用時混合容器
【課題】 用時混合作業時に液が2つの容器間を円滑に流通する用時混合容器を提供する。
【解決手段】 接続部材52を、ボトル口部22を密封する位置から軸方向内方に向けて移動可能にボトル口部に装着する。該接続部材52は、接続口部52aと、接続筒部52bと、プラグ52cとを備え、接続筒部52bには径方向外方に開口する第1及び第2の開口部56a,56bを設け、該第1及び第2の開口部56a,56bは周方向に配設されており、接続部材を軸方向内方に押し込んだとき第1及び第2開口部56a,56bがボトルの内部空間に開口することによって接続筒部56の内部空間を介してボトルとバイアル瓶との内部空間が連通され、さらに、第1の開口部56aの軸方向内方の端部と、第2の開口部56bの軸方向内方の端部とが、軸方向にずれた位置にある。
【解決手段】 接続部材52を、ボトル口部22を密封する位置から軸方向内方に向けて移動可能にボトル口部に装着する。該接続部材52は、接続口部52aと、接続筒部52bと、プラグ52cとを備え、接続筒部52bには径方向外方に開口する第1及び第2の開口部56a,56bを設け、該第1及び第2の開口部56a,56bは周方向に配設されており、接続部材を軸方向内方に押し込んだとき第1及び第2開口部56a,56bがボトルの内部空間に開口することによって接続筒部56の内部空間を介してボトルとバイアル瓶との内部空間が連通され、さらに、第1の開口部56aの軸方向内方の端部と、第2の開口部56bの軸方向内方の端部とが、軸方向にずれた位置にある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥された固形薬剤と溶媒乃至分散媒とを分離して収容可能であり、用時に両者を混合して使用するための用時混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種従来の用時混合容器として、本願出願人らは、従来より特開2004−18019号公報に開示したものを開発している。固形製剤と液剤とを別容器にそれぞれ収容しつつ、用時混合のために各容器の接続がなされるまでは特に液剤用容器の口の密封状態を維持できるようにすることで、薬液等を零すことなく用時混合作業を確実に行うことができるものである。
【特許文献1】特開2004−18019号公報
【0003】
この従来の用時混合容器は、バイアル瓶と、このバイアル瓶の内部空間を外気から密封するようにバイアル瓶の口部に離脱可能に装着される栓体と、プラスチックボトルと、該ボトルの口部に装着されるキャップとを備える。キャップは、ボトルの口部に液密状に装着される案内部材と、バイアル瓶の口部に液密状に接続可能な接続口部を有するとともに案内部材に液密状に嵌合する接続部材とを備える。この接続部材は、第1及び接続部材によりボトルの内部空間を外気から密封する第1位置から、該第1位置よりもボトルの軸方向内方に位置する第2位置に向けて案内部材に対して相対的に移動可能である。また、接続部材が第2位置にあるとき、接続部材の接続口部に接続されたバイアル瓶の内部空間とボトルの内部空間とを連通させる連通路が前記キャップ内に形成されるように構成されている。
【0004】
上記用時混合容器によれば、流通時や保管時には、バイアル瓶内に例えば凍結乾燥製剤などの固体成分を無菌状態で収容しておき、ボトルには固体成分の溶媒乃至分散媒となる液体成分を無菌状態で収容しておくことができる。そして、これら固体成分と液体成分とを患者自身或いは付添人などが用時に混合するには、まず、バイアル瓶の口部から栓体を取り外し、この上向きに開口された口部に、上下反転させたボトルの接続部材の接続口部を接続する。このとき、接続部材はまだ第1位置にあり、ボトルの口部は密封された状態を維持しているので、ボトル内の液体成分が零れることはない。次に、接続口部をバイアル瓶の口部に接続したボトルをバイアル瓶側に向けて押し込むと、バイアル瓶に押されることにより接続部材が第1位置から第2位置へと移動してキャップ内に上記連通路が形成され、この連通路を通ってボトル内の液体成分を零すことなくバイアル瓶内に移し替えることができる。そして、十分に混合(溶解乃至分散)を行った後、バイアル瓶とボトルとを接続したままボトルを成立させると、上下反転されたバイアル瓶内から混合液剤が連通路を通ってすべてボトル内に移し替えられる。そしてボトルの口部からバイアル瓶並びにキャップを取り外し、このボトルの口部に点眼ノズルやポンプスプレー装置などの吐出装置を装着することにより、ボトルを混合液剤の吐出容器として使用することが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、上記構成の用時混合容器において、液剤をバイアル瓶とボトルとに相互に移し替える際の連通路内の液剤の流れを一層円滑にし、混合操作並びに薬液をボトルに充填する作業を迅速且つ確実に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の口部を有する第1容器と、第2の口部を有する第2容器と、第1の口部と第2の口部とを接続するための接続部材とを備え、該接続部材は、第2の口部を密封する第1位置から、該第1位置よりも第2の口部の軸方向内方に位置する第2位置に向けて第2の口部に対して相対的に移動可能に第2の口部に装着されており、該接続部材は、第1の口部に着脱自在に装着される筒状の接続口部と、該接続口部の前記軸方向内方に連設された接続筒部と、該接続筒部の前記軸方向内方に連設されたプラグとを備え、接続筒部には径方向外方に開口する第1及び第2の開口部が設けられ、該第1及び第2の開口部は周方向に配設されており、接続部材が第1位置にあるときプラグによって第2の口部が密封され、接続部材が第2位置にあるとき第1及び第2開口部が第2容器の内部空間に開口することによって接続筒部の内部空間を介して第1容器の内部空間と第2容器の内部空間とが連通される用時混合容器において、第1の開口部の前記軸方向内方の端部と、第2の開口部の前記軸方向内方の端部とが、軸方向にずれた位置にあることを特徴とするものである。
