説明

画像入力システム及びそれを用いた各種監視システム

【課題】
本発明の目的は、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる画像入力システムを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、画像データを生成する画像入力部と、前記画像データを行単位に分割し行分割規則として格納する行分割規則データベース格納部と、前記画像データを列単位に分割し列分割規則として格納する列分割規則データベース格納部と、前記行分割規則と前記列分割規則とに基づいて前記画像を分割する画像分割部と、前記分割画像を長方形に加工してセル画像とするセル画像加工部と、前記各行単位に付される行番号と前記各列単位に付される列番号との対を入力する行列番号入力部と、前記行番号と列番号の対で指定された前記セル画像を選択する画像選択部と、を備えることを特徴とする画像入力システムにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力領域を指定する新規な画像入力システム及びそれを用いた各種監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像入力装置として、特許文献1に記載の電子黒板は、ホワイトボードなどに描かれた内容をスキャナーやカメラなどを用いて画像として読み込み、紙に印刷したり、ネットワーク経由で見ることができるようにする装置である。
【0003】
特許文献2に記載の遠隔監視システムは、監視カメラが捉えた目の届きにくいところの画像を離れたところから監視することができるようにする装置である。携帯電話からの制御により監視カメラの旋回やズームを行い、撮像範囲を制御することで画像入力領域を指定することができる。
【0004】
特許文献3に記載の文字認識装置は、印刷された文書をスキャナーやカメラなどを用いて画像として読み込み、文字画像を文字コードに変換し、変換した結果を再び画像として表示する装置である。
【0005】
【特許文献1】特開2004−312436号公報
【特許文献2】特開2003−179913号公報
【特許文献3】特開2001−216468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、電子黒板ではネットワーク経由で見たりすることができる画像はホワイトボード全体であり、ホワイトボードの一部に描かれた画像をネットワーク経由で見ることはできない。
【0007】
特許文献2の遠隔監視カメラシステムでは、監視カメラの旋回やズームを用いた画像入力範囲の指定はできるが、監視カメラの撮影画像内での画像入力領域指定機能はない。また、画像入力領域の指定は、あらかじめ設定された監視カメラの旋回位置から希望の旋回位置を選択するか、手動で監視カメラを旋回することで行うが、あらかじめ監視カメラの旋回位置を設定するのも、毎回手動で監視カメラを旋回するのも手間が大きい。さらに監視カメラの旋回位置は番号順に登録されるのみで、旋回位置と登録番号の間の関係が余りなく、旋回位置の選択がわかりにくい。
【0008】
特許文献3においては、罫線を含む文書をこの文字認識装置で処理した場合、罫線で囲まれたセル領域ごとに文字認識が行われてその結果が表示され、又、文字認識装置の表示機能は認識結果の確認のために用いられる。そのため特定のセルだけを選択して表示する機能は持っておらず、アクセス権限を設定することはできず、元の文書画像と異なるセル配置で表示する機能も持っていない。
【0009】
以上のように、ホワイトボードに描かれた内容を遠隔地から確認したい場合、ホワイトボードに代えて電子黒板を用いる方法と、監視カメラでホワイトボードを監視する手段が考えられるが、ホワイトボードに描かれる内容が行き先表示板などの表の場合、あるセルの画像だけを確認したい場合がある。電子黒板ではホワイトボード全体が表示されるため、あるセルの画像だけを表示することはできない。監視カメラでは撮像範囲を限定したとしても、撮像範囲の形が偶然セルの形と一致しない限り、欲しいセルの画像だけを得ることはできない。余分な画像は見易さを損なう上に情報保護にも反するので、あるセルに限定した画像が得られるようにする必要がある。またセル画像は元の表と同様に行番号と列番号で指定できたほうが望ましい。しかしながらいずれの特許文献における電子黒板にも監視カメラにもそのような機能は存在しない。
【0010】
本発明の目的は、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる画像入力システム及びそれを用いた各種監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像データを生成する画像入力部と、
