説明

生産品流通方法および装置

生産品(30)はコンテナ(20)に入れて小売店に流通される。前記生産品(30)は、生産または貯蔵施設でコンテナ(20)に配置されたトレイ組立品(1)上に積み込まれて、小売店に輸送される。小売店で生産品(30)を小売商品陳列棚(32)上に配置する順序に関する情報を用いて、生産品(30)が小売商品陳列棚(32)上に配置するのに必要な順序で搬送装置から移載されるように、生産品(30)を前記トレイ組立品(1)上に積み込む順序を決定する。前記トレイ組立品(1)は、前記コンテナから取り外し可能であり、前記トレイ(6)は、積み込んだり降ろしたりしやすいように互いに相対移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、生産品の流通および貯蔵のための方法および装置に関する。本発明は、小売流通を適用分野とするものであり、特に、肉などの生鮮食品を含む食料品を適用分野とするものである。もっとも、本発明は、これらの適用分野に限定されない。
【背景技術】
【0002】
[背景]
中央卸売店や加工工場から小売商品陳列棚へ生産品を配送するための既存の方法には、いくつか非効率な点がある。
【0003】
陳列棚に生産品を積み上げるのは、特に小売環境では、労働集約的営為である。通常、小売商品陳列棚に積み上げる商品は、貯蔵施設から、箱詰めされパレットに積まれて供給される。普通、商品は、個々の箱から取り出して、手押し車やショッピングカートに手作業で載せて、陳列棚の適切なスペースに(これも手作業で)並べる。したがって、陳列棚の上の任意の特定の地点で必要とされる生産品を、カートや手押し車の中のごちゃ混ぜ状態の商品からさがし出さなければならない。
【0004】
肉などの傷みやすい生産品では、小売流通プロセスの実施にかかる時間が生産品の品質にとって重要である。肉が大気温度下にさらされる時間が長いほど、品質は低下し、品質保持期間が短くなる。
【0005】
箱からカートや手押し車の上に、そして、カートや手押し車からそのカート内の生産品の位置から測って1mまでの高さの小売商品陳列棚に、目的物を載せるのにはしばしば相当な量の人手による載置作業が必要とされる。積み上げる商品のこの人手による載置作業は、棚積みプロセスを通じて何度も発生する。たとえば、生産品は、たとえばトラック等の配達車両からパレット上に載置する必要があり、それから再度、パレットから陳列棚に載置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[目的]
生産品の流通ないし小売商品陳列棚積み上げの効率を高める生産品流通装置または方法を提供することが本発明の一目的である。
【0007】
あるいは、少なくとも既存の装置または方法の一つないし複数の欠点を克服する生産品流通装置または方法を提供することが本発明の一目的である。
【0008】
さらに別の側面として、少なくとも既存の生産品流通装置または方法に代わる有用な代替案を提供することが本発明の一目的である。
【0009】
さらなる目的は、以下の説明から明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[発明の要約]
したがって、本発明は、一側面において、複数の目的物の小売流通方法であって、
前記複数の目的物を一つまたは複数の小売商品陳列棚の上に載置する順序に関する情報を与えられ、
前記小売商品陳列棚の上に載置するために必要な順序で搬送装置から目的物を移すことができるように、前記目的物を少なくとも一つの搬送装置に載置する
ことを含む方法を提供する。
【0011】
好ましくは、前記した目的物を前記搬送装置の上に載置するステップは、異なる物理的位置にある複数の小売店に目的物を供給することができる貯蔵施設で行われ、前記搬送装置は、前記小売商品陳列棚の上に前記目的物を載置するために、小売店に輸送される。
【0012】
好ましくは、小売店から、または小売店に代わって、貯蔵または生産施設にある前記複数の目的物に対する注文を受けて、前記複数の目的物を供給し、前記複数の目的物を前記搬送装置の上または中に積み込む所定の順序に並べ替えるステップ。
【0013】
好ましくは、前記方法は、前記目的物を、前記小売商品陳列棚の上に載置する順序とは逆の順序に並べ替えることを含む。
【0014】
好ましくは、前記搬送装置は、前記目的物のうちの一つまたは複数を搬送するための第2の搬送棚の上に配置された前記目的物のうちの一つまたは複数を搬送するための第1の搬送棚を含み、前記方法は、前記第1の棚の上の目的物が前記第2の棚の上の目的物よりも先に前記小売商品陳列棚のうちの一つに載置されることになるように前記搬送棚の上に目的物を載置することを含む。
【0015】
