説明

用紙後処理装置及び画像形成システム

【課題】搬送方向のサイズが長いZ折り用紙をステイプルトレイ上にスタックする場合、Z折り用紙の搬送方向における折り部の長さが搬送ローラ対から排紙口までの距離より長いと、その折り部の全体が排紙口よりも外側に位置することになる。このZ折り用紙をステイプル位置に戻す際に、折り部の内側端部が排紙ローラやその近傍のエンドフェンスに引っかかり、Z折り用紙がステイプルトレイ上に適正にスタックされない。
【解決手段】ステイプルトレイ6は、処理対象の用紙として、端部が折りたたまれた折り部を有する用紙Pが積載される。ステイプルトレイ6に積載されている用紙の折り部がある先端部を排紙トレイ9の方向へ移動しないように排紙ローラ3によって規制した状態で、戻しローラ11及び後端フェンス対42によって用紙Pの後端部を排紙トレイ9の方向へ移動させるように制御する制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り処理された端部を有する用紙を積載して後処理する用紙後処理装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送ローラにより用紙を搬送して一時積載手段としてのステイプルトレイ上に排紙し、整合手段による整合や綴じ手段による綴じ処理を行った後、排紙ローラにより排紙トレイ上に順次積載する用紙後処理装置が知られている。
また、上記用紙後処理装置の中に、通常の用紙の他に、端部がZ状に折り曲げられた折り部を有する用紙(以下「Z折り用紙」という。)を、その折り部が下側を向いたフェイスダウンの状態でステイプルトレイ上へ積載して整合するようにステイプルトレイに排紙するものがある。この用紙後処理装置において、搬送方向のサイズが長いZ折り用紙をステイプルトレイ上にスタックする場合、Z折り用紙の搬送方向における折り部の長さが搬送ローラ対から排紙口までの距離より長いと、その折り部の全体が排紙口よりも外側に位置することになる。このZ折り用紙をステイプル位置に戻す際に、折り部の内側端部が排紙ローラやその近傍のエンドフェンスに引っかかり、Z折り用紙がステイプルトレイ上に適正にスタックされないという問題がある。
【0003】
そこで、Z折り用紙の折り部が排紙口よりも外側に位置しないよう、排紙口の近傍から補助トレイが進退可動する技術や、適正にステイプルトレイにスタックできるように搬送ローラの排紙速度を制御する技術が既に知られている。
【0004】
また、特許文献1には、スタックトレイの上方の位置と待避位置とに移動するガイド部材を備え、排紙ローラ対からZ折りシートが排出されるときガイド部材をスタックトレイの上方に移動させることにより、排出されるZ折りシートの折り部を支持することができるシート処理装置が開示されている。
また、特許文献2には、シートを支持する支持位置とシートを支持しない待機位置の間で移動可能な補助トレイを備え、Z折りシートの束を処理トレイが受け取る際に補助トレイを待機位置から支持位置に移動させることにより、Z折りシートを引っ掛けることなく確実に整合位置まで移動させることができるシート後処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の補助トレイが進退可動する技術では、補助トレイを進退移動させるための新たに駆動部を設ける必要があるので、装置が大型になり、部品点数も多くなるためコストも高くなる。また、上記従来の搬送ローラの排紙速度を制御する技術では、Z折り用紙の折込み部に応じて搬送ローラの排紙速度を制御するという複雑な制御が必要になる。
また、上記引用文献1及び2のシート後処理装置では、ガイド部材や補助トレイを移動させる駆動部を設ける必要があるので、やはり装置が大型になりコストも高くなる。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、小型化及び低コスト化を図るとともに、端部に折り部がある処理対象の用紙を所定の積載位置へ搬送して適正に積載することができる用紙後処理装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、処理対象の用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されてきた用紙が一時的に積載される一時積載手段と、前記一時積載手段に積載された複数の用紙を整合する整合手段と、前記整合手段で整合された複数の用紙からなる用紙束を処理する用紙束処理手段と、前記用紙束処理手段で処理された用紙束を排出する用紙排出手段と、前記排出された用紙束が積載される排出用紙積載手段と、を備えた用紙後処理装置であって、前記一時積載手段は、前記処理対象の用紙として、端部が折りたたまれた折り部を有する用紙が積載され、前記一時積載手段に積載されている用紙の折り部がある先端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動しないように前記用紙排出手段によって規制した状態で、前記整合手段によって該用紙の後端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動させるように制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化及び低コスト化を図るとともに、端部に折り部がある処理対象の用紙を所定の積載位置へ搬送して適正に積載することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成システム全体の構成例を示す概略構成図。
【図2】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る用紙後処理装置の全体構成の一例を示す概略構成図。
【図3】(a)〜(f)は従来の用紙後処理装置におけるZ折り用紙に対する後処理部のレイアウト構成および動作について説明する図。
【図4】(a)及び(b)はそれぞれZ折り用紙の寸法について説明する図。
【図5】(a)〜(d)は本実施形態1に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例の一部を示す正面図。
【図6】(a)〜(d)は同用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例の残りの一部を示す正面図。
【図7】同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャート。
【図8】本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成を示す正面図。
【図9】同用紙後処理装置の後処理・排出部の構成を示す平面図。
【図10】同後処理・排出部におけるストッパーの駆動機構の説明図。
【図11】同ストッパーの移動と排紙トレイとの関係を示す説明図。
【図12】同用紙後処理装置のステイプルトレイ内に格納されたストッパーの様子を示す正面図。
【図13】(a)〜(f)は、本実施形態2に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図。
【図14】同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャート。
【図15】本発明の更に他の実施形態(実施形態3)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における排紙ローラ周辺の拡大正面図。(a)はストッパーを最も下降させた状態を示す図。(b)はストッパーを最も上昇させた状態を示す図。
【図16】(a)〜(d)は本実施形態3に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例の一部を示す正面図。
【図17】(a)〜(c)は本実施形態3に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例の残り一部を示す正面図。
【図18】本発明の更に他の実施形態(実施形態4)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における排紙ローラ及び従動ローラの周辺の拡大正面図。
【図19】同用紙後処理装置の後処理・排出部を排紙トレイの方向から見た側面図。
