説明

画像モデルにおける色成分の修復のための方法、システム、プログラムモジュールおよびコンピュータプログラム製品

本発明は、画像が画像化オプティクスを通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、少なくとも画像化オプティクスおよび画像センサを備えた画像化モジュールで取得されたデジタル画像における画像の質を向上するための方法に関する。この方法では、画像の各色成分の劣化情報が、見つけられ、画像の質を向上するために用いられる。各色成分の劣化情報は、点広がり関数により特定される。各色成分は、前記劣化情報によって修復される。画像は未処理の画像データであってもよい。本発明は、また、複数の修復を実施し、画像の劣化の逆処理を独立に制御して規格化するための他の方法に関する。本発明は、また、機器、モジュール、システム、コンピュータプログラム製品、プログラムモジュールに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理に関し、特にデジタル画像の記憶または取得のためのシステムにおける色成分の修復に関する。
【背景技術】
【0002】
画像のぼけまたは劣化は、例えば光学的なピンぼけ、広角レンズの使用から生ずる他の収差、または、不適切な、絞りの値、焦点距離およびレンズ位置の組み合わせという、様々な因子により引き起こされる。画像の取得過程の間に、長い露光時間が用いられると、カメラまたは対象物の動きが、写真の動きぼけをもたらすことがある。また、短い露光時間が用いられると、捕獲される光子の数が減少し、このことは、捕獲された画像の弱いコントラストに加えて、高いノイズレベルをもたらす。
【0003】
欠陥を含む画像を再構成するための様々な方法が従来技術から知られている。画像の欠陥ブロックは、すべての取り囲むブロックのある平均で置き換えられることができる。欠陥の上に位置する3つのブロックを用いる一例がある。さらに、欠陥領域と同じサイズのスライディングブロックを取ることにより修復し、そのスライディングブロックを画像の中を通って動かす”最隣接マッチング”がある。スライディングブロックが欠陥と重なる位置を除いた各位置で、スライディングブロックの境界周囲のピクセルがベクトルに並べられる。欠陥における境界周囲のピクセルの値が、他のベクトルに並べられて、それらの間の平均2乗誤差が計算される。欠陥領域は、その後、最も値が低い境界ピクセルを有するブロックによって置き換えられる。
【0004】
例えば、失われたか、または、破損したピクセルの良好な再構成を形成することにより、欠陥を隠そうと試みる空間誤り隠ぺい技術がある。その方法の一つとして、欠陥を取り囲む領域におけるピクセルの平均を見つけ、平均のピクセル値で欠陥を置き換えることがある。再構成における分散に対する要求は、欠陥の周囲の領域の分散と等しくすることを付け加えることができる。
【0005】
また種々の補間法を、画像再構成処理において用いることができる。例えば、双線形補間が、矩形の欠陥における4つの角のピクセルに適用できる。これは、欠陥を横切って、ピクセル値が線形で滑らかな変化を作る。双線形補間は、再構成されたピクセル値と、再構成されたピクセルの角におけるピクセルと、再構成されたピクセルから角のピクセルまでの水平および垂直な距離と、によって定義される。他の方法には、画像における失われたサンプルを補間するというエッジセンシティブ非線形フィルタリングがある。
【0006】
画像修復の目的は、修復された画像が可能な限り元の状況に近づいて見えるように、これらの劣化を取り除くことにある。一般に、劣化過程が既知であれば、修復した画像が、劣化の逆過程として得ることができる。この逆の数学的問題について解くいくつかの方法が、先行技術から知られている。しかしながら、これらの技術のほとんどは、問題のモデル化において画像の再構成処理を考慮せずに、単純な線形モデルとみなしている。典型的には、解決法の実施は、非常に複雑であり、コンピュータの計算が必要である。
【0007】
画像の修復は、一般に、ぼけの修正およびノイズフィルタリング、という2つの重要なステップを有している。ぼけの修正に対するいくつかのアプローチが従来技術から知られている。これらのアプローチは、非反復技術と反復技術とに分類される。非反復法において、解決法は、例えばラプラスハイパスフィルタリング、アンシャープマスク、または周波数領域逆フィルタリングという、ワンパス処理アルゴリズムを通して得られる。反復法において、結果は、複数の処理パスの間に精緻化される。ぼけの修正処理は、例えば最小2乗法または適応ランドウェーバアルゴリズムという、精緻化処理に対する基準をセットする費用関数によりコントロールされる。普通、2,3の反復後には、隣り合うステップ間には改善がほとんど見られない。ぼけの修正アルゴリズムをある点を越えて続けることは、例えば、細部の強調過多によるエッジのオーバーシュートまたは色合い不良というような、修復した画像に気にさわる不自然な結果を導入する。ぼけ修正の問題を解決するためのあるアプローチとして、ワンステップであるぼけの修正法を、パラメータを変えながら反復的に適用し、最良の結果を保持することがある(ブラインドデコンボリューション)。
【0008】
従来技術による方法は、通常、天文学および医学の画像のようなハイエンドの用途における画像の修復に適用される。消費者製品におけるそれらの使用は、数量的な画像収集処理、特有の複雑さ、およびこれらのアルゴリズムを実施するために必要な計算能力のために制限される。計算およびメモリ資源を制限した機器において、いくつかのアプローチが用いられている。従来技術による方法は、通常、取得されて記憶された画像に修復が適用されることを意味する、ポスト処理操作として設計されている。ポスト処理操作において、各色成分は、異なる点広がり関数を有している。点広がり関数は、画像化システムの性能を評価するために用いられる重要な基準である。ポスト処理として修復が適用されると、各色成分における異なるぼけについての情報は、もはや関連性がない。画像取得処理の正しいモデリングは、より困難であり、(多くの場合に)非線形である。従って、”逆の”解決法は、正確さにかける。たいてい、デジタルカメラの出力は、jpegフォーマットに圧縮される。もし、修復が圧縮(通常不可逆)後に適用されると、結果は、好ましくないブロッキングな不可逆圧縮に伴う悪い副作用が増大するだろう。
【発明の開示】
【0009】
本発明の目的は、画像を修復するための改良された方法を提供することにある。これは、方法、モデル、モデルの使用、ほけを修正する方法、機器、モジュール、システム、プログラムモジュール、およびコンピュータプログラム製品により達成され得る。
【0010】
本発明によれば、少なくとも結像光学系および画像センサを備えた画像化モジュールで取得されたデジタル画像における画像の質を向上するためのモデルを形成する方法において、前記画像が前記結像光学系を通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、各色成分の劣化情報が見つけられ、画像劣化関数が得られ、前記各色成分が、前記劣化関数によって修復される。
【0011】
本発明によれば、また、デジタル画像における画像の質を向上するためのモデルが提供され、該モデルは請求項に記載の方法により得られる。本発明によれば、また、上記モデルの使用が提供される。
【0012】
さらに、本発明によれば、少なくとも結像光学系および画像センサを備えた画像化モジュールで取得されたデジタル画像における画像の質を向上するための方法において、前記画像が前記結像光学系を通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、前記画像の各色成分の劣化情報が見つけられ、劣化関数が前記劣化情報に従って得られ、前記各色成分が、前記劣化関数によって修復される方法が提供される。
【0013】
さらに、本発明によれば、画像の修復のための方法において、前記修復が、各反復において、規格化を伴うぼけ修正法が導入された反復性の修復関数によって実施される方法が提供される。
【0014】
