説明

画像再構成において利得変動の補正を容易にする方法及びシステム

画像を再構成する方法及びシステムが提供される。方法は、ゲイン利得及びオフセットパラメータの少なくとも1つと、再構成画像の推定との共同評価を用いて断層画像再構成を実行することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に断層撮影に関し、及び、特に画像再構成において利得変動を減らすことに関する。
【背景技術】
【0002】
画像技術、例えば、必ずしも制限されないが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン技術は、非侵襲的技術によって医学診断目的のために人体の内部画像を取得することを可能にする。臨床診療では、CTスキャンは、切り取られた投影によるデータセットを得ることが一般的である。スキャナの内径に配置された患者、CTテーブル、又は、他の何かが、スキャン視野(scan field−of−view)を越えるとき、データの切捨てが生じる。この状況は、体の大きな患者、又は、視野の中心に所望の患者の組織を配置したときに生じる。たとえ、患者とテーブルの両方を、スキャン視野に慎重に位置決めした状況でさえ、体液からCTテーブル機構を保護するようによく使用されるテーブルスリッカー(slicker)は、テーブルの横から垂れ下がった状態にあり、かつスキャン視野外に伸びている。対比液体(contrast liquid)、静脈内(IV)輸液、又は他の医学的な付属品が、スキャン視野外にあることも起こりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
患者画像を生成するために画像再構成が実行される前に、一般に、CT画像化によりデータを取得し、その後、一連の前処理補正が行われる。生の投影データは、画像再構成前に、スキャナ特有の補正及び較正を適用することで、処理される。第1ステップの1つは、参照正規化ステップであり、そのステップは、投影時のX線管電流出力における変動の影響に対処する。この目的のために、参照チャネルのセットは、スキャン対象による減衰無しで、X線管からのX線光子を直接測定するために、スキャン視野からわずかに離れて配置される。X線フラックスを監視するこれらのチャネルから計算された係数は、お互いに関連する投影を正規化するために使用される。しかしながら、対象がスキャン視野の外部にあるとき、参照チャネルはブロックされて、前処理は、実際に補正係数を精度良く推定することはできない。前補正におけるこのようなステップが、得られた投影領域を修正すると、画像アーチファクトとなる不正確な投影測定をもたらす。
【0004】
他のエラー原因も存在する。それは、前処理データ中のDCバイアスに依存するビュー(view)をもたらす。例えば、検出セルの利得は、コリメータプレートにかかる重力の結果として、角度依存する。これによりコリメータプレートによって生成された影にある変動をもたらす。
【0005】
画像再構成とは、前補正された投影データから画像を生成するプロセスを意味する。実際は、フィルタ逆投影法アルゴリズム(FBP:Filtered Back−Projection Algorithm)のような分析技術が、一般的に使用される。反復再構成(IR:Iterative Reconstruction)アルゴリズムもCT用に最近使用され、従来のFBP及び他の直接技術を超える著しく改良された画像品質のための可能性を示している。前処理補正及び較正は、FBPのようなアルゴリズムのための画像アーチファクトを最小化し、かつ、CTナンバーの正確なマップを再校正するように向けられる。しかしながら、反復再校正を開始するために同じ前処理データを用いることは、投影データが切り捨てられる場合に、著しい画像アーチファクトをもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、画像を再構成する方法は、利得パラメータ及びオフセットパラメータ及び再構成画像の推定の少なくとも1つの共同推定を用いて、断層画像再構成を実行することを有する。
【0007】