前記画像データを行単位に分割し行分割規則として格納する行分割規則データベース格納部と、
前記画像データを列単位に分割し列分割規則として格納する列分割規則データベース格納部と、
前記行分割規則と前記列分割規則とに基づいて前記画像を分割する画像分割部と、
前記分割画像を長方形に加工してセル画像とするセル画像加工部と、
前記各行単位に付される行番号と前記各列単位に付される列番号との対を入力する行列番号入力部と、
前記行番号と列番号の対で指定された前記セル画像を選択する画像選択部と、
を備えることを特徴とする画像入力システムにある。
【0012】
本発明の画像入力システムは、前記セル画像を表示する画像表示部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の画像入力システムは、行名称を格納した行名称データベース格納部と、列名称を格納した列名称データベース格納部と、前記行名称を入力する行名称入力部と、前記列名称を入力する列名称入力部と、前記行名称を前記行名称データベースで検索して前記行番号を出力する行番号検索部と、前記列名称を前記列名称データベースで検索して前記列番号を出力する列番号検索部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の画像入力システムは、ユーザ名と行番号と列番号の組を格納したアクセス許容セルデータベース格納部を備え、アクセスした前記ユーザ名と行番号と列番号の組が前記アクセス許容セルデータベース格納部に登録されている場合のみ要求された前記セル画像を選択することを特徴とする画像入力システム。
【0015】
本発明の画像入力システムは、前記セル画像を定期的に格納するセル画像データベース格納部を備えること、又、雛形画像を格納した雛形画像データベース格納部と、前記セル画像と雛形画像と比較する画像比較装置とを備えること、又、書き込み消去可能な黒板又はホワイトボードの文字図形入力手段を備えること、又、前記画像データに重ねて入力した行分割線から前記行分割規則を求める行分割規則入力部と、前記画像データに重ねて入力した列分割線から前記列分割規則を求める列分割規則入力部とを備えることのいずれか又はこれらの組み合わせを有することを特徴とする。
【0016】
又、本発明は、ホワイトボードに記載された各人の行き先を電子カメラによって監視する行き先監視システムおいて、前記電子カメラによって得られた画像データを前述に記載の画像入力システムによって監視することを特徴とする。
【0017】
本発明は、種々の装置に設けられた計器とその表示ランプを電子カメラによって監視する装置監視システムにおいて、前記電子カメラによって得られた画像データを前述に記載の画像入力システムによって監視することを特徴とする。
【0018】
更に、本発明は、駐車場に駐車する車両を電子カメラによって監視する駐車場監視システムにおいて、前記電子カメラによって得られた画像データを前述に記載の画像入力システムによって監視することを特徴とする。
【0019】
本発明においては、以下の機能を有する。
【0020】
表をカメラで捉えた表画像データは罫線で分割することによりセル画像に分割することができる。元の表のセルとセル画像は対応しており、表画像データはセル画像の表とみなすことができる。元の表と同様にセル画像は行番号と列番号の対によって指定することができる。指定されたセル画像は他の装置に転送したり、装置に付属している画像表示部で表示することができる。
【0021】
セル画像はセル単位に分割された結果であり、他のセル画像は含まれない。そのため他のセル画像の情報を保護しつつ、選択されたセルの情報を公開することができる。また余分な画像を含まないことから人間にも機械にとっても認識が容易な形になっている。
【0022】
セル画像の表は元の表と同じくセル単位、ユーザ単位にアクセス権限の設定が可能である。ユーザが指定したセル画像は、そのユーザにアクセス権限が許されている場合のみ提供するようにすることも可能である。
【0023】
表に対するカメラの位置の垂直からのずれと、カメラの光学系のゆがみによって、表の罫線は水平な直線と垂直な直線の組み合わせには必ずしもならず、傾いていたり曲線となることもある。たとえ罫線が曲線になった場合でもセル画像への分割は可能であり、元の表と同じく行番号と列番号の対によって指定することができる。
【0024】
