説明

用紙払出ユニットおよび自動販売機

【課題】キャンペーン応募はがきを無駄なく払い出すに好適な簡易な構成の用紙払出ユニットを提供する。
【解決手段】用紙収納部に重ねて収納された用紙を1枚ずつ繰り出して払出口に送り出す繰出しローラと、前記用紙収納部と前記払出口とを結ぶ用紙案内路の途中に設けられた用紙検出センサとを備え、特に払出し信号を受けて繰出しローラを正転駆動して前記用紙を前記払出口から所定量だけ突出させた後、繰出しローラの回転を停止させる第1の制御手段と、前記繰出しローラの回転停止から一定時間後に前記用紙検出センサが用紙の検出状態にあるとき、前記繰出しローラを逆転駆動して前記払出口から突出した用紙を前記用紙案内経路に引き戻す第2の制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の商品販売動作に連動させて、例えばキャンペーン応募はがきをその商品購入者に払い出すに好適な用紙払出ユニットおよび用紙払出ユニットを搭載した自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売戦略の一環として用いられるキャンペーン応募はがきを、自動販売機に付随させて設けて商品購入者等に提供(配布)する場合、一般的には複数枚のキャンペーン応募はがきをまとめて吊り下げて、或いは所定のケースに入れて自動販売機の前面部等に設置される。しかし自動販売機が屋外に設置されるような場合には、キャンペーン応募はがきが風雨に晒されて損傷する虞があることから、専ら、雨除けカバーで覆う等の対策が講じられている。
【0003】
そこで商品購入者にキャンペーン応募はがきを1枚ずつ確実に提供するべく、例えばプリンタ等に組み付けられる給紙装置を応用した、いわゆるはがき払出ユニットを自動販売機に装備することが考えられる。ちなみにプリンタ等に組み付けられる給紙装置は、給紙ストッカに積み重ねて収納した複数枚の用紙(はがき)の、例えば最上部の1枚を繰り出し、これを搬送ローラにて挟み込んで排紙ストッカまで搬送するように構成される(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2007−210723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら自動販売機に上述した給紙装置応用したはがき払出ユニットを組み付けたとしても、必ずしも商品購入者がはがきの払出口(排紙ストッカ)に搬送したキャンペーン応募はがきを持って行く(取り出す)とは限らない。この場合、はがきの払出口(排紙ストッカ)に搬送したキャンペーン応募はがきが無駄になることのみならず、はがきの払出口(排紙ストッカ)に多くのキャンペーン応募はがきが残されると、その後の給紙動作(はがきの払い出し動作)が妨げられる虞もある。更にははがきの払出口(排紙ストッカ)に払い出したキャンペーン応募はがきを雨風から保護するには、例えばはがきの払出口(排紙ストッカ)に蓋体(保護カバー)を設けることが必要となる等の問題も生じる。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、例えば自動販売機の商品販売動作に連動させてキャンペーン応募はがきをその商品購入者に無駄なく払い出すに好適な簡易な構成の用紙払出ユニットを提供することにある。
また同時に本発明は、上述した用紙払出ユニットを搭載した自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するべく本発明に係る用紙払出ユニットは、
<a> 用紙収納部に重ねて収納された用紙を1枚ずつ繰り出して払出口に送り出す繰出しローラと、
<b> 前記用紙収納部と前記払出口とを結ぶ用紙案内経路の途中に設けられた用紙検出センサと、
<c> 払出し信号を受けて前記繰出しローラを正転駆動して前記用紙を前記払出口から所定量だけ突出させた後、前記繰出しローラの回転を停止させる第1の制御手段と、
<d> 前記繰出しローラの回転停止から一定時間後に前記用紙検出センサが用紙の検出状態にあるとき、前記繰出しローラを逆転駆動して前記払出口から突出した用紙を前記用紙案内経路に引き戻す第2の制御手段と
を具備したことを特徴としている。
【0007】
ちなみに前記第1および第2の制御手段は、前記繰出しローラを回転駆動するモータの制御回路に組み込まれた制御機能であって、特に前記第1の制御手段は、前記繰出しローラの正転開始後、前記用紙検出センサにより用紙が検出された時点から前記繰出しローラを一定周長だけ正転させ、前記第2の制御手段は、前記繰出しローラを前記一定周長だけ逆転させるように構成される。好ましくは前記用紙は所定形状のはがきであって、前記用紙検出センサは光電センサからなる。
【0008】
