説明

生鮮食品又は/及び花の保存装置。

【課題】 生鮮食品又は/及び花の酸化を抑制し、色や風味、褐変や退色、栄養価の低下を防ぐ。
【解決手段】 生鮮食品又は/及び花を保存する保存庫1と、該保存庫1内に入れた生鮮食品又は/及び花に還元性ミストを散布するための還元性ミスト発生手段2とを備える。還元性ミスト発生手段2が、液体を取得する液体取得手段3と、液体を還元水にする還元水生成手段4と、還元水を霧化させる還元水霧化手段5を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生鮮食品又は/及び花の抗酸化を図って鮮度を保ちながら保存するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、生鮮食品の保存を行うに当たって、生鮮食品を保存している保存庫内でマイナスイオンとプラスイオを発生比率2:1となるように発生させることで、マイナスイオンによる抗酸化力と、プラスイオンによる殺菌力を兼ね備えた雰囲気を作り出すようにしたものが特許文献1により知られている。
【0003】
ところが、上記従来例のようなマイナスイオンによる抗酸化は、プラスイオンを中和することに伴う間接的な効果に過ぎず、抗酸化力が低いという問題がある。
【特許文献1】特開2004−192944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、生鮮食品又は/及び花に対して高い抗酸化、還元効果を得ることができる生鮮食品又は/及び花の保存装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る生鮮食品又は/及び花の保存装置は、生鮮食品又は/及び花を保存する保存庫1と、該保存庫1内に入れた生鮮食品又は/及び花に還元性ミストBを散布するための還元性ミスト発生手段2とを備え、該還元性ミスト発生手段2が、液体を取得する液体取得手段3と、液体を還元水にする還元水生成手段4と、還元水を霧化させる還元水霧化手段5を有していることを特徴とするものである。
【0006】
このような構成とすることで、液体取得手段3で液体を取得し、取得した液体を還元性生成手段4で還元水にし、該還元水を還元水霧化手段5で霧化して還元性ミストを生成し、このようにして生成した還元性ミストを、保存庫1内に入れた生鮮食品又は/及び花に散布するものであり、このように、還元水を直接霧化して還元性ミストを生成するので、従来のようなマイナスイオンによる抗酸化に比べ、高い抗酸化力を発揮し、生鮮食品又は/及び花に対して高い抗酸化、還元効果を得ることができる。
【0007】
また、液体取得手段3が熱交換器6に通電することで熱交換器6の冷却部6a側による冷却で空気中の水分を結露させて液体を取得するものであることが好ましい。
【0008】
このような構成とすることで、熱交換器6の冷却部6a側による冷却により空気中の水分を結露させて簡単に液体を取得することができ、人による液体の補給の手間が必要でない。
【0009】
また、液体取得手段3がペルチェ素子7の冷却部7a側による冷却で空気中の水分を結露させて液体を取得するものである
このような構成とすることで、ペルチェ素子7の冷却部7a側による冷却で空気中の水分を結露させて簡単に液体を取得することができ、人による液体の補給の手間が必要でない。
【0010】
また、液体取得手段3が除湿に用いる吸着材8により構成され、除湿した吸着材8をヒータ9で温め、吸着材8から蒸発した水分を集めることで液体を取得するものであることが好ましい。
【0011】
このような構成とすることで、空気中の水分を吸着した吸着材8をヒータ9で加熱することで、吸着材8の吸着能力の再生と同時に液体の取得ができて人による液体の補給の手間が必要でない。
【0012】
また、還元水生成手段4が、酸性水溶液を生成する酸性水溶液生成手段10と、生成された酸性水溶液と反応させ還元成分を発生させるための還元成分発生手段11とを備え、発生した還元成分を液体に溶かし込んで還元水を生成するものであることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、酸化力を持った酸性水溶液を生成すると共に、還元力を持った還元水を生成することができる。
【0014】