別な実施形態では、コンピュータ断層撮影(CT)システムは、X線源と、投射線検出器と、X線源と投射検出器とに接続されたコンピュータとを有し、コンピュータは、エラー補正利得パラメータ及び再構成イメージの推定を共に用いて、X線画像再構成を実行するように構成される。
【0008】
さらに別な実施形態では、プログラムでコードされるコンピュータ読み取り可能な媒体は、エラー訂正利得パラメータと再構成画像推定とを共に用いてX線画像を反復して再構成するようにコンピュータに命令するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るCT画像システムの透視図である。
【図2】図2は、図1で説明したシステムの外略ブロック図である。
【図3A】図3Aは、患者である人間の肩のFBP画像を示す図である。
【図3B】図3Bは、患者である人間の肩の補正されていない統計的反復再構成画像を示す図である。
【図4A】図4Aは、図3Bで示された患者である人間の肩の補正されていない統計的反復再構成画像を示す図である。
【図4B】図4Bは、参照正規化のためのX線管発生器信号を用いて補正された患者である人間の肩の統計的反復再構成画像を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る反復再構成アルゴリズムにおける低周波数を薄暗くするアーチファクトを補正する例の方法のフローチャートである。
【図6】図6は、DC成分除去ステップが反復ループの内部で実行される反復再構成アルゴリズムにおける低周波数を薄暗くするアーチファクトを補正する別な例の方法のフローチャートである。
【図7A】図3Bで示された患者である人間の肩の統計的反復再構成画像を示す図である。
【図7B】重み付けされた最小二乗DC除去を用いて補正された患者である人間の肩の統計的反復再構成画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
公知のCT撮影システム構成では、放射源は、扇形のビームを投射する。この扇形のビームは、デカルト座標系のあるX−Y平面内でコリメートされ、通常「イメージング平面(imaging plane)」と呼ばれる。投射ビームは、患者のような、撮像される対象を通過する。ビームは、対象によって減衰した後で、投射検出器のアレイに影響を与える。検出器アレイで受光した減衰した投射ビームの強度は、対象による投射ビームの減衰に依存する。検出器アレイの各検出器素子は、検出器位置でのビーム減衰の値である別個の電気信号を生成する。全検出器からの減衰値は、伝送プロファイルを生成するために、別個に取得される。
【0011】
第3世代のCTシステムでは、放射源及び検出器列は、イメージング平面内でガントリーとともに対象の周りで回転し、対象を投射ビームが交差する角度が絶えず変化するようにして撮像される。1つのガントリー角度にある検出器アレイからの投射減衰測定値のグループ、即ち、投影データは、「ビュー(view)」と呼ばれる。対象の「スキャン」は、放射源及び検出器の1回転の間に、異なるガントリー角度又はビュー角度で得られる複数の「ビュー」のセットを含む。
【0012】
軸方向のスキャンでは、投影データは、対象を通して得られる2次元スライスに対応する画像を再構成するように処理される。1セットの投影データから画像を再構成する1つの方法は、フィルタ逆投影技術として参照されるものである。このプロセスは、スキャンからの減衰測定値を、「CT数」又は「ハウンズフィールド・ユニット(Hounsfield units)」と呼ばれる整数に変える。
【0013】
総スキャン時間を減らすために、「ヘリカル(helical)」スキャンが実行されても良い。「ヘリカル」スキャンを実行するために、患者は動かされ、所定のスライス数のデータが取得される。そのようなシステムは、扇形ビームヘリカルスキャンから1つのヘリックス(helix)を生成する。扇形ビームによって位置付けされるヘリックスは、投影データを生じ、投影データから、各所定スライス上の画像が再構成される。
【0014】
データ収集をさらに向上させるために、マルチスライス又はボリュームCTシステムが利用される。そのようなシステムは、複数の検出器アレイを含む検出器を用いて同時に複数の投影を集める。そのような構成では、扇形ビーム形状は、コーンビーム形状になる。