さらに、本発明によれば、画像化モジュールを備え、デジタル画像における画像の質を向上するためのモデルを決定するシステムにおいて、前記モジュールが、少なくとも結像光学系および画像センサを備え、前記画像が前記結像光学系を通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、前記システムが、前記画像の各色成分の劣化情報を見つけるための第1手段と、前記劣化情報に従った劣化関数を得るための第2手段と、前記劣化関数によって前記各色成分を修復するための第3手段とを有するシステムが提供される。
【0015】
さらに、本発明によれば、画像の質を向上するためのモデルと関係しており、光感知画像センサ上に結像光学系を通して画像を形成するために、該結像光学系および該画像センサを備えている画像化モジュールが提供される。さらに、本発明によれば、画像化モジュールを備えた機器が提供される。
【0016】
さらに、本発明によれば、画像化モジュールを備えた機器における画像の質を向上するためのプログラムモジュールにおいて、該プログラムモジュールが、前記画像の各色成分の劣化情報を見つけるための手段と、前記劣化情報に従う劣化関数を得るための手段と、前記劣化関数によって前記各色成分を修復するための手段とを有するプログラムモジュールが提供される。さらにまた、本発明によれば、反復性の修復における各反復において、規格化を伴うぼけ修正を実施するための手段を備えている、画像の修復のための他のプログラムモジュールが提供される。
【0017】
さらに、画像の各色成分の劣化情報を見つけるための命令と、前記劣化情報に従った劣化関数を得るための命令と、前記劣化関数によって前記各色成分を修復するための命令を備えているコンピュータプログラム製品が提供される。さらにまた、本発明によれば、画像の修復のためのコンピュータプログラム製品において、反復性の修復における各反復において、規格化を伴うぼけ修正を実施するためのコンピュータ読み取り可能な命令を備えているコンピュータプログラム製品が提供される。
【0018】
本発明の他の特徴が、添付の従属請求項に記載される。
【0019】
説明において、”第1の画像モデル”という用語は、CCD(電荷結合素子)またはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)のような画像センサによりすでに取得されているが、なんらの処理もなされていないというような画像に対応する。第1の画像モデルは、未加工の画像データである。第2の画像モデルは、劣化情報が決定されている画像の1つである。CMOSまたはCCD以外の他のセンサタイプも本発明に用いられ得ることが認識されるだろう。
【0020】
第1の画像モデルは、画像のぼけを決定するために用いられ、第2の画像モデルが、本発明により修復される。修復は、また、本発明により規定され得る。これらのステップがなされた後には、他の画像再構成機能が画像に適用され得る。全体の画像再構成をチェインと考えるならば、本発明の考えは、修復を処理前の操作として適用することにある。それにより、続く画像再構成の操作が、上記修復から恩恵を受ける。修復を処理前の操作として適用することは、修復アルゴリズムが、未加工の色画像データを直接の対象とし、そのような方法において、各色成分が個別に取り扱われることを意味する。
【0021】
本発明では、光学系により生じたぼけが、著しく低減され得る。固定焦点長の光学系が用いられる場合に、その手順は特に効果的である。本発明は、また、焦点長が変化するシステムにも適用でき、その場合には、処理が、レンズの焦点位置に依存した参照テーブルから、複数のぼけ関数を考慮する。ぼけ関数は、また、参照テーブルからの補間を通して得られうる。ぼけ関数を定義するための1つの可能性は、焦点長がぼけ関数のパラメータとして用いられるという、連続計算を用いることである。結果として得られる画像は、よりはっきりとしていて、空間解像度がより高い。提案する処理が従来のシャープニングアルゴリズムとは異なるということに触れておくことは、意味がある。従来のアルゴリズムもまた、高い周波数が増幅されて、よりはっきりした結果が得られる。実際には、本発明は、例えば光学系により生じるという、劣化処理を戻し、ぼけを最小にするための方法を提示する。一方、シャープニングアルゴリズムは、画像をよりはっきりと見せるため、一般的なハイパスフィルタを用いて、画像に人為的な影響を加える。
【0022】
本発明のモデルは、将来の製品に適用され得るタイプのセンサに対してより発展性があるものである(線形画像形成モデルに、より忠実性があるため)。現在のアプローチでは、画像再構成チェインにおける続くステップおよびアルゴリズムが、解像度およびソリューションのコントラストの向上から恩恵を受ける。
【0023】
処理前の操作として画像修復を適用することは、画像取得処理において蓄積される非線形性を最小化するかもしれない。本発明は、また、色情報の過大な増幅を防止する。
【0024】
データ修復は、反復性の逆フィルタリングによって画像をはっきりとさせる。この逆フィルタリングは、また、本発明によって提供される制御法により制御され得る。その制御法により、画像が十分にはっきりした時に、反復が中止される。上記制御法は、画像の中で異なる位置にあるピクセルには、違った処理をなすためのメカニズムを提供する。このため、修復された画像のオーバーシューティングが低減でき、最終の画像の視覚的質をより良くする。さらに、観測された画像におけるエッジに位置するピクセルは、滑らかな領域に位置するピクセルとは異なった修復がなされる。上記制御法は、空間的に変化する点広がり関数の問題を解決できる。例えば、もし、光学系システムの点広がり関数が、異なるピクセル座標によって違うならば、独立したピクセルの処理を用いた画像の修復が、この問題を解決できる。さらに、上記制御法は、その性能を向上するために複数のぼけ修正アルゴリズムに導入され得る。
【0025】
本発明は、また、ビデオの修復に対しても適用され得る。
【0026】
本発明は、添付の図面における実施例および以下の説明を参照して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、少なくとも結像光学系および画像センサを備えた画像化モジュールにより取得されたデジタル画像における画像の質を向上するための方法に関する。ここで、画像は結像光学系を通して形成され、画像は少なくとも1つの色成分から構成されている。この方法において、画像の各色成分の劣化情報が、見つけられて、画像の質を向上するために用いられる。画像の各色成分の劣化情報は、点広がり関数により特定される。各色成分は、上記劣化関数により修復される。画像は、処理されていない画像データでよい。本発明は、また、修復を実施するための、および、逆処理を、制御および規格化するためのいくつかの代替物に関する。
【0028】
本発明の画像の修復の説明は、3つの主たるポイントが対象とされることができる。最初に、例えば1つの未加工の色成分に対して点広がり関数(PSF)を測定することにより、ぼけ劣化関数が決定される。2番目に、少なくとも1つの未加工の色成分に対して、修復アルゴリズムが設計される。3番目に、ハイパスフィルタリングの影響を抑えるために、規格化メカニズムが統合される。説明において、モバイル機器における光学系が、一般に広角の焦点範囲に制限されているので、例として用いられる。しかしながら、モバイル機器が、唯一の適当な機器ではないことは、当業者には明らかである。例えば、本発明は、デジタルカメラ、ウエブカメラによって、またはハイエンドの用途によるものに加えて同様の機器によって用いられる。このアルゴリズムの目的は、光学系の結果として生じる劣化処理(ぼけ)を元に戻すかまたは弱めることにある。このアルゴリズムによって、結果として得られる画像は、輪郭がはっきりしており、解像度が向上する。
【0029】
”色の成分”という用語が用いられるときは、いつでも、さまざまな色のシステムに関する。本発明における実施例は、RGBシステム(赤、緑、青)であるが、当業者は、HSV(色相、彩度、明度)、YUV(輝度、クロミナンス)またはCMYK(シアン、マゼンダ、黄色、黒)等の他のシステムも認識するだろう。
【0030】
空間領域における画像モデルは、式(1)のように記載できる。
【0031】
【数1】