【図20】(a)〜(d)は本実施形態4に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図。
【図21】同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャート。
【図22】本発明の更に他の実施形態(実施形態5)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図。
【図23】同用紙後処理装置の後処理・排出部の平面図。
【図24】同用紙後処理装置の後処理・排出部の左側面図。
【図25】同用紙後処理装置の後処理・排出部におけるストッパーを回転させた後の様子を示す正面図。
【図26】(a)〜(f)は本実施形態5に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図。
【図27】同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャート。
【図28】(a)〜(d)は本発明の更に他の実施形態(実施形態6)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図。
【図29】同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャート。
【図30】本発明の更に他の実施形態(実施形態7)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図。
【図31】同用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す平面図。
【図32】同用紙後処理装置の後処理・排出部における用紙Pの折り部が排紙ローラを超えていない状態を示す正面図。
【図33】本発明の各実施形態に係る用紙後処理装置に用いることができる制御系の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る後述の各用紙処理装置のいずれかが連結された画像形成システム全体の構成例を示す概略構成図である。本実施形態の画像形成システムは、用紙後処理装置100と、用紙折り装置200と、印刷機や電子写真方式のプリンター、複写機、複合機などの画像形成装置300とを備え、各装置は互いに隣接する用紙搬送路の入出口が互いに対応するように連結されている。画像形成装置300から搬送されてきた画像形成済みの用紙Pは、画像形成装置300と用紙後処理装置100との間に位置する用紙折り装置200により、Z折りなどの折り処理を実施した状態で、用紙後処理装置100に搬送される。
【0011】
〔実施形態1〕
図2は、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る用紙後処理装置100の全体構成の一例を示す概略構成図である。
図2において、用紙後処理装置100は、折り処理された状態で搬送された用紙Pを受け入れる導入経路20と、導入経路20から分岐する3つの経路、すなわちプルーフトレイ31へ排出する上搬送経路30と、シフト処理や端綴じ、2箇所綴じ処理を行い排出用紙積載手段としての排紙トレイ9へ排出するストレート搬送経路40と、中綴じ・折り処理を行い中綴じトレイ74へ排出する下搬送経路60とを有する。
【0012】
導入経路20には、用紙Pの用紙後処理装置100内への搬入を行う用紙搬入手段としての入口ローラ対21と、用紙Pが搬入されたことを検知する搬入用紙検知手段としての入口センサ1とが配置されている。入口ローラ対21の下流には第1の用紙搬送部材(用紙搬送手段)としての搬送ローラ対22が配置されている。導入経路20の終端の分岐部に位置する用紙分離部材としての分岐爪23,24を回動させることにより、上搬送経路30、ストレート搬送経路40又は下搬送経路60へ用紙Pの搬送方向を切り替えることができる。
【0013】
ストレート搬送経路40には、第2の用紙搬送部材(用紙搬送手段)としての搬送ローラ対2が配置され、この搬送ローラ対2を経て用紙Pは搬送される。また、ストレート搬送経路40には、用紙Pを排出する用紙排出手段(用紙排出部材)としての回転駆動可能な駆動ローラである排紙ローラ3と、排出される用紙を検知する排出用紙検知手段としての排紙センサ44とが配置されている。シフトモードが実行されているときは、シフト機構を有する搬送ローラ対2が用紙搬送中に用紙搬送方向と直交する方向に一定量移動することによって用紙Pを一定量シフトさせ、排紙ローラ3にて排出用紙積載手段としての排紙トレイ9に用紙Pを排出し、順次スタックする。
【0014】
排紙トレイ9への排紙口(排出口)部は、排紙ローラ3と従動ローラ4とで用紙P又は複数の用紙Pからなる用紙束を挟持して排出する対構造となっている。また、この排紙部は、排紙ローラ3に対する従動ローラ4を備えた排紙ガイドの接離動作で、用紙P又は用紙束を挟持して排出可能な閉状態と、用紙Pなどを挟持しない開状態とを選択的に取り得るようになっている。すなわち、従動ローラ4は、駆動ローラである排紙ローラ3に接触対向する用紙挾持位置と、従動ローラ4との隙間が排紙トレイ9への排紙口(排出口)に向けて開放される程度まで排紙ローラ3から離間した排出口開放位置とを取り得るように構成されている。用紙Pのシフト動作が完了した後、排紙ローラ3と用紙挾持位置に移動した従動ローラ4とによって用紙Pを挟持して排出される。
なお、後述のように、用紙Pの折り部がある先端部が排紙トレイ9の方向へ移動しないように、従動ローラ4を、上記用紙挾持位置と排出口開放位置との間に予め設定された用紙規制位置に移動させることもできる。
【0015】
また、上記排紙口の上方付近にはフィラー41が設けられている。このフィラー41は、排紙トレイ9上にスタックされたときの用紙Pの主走査方向(用紙搬送方向に直交する方向、すなわち図中の紙面に直交する方向)に対する中央に、回動自在の状態で先端が用紙Pの上面に接するように配置されている。フィラー41の後端付近には、フィラー41の先端の高さ位置を検知する図示していないフィラー先端検知手段としての上面検知センサが設けられている。これらのフィラー41及び上面検知センサにより、排紙トレイ9上にスタックされた用紙Pの紙面高さが検知される。ここで、排紙トレイ9上の堆積枚数の増大により用紙高さが上昇するに従って、上面検知センサがオンすると、図示していない制御手段としての制御部が排紙トレイ9を上下動させる駆動手段(不図示)を制御し、排紙トレイ9を下降させる。排紙トレイ9が下降し上面検知センサがオフすると、排紙トレイ9の下降を停止する。この動作を繰り返し、排紙トレイ9が規定のトレイ満杯高さまで下降すると、用紙後処理装置100から画像形成装置300に停止信号を出し、画像形成システムの画像形成動作を停止させる。
【0016】
ストレート搬送経路40には、用紙Pが一時的に積載される一時積載手段としてのステイプルトレイ6が配置されている。戻しローラ11は、振り子運動を行って用紙Pに当接させた後に回転させることで用紙Pをステイプルトレイ6上で移動させ、後端フェンス対42に用紙Pの後端を突き当てさせることにより、用紙束の縦方向位置を揃える。すなわち、戻しローラ11及び後端フェンス対42は、ステイプルトレイ6上に排出された用紙Pの縦方向(用紙搬送方向)の位置を揃える整合手段として機能する。また、ステイプルトレイ6上には、図中の紙面と直交する幅方向に進退して、ステイプルトレイ6上に排出された用紙Pの幅方向の位置を揃える整合手段としてのジョガー対5を備えている。この2つの整合手段を動作させることにより、ステイプルトレイ6上に排出された複数の用紙Pからなる用紙束を揃えてスタックすることができる。また、揃えられた用紙束は、後処理手段としての用紙閉じ手段であるステイプラ8にて適所でステイプルされ、用紙放出手段としての放出爪10によって用紙束を排出方向に移動させることで用紙束の排出処理が行われる。この用紙束の排出中に排紙ローラ3と従動ローラ4とが挟持することによって排紙トレイ9上に用紙束を整えて排出させることができる。
【0017】
下搬送経路60への用紙Pの搬送は次のように行われる。用紙Pがストレート搬送経路40を通過し、用紙先端検知センサ43で用紙Pの先端が検知されてから用紙Pの後端が下搬送経路60への分岐部を通過する時間を待って、用紙分岐手段としての分岐爪24が切り替わる。分岐爪24が切り替わると、搬送ローラ対2が逆回転をし、用紙Pをスイッチバックさせて下搬送経路60へと搬送する。
【0018】