また本発明に係る自動販売機は、上述した構成の用紙払出ユニットを販売機本体の前面部に搭載し、前記販売機本体に対する予め設定された商品の購入操作に連動させて前記払出し信号を発生して前記用紙払出ユニットを起動する払出ユニット起動手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る用紙払出ユニットによれば、払出し信号を受けたとき、繰出しローラを正転駆動して用紙収納部に重ねて収納された用紙を1枚ずつ繰り出して払出口から所定量だけ突出する位置まで送り出した後、所定時間が経過しても上記払出口に用紙が残っている場合には、前記繰出しローラを逆転駆動して前記用紙を所定の位置まで戻すので、用紙が無駄に払い出されることがない。しかも払出口から所定量だけ突出させた用紙が取り出されなかった場合には、その用紙を所定の位置まで戻すので、雨風等の外部環境から用紙を効果的に保護することができる。
【0010】
従って上記用紙払出ユニットをキャンペーン応募はがきの払出装置として自動販売機に組み込めば、キャンペーン応募はがきの無駄のない効率的な配布が可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明に係る用紙払出ユニットについて、たばこの自動販売機に組み込んだキャンペーン応募はがきの払出ユニットを例に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る自動販売機の正面図である。この自動販売機は、その正面部を構成する前扉1に、商品展示部2、商品払出口3および金銭処理部4に加えて、本発明に係る用紙払出ユニットのはがき払出口5を設けて構成される。ちなみに前記商品展示部2は、複数の商品見本を多段に亘って並べて展示すると共に、各商品見本に対応付けて複数の商品選択釦および売切/販売可を示す複数の表示器を設けたものである。また前記金銭処理部4は、コイン投入口、紙幣投入口、金額表示器、釣り銭返却レバー等を備えて構成される。尚、図中6は釣り銭返却口であり、7は電子情報入出力装置(リーダ・ライタ)や表示器等を備えて構成された成人識別装置である。これらの商品展示部2および金銭処理部4等については、本発明の要旨とは直接的な関係がないので、その詳細な説明を省略する。
【0012】
さて上述したように自動販売機の前扉1にはがき払出口5を設けて組み付けられるキャンペーン応募はがきの払出ユニット(用紙払出ユニット)は、概略的には図2にその概観斜視図を示し、また図3にその断面構造を示すように、箱型の筐体11の裏面側の上部に複数枚のキャンペーン応募はがきAを重ねて収納する用紙収納部12を形成すると共に、筐体11の前面側の下部にはがきの払出室13を設けて構成される。また筐体11の裏面側の下部には、払出ユニットの駆動部であるモータ等を収納する駆動室14が設けられている。
【0013】
具体的には図2に示すように箱型の筐体11の内側には、その内部空間を前後方向に区画して前記用紙収納部12の主面を形成する隔壁体15が設けられており、更にこの隔壁体15の裏面側には前記筐体11の内部空間を上下に区画して前記用紙収納部12の台座面を形成する棚板体16が設けられている。そして前記用紙収納部12は、上記隔壁体15および棚板体16と前記筐体11の周壁とにより囲まれて、その背面側を開放した空間として実現されている。またこの用紙収納部12の開放された背面側には、その下端部が軸支されて上端側を回動可能に取り付けた裏蓋体17が設けられている。この裏蓋体17を開けることにより前記用紙収納部12に複数枚のキャンペーン応募はがきAが装填可能な状態となり、複数枚のキャンペーン応募はがきAはその下端部を前記棚板体16上に並べて前記隔壁体15に立て掛けた状態で収納される。
【0014】
尚、前記裏蓋体17の内側上端部には図示しないばねにより前記用紙収納部12の内側(隔壁体15側)に向けて回動付勢されたアーム体18が軸支されている。そしてこのアーム体18の下端部(先端部)に軸支された押圧ローラ19により、前記用紙収納部12に収納されて前記棚板体16上に並べられた複数枚のキャンペーン応募はがきAが該用紙収納部12の主面をなす前記隔壁体15に向けて押圧されており、これによって複数枚のキャンペーン応募はがきAの整列状態が保たれるようになっている。
【0015】
ところで前述した隔壁体15の下端部と、この隔壁体15に対峙する前記棚板体16の端部との間には、前記キャンペーン応募はがきAが通過可能な隙間が前記用紙収納部12の用紙繰り出し口20として形成されている。そしてこの用紙繰り出し口20に連なって前述した筐体11の前面側下部に設けられたはがきの払出室13に通じるスリット状の用紙案内路21が形成されている。この用紙案内路21は、所定の隙間(スリット)を設けて対向配置され、前記筐体11の前面下部に向けて湾曲した一対の壁面部材22,23により形成されるものである。