【0032】
ここで、gは測定された色成分画像であり、fは元の色成分であり、hは色成分における対応する線形ぼけであり、nは付加されるノイズ項である。g、f、nは、画像領域に亘るピクセル(m、n)の配列上に定められる。一方、hは、ぼけ(点広がり関数)の台(support:サポート)に亘るピクセル(u、v)に定められる。インデックスi={1,2,3,4}は、それぞれ、赤、緑1、青および緑2というような色成分に関するデータを示す。
【0033】
本発明は、その画像修復システムのブロックダイアグラムを示す図1および2を用いて、より詳細に説明される。
【0034】
ぼけの詳述
【0035】
光学要素(100)により取得された画像の劣化(図1、110)を評価するための手順が次に述べられる。図2に示されるように、劣化は、3つの色チャンネル(この例ではR,G,B)(未加工のデータ)におけるぼけに対応する、点広がり関数210を用いて評価することができる。点広がり関数は、各色チャンネルに対して異なる特性を示すために用いられる。点広がり関数は、画像化システムの性能を評価するために用いることができる重要な基準である。
【0036】
点広がり関数は、波長と、カメラの視野における位置との関数として変化する。そのために、良い点広がり関数を見つけることは難しい。説明においては、焦点がはずれた、近距離の画像化および空間不変性のぼけが仮定される。各色成分に関連する点広がり関数(h)を評価するための実際の手順は、また、カメラシステムの処理の評価を助けるために、独立型のアプリケーションとして用いることができる。
【0037】
市松模様のパターンの1つの色成分に対応したぼけた画像が与えられ、4つの外側の隅の点が、手作業で位置付けられて、最初は、隅の位置の大雑把な見積もりが定められる。正確な位置(サブピクセル精度で)は、四角いウインドウ内を、例えば10×10ピクセルで、精緻にサーチすることにより再度計算される。これらの隅の位置を用いて、元のグリッド画像fに対する近似が、各四角の中央部を平均化して、一定の輝度値をこれらの四角にアサートすることにより、再構成することができる。
【0038】
点広がり関数は、空間不変であると仮定される。それにより、ぼけが、擬似逆フィルタリング法(例えば、フーリエ領域において)を通して計算することができる。その擬似逆技術は、非常にノイズに敏感であるので、周波数ロウパスフィルタが、ノイズを制限するために用いられることができ、その手順が、点広がり関数の平均した評価を得るためにいくつかの画像に適用されることができる。(上述したロウパスフィルタの規格化されたカットーオフ周波数は、おおよそ0.6であるが、少なくとも0.4から0.9のいずれかの値が適用できる。)
【0039】
各色チャンネルで生じるぼけの程度を定量化するために、簡単な統計が定められる。この統計は、(ピクセルにおける)関数の中心からの重みづけられた距離の平均として定められており、この重みはその点における規格化された点広がり関数の値に対応している。
【0040】
【数2】