下搬送経路60には、後処理用搬送手段としての中綴じ搬送ローラ対61,62,63と、後処理手段としての中綴じステイプラ51とが配置されている。中綴じ搬送ローラ対61にて用紙Pが中綴じ位置まで搬送されると、用紙Pの中央に対して綴じ処理が行われ、中綴じ搬送ローラ対62,63により用紙折り部の用紙折りストッパ64に搬送される。その後、用紙Pは、用紙折手段としての用紙折りブレード71と用紙折り板72とにより中折りされ、後処理済み用紙排出手段としての中折り排紙ローラ対73によって中綴じトレイ74に排出される。
【0019】
ここで、本実施形態に係る用紙後処理装置と比較される比較例として、従来の用紙後処理装置における、端部がZ状に折りたたまれた折り部を有する用紙(以下、適宜「Z折り用紙」という。)に対する後処理部について説明する。
図3(a)〜(f)は、従来の用紙後処理装置におけるZ折り用紙に対する後処理部のレイアウト構成および動作について説明する図である。また、図4(a)及び(b)はそれぞれ、Z折り用紙の寸法について説明する図である。
従来の用紙後処理装置は、入口センサ1と、搬送ローラ対2と、排紙ローラ3と、従動ローラ4と、ジョガー対5と、ステイプルトレイ6と、用紙後端検知センサ7と、ステイプラ8と、排紙トレイ9と、放出爪10と、戻しローラ11とを備える。
この従来の用紙後処理装置は、入口センサ1で用紙Pの先端を検知すると、排紙ローラ3及び従動ローラ4を開状態にして用紙Pを搬送する(図3(a)参照)。その後、用紙Pの後端が入口センサ1を通過してから所定時間経過後、戻しローラ11を下降させステイプルトレイ6に用紙Pを積載する(図3(b)参照)。用紙Pの積載後、戻しローラ11を回転させ、用紙Pをステイプラ8の方向へ移動させてジョガー対5で整合する(図3(c)参照)。
【0020】
搬送ローラ対2と排紙ローラ3及び従動ローラ4との距離は、次のように設定されている。
Z折りされた用紙Pの搬送方向の寸法をLy/2とする(図4参照)。また、装置の仕様上Z折り可能な最長寸法をLy(max)とし、搬送ローラ対2の接点から排紙ローラ3,従動ローラ4の接点への距離をHyとする。そして、搬送ローラ対2を抜けた時の飛び出し距離をαとすると、次の(1)式を満足するようにレイアウトすればよい(図3(d)参照)。
Hy>Ly(max)/4+α ・・・(1)
【0021】
一方で、仕様の多様化に伴い、用紙後処理装置で例えばハガキのような小サイズの用紙を処理することが求められている場合がある。ハガキは後処理(ステイプル)する必要がないため、搬送ローラ対2から排紙され、排紙ローラ3及び従動ローラ4に受け渡されて排紙トレイ9に排紙される。ハガキの長辺寸法をLtとすると、下記の(2)を満足するようにレイアウトにする必要があるが、下記の(3)式に示す関係となるため、用紙Pを排出するとZ折りされた用紙Pの折り部が排紙ローラ3を乗り越えてしまう(図3(e)参照)。
Hx≦Lt ・・・(2)
Hy≦Lt<Ly(max)/4+α ・・・(3)
【0022】
その状態のまま戻しローラ11にて用紙Pをステイプラ方向に搬送させると、排紙ローラ3にてZ折りされた用紙Pの折り部が引っ掛かり、折り部が開いた状態でスタックされてしまう(図3(f)参照)。以上のように、従来の用紙後処理装置100’では、Z折り用紙P’を適正にスタックするという課題を解決することができない。
【0023】
次に、本実施形態1に係る用紙後処理装置における後処理・排出部により具体的な構成例及びその動作例について説明する。
図5(a)〜(d)及び図6(a)〜(d)は本実施形態1に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図である。また、図7は、同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャートである。
図5(a)に示すように、戻しローラ11を降下させてステイプルトレイ6に当接する点よりステイプラ8側の近傍に、ステイプルトレイ6上の紙有無を検知する戻しローラ当接センサ13が設けられている。戻しローラ11が用紙Pをステイプルトレイ6に抑える境界を通知する役割を持つ。
また、図5(a)に示すように、Z折りされた用紙Pの折り部内側a点が排紙ローラ3を超えて排紙トレイ9側にいった場合、用紙Pの自重で折り部が下がってしまう。
入口センサがOFFしてから用紙Pの後端が搬送ローラ対2を抜けるまでの時間をTm秒とする。用紙Pが搬送され、入口センサ1がOFFしてからTm秒後、図5(b)に示すように戻しローラ11を下降させて用紙Pをステイプルトレイ6に押さえる(図7のS100,S101)。
その後、戻しローラ11を反時計方向に回転させ、用紙Pをステイプラ8の方向に移動させる。併せて排紙ローラ3は時計方向に回転させて、Z折りの折り部が排紙ローラ3を乗り越え易くする(図7のS102)。
戻しローラ11および排紙ローラ3の回転を続けると、図5(c)に示すように用紙Pの折り部内側a点が排紙ローラ3を乗り越え、ステイプルトレイ6に乗った状態になる。
その後、後端検知センサ7がONになるまで用紙Pを移動させた後(図7のS103)、戻しローラ11の回転方向を変更し、時計方向に回転させる(図7のS104)。
そうすると用紙P全体は排出方向に移動するが、排紙ローラ3は時計方向に回転させているため、図5(d)に示すように用紙Pの折り部内側a点は排紙ローラ3で移動を停止する。この動作を更に続けると、用紙Pの折り部の後端は排紙ローラ3の回転により、ステイプラ8側に移動され、一方、用紙Pの上側は戻しローラ11の回転により排出方向に移動される。この相反する力が用紙Pに加わるため、折り部が広がっていた用紙Pは、図6(a)に示すように折り部がたたむ方向に動かされ、用紙Pの後端が戻しローラ当接センサ13を通過するまで移動すると、最後には図6(b)に示すように折り部が用紙Pの下側に潜り込むように動いて折り部がたたまれる(図7のS105)。
その後、図6(c)に示すように戻しローラ11を反時計方向に回転させると、用紙PはZ折りの折り部が下に潜ってたたまれた適正な形で、図6(d)に示すようにステイプルトレイ6上をステイプラ8の方向に向かって移動される(図7のS106)。
用紙Pの後端が検知されて後端検知センサ7がONしたとき、用紙Pはステイプル処理位置に到達するため、戻しローラ11及び排紙ローラ3の回転を停止させる(図5のS107,S108)。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0024】
〔実施形態2〕
次に、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における要部構成及びその動作例について説明する。なお、本実施形態2に係る用紙後処理装置100の全体構成及びその動作は、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0025】
図8及び図9はそれぞれ、本実施形態2に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成を示す正面図及び平面図である。また、図10は同後処理・排出部におけるストッパーの駆動機構の説明図であり、図11は同ストッパーの移動と排紙トレイとの関係を示す説明図である。また、図12は、同用紙後処理装置のステイプルトレイ内に格納されたストッパーの様子を示す正面図である。
【0026】
本実施形態2の用紙後処理装置は、上記実施形態1の構成に加えて、用紙搬送規制手段としてのストッパー14を備えている。ストッパー14は、図8に示すように排紙ローラ3のステイプラ8方向の端面側に、図9に示すように互いに隣り合う排紙ローラ3の間に配置される。ストッパー14は排紙ローラ3の駆動源で駆動されることにより、排紙ローラ3の回転に合わせて上下動でき、図12に示すようにステイプルトレイ6内に格納される。また、排紙ローラ3が時計方向に回転した場合にはストッパー14は上昇し、排紙ローラ3が反時計方向に回転した場合にはストッパー14は下降する。このようにストッパー14を上下動させることにより、ステイプル処理後に用紙束を排紙トレイ9に排紙する際に、用紙束の搬送の障害とならないようになる。
また、ストッパー14は排紙ローラ3を回転し続けても、図11に示すように格納位置より下には降下せず、ある一定の位置より上には上昇させないようにする。例えばストッパー14を昇降させるギアに、一定以上のトルクが与えられた場合に空転させるトルクリミッター機構を設けるようにする。
