説明

田植機搭載型薬剤散布装置

【課題】 田植機に搭載され、田植え作業と並行して農薬・肥料等、顆粒状の薬剤を散布する散布装置において、薬剤の飛散方向の範囲を広くして、薬剤を幅広く均一に散布できるようにする。
【解決手段】 薬剤を収納する収納部と、円周方向に回転可能な円板32と、該円板32の表面に取り付けられ、前記薬剤が前記収納部から前記円板32の表面に落下した位置Pにおいて前記円板32の回転に伴って前記薬剤を弾き飛ばす複数の打撃面33a〜36aを有する羽根部33〜36とを備え、3種類の前記打撃面33a〜36aが、それぞれ前記円板32の表面における前記薬剤の落下位置Pを通過する位置において、前記円板32の半径方向32aに対する角度に関して相互に異なることを特徴とする田植機搭載型薬剤散布装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、田植機に搭載され、田植え作業と並行して顆粒状の農薬・肥料等の薬剤を散布する田植機搭載型薬剤散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
稲作において、苗の発芽から水田への植え付けは、以下の手順により行われることが一般的である。はじめに、苗床を設けた箱の中に種籾をまいて発芽させ、一定の大きさになるまで育てる。ここで、用いられる箱は育苗箱と呼ばれ、一定の規格をもって作られている。次に、育苗箱にて一定の大きさに育てられた苗を田植機の苗載せ台に載せて水田に植え付ける。そして、この苗の植え付けと同時に、病害虫駆除や除草のための顆粒状の薬剤を水田に散布する。従来、顆粒状の薬剤を散布する散布装置は田植機に搭載され、田植機の走行中に作動させることで水田に薬剤を散布している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この散布装置は、農薬・肥料等の薬剤を収納した収納部と、収納部から供給された薬剤を水田に拡散させるインペラとを備えており、インペラは、モータの回転軸に中心を固定された円板と、円板の表面に立設された2枚の羽根部とを備えている。これら2枚の羽根部は、円板の回転に伴って薬剤を弾き飛ばすものであり、薬剤を弾き飛ばす打撃面が円板の半径方向に延びるように形成されている。なお、薬剤は、収納部の下端に設けられたパイプ部を介して、円板の表面の所定位置(落下位置)に落下するようになっている。
このインペラをモータの駆動力により一方向に回転させた状態で、収納部から円板の表面側に落下させた際には、各羽根部の打撃面に薬剤が、円板における落下位置から、円板の半径方向の略直交方向に弾き飛ばされることになる。
【特許文献1】特開平11−308959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の散布装置では、各打撃面が円板の半径方向に延びるように形成されているため、いずれの羽根部も、落下位置において薬剤を円板の半径方向の略直交方向に弾き飛ばすことになる。すなわち、薬剤の飛散方向が限定されるため、薬剤を幅広く均一に散布することが困難であるという問題がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、薬剤の飛散方向の範囲を広くして、薬剤を幅広く均一に散布できる田植機搭載型薬剤散布装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、田植え作業と並行して、顆粒状の薬剤を散布する田植機搭載型薬剤散布装置であって、前記薬剤を収納する収納部と、円周方向に回転可能な円板と、該円板の表面に取り付けられ、前記薬剤が前記収納部から前記円板の表面に落下した位置において前記円板の回転に伴って前記薬剤を弾き飛ばす複数の打撃面を有する羽根部とを備え、少なくとも2つの前記打撃面が、それぞれ前記円板表面における前記薬剤の落下位置を通過する位置において、前記円板の半径方向に対する角度に関して相互に異なることを特徴とする田植機搭載型薬剤散布装置を提案している。
【0006】