【0041】
ここで、M1およびN1は、点広がり関数フィルタの台(support サポート)である。Spsfは、ぼけの程度を記述する。実験は、チャンネルが異なったぼけパターンを有していることを確認する。例えば、ミラージュー1(Mirage−1)カメラを調べたときに、得られたSpsfの値は、下記のようであった。
【0042】
【数3】

【0043】
この結果から以下のことが分かる。赤成分が最もぼけていてノイズが大きく、最もぼけが小さいのが青成分であり、この青成分はまたコントラストが最も低かった。
【0044】
修復アルゴリズム
【0045】
色成分に関するデータが、センサ120、例えばCMOSまたはCCDセンサのようなバイヤセンサ(Bayer sensor)220(図2)、により測定される。色成分は、図2に示すように、赤(R)、緑1(G1)、青(B)および緑2(G2)の色成分である。これらの色の”画像”それぞれは、最終出力画像の4分の1のサイズである。
【0046】
2番目の画像モデルが、修復されること(130;250)に対して提供される。画像は、辞書編集上、ベクトルに並べられて、点広がり関数hが、ブロック-テペリッツ循環行列Hに並べられる。2番目の画像モデルは、その後、式(3)のように表される。
【0047】
【数4】

【0048】
画像修復の目的は、Hの適当な近似を用いることにより、劣化した観測結果
【0049】
【数5】

【0050】
から、最適な評価
【0051】
【数6】

【0052】
を回復することにある。
【0053】
ぼけ関数Hは、非可逆であるので(ぼけ関数Hはすでに有限の台上で定義されており、その逆関数は無限の台を有するだろう。)、直接の逆解法は可能ではない。この問題を解くための古典的な直接のアプローチは、入力と計算された再ぼけ画像との間のエネルギーを最小にすることを考えることであり、これは式(4)のノルムにより与えられる。
【0054】
【数7】

【0055】
そのように、データに最小2乗フィットを提供する。また、ノイズがガウス型であると既知の場合に、ノルムの最小化が、最も尤度のある解をもたらす。それは、また、式(5)により与えられる一般化された逆フィルタを導く。
【0056】
【数8】