また、還元水生成手段4が、液体を電気分解するための陰極12及び陽極13からなる電気分解手段14を有し、電気分解により還元水として水素水を生成するものであることが好ましい。
【0015】
このような構成とすることで、取得した液体を電気分解という簡単な方法で水素水を生成でき、人が還元水の基となる試料の補給をする手間が不要となる。
【0016】
また、還元水霧化手段5が、液体に超音波を放射して液体を霧化する超音波霧化手段15であることが好ましい。
【0017】
このような構成とすることで、超音波霧化によりミクロンサイズの粒子の還元性ミストを生成できる。
【0018】
また、還元水霧化手段5が、液体を加圧する液体加圧手段16を有し、液体に圧力を加えて小孔17より噴出することで液体を霧化するものであることが好ましい。
【0019】
このような構成とすることで、大量の還元性ミストを生成できる。
【0020】
また、還元水霧化手段5が、表面弾性波を発生させる表面弾性波発生手段18を有し、表面弾性波が伝播する振動面に液体を供給することで液体を霧化するものであることが好ましい。
【0021】
このような構成とすることで、表面弾性波により大量の還元性ミストを生成できる。
【0022】
また、還元水霧化手段5が、放電電極19と、高電圧印加手段20を有し、液体に高電圧を印加することで静電霧化することが好ましい。
【0023】
このような構成とすることで、ナノメータサイズの還元性ミストを大量に生成できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上記のように保存庫内に入れた生鮮食品又は/及び花に、還元水を直接霧化させることで生成した還元性ミストを散布する構成のものであるから、保存庫内に入れた生鮮食品又は/及び花に対して高い抗酸化、還元効果を得ることができ、生鮮食品又は/及び花の酸化劣化を防ぎ、色や風味、褐変や退色、栄養価の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0026】
生鮮食品又は/及び花を保存する保存庫1には、該保存庫1内に入れた生鮮食品又は/及び花に還元性ミストBを散布するための還元性ミスト発生手段2とを備えている。
【0027】
図1においては生鮮食品又は/及び花を保存する保存庫1としてショーケース1a(実施形態ではオープンショーケース)の例が示してある。ショーケース1aには保存用空所21が設けてあり、該保存用空所21には陳列棚22が設けてある。また、ショーケース1aには一端部が保存用空所21に開口した吸込口23となり且つ他端部が保存用空所21に開口した吹出口24となった通風路25が設けてあり、該通風路25の途中にファン26、冷却器27、還元性ミスト発生手段2が設けてある。吹出口24は保存用空所21の上部及び各陳列棚22に設けてある。
【0028】
そして、吸込口23から吸い込んだ空気を冷却器27で冷やし、冷風として吹出口24から保存用空所21内に吹き出し、保存用空所21内に収納している生鮮食品又は/及び花を冷やすようになっている。この場合、本発明においては、図2に示すような還元性ミスト発生手段2により還元性ミストBを発生させ、上記冷風に乗せて吹出口24から保存用空所21内に放出して生鮮食品又は/及び花に散布するようになっている。
【0029】
また、図4には生鮮食品又は/及び花を保存する保存庫1として冷蔵トラック1bの例が示してあり、また図5には食品保管庫1cの例が示してある。冷蔵トラック1bや食品保管庫1cには保存用空所21と、一端部が保存用空所21に開口した吸込口23となり且つ他端部が保存用空所21に開口した吹出口24となった通風路25が設けてあり、該通風路25の途中にファン26、冷却器27、還元性ミスト発生手段2が設けてあり、前述の実施形態と同様に、冷風に乗せて吹出口24から保存用空所21内に放出して生鮮食品又は/及び花に散布するようになっている。
【0030】
もちろん保存庫1としては上記例にのみ限定されるものではなく、船舶、航空機、貨物列車等の保存庫1であってもよい。
【0031】
還元性ミスト発生手段2は、液体を取得する液体取得手段3と、液体を還元水にする還元水生成手段4と、還元水を霧化させる還元水霧化手段5を有している。
【0032】
図3には上記図1、図2、図4、図5に示す還元性ミスト発生手段2の概略構成図が示してある。
【0033】