カメラから入力される画像データには表画像以外にも表形式のものが存在する。ランプや計器が整然と並んでいる装置表示板や、駐車位置が整然と決められた駐車場などをカメラで捉えた画像は、画像中での行と列の分割規則をいったん決めてしまえば、セル画像に分割することができる。画像に罫線が存在しない場合でも人が仮想的な罫線を入力することで行と列の分割規則を決めることができる。装置表示板画像は一つのセルに一つのランプ又は計器が入るように分割すればわかりやすい。また駐車場画像は一つのセルに一つの駐車位置が入るように分割すればわかりやすい。
【0025】
セル画像に分割するための設定は、各ランプ、各計器、各駐車位置を捉えるためのカメラの旋回位置ではなく、画像中での行と列の分割規則で行われるため容易である。そしてセル画像は行番号と列番号で選択することができる。また選択したセル画像には選択していない隣の計器の画像や隣の駐車位置の画像が含まれることはない。
【0026】
本発明においては、カメラ画像をあらかじめ設定した行と列の分割規則に従ってセル画像に分割し、要求されたセル画像を表示する機能により、表形式の画像をカメラで取り込む各種用途に適用できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる画像入力システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって詳細に説明する。
【実施例1】
【0029】
図1は本発明に係る行き先表示板による画像入力システムを示す構成図である。この画像入力システムは、ネットワーク14と、ネットワーク14に繋がったサーバ13と、ホワイトボード行き先表示板11と、ホワイトボード行き先表示板11に向けられた電子カメラ12と、電子カメラ12の画像はサーバ13に入力される。ホワイトボード行き先表示板11にはあらかじめ罫線と部員の名前と行き先が記入されてある。部員はホワイトボード行き先表示板11には自分の名前とその隣に自分の行き先を記入する。
【0030】
図2は、本実施例の画像入力システムを示すブロック図である。システム管理者はあらかじめ電子カメラ12に写った罫線をなぞる形で行分割線17と列分割線18を画像データを生成する画像入力部101であるサーバ13に入力しておく。サーバ13はあらかじめ行分割線17と列分割線18から行分割規則と列分割規則を求め、行分割規則データベース格納部102及び列分割規則データベース格納部103に格納される。そしてシステム管理者は表の行番号と名前との対応をサーバ13に入力しておく。また一部の部員が所属するプロジェクトが存在する場合にはプロジェクト員の名前もサーバ13に入力しておく。
【0031】
サーバ13は定期的に電子カメラ12の画像を読み込み、行分割規則と列分割規則に従って画像分割部104にて分割画像に分割する。サーバ13は分割画像を縦横に拡大縮小、又は周辺を同じ色で塗りつぶすなどにより斜めの画像を長方形に加工するセル画像加工部105によりセル画像とし、読み込み時刻と行番号と列番号で分類して保存する。サーバ13はネットワーク14にwebサーバとして接続しており、webクライアントからの要求に応じて処理を行い、結果をwebクライアントに返信する。
【0032】
ユーザはネットワーク14に接続されているwebクライアント15を用いてプロジェクト員全員の行き先を知ることができる。webクライアント15からプロジェクト員全員の行き先表示を求める要求がきたら、サーバ13はプロジェクト員の名前を行列番号入力部106により一人づつ取り出し、名前と行番号の対応に基づいて行番号を求め、セル画像を選択する画像選択部107によりその行番号中の行き先が記入された最新のセル画像を取り出し、セル画像を表示する画像表示部108に表示する。サーバ13は名前と行き先のセル画像を表にまとめたプロジェクト員行き先表示をwebクライアント15に返信する。
【0033】
ユーザはネットワーク14に接続されているwebクライアント16を用いて部員の過去の行き先も知ることができる。webクライアント16から部員の過去の行き先表示を求める要求がきたら、サーバ13は求められている部員の行き先のセル画像を取り出し、表にまとめてwebクライアント16に返信する。表を簡略化するために行き先が書き換えられずセル画像が過去と類似している場合は表から省略することも可能である。
【0034】
本実施例においては、図2に示すように、この画像入力システムは画像データを生成する画像入力部101と画像分割部を備えている。画像分割部の入力側には画像入力部と行分割規則データベース格納部102と列分割規則データベース格納部103が接続されている。画像入力部101からの画像は行分割規則データベース格納部102に格納された行分割規則と、列分割規則データベース格納部103に格納された列分割規則にしたがって行列に分割されて画像分割部104から出力される。
【0035】