【0007】
かかる本発明によれば、第1の容器と第2の容器との間を流動する液流のバランスを崩すことにより、表面張力が原因で液の流れが停滞することを防止できる。
【0008】
上記本発明の用時混合容器において、接続筒部の内部空間を第1の開口部に連通する第1連通路と第2の開口部に連通する第2連通路とに仕切る板が接続筒部内に設けられていてよい。これによれば、第1及び第2の開口部から流入する液流が干渉しあうことを防止でき、一層の液流の円滑化を図ることができる。この板は、接続筒部の軸方向全長にわたって設けることが好ましいが、接続筒部の軸方向一部にのみ設けることも可能である。また、前記板は、接続筒部の軸方向外端に設けた接続口部の端面よりも先端側に突出していてよい。
【0009】
また、前記プラグの前記軸方向の外側面が、前記第1及び第2開口部の前記軸方向内方の端部を構成しているのが好ましい。この場合、前記プラグの外側面は、テーパ面とするのがよい。これによれば、テーパ面に沿って液流が一層円滑に流れるようになる。さらに、第1の開口部側の前記プラグ外側面のテーパー角と、第2の開口部側の前記プラグ外側面のテーパ角とを異ならせることにより、液のバランスを第1の開口部側と第2の開口部側とで一層崩すことができ、表面張力を起因とする液流の停滞を一層防止できる。
【0010】
好ましくは、第2の口部に着脱自在に装着される案内部材をさらに備えることができる。該案内部材は、第2の口部内に嵌着されるシリンダを備えることができ、接続部材が第1位置にあるときプラグがシリンダ内に液密状に嵌着することで第2の口部を密封し、接続部材が第2位置にあるときプラグがシリンダから軸方向内方に離脱することによって第1及び第2開口部を第2容器の内部空間に開口せしめるように構成するのが良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用時において第1容器と第2容器とを接続して固体成分と液体成分とを混合する際に、液体成分を零すことがなく、定められた混合比率で確実に混合液剤を生成することが可能であるとともに、衛生的に取り扱うことが可能となる。また、混合作業を行った後、混合液を第2容器内に収容し、この容器に吐出装置を装着して、スプレー容器などの吐出容器として流用することができ、梱包の小型化、廃棄物の削減を図りつつも用時混合を的確に行うことができる。さらに、液剤を第1容器と第2容器とに相互に移し替える際の連通路内の液剤の流れを一層円滑にし、混合操作、並びに、薬液をボトルに充填する作業を迅速且つ確実に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図7は本発明の一実施形態に係る用時混合容器を示しており、該用時混合容器は、凍結乾燥製剤からなる固体成分を収容するためのバイアル瓶1(第1容器)と、固体成分の溶媒乃至分散媒となる液体成分を収容するための樹脂製ボトル2(第2容器)とにより主構成されている。なお、上記液体成分自体が有効成分を含有していてもよい。この容器は、例えば、用時溶解式の点鼻剤ポンプスプレー容器として好適に用いることができ、その他、適宜の用途に使用できる。
【0014】
バイアル瓶1はガラス製であって、有底円筒状の胴部3の上端に円筒状の口部4(第1の口部)を一体に備えるものである。この口部4には、使用前にはブチルゴムなどのゴム製の栓体が液密状に嵌め込まれる。また、栓体5が不慮に離脱することを防止するとともに気密性を向上するために、栓体を覆うように蓋部材(ゴム栓押さえ)を被冠することができる。
【0015】
上記ボトル2は、有底円筒状の胴部21の上端に円筒状の口部22(第2の口部)が一体成形されている。ボトル2の下部には有底円筒状の台座23が装着されている。ボトル2は、軸方向中央の胴部21が径方向外方に膨出形成されるとともに、軸方向中央から底部側に移行するにしたがって徐々に小径となるように形成されている。ボトル2の上端の口部22は、上方に向けて開口する円筒状である。
【0016】
本実施形態のボトル2の口部22には、円筒状の案内部材51と円筒状の接続部材52とにより主構成されるキャップ50が装着されており、液体成分を充填したボトル2の輸送時や保管時等においてはキャップ50によって口部22を気密状かつ液密状に密封する一方、用時においてはキャップ50をバイアル瓶1との接続アダプタとして用いて容易かつ確実に2剤混合作業を行えるようにしている。
【0017】
案内部材51は、ボトル口部22の外周側に螺着される円筒状の第1筒部51aと、該第1筒部51aにフランジ部51eを介して一体的に接続され且つ第1筒部51aの径方向内方に位置する円筒状の第2筒部51b(シリンダ)と、第1筒部51aの軸方向端部に連設された円筒状の第3筒部51cと、該第3筒部51cの軸方向端部に連設された略カップ状のホルダー部51dとにより主構成されている。第1筒部51aの内周面にはボトル口部外周のねじ部22aに螺合するねじ部が設けられている。第2筒部51bの内径及び外径はボトル口部22の内径よりも小径となされており、図示例においては第2筒部51bはボトル口部22内に突入されている。フランジ部51eの下面は、ボトル口部22の口上面に対向している。案内部材51とボトル口部22との間の液密性並びに気密性を確保するために、フランジ部51eとボトル口部22との間にゴムパッキン53が介装されている。