【0016】
尚、これらの壁面部材22,23は、前述した棚板体16と共に前記筐体11の内部を区画して、この払出ユニットの駆動部であるモータ24等を収納する前述した駆動室14を形成する役割も担っている。また壁面部材22,23によって形成される用紙案内路21の用紙移送路長は、例えば前記キャンペーン応募はがきAの長さの半分程度に設定されている。このように用紙案内路21の長さを設定することで、後述するようにキャンペーン応募はがきAの先端部をはがきの払い出し口5から所定長だけ突出させた状態においては、該キャンペーン応募はがきAの後端部が前記用紙収納部12内に半分程度残された状態にされる。つまりキャンペーン応募はがきAが半分程度だけ繰り出した状態となる。
【0017】
一方、前記筐体11の前面側下部に設けられたはがきの払出室13には、その開口部である払出口5を覆って透明な蓋体26が設けられている。この蓋体26は、その上端辺部を軸支されて筐体11の前面側に開閉自在に設けられたもので、常時は自重によりまたはバネにより付勢されて略鉛直状態に位置付けられて前記はがきの払出口5を覆う役割を担う。そしてこの蓋体26は、後述するように前記用紙収納部12から前記用紙案内路21を通してキャンペーン応募はがきAが送り出されたとき、このキャンペーン応募はがきAの先端部によりその下端部が押圧されて若干回動し、前記はがきの払出口5の下側を該キャンペーン応募はがきAが通過し得る程度に若干開ける。またこの蓋体26は、前記筐体11(自動販売機の前面側)からその下端部を持ち上げることによって大きく回動し、前記はがきの払出口5の全体を開口し得るように設けられている。
【0018】
このように筐体11の内部に複数枚のキャンペーン応募はがきAを重ねて収納する用紙収納部12を形成し、またこの用紙収納部12とはがきの払出室13とを結ぶ用紙案内路21を形成した払出ユニットにおける前記キャンペーン応募はがきAの繰り出し機構は、次のように構成されている。即ち、この繰り出し機構は、前記用紙収納部12に設けられて該用紙収納部12からキャンペーン応募はがきAを、隔壁体15に接しているものから順に1枚ずつ繰り出す繰出しローラ31、前記用紙案内路21に設けられて該用紙案内路21に重ね合わせられた状態のまま繰り出されたキャンペーン応募はがきAを分離する戻しローラ32および案内ローラ33とからなる。
【0019】
具体的には前記繰出しローラ31は、前記隔壁体15の裏面側、換言すれば筐体11の前面側に軸支され、そのローラ面を前記用紙収納部12内に僅かに突出させて設けられている。この繰出しローラ31は、用紙収納部12内に重ねて収納された複数枚のキャンペーン応募はがきAの内、隔壁体15に接している最奥部のキャンペーン応募はがきAに当接し、このキャンペーン応募はがきAをその回転に伴う摩擦力により用紙収納部12から繰り出す役割を担う。
【0020】
また前記戻しローラ32は前記駆動室14内に軸支され、そのローラ面を前記用紙案内路21内に僅かに突出させて設けられており、前記繰出しローラ31とは逆向きに回転駆動されている。またこの戻しローラ32に対峙させて前記案内ローラ33が設けられている。これらのローラ32,33は、用紙案内路21内に重ね合わせられた状態のまま繰り出された2枚のキャンペーン応募はがきAを挟み込むことで、前記繰り出しローラ31により繰り出されたキャンペーン応募はがきAに重なって繰り出された次のキャンペーン応募はがきAに逆向きの摩擦力を加え、これによってこれらのキャンペーン応募はがきAを分離する役割を担う。尚、上記繰出しローラ31、戻しローラ32および案内ローラ33は、前記モータ24によりそれぞれ回転駆動されるが、特に上記戻しローラ32は図示しないワンウェイクラッチを介して一方向にだけ回転駆動されるようになっている。
【0021】
また前記用紙案内路21の所定位置、具体的には前記はがきの払出室13を望む前記用紙案内路21の端部位置には、用紙検出センサ34が設けられている。この用紙検出センサ34は、例えば光電センサからなり、その設置箇所にキャンペーン応募はがきAが存在するか否かを光学的に検出する役割を担っている。特にこの用紙検出センサ34は、用紙案内路21に繰り出されたキャンペーン応募はがきAの先端部が通過したタイミングでオン/オフ動作して、キャンペーン応募はがきAの繰り出し位置を検出する役割を担っている。
【0022】