図3の実施形態では液体取得手段3がペルチェ素子7により構成した例が示してある。ペルチェ素子7には冷却部7aと放熱部7bとが設けてあり、ペルチェ素子7に通電することで、冷却部7a側が冷却され、冷却部7a側が冷却されることで、空気中の水分を結露させて液体W1が取得される。取得された液体W1は毛細管現象や重力を利用した搬送手段28により基板29に設けた液溜め部30に送られる。液溜め部30に溜まった液体W1は陰極12及び陽極13からなる電気分解手段14により電気分解され、水素水W2を生成する。図中18は表面弾性波発生手段18で、この表面弾性波発生手段18の振動子18aにより発生させる表面弾性波が伝播する振動面に上記水素水W2が供給され、表面弾性波によって霧化されて還元性ミストBを発生する。
【0034】
上記のようにして発生した還元性ミストBは前述のように吹出口24から保存用空所21内に放出されて生鮮食品又は/及び花に散布されるのであるが、還元性ミストBは抗酸化・還元効果があるので、生鮮食品又は/及び花の酸化劣化を防ぎ、色や風味、褐変や退色、栄養価の低下を防ぐことができる。また、水分の補給もできるので、鮮度を保つことができる。
【0035】
図6にはペルチェ素子7の冷却部7a側を冷却することで、空気中の水分を結露させて取得した結露水(液体W)を液溜めタンク70に溜める例が示してある。液溜めタンク70に溜めた液体Wはポンプ又は毛細管現象等を利用して還元水生成手段4に送られて還元水を生成され、生成された還元水は還元水霧化手段5に送られて霧化されることで還元性ミストBが生成される。
【0036】
図7には液体取得手段3の他の実施形態が示してある。図7においては、液体取得手段3は熱交換器6と、熱交換器6の冷却部6aに設けた結露水生成部31と、結露水生成部31で生成した結露水をためるタンク32とを備えている。
【0037】
図7においては、冷凍サイクル33の冷媒を循環させる冷媒回路中に、冷媒ガスを高温高圧に圧縮する圧縮器34と、高温高圧になった冷媒ガスを冷却して(放熱させて)冷媒液とする熱交換器からなる凝縮器35と、冷媒液を乾燥させるドライヤ36と、冷媒液を減圧して気化しやすくする膨張弁37と、減圧された冷媒液を気化させて冷媒ガスに戻す熱交換器からなる蒸発器38とを順番に備え、冷媒を循環させながら圧縮器34及び凝縮器35で放熱を行って放熱側となり、膨張弁37及び蒸発器38で吸熱を行って冷却側となるものである。
【0038】
ここで、本実施形態では冷却側である蒸発器38が熱交換器6の冷却部6aとなっている。該冷却部6aには金属のような熱伝導性の良い柱状をした熱伝導部材39を介して結露水生成部31が接続又は当接してある。熱伝導部材39は結露水生成部31と一体に形成してもよく、また、別体であってもよいが、冷却部6aと熱伝導部材39と結露水生成部31とで熱を高効率でやりとりできるように構成してある。
【0039】
冷却部6a及び熱伝導部材39によりなる冷却手段により結露水生成部31が冷却されると、結露水生成部31の周囲の空気が冷やされ、該空気中の水分を元に結露水として生成され、このようにして生成された結露水(液体W)は結露水生成部31を伝わってタンク32に流れ込んで溜められる。タンク32に溜められた液体は搬送手段28により還元水生成手段4に送られ、還元水生成手段4で生成された還元水が還元水霧化手段5により霧化されて還元性ミストBを生成するようになっている。
【0040】
図8には液体取得手段3の更に他の実施形態が示してある。本実施形態では、液体取得手段3が液体取得手段3が除湿に用いるゼオライトのような吸着材8により構成され、除湿した吸着材8をヒータ9で温め、吸着材8から蒸発した水分を集めることで液体を取得するようになっている。
【0041】
図8において、ハウジング40内の下部に液溜め部41が設けてあり、液溜め部41はポリプロピレン製等の硬質素材からなり、この液溜め部41の上開口42を吸着体43で閉塞し、吸着体43の表面をハウジング40内に臨ませてある。吸着体43はゼオライトのような吸着材8と、裏面側に配設する網等の通水性を有する硬質の裏板44と、表面側に配設する透湿性且つ非透水性のフィルム45とで構成してあり、液溜め部41の上開口42に設けた受け部46に裏板44を支持させ、裏板44上に吸着材8を充填し、上開口42の上端を上記透湿性且つ非透水性のフィルム45でシールしてある。
