
【0042】
設定された温度の空間プロフィルは、次式によって与えられる。
【数6】
【0043】
この方程式では、ηj+1の値は、第jの軌道と第(j+1)の軌道との間の望ましい温度傾向を規定する。ηj+1=1は、標的部位における静的温度に対応する。すなわち、第(j+1)の軌道の間に、分布関数Rj+1によって規定された標的部位におけるエネルギーの堆積は、もっぱら組織中の熱伝導による熱損失を埋め合わせなければならない。
【0044】
ηjの値は、反復的アルゴリズムによって、各軌道jに関して、エネルギー発生手段によって供給される必要な出力が機器の技術的限界許容値を超えない最大値(αと1との間)に固定される。この限界許容値はエネルギー発生手段に依存し、このような限界値はこれらのエネルギー発生手段の製造業者によって規定される。
【0045】
第(j+1)の軌道の終了後に得られることになる点r(x,z)における温度は、次のように評価され得る。
【数7】
【0046】
この温度は、第jの軌道と第(j+1)の軌道との間の熱拡散、および新たなエネルギー分布Rj+1を考慮する。熱拡散係数Dが一定であると想定されかつ持続時間τが各軌道に関して同じである限り、グリーン関数は常に同じである。
【0047】
自動制御に関する1つの条件は、Tj+1=θj+1である。
【0048】
その結果、次式が演繹される。
【数8】
【0049】
この方程式は、微分型(differential type)および比例型(proportional type)の制御法則の中心的な方程式である。本発明の下では、この式はPID制御法則(比例、積分および微分)を得るために修正される。このPID制御法則の方程式は、次に以下の式になる。
【数9】
【0050】
方程式[8]において、第1項(1)は2つの連続軌道jとj+1との間における組織中の熱拡散による温度変動を考慮する。第2項(2)は第(j+1)の軌道によって温度プロフィルに追加された追加的階層を考慮する制御法則の微分項である。第3項(3)は、測定温度と先行する第jの軌道に関して規定された設定温度との間の瞬間誤差を考慮する制御法則の比例項である。最後に、第4項(4)は、測定温度と各先行軌道に関して規定された設定温度との間の誤差を考慮する制御法則の積分項である。助変数αは、エネルギー発生手段の移動システムの制御ループの応答時間に関する無次元の大きさである。制御ループの応答時間は2τ/αである。
【0051】
助変数αが大きくなればなるほど、それだけ大幅に自動制御が、予想変動を含む実験雑音に対して敏感になることに留意されるべきである。助変数αに関する推奨値は、
【数10】
である。この値は、第1の軌道の終了後にR2を計算するとき、方程式[8]中の項(3)および(4)の消去に導く。次いで、制御ループの応答時間は2τ/α≒2.4143・τとなり、この値は測定温度の誤差をいずれも補正するために自動制御によって必要とされる時間を表す。
【0052】
方程式[8]は次式に等しい。
【数11】
【0053】
軌道の時間が常に一定に留まるように、軌道は、その継続時間を値τにするために、時間拡張されるかまたは時間が圧縮される。同時に、エネルギー発生手段によって堆積された超音波出力は、考慮中の当該領域におけるRj+1の空間平均に等しい因数によって逆方向に再正規化(re−normalized)される。
【0054】
図3は、設定温度の空間プロフィルRj(r)・θ1(r)の実施例aおよびbを示し、これらが螺旋形状の軌道に関して命令され得るようなっている。これらの実施例は、軸OxおよびOzに沿って、それぞれ12mmおよび16mmの直径を有する螺旋軌道に基づいている。拡散係数Dは0.05mm2/秒である。軌道はn+1=100個の音波処理点を含み、これらの音波処理点はΔt=1.6秒だけ離間されている。実施例aは、均一の分布関数R1(x,z)=1に関し、他方で実施例bは、一定の傾き(軸Oxに沿って、−0.025mm−1の一定の勾配)を有する分布関数Rjに対応する。
【0055】
図4は、エネルギー発生手段の焦点によって追従された楕円形の螺旋軌道の実施例である。視野は、画像1では128×128mm2であり、他方で画像2は4倍に拡大された。螺旋軌道は、軸OxおよびOzに沿って、それぞれ15mmおよび11mmの直径を有する。背景画像は、MRI温度測定に使用された勾配エコー・シーケンス(echo sequence)によって得られる。寒天ゲルの3つの試料が画像1に見られる。これらの試料は、温度測定の3点補正を可能にする。処理された試料の構造の中に非均質性が見られる。
【0056】
図5では、グラフは、エネルギー発生手段の焦点が、図4に示された螺旋軌道にわたって移動した後の測定温度の分布を示す。グラフbは、治療されるべき組織の均一な熱拡散係数D=0.13mm2/秒に関するシミュレートされた温度分布を示す。グラフbは、グラフaの実験プロフィルに最も近似するグラフである。このグラフbは、治療されるべき標的部位における平均的な熱拡散係数を推定するために使用され得る。
【0057】