【0027】
また、図10に示すように、駆動源140cの回転により、ベルト140bで接続された排紙ローラ3が回転し、同時にベルト140bを通じてギア140d,140eを回転させることでベルト140bに固定されたストッパー14を昇降させる。ギア140dはトルクリミッター機能を具備し、図11に示すように規制材19によりストッパー14が上昇,下降が規制された後は空転して動作しないように構成されている。
【0028】
図13(a)〜(f)は、本実施形態2に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図である。また、図14は、同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャートである。
入口センサ1がOFFしてから用紙Pの後端が搬送ローラ対2を抜けるまでの時間をTm秒とする。Z折りされた用紙Pが搬送され、入口センサ1がOFFしてからTm秒後、戻しローラ11を下降し用紙Pに当接させる(図14のS200,S201)。
その後、戻しローラ11を反時計方向に回転させ、用紙Pをステイプラ8の方向に移動させる(図14のS202)。
用紙Pの後端が後端検知センサ7をONさせるまで移動すると、図13(a)に示すように用紙Pの折り点aが排紙ローラ3を乗り越えた状態となる。
後端検知センサ7がONしたとき、図13(b)に示すように戻しローラ11を停止し、排紙ローラ3を時計方向に回転させることでストッパー14を上昇させる(図14のS203,S204)。
ここで、ストッパー14がステイプルトレイ6内に格納された状態から排紙ローラ3を回転させ、排紙ローラ3を回転させ続けてもストッパー14が上昇しなくなるまでの時間をTn秒とする。また、ストッパー14が最も上昇した状態から排紙ローラ3を下降させ、ストッパー14がステイプルトレイ6内部へ格納完了するまでの時間もTn秒とする。
排紙ローラ3の回転開始からTn秒後、排紙ローラ3の回転を停止させ、図13(c)に示すように戻しローラ11を時計方向に回転させて用紙Pを排紙ローラ3の方向に移動させる(図14のS205,S206)。
そうすると用紙Pの折り点aも排紙ローラ3方向に移動されるが、ストッパー14により移動が阻まれるため、用紙Pの後端が戻しローラ当接センサ13を通過するまでの間に、図13(d9に示すように用紙Pの折り部がたたまれ、且つ、ストッパー14に傾倒した状態となる。
その後、戻しローラ当接センサ13がOFFとなったとき、戻しローラ11の回転を停止させ、排紙ローラ3を反時計方向に回転させて、図13(e)に示すようにストッパー14を下降させる(図14のS207,S208)。
排紙ローラ3の回転開始からTn秒後、図13(f)に示すように折り部がたたまれた状態で用紙Pがステイプルトレイ6上に整合されるため、排紙ローラ3の回転を停止し、戻しローラ11を反時計方向に回転させて用紙Pをステイプラ8方向に移動させる(図14のS209,S210)。
その後、後端検知センサ7がONしたとき、用紙Pはステイプル処理位置に到達するため、戻しローラ11の回転を停止させる(図14のS211,S212)。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0029】
〔実施形態3〕
次に、本発明の更に他の実施形態(実施形態3)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における要部構成及びその動作例について説明する。なお、本実施形態3に係る用紙後処理装置100の全体構成及びその動作は、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
図15は、本実施形態3に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における排紙ローラ周辺の拡大正面図であり、(a)はストッパーを最も下降させた状態を示す図であり、(b)はストッパーを最も上昇させた状態を示す図である。
本実施形態3の用紙後処理装置は、上記実施形態2と同様に、上記実施形態1の構成に加えて、用紙搬送規制手段としてのストッパー15を備えている。本実施形態3のストッパー15は、上記実施形態2のストッパー14とは異なる形状を有している。
図15(a)に示すように、ストッパー15は、上面をステイプルトレイ6と同じ傾斜角度にした形状を有し、水平方向の位置が排紙ローラ3よりステイプラ8側になるように設置されている。また、上記実施形態2のストッパー14と同様に、ストッパー15の駆動源は、排紙ローラ3と共用され、排紙ローラ3の回転に併せてストッパー15が上下動するようになっている。図15(b)に示すようにストッパー15を最も上昇させた際、ストッパー15のステイプラ8側の端面に用紙Pを留めるため、ストッパー15のステイプラ8側の端面とステイプルトレイ6の表面との角度は90°以下となるストッパー15の形状が望ましい。
【0031】
図16(a)〜(d)及び図17(a)〜(c)は、本実施形態3に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図である。なお、同用紙後処理装置の制御例としては、上記実施形態2における図14のフローチャートと同様な制御例を採用することができる。
入口センサがOFFしてから用紙Pの後端が搬送ローラ対2を抜けるまでの時間をTm秒とする。Z折りされた用紙Pが搬送され、入口センサ1がOFFしてからTm秒後、戻しローラ11を下降し用紙Pに当接させる(図14のS200,S201参照)。
その後、戻しローラ11を反時計方向に回転させて用紙Pをステイプラ8の方向に移動させる(図14のS202参照)。その際、用紙Pは折りを施していることから、用紙Pのコシにより、図16(a)に示すように戻しローラ11が当接している点より排紙ローラ3側は用紙Pの折り点aのみがステイプルトレイ6に接している状態となる。用紙Pの後端が後端検知センサ7をONさせるまで移動させることで、用紙Pの折り点aがストッパー15を超える。
後端検知センサ7がONしたとき、図16(b)に示すように、戻しローラ11の回転を停止し、排紙ローラを反時計方向に回転させることでストッパー15を上昇させる(図14のS203,S204参照)。
ここで、ストッパー15がステイプルトレイ6内に格納された状態で排紙ローラ3を回転させてから、排紙ローラ3を回転させ続けてもストッパー15が上昇しなくなるまでの時間をTn秒とする。また、ストッパー15が最も上昇した状態で排紙ローラ3を回転させ、ストッパー15がステイプルトレイ6内部へ格納完了するまでの時間もTn秒とする。
排紙ローラ3の回転開始からTn秒後に排紙ローラ3の回転を停止し、図16(c)に示すように戻しローラ11を時計方向へ回転させ、用紙Pを排紙トレイ9方向に移動させる(図14のS205,S206参照)。そうすることで、用紙Pの折り点aが移動し、ストッパー15の端面に入り込むようになる。
戻しローラ11を時計方向に回転したまま、更に用紙Pを排紙トレイ9方向に移動させることで、用紙Pの折り点aの位置は変化しないが、用紙Pは排紙トレイ9方向に押されるため、図16(d)に示すように用紙Pの折り部が折りたたまれる。
その後、用紙Pがさらに排紙トレイ9方向に移動されることで、用紙Pの折り部が排紙トレイ9側に傾き、最後には図17(a)のように用紙Pの折り点aがストッパー15の端面を外れ、用紙Pの折り部がストッパー15の上面に倒れこみ、用紙Pの後端が戻しローラ当接センサ13を通過する時には用紙Pの折り点aが用紙Pの下側に入りこんで用紙Pの折り部がたたまれる。
戻しローラ当接センサ13がOFFしたとき、戻しローラ11の回転を停止させ、図17(b)に示すように排紙ローラ3を反時計方向に回転させ、ストッパー15を下降させる(図14のS207,S208参照)。
排紙ローラ3の回転開始からTn秒後、排紙ローラ3の回転を停止し、図17(c)に示すように戻しローラ11を反時計方向に回転させ用紙Pをステイプラ8方向に移動させる(図14のS209,S210参照)。
後端検知センサ7がONしたとき、用紙Pはステイプル処理位置に到達するため、戻しローラ11の回転を停止させる(図14のS211,S212参照)。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0032】
〔実施形態4〕