【0042】
また、吸着体43内にはヒータ9を設けてある。
【0043】
液溜め部41の上開口42に設けた吸着体43には搬送手段28を構成する液搬送部が嵌挿してあり、該液搬送部の下端部が液溜め部41内の下部に位置しており、液搬送部の上端部がハウジング40の上部内に位置している。液搬送部は棒状をしていて液溜め部41に溜まった液体を先端(上端)に毛細管現象で搬送するための細い孔を形成したもの又は多孔質の材料で形成してある。
【0044】
このような構成の液体取得手段3において、空気中の水分が図 の破線矢印に示すように、透湿性且つ非透水性のフィルム45を介して吸着材8に吸着(吸水)される。吸着材8に一定程度水が吸着されると、脱離手段を構成するヒータ9に通電して吸着材8に吸着されている水を放出して離脱させる。吸着材8から離脱した水は通水性の裏板44から液溜め部41に流れて溜まる。ヒータ9に一定時間通電すると再び通電を停止する。このようにして吸着材11から水を脱離させることで吸着材11の吸着能が再生される。
【0045】
液溜め部41に溜まった水(液体W)は毛細管現象を利用して搬送手段28を構成する液体搬送部により還元水生成手段4に送られ、還元水生成手段4で生成された還元水が還元水霧化手段5により霧化されて還元性ミストBを生成するようになっている。
【0046】
図1乃至図5に示す実施形態においては、還元水生成手段4を電気分解手段14で構成して還元水としての水素水を生成する例を示したが、還元水生成手段4この実施形態のみに限定されるものではない。
【0047】
図9には還元水生成手段4が、酸性水溶液を生成するマイクロプラズマデバイスのような酸性水溶液生成手段10と、生成された酸性水溶液と反応させ還元成分を発生させるための還元成分発生手段11と、発生した還元成分を液体に溶かし込む還元水生成部59とを備えた例が示してある。
【0048】
図中10aは酸性水溶液生成手段10を構成するマイクロプラズマデバイスであり、このマイクロプラズマデバイス10aは、送風手段50により空気が導入される微小な貫通孔51を有する絶縁スペーサ52と、絶縁スペーサ52の上流側に密着配置される上流側電極53と、絶縁スペーサ52の下流側に密着配置される下流側電極54とからなる。絶縁スペーサ52はセラミックス等の不導体からなる板状のもので、この絶縁スペーサ52を金属等の導体からなる上流側電極53と下流側電極54で挟持した構造となっている。
【0049】
上記下流側電極54は液体が溜まっているタンク55の底部又は壁部の一部を構成している。
【0050】
上流側電極53と下流側電極54は高電圧印加手段56を介して電気接続してあり、下流側電極54は高電圧印加手段56間に、マイクロプラズマ放電用の高電圧を印加するようになっている。
【0051】
貫通孔51の孔径は数十μm〜数mm程度の大きさで設ければよいが、数100μm程度に設けるのが好ましい。
【0052】
マイクロプラズマ放電用の高電圧を印加してマイクロプラズマデバイス10aを稼動させれば、タンク55内の水が酸性水溶液Mとなる。
【0053】
タンク55内には生成された酸性水溶液Mと反応させ還元成分を発生させるための還元成分発生手段11である金属が配置してある。該金属は発生させる還元成分Nよりもイオン化傾向の大きい金属を使用する。したがって、酸性水溶液Mが金属と搬送して還元成分Nが発生し、発生した還元成分Nはポンプ57の駆動により、還元成分供給管58を通り、液体取得手段3で取得した水(液体)が溜まっている還元水生成部59に送られ、還元水生成部59で液体に還元成分が溶かし込まれて還元水Lが生成される。
【0054】
このようにして生成された還元水Lは前述の各実施形態と同様に還元水霧化手段5に送られ、還元水霧化手段5により霧化されて還元性ミストBを生成するようになっている。
【0055】
なお、本実施形態において、タンク55に溜める液体として、液体取得手段3で取得した水(液体)を供給するようにしてもよい。
【0056】
前述の図1乃至図5に示す実施形態においては、還元水霧化手段5が、表面弾性波を発生させる表面弾性波発生手段18を有し、表面弾性波が伝播する振動面に液体を供給することで液体を霧化するものの例を示したが、これにのみ限定されるものではない。
【0057】