【0057】
これを解くために、逐次近似の方法を用いた確定的反復技術を用いることが一般的であり、下記の式(6)の反復が導かれる。
【0058】
【数9】

【0059】
この反復は、下記式を満たすと収束する。
【0060】
【数10】

【0061】
ここで、λmaxは、行列HHの最大の固有値である。反復は、エネルギーの規格化された変化が非常に小さくなるまで続く。
【0062】
図1および2に見られるように、修復(130;250)は、各色成分R,G,Bに独立してなされる。
【0063】
反復技術の主な長所は、ぼけ演算子の逆演算を明確に実施する必要がなく、修復処理が、その進行としてモニタすることができる点である。
【0064】
最小2乗法は、古典的最小2乗(classical least squares:CLS)技術に拡張できる。理論を述べると、画像修復の問題は、不良設定の問題である。すなわち、出力における小さな摂動は、例えばノイズ、上述したように直接の最小2乗解の無限の摂動を生じ得る。そのため、束縛された最小2乗法(constrained least squares method)が通常文献では考察される。これらのアルゴリズムは、式(4)における、(滑かさ)規格化項に影響を与える項を、最小にする。この項は、出力のハイパスフィルタがなされたバージョンから構成される。規格化項は、画像について事前の情報を含むことを許容する。
【0065】
規格化メカニズムの一例
【0066】
現実には、CCDおよびCMOSセンサのような、画像センサ電子機器は、画像に非線形成を導入する。中でも飽和が、最も深刻なものの1つである。画像形成モデルにおいて考慮されていない非線形性のために、色チャンネルの独立した処理は、エッジ周辺の色づけの深刻な誤りを生じるかもしれない。従って、本発明は、修復に適用される、改良された規格化メカニズム(図2;240)を導入する。飽和しているかまたは露出下にあるピクセルの領域には、取り囲む領域のハイパスフィルタリングの影響を抑える係数を、滑らかに変化させる工夫がなされる。画像取得処理の式(1)は、常に線形な式と仮定される。3つの色チャンネルの感度の違いと、あいまいな露出制御のために、ピクセルの飽和が、各色チャンネルごとに一貫せずに生じる。これらの飽和領域近傍の独立した色の修復は、その色成分だけ、過大な増幅が生じる。その結果、これらの領域近傍で不自然な色のミスマッチと誤った色づけを作り出す。これを避けるために、本発明の規格化メカニズムが提案される。規格化メカニズムは、式(6)の反復解に統合される。考え方は、飽和領域近傍の修復の影響を制限するために、空間的にμを適合させることである。適合するステップサイズは、下記の式(9)で与えられる。
【0067】
【数11】

【0068】
ここで、μは上述したグローバルなステップサイズであり、βsatは、ステップサイズを調節するローカルな飽和制御である。βsatは、下記のアルゴリズムを用いて得られる。
【0069】
− 各色チャンネル画像に対してg、i={1..4}
− ピクセル位置g(m、n)を取り囲むウインドウ(w×w)の値を考察する
− そのウインドウの飽和ピクセルS(m、n)の数を数える
− 飽和制御は、下記の式により与えられる
【0070】
【数12】

【0071】
βsatは、任意の色チャンネルにおける飽和ピクセルの数に依存して0と1との間で変化する。
【0072】
反復修復法および規格化メカニズムの他の実施例
【0073】
上述したデータ修復は、反復する逆フィルタリングにより画像をはっきりとさせる。この逆フィルタリングは、画像が十分にはっきりとした時に反復を止める制御方法によって制御され得る。この制御方法の基本的な考え方が、ブロックチャートとして、図5に示されている。この方法の最初において、画像は、観測された画像と等しく初期化されて、ぼけ修正アルゴリズムのパラメータがセットアップされる(510)。この後に、ぼけ修正アルゴリズムが、観測された画像に適用される。これは、アンシャープマスキング法、ぼけ領域のぼけ修正、微分フィルタリング等、のような既存の任意のワンパスアルゴリズムでよい(520)。ぼけ修正が良い性能を有していないならばシステムのすべてに亘る性能がそれほど良くはなくなるので、ぼけ修正は反復ごとに意味がある。次のステップ(530)では、過大に増幅されたエッジのようなオーバーシューティングを検知するために、ぼけ修正された画像からのピクセルが、チェックされ得る。次のステップ(540)では、修復された画像が更新される。もし、ぼけ修正された画像におけるピクセルの位置が、オーバーシューティングされたエッジに対応するならば、反復処理において、それはもはや更新されない。それ以外は、修復された画像からのピクセルが、普通に更新される。また、オーバーシューティングに対応するピクセルは、次の反復では対応する修復されたピクセルが変えられないように印が付けられる(これらのピクセルに対しては、修復処理はこの時点で終了となる)。次のステップ(550)では、中間の出力画像が走査されて、オーバーシューティングをまだ有するピクセルが検知される。もし、持続性のオーバーシューティングが検知される(560)と、グローバルな反復処理が中止されて、修復された画像が戻される。それ以外は、ぼけ修正アルゴリズムのパラメータが変えられて(570)、次の反復が、観測された画像のぼけ修正から開始される。最後の手順(560−570)は、アルゴリズムをブラインドデコンボリューションに適合させる。ここで開示されたアルゴリズムは、エッジを過大に増幅することにより現れるという、修復された画像のオーバーシューティングを防止する。これは、2つの異なる方法によりなされる。第1の方法では、反復ごとに、ピクセルそれぞれは、劣化したピクセルが修復された画像に更新されないように、更新される。第2の方法では、もし、修復された画像に極めて劣化したピクセルが1つでもある場合には、全体のぼけ修正処理が中止される。ぼけ修正法の実施の詳述が次になされる。
【0074】
図5の方法ステップは、色成分R,G,Bの内の1つに対してなされる。他の2つの成分も、まさに同じ方法で独立に処理される。もし、YUV色システムが用いられる場合には、Y成分のみが処理される必要がある。
【0075】
ステップ510では、画像は、観測された画像と等しく初期化され、ぼけ修正アルゴリズムのパラメータがセットアップされる。入力の観測された画像は、ここではIにより示され、最終の修復された画像が、Irにより示される。修復された画像Irは、最初はI(Ir=I)で初期化される。ぼけ修正法のパラメータもまた初期化される。例えば、アンシャープマスキング法が、ぼけ修正に用いられる場合、用いられるぼけ画像の数とそれらのパラメータが選択される。もし、他のアルゴリズムが実施される場合には、そのパラメータがこの時点でセットアップされる。画像および単位要素のサイズと同じサイズの行列が初期化される。行列がmaskにより示される。
【0076】
ステップ520では、ぼけ修正アルゴリズムが観測された画像に適用されて、ぼけ修正された画像ldbが得られる。ステップ530では、過大に増幅されたエッジのようなオーバーシューティングを検知するために、ぼけ修正された画像からのすべてのピクセルがチェックされる。ぼけ修正された画像ldbからのピクセルが走査されて、隣接するピクセル間における水平および垂直の差が、下記のように計算され得る。
【0077】
【数13】