好ましくは、前記搬送棚はともに上下可動式であり、前記方法は、前記第1の搬送棚から目的物を降ろしてから、前記第2の搬送棚からの目的物を降ろしやすくするために前記第1の搬送棚または前記第2の搬送棚を上昇させるステップを有する。
【0016】
好ましくは、前記搬送棚はともに上下可動式であり、前記方法は、前記第2の搬送棚の上に目的物を積んでから、前記第1の搬送棚の上に目的物を積みやすくするために前記第2の搬送棚または前記第1の搬送棚を下降させるステップを有する。
【0017】
好ましくは、前記搬送棚はともにコンテナ中に取り外し可能に配置可能な棚組立品として提供されており、前記方法は、搬送棚の上に目的物を積み込み、その積み込み済の棚を前記コンテナ中に配置することを含む。
【0018】
好ましくは、前記搬送棚はともにコンテナ中に取り外し可能に配置可能な棚組立品として備えられており、前記方法は、前記コンテナから搬送棚を取り外して、その搬送棚から目的物を降ろすことを含む。
【0019】
好ましくは、前記搬送装置はコンテナを有し、前記方法は、小売店に配達する前に前記コンテナを閉める、および/または、封をすることを含む。
【0020】
好ましくは、前記方法は、前記コンテナの内部の空気を変化させることを含む。
【0021】
さらなる側面として、本発明は、細長い支持部材を収容するよう構成された支持孔をそれぞれ有する複数のトレイ部材と、前記細長い支持部材と選択的に係合する支持部材係合手段とを含み、前記トレイを前記支持部材から係合解除させて、そのトレイを前記支持部材に沿って異なる位置に移動し、そのトレイを前記支持部材と再係合させることによって、各トレイの前記支持部材に対する位置が調節可能とされていることを特徴とする積載装置を提供する。
【0022】
好ましくは、前記支持部材係合手段は、前記トレイを半径方向平面内で前記支持部材に対して回転運動させることによって、前記トレイを前記支持部材と選択的に係合または係合解除可能となるように構成されている。
【0023】
好ましくは、前記支持部材は複数の間隔をおいて配置された凸部または凹部を有するトレイ係合手段を含み、トレイ上に設けられた前記支持部材係合手段は複数の間隔をおいて配置された凹部または凸部を有する。
【0024】
好ましくは、前記トレイを45°の角度まで回転させるだけで、前記トレイ部材を前記支持部材と係合または係合解除させることができる。
【0025】
また、本発明は、広く、何らかの新規の特徴や本明細書中に開示されている特徴の組み合わせから構成されるものでもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[図面の説明]
以下、本発明の少なくとも一つの好ましい実施態様を、添付図面を参照しながら説明する。
【0027】
[詳細な説明]
図1を参照すると、本発明の好ましい実施態様による棚またはトレイの組立品が全体として符号1を付して図示されている。使用中の組立品1は、小売生産品の商品群などいくつかの目的物を搬送するための棚手段を備える搬送装置を提供し、目的物を小売店内の小売商品陳列棚に輸送することを可能にするものである。
【0028】
前記組立品は一般に、細長く、ほぼ垂直で、かつ中央に向いた支持部材4が突設されたベーストレイ2を含む。支持部材4には、孔8を含むものも含まないものもあるトレイ部材6の形状をした複数の搬送棚が係合している。好ましい実施態様において、トレイ部材6は半剛体、ベーストレイはほぼ剛体である。
【0029】
次に、図2を参照すると、図1の装置が図示されているが、トレイ部材は6a、6bの2つしかなく、そのうちの上部トレイ部材6aは中央支持部材4と係合しない向きに配置されている。トレイが係合解除された向きにあるとき、たとえば図2の上部トレイ6aによって示されているような場合には、そのトレイは、支持部材4に沿って軸方向に移動可能であり、図3に示すように、支持部材から完全に分離可能である。
【0030】
各トレイと支持部材4との間の係合または係合解除の方法が様々に異なる方法で実現可能であることは、当業者であれば理解されるだろう。しかし、我々は、トレイを(図2および図3に示すように)支持部材に対して半径方向の面内において異なる角度の位置に配置して係合または係合解除を許可する機構が、実用的かつ効果的であることを見いだした。
【0031】
この係合を実現する方法は、図4および5により詳しく示してある。これらの図面を参照すると、支持部材4が挿通される各トレイの孔10は、それぞれ孔の中央に向かって突出し孔の中央から引っ込む凸部12および/または凹部14を備えるように形成されているのがわかる。
【0032】
また、図4および5からは、中央の支持部材4が複数の突起または歯16を含むものであることもわかる。最も好ましい実施態様において、前記歯16は4列設けられており、その歯16の列の間を延在する4本の長い溝18を画成するものとなっている。