次に、本発明の更に他の実施形態(実施形態4)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における要部構成及びその動作例について説明する。なお、本実施形態4に係る用紙後処理装置100の全体構成及びその動作は、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0033】
図18及び図19はそれぞれ、本実施形態4に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における排紙ローラ及び従動ローラの周辺の拡大正面図及び排紙トレイの方向から見た側面図である。なお、本実施形態4に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における従動ローラ4以外の構成は、上記実施形態1と同様な構成である。本実施形態4の従動ローラ4は上下方向に移動させることができる駆動機構を備えている。
従動ローラ4はガイド部材40jによって固定され、従動ローラ4の軸の両端は規制材40iに挟まれている。規制材40iのレールに沿って従動ローラ4は上下に移動することができる。
駆動源はモータ40hであり、モータ40hの回転により、ギア40f,ギア40gを回転させ、ギア40gに接したガイド部材40jを動かすことで従動ローラ4を上下に移動させる。
従動ローラ4の停止位置は、最も降下させて用紙Pを挟持する閉位置と、最も上昇させた開位置の他に、閉位置と開位置との間に用紙規制位置として1箇所以上の停止位置が設定されている。従動ローラ4の停止位置を2箇所以上設ける場合は、用紙サイズにより従動ローラ4の停止位置を切り替える。
【0034】
図20(a)〜(d)は、本実施形態4に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図である。また、図21は、同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャートである。
入口センサがOFFしてから用紙Pの後端が搬送ローラ対:後2を抜けるまでの時間をTm秒とする。Z折りされた用紙Pが搬送され、入口センサ1がOFFしてからTm秒後、戻しローラ11を下降させ用紙Pに当接させる(図21のS300,S301)。
その後、排紙ローラ3を時計方向に回転させ、戻しローラ11を反時計方向に回転させて用紙Pをステイプラ8方向に移動させる(図21のS302)。
用紙Pの後端が後端検知センサ7をONさせるまで移動させると、図20(a)に示すように用紙Pはステイプルトレイ6に載せられ、排紙ローラ3よりステイプラ8側に寄せた状態となる。
従動ローラ4を最も上昇させた開位置から下降し、用紙規制位置に到達するまでの時間をTr秒とする。その逆の動作で従動ローラ4を用紙規制位置から上昇し、開位置に到達するまでの時間もTr秒とする。
後端検知センサ7がONしたとき、図20(b)に示すように戻しローラ11を停止させ、従動ローラ4を用紙規制位置へ下降させる(図21のS303,S304)。
従動ローラ4をTr秒間下降させた後、従動ローラ4の下降を停止させ、戻しローラ11を時計方向に回転させて用紙Pを排紙トレイ9方向へ移動させる(図21のS305,S306)。
用紙Pの後端が戻しローラ当接センサ13に到達するまで移動させると、図20(c)に示すように用紙Pの折り部が従動ローラ4に傾倒するようになる。排紙ローラ3は時計方向に回転させ続け、用紙Pの折り部が排紙ローラ3を乗り越えないようにする。
戻しローラ当接センサ13がOFFしたとき、戻しローラ11の回転を停止し従動ローラ4を上昇させる(図21のS307,S308)。折り部は自重により排紙ローラ3上に倒れこみ、図20(d)に示すように用紙Pの折り部は用紙Pの下に折りたたまれた状態となる。
従動ローラ4を上昇させてからTr秒後、従動ローラ4を停止させ、戻しローラ11を反時計方向に回転させ用紙Pをステイプラ8方向に移動させる(図21のS309,S310)。
後端検知センサ7がONしたとき、用紙Pはステイプル処理位置に到達するため、戻しローラ11と排紙ローラ3の回転を停止させる(図21のS311,S312)。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0035】
〔実施形態5〕
次に、本発明の更に他の実施形態(実施形態5)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における要部構成及びその動作例について説明する。なお、本実施形態5に係る用紙後処理装置100の全体構成及びその動作は、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
図22、図23及び図24はそれぞれ、本実施形態5に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図、平面図及び左側面図である。また、図25は、ストッパーを回転させた後の様子を示す正面図である。
本実施形態5の用紙後処理装置は、上記実施形態1の構成に加えて、用紙搬送規制手段としてのストッパー16を備えている。本実施形態5のストッパー16は、図22に示すように上部の回転軸部16aが排紙ローラ3の径より小さい径の円筒状であり、その左端から下方に板状に伸びたアーム部16bを有している。ストッパー16の個数は用紙中央部に少なくとも1個配置されればよいが、複数個配置してもよい。例えば図23に示すように互いに隣り合う排紙ローラ3の間に配置されるほうが望ましい。また、アーム部16bは、棒状の形状を有するものであってもよい。
ストッパー16の駆動源は排紙ローラ3と共用され、排紙ローラ3の回転に併せて回転するように構成されている。ストッパー16の回転角は、ステイプルトレイ6上に積載された用紙Pが排紙トレイ9の方向へ移動可能な図22の用紙排出位置から、用紙Pが排紙トレイ9の方向へ移動するのを前記アーム部16bで規制する図25の用紙排出規制位置までの180°までしか回転しないように規制されている。この回転角の規制は、例えば、ストッパー16を昇降させるギアに、ある一定以上のトルクが与えられた場合に空転させるトルクリミッター機構を設けることで実現することができる。また、ストッパー16の下方に延びた板状アーム部16bは、通常図22に示すようにエンドフェンス12の表面もしくは内部に収まるようにする。
【0037】
図26(a)〜(f)は、本実施形態5に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図である。また、図27は、同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャートである。
入口センサ1がOFFしてから用紙Pの後端が搬送ローラ対2を抜けるまでの時間をTm秒とする。Z折りされた用紙Pが搬送され、入口センサ1がOFFしてからTm秒後、図26(a)に示すように用紙Pの折り部内側a点が排紙ローラ3を乗り越え、用紙Pの自重で折り部が下がってしまった状態となる(図27のS400)。
戻しローラ11を下降させ用紙Pに当接させ(図27のS401)、戻しローラ11を反時計方向に回転させながら、排紙ローラ3を時計方向に回転させることでストッパー16を時計方向に回転させる(図27のS402)。
ストッパー16の板状アーム部16bがエンドフェンス12に格納された位置から、ストッパー16の板状アーム部16bがステイプルトレイ6と平行となる位置に到達するまで時間をTo秒とする。その逆の動作であるストッパー16の板状アーム部16bがステイプルトレイ6と平行となる位置から、ストッパー16の板状アーム部16bがエンドフェンス12に格納された位置に到達するまでの時間もTo秒とする。
排紙ローラ3の回転開始からTo秒後、用紙Pの折り部がストッパー16の板状アーム部16bに支えられてステイプルトレイ6の高さまで持ち上がり、図26(b)に示す状態となる(図27のS403)。
排紙ローラ3の回転を停止することでストッパー16の回転を停止し、戻しローラ11を反時計方向に回転させて用紙Pをステイプラ8方向に移動させると、図26(c)に示す状態となる(図27のS404)。