【0078】
ここで、x、yは垂直および水平のピクセルの座標をそれぞれ示す。また、観測された画像からのピクセルが走査されて、隣接するピクセル間における水平および垂直の差が、下記のように計算され得る。
【0079】
【数14】

【0080】
ぼけ修正された画像からのすべてのピクセルに対して、dh1とdh3、dh2とdh4、dv1とdv3、dv2とdv4という対応する差の符号が異なるかどうかがチェックされる。もし、それらが異なっていれば、座標x、yにおけるピクセルがオーバーシューティングを有していることを意味する。このチェックは、下記のアルゴリズムにより行われることができる。
【0081】
【数15】

【0082】
上述した考え方は、基本的には、ぼけ修正された画像からのすべてのピクセルに対して、ぼけ修正された画像のローカルな形状が、観測された画像のローカルな形状と比較されるということである。これは、水平およびまた垂直方向において、2つの画像からの対応する差の符号を比較することによりなされる。2つの画像の形状に差が見つけられたときは(水平または垂直方向のいずれでも)、ぼけ修正された画像からの対応するピクセルが強調され過ぎているかもしれないことを意味する。それらのピクセルに対しては、オーバーシューティングの評価値が、閾値(th1)と比較される。もし、オーバーシューティングの量が、閾値(th1)よりも大きい場合、対応するピクセルが歪んだとして印が付けられる(行列maskの値がゼロに等しいとなされる)。閾値(th1)は、観測された画像からのピクセルの最大値からの百分率として定義される(値MAXはIの値の最大値である)。この種の閾値の計算を選択するにあたって、我々は、閾値(th1)の値が画像の範囲に適合するようにする。
【0083】
ステップ540では、修復された画像が更新される。修復された画像を形成するピクセルは、修復された画像からの歪んでいる印がついていないピクセルで単純に更新される。このステップは、下記のように実施され得る。
【0084】
【数16】

【0085】
ステップ550では、中間の出力画像が走査されて、オーバーシューティングをまだ含むピクセルが検知される。修復された画像が走査される時、隣接するピクセル間の水平および垂直の差が、下記のように計算され得る。
【0086】
【数17】

【0087】
dh5とdh3、dh6とdh4、dv5とdv3、dv6とdv4という対応する差の符号が比較される。もし、符号が異なっていれば、その後オーバーシューティングの量が下記のように計算される。
【0088】
【数18】

【0089】
修復された画像および元の画像について計算された差の符号を比較して、2つの画像のローカルな形状が比較される。ローカルな形状が異なる場所のピクセルに対して、修復された画像のオーバーシューティングが、2つの隣接する差の絶対値の内の最小値を選ぶことにより見積もられる。これは、垂直および水平方向の両方について計算される。
【0090】
ステップ560では、オーバーシューティングがチェックされる。もし、最大のオーバーシューティングが、あらかじめ定義されたステップよりも大きい場合、修復手続きが中止されて、修復された画像Irが出力において戻される。もし、修復された画像に、閾値よりも大きいオーバーシューティングを有するピクセルがない場合、ぼけ修正法のパラメータが変えられて、手続きがステップ520から続けられる。このステップは、下記のように実施される。
【0091】
【数19】