【0033】
図4を参照すると、係合状態の向きにおいては、前記トレイ部材の孔まわりの前記凸部12は、前記支柱部材4の歯16の間の隙間に嵌入していることがわかる。したがって、この向きにおいては、前記トレイがその柱部材4に沿って軸方向に移動不能なので、前記柱部材4が前記トレイを支持していることになる。
【0034】
翻って図5を参照すると、前記トレイが係合解除された配置にある状態が示されており、ここでは、トレイ部材上の凸部12が歯16の列の間にある溝18の内側に突き出ていることがわかる。また、凸部12の間の凹部14は、歯16から離隔している。したがって、この向きでは、前記トレイは、前記支持部材4に対して軸方向に移動可能である。
【0035】
次に図6を参照すると、図1〜5を参照して図解し説明した装置を収容するよう構成されたコンテナが示されている。全体を符号20で参照しているこのコンテナは、実質的に流体を漏洩させないシール性を提供するためにそのコンテナに密封可能に取り付けることができる可動蓋22を備えているので、そのコンテナ内のトレイ部材6上に配置される生産品にとって望ましい環境が、そのコンテナ内に提供される。このことは、精肉商品等の傷みやすい生鮮食品を含む特定の生産品にとって有利である。前記コンテナには、ローラや車輪24のような何らかの形の搬送手段を含むものが好ましい。また、前記コンテナは、勝手にコンテナの中身をいじったらわかるようになっている不正開封防止機能を有するものであってもよい。これは、たとえば、蓋の周りに一つないし複数のシールを付ける等さまざまな形態をとり得る。
【0036】
その代わりに、あるいはそれに加えて、単に、許可されていない人や装置には前記蓋を外すのが難しいような設計としてもよい。
【0037】
使用中には、前記コンテナの棚は、図7に模式的に示すように、離間させた関係で配置することができる。したがって、トレイ6それぞれの間の間隔は、各トレイの上に一つないし複数の目的物30を載置できるように、選択しておけばよい。
【0038】
本発明の好ましい実施態様において、目的物は、棚積み、特に、小売店やスーパーマーケット等の小売環境における商品陳列棚の積み上げが容易になるように、トレイ上に配置され、その目的物および/またはトレイは、目的物が効率的にできるだけ未使用空間を残さないように重ね合わさるように、寸法が定められている。
【0039】
図7に、小売商品陳列棚32を模式的に示す。矢印34は、人(または機械)が使用中にこの棚32をどのような動線で積み上げることが想定されているかを表している。棚は、いくつかある棚の類型のうちどのようなものであってもよく、たとえば、精肉商品等の冷蔵または冷凍食品を陳列するための冷やしたテーブルまたはトレイを含み、陳列ケースの一部を構成するものや、また、床置き陳列エリアを含むものであってもよい。棚32の積み上げが容易にできるように、目的物30は、トレイ6の上に所定の順序で載置されている。したがって、装置の最上部のトレイに載置された目的物30は、矢印36に示すように、最初に棚32に載置される。同様に、そのすぐ下のトレイに載置された目的物は、棚32を補充ないし積み上げる望ましい順序における次に来る目的物である。このプロセスは、積み重ねたトレイ中の最下部のトレイの番になるまでこのようなやり方で継続し、最下部のトレイの目的物は、棚32に最後に載置されるものである。この装置が、複合的な順序でいくつかの異なる棚を積み上げるのが望ましい場合にそのために用いることができることは、当業者であれば理解するところであろう。たとえば、上下に積み上げた複数の棚を積み重ねる必要があってもよく、積み重ねは垂直方向に行うのでもよく、あるいは、垂直方向と水平方向の組み合わせによるものであってもよい。積み重ねプロセスは、小売店舗内の棚の設備や島を複数またいで行うものとしてもよい。複数の搬送棚組立品1を設け、組立品それぞれの中の生産品を、ひとつの組立品1が完全に降ろし終わってから、次の組立品における必要な生産品の処理手順を積み上げプロセス完了まで継続するように、配置してもよい。
【0040】
図8を参照すると、支持部材4およびトレイ6を含むコンテナの概略断面図が示されており、(好ましい実施態様では精肉パックを含む)目的物を含むトレイの典型的な配置を示してある。
【0041】