用紙Pの後端が後端検知センサ7をONしたとき、用紙Pの折り部内側a点はステイプルトレイ6に当接する位置まで移動しているため、戻しローラ11の回転を停止する。それと併せて、用紙Pの折り部内側a点が排紙ローラ3を超えて排紙トレイ9側に移動しないようにする目的で、排紙ローラ3を時計方向に回転させストッパー16を地面に対して垂直となる位置まで回転させる(図27のS405,S406)。
ストッパー16の板状アーム部16bがステイプルトレイ6と平行となる位置から、ストッパー16の板状アーム部16bが地面に対し垂直となる位置(鉛直方向に延びた位置)に到達するまでの時間をTp秒とする。その逆の動作であるストッパー16の板状アーム部16bが地面に対し垂直となる位置(鉛直方向に延びた位置)から、ストッパー16の板状アーム部16bがステイプルトレイ6と平行となる位置に到達するまでの時間もTp秒とする。
排紙ローラ3の回転開始からTp秒後、図26(c)に示すようにストッパー16の板状アーム部16bが地面に対し垂直になるため、排紙ローラ3を停止させる。その状態で戻しローラ11を時計方向に回転させて用紙Pを移動させると、図26(e)に示すように用紙Pの折り部がたたまれる(図27のS407,S408)。
その後、戻しローラ当接センサ13がOFFした時、戻しローラ11の回転を停止させ、排紙ローラ3を反時計方向に回転させる(図27のS409,410)。
排紙ローラ3の回転開始からTp秒後、ストッパー16板状アーム部16bはステイプルトレイ6と平行の位置となり、図26(f)に示すように用紙Pの折り部がたたまれた状態となる。 その後、用紙Pをステイプラ8の方向に移動させるため、戻しローラ11を反時計方向に回転させる(図27のS411,S412)。
用紙Pはステイプラ8方向へ移動し、後端検知センサ7がONした時、用紙Pはステイプル処理位置に到達するため、戻しローラ11の回転を停止する。併せて、ストッパー16を格納するため、排紙ローラ3を反時計方向に回転させる(図27のS413,S414)。
排紙ローラ3の回転開始からTo秒後、ストッパー16の板状アーム部16bがエンドフェンス12に格納されるため、排紙ローラ3を停止させる(図27のS415,S416)。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0038】
〔実施形態6〕
次に、本発明の更に他の実施形態(実施形態6)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における要部構成及びその動作例について説明する。なお、本実施形態6に係る用紙後処理装置100の全体構成及びその動作は、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
図28(a)〜(d)は、本実施形態6に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図である。また、図29は、同用紙後処理装置の制御例を示すフローチャートである。
入口センサ1がOFFしてから用紙Pの後端が搬送ローラ対2を抜けるまでの時間をTm秒とする。Z折りされた用紙Pが搬送され、入口センサ1がOFFしてからTm秒後、図28(a)に示すように用紙Pの折り部が、排紙ローラ3を乗り越えた状態となる(図29のS500)。そのとき、図28(b)に示すように排紙トレイ9を上昇させ、用紙Pの折り部を持ち上げる(図29のS501)。
排紙トレイ9の上昇開始から排紙トレイ9に積載された用紙束Qの上面がエンドフェンス12の頂上高さに到達するまでの時間をTq秒とする。排紙トレイ9の上昇開始からTq秒後に排紙トレイ9を停止させる(図29のS502,S503)。
図28(c)に示すように、戻しローラ11を下降させ、その後、図28(d)に示すように戻しローラ11を反時計方向に回転させ、排紙ローラ3は時計方向に回転させることで用紙Pをステイプラ8方向へ移動させる(図29のS504,S505)。そうすることで用紙Pの折り部がたたまれた状態で排紙ローラ3を乗り越えることできるため、用紙Pを適正な状態でステイプラ8方向に移動することができる。
後端検知センサ7がONした時、用紙Pはステイプル処理位置に到達するため、戻しローラ11と排紙ローラ3の回転を停止する(図29のS506,S507)。その後、排紙トレイ9を下降させる(図29のS508)。
排紙トレイ9の下降開始から、排紙トレイ9の待機位置に到達するまでの時間をTs秒とする。排紙トレイ9の下降開始からTs秒後、排紙トレイ9を停止させる(図29のS509,S510)。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0040】
〔実施形態7〕
次に、本発明の更に他の実施形態(実施形態7)に係る用紙後処理装置の後処理・排出部における要部構成及びその動作例について説明する。なお、本実施形態7に係る用紙後処理装置100の全体構成及びその動作は、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0041】
図30及び図31はそれぞれ、本実施形態7に係る用紙後処理装置の後処理・排出部の構成及びその動作例を示す正面図及び平面図である。また、図32は、用紙Pの折り部が排紙ローラを超えていない状態を示す正面図である。
本実施形態7に係る用紙後処理装置では、図30に示すようにステイプルトレイ6のエンドフェンス12の上部にZ折りされた用紙Pの折り部の落ち込みを検知する折り部検知センサ17が設けられている。折り部検知センサ17の上下方向の設置位置は、用紙Pの種類により折り部の落ち込みが少ない場合も検知できるように排紙ローラ3と同じ高さが望ましい。また、折り部検知センサ17の奥行き方向の位置は、用紙中央辺りを検知できる位置に配置することが望ましい。図示の用紙後処理装置では、用紙Pをステイプルトレイ6の中央に揃えて処理する方式を例として挙げているため、折り部検知センサ17は図31に示すようにステイプルトレイ6の中央に配置されている。
また、折り部の落ち込む位置が紙種や用紙サイズにより変化するため、折り部検知センサ17はZ折り可能な最大用紙サイズの1/2の距離の用紙有無を検知できるセンサ、例えば反射型フォトセンサが望ましい。
また、排紙トレイ9は用紙Pの先端が入口センサ1に到達する前に折り部センサ17に検知されない位置まで降下させる。
また、用紙Pの先端が入口センサ1に到達した直後からステイプルトレイ6上に排紙が完了するまで折り部検知センサ17にて用紙有無を検知する。用紙Pがあると検知した場合は、用紙Pの折り部が排紙ローラ3を超えてしまった状態であるため、例えば上記実施形態1で示した制御のように用紙Pの後端部を移動させて用紙Pの折り部をたたむ処理を行う。一方、用紙Pが無いと検知した場合は、図32に示すように用紙Pの折り部が排紙ローラ3を超えていないため、上記実施形態1で示した制御のような用紙Pの後端部を移動させて用紙Pの折り部をたたむ処理は行わず、通常の動作である戻しローラ11を反時計方向に回転させてステイプラ8方向に用紙Pを引き込む処理を行う。
以上の制御は、連続して処理される複数の用紙の1枚目のみ実施される。
【0042】
図33は、前述の各実施形態に係る用紙後処理装置に用いることができる制御系の構成例を示すブロック図である。各実施形態に係る用紙後処理装置100に設けられた制御手段としての制御部101は、例えばCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェース等で構成され、所定のプログラムを読み込んで実行することにより、様々な検知、測定、制御等を行うことができる。
例えば、制御部101は、前述の入口センサ1、戻しローラ当接センサ13、折り部検知センサ17、用紙先端検知センサ43、排紙センサ44、上面検知センサ102などが接続され、これらのセンサーの検知結果に基づいて前述の各種制御を行うことができる。
また、制御部101は、排紙トレイ9を上下動させるように排紙トレイ駆動部103を制御したり、搬送ローラ対2,22を回転駆動するように搬送ローラ駆動部104を制御したりすることができる。
また、制御部101は、排紙ローラ3及びストッパー14、15、16を連動して回転駆動するように駆動源のモータを共用する排紙ローラ駆動部105を制御することができる。
また、制御部101は、戻しローラ11を回転駆動するように戻しローラ駆動部106を制御したり、ステイプルトレイ6上に積載された用紙Pを揃える整合手段としてのジョガー対5や後端フェンス対42を動作させるように整合駆動部107を制御したり、ステイプラー8による用紙Pの綴じ処理を制御したりすることができる。