【0018】
第3筒部51cは、バイアル瓶1の口部4に外嵌可能に構成されているとともに、第3筒部51cを口部4に外嵌したときに図5に示すように口部4のフランジ部7の基端部に軸方向に係合する係合凸部54が第3筒部51cの内周面に設けられている。また、第3筒部51cには、図2及び図3に示すようにスリット55が形成され、第3筒部51cの周方向所定部位に設けられた舌片57が径方向外方に弾性変形し得るようになっており、該舌片57の内面には、後述するフランジ部52dに軸方向に係合する係合凸部58が設けられている。上記ホルダー部51dは、バイアル瓶1の肩部並びに胴部形状に適合する形状となされ、第3筒部51cを口部4に外嵌したときに、ホルダー部51dの内周面によりバイアル瓶1の上部側の外周面を保持し得るようになっている。
【0019】
接続部材52は、図4及び図5に示すようにバイアル瓶1の口部4に液密状かつ気密状に内嵌される円筒状の接続口部52aと、該接続口部52aに連設され且つ前記第2筒部51bに軸方向摺動可能に内嵌される円筒状の接続筒部52bと、該接続筒部52bの軸方向端部に一体的に設けられて上記第2筒部51bの軸方向基端部に内嵌されるプラグ52cと、接続口部52aの軸方向基端部から径方向外方に向けて形成されたフランジ部52dと、上記プラグ52cの軸中央部から軸方向先端側に向けて延設されたセンター板52eとにより主構成されている。これら構成要素は一体成形されており、プラグ52cをも接続部材52に一体成形することで、部品点数の削減、ひいては製造コスト低減を図ることができる。
【0020】
センター板52eは接続筒部52bの軸方向全長にわたって設けられているとともに、センター板52eの先端部は、図示実施例では接続口部52aの先端よりも突出しているが、センター板52eの長さは特に限定されるものではない。このセンター板52eは、後述する第1及び第2の開口部56a,56bから流入する液流が干渉しあうことを防止でき、一層の液流の円滑化を図るのに役立つ。
【0021】
接続部材52は、案内部材51及び接続部材52によりボトル2の内部空間を外気から密封する第1位置(図4参照)から、第1位置よりもボトル2の軸方向内方に位置する第2位置(図5参照)に向けて、案内部材51及びボトル口部22に対して相対的に移動可能であって、接続部材52が第2位置にあるとき、接続部材52の接続口部52aに接続されたバイアル瓶1の内部空間とボトル2の内部空間とを連通させる連通路がキャップ50内に形成されるようになっている。また、接続部材52が第1位置にあるとき、そのフランジ部52dが案内部材51の舌片57の係合凸部58に軸方向に係合することで、不慮に接続部材52が押し込まれることを防止している。接続部材52を強く押し込むと、舌片57が変形することでフランジ部52dと係合凸部58との係合が解除され、接続部材52が第2位置に向けて押し込まれる。
【0022】
より詳細に説明すると、接続筒部52bのプラグ52cとの接続端部近傍の周壁にはその内外に貫通する2つの開口部56a,56bが設けられている。本実施形態では、プラグ52cの軸方向外側面によって各開口部56a,56bの軸方向内方の端部を構成している。そして、接続部材52が第2位置に移動すると、各開口部56a,56bが第2筒部51bの基端部よりもボトル2の内方に露呈して、上記連通路が開成されるようになっている。一方、接続部材52が第1位置にあるときは、開口部56は第2筒部51bの内部に収納された状態であり、プラグ52cにより上記連通路を閉塞し得るようになっている。なお、開口部の数は少なくとも2つあればよく、3つ以上開口部が形成されていてもよい。
【0023】
また、プラグ52cの軸方向外側面はテーパ面とされているとともに、一方の開口部56a側のプラグ外側面のテーパー角と、他方の開口部56b側のプラグ外側面のテーパー角とが異なっている。かかる構成も、ボトル2とバイアル瓶1との間を流動する液のバランスを崩し、表面張力の発生を防ぐのに役立つ。
【0024】
上記開口部56は、センター板52eの左右両側にそれぞれ設けられており、左右の開口部56a,56bの軸方向内方の端部は、軸方向にずれた位置にあり、各開口部56a,56bの開口面積が異なるように形成されている。これにより、ボトル2とバイアル瓶1との間を流動する液流のバランスを崩し、表面張力の発生により液の流れが停滞することを防止することができる。
【0025】
また、接続部材52のフランジ部52dは、案内部材51の第3筒部51cに内嵌されている。そして、接続部材52が第1位置にあるとき、フランジ部52dは上記係合凸部54に軸方向に係合することで、接続部材52の第2位置への移動が防止されている。上記したように、第3筒部51cの周方向所定部位は径方向外方へ弾性変形可能であるため、接続口部52aに接続したバイアル瓶1を強く押し込むと、フランジ部52dによって第3筒部51cが強制的に径方向外方へ押し拡げられ、フランジ部52dと係合凸部54との係合が解除されるので、第2位置への相対移動が可能となる。
【0026】
上記ホルダー部51dの先端部には、カバーキャップ45が装着されており、案内部材51や接続部材52の内面が汚染されることを防止している。また、カバーキャップ45はカップ状に形成され、その底部が第1位置にある接続部材52の先端部に近接されており、このカバーキャップ45によって接続部材52が不慮にボトルの軸方向外方に位置ずれしてしまうことを防止している。