図6は、エキソビボ実験(ex vivo experimenting)中に、時間に関して標的部位の中心Oにおいて測定された温度の傾向を示すグラフである。測定温度は一連のM=10個の連続軌道にわたって変化する。設定温度は標的部位全体において8℃である(亜致死温熱療法(sublethal hyperthermia))。
【0058】
図7は、列1において、図6の実験中に行われた一連の10個の各軌道の焦点座標xの傾向を示す。第2の列は、各軌道の間にエネルギー発生手段によって堆積された超音波出力を示す。第3の列は、各軌道の後に、点O、すなわち、標的部位の中心を通過する標的部位区分において測定された温度プロフィルを与える。第4の列は、各軌道の間に得られた、標的部位区分において測定された温度上昇プロフィルを与える。
【0059】
図8は、エキソビボ実験中に、時間に関して標的部位の中心Oにおいて測定された温度の傾向を示すグラフである。測定温度は一連のM=10個の連続軌道にわたって変化する。設定温度は、熱切除を実現する目的のために、標的部位全体において初期温度よりも18℃高い(致死温熱療法(lethal hyperthermia))。
【0060】
図9は、列1において、図8の実験中に行われた一連の10個の各軌道の焦点座標xの傾向を示す。第2の列は、各軌道の間にエネルギー発生手段によって堆積された超音波出力を示す。第3の列は、各軌道の後に、点O、すなわち、標的部位の中心を通過する方向で計算された分布関数Rのプロフィルを示す。第4の列は、各軌道の間に得られた、標的部位区分中で測定された温度上昇プロフィルを示す。
【0061】
図10は、図11に対応する第6の軌道の端部でMRI装置を使用して得られた3次元温度マップ標本である。実験データは、1×1×5mm3の空間解像度で得られ、各方向(Ox)および(Oz)における1mmの標準偏差の2次元ガウス関数を使って、たたみこみによって平滑化された。温度分布は、熱拡散のために高い空間周波数を含むことはできない。
【0062】
図11は、インビボ実験(in vivo experimenting)において標的部位(標的部位の直径は11mm)の中心Oにおける、時間に関する温度の傾向を示すグラフである。測定温度は、一連のM=6個の連続軌道にわたって上昇する。点線は、設定温度上昇(摂氏で生理学的温度を13度超える)を表す。2つの連続軌道の差は2分である。
【0063】
図12では、図表が、第1の軌道(j=1)に沿った異なる音波処理点の位置と、治療されるべき標的部位の限界(楕円)とを示す。この図で分かるように、螺旋軌道は徐々に標的部位を網羅する。軌道は、標的部位の外側に達する追加的な巻きも含む。このような追加的な巻きは、実際には、エネルギー発生手段によって現実には実行されない。それは、もっぱら標的部位の境界に堆積されるべきエネルギー量を計算するために使用される。
【0064】
図12では、図表bが、径方向の投影方向へ標的部位の輪郭(楕円)上に追加的巻きの音波処理点を投影することから成るステップを示す。
【0065】
図12では、図表cが、軌道がエネルギー発生手段によって効果的に実行されるような、連続音波処理点を有する軌道を示す。この実際の軌道は、標的部位の輪郭の上に投影された追加的な巻きの音波処理点を含む。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る一実施形態に適合する温熱治療組立体の実施例を模式的に示す図である。
【図2】温熱治療組立体によって実行される治療ステップを模式的に例示する図である。
【図3】設定点の温度の空間プロフィルの実施例aおよびbを示す図であり、これらは螺旋形状の軌道に関して命令され得るようになっている。
【図4】エネルギー発生手段の焦点によって追従された楕円形の螺旋の形態にある軌道の実施例を示す図である。
【図5】2つのグラフであり、エネルギー発生手段の焦点が螺旋軌道に追従した後で測定された温度分布と、治療されるべき組織における均一な熱拡散係数に関してシミュレートされた温度分布とをそれぞれ示す。
【図6】エキソビボ実験中における、一連の10個の連続軌道にわたって、治療されるべき標的部位の中心における時間に関する温度の傾向を示すグラフであり、設定温度は標的部位全体における初期温度よりも8℃高い。
【図7】図6に関して実施された一連の各軌道の間における助変数の傾向を示すグラフであり、これらの助変数は、軌道が形成される基準点の軸(Ox)の1つに沿った焦点の座標と、エネルギー発生手段によって堆積された超音波出力と、標的部位の1つの区分において測定された温度プロフィルと、この標的部位区分における温度上昇プロフィルとを含む。
【図8】エキソビボ実験中における、一連の10個の連続軌道にわたって、治療されるべき標的部位の中心における時間に関する温度の傾向を示すグラフであり、設定温度は標的部位全体における初期温度よりも18℃高い。
【図9】図8に関して実施された一連の各軌道の間における助変数の傾向を示すグラフであり、これらの助変数は、軌道が形成される基準点の軸(Ox)の1つに沿った焦点の座標と、エネルギー堆積手段によって堆積された超音波出力と、標的部位の1つの区分におけるエネルギー分布プロフィルと、この標的部位の区分において規定された温度上昇プロフィルとを含む。
【図10】MRI撮像装置を使用して得られた3次元温度マップの標本である。