画像分割部104の出力は長方形に加工するセル画像加工部105に接続されており、行列に分割されたそれぞれの画像は長方形に加工される。長方形に加工するセル画像加工部105の出力は行列番号入力部106と共にセル画像を選択する画像選択部107の入力側に接続されており、行列番号入力部106で指定された行列番号のセル画像のみが選択される。選択されたセル画像はセル画像を表示する画像表示部108において表示されるものである。
【0036】
以上の本実施例によれば、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例2】
【0037】
図3は、本発明の第2の実施形態を示す画像入力システムの構成図である。本実施形態は、図1に示す行き先表示板システムにおいて、図2の画像入力システムの行列番号入力部106に代えて、行番号検索部と列番号検索部がセル画像を選択する画像選択部の入力側に接続されている。行番号検索部の入力側には行名称データベース格納部と行名称入力部が接続されている。列番号検索部の入力側には列名称データベース格納部と列名称入力部が接続されている。
【0038】
本実施形態では行番号と列番号を行列番号入力部から入力する代わりに、行名称を行名称入力部から、列名称を列名称入力部から入力する。行名称入力部に入力された行名称は行番号検索部において行名称データベース格納部からのデータを基に検索され行番号に変換される。列名称入力部に入力された列名称は列番号検索部において列名称データベース格納部からのデータを基に検索され列番号に検索される。行番号検索部から出力される行番号と列番号検索部から出力される列番号はセル画像を選択する画像選択部に入力されセル画像の選択に用いられる。この実施形態では行列番号に代えてわかりやすい行名称と列名称を用いることができるという利点がある。
【0039】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例3】
【0040】
図4は、本発明の第3の実施形態を示す画像入力システムの構成図である。本実施形態は、図1に示す行き先表示板システムにおいて、図2の画像入力システムの行列番号入力部106と共にアクセス許容セルデータベース格納部115がセル画像を選択する画像選択部107の入力側に接続されている。セル画像を選択する画像選択部107では、使用中のユーザと行列番号入力部106に入力された行列番号の組がアクセス許容セルデータベース格納部115に登録されている場合にのみセル画像の選択を行う。この実施形態ではセルごとにアクセスを制限できる利点がある。
【0041】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例4】
【0042】
図5は本発明の第4の実施形態を示す画像入力システムの構成図である。本実施形態は、図1に示す行き先表示板システムにおいて、図2の画像入力システムの長方形に加工するセル画像加工部105の出力側がセル画像を選択する画像選択部107と共にセル画像データベース格納部116に接続されている。長方形に加工されたセル画像は定期的にセル画像データベース格納部116に追加保存される。この実施形態では必要に応じて過去のセル画像を確認したり、過去のセル画像との変化を調べることで自動的に警報を発したりすることができる利点がある。
【0043】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例5】
【0044】
図6は本発明の第5の実施形態を示す画像入力システムの構成図である。本実施形態は、図1に示す行き先表示板システムにおいて、図2の長方形に加工するセル画像加工部105の出力側がセル画像を選択する画像選択部107と共に画像比較装置118に接続されている。画像比較装置118には雛形画像データベース格納部117も接続されている。雛形画像データベース格納部117にはあらかじめセル画像の雛形を複数登録しておき、画像比較装置118で最も類似している雛形を検索する。この実施形態では特定の雛形に類似しているセル画像が得られた場合に警告を発することができる利点がある。またセル画像の代わりに雛形の名称を出力することでわかりやすい出力が得られる利点もある。
【0045】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例6】
【0046】
図7は本発明の第6の実施形態を示す画像入力システムの構成図である。本実施形態は、図1に示す行き先表示板システムにおいて、図2の画像データを生成する画像入力部101に代えて書き込み消去可能な黒板119が画像分割部の入力側に接続されている。この実施形態では、黒板に書かれた手書き文字などのコンピュータでは扱いにくいデータを、必要な部分だけを取り出したセル画像とすることで扱いやすくすることができる利点がある。また、黒板への手書き情報を直接に画像分割部に入力する場合には外光などの影響がなくはっきりしたセル画像を得ることができる利点もある。