【0027】
上記プラグ52cの軸方向内面は、バイアル瓶1からボトル2に流入する液の残液をできるだけ少なくするために、テーパー形状に形成されている。
【0028】
次に、図2〜図7を参照して上記用時混合容器の混合工程を説明する。
【0029】
図2及び図3は製品の納入形態、即ち、輸送時や保管時のボトル2の状態を示している。使用する際には、まず、上記他の実施形態と同様にバイアル瓶1の口部4から蓋部材並びに栓体を取り外すとともに、ボトル2のカバーキャップ45を取り外す。次に、図4に示すようにボトル2を上下反転して、接続口部52aをバイアル瓶1の口部4内に押し込み、両容器1,2を接続する。次に、ボトル2をさらに押し込むと、図5に示すように、接続部材52が案内部材51に対して相対的に軸方向に移動して、開口部56がボトル内部空間に露呈して、キャップ50内に、バイアル瓶1の内部空間とボトル2の内部空間とを連通させる連通路が形成され、ボトル2内の液体成分が連通路を介してバイアル瓶1内に流入する。
【0030】
十分に固体成分と液体成分との混合を行った後、全体を上下反転させてボトル2を下方側に且つバイアル瓶1を上方側に位置させると、混合液剤がすべてボトル2内に流入する。そして、ホルダー部51dを把持して案内部材51全体を回転操作することでボトル口部22からキャップ50をバイアル瓶1とともに取り外す。そして、別途用意しておいたポンプスプレー装置などの吐出装置50を、図6及び図7に示すようにボトル口部22に装着することによって、混合前は液体成分用容器として用いたボトル2を吐出容器として用いることが可能となる。
【0031】
図8〜図14は本発明の他の実施形態に係る用時混合容器を示しており、構成及び作用効果は上記実施形態と同様であるので、同符号を付して詳細説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る用時混合容器のボトル及びキャップを示す縦断面図である。
【図2】同ボトル及びキャップの全体正面図である。
【図3】同ボトル及びキャップの全体側面図である。
【図4】同用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図5】同用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図6】同用時混合容器の用時混合後の使用状態の全体正面図である。
【図7】同用時混合容器の用時混合後の使用状態の全体側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】図8の側面図である。
【図11】他の実施形態に係る用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】図11の側面図である。
【図14】他の実施形態に係る用時混合容器の使用状態を示す三面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥された固形薬剤と溶媒乃至分散媒とを分離して収容可能であり、用時に両者を混合して使用するための用時混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種従来の用時混合容器として、本願出願人らは、従来より特開2004−18019号公報に開示したものを開発している。固形製剤と液剤とを別容器にそれぞれ収容しつつ、用時混合のために各容器の接続がなされるまでは特に液剤用容器の口の密封状態を維持できるようにすることで、薬液等を零すことなく用時混合作業を確実に行うことができるものである。
【特許文献1】特開2004−18019号公報
【0003】
この従来の用時混合容器は、バイアル瓶と、このバイアル瓶の内部空間を外気から密封するようにバイアル瓶の口部に離脱可能に装着される栓体と、プラスチックボトルと、該ボトルの口部に装着されるキャップとを備える。キャップは、ボトルの口部に液密状に装着される案内部材と、バイアル瓶の口部に液密状に接続可能な接続口部を有するとともに案内部材に液密状に嵌合する接続部材とを備える。この接続部材は、第1及び接続部材によりボトルの内部空間を外気から密封する第1位置から、該第1位置よりもボトルの軸方向内方に位置する第2位置に向けて案内部材に対して相対的に移動可能である。また、接続部材が第2位置にあるとき、接続部材の接続口部に接続されたバイアル瓶の内部空間とボトルの内部空間とを連通させる連通路が前記キャップ内に形成されるように構成されている。
【0004】