この発明に係る田植機搭載型薬剤散布装置によれば、円板が回転している状態で薬剤を収納部から落下位置に供給した場合には、薬剤が各打撃面によって弾かれ、主として打撃面の垂直方向に飛散することになる。このため、同じ落下位置において相互に異なる角度に配される2つの打撃面に弾かれる薬剤は、各打撃面に応じて相互に異なる方向に飛散することになる。なお、田植え作業と並行して水田や苗等に散布される薬剤としては、例えば、農薬や肥料がある。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の田植機搭載型薬剤散布装置において、少なくとも1つの前記打撃面が、前記落下位置に配された状態において、前記半径方向から回転方向の後方側に傾斜していることを特徴とする田植機搭載型薬剤散布装置を提案している。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の田植機搭載型薬剤散布装置において、少なくとも1つの前記打撃面が、前記落下位置に配された状態において、その打撃面が前記半径方向から回転方向の前方側に傾斜するように配されていることを特徴とする田植機搭載型薬剤散布装置を提案している。
これらの発明に係る田植機搭載型薬剤散布装置によれば、少なくとも1つの羽根部を回転方向の後方側や前方側に傾斜させているため、落下位置における円板の半径方向の垂直線を基準として、円板の回転方向の前方側や後方側に傾斜した方向に、薬剤を飛散させることができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、落下位置において相互に異なる角度で配される2つの打撃面によって弾かれる薬剤は相互に異なる方向に飛散するため、薬剤を幅広く均一に散布することが可能となる。
【0010】
また、請求項2及び請求項3に係る発明によれば、羽根部を円板の半径方向に対して傾斜して配することにより、収納部から円板への落下位置を変化させることなく、薬剤を弾き飛ばす方向を確実に変えて、薬剤を飛散させる範囲を確実に拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1から図6はこの発明に係る一実施形態を示しており、この実施の形態に係る田植機搭載型薬剤散布装置(以下、散布装置と略す)は、図1に示すように、田植機の後部に位置する苗載せ台Sのさらに後方に設置され、田植作業と並行して顆粒状の農薬(薬剤)を散布する散布機構1と、苗載せ台Sの往復動作に基づいて作動し、散布機構1による農薬の散布を田植え作業に同調させて間欠的に行わせる散布動作制御機構3と、散布機構1や散布動作制御機構3を作動させるための電力を供給する電源機構5とを備えている。
【0012】
散布機構1は、苗載せ台Sの後部に設置された門型の固定枠7に固定され、苗載せ台Sの幅方向の略中央に配されている。固定枠7は、苗載せ台Sの幅方向に離間して配置されたふたつの脚部8を、苗の掻き取り爪を駆動するギヤボックスBにそれぞれネジ止めされている。この散布機構1は、農薬を収納する収納部9と、収納部9の下端に取り付けられた筐体11と、筐体11の下端側に設けられ、収納部9側から供給された農薬を苗載せ台Sの後方に噴出するノズル部13とを備えている。
収納部9は、図2に示すように、縦長の略箱形に形成され、その上面に開口する農薬投入口9aを有する収納部本体9bと、収納部本体9bに取り付けられ、農薬投入口9aを開閉可能とする蓋体9cとを備えている。
【0013】
筐体11の内部には、収納部9からノズル部13に農薬を誘導するパイプ部15が取り付けられ、ノズル部13の動作を制御する制御部17が設けられている。パイプ部15は、その上端部がすり鉢状に形成された収納部9の内底に連通し、その下端部がノズル部13に取り付けられている。
また、筐体11の側面には、針部19aを有するダイヤル19が回動可能に取り付けられており、収納部9の側面に刻まれた目盛(図示せず)に針部19aを合わせることにより、収納部9からノズル部13に供給する農薬の量を任意に調整できるようになっている。さらに、筐体11の表面には、散布装置1の作動を断続する主スイッチ21が設けられている。
【0014】
ノズル部13は、図3に示すように、パイプ部11に連結する連結部23と、農薬の落下を防ぐ遮蔽部25と、遮蔽部25の下端側に設けられた供給管27と、供給管27の下端側に配されたインペラ29と、インペラ29を下方側から覆うと共に農薬を田植機の後方に噴出させる噴出部31とを備えている。
遮蔽部25には、連結部23から供給管27を介してインペラ29に向かう農薬の流路を遮断する遮蔽弁24と、この遮蔽弁24を流路から移動させるソレノイド26とが設けられている。このソレノイド26は、制御部17からの信号に応じて作動し、遮蔽弁24を前記流路から移動させる。すなわち、ソレノイド26の作動時には、農薬が連結部23から供給管27に向けて落下することになる。また、この遮蔽部25には筐体11に設けられたダイヤル19が連結されており、ダイヤル19の回動位置に応じてソレノイド26の作動時間が変化する、すなわち、農薬の落下量を適宜調整することができる。