【0047】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例7】
【0048】
図8は本発明の第7の実施形態を示す画像入力システムの構成図である。本実施形態は、図1に示す行き先表示板システムにおいて、図2の行分割規則データベース格納部102と列分割規則データベース格納部103の入力側に行分割線と列分割線を画像データに重ねて表示する画像表示部122が接続されている。行分割線と列分割線を画像データに重ねて表示する画像表示部122の入力側には行分割規則入力部と列分割規則入力部と画像データを生成する画像入力部が接続されている。行分割規則入力部から入力される行分割規則は画像データを生成する画像入力部からの画像データに重なる行分割線として表示される。列分割規則入力部から入力される列分割規則は画像データを生成する画像入力部からの画像データに重なる列分割線として表示される。行分割線と列分割線を画像データに重ねて表示する画像表示部で122確認した行分割規則と列分割規則はそれぞれ行分割規則データベース格納部102と列分割規則データベース格納部103に格納される。この実施形態では行分割規則と列分割規則の設定がわかりやすいという利点がある。
【0049】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例8】
【0050】
図9は本発明に係る装置監視システムを示す構成図である。この装置監視システムはネットワーク24につながったサーバ23と装置表示板21に向けられた電子カメラ22と、電子カメラ22に接続されたサーバ23からなる。装置表示板21は装置の状態をランプと計器で表示する。本実施例においても、図2〜図8の画像入力システムを適用することができる。
【0051】
システム管理者はあらかじめ画像データを生成する画像入力部101としての電子カメラ22に写ったランプ27と計器28が一つ一つ別のセルに割り当てられるように電子カメラ22が捉えたカメラ画像を行と列の分割規則を設定し、行分割規則データベース格納部102と列分割規則データベース格納部103となるサーバ23に入力しておく。そしてセル画像とセルが表示しているランプ27又は計器28の名称との対応をサーバ23に入力しておく。
【0052】
サーバ23は定期的に電子カメラ22の画像を読み込み、行と列の分割規則に従って画像分割部104にてセル画像に分割し、読み込み時刻と行番号と列番号で分類して保存を行う。サーバ23はネットワーク24にwebサーバとして接続しており、webクライアントからの要求に応じて処理を行い、結果をwebクライアントに返信する。
【0053】
ユーザはネットワーク24に接続されているwebクライアント25を用いて装置の計器の表示を見ることができる。webクライアント25から計器表示の要求がきたら、サーバ23は最新の計器のセル画像を取り出し、表にまとめてwebクライアント25に返信する。
【0054】
webクライアント25に表示される計器のセル画像には、隣の計器など余分な画像が映っていないためにわかりやすい。また必要な計器のみを選んで表示することが可能である。さらにwebクライアント25において計器のセル画像の隣に表示される計器の名称は、計器表示板21において計器の近くに表示されている計器名称を電子カメラ22で捉えた画像ではなく、webクライアント25のフォントを用いて表示されており見やすい。
【0055】
ユーザはネットワーク24に接続されているwebクライアント26を用いて装置のランプ27を監視することもできる。webクライアント26からランプ表示の要求がきたら、サーバ23は最新のランプ27のセル画像を取り出し、表にまとめてwebクライアント26に返信する。装置表示板21にはランプ名称が表示されていないが、webクライアント26の表にはランプ名称が表示されわかりやすくなっている。
【0056】
ユーザはランプ27のセル画像を画像部選択部107にて選択してwebクライアント26からサーバ23の監視設定を行うことも可能である。監視設定されたサーバ23は、監視設定対象の最新のセル画像が取り出されるたびに過去のセル画像と比較を行い、変化が大きい場合には監視設定を行ったユーザに対して警告メールを送付する。また異常を示すランプ27のセル画像の雛形を雛型画像データベース格納部117に用意しておき、セル画像が取り出されるたびに画像比較部118により雛形と比較を行うことにより、雛形と画像が類似している場合に警告メールを送付することも可能である。
【0057】