上記用時混合容器によれば、流通時や保管時には、バイアル瓶内に例えば凍結乾燥製剤などの固体成分を無菌状態で収容しておき、ボトルには固体成分の溶媒乃至分散媒となる液体成分を無菌状態で収容しておくことができる。そして、これら固体成分と液体成分とを患者自身或いは付添人などが用時に混合するには、まず、バイアル瓶の口部から栓体を取り外し、この上向きに開口された口部に、上下反転させたボトルの接続部材の接続口部を接続する。このとき、接続部材はまだ第1位置にあり、ボトルの口部は密封された状態を維持しているので、ボトル内の液体成分が零れることはない。次に、接続口部をバイアル瓶の口部に接続したボトルをバイアル瓶側に向けて押し込むと、バイアル瓶に押されることにより接続部材が第1位置から第2位置へと移動してキャップ内に上記連通路が形成され、この連通路を通ってボトル内の液体成分を零すことなくバイアル瓶内に移し替えることができる。そして、十分に混合(溶解乃至分散)を行った後、バイアル瓶とボトルとを接続したままボトルを成立させると、上下反転されたバイアル瓶内から混合液剤が連通路を通ってすべてボトル内に移し替えられる。そしてボトルの口部からバイアル瓶並びにキャップを取り外し、このボトルの口部に点眼ノズルやポンプスプレー装置などの吐出装置を装着することにより、ボトルを混合液剤の吐出容器として使用することが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、上記構成の用時混合容器において、液剤をバイアル瓶とボトルとに相互に移し替える際の連通路内の液剤の流れを一層円滑にし、混合操作並びに薬液をボトルに充填する作業を迅速且つ確実に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の口部を有する第1容器と、第2の口部を有する第2容器と、第1の口部と第2の口部とを接続するための接続部材とを備え、該接続部材は、第2の口部を密封する第1位置から、該第1位置よりも第2の口部の軸方向内方に位置する第2位置に向けて第2の口部に対して相対的に移動可能に第2の口部に装着されており、該接続部材は、第1の口部に着脱自在に装着される筒状の接続口部と、該接続口部の前記軸方向内方に連設された接続筒部と、該接続筒部の前記軸方向内方に連設されたプラグとを備え、接続筒部には径方向外方に開口する第1及び第2の開口部が設けられ、該第1及び第2の開口部は周方向に配設されており、接続部材が第1位置にあるときプラグによって第2の口部が密封され、接続部材が第2位置にあるとき第1及び第2開口部が第2容器の内部空間に開口することによって接続筒部の内部空間を介して第1容器の内部空間と第2容器の内部空間とが連通される用時混合容器において、第1の開口部の前記軸方向内方の端部と、第2の開口部の前記軸方向内方の端部とが、軸方向にずれた位置にあることを特徴とするものである。
【0007】
かかる本発明によれば、第1の容器と第2の容器との間を流動する液流のバランスを崩すことにより、表面張力が原因で液の流れが停滞することを防止できる。
【0008】
上記本発明の用時混合容器において、接続筒部の内部空間を第1の開口部に連通する第1連通路と第2の開口部に連通する第2連通路とに仕切る板が接続筒部内に設けられていてよい。これによれば、第1及び第2の開口部から流入する液流が干渉しあうことを防止でき、一層の液流の円滑化を図ることができる。この板は、接続筒部の軸方向全長にわたって設けることが好ましいが、接続筒部の軸方向一部にのみ設けることも可能である。また、前記板は、接続筒部の軸方向外端に設けた接続口部の端面よりも先端側に突出していてよい。
【0009】
また、前記プラグの前記軸方向の外側面が、前記第1及び第2開口部の前記軸方向内方の端部を構成しているのが好ましい。この場合、前記プラグの外側面は、テーパ面とするのがよい。これによれば、テーパ面に沿って液流が一層円滑に流れるようになる。さらに、第1の開口部側の前記プラグ外側面のテーパー角と、第2の開口部側の前記プラグ外側面のテーパ角とを異ならせることにより、液のバランスを第1の開口部側と第2の開口部側とで一層崩すことができ、表面張力を起因とする液流の停滞を一層防止できる。
【0010】
好ましくは、第2の口部に着脱自在に装着される案内部材をさらに備えることができる。該案内部材は、第2の口部内に嵌着されるシリンダを備えることができ、接続部材が第1位置にあるときプラグがシリンダ内に液密状に嵌着することで第2の口部を密封し、接続部材が第2位置にあるときプラグがシリンダから軸方向内方に離脱することによって第1及び第2開口部を第2容器の内部空間に開口せしめるように構成するのが良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用時において第1容器と第2容器とを接続して固体成分と液体成分とを混合する際に、液体成分を零すことがなく、定められた混合比率で確実に混合液剤を生成することが可能であるとともに、衛生的に取り扱うことが可能となる。また、混合作業を行った後、混合液を第2容器内に収容し、この容器に吐出装置を装着して、スプレー容器などの吐出容器として流用することができ、梱包の小型化、廃棄物の削減を図りつつも用時混合を的確に行うことができる。さらに、液剤を第1容器と第2容器とに相互に移し替える際の連通路内の液剤の流れを一層円滑にし、混合操作、並びに、薬液をボトルに充填する作業を迅速且つ確実に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図7は本発明の一実施形態に係る用時混合容器を示しており、該用時混合容器は、凍結乾燥製剤からなる固体成分を収容するためのバイアル瓶1(第1容器)と、固体成分の溶媒乃至分散媒となる液体成分を収容するための樹脂製ボトル2(第2容器)とにより主構成されている。なお、上記液体成分自体が有効成分を含有していてもよい。この容器は、例えば、用時溶解式の点鼻剤ポンプスプレー容器として好適に用いることができ、その他、適宜の用途に使用できる。
【0014】
バイアル瓶1はガラス製であって、有底円筒状の胴部3の上端に円筒状の口部4(第1の口部)を一体に備えるものである。この口部4には、使用前にはブチルゴムなどのゴム製の栓体が液密状に嵌め込まれる。また、栓体5が不慮に離脱することを防止するとともに気密性を向上するために、栓体を覆うように蓋部材(ゴム栓押さえ)を被冠することができる。