【0015】
本明細書で使用されるように、単数及び「1つ」で開始されて記載される要素又はステップは、除外することが明確に記載されていないなら、複数の要素又は複数のステップを排除しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「1実施形態」は、記載された特徴を含む追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0016】
また、本明細書で使用されるように、「画像を再構成する」というフレーズは、画像を再構成するデータが生成されるが、可視画像が無いという本発明の実施形態を排除することを意図したものではない。それゆえ、ここで使用される用語「画像(image)」は、広く可視画像及び可視画像を再構成するデータの両方をいう。しかし、多くの実施形態は、少なくとも1つの可視画像を生成する(又は、生成するように構成される)。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るCT画像システム10の透視図である。図2は、図1で説明したシステム10の概略ブロック図である。実施形態では、コンピュータ断層撮影(CT)画像システム10は、「第3世代」CT画像システムを示すガントリー12を含むものとして示される。ガントリー12は、放射源14を有し、放射源14は、ガントリー12の反対側に検出器アレイ18に向けてX線のコーンビーム16を投射する。
【0018】
検出器アレイ18は、複数の検出器アレイ(図示せず)によって形成されており、複数の検出器アレイは、患者22のような対象を通過する放出されたX線ビームを互いに検知する複数の検出素子20を含む。各検出素子20は、対象又は患者22を通過するとき衝突する投射ビームの強度を表し、したがって、ビームの減衰を表す電気信号を生成する。生の投影データは、画像再構成の前に前処理され、投影データ上のX線管出力における変動の影響を減らす。一組の参照チャネル23は、コーンビーム16の少し外側に配置され、対象22によって減衰されずに放射源14から直接のX線光子を測定する。マルチスライス検出器18を有する画像システム10は、対象22のボリュームを表す複数の画像を提供することができる。複数の画像のうち各画像は、ボリュームの別々の「スライス」に相当する。「厚さ」又はスライスの開口部は、検出器アレイの厚さに依存する。対象22は、スキャン視野を規定するコーンビーム16の外側にあるとき、参照チャネル23がブロックされ、前処理では精度良く補正係数を推定することが出来ない。前補正における参照チャネルのブロック及び他のガントリー特有の誤差は、取得される投影データを変更し、及び画像アーチファクトを引き起こす不正確な投影測定値をもたらす可能性がある。
【0019】
投射投影データを取得するスキャンの間に、ガントリー12及びガントリー12に搭載された部品は、回転中心24の周りを回転する。図2は、検出素子20の単一の列(即ち、検出器アレイ)のみを示す。しかし、マルチスライス検出器アレイ18は、複数の検出素子20の平行検出器アレイを含み、複数の準平行又は平行スライスに対応する投影データがスキャン中に同時に取得できるようになっている。
【0020】
ガントリー12の回転及び放射源14の操作は、CTシステム10の制御機構26によって管理される。制御機構26は、放射源14に電力及びタイミング信号を提供する投射コントローラ28、及び、回転速度及びガントリー12の位置を制御するガントリーモータコントローラ30を含む。制御機構26内のデータ取得システム32(DAS)は、検出素子20からアナログデータをサンプリングし、そのデータを次処理のためのデジタル信号に変換する。画像リコンストラクタ34は、DAS32からサンプリングされかつデジタル化された投影データを受け取り、及び高速画像再構成を実行する。再構成された画像は、大容量記憶装置38に画像を格納するコンピュータ36への入力として利用される。
【0021】