図4は、機構的には上述した如く構成された用紙払出ユニットの制御系の概略的な構成を示している。この制御系は、例えばマイクロプロセッサ(CPU)を主体とし、自動販売機本体から与えられる払出信号(トリガ信号)を受けて起動されるモータ制御部41により構築される。特にこのモータ制御部(CPU)41は、前記モータ24の回転を正転または逆転駆動するモータ駆動手段42と、前記用紙検出センサ(光電センサ)34の出力を受けてキャンペーン応募はがきAの繰り出し位置を検出するはがき検出手段43、およびタイマ44とを備え、図5に示す処理手順に従ってモータ24の駆動を制御する。
【0023】
このモータ制御部41による前記モータ24の駆動制御について図5を参照して説明すると、このモータ24の駆動によるキャンペーン応募はがきAの払出制御は、例えばキャンペーン対象商品の商品選択釦が押圧操作されたときに自動販売機本体から発せられる払出信号(トリガ信号)を受けて起動される。このような払出信号を受けると、モータ制御部41は先ず前記モータ24を正転駆動し、戻しローラ32を逆転させた状態で前記繰り出しローラ31を正転させて前記用紙収納部12からキャンペーン応募はがきAを繰り出し、用紙案内路21に導く〈ステップS1〉。この状態において前記用紙検出センサ(光電センサ)34の出力を監視し、上述した如く用紙収納部12から繰り出されたキャンペーン応募はがきAの先端部が前記用紙検出センサ(光電センサ)34の設置位置に到達したか否かを検出する〈ステップS2〉。そして用紙検出センサ(光電センサ)34の設置位置にキャンペーン応募はがきAの先端部が到達したならば、前記モータ24を所定回転数だけ継続して回転(正転)させた後、該モータ24の回転を停止させる〈ステップS3〉。
【0024】
上記キャンペーン応募はがきAの検出タイミングから前記モータ24の回転を停止させるまでの回転数は、モータ24によって回転駆動される前記繰り出しローラ31により送り出されるキャンペーン応募はがきAの移送量によって決定されるものであって、具体的にはキャンペーン応募はがきAの先端部が前記はがきの払出口5から数十mm程度突出するまでの移送長(繰り出しローラ31の回転周長)に相当するモータ24の回転数として定められる。
【0025】
このようなモータ24の正回転制御により、前記用紙収納部12から繰り出されたキャンペーン応募はがきAは、その先端部を前記はがきの払出口5から数十mm程度突出させた状態まで移送される。従って自動販売機の利用者は、はがきの払出口5から先端部を突出しているキャンペーン応募はがきAを視認することが可能となり、指先にてキャンペーン応募はがきAを摘んではがきの払出口5から取り出すことが可能となる。尚、キャンペーン応募はがきAの先端部を前記はがきの払出口5から数十mm程度突出させた状態は、該キャンペーン応募はがきAの後端部が前記用紙収納部12内に残された状態である。
【0026】
さて上述したようにしてモータ24の正回転制御してキャンペーン応募はがきAを所定の位置まで繰り出したならば、前記モータ制御部41は次にタイマ44を起動した後〈ステップS4〉、前記用紙検出センサ(光電センサ)34によって検出されるキャンペーン応募はがきAの有無を監視する〈ステップS5〉。そして用紙検出センサ(光電センサ)34の出力がオフとなったとき、前述した如くはがきの払出口5に繰り出したキャンペーン応募はがきAが、はがきの払出口5から取り出されたと判断して上述した一連の前記モータ24の駆動制御によるはがきの払出処理を終了する〈ステップS5〉。
【0027】
これに対して前記用紙検出センサ(光電センサ)34の出力がオン状態に保たれている場合には、前述した如くはがきの払出口5に繰り出したキャンペーン応募はがきAがそのままはがきの払出口5に残されていると判断する〈ステップS5〉。そしてはがきの払出口5にキャンペーン応募はがきAが残されている状態が、予め設定した時間を経過したか否かを前記タイマ44によって計時されている時間から判定し〈ステップS6〉、例えば10秒を経過しているような場合には、例えば前記モータ24を所定回転数だけ逆転駆動して〈ステップS7〉、はがきの払出処理を終了する。
【0028】
このモータ24の逆転駆動は、前述した繰り出しローラ31によるキャンペーン応募はがきAの引き戻し処理であって、この処理によって前述した如くはがきの払出口5から先端部を突出させていたキャンペーン応募はがきAが、用紙搬送路21内に引き戻される。この際、前記戻しローラ32は、前述したようにワンウェイクラッチを介してモータ24からの回転力を受けず、空転状態となる。これ故、繰り出しローラ31の逆転によるキャンペーン応募はがきAの引き戻しに支障が生じることがない。従ってキャンペーン応募はがきAが、その先端部をはがきの払出口5から突出させた状態のまま放置されることがなくなる。尚、モータ24の逆転については、例えば前記用紙検出センサ(光電センサ)34によってキャンペーン応募はがきAの存在が検出されなくなるまで、つまりキャンペーン応募はがきAが用紙搬送路21内に引き戻されたことが確認されるまで行うことも可能である。