【0015】
供給管27は、インペラ29を回転駆動させるモータ28と共に、上ケース30a及び下ケース30bの間に設置されており、これら2つのケース30a,30bによりモータ28を農薬など外部の塵埃から保護することができる。
インペラ29は、モータ28の回転軸に中心を固定された円板32と、円板32の表面に立設された4枚の羽根部33〜36とを備えている。円板32は、モータ28の駆動力によって、その円周方向に回転するように配され、特に、モータ28の回転軸を中心とした一方向に回転するように配されている。
【0016】
羽根部33〜36は、図4〜6に示すように、農薬が供給管27の下端から円板32の表面に落下した位置(以下、落下位置と略す)Pにおいて、円板32の回転に伴って農薬を弾き飛ばす打撃面33a〜36aをそれぞれ有している。なお、各打撃面33a〜36aは、円板32の回転方向Rの前方側に位置する羽根部33〜36の面を示しており、円板32の回転軸線L1に略直交する方向に農薬を弾き飛ばす面となっている。
第1、第2の羽根部33,34は、それぞれ打撃面33a,34aが落下位置Pにおける円板32の半径方向32aに略一致するように配されている。この半径方向32aは、苗載せ台Sの幅方向に略一致している。また、第1、第2の羽根部33,34は、相互に円板32の円周方向に180度ずらして配されている。
【0017】
第3の羽根部35及び第4の羽根部36は、それぞれ円板32の円周方向に関して第1、第2の羽根部33,34の中間に配されている。また、第3の羽根部35は、図5に示すように、打撃面35aの落下位置Pにおける円板32の半径方向32aから円板32の回転方向Rの後方側に傾斜している。さらに、第4の羽根部36は、図6に示すように、打撃面36aの落下位置Pにおける円板32の半径方向32aから円板32の回転方向Rの前方側に傾斜している。なお、前記半径方向に対する第3、第4の羽根部35,36の打撃面35a,36aの傾斜角度の絶対値は、相互に等しくなっている。
【0018】
図3に示すように、噴出部31には、田植機の後方、すなわち、インペラ29の側方側に開口する噴出口31aが形成されており、この噴出口31aの幅寸法は、円板32の直径よりもやや長くなっている。噴出口31aの下端部からは、板状の底壁部31bが田植機の後方側に延出して形成されており、噴出口31aから飛散した農薬が散布機構1の直後に落下しないようになっている。また、この底壁部31bは水平方向から下方側に傾斜しており、底壁部31b上に農薬が過剰に残留しないようになっている。
また、噴出部31の両側部には、田植機の後方側に向かうにしたがって苗載せ台Sの幅方向に順次広がる板状の側壁部31cが一対形成されており、農薬が噴出口31aから苗載せ台Sの幅方向に過剰に飛散することを規制している。
さらに、これら側壁部31cの内方側には、農薬の散布幅および散布方向を規制する一対の整流板31d,31eが設けられており、これら整流板31d,31eによりの苗載せ台Sの幅方向への農薬の拡散角度を調整できる。なお、図4に示すように、円板の回転方向Rの前方に位置する整流板31dは、円板32の回転方向Rの後方側に位置する整流板31eよりも長く形成されている。
【0019】
図1に示すように、散布動作制御機構3は、筐体11の内部に設けられた制御部17と、苗載せ台Sの往復動作に基づいて信号を発する検出手段41とを備えている。制御部17は、検出手段41からの信号に基づいて散布機構1を作動させるようになっている。
検出手段41は、苗載せ台Sの表面側に配され、苗載せ台Sの幅方向に延びて苗載せ台Sの表面側に配されたバー43と、この長手方向に移動自在となるようにバー43に取り付けられた近接スイッチ45とを備えている。
【0020】
バー43は、ステー42を介して苗載せ台Sの上端部に固定されており、苗載せ台Sと共に往復移動するように配されている。このバー43には、散布機構1の動作の契機となる磁石44が、バー43の長手方向に等間隔に複数埋設されている。
近接スイッチ45は、苗載せ台Sの往復動作に伴って移動する磁石44の接近を磁力線の作用により検出するものであり、ステー46を介して固定枠7に固定されている。また、この近接スイッチ45は、ケーブル45aによって制御部17に電気的に接続されており、各磁石44の接近を検出した際に信号を制御部17に発するようになっている。