【0092】
オーバーシューティング検知のための閾値th2は、元の画像Iの最大のピクセル値から百分率として定義される。
【0093】
規格化法(図5からの530,550および560)は、また上述した式(6)からの反復修復アルゴリズムと組み合わされることができる。ハイパスフィルタリングのような他の非反復修復アルゴリズムが、ローカルおよびグローバルな規格化を伴う上述した方法に従う反復する方法で実施できる。上で定義されたローカルまたはグローバルな規格化が、また、他の反復する修復技術に、一緒にまたは単独で適用されることができる。
【0094】
画像再構成チェイン
【0095】
各色成分の修復の上述した記載は、画像再構成チェインにおける最初の操作として適用される。自動ホワイトバランス、色フィルタ配列補間(CFAI)、色域変換、幾何学ひずみおよびシェーディング補正、ノイズリダクション、シャープニングのような、他の操作(140,260)が続く。最終画像の質(270)は、再構成チェインにおけるすべてのこれらの操作の効果的で最適な使用に依存するだろうということが認識される。画像再構成アルゴリズムの最も効果的な実施の1つが、非線形である。図1において、画像処理は、例えば画像圧縮(150)または/およびダウンサンプリング/ディザリング(160)処理を続ける。画像は、カメラファインダまたは画面によって見られるか(180)、または、圧縮された形式でメモリに記憶(170)される。
【0096】
再構成チェインにおける最初の操作として、修復を用いることは、線形画像化モデルと判断されるために最も忠実であることを保証する。それに続くアルゴリズムは、特に色フィルタ配列補間およびノイズリダクションアルゴリズム、過大な修復による行過ぎた増幅を防止する、付加的な規格化メカニズムとして働く。
【0097】
実施例
【0098】
本発明のシステムは、モバイル端末、ウエブカメラ、デジタルカメラまたは画像化のための他のデジタル装置のような機器に配置することができる。システムは、上記機器の1つに取り付けられるカメラモジュールのデジタル信号処理の一部分になり得る。機器の一例が、図3に簡単なブロックチャートとして示された画像化モバイル端末である。機器300は、画像を取得するための光学系またはデジタルカメラと操作可能に通信できる、光学系310または画像を取得するための同様の機器を備えている。機器300は、また、送信器321および受信器322を有する通信手段320を備え得る。また、送信器381および受信器382を有する他の通信手段380があってもよい。最初の通信手段320は遠隔通信に適応されており、他の通信手段380は、Bluetooth(登録商標)システム、WLANシステム(Wireless Local Area Network)、または、ローカルな使用および他の機器との通信に適した他のシステムのような、短距離の通信手段の類であり得る。図3の機器300は、また、視覚情報を表示するための画面340を備えている。さらに、機器300は、データを入力するため、画像取得処理等を制御するためのキーパッド350を備えている。機器300は、また、イヤホーン361およびマイクロホーン362のようなオーディオ手段360を備えており、任意にオーディオ情報を符号化(および必要ならば、複号化)するためのコーデックを備えていてもよい。機器300は、またその中に、本発明の修復アルゴリズムのような制御機能のための制御ユニット330を備えている。制御ユニット330は、1つまたはそれ以上のプロセッサ(CPU、DSP)を備えていてもよい。機器は、さらに、データ、プログラム等を記憶するためのメモリ370を備えている。
【0099】
本発明の画像化モジュールは、結像光学系と、画像センサと、各色成分の劣化情報を見つけて、劣化関数を決定するために該劣化情報を用いるための手段と、さらに該劣化関数により該各色成分を修復するための手段とを備えている。この画像化モジュールは、上述された機器に配置され得る。画像化モジュールは、また、図4に示すように、独立型の機器410に配置されることが可能である。この機器410は、画像化機器400と、表示機器と通信する。この表示機器は、また、上記画像化機器400、または、パーソナルコンピュータのような他の機器であってもよい。上記独立型の機器410は、修復モジュール411および任意に他の画像化モジュール412を備えており、機器410は独立に画像修復のために用いられ得る。画像化機器400および独立型の機器410間の通信は、有線または無線ネットワークにより処理され得る。そのようなネットワークの例として、インターネット、WLANおよびBluetooth(登録商標)等がある。
【0100】
上述した詳細な記載は、理解の明瞭性のみのために提供されており、そこから、特許請求の範囲の中への制限が、ここでは、読み取られるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明のシステムの実施例を説明する。
【図2】本発明のシステムの他の実施例を説明する。
【図3】本発明の機器の実施例を説明する。
【図4】本発明の配置の実施例を説明する。
【図5】本発明の反復修復法および制御方法の実施例を説明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも結像光学系および画像センサを備えた画像化モジュールで取得されたデジタル画像における画像の質を向上するためのモデルを構築する方法において、
前記画像が前記結像光学系を通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、前記モデルの前記構築が少なくとも、
前記画像の各色成分の劣化情報を見つけるステップと、
前記劣化情報に従った劣化関数を得るステップと、
前記劣化関数によって前記各色成分を修復するステップとを有する方法。
【請求項2】
規格化制御が前記修復された色成分に適用される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各色成分の前記劣化情報が、点広がり関数を用いて見つけられる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記修復が、各色成分の前記点広がり関数から定められる反復性の修復関数によって実施される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記修復が、各反復において、規格化を伴う1ステップのぼけ修正法が用いられる反復性の修復関数によって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像が処理されていない画像データであり、前記修復された色成分が、さらに他の画像再構成アルゴリズムによって処理される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
RGB、HSV、CMYK、YUVという色システムの内の1つが用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記規格化制御が、ぼけ修正された画像を得るための前記ぼけ修正法の中に導入される請求項2に記載の方法。
【請求項9】