【0015】
上記ボトル2は、有底円筒状の胴部21の上端に円筒状の口部22(第2の口部)が一体成形されている。ボトル2の下部には有底円筒状の台座23が装着されている。ボトル2は、軸方向中央の胴部21が径方向外方に膨出形成されるとともに、軸方向中央から底部側に移行するにしたがって徐々に小径となるように形成されている。ボトル2の上端の口部22は、上方に向けて開口する円筒状である。
【0016】
本実施形態のボトル2の口部22には、円筒状の案内部材51と円筒状の接続部材52とにより主構成されるキャップ50が装着されており、液体成分を充填したボトル2の輸送時や保管時等においてはキャップ50によって口部22を気密状かつ液密状に密封する一方、用時においてはキャップ50をバイアル瓶1との接続アダプタとして用いて容易かつ確実に2剤混合作業を行えるようにしている。
【0017】
案内部材51は、ボトル口部22の外周側に螺着される円筒状の第1筒部51aと、該第1筒部51aにフランジ部51eを介して一体的に接続され且つ第1筒部51aの径方向内方に位置する円筒状の第2筒部51b(シリンダ)と、第1筒部51aの軸方向端部に連設された円筒状の第3筒部51cと、該第3筒部51cの軸方向端部に連設された略カップ状のホルダー部51dとにより主構成されている。第1筒部51aの内周面にはボトル口部外周のねじ部22aに螺合するねじ部が設けられている。第2筒部51bの内径及び外径はボトル口部22の内径よりも小径となされており、図示例においては第2筒部51bはボトル口部22内に突入されている。フランジ部51eの下面は、ボトル口部22の口上面に対向している。案内部材51とボトル口部22との間の液密性並びに気密性を確保するために、フランジ部51eとボトル口部22との間にゴムパッキン53が介装されている。
【0018】
第3筒部51cは、バイアル瓶1の口部4に外嵌可能に構成されているとともに、第3筒部51cを口部4に外嵌したときに図5に示すように口部4のフランジ部7の基端部に軸方向に係合する係合凸部54が第3筒部51cの内周面に設けられている。また、第3筒部51cには、図2及び図3に示すようにスリット55が形成され、第3筒部51cの周方向所定部位に設けられた舌片57が径方向外方に弾性変形し得るようになっており、該舌片57の内面には、後述するフランジ部52dに軸方向に係合する係合凸部58が設けられている。上記ホルダー部51dは、バイアル瓶1の肩部並びに胴部形状に適合する形状となされ、第3筒部51cを口部4に外嵌したときに、ホルダー部51dの内周面によりバイアル瓶1の上部側の外周面を保持し得るようになっている。
【0019】
接続部材52は、図4及び図5に示すようにバイアル瓶1の口部4に液密状かつ気密状に内嵌される円筒状の接続口部52aと、該接続口部52aに連設され且つ前記第2筒部51bに軸方向摺動可能に内嵌される円筒状の接続筒部52bと、該接続筒部52bの軸方向端部に一体的に設けられて上記第2筒部51bの軸方向基端部に内嵌されるプラグ52cと、接続口部52aの軸方向基端部から径方向外方に向けて形成されたフランジ部52dと、上記プラグ52cの軸中央部から軸方向先端側に向けて延設されたセンター板52eとにより主構成されている。これら構成要素は一体成形されており、プラグ52cをも接続部材52に一体成形することで、部品点数の削減、ひいては製造コスト低減を図ることができる。
【0020】
センター板52eは接続筒部52bの軸方向全長にわたって設けられているとともに、センター板52eの先端部は、図示実施例では接続口部52aの先端よりも突出しているが、センター板52eの長さは特に限定されるものではない。このセンター板52eは、後述する第1及び第2の開口部56a,56bから流入する液流が干渉しあうことを防止でき、一層の液流の円滑化を図るのに役立つ。
【0021】
接続部材52は、案内部材51及び接続部材52によりボトル2の内部空間を外気から密封する第1位置(図4参照)から、第1位置よりもボトル2の軸方向内方に位置する第2位置(図5参照)に向けて、案内部材51及びボトル口部22に対して相対的に移動可能であって、接続部材52が第2位置にあるとき、接続部材52の接続口部52aに接続されたバイアル瓶1の内部空間とボトル2の内部空間とを連通させる連通路がキャップ50内に形成されるようになっている。また、接続部材52が第1位置にあるとき、そのフランジ部52dが案内部材51の舌片57の係合凸部58に軸方向に係合することで、不慮に接続部材52が押し込まれることを防止している。接続部材52を強く押し込むと、舌片57が変形することでフランジ部52dと係合凸部58との係合が解除され、接続部材52が第2位置に向けて押し込まれる。
【0022】
より詳細に説明すると、接続筒部52bのプラグ52cとの接続端部近傍の周壁にはその内外に貫通する2つの開口部56a,56bが設けられている。本実施形態では、プラグ52cの軸方向外側面によって各開口部56a,56bの軸方向内方の端部を構成している。そして、接続部材52が第2位置に移動すると、各開口部56a,56bが第2筒部51bの基端部よりもボトル2の内方に露呈して、上記連通路が開成されるようになっている。一方、接続部材52が第1位置にあるときは、開口部56は第2筒部51bの内部に収納された状態であり、プラグ52cにより上記連通路を閉塞し得るようになっている。なお、開口部の数は少なくとも2つあればよく、3つ以上開口部が形成されていてもよい。
【0023】