【0029】
かくして上述した如くキャンペーン応募はがきAの払い出しを制御する用紙払出ユニットによれば、払出信号を受けてキャンペーン応募はがきAの先端がその払出口5から所定長だけ突出する途中状態まで払い出した後、そのキャンペーン応募はがきAが取り出されなかった場合には、所定時間経過後に上記キャンペーン応募はがきAをユニット内に引き戻すので、キャンペーン応募はがきAを無駄にすることがない。特に雨風等の周囲環境によってキャンペーン応募はがきAが損傷する虞がなくなる。
【0030】
そして再度の払出信号を受けたときには、前述した如く用紙搬送路21内に引き戻したキャンペーン応募はがきAが、再度、繰り出しローラ31の回転に伴って繰り出されることになる。この場合にも、前記用紙検出センサ(光電センサ)34によってキャンペーン応募はがきAの先端部が検出されたタイミングからモータ24が所定の回転数だけ正転駆動されるので、キャンペーン応募はがきAは前記はがきの払出口5から一定量だけ突出した状態となる。従ってキャンペーン対象商品の購入者に対してキャンペーン応募はがきAを確実に配布することが可能となる。
【0031】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここではキャンペーン応募はがきAの払い出しを例に説明したが、キャラクタ・シール等の販促品を提供するような場合にも本用紙払出ユニットを同様に使用することができる。またモータ24の正転・逆転制御についても、例えばローラ31,32,33の回転数や回転周長を検出しながら行うことも可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動販売機の構成を示す正面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る用紙払出ユニットの概略構成を示す外観斜視図。
【図3】図2に示す用紙払出ユニットの内部構造を示す断面図。
【図4】図2に示す用紙払出ユニットの制御系の概略構成図。
【図5】図2に示す用紙払出ユニットにおける払い出し処理の概略的な処理手順の一例を示す図。
【符号の説明】
【0033】
5 はがきの払出口
11 筐体
12 用紙収納部
13 はがきの払出室
17 裏蓋体
19 押圧ローラ
21 用紙案内路
24 モータ
26 蓋体
31 繰出しローラ
32 戻しローラ
33 案内ローラ
34 用紙検出センサ(光電センサ)
41 モータ制御部(CPU)
42 モータ駆動手段
43 はがき検出手段
44 タイマ
A キャンペーン応募はがき(用紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙収納部に重ねて収納された用紙を1枚ずつ繰り出して払出口に送り出す繰出しローラと、
前記用紙収納部と前記払出口とを結ぶ用紙案内経路の途中に設けられた用紙検出センサと、
払出し信号を受けて前記繰出しローラを正転駆動して前記用紙を前記払出口から所定量だけ突出させた後、前記繰出しローラの回転を停止させる第1の制御手段と、
前記繰出しローラの回転停止から一定時間後に前記用紙検出センサが用紙の検出状態にあるとき、前記繰出しローラを逆転駆動して前記払出口から突出した用紙を前記用紙案内経路に引き戻す第2の制御手段と
を具備したことを特徴とする用紙払出ユニット。
【請求項2】
前記第1および第2の制御手段は、前記繰出しローラを回転駆動するモータの制御回路に組み込まれた制御機能であって、
前記第1の制御手段は、前記繰出しローラの正転開始後、前記用紙検出センサにより用紙が検出された時点から前記繰出しローラを一定周長だけ正転させ、
前記第2の制御手段は、前記繰出しローラを前記一定周長だけ逆転させるものである請求項1に記載の用紙払出ユニット。
【請求項3】
前記用紙は所定形状のはがきであって、前記用紙検出センサは光電センサである請求項1に記載の用紙払出ユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の用紙払出ユニットを販売機本体の前面部に搭載した自動販売機であって、
前記販売機本体に対する予め設定された商品の購入操作に連動させて前記払出し信号を発生して前記用紙払出ユニットを起動する払出ユニット起動手段を備えることを特徴とする自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−83608(P2010−83608A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253287(P2008−253287)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】