図9においても、コンテナおよびトレイ組立品の概略断面図が示されているが、この図中には、ガントリ40の形状をした昇降機構が示されている。このガントリは、前記コンテナと(たとえば、コンテナの縁に)係合する基部42を有するとともに、前記支持部材4の上側先端部に設けられた昇降アイ(図1参照)と係合するフック等のような係合機構(図示せず)を含むアーム44を有する。好ましい実施態様において、このアームは、上下方向に伸縮自在であり、伸び縮み動作することによって前記トレイ組立品を上昇または下降させることができる。この動作は、ポンプ装置を用いて手動で実現するものであってもよく、たとえばモータ駆動液圧ポンプや、気圧機構を用いて自動的に実現するものであってもよい。あるいは、前記アーム44は、上下方向の高さを固定しておく代わりに、前記昇降アイ5に係合するフックを有するシンプルなケーブルを保持し、そのケーブルを、ガントリ装置40かコンテナ20に設けられた手動またはモータ駆動のウインチによって、短縮伸長させるものであってもよい。
【0042】
図9に、各トレイ6に目的物30を載置する方法を図示する。図示されているように、トレイは、支持部材4の上端部に配置しておいてから、それらの一番下のトレイをその支持部材から係合解除し、下方移動させて、下側にあるトレイ上の目的物のすぐ上にくるような位置で再度係合されるようにしてもよい。そして、目的物を、今しがた下方移動させたトレイの上に載置してから、前記プロセスを繰り返すことができる。上述のように、目的物はトレイの上に所定の順序で移動させるので、前記トレイ組立品に積み込まれた最初の目的物が棚の上に積み上げられる最後にくる必要がある目的物となる。前記ガントリ組立品は、トレイを積み上げるプロセスの進行に伴って、その組立品がコンテナの中に向かって少しずつ下降するように、下降させてもよい。あるいは、トレイを実質的に前記コンテナの外で積み上げておいてから、そのコンテナの中に向かって下降させるようにしてもよい。上述のように、前記ガントリ組立品40は、手動または自動昇降機構(たとえば、手動または電動の、たとえばウインチ、あるいは液圧または気圧駆動装置)を含むものであってもよいが、これは、積み込み済のトレイ組立品1を前記コンテナ20の内部または外部へ昇降移動させるのに用いることができる。
【0043】
トレイから降ろす作業も、同様のやり方で実施可能である。一番上のトレイの上の生産品を小売商品陳列棚に降ろしてから、空になったトレイを、それ以外のトレイから離隔させるために、支持部材4から係合解除し、前記支持部材の上端部に移動して、その上端部で再度係合させてもよい。このプロセスは、最上部のトレイでの作業を可能とするために必要に応じて、引き続き、前記ガントリを用いて、前記コンテナ20から前記組立品を徐々に上昇させる。このプロセスが終了すると、空になったトレイは、前記支持部材4の上端部に配置されることになり、いつでも、貯蔵施設に持ち帰って、さらに生産品を積み込むことができるようになっている。
【0044】
トレイ6を支持部材4に対して移動可能なので、トレイに載った目的物に対して容易に積み降ろしのための作業ができる。その積み降ろしプロセスが、トレイ位置の調整ができないトレイ組立品を用いたとしても実施できることは、本発明に係る当業者であれば理解されるであろう。
【0045】
トレイに目的物を載せて積み上げてコンテナの中に下降させると、前記コンテナの蓋22を配置することができるので、必要に応じて、前記コンテナ内の雰囲気を変えるために、前記コンテナ内にガスを供給することができる。これは、肉などのような生産品の品質を保存するために望ましい場合がある。その後、コンテナは、たとえば、それ自体に設けられた車輪24で転がして、あるいは、パレットやフォークリフトやトラックのような、その装置を小売店等の所望の目的地に搬送する他の装置を利用して、輸送することができる。
【0046】
前記装置は、前記コンテナの中に積み込まれた目的物の予定目的地である小売環境に配置されると、蓋22が取り外されて、ガントリ装置を用いて、前記トレイ組立品を前記コンテナから上昇開始させる。ここでも、ガントリは、目的物を棚に積み上げるために組立品を少しずつ上昇させるために使用することもできるし、積み上げ開始前に組立品のほぼ全体を前記コンテナから移してしまうこともできる。目的物を各トレイから移すと、トレイを、(図9に示すような)前記支持部材4の上側先端部に、上方移動させて、前記積み込みプロセスのほぼ逆順に実行する。
【0047】
次に、図10を参照すると、全体の方法またはプロセスの流れが示されている。プロセスは、ステップ40において、いくつかの生産品に対する注文を小売店から受注することによって開始する。なお、この注文は、小売店の代わりに中央調整機関により発注されるものであってもよい。スーパーマーケットが精肉商品の注文を出すことが一例としてあげられる。
【0048】
ステップ42において、生産または貯蔵施設がその注文を受ける。この施設は、小売店の小売商品陳列棚のレイアウトに関する情報を有している。これは、すべての店舗に共通のレイアウトであってもよく、その場合、情報は一回要求されるだけで済む。あるいは、異なる店が異なるレイアウトを有する場合もあり、レイアウトが異なれば、異なる積み上げフローが必要となるが、この情報は、それぞれの新規発注とともに供給されるようにしておくことができる。必要な情報は、たとえば、将来の発注時に必要に応じて施設がアクセスすることができるデータベースとして提供されるものであってもよい。