また、制御部101は、ユーザが操作可能な操作部302を備えた画像形成装置300の本体とその制御手段である本体制御部301を介して通信することができる。本体制御部301も、例えばCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェース等で構成され、所定のプログラムを読み込んで実行することにより、様々な制御等を行うことができる。
【0043】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
処理対象の用紙Pを搬送する搬送ローラ対2,22等の搬送手段と、前記搬送手段で搬送されてきた用紙Pが一時的に積載されるステイプルトレイ6等の一時積載手段と、前記一時積載手段に積載された複数の用紙Pを整合する戻しローラ11及び後端フェンス対42等の整合手段と、前記整合手段で整合された複数の用紙Pからなる用紙束Qを処理するステイプラ8等の用紙束処理手段と、前記用紙束処理手段で処理された用紙束を排出する排紙ローラ3等の用紙排出手段と、前記排出された用紙束Qが積載される排紙トレイ9等の排出用紙積載手段と、を備えた用紙後処理装置100であって、前記一時積載手段は、処理対象の用紙として、端部が折りたたまれた折り部を有する用紙Pが積載され、一時積載手段に積載されている用紙の折り部がある先端部を排出用紙積載手段の方向へ移動しないように用紙排出手段によって規制した状態で、戻しローラ11及び後端フェンス対42等の整合手段によって用紙Pの後端部を排出用紙積載手段の方向へ移動させるように制御する制御部101等の制御手段を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記排紙手段及び整合手段の制御により、上記用紙Pの先端と後端との距離を縮めて撓ませて、用紙Pの広がった折り部を一時積載手段上でたたむことができるので、折り部が適正にたたまれた状態で用紙Pを一時積載手段上で整合してスタックさせることができる。しかも、上記制御に既存の排紙手段及び整合手段を利用できるため、新たな機構や駆動源を設ける必要がなく、装置の小型化及び低コスト化を図ることができるとともに、省資源化も達成できる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、ステイプルトレイ6等の一時積載手段の排紙ローラ3等の用紙排出手段側に設けられ、一時積載手段に積載された用紙Pの排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の方向への移動を規制する規制位置と用紙Pの排出用紙積載手段の方向への移動を規制しない待機位置とを取り得るように、排紙ローラ3等の用紙排出手段と共用される排紙ローラ駆動部105等の駆動源で駆動可能なストッパー14等の用紙搬送規制手段を備え、制御部101等の制御手段は、用紙Pの折り部がある先端部の移動を用紙排出手段によって規制する代わりに、用紙搬送規制手段を前記待機位置から前記規制位置へ移動させることにより用紙Pの折り部がある先端部を排出用紙積載手段の方向へ移動しないように制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、排紙ローラ3等の用紙排出手段と同じ排紙ローラ駆動部105等の駆動源を用いたストッパー14等の用紙搬送規制手段と、戻しローラ11及び後端フェンス対42等の整合手段とを制御することにより、上記用紙Pの先端と後端との距離を縮めて撓ませることができるので、用紙Pの広がった折り部を一時積載手段上でたたむことができる。従って、新たな駆動源を設けることなく、折り部が適正にたたまれた状態で用紙Pを一時積載手段上で整合してスタックさせることができる。しかも、ストッパー14等の用紙搬送規制手段を用いることにより、より広い面で用紙Pの折り部がある先端部を支えることができる、排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の方向への移動をより確実に規制することができる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、前記用紙搬送規制手段は、ステイプルトレイ6等の一時積載手段の積載面上に突出した規制位置に移動可能なストッパー15等の規制部材で構成され、そのストッパー15等の規制部材の用紙Pが当接する壁面と一時積載手段の積載面とのなす角度が鋭角である。これによれば、上記実施形態について説明したように、一時積載手段の積載面上に突出した規制部材で用紙Pの折り部がある先端部を引っ掛けるようにして用紙Pの折り部がある先端部をより確実に規制することができる。特に、用紙Pの折り部の厚さ程度の少ない突出量で用紙Pの折り部を折りたたむことができるので、規制部材の移動量を削減でき消費電力を減らすことができる。
(態様D)
上記態様Aにおいて、前記用紙排出手段は、回転駆動可能な排紙ローラ3等の駆動ローラと、その駆動ローラに上方又は下方から対向し昇降駆動可能な従動ローラ4とを用いて構成され、制御部101等の制御手段は、駆動ローラに接触対向する用紙挾持位置と駆動ローラとの隙間が排紙トレイ9等の排出用紙積載手段への排出口に向けて開放される程度まで駆動ローラから離間した排出口開放位置との間に予め設定された用紙規制位置に、従動ローラ4を移動させることにより、用紙Pの折り部がある先端部が排出用紙積載手段の方向へ移動しないように制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、排紙ローラ3等の駆動ローラと、戻しローラ11及び後端フェンス対42等の整合手段とを制御することにより、上記用紙Pの先端と後端との距離を縮めて撓ませることができ、用紙Pの広がった折り部を一時積載手段上でたたむことができる。従って、新たな駆動源を設けることなく、折り部が適正にたたまれた状態で用紙Pをステイプルトレイ6等の一時積載手段上で整合してスタックさせることができる。しかも、従動ローラ4で用紙Pの折り部を広く支えることができるため、用紙Pの折り部がある先端部をより確実に規制することができる。
(態様E)
上記態様Aにおいて、排紙ローラ3等の用紙排出手段の近傍に設けられ、回転軸部16aから棒状又は板状に延びたアーム部16bを有し、ステイプルトレイ6等の一時積載手段上に積載された用紙が排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の方向へ移動するのをアーム部16bで規制する用紙排出規制位置と用紙Pが前記排出用紙積載手段の方向へ移動可能な用紙排出位置とを取り得るように、排紙ローラ3等の用紙排出手段と共用される排紙ローラ駆動部105等の駆動源で回動可能な回動可能なストッパー16等の用紙規制回動部材を備え、制御部101等の制御手段は、ストッパー16等の用紙規制回動部材を前記用紙排出位置から前記用紙排出規制位置へ回動させることにより、用紙Pの折り部がある先端部が排出用紙積載手段の方向へ移動しないように制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、ストッパー16を回動させることにより、排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の直上の空間に垂れ下がってしまった用紙Pの折り部を支持してステイプルトレイ6等の一時積載手段の高さまで引き上げることができる。従って、用紙Pをスムーズに一時積載手段の積載面に載せることができるので、用紙Pの引き上げ時の用紙Pへのダメージを減少させることができる。
(態様F)
上記態様A乃至態様Eのいずれかの態様において、排紙トレイ9等の排出用紙積載手段は昇降駆動可能に構成され、制御部101等の制御手段は、搬送ローラ対2,22等の搬送手段によって用紙Pがステイプルトレイ6等の一時積載手段上に搬送された後、排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の載置面をステイプルトレイ6等の一時積載手段の載置面と同程度の高さまで上昇させるように制御する。これによれば、上記実施形態について説明したように、排紙トレイ9等の排出用紙積載手段を上昇させることで排出用紙積載手段の直上の空間に垂れ下がってしまった用紙Pの折り部をステイプルトレイ6等の一時積載手段の載置面の高さまで引き上げることができる。従って、用紙Pをスムーズにステイプルトレイ6等の一時積載手段の積載面に載せることができるので、折り部を有する用紙Pの引き上げ時の用紙Pへのダメージを減少させることができる。