コンピュータ36は、また、キーボードのあるコンソール40を介して、オペレータからコマンド及びスキャンパラメータを受け取る。関連した陰極線管ディスプレイ42によって、オペレータがコンピュータ36からの再構成画像及び他のデータを観察することを可能にする。オペレータ供給のコマンド及びパラメータは、DAS32、投射コントローラ28、及びガントリーモータコントローラ30に制御信号及び情報を提供するために、コンピュータ36によって使用され、加えて、コンピュータ36は、テーブルモータコントローラ44を操作して、ガントリー12内の患者22を位置決めするためのモータの付いたテーブル46をコントロールする。特に、テーブル46は、ガントリー開口48を通して患者の部分を移動する。
【0022】
1つの実施形態では、コンピュータ36は、フロッピー(登録商標)ディスク又はCD−ROMのようなコンピュータ読み取り可能媒体52から命令及び/又はデータを読み出すための装置50、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ又はCD−ROMドライブを含む。別な実施形態では、コンピュータ36は、(図示されない)ファームウェア内に保存される命令を実行する。一般に、図2に示される少なくとも1つのDAS32におけるプロセッサ、リコンストラクタ34、及びコンピュータ36は、後述する処理を実行するようにプログラムされている。もちろん、本明細書に記載される実施形態は、CTシステム10を実行することに制限されず、画像システムの多くの形式及び変形に関連して利用されうる。1つの実施形態では、コンピュータ36は、ここに記載された機能を実行するようにプログラムされており、本明細書で使用されるように、用語コンピュータは、当該技術分野でコンピュータとして呼ばれるまさにそのような集積回路に限定されず、もっと広く、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、アプリケーションスペシフィックIC、プログラマブルロジックアレイ(FPGA)、及び他のプログラム可能な全ての回路をいう。
【0023】
本明細書で記載されるのは、医療診断目的のために高い品質の反復再構成に適する第3世代CTスキャナの精度の高い幾何学的前進モデリングのための新しい方法、装置、及びソフトウェアである。本明細書で説明される方法は、一定又は変化ピッチ、及びサンプリングパターンと共に、ステップアンドショット(軸)モード、ヘリカルモード、又はその他のモードのような、いかなる捕捉軌道もサポートし、シングルスライス及びマルチスライスCTを含む、CTスキャナの全構成もサポートする。
【0024】
従来、例えば、フィルタ逆投影(FBP)又はコンボリューション逆投影(CBP)のような、いわゆる直接再構成アルゴリズムを用いて、コンピュータ断層撮影(CT)から画像が再構成される。最近、反復再構成(IR)アルゴリズムが、CT画像の再構成のために導入されている。反復再構成アルゴリズムを利用することの1つの利点は、再構成アルゴリズムが実際のCTシステムから得られる測定値をより精度良くモデル化できることである。マルチスライス検出器を含むヘリックスCTシステムは、2次元再構成画像面を斜めに通過する投影測定値を出力するので、特に、これらのシステムで制度良くモデル化できる。これらの投影をさらに精度良くモデル化することによって、反復再構成アルゴリズムは、より高い品質、より低いノイズ、及びより少ないアーチファクトを有する画像を生成することができる。
【0025】
例えば、ヘリカルスキャンCTシステムを用いると、X線源及び検出器アレイは、スキャンされる対象の周りを回転する。もしヘリカルCTスキャナが利用されるなら、X線源及び検出器は、一般にヘリカル経路をなぞる回転面に垂直な方向に移動もする。周期的な時間に、検出器アレイは、対象を通過するX線エネルギーを測定する。そのような値の各々は、ビューとして知られている。一般に、検出器アレイは、チャネルとしてここで参照される回転方向にそって配置される複数の検出素子を含む。なお、マルチステージCTスキャナは、複数のアレイを含む。例えば、4つのスライス検出器は、各列が複数のチャネルを含む4つのアレイの検出素子を含む。
【0026】
スキャナの1回転について、検出器のk番目の列から検出器の測定値は、
【0027】
【数1】