【0049】
次に、前記施設は、貯蔵部から生産品を入手する。肉の切り身等の加工包装済みの生産品は貯蔵部内に供給される。小売注文が届くと、その生産品を、選択して仕分け機に送ることができる。
【0050】
この仕分け機は、前記生産品を反対の順番に(ステップ44)、あるいは、この書類の中で前述したようなトレイ組立品の中にその生産品を積み上げて梱包するときに、小売商品陳列棚を積み上げるのに必要な順番に開梱していくことができるような順番に、並べ替える。あるいは、前記生産品が、前記トレイ組立品上に梱包した後で店舗のレイアウトに沿って小売商品陳列棚に積み上げるのに望ましい順番で配達されるようなやり方で、前記生産品を、貯蔵庫の貯蔵場所から選択的に移すようにしてもよい。
【0051】
前記トレイを、コンテナの中へ(あるいはその地点の前まで)下降させると、その中身がわかるように、コンテナにラベル貼りがなされる。トレイ組立品の積み上げおよび梱包されたトレイ組立品1のコンテナ詰めは、機械により実行するものであってもよい。
【0052】
ステップ46では、コンテナを封止し、(収容する生産品によっては)ガスを供給して、所望の雰囲気を提供する。そして、ステップ48で、小売店に輸送されて、ステップ50で荷降ろしが行われる。荷下ろしは、機械で、たとえば、前記ガントリ40に前記トレイ組立品をコンテナから自動昇降させることにより行ってもよく、荷下ろしの際に、トレイを移動させるために適切な機構(それは、たとえば、ソレノイド駆動されるものであってもよい)を用いてもよい。でなければ、荷下ろしは、手作業で行われる。
【0053】
以上の説明において、本発明の具体的な構成要素や整数として言及した公知の均等物があるものについては、その均等物は、個別に記載したのと同然のものとして本明細書中に組み込むものとする。
【0054】
本発明について、例を挙げて、その可能な実施態様に言及しながら説明したが、添付の特許請求の範囲において定義した本発明の範囲を逸脱することなく、変更や改良がなされ得るものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】トレイ組立品の等角投影図である。
【図2】2つのトレイと、そのうちの上部トレイが装置の残部に対して係合解除させた位置に設けられていること、を示す図1の組立品の等角投影図である。
【図3】トレイが2つだけで、そのうちの上部トレイが装置から取り外されているようすを示す、前の図面の装置の等角投影図を示す。
【図4】係合させた位置にあるトレイ部材を示す、前の図面の装置の部分等角投影図を示す。
【図5】図4の装置において、トレイ部材が係合解除させた位置にあるようすを示す。
【図6】前の図面の装置で用いるコンテナの等角投影図を示す。
【図7】小売商品陳列棚の上に目的物を積載するプロセスを示す、トレイ部材がいくつかの目的物を搬送している前の図面による装置の模式図である。
【図8】前の図面の装置をコンテナとともに使用しているところを示す模式図である。
【図9】積み上げまたは積み降ろしの途中の状態における図8に示す装置の模式図である。
【図10】本発明によるプロセスのフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の目的物の小売流通方法であって、
前記複数の目的物を一つまたは複数の小売商品陳列棚の上に載置する順序に関する情報を与えられて、
前記小売商品陳列棚の上に載置するために必要な順序で搬送装置から目的物を移すことができるように、前記目的物を少なくとも一つの搬送装置に載置する
ことを特徴とする方法
【請求項2】
前記目的物を前記搬送装置の上に載置するステップは、異なる物理的位置にある複数の小売店に目的物を供給することができる貯蔵施設で行われ、前記搬送装置は、前記小売商品陳列棚の上に前記目的物を載置するために、小売店に輸送されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
