説明

生物脱臭方法及び生物脱臭装置

【課題】被処理ガス中に水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分が含まれている場合でも、微生物の活性を保ちつつ、効果的に脱臭することのできる生物脱臭方法及び生物脱臭装置を提供すること。
【解決手段】被処理ガスを導入する導入口11と、処理ガスの排出口12とを有し、内部に、比表面積100m/g以上で、且つ、微生物を担持した充填材を充填してなる充填部21、22、23が多段に設けられると共に、各段の充填部21、22、23の上方に、それぞれ充填部21、22、23に液体を供給する液体供給口31、32、33が配置された気液接触塔2を用い、前記導入口11から被処理ガスを導入すると共に、各段の充填部21、22、23への液体の供給と停止の各操作を交互に行うように制御し、且つ、いずれか一つの段の充填部は液体の供給が停止され、その他の段の充填部へは液体が供給されているように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理ガス中の臭気成分を生物学的に除去するようにした生物脱臭方法及び生物脱臭装置に関し、詳しくは、被処理ガス中に水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分が含まれている場合でも効果的に脱臭することのできる生物脱臭方法及び生物脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水、汚泥、産業排水等から発生する臭気成分を含むガス、あるいはメタン発酵によって生成された消化ガス中の硫黄化合物等を脱臭、除去処理する装置として、微生物による臭気成分の酸化分解作用を利用する生物脱臭装置が知られている。例えば、特許文献1には、有機性物質を発酵した際に発生するガス中の硫黄化合物を脱硫することにより脱臭する生物脱臭装置が開示されている。
【0003】
生物脱臭装置は、微生物を担持した充填材を有する充填部を気液接触塔の内部に設け、塔内に導入した被処理ガスを充填部に通過させて充填材と接触させることにより、充填材に担持された微生物の酸化分解作用によって脱臭、除去する。
【0004】
充填材には、担持された微生物の活性を保ち、表面に付着した酸化物を洗い流す目的で、液体が供給され、表面に水膜を形成することにより湿潤状態に保たれている。このため被処理ガス中の水に可溶な臭気成分が水膜中に溶解し、充填材の表面に接触することで微生物によって酸化分解されて脱臭、除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−58841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の生物脱臭装置では、充填材は液体が供給されることにより常時湿潤状態に保たれているため、被処理ガス中に水に不溶または難溶な臭気成分が含まれている場合、充填材表面に形成された水膜(境膜)によって充填材の表面との接触が遮られてしまう。このため、水に不溶または難溶な臭気成分は、この水膜に邪魔されて充填材の表面に吸着されず、該充填材に担持された微生物と接触することができないために脱臭できない問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、被処理ガス中に水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分が含まれている場合でも、微生物の活性を保ちつつ、効果的に脱臭することのできる生物脱臭方法及び生物脱臭装置を提供することを課題とする。
【0008】
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0010】
(請求項1)
下部に被処理ガスを導入する導入口と、上部に処理ガスの排出口とを有し、内部に、比表面積100m/g以上で、且つ、微生物を担持した充填材を充填してなる充填部が3段以上の多段に設けられると共に、各段の充填部の上方に、それぞれ充填部に、水、活性汚泥処理水、又はメタン発酵処理によって生成された消化液からなる液体を供給する液体供給口が配置された気液接触塔を用い、前記導入口から水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分を含む被処理ガスを導入すると共に、各段の充填部への液体の供給と停止の各操作を交互に行うように制御し、且つ、いずれか一つの段の充填部は液体の供給が停止され、その他の段の充填部へは液体が供給されているように制御することを特徴とする生物脱臭方法。