装置監視システムの設置において、装置周辺の配線は不要である。装置表示板21をガラス越しに電子カメラ22で捉えることにより、クリーンルームに入ることなくクリーンルーム内の装置の監視システムの設置も可能である。また、装置表示板21とサーバ23間に電気的接続はないので装置間の相互の影響はほとんどない。装置監視システムからの電気のイズが装置の測定に影響を与えることも、装置の電気ノイズが装置監視システムに混入して間違った情報をユーザが得ることもない。
【0058】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【実施例9】
【0059】
図10は本発明に係る駐車場監視システムを示す構成図である。この駐車場監視システムはネットワーク34につながったサーバ33と、駐車場31に向けられた画像データを生成する画像入力部101としての電子カメラ32と、電子カメラ32に接続されたサーバ33からなる。本実施例においても、図2〜図8の画像入力システムを適用することができる。
【0060】
システム管理者はあらかじめ電子カメラ32に写った駐車場内の各駐車位置が別々のセルに割り当てられるように電子カメラ32が捉えたカメラ画像の行37と列38の分割規則を設定し、行分割規則データベース格納部102と列分割規則データベース格納部103となるサーバ33に入力しておく。そして各駐車場ユーザーのIDとパスワードと駐車位置のセルの行番号と列番号をサーバ33に入力しておく。一つの旋回位置で電子カメラ32が駐車場内のすべての駐車位置の画像を得られない場合には、複数の旋回位置でカメラ画像の分割規則を設定し、サーバ33にはセルの行番号と列番号に加えてカメラの旋回位置も入力しておく。
【0061】
サーバ33は定期的に電子カメラ32の画像を読み込み、行と列の分割規則に従って画像分割部104にてセル画像に分割し、読み込み時刻と行番号と列番号で分類して保存を行う。サーバ33はネットワーク34にwebサーバとして接続しており、webクライアントからの要求に応じて処理を行い、結果をwebクライアントに返信する。
【0062】
ユーザはネットワーク34に接続されているwebクライアント35を用いて駐車場内の自分の駐車位置の画面を見ることができる。ユーザはシステム管理者から通知されたIDとパスワードでサーバ33にログインして画像表示ボタンを押す。webクライアント35から画像表示の要求がきたら、サーバ33はユーザIDに対応する最新のセル画像を撮影時刻と合わせて表にまとめてwebクライアント35に返信する。webクライアント35から過去画像を遡って見る要求を受け取った場合にはサーバ33は同じ行番号、同じ列番号の過去の画像を取り出して撮影時刻と合わせて表にまとめてwebクライアント35に返信する。このとき変化の少ない画像をスキップすることですばやく過去に遡ることも可能である。
【0063】
システム管理者がユーザの駐車位置だけが写る様に電子カメラ32の画像を分割しており、サーバ33はユーザIDに対応するセル画像だけをwebクライアント35に返信するようになっているため、各ユーザが見ることができるのは自分の駐車位置だけである。
【0064】
ユーザはネットワーク34に接続することのできる携帯電話36を用いても駐車場内の自分の駐車位置の画面を見ることができる。携帯電話36の画面は小さいため、携帯電話36からの要求であればサーバ33はセル画面を縮小したり、セル画面をスクロールする機能を提供する。この場合でも表示されるのはセル画面であり電子カメラ32が捉えた画面の全体ではなく、見られるのは自分の駐車位置だけである。
【0065】
本実施例においても、必要なあるセル画像だけを表示することができ、あるセルに限定した画像が得られるようにセル画像を元の表と同様に行番号と列番号で指定できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る行き先表示板システムを示す構成図である。
【図2】本発明の画像入力システムを示す構成図である。
【図3】本発明の他の画像入力システムを示す構成図である。
【図4】本発明の他の画像入力システムを示す構成図である。
【図5】本発明の他の画像入力システムを示す構成図である。
【図6】本発明の他の画像入力システムを示す構成図である。
【図7】本発明の他の画像入力システムを示す構成図である。
【図8】本発明の他の画像入力システムを示す構成図である。
【図9】本発明に係る各種装置監視システムを示す構成図である。
【図10】本発明に係る駐車場監視システムを示す構成図である。
【符号の説明】
【0067】