小売店から、または小売店に代わって、貯蔵または生産施設にある前記複数の目的物に対する注文を受けて、前記複数の目的物を供給し、前記複数の目的物を前記搬送装置の上または中に積み込む所定の順序に並べ替えるステップを有する請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記目的物を、前記小売商品陳列棚の上に載置する順序とは逆の順序に並べ替えることを特徴とする前記請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記搬送装置は、前記目的物のうちの一つまたは複数を搬送するための第2の搬送棚の上に配置された前記目的物のうちの一つまたは複数を搬送するための第1の搬送棚を含み、前記方法は、前記第1の棚の上の目的物が前記第2の棚の上の目的物よりも先に前記小売商品陳列棚のうちの一つに載置されることになるように前記搬送棚の上に目的物を載置することを特徴とする前記請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記搬送棚はともに上下可動式であり、前記方法は、前記第1の搬送棚から目的物を降ろしてから、前記第2の搬送棚からの目的物を降ろしやすくするために前記第1の搬送棚または前記第2の搬送棚を上昇させるステップを有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記搬送棚はともに上下可動式であり、前記方法は、前記第2の搬送棚の上に目的物を積んでから、前記第1の搬送棚の上に目的物を積みやすくするために前記第2の搬送棚または前記第1の搬送棚を下降させるステップを有する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記搬送棚はともにコンテナ中に取り外し可能に配置可能な棚組立品として提供されており、前記方法は、搬送棚の上に目的物を積み込み、その積み込み済の棚を前記コンテナの中に配置することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記搬送棚はともにコンテナ中に取り外し可能に配置可能な棚組立品として備えられており、前記方法は、前記コンテナから搬送棚を取り外して、その搬送棚から目的物を降ろすことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記搬送装置はコンテナを有し、前記方法は、小売店に配達する前に前記コンテナを閉めること、および/または、封をすることを特徴とする前記請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記コンテナの内部の空気を変化させることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
実質的に、添付図面を参照して明細書中で説明した特徴を備える複数の目的物の小売流通方法。
【請求項13】
細長い支持部材を収容するよう構成された支持孔をそれぞれ有する複数のトレイ部材と、前記細長い支持部材と選択的に係合する支持部材係合手段とを含み、前記トレイを前記支持部材から係合解除させて、そのトレイを前記支持部材に沿って異なる位置に移動し、そのトレイを前記支持部材と再係合させることによって、各トレイの前記支持部材に対する位置が調節可能とされていることを特徴とする積載装置。
【請求項14】
前記支持部材係合手段は、前記トレイを半径方向平面内で前記支持部材に対して回転運動させることによって、前記トレイを前記支持部材と選択的に係合または係合解除可能となるように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記支持部材は複数の間隔をおいて配置された凸部または凹部を有するトレイ係合手段を含み、トレイ上に設けられた前記支持部材係合手段は複数の間隔をおいて配置された凹部または凸部を有することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記トレイを45°の角度まで回転させるだけで、前記トレイ部材を前記支持部材と係合または係合解除させることができることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記積載装置が取り外し可能に配置されるコンテナを備えることを特徴とする請求項13ないし16のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
実質的に、添付図面に示した実施態様のうちいずれか一つを参照して明細書中で説明した特徴を備える積載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−507461(P2008−507461A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522464(P2007−522464)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/NZ2005/000185
【国際公開番号】WO2006/009482
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(507123970)フードキャップ インターナショナル リミテッド (7)
【Fターム(参考)】