オーバーシューティングのピクセルが、第1および第2の閾値の値を用いて検知される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法により得られる、デジタル画像における画像の質を向上するためのモデル。
【請求項11】
デジタル画像における画像の質を向上するための、請求項10に記載のモデルの使用。
【請求項12】
少なくとも結像光学系および画像センサを備えた画像化モジュールで取得されたデジタル画像における画像の質を向上するための方法において、
前記画像が前記結像光学系を通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、
前記画像の各色成分の劣化情報が見つけられ、
劣化関数が前記劣化情報に従って得られ、
前記各色成分が、前記劣化関数によって修復される方法。
【請求項13】
規格化制御が前記修復された色成分に適用される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各色成分の前記劣化情報が、点広がり関数を用いて見つけられる請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記修復が、各色成分の前記点広がり関数から定められる反復性の修復関数によって実施される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記修復が、各反復において、規格化を伴う1ステップのぼけ修正法が導入された反復性の修復関数によって実施される請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記画像が処理されていない画像データであり、前記修復された色成分が、さらに他の画像再構成アルゴリズムによって処理される請求項12に記載の方法。
【請求項18】
RGB、HSV、CMYK、YUVという色システムの内の1つが用いられる請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記規格化制御が、ぼけ修正された画像を得るための前記ぼけ修正法の中に導入される請求項13に記載の方法。
【請求項20】
オーバーシューティングのピクセルが、第1および第2の閾値の値を用いて検知される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
画像の修復のための方法において、
前記修復が、各反復において、規格化を伴うぼけ修正法が導入された反復性の修復関数によって実施される方法。
【請求項22】
規格化制御が、前記修復された色成分に適用される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記規格化制御が、ぼけ修正された画像を得るための前記ぼけ修正法の中に導入される請求項21に記載の方法。
【請求項24】
オーバーシューティングのピクセルが、第1および第2の閾値の値を用いて検知される請求項21に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも結像光学系および画像センサを備えた画像化モジュールで取得されたデジタル画像における画像の質を向上するためのモデルを決定するシステムにおいて、
前記画像が前記結像光学系を通して形成され、該画像が少なくとも1つの色成分から構成されており、前記システムが、
前記画像の各色成分の劣化情報を見つけるための第1手段と、
前記劣化情報に従った劣化関数を得るための第2手段と、
前記劣化関数によって前記各色成分を修復するための第3手段とを有するシステム。
【請求項26】
さらに、前記修復の間に規格化制御を適用するための第4手段を有する請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
さらに、他の画像再構成アルゴリズムによって、前記画像をさらに処理するための第5手段を有する請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
RGB、HSV、CMYK、YUVという色システムの内の1つを用いることが可能な請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記規格化制御のために、前記システムが、前記修復された画像のぼけ修正を行うための手段を有する請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
請求項10に記載の画像の質を向上するためのモデルと関係しており、光感知画像センサ上に結像光学系を通して画像を形成するために、該結像光学系および該画像センサを備えている画像化モジュール。
【請求項31】
さらに、前記修復の間に規格化制御を適用するための手段を有する請求項30に記載の画像化モジュール。
【請求項32】
請求項30に記載の画像化モジュールを備えた機器。
【請求項33】
通信機能を備えたモバイル機器である請求項32に記載の機器。
【請求項34】
画像化モジュールを備えた機器における画像の質を向上するためのプログラムモジュールにおいて、
前記プログラムモジュールが、
前記画像の各色成分の劣化情報を見つけるための手段と、
前記劣化情報に従った劣化関数を得るための手段と、
前記劣化関数によって前記各色成分を修復するための手段とを有するプログラムモジュール。
【請求項35】
さらに、前記修復の間に規格化制御を適用するための命令を備えている請求項34に記載のプログラムモジュール。
【請求項36】
反復性の修復における各反復において、規格化を伴うぼけ修正を実施するための手段を備えている、画像の修復のためのプログラムモジュール。
【請求項37】
さらに、第1および第2の閾値の値を用いて、オーバーシューティングのピクセルを検知するための手段を備えている請求項36に記載の方法。
【請求項38】
画像の質を向上するためのコンピュータプログラム製品において、
前記画像の各色成分の劣化情報を見つけるための命令と、
前記劣化情報に従った劣化関数を得るための命令と、
前記劣化関数によって前記各色成分を修復するための命令とが導入されたコンピュータを備えているコンピュータプログラム製品。
【請求項39】
さらに、前記修復の間に規格化制御を適用するための命令を備えている請求項38に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項40】
画像の修復のためのコンピュータプログラム製品において、
反復性の修復における各反復において、規格化を伴うぼけ修正を実施するためのコンピュータ読み取り可能な命令を備えているコンピュータプログラム製品。
【請求項41】
さらに、第1および第2の閾値の値を用いて、オーバーシューティングのピクセルを検知するための命令を備えている請求項41に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−506174(P2008−506174A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519821(P2007−519821)
【出願日】平成17年1月4日(2005.1.4)
【国際出願番号】PCT/FI2005/050001
【国際公開番号】WO2006/005798
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】