【0028】
として定義され、そこでは、Mは、1回転の検出器の1列から得られた測定値の総数であり、Ykは、データの1つのスライスとして定義され、データの全セットは、
【数2】

【0029】
として定義され、そこでは、K1は、検出器のスライスの数である。
【0030】
或いは、Ykは、ヘリカルスキャンでの複数の検出器アレイから抽出されたデータのセットであってよく、一般的なイメージ平面又は水平及び/又は垂直な軸に対して傾斜した平面上の像を構成するために用いられる。
【0031】
再構成されたボリュームは、次に3次元に配置されたボクセルに離散化され、そこでは、最初の2つの次元は一般に回転面に方向付けられ、3つ目の次元は一般に回転面に対して垂直又はおよそ垂直に方向付けられる。例えば、Xkiは、ボクセルとして定義され、kは第3の次元に沿う位置のインデックスであり、iは平面における特定のボクセルのインデックスである。さらに、
【0032】
【数3】

【0033】
は、k番目の平面におけるボクセルのセットとして定義され、及び、再構成される平面全体は、K2をボリュームにおける平面の数として、
【0034】
【数4】

【0035】
として定義される。
【0036】
したがって、スキャナ用の順モデルは、再構成により推定された画像を順投影するとき、期待値を出力する機能である。さらに具体的に言うと、順モデル、F(x)は、E[y]=F[x]のように定義される機能である。1つの実施形態では、簡単な近似は、E[yk]=F[xk]のように与えられる。
【0037】
したがって、典型的な実施形態では、反復再構成アルゴリズムは、マルチスライスCT再構成システムを利用して、画像を再構成するように利用される。反復再構成アルゴリズムは、測定データに最も一致するベクトルxの値を検索することによって、未知の値xを決定するために利用される。典型的な実施形態では、ここで考慮される反復再構成問題のクラスの数式は、計数領域で次の一般的な形式をとる。
【0038】
【数5】

【0039】
F()は、y’,x,及びαの関数を表し、αは、観察された測定値(y)と順投影作用素Aを介して推定されたxの順投影との間の偏差にペナルティーを与えるものである。また、y’は生の値を表し、xは未知の3D画像ベクトルを表し、αは生の計数測定値(raw count measurements)に適応される未知の乗法利得ファクタ(multiplicative gain factor)のベクトルを表し、Aは、投影空間に画像空間をマッピングする順投影作用素を表す。
【0040】
投影領域における代替的な一般形式は、
【0041】
【数6】

【0042】
G()は、y、β、及びAxの関数を表し、Axは、観察された測定値(y)と推定されたxの順投影との間の偏差にペナルティーを与える。yは、全体の投影測定値のベクトルを表し、Axは、順投影作用素Aを通して推定された対象xの順投影を表し、βは、全体の投影測定値に適用される未知の付加的なオフセットファクタのベクトルである。この式は、xにおける画像値とβにおける利得パラメータの共同推定(joint estimation)を表す。βは、計数領域において、perβi=ln(αi)によって未知の乗法利得αiの対数を取ることによって、投影領域における未知の付加的なオフセットを表すベクトルである。βiは、ある特定の列とビューのために固定されると仮定され、この列とビューは、利得補正のために推定されるべきパラメータの作用素の数が3D画像内のボクセルの数に関して小さいことを保障する。
【0043】
このアプローチの別な一般化は、以下の式を用いた^x、^α、及び^βの共同推定である。
【0044】
【数7】

【0045】
典型的な実施形態では、特定の実施形式が下式によって表される。
【0046】
【数8】

【0047】
そこで、xは、データ測定値yのベクトルから再構成するための対象係数のベクトルであり、及び、再構成問題は、測定値yと、未知の付加的なオフセットファクタβと、順投影作用素Aを介して推定済み対象xの順投影Axとの間の差異に適用されるコスト関数G()を最小化するように公式化される。上述のように、G()は、観察された値(y)と、未知の付加的なオフセットファクタと、xの推定された順投影との間の偏差にペナルティーを課す(y−(Ax+β)関数を表す。他の実施形態では、G()は、(y−Ax)の関数を表す。量(y−(Ax+β))及び(y−Ax)は、測定データと期待値との差異であるので、量(y−(Ax+β))及び(y−Ax)は、「エラーシノグラム(error sinograms)」として参照される。エラーシノグラムは、最適化問題を解くために選択された反復アルゴリズムの連続ステップにおいて最小化される。再構成は、例えば、制限されないが、ノイズ、精度の悪い再構成、及び精度の悪いスキャナのモデリングからエラーを無くすことによって改良される。典型的な実施形態では、コスト関数G()のための重み付けられた二次方程式が選択される。最適化問題は、以下のようになる。
【0048】
【数9】