【図11】インビボ実験中における、治療されるべき標的部位の中心における時間に関する温度の傾向を示すグラフである。
【図12】3つの図表a、b、およびcであり、それぞれに、理論上の螺旋軌道を例示し、追加的な巻き(additional turn)が治療されるべき標的部位の外側に達するのを示し、追加的な巻きの音波処理点が標的部位の輪郭上に投影されるのを示すが、実際の軌道は追加的な巻きの投影された音波処理点を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織の部位(60)のための温熱治療組立体(1)であって、
前記部位の焦点(P)にエネルギーを供給するエネルギー発生手段(20)と、
前記部位における空間温度分布を測定する手段(10)と、
設定された分布に一致する空間温度分布を得ることを目的に、所定の軌道(j)に沿って前記焦点(P)の移動を命令できる手段を含む制御ユニット(40)と、を備え、
前記制御ユニット(40)は、前記焦点(P)が変位する間に、比例−積分−微分項を有する制御法則に従って、測定温度分布および設定分布に関連して、前記軌道に沿って前記発生手段(20)によって供給される前記エネルギーの分布を命令できる手段を含むことを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記制御法則は前記標的部位の熱拡散係数(D)を算入する、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記制御ユニット(40)は、一連の連続軌道(j)に沿って前記焦点(P)の移動を命令し、かつ各軌道に関して、当該軌道に関連する設定された分布および先行する軌道全体を通して測定された温度分布に関連して、対応するエネルギーの分布を命令できる手段を含む、請求項1または2に記載の組立体。
【請求項4】
エネルギーの分布を命令するために、前記制御ユニット(40)は、時間に関連して前記軌道に沿って前記焦点(P)の位置を規定する分布関数(Rj)を決定できる手段を含む、請求項1ないし3の何れかに記載の組立体。
【請求項5】
前記制御ユニット(40)は、前記焦点(P)が、前記軌道に沿って分布された複数の個別的な音波処理点(i)に変位するように命令できる手段を含む、請求項1ないし4の何れかに記載の組立体。
【請求項6】
前記制御ユニット(40)は、前記エネルギー発生手段(20)に、これらが音波処理点(i)ごとに等しい所与のエネルギー量を各音波処理点に堆積するように命令できる手段を含む、請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
前記制御ユニット(40)は、一連の連続軌道に沿って前記焦点(P)の移動を命令し、かつ各軌道(j)に関して、次式のように、対応するエネルギーの分布(Rj)を命令できる手段を備え、
【数1】
上式で、rは前記標的部位における点の位置であり、
θ1は第1の軌道を実行する間に到達されるべき設定温度分布であり、
θjは第jの軌道を実行する間に到達されるべき設定温度分布であり、
Tjは第jの軌道の終了後に、前記測定手段によって有効に測定された温度分布であり、
G(D,τ)は2つの軌道jとj+1との間の経過時間τにわたる前記標的部位における熱拡散Dに依存するグリーン関数であり、
αは自動制御に関する無次元の助変数である、請求項1に記載の組立体。
【請求項8】
前記制御ユニット(40)は、概ね螺旋形状の軌道に沿って前記焦点(P)を移動できる手段を含む、請求項1ないし7の何れかに記載の組立体。
【請求項9】
前記制御ユニット(40)は、前記標的部位(60)において均一である設定温度分布に関連して、前記焦点(P)の変位を命令できる手段を含む、請求項1ないし8の何れかに記載の組立体。
【請求項10】
前記制御ユニット(40)は、前記標的部位において一方向に均一な勾配を有する設定温度分布に関連して、前記焦点(P)の変位を命令できる手段を含む、請求項1ないし9の何れかに記載の組立体。
【請求項11】
生物組織の部位を温熱治療する方法であって、エネルギー発生手段(20)が前記部位(60)における焦点(P)にエネルギーを供給し、測定手段(10)が前記部位(60)における空間温度分布を測定し、かつ制御ユニット(40)が、設定された分布に一致する空間温度分布を得るために、所定の軌道(j)に沿って前記焦点(P)の移動を命令し、前記制御ユニット(40)は、前記焦点(P)が変位する間に、比例−積分−微分項を有する制御法則に従って、前記測定温度分布および前記設定分布に関連して、前記軌道に沿って前記発生手段(20)によって供給されるエネルギーの分布を命令することを特徴とする方法。
【請求項1】
生物組織の部位(60)のための温熱治療組立体(1)であって、
前記部位の焦点(P)にエネルギーを供給するエネルギー発生手段(20)と、
前記部位における空間温度分布を測定する手段(10)と、
設定された分布に一致する空間温度分布を得ることを目的に、所定の軌道(j)に沿って前記焦点(P)の移動を命令できる手段を含む制御ユニット(40)と、を備え、