【0011】
(請求項2)
液体の供給の停止時間を、5〜60分間とすることを特徴とする請求項1記載の生物脱臭方法。
【0012】
(請求項3)
下部に水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分を含む被処理ガスを導入する導入口と、上部に処理ガスの排出口とを有し、内部に、比表面積100m/g以上で、且つ、微生物を担持した充填材を充填してなる充填部が3段以上の多段に設けられると共に、各段の充填部の上方に、それぞれ充填部に、水、活性汚泥処理水、又はメタン発酵処理によって生成された消化液からなる液体を供給する液体供給口が配置された気液接触塔と、
各段の充填部への液体の供給と停止の各操作を交互に行うように制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、いずれか一つの段の充填部への液体の供給を停止し、その他の段の充填部へは液体が供給されているように制御することを特徴とする生物脱臭装置。
【0013】
(請求項4)
液体の供給の停止時間が、5〜60分間であることを特徴とする請求項3記載の生物脱臭装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被処理ガス中に水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分が含まれている場合でも、微生物の活性を保ちつつ、効果的に脱臭することのできる生物脱臭方法及び生物脱臭装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る生物脱臭装置を示す概略構成図
【図2】弁制御部の制御を示すタイミングチャート
【図3】気液接触塔の他の形態を示す概略構成図
【図4】底面部の平面図
【図5】図4の(a)−(a)線に沿う断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る生物脱臭装置を示す概略構成図である。
【0018】
生物脱臭装置は、気密状の気液接触塔1を備えており、その下部に設けられた導入口11から被処理ガスを塔内に導入すると共に、上部に設けられた排出口12から処理済みの処理ガスを塔外に排出するようになっている。
【0019】
本発明において、気液接触塔1に導入される被処理ガスとしては、水に可溶な臭気成分の他に、水に不溶又は難溶な臭気成分を含有するガスである。
【0020】
水に不溶又は難溶な臭気成分としては、例えば、エステル類や多くの芳香族炭化水素系香料成分などが挙げられる。
【0021】
一方、水に可溶な臭気成分としては、例えば、低級脂肪酸、硫化水素、アンモニアなどがある。硫黄系化合物の場合は薬剤処理では除去しにくい硫化カルボニルなども処理できる。
【0022】
これらの臭気成分を含む本発明の対象になるガスとしては各種の排ガスのほかに、プロセスガス、バイオガス、熱分解ガスなどを挙げることができる。
【0023】
気液接触塔1の内部には、導入口11から塔内に導入された上記の被処理ガスと接触することにより臭気成分を脱臭、除去する気液接触部2が設けられている。
【0024】
気液接触部2は、充填材を充填してなる棚段状の充填部が複数段設けられている。ここでは、下から第1充填部21、第2充填部22及び第3充填部23の3段が上下に所定の間隔をおいて配置されている。段数は2段以上の複数段であれば何ら3段に限定されず、被処理ガスの透過流速、臭気成分の濃度、ガス−循環液量比などによって適宜決定される。
【0025】
各充填部21、22、23には、それぞれ充填材A1、A2、A3が載置されている。ここで、充填材A1、A2、A3としては、比表面積100m/g以上、もしくは100m/m(みかけの体積)以上で、且つ、微生物を担持したものが使用される。
【0026】
担持体としての充填材A1、A2、A3としては、例えば磁製又は樹脂製の通常の気液接触用充填材のほか、多孔質軟質樹脂;活性炭、木炭、ゼオライト、セラミックスなどの多孔体粒子;などを用いることができる。例えば主として脱硫を行う目的で硫黄酸化細菌を担持する上では、活性炭や木炭などの炭素系の素材が好ましいが、向流で気液接触する場合、通常の気液接触用の樹脂充填材も好ましく使用できる。
【0027】
かかる充填材A1、A2、A3に担持させる微生物は、被処理ガス中の臭気成分との関係で決められる。これらの微生物は被処理ガス成分(基質)によって、多くの場合、自発的に優占化するが、十分な馴養時間をとることは重要である。例えば、硫黄化合物を含むガスには、主に硫黄酸化細菌が馴養によって優占化する。炭化水素に対してはバチルス属細菌などが優占化する。