図10には還元水霧化手段5の他の実施形態が示してある。本実施形態においては、超音波霧化手段15に設けた超音波発生素子15aにより液体に超音波を放射して液体を霧化するようにした例である。
【0058】
超音波発生素子15aは図10(b)に示すように、シリコン基板からなる基板60と、基板60の厚み方向の一表面側に形成された基板60に比べて熱伝導率が十分に小さな多孔質シリコン層からなる断熱層61と、断熱層61の上記基板60と反対側の面に形成された断熱層61よりも熱伝導率及び導電率がそれぞれ大きい金属薄膜(例えば、金属膜)などからなる発熱体62とを備え、発熱体62への交流電流の通電に伴う発熱体62と媒体との熱交換により超音波が発生する。
【0059】
この実施形態では、液体取得手段3により取得した液体を還元水生成手段4により還元水として生成し、還元水生成手段4から還元水霧化手段5に供給された還元水は超音波発生素子15aから超音波を放射させることで還元水の液面から霧化して還元性ミストBを発生させる。
【0060】
図11には還元水霧化手段5の更に他の実施形態が示してある。本実施形態においては還元水霧化手段5が、液体を加圧する液体加圧手段16を有し、液体に圧力を加えて小孔17より噴出することで液体を霧化する実施形態が示してある。
【0061】
この実施形態においては、液体取得手段3により取得した液体を還元水生成手段4により還元水として生成し、還元水生成手段4から還元水霧化手段5に供給された還元水が、液体加圧手段16により圧力を加えられて小孔17から噴出することで霧化されて還元性ミストBとなる。
【0062】
また、図12には還元水霧化手段5の更に他の実施形態が示してある。本実施形態においては還元水霧化手段5が、放電電極19と、高電圧印加手段20を有し、液体に高電圧を印加することで静電霧化するようになっている。また、図12では放電電極19に対向する対向電極69を設けてある。
【0063】
この実施形態においては、液体取得手段3により取得した液体を還元水生成手段4により還元水として生成し、還元水生成手段4から還元水が還元水霧化手段5の放電電極19の先端に供給され、放電電極19の先端に供給された還元水に高電圧印加手段20により高電圧を印加することで、ラジカルを含むナノメータサイズの還元性ミストBが生成される。なお、図12の実施形態では放電電極19に対向するように対向電極69を設けて放電電極19と対向電極69との間に高電圧を印加するようにしているが、対向電極69を設けない場合であってもよい。
【0064】
本実施形態で生成されたラジカルを含むナノメータサイズの還元性ミストBはナノメータサイズときわめて小さいので生鮮食品や花の組成内部まで浸透し、よりいっそう抗酸化、還元効果が期待できる。
【0065】
また、図1、図4、図5に示す実施形態では、保存庫1に設けた通風路25に還元性ミスト発生手段2を設けた例を示してが、図13のような空気清浄器、あるいは図示を省略しているが空調機に還元性ミスト発生手段2を設け、還元性ミスト発生手段2を備えた空気清浄器、あるいは空調機を保存庫1に設置するようにしてもよい。図13において65は吸入口、66はフィルタ、67はファン、68を吹き出し口であり、吸入口65から吸入された空気がフィルタ66で浄化され、吹き出し口68から外部に放出される際、還元性ミスト発生手段2で発生した還元性ミストBが吹き出し口68から吹き出される清浄な空気流に乗って放出されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図である。
【図2】同上の還元性ミスト発生手段の一実施形態を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図3】同上の還元性ミスト発生手段の概略構成図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態の概略構成図である。
【図5】本発明の他の実施形態の概略構成図である。
【図6】同上の還元性ミスト発生手段の他の実施形態の概略構成図である。
【図7】同上の液体取得手段の他の実施形態の概略構成図である。
【図8】同上の液体取得手段の更に他の実施形態の概略構成図である。
【図9】同上の還元水生成手段の他の実施形態の概略構成図である。
【図10】(a)は同上の還元水霧化手段の他の実施形態の概略構成図であり、(b)は超音波発生素子を示す断面図である。