(態様G)
上記態様A乃至態様Fのいずれかの態様において、搬送ローラ対2,22等の搬送手段によって用紙Pがステイプルトレイ6等の一時積載手段上に搬送されたときに用紙Pの折り部が排紙トレイ9等の排出用紙積載手段上に垂れ下がった折り部の垂れ下がりを検知する折り部検知センサ17等の検知手段を備え、制御部101等の制御手段は、前記検知手段によって用紙Pの折り部の垂れ下がりが検知されたときに、用紙Pの折り部がある先端部を排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の方向へ移動しないように規制した状態で用紙Pの後端部を排紙トレイ9等の排出用紙積載手段の方向へ移動させる制御を実行する。これによれば、上記実施形態について説明したように、折り部検知センサ17等の検知手段が用紙Pを検出しなかった場合は用紙Pの折り部がたたまれた適正な状態でステイプルトレイ6等の一時積載手段に排出されたと判断できるため、用紙Pの折り部を折りたたむための上記制御を実行しないで用紙後処理装置での無駄な電力消費を減らすことができる。
(態様H)
用紙Pに画像を形成する画像形成装置300と、画像形成装置300から出力され端部が折り処理された用紙Pを後処理する上記態様A乃至態様Gのいずれかの態様請求項1乃至7のいずれかの用紙後処理装置とを備えた画像形成システムである。これによれば、上記実施形態について説明したように、折り部が適正にたたまれた状態で画像形成済みの用紙Pを用紙後処理装置100のステイプルトレイ6等の一時積載手段上で整合してスタックさせることができる。しかも、用紙後処理装置100に新たな機構や駆動源を設ける必要がなく、用紙後処理装置100を含む画像形成システムの小型化及び低コスト化を図ることができるとともに、省資源化も達成できる。
【符号の説明】
【0044】
1 入口センサ
2 搬送ローラ対
3 排紙ローラ
4 従動ローラ
5 ジョガー対
6 ステイプルトレイ
7 用紙折りブレード
8 ステイプラ
9 排紙トレイ
10 放出爪
11 戻しローラ
12 エンドフェンス
13 戻しローラ当接センサ
14 ストッパー
15 ストッパー
16 ストッパー
17 折り部検知センサ
22 搬送ローラ対
41 フィラー
42 後端フェンス対
43 用紙先端検知センサ
44 排紙センサ
100 用紙後処理装置
200 用紙折り装置
300 画像形成装置
P 用紙
Q 用紙束
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2007−269488号公報
【特許文献2】特開2009−292638号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段で搬送されてきた用紙が一時的に積載される一時積載手段と、
前記一時積載手段に積載された複数の用紙を整合する整合手段と、
前記整合手段で整合された複数の用紙からなる用紙束を処理する用紙束処理手段と、
前記用紙束処理手段で処理された用紙束を排出する用紙排出手段と、
前記排出された用紙束が積載される排出用紙積載手段と、を備えた用紙後処理装置であって、
前記一時積載手段は、前記処理対象の用紙として、端部が折りたたまれた折り部を有する用紙が積載され、
前記一時積載手段に積載されている用紙の折り部がある先端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動しないように前記用紙排出手段によって規制した状態で、前記整合手段によって該用紙の後端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動させるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項2】
請求項1の用紙後処理装置において、
前記一時積載手段の前記用紙排出手段側に設けられ、前記一時積載手段に積載された用紙の前記排出用紙積載手段の方向への移動を規制する規制位置と該用紙の該排出用紙積載手段の方向への移動を規制しない待機位置とを取り得るように、前記用紙排出手段と共用される駆動源で駆動可能な用紙搬送規制手段を備え、
前記制御手段は、前記用紙の折り部がある先端部の移動を前記用紙排出手段によって規制する代わりに、前記用紙搬送規制手段を前記待機位置から前記規制位置へ移動させることにより前記用紙の折り部がある先端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動しないように制御することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項3】
請求項2の用紙後処理装置において、
前記用紙搬送規制手段は、前記一時積載手段の積載面上に突出した規制位置に移動可能な規制部材で構成され、
前記規制部材の前記用紙が当接する壁面と前記一時積載手段の積載面とのなす角度が鋭角であることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項4】
請求項1の用紙後処理装置において、
前記用紙排出手段は、回転駆動可能な駆動ローラと、該駆動ローラに上方又は下方から対向し昇降駆動可能な従動ローラとを用いて構成され、
前記制御手段は、前記駆動ローラに接触対向する用紙挾持位置と前記駆動ローラとの隙間が前記排出用紙積載手段への排出口に向けて開放される程度まで前記駆動ローラから離間した排出口開放位置との間に予め設定された用紙規制位置に、前記従動ローラを移動させることにより、前記用紙の折り部がある先端部が前記排出用紙積載手段の方向へ移動しないように制御することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項5】
請求項1の用紙後処理装置において、
前記用紙排出手段の近傍に設けられ、回転軸部から棒状又は板状に延びたアーム部を有し、前記一時積載手段上に積載された用紙が前記排出用紙積載手段の方向へ移動するのを前記アーム部で規制する用紙排出規制位置と該用紙が前記排出用紙積載手段の方向へ移動可能な用紙排出位置とを取り得るように、前記用紙排出手段と共用される駆動源で回動可能な用紙規制回動部材を備え、
前記制御手段は、前記用紙規制回動部材を前記用紙排出位置から前記用紙排出規制位置へ回動させることにより、前記用紙の折り部がある先端部が前記排出用紙積載手段の方向へ移動しないように制御することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの用紙後処理装置において、
前記排出用紙積載手段は昇降駆動可能に構成され、
前記制御手段は、前記搬送手段によって前記用紙が前記一時積載手段上に搬送された後、前記排出用紙積載手段の載置面を前記一時積載手段の載置面と同程度の高さまで上昇させるように制御することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかの用紙後処理装置において、
前記搬送手段によって前記用紙が前記一時積載手段上に搬送されたときに該用紙の折り部が前記排出用紙積載手段上に垂れ下がった該折り部の垂れ下がりを検知する検知手段を備え、
前記制御手段は、前記検知手段によって前記用紙の折り部の垂れ下がりが検知されたときに、前記用紙の折り部がある先端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動しないように規制した状態で該用紙の後端部を前記排出用紙積載手段の方向へ移動させる制御を実行することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項8】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置から出力され端部が折り処理された用紙を後処理する請求項1乃至7のいずれかの用紙後処理装置と、を備えた画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−86938(P2013−86938A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230083(P2011−230083)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】