【0028】
各充填部21、22、23は、少なくともその底面部21a、22a、23aが多孔板、網状体等を用いて形成され、通気性及び通水性を有している。図1においては、多数の透孔が形成された多孔板を用いた例が示されている。
【0029】
気液接触部2の各充填部21、22、23のそれぞれ上方には、液体供給口31、32、33が配置されている。各液体供給口31、32、33には、貯留タンク4内に貯留された循環液が、循環ポンプ5の駆動によって供給管6(61、62、63)を通してそれぞれ供給されるようになっており、これにより、循環液が各充填部21、22、23の充填材A1、A2、A3に対して散布され、各充填材A1、A2、A3の表面が湿潤状態とされ、担持されている微生物の活性を高度に保つことができるようになっている。
【0030】
図示例では各段に一つずつ液体供給口31、32、33が配置されているが、これに限らず複数個ずつ配置されていてもよい。また、貯留タンク4には外部から循環液が補給されるようになっている。
【0031】
循環液に使用される液体としては、水の他、活性汚泥処理水、メタン発酵処理によって生成された消化液を用いることもできる。消化液は、充填材A1、A2、A3の表面に水分と共に微生物に必要な適度な栄養分を与えることができるため、微生物の増殖を促す効果もあり、本発明において好ましい。
【0032】
貯留タンク4内の循環液を各液体供給口31、32、33に供給する各供給管61、62、63には、それぞれ開閉弁71、72、73が介設されており、それらが制御手段である弁制御部8から送られる制御信号によって個別に開閉制御され、各充填部21、22、23での気液接触比率が調節可能になっている。
【0033】
気液接触塔1の下部に流下した循環液は、気液接触塔1の下部に設けられた排出管9から貯留タンク4に返送される。
【0034】
本発明において、弁制御部8は、各開閉弁71、72、73に対し、液体供給口31、32、33から循環液の供給を行う開弁操作と、循環液の供給を停止する閉弁操作の各操作を交互に行うように制御する。
【0035】
かかる生物脱臭装置を用いた脱臭方法について、図2に示すタイミングチャートを用いて更に説明する。
【0036】
図2に示すように、本発明において、弁制御部8は、いずれか一つの段の充填部21、22又は23への循環液の供給を、その他の段の充填部へ循環液が供給されている間は停止するように制御することを特徴とする。例えば、第3充填部23への循環液の供給は、第1充填部21及び第2充填部22へ循環液が供給されている間は停止するように、各段に対応する開閉弁71、72、73の開閉操作のタイミングをずらすように操作する。従って、どのタイミングにおいても、3段の充填部21、22、23のうちのいずれか二つの段には必ず循環液が供給されているが、一つの段は必ず循環液の供給が停止されていることになる。
【0037】
しかして、気液接触塔1の導入口11から、水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分を含む被処理ガスが導入されると、該被処理ガスは、気液接触塔1内を上昇し、気液接触部2において各段の充填部21、22、23の充填材A1、A2、A3と接触しつつ、排出口12から塔外へ排出される。
【0038】
各充填部21、22、23に対応する液体供給口31、32、33からは、それぞれ弁制御部8によって開閉弁71、72、73が開閉制御されることによって、循環液の供給及び停止が制御されるが、いま、第2充填部22に対応する開閉弁72のみが閉弁され、液体供給口32からの循環液の供給が停止しているタイミングであるとすると、主として被処理ガス中の水に可溶な臭気成分は、液体供給口31、33からそれぞれ循環液が供給される第1充填部21及び第3充填部23の充填材A1、A3と接触した際、その表面に形成された水膜中に溶け込み、充填材A1、A3に担持された微生物と接触する。これにより水に可溶な臭気成分は微生物の酸化分解作用によって脱臭、除去される。
【0039】
このとき、第2充填部22には、液体供給口32からの循環液の供給が停止されているため、充填材A2への循環液の供給が絶たれている。この充填材A2には、その上段の第3充填部23に供給された循環液が充填部23の底面部23aの透孔を通して一部滴下するが、その循環液が滴下する位置は限定的であり、また、その水量も液体供給口32から直接散布される場合の水量に比べて極めて少量であるため、第2充填部22の充填材A2は大部分が乾燥状態とされる。
