説明

産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及び焼結アルミ板

【課題】産業廃棄物であるアルミ缶を有効に再利用し、アルミニウムのみから成る焼結アルミ板を製造する産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及びその製造方法により製造される焼結アルミ板を提供する。
【解決手段】小塊1の周囲を繊維状アルミニウム2で埋め、小塊1及び繊維状アルミニウム2の上下を押圧装置により押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で炉内で焼結し、全体を融着し、冷却して焼結アルミ板を生成する。繊維状アルミニウム2は小塊1との間の空隙4を充填し、焼結されることにより小塊1は骨材部を形成し、全体が一体に融着される。焼結アルミ板は、上記製造方法により製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及びその製造方法により製造される焼結アルミ板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2004−323936号公報(特許文献1)で、産業廃棄物であるアルミ缶を有効に再利用し、アルミニウムのみから成る焼結アルミ板を製造する産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及びその製造方法により製造される焼結アルミ板が本出願人により提案されている。
【特許文献1】特開2004−323936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、産業廃棄物であるアルミ缶を有効に再利用し、アルミニウムのみから成る焼結アルミ板を製造する産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及びその製造方法により製造される焼結アルミ板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上目的を達成するために、本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法は、産業廃棄物であるアルミ缶を破砕し、圧縮して小塊に形成し、
前記小塊の周囲を繊維状アルミニウムで埋め、
前記小塊及び前記繊維状アルミニウムの上下を押圧装置により押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成することを特徴とする。
さらに、本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法は、前記繊維状アルミニウムは前記小塊との間の空隙を充填し、焼結されることにより前記小塊は骨材部を形成し、全体が一体に融着される。
さらに、本発明の焼結アルミ板は、前記産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法により製造されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法によれば、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を破砕し、圧縮して図1に示される小塊1に形成する。
次に、小塊1の周囲を繊維状アルミニウム2で埋め、小塊1及び繊維状アルミニウム2の上下を図示されない押圧装置により押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成する。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
さらに、全体がアルミニウムのみから構成されるため、建築用断熱材等として用いられた後に、再度、産業廃棄物として廃棄される場合にも、金属の種類毎の分別処理が不要となり、一括して再度溶融処理することが出来る。
さらに、本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法によれば、繊維状アルミニウム2は小塊1との間の空隙4を充填し、焼結されることにより小塊1は骨材部を形成し、全体が一体に融着される。
このため、強固な焼結アルミ板が形成され、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる。
さらに、本発明の焼結アルミ板によれば、請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法により製造される。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を、その実施例に基づいて、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法の一実施の形態は、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を破砕し、圧縮して図1に示される小塊1に形成する。 この小塊1は、直径1cm程度に形成することが好適である。
次に、小塊1の周囲を繊維状アルミニウム2で埋め、小塊1及び繊維状アルミニウム2の上下を図示されない押圧装置により押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で炉内で焼結し、全体を融着し、さらに、冷却して焼結アルミ板を生成する。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
さらに、全体がアルミニウムのみから構成されるため、建築用断熱材等として用いられた後に、再度、産業廃棄物として廃棄される場合にも、金属の種類毎の分別処理が不要となり、一括して再度溶融処理することが出来る。
【0008】
さらに、繊維状アルミニウム2は小塊1との間の空隙4を充填し、焼結されることにより小塊1は骨材部を形成し、全体が一体に融着される。
このため、強固な焼結アルミ板が形成され、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる。
次に、本発明の焼結アルミ板は、上記製造方法により製造される。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
また、アルミ缶または繊維状アルミニウムの表面処理を行うことにより、焼結アルミ板は軽量で耐火性を有する軽量耐火断熱建築壁材を形成する。
さらに、焼結アルミ板の空隙を利用して騒音を通過させ、この騒音を吸収することができる。
また、焼結アルミ板を建物あるいは隔壁の構成材料として用いた場合に、焼結アルミ板の空隙率が大きいため保水性が大きく通気性が良好となる。このため、この焼結アルミ板に含まれる水分は良く蒸発し、気化熱を周囲から大量に奪い温度を下げる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の焼結アルミ板の一実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
【0010】
1 小塊 2 繊維状アルミニウム 4 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業廃棄物であるアルミ缶を破砕し、圧縮して小塊に形成し、
前記小塊の周囲を繊維状アルミニウムで埋め、
前記小塊及び前記繊維状アルミニウムの上下を押圧装置により押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成することを特徴とする産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法。
【請求項2】
前記繊維状アルミニウムは前記小塊との間の空隙を充填し、焼結されることにより前記小塊は骨材部を形成し、全体が一体に融着される請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法により製造されることを特徴とする焼結アルミ板。


【図1】
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【公開番号】特開2007−56285(P2007−56285A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240365(P2005−240365)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000130466)株式会社サーマル (5)
【Fターム(参考)】