前記制御ユニット(40)は、前記焦点(P)が変位する間に、比例−積分−微分項を有する制御法則に従って、測定温度分布および設定分布に関連して、前記軌道に沿って前記発生手段(20)によって供給される前記エネルギーの分布を命令できる手段を含むことを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記制御法則は前記標的部位の熱拡散係数(D)を算入する、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記制御ユニット(40)は、一連の連続軌道(j)に沿って前記焦点(P)の移動を命令し、かつ各軌道に関して、当該軌道に関連する設定された分布および先行する軌道全体を通して測定された温度分布に関連して、対応するエネルギーの分布を命令できる手段を含む、請求項1または2に記載の組立体。
【請求項4】
エネルギーの分布を命令するために、前記制御ユニット(40)は、時間に関連して前記軌道に沿って前記焦点(P)の位置を規定する分布関数(Rj)を決定できる手段を含む、請求項1ないし3の何れかに記載の組立体。
【請求項5】
前記制御ユニット(40)は、前記焦点(P)が、前記軌道に沿って分布された複数の個別的な音波処理点(i)に変位するように命令できる手段を含む、請求項1ないし4の何れかに記載の組立体。
【請求項6】
前記制御ユニット(40)は、前記エネルギー発生手段(20)に、これらが音波処理点(i)ごとに等しい所与のエネルギー量を各音波処理点に堆積するように命令できる手段を含む、請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
前記制御ユニット(40)は、一連の連続軌道に沿って前記焦点(P)の移動を命令し、かつ各軌道(j)に関して、次式のように、対応するエネルギーの分布(Rj)を命令できる手段を備え、
【数1】
上式で、rは前記標的部位における点の位置であり、
θ1は第1の軌道を実行する間に到達されるべき設定温度分布であり、
θjは第jの軌道を実行する間に到達されるべき設定温度分布であり、
Tjは第jの軌道の終了後に、前記測定手段によって有効に測定された温度分布であり、
G(D,τ)は2つの軌道jとj+1との間の経過時間τにわたる前記標的部位における熱拡散Dに依存するグリーン関数であり、
αは自動制御に関する無次元の助変数である、請求項1に記載の組立体。
【請求項8】
前記制御ユニット(40)は、概ね螺旋形状の軌道に沿って前記焦点(P)を移動できる手段を含む、請求項1ないし7の何れかに記載の組立体。
【請求項9】
前記制御ユニット(40)は、前記標的部位(60)において均一である設定温度分布に関連して、前記焦点(P)の変位を命令できる手段を含む、請求項1ないし8の何れかに記載の組立体。
【請求項10】
前記制御ユニット(40)は、前記標的部位において一方向に均一な勾配を有する設定温度分布に関連して、前記焦点(P)の変位を命令できる手段を含む、請求項1ないし9の何れかに記載の組立体。
【請求項11】
生物組織の部位を温熱治療する方法であって、エネルギー発生手段(20)が前記部位(60)における焦点(P)にエネルギーを供給し、測定手段(10)が前記部位(60)における空間温度分布を測定し、かつ制御ユニット(40)が、設定された分布に一致する空間温度分布を得るために、所定の軌道(j)に沿って前記焦点(P)の移動を命令し、前記制御ユニット(40)は、前記焦点(P)が変位する間に、比例−積分−微分項を有する制御法則に従って、前記測定温度分布および前記設定分布に関連して、前記軌道に沿って前記発生手段(20)によって供給されるエネルギーの分布を命令することを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−534397(P2007−534397A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510040(P2007−510040)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051926
【国際公開番号】WO2005/107869
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(594016872)サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) (83)
【出願人】(503127873)ユニヴェルシテ ヴィクトール セガラン ボルドー 2 (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051926
【国際公開番号】WO2005/107869
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(594016872)サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) (83)
【出願人】(503127873)ユニヴェルシテ ヴィクトール セガラン ボルドー 2 (7)
【Fターム(参考)】
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