【0040】
従って、第2充填部22の大部分の充填材A2の表面には、循環液による水膜が形成されず、第1充填部21を通過した被処理ガス中の水に不溶又は難溶な臭気成分は、この乾燥状態とされた充填材A2の表面に直に接触し、吸着される。これにより、水に不溶又は難溶な臭気成分であっても、水膜に邪魔されずに充填材A2に担持された微生物と接触することができ、微生物の酸化分解作用によって脱臭、除去される。
【0041】
かかる作用は、弁制御部8によって開閉弁71が閉弁制御され、第1充填部21への液体供給が停止された場合でも同様であり、大部分の充填材A1は乾燥状態とされ、被処理ガス中の水に不溶又は難溶な臭気成分を脱臭、除去することができる。また、開閉弁73が閉弁制御され、第3充填部23への液体供給が停止された場合は、充填材A3全体が乾燥状態とされるため、全ての充填材A3によって被処理ガス中の水に不溶又は難溶な臭気成分を脱臭、除去することができる。
【0042】
図2に示すように、循環液の供給が停止された段の充填部21、22、23へは、所定時間後には循環液の供給が再開され、乾燥状態の充填材A1、A2、A3は再び湿潤状態とされる。このため、微生物の活性は保たれる。この充填材A1、A2、A3に担持された微生物の活性を高度に保つためには、循環液の停止時間は、5〜60分間とすることが好ましい。5分間未満では、充填材表面を絶えず液流被膜して、特に難溶性、不溶性成分の微生物担体への吸着が抑制される。一方、60分間を超えるようになると、微生物の活性を保つことが困難となってくる。より好ましくは10〜30分間とすることである。
【0043】
また、循環液の供給時間は、停止時間×(充填部の段数−1)となるように設定される。
【0044】
図3は、気液接触塔1の他の態様を示す概略構成図である。図1と同一符号は同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0045】
この気液接触塔1では、第2充填部22及び第3充填部23は、その底面部22b、23bが気液接触塔1内においてそれぞれ同一方向に傾斜状に配設されている。それら底面部22b、23bは、気液接触塔1を斜めに横断するような形状に形成されている。
【0046】
底面部22b、23bはいずれも同一形状であるため、そのうちの底面部22bの詳細について図4及び図5に示す。図4は底面部22bの平面図、図5は図4中の(a)−(a)線に沿う断面図である。
【0047】
底面部22bは、多孔板、網状体等からなる底面部本体201によって、気液接触塔1を斜めに横断するような形状に形成されており、気液接触塔1に配設される際の傾斜方向に沿って略V状の複数条の谷部201aが形成されている。
【0048】
また、その谷部201aの底部には、それぞれ通水用の樋202が設けられている。充填材A2、A3は、この底面部本体201の上に載置される。
【0049】
液体供給口32及び33から第2充填部22及び第3充填部23に供給された循環液は、各充填材A2、A3の表面を湿潤状態とした後、余剰分がこの底面部本体201に到達する。底面部本体201に到達した循環液は、この底面部本体201の表面を伝って流れる。底面部本体201は多孔板や網状体等によって通気性のみならず通水性を有しているが、底面部本体201には複数条の谷部201aが形成されているため、透孔や網目を通過して雫となって滴下する前に大部分が谷部201aに流下し、谷部201aに設けられている樋202に集められる。
【0050】
このため、余剰の循環液の大部分は、樋202に沿って傾斜方向に流下して気液接触塔1の内壁面に至り、該内壁面を伝ってそのまま下方に流下するので、実質的に下段の充填部21、22の充填材A1、A2には滴下しなくなる。
【0051】
これにより、液体供給が停止された充填部21又は22には、その上方の段の充填部22又は23から滴下する循環液量を著しく低減することができ、充填材A1又はA2を効率的に乾燥状態とすることができるので、水に不溶又は難溶な臭気成分をそれら充填材A1又はA2に、より効果的に吸着させることができ、脱臭、除去効果をより高めることができる。
【0052】
なお、第1充填部21の底面部21bも、第2充填部22及び第3充填部23と同様の底面部本体201を有するものとし、気液接触塔1内に傾斜状に配設するようにしてもよい。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。