11…ホワイトボード行き先表示板、12、22、32…電子カメラ、13、23、33…サーバ、14…ネットワーク、15、16、25、26、35…webクライアント、16…webクライアント、21…装置表示板、22…カメラ、24、34…ネットワーク、31…駐車場、36…携帯電話、101…画像データ入力部、102…行分割データベース格納部、103…列分割データベース格納部、104…画像分家粒、105…セル画像加工部、106…行列番号入力部、107…画像選択部、108…画像表示部、109…行名称入力部、110…行名称データベース格納部、111…行番号検索部、112…列名称入力部、113…列名称データベース格納部、114…列番号検索部、115…アクセス許容セルデータベース格納部、116…セル画像データベース格納部、117…雛型画像データベース格納部、118…画像比較装置、119…黒板、120…行分割規則入力部、121…列分割規則入力部、122…画像表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを生成する画像入力部と、
前記画像データを行単位に分割し行分割規則として格納する行分割規則データベース格納部と、
前記画像データを列単位に分割し列分割規則として格納する列分割規則データベース格納部と、
前記行分割規則と前記列分割規則とに基づいて前記画像を分割する画像分割部と、
前記分割画像を長方形に加工してセル画像とするセル画像加工部と、
前記各行単位に付される行番号と前記各列単位に付される列番号との対を入力する行列番号入力部と、
前記行番号と列番号の対で指定された前記セル画像を選択する画像選択部と、
を備えることを特徴とする画像入力システム。
【請求項2】
請求項1において、前記セル画像を表示する画像表示部を備えることを特徴とする画像入出力システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、行名称を格納した行名称データベース格納部と、列名称を格納した列名称データベース格納部と、前記行名称を入力する行名称入力部と、前記列名称を入力する列名称入力部と、前記行名称を前記行名称データベースで検索して前記行番号を出力する行番号検索部と、前記列名称を前記列名称データベースで検索して前記列番号を出力する列番号検索部と、
を備えることを特徴とする画像入力システム。
【請求項4】
請求項1において、ユーザ名と行番号と列番号の組を格納したアクセス許容セルデータベース格納部を備え、アクセスした前記ユーザ名と行番号と列番号の組が前記アクセス許容セルデータベース格納部に登録されている場合のみ要求された前記セル画像を選択することを特徴とする画像入力システム。
【請求項5】
請求項1において、前記セル画像を定期的に格納するセル画像データベース格納部を備えることを特徴とする画像入力システム。
【請求項6】
請求項1において、雛形画像を格納した雛形画像データベース格納部と、前記セル画像と雛形画像と比較する画像比較装置と、を備えることを特徴とする画像入力システム。
【請求項7】
請求項1において、書き込み消去可能な黒板又はホワイトボードの文字図形入力手段を備えることを特徴とする画像入力システム。
【請求項8】
請求項1において、前記画像データに重ねて入力した行分割線から前記行分割規則を求める行分割規則入力部と、前記画像データに重ねて入力した列分割線から前記列分割規則を求める列分割規則入力部と、
を備えることを特徴とする画像入力システム。
【請求項9】
ホワイトボードに記載された各人の行き先を電子カメラによって監視する行き先監視システムおいて、前記電子カメラによって得られた画像データを請求項1〜8のいずれかに記載の画像入力システムによって監視することを特徴とする行き先監視システム。
【請求項10】
種々の装置に設けられた計器とその表示ランプを電子カメラによって監視する装置監視システムにおいて、前記電子カメラによって得られた画像データを請求項1〜8のいずれかに記載の画像入力システムによって監視することを特徴とする装置監視システム。
【請求項11】
駐車場に駐車する車両を電子カメラによって監視する駐車場監視システムにおいて、前記電子カメラによって得られた画像データを請求項1〜8のいずれかに記載の画像入力システムによって監視することを特徴とする駐車場監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−72944(P2007−72944A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261797(P2005−261797)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000233550)株式会社日立ハイテクサイエンスシステムズ (112)
【Fターム(参考)】