また、プラグ52cの軸方向外側面はテーパ面とされているとともに、一方の開口部56a側のプラグ外側面のテーパー角と、他方の開口部56b側のプラグ外側面のテーパー角とが異なっている。かかる構成も、ボトル2とバイアル瓶1との間を流動する液のバランスを崩し、表面張力の発生を防ぐのに役立つ。
【0024】
上記開口部56は、センター板52eの左右両側にそれぞれ設けられており、左右の開口部56a,56bの軸方向内方の端部は、軸方向にずれた位置にあり、各開口部56a,56bの開口面積が異なるように形成されている。これにより、ボトル2とバイアル瓶1との間を流動する液流のバランスを崩し、表面張力の発生により液の流れが停滞することを防止することができる。
【0025】
また、接続部材52のフランジ部52dは、案内部材51の第3筒部51cに内嵌されている。そして、接続部材52が第1位置にあるとき、フランジ部52dは上記係合凸部54に軸方向に係合することで、接続部材52の第2位置への移動が防止されている。上記したように、第3筒部51cの周方向所定部位は径方向外方へ弾性変形可能であるため、接続口部52aに接続したバイアル瓶1を強く押し込むと、フランジ部52dによって第3筒部51cが強制的に径方向外方へ押し拡げられ、フランジ部52dと係合凸部54との係合が解除されるので、第2位置への相対移動が可能となる。
【0026】
上記ホルダー部51dの先端部には、カバーキャップ45が装着されており、案内部材51や接続部材52の内面が汚染されることを防止している。また、カバーキャップ45はカップ状に形成され、その底部が第1位置にある接続部材52の先端部に近接されており、このカバーキャップ45によって接続部材52が不慮にボトルの軸方向外方に位置ずれしてしまうことを防止している。
【0027】
上記プラグ52cの軸方向内面は、バイアル瓶1からボトル2に流入する液の残液をできるだけ少なくするために、テーパー形状に形成されている。
【0028】
次に、図2〜図7を参照して上記用時混合容器の混合工程を説明する。
【0029】
図2及び図3は製品の納入形態、即ち、輸送時や保管時のボトル2の状態を示している。使用する際には、まず、上記他の実施形態と同様にバイアル瓶1の口部4から蓋部材並びに栓体を取り外すとともに、ボトル2のカバーキャップ45を取り外す。次に、図4に示すようにボトル2を上下反転して、接続口部52aをバイアル瓶1の口部4内に押し込み、両容器1,2を接続する。次に、ボトル2をさらに押し込むと、図5に示すように、接続部材52が案内部材51に対して相対的に軸方向に移動して、開口部56がボトル内部空間に露呈して、キャップ50内に、バイアル瓶1の内部空間とボトル2の内部空間とを連通させる連通路が形成され、ボトル2内の液体成分が連通路を介してバイアル瓶1内に流入する。
【0030】
十分に固体成分と液体成分との混合を行った後、全体を上下反転させてボトル2を下方側に且つバイアル瓶1を上方側に位置させると、混合液剤がすべてボトル2内に流入する。そして、ホルダー部51dを把持して案内部材51全体を回転操作することでボトル口部22からキャップ50をバイアル瓶1とともに取り外す。そして、別途用意しておいたポンプスプレー装置などの吐出装置50を、図6及び図7に示すようにボトル口部22に装着することによって、混合前は液体成分用容器として用いたボトル2を吐出容器として用いることが可能となる。
【0031】
図8〜図14は本発明の他の実施形態に係る用時混合容器を示しており、構成及び作用効果は上記実施形態と同様であるので、同符号を付して詳細説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る用時混合容器のボトル及びキャップを示す縦断面図である。
【図2】同ボトル及びキャップの全体正面図である。
【図3】同ボトル及びキャップの全体側面図である。
【図4】同用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図5】同用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図6】同用時混合容器の用時混合後の使用状態の全体正面図である。
【図7】同用時混合容器の用時混合後の使用状態の全体側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】図8の側面図である。
【図11】他の実施形態に係る用時混合容器の用時混合過程を示す縦断面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】図11の側面図である。
【図14】他の実施形態に係る用時混合容器の使用状態を示す三面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の口部を有する第1容器と、第2の口部を有する第2容器と、第1の口部と第2の口部とを接続するための接続部材とを備え、該接続部材は、第2の口部を密封する第1位置から、該第1位置よりも第2の口部の軸方向内方に位置する第2位置に向けて第2の口部に対して相対的に移動可能に第2の口部に装着されており、該接続部材は、第1の口部に着脱自在に装着される筒状の接続口部と、該接続口部の第2口部軸方向内方に連設された接続筒部と、該接続筒部の前記軸方向内方に連設されたプラグとを備え、接続筒部には径方向外方に開口する第1及び第2の開口部が設けられ、該第1及び第2の開口部は周方向に配設されており、接続部材が第1位置にあるときプラグによって第2の口部が密封され、接続部材が第2位置にあるとき第1及び第2開口部が第2容器の内部空間に開口することによって接続筒部の内部空間を介して第1容器の内部空間と第2容器の内部空間とが連通される用時混合容器において、