【0054】
第1図に示す構造の炭素繊維フェルトを微生物担体とする3段の棚段(直径150mm充填可能な高さ部分750mm)を用いて、脂肪酸を含有する排気ガスの脱臭を行った。
【0055】
1300℃焼成ポリアクリロニトリル系炭素繊維に少量の水を散布したのち、酸素を1〜10%含有する窒素気流中で約800℃まで加熱して表面処理を行った。
【0056】
酸素濃度の含有量を変えることによって、比表面積約70m/g、約150m/gおよび約300m/gの炭素繊維フェルトを作成した。
【0057】
排気ガス中に含まれる脂肪酸を主体とする臭気成分は、熱導伝セルを検出器とするキャピラリーカラムガスクロマトグラフによって分析した。
【0058】
その結果、C4〜C18程度で、低級側が主体の脂肪酸を約80mg/Nm含有していた。
【0059】
循環水には、pH7.8、BOD25mg/L、アルカリ度15meq./Lの生物学的処理水を用いた。この処理水循環時の脱気塔における気液接触比を10(10L−ガス/min対100mL−液/min:脱臭塔内気液温度約35℃)として図2に示す供液を行ったときの循環液停止時間と脂肪酸含有量の関係を次表に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
上記の結果から、本排ガスが感覚(嗅覚)上、十分に脱臭されたと確認できる脂肪酸濃度は20〜30mg/Nm以下であることがわかった。
【符号の説明】
【0064】
1:気液接触塔
11:導入口
12:排出口
2:気液接触部
21:第1充填部
21a、21b:底面部
22:第2充填部
22a、22b:底面部
23:第3充填部
23a、23b:底面部
31、32、33:液体供給口
4:貯留タンク
5:循環ポンプ
6、61、62、63:供給管
71、72、73:開閉弁
8:弁制御部
9:返送管
201:底面部本体
201a:谷部
202:通水用の樋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に被処理ガスを導入する導入口と、上部に処理ガスの排出口とを有し、内部に、比表面積100m/g以上で、且つ、微生物を担持した充填材を充填してなる充填部が3段以上の多段に設けられると共に、各段の充填部の上方に、それぞれ充填部に、水、活性汚泥処理水、又はメタン発酵処理によって生成された消化液からなる液体を供給する液体供給口が配置された気液接触塔を用い、前記導入口から水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分を含む被処理ガスを導入すると共に、各段の充填部への液体の供給と停止の各操作を交互に行うように制御し、且つ、いずれか一つの段の充填部は液体の供給が停止され、その他の段の充填部へは液体が供給されているように制御することを特徴とする生物脱臭方法。
【請求項2】
液体の供給の停止時間を、5〜60分間とすることを特徴とする請求項1記載の生物脱臭方法。
【請求項3】
下部に水に可溶な臭気成分の他に水に不溶又は難溶な臭気成分を含む被処理ガスを導入する導入口と、上部に処理ガスの排出口とを有し、内部に、比表面積100m/g以上で、且つ、微生物を担持した充填材を充填してなる充填部が3段以上の多段に設けられると共に、各段の充填部の上方に、それぞれ充填部に、水、活性汚泥処理水、又はメタン発酵処理によって生成された消化液からなる液体を供給する液体供給口が配置された気液接触塔と、
各段の充填部への液体の供給と停止の各操作を交互に行うように制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、いずれか一つの段の充填部への液体の供給を停止し、その他の段の充填部へは液体が供給されているように制御することを特徴とする生物脱臭装置。
【請求項4】
液体の供給の停止時間が、5〜60分間であることを特徴とする請求項3記載の生物脱臭装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−152539(P2011−152539A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82794(P2011−82794)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【分割の表示】特願2006−279321(P2006−279321)の分割
【原出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】