【0021】
制御部17は、筐体11に設けられた主スイッチ21と電気的に接続されており、主スイッチ21をONにした状態において、近接スイッチ45からの信号に応じて散布機構1のソレノイド26が作動するように構成されている。
なお、この制御部17には、図2に示すように、筐体11の表面に設けられた押下スイッチ47が接続されている。この押下スイッチ47を押し下げた状態においては、ソレノイド26が作動されて遮蔽弁24が農薬の流路から後退し、農薬を収納部9からノズル部13の噴出口13aに継続的に流出できる状態になる。すなわち、この押下スイッチ47は、余った農薬を収納部9から外部に排出する役割を果たしている。
【0022】
以上のように構成された散布装置の使用方法について説明する。
はじめに、育苗箱にて育てた苗の束を苗載せ台Sに載せると共に、顆粒状の農薬を収容部9に収納する。次いで、散布機構1の主スイッチ21をONにしてモータ30を作動させることにより、インペラ29が回転を開始する。また、この状態においては、散布機構1が近接スイッチ45のスイッチングに基づいて作動可能な状態となっている。
そして、田植機による苗の植え付けを開始すると、苗載せ台Sがその幅方向に移動する。この植え付け動作の際には、バー41に設けられた複数の磁石44が順次近接スイッチ45を通過する毎に、近接スイッチ45が間欠的にスイッチングされる。そして、近接スイッチ45のスイッチングに同調して、ソレノイド26が作動されることになる。
【0023】
ソレノイド26が作動された際には、農薬が収納部10から供給路27を介して円板32上の落下位置Pに落下する。そして、図4に示すように、この落下した農薬は、各羽根部33〜36の打撃面33a〜36aによって弾かれ、主として打撃面33a〜36aの垂直方向に飛散することになる。
すなわち、例えば、第1、第2の羽根部33,34の打撃面33a,34aによって弾かれた農薬の飛散方向D1は、苗載せ台Sの幅方向に略直交する方向となる。また、例えば、図5に示すように、第3の羽根部35の打撃面35aによって弾かれた農薬の飛散方向D2は、第1、第2の羽根部33,34による農薬の飛散方向D1に対して円板32の回転方向Rの後方側に傾斜した方向となる。
さらに、例えば、図6に示すように、第4の羽根部36の打撃面36aによって弾かれた農薬の飛散方向D3は、第1、第2の羽根部33,34による農薬の飛散方向D1に対して円板32の回転方向Rの前方側に傾斜した方向となる。なお、円板32は高速で回転しているため、ソレノイド29が一度作動した際に落下する所定量の農薬は、各打撃面33a〜36aにおいて多数回に分けて弾き飛ばされることになる。
【0024】
なお、田植機による植え付け速度が変化した場合には、苗載せ台Sの移動速度が同調して遅くなるため、近接スイッチ45による各磁石44の検出の時間間隔が変化する。したがって、近接スイッチ45のスイッチングに同調する散布機構1による農薬散布の時間間隔も変化する。
田植機による植え付け動作を続ける間は、上記のような要領で散布機構1から農薬散布が間欠的に行われるが、植え付け動作を停止した際には、苗載せ台Sの往復移動が停止するため、散布機構1による農薬散布が中断されることになる。
【0025】
上記のように、この田植機搭載型薬剤散布装置によれば、収納部9から落下位置Pに到達した農薬は、各打撃面33a〜36aに応じて相互に異なる3つの方向に飛散することができる。特に、第3、第4の羽根部35,36を円板32の回転方向Rの後方側や前方側に傾斜させているため、落下位置Pにおける円板32の半径方向32aの垂直線(飛散方向D1)を基準として、円板32の回転方向32aの前方側や後方側に傾斜した方向D2,D3に農薬を飛散させることができる。したがって、薬剤を飛散させる範囲を拡大させて、薬剤を幅広く均一に散布することが可能となる。
そして、円板32の表面における落下位置Pを増加させることなく、農薬を幅広く飛散させることができるため、収納部9から円板32に至るまでの流路の構造を簡素化することもできる。
【0026】
また、前記半径方向32aに対する第3、第4の羽根部35,36の打撃面35a,36aの傾斜角度の絶対値が相互に等しいため、飛散方向D1を中心線とする対称な扇状に拡散できる。したがって、散布機構1を苗載せ台Sの幅方向の略中央に配しても、苗載せ台Sの幅方向の両端部に等しく農薬を飛散させることが可能となり、散布機構1の設置を容易に行うこともできる。
【0027】