第1の開口部の前記軸方向内方の端部と、第2の開口部の前記軸方向内方の端部とが、軸方向にずれた位置にあることを特徴とする用時混合容器。
【請求項2】
請求項1に記載の用時混合容器において、接続筒部の内部空間を第1の開口部に連通する第1連通路と第2の開口部に連通する第2連通路とに仕切る板が接続筒部内に設けられていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項3】
請求項2に記載の用時混合容器において、前記板は、接続筒部の軸方向全長にわたって設けられていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項4】
請求項1,2又は3に記載の用時混合容器において、前記プラグの前記軸方向の外側面が、前記第1及び第2開口部の前記軸方向内方の端部を構成していることを特徴とする用時混合容器。
【請求項5】
請求項4に記載の用時混合容器において、前記プラグの外側面は、テーパ面とされていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項6】
請求項5に記載の用時混合容器において、第1の開口部側の前記プラグ外側面のテーパー角と、第2の開口部側の前記プラグ外側面のテーパ角とが異なることを特徴とする用時混合容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の用時混合容器において、第2の口部に着脱自在に装着される案内部材をさらに備え、該案内部材は、第2の口部内に嵌着されるシリンダを備え、接続部材が第1位置にあるときプラグがシリンダ内に液密状に嵌着することで第2の口部を密封し、接続部材が第2位置にあるときプラグがシリンダから軸方向内方に離脱することによって第1及び第2開口部を第2容器の内部空間に開口せしめるように構成されていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項1】
第1の口部を有する第1容器と、第2の口部を有する第2容器と、第1の口部と第2の口部とを接続するための接続部材とを備え、該接続部材は、第2の口部を密封する第1位置から、該第1位置よりも第2の口部の軸方向内方に位置する第2位置に向けて第2の口部に対して相対的に移動可能に第2の口部に装着されており、該接続部材は、第1の口部に着脱自在に装着される筒状の接続口部と、該接続口部の第2口部軸方向内方に連設された接続筒部と、該接続筒部の前記軸方向内方に連設されたプラグとを備え、接続筒部には径方向外方に開口する第1及び第2の開口部が設けられ、該第1及び第2の開口部は周方向に配設されており、接続部材が第1位置にあるときプラグによって第2の口部が密封され、接続部材が第2位置にあるとき第1及び第2開口部が第2容器の内部空間に開口することによって接続筒部の内部空間を介して第1容器の内部空間と第2容器の内部空間とが連通される用時混合容器において、
第1の開口部の前記軸方向内方の端部と、第2の開口部の前記軸方向内方の端部とが、軸方向にずれた位置にあることを特徴とする用時混合容器。
【請求項2】
請求項1に記載の用時混合容器において、接続筒部の内部空間を第1の開口部に連通する第1連通路と第2の開口部に連通する第2連通路とに仕切る板が接続筒部内に設けられていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項3】
請求項2に記載の用時混合容器において、前記板は、接続筒部の軸方向全長にわたって設けられていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項4】
請求項1,2又は3に記載の用時混合容器において、前記プラグの前記軸方向の外側面が、前記第1及び第2開口部の前記軸方向内方の端部を構成していることを特徴とする用時混合容器。
【請求項5】
請求項4に記載の用時混合容器において、前記プラグの外側面は、テーパ面とされていることを特徴とする用時混合容器。
【請求項6】
請求項5に記載の用時混合容器において、第1の開口部側の前記プラグ外側面のテーパー角と、第2の開口部側の前記プラグ外側面のテーパ角とが異なることを特徴とする用時混合容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の用時混合容器において、第2の口部に着脱自在に装着される案内部材をさらに備え、該案内部材は、第2の口部内に嵌着されるシリンダを備え、接続部材が第1位置にあるときプラグがシリンダ内に液密状に嵌着することで第2の口部を密封し、接続部材が第2位置にあるときプラグがシリンダから軸方向内方に離脱することによって第1及び第2開口部を第2容器の内部空間に開口せしめるように構成されていることを特徴とする用時混合容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−314223(P2007−314223A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147248(P2006−147248)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
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