【図11】同上の還元水霧化手段の更に他の実施形態の概略構成図である。
【図12】同上の還元水霧化手段の更に他の実施形態の概略構成図である。
【図13】同上の還元性ミスト発生手段を組み込んだ空気清浄器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 保存庫
2 還元性ミスト発生手段
3 液体取得手段
4 還元水生成手段
5 還元水霧化手段
6 熱交換器
6a 冷却部
7 ペルチェ素子
7a 冷却部
8 吸着材
9 ヒータ
10 酸性水溶液生成手段
11 還元成分発生手段
12 陰極
13 陽極
14 電気分解手段
15 超音波霧化手段
16 液体加圧手段
17 小孔
18 表面弾性波発生手段
19 放電電極
20 高電圧印加手段






【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮食品又は/及び花を保存する保存庫と、該保存庫内に入れた生鮮食品又は/及び花に還元性ミストを散布する還元性ミスト発生手段とを備え、該還元性ミスト発生手段が、液体を取得する液体取得手段と、液体を還元水にする還元水生成手段と、還元水を霧化させる還元水霧化手段を有していることを特徴とする生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項2】
液体取得手段が熱交換器の冷却部側による冷却で空気中の水分を結露させて液体を取得するものであることを特徴とする請求項1記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項3】
液体取得手段がペルチェ素子の冷却部側による冷却で空気中の水分を結露させて液体を取得するものであることを特徴とする請求項1記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項4】
液体取得手段が除湿に用いる吸着材により構成され、除湿した吸着材をヒータで温め、吸着材から蒸発した水分を集めることで液体を取得するものであることを特徴とする請求項1記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項5】
還元水生成手段が、酸性水溶液を生成する酸性水溶液生成手段と、生成された酸性水溶液と反応させ還元成分を発生させるための還元成分発生手段とを備え、発生した還元成分を液体に溶かし込んで還元水を生成するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項6】
還元水生成手段が、液体を電気分解するための陰極及び陽極からなる電気分解手段を有し、電気分解により還元水として水素水を生成するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項7】
還元水霧化手段が、液体に超音波を放射して液体を霧化する超音波霧化手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項8】
還元水霧化手段が、液体を加圧する液体加圧手段を有し、液体に圧力を加えて小孔より噴出することで液体を霧化するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項9】
還元水霧化手段が、表面弾性波を発生させる表面弾性波発生手段を有し、表面弾性波が伝播する振動面に液体を供給することで液体を霧化するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。
【請求項10】
還元水霧化手段が、放電電極と、高電圧印加手段を有し、液体に高電圧を印加することで静電霧化することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の生鮮食品又は/及び花の保存装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−75094(P2010−75094A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246951(P2008−246951)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】