なお、上記の実施の形態においては、散布機構1の作動の契機となる磁石44をバー43に取り付けるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも近接スイッチ45が磁力線の作用により検出できる磁性体がバー43に配されていればよい。
また、検出手段41は、苗載せ台Sの表面側に配されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも、苗載せ台Sの往復動作に連動して散布機構1の作動の契機となる信号を制御部17に発するものであればよい。したがって、検出手段41の設置位置は、例えば、苗載せ台Sの裏面側であっても構わない。
【0028】
さらに、4つの羽根部33〜36が、3つの異なる方向D1〜D3に弾き飛ばす打撃面33a〜36aを備えるとしたが、これに限ることはなく、羽根部が同じ落下位置Pにおいて相互に異なる角度に配される少なくとも2つの打撃面を備えていればよい。
また、各羽根部33〜36は、それぞれ1つの打撃面33a〜36aを有するとしたが、これに限ることはなく、2つ以上の打撃面を有するとしてもよい。すなわち、例えば、円板32上の任意の位置に、円板32の半径寸法よりも長い板状の羽根部を立設して、この羽根部の表裏面をそれぞれ打撃面として機能させても構わない。
【0029】
さらに、病虫害駆除用の農薬に限ることはなく、田植え作業と並行して散布するものであればよく、例えば、肥料であってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態に係る田植機搭載型薬剤散布装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の田植機搭載型薬剤散布装置において、散布機構を示す概略斜視図である。
【図3】図1の田植機搭載型薬剤散布装置において、ノズル部を示す分解斜視図である。
【図4】図1の田植機搭載型薬剤散布装置において、第1の羽根部が円板上の落下位置に配された際のインペラを示す概略平面図である。
【図5】図1の田植機搭載型薬剤散布装置において、第3の羽根部が円板上の落下位置に配された際のインペラを示す概略平面図である。
【図6】図1の田植機搭載型薬剤散布装置において、第4の羽根部が円板上の落下位置に配された際のインペラを示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0031】
9…収納部、32…円板、32a…半径方向、33〜36…羽根部、33a〜36a…打撃面、P…落下位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
田植え作業と並行して、顆粒状の薬剤を散布する田植機搭載型薬剤散布装置であって、
前記薬剤を収納する収納部と、円周方向に回転可能な円板と、該円板の表面に取り付けられ、前記薬剤が前記収納部から前記円板の表面に落下した位置において前記円板の回転に伴って前記薬剤を弾き飛ばす複数の打撃面を有する羽根部とを備え、
少なくとも2つの前記打撃面が、それぞれ前記円板表面における前記薬剤の落下位置を通過する位置において、前記円板の半径方向に対する角度に関して相互に異なることを特徴とする田植機搭載型薬剤散布装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記打撃面が、前記落下位置に配された状態において、前記半径方向から回転方向の後方側に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の田植機搭載型薬剤散布装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記打撃面が、前記落下位置に配された状態において、その打撃面が前記半径方向から回転方向の前方側に傾斜するように配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の田植機搭載型薬剤散布装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−67(P2006−67A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181150(P2004−181150)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000114938)ヤマト農磁株式会社 (12)
【Fターム(参考)】