【0049】
()Tは、ベクトル置き換え演算を示し、そして、Wは、測定データの品質における信頼係数Wiの重み行列である。^xの推定は、最大尤度(ML)問題の解を表す。再構成はさらに、次式のようなコスト関数を制約する画像モデルを追加して実行されうる。
【0050】
【数10】

【0051】
U(x)は、画像正規化項である。この場合、推定^x、^βは、最大事後確率(MAP)問題の解を表す。
【0052】
図3Aは、患者である人間の肩のFBP画像である。図3Bは、患者である人間の肩の未補正の統計的反復再構成画像である。低周波シェーディングアーチファクト302は、画像が臨床的に使用できない程度まで、未補正のIR画像を悪化する。図3A及び3Bは、FBP画像が同じアーチファクトを示さない一方で、IR画像が臨床的に受け入れられないように悪化する例を示す。この場合、テーブルスリッカは、スキャン視野の外側に伸びているだけである。本発明の実施形態に従う方法は、FBPのために生成される同じ前処理投影データから初期化されたIRアルゴリズムにおける低周波切捨てに関連する画像アーチファクトを取り除くことを容易にする。
【0053】
図4Aは、(図3Bに示された)患者である人間の肩の未補正の統計的反復再構成画像である。図4Bは、参照正規化のために、検出器で実際に測定された管信号ではなく、X線管発生器信号を用いることによって補正された患者である人間の肩の統計的反復再構成画像である。一般的な反復再構成に比較して、反復再構成画像における低周波シェーディングの相当な減少は、参照正規化のためのX線管発生器信号を用いた結果である。
【0054】
反復再構成画像において(図3Bに示される)低周波シェーディングアーチファクト302は、投影データの切捨てがある場所で生じる。反復再構成のためのアーチファクトの根本的原因は、切り捨てられた投影のための信号レベルの不正確な推定に関連する。例えば、参照チャネル23によって測定される参照信号がブロックされるとき、参照正規化のために計算された正規化係数は、不正確である。結果として、信号のDC成分は正しくない。FBPのようなアルゴリズムにとって、この問題の影響は、再構成段階におけるランプフィルタの存在によって最小化される。ランプフィルタは、周波数領域においてハイパスフィルタとして動作し、信号のDC成分を取り除く。反復的再構成アルゴリズムは、ハイパスフィルタを含まない代わりに、再構成用信号の全周波数スペクトラムを考慮する。
【0055】
幾つかの既知の参照正規化前処理は、正規化係数を計算するために、検出器参照チャネルで測定信号を使用する。所望の管信号と一致しない管出力フラックス上の変動を無くすために、測定された検出器の信号を使用することが、一般に望ましい。しかしながら、測定信号が、管と検出器との間に存在する何か、又は、他の何らかの理由による影響を受けるとき、測定信号は、管出力の信頼できる推定を提供せず、そして導入されたエラーが反復再構成画像においてアーチファクトを生成し易くする。
【0056】
1つの実施形態では、シノグラムデータは、参照チャネルの測定値よりむしろ、既知のX線管発生器信号で正規化される。参照チャネルが部分的にブロックされるケースでは、この信号は、局地的で、誤った振動をより含まなくなり、それゆえ、測定された参照値よりも、検出器の全列測定値の正規化として非常に正確である。
【0057】
別の実施形態では、アーチファクト補正のための方法は、正確な低周波数ボリュームと共に初期状態を使用するが、反復再構成前に通常の前処理における変更を要求しない。当該方法は、検出器アレイにおける実際の利得変動を補正する能力に限定されない。
【0058】
この方法で使用される初期条件のセットは、低周波数情報ボリュームが正確にスキャンされた対象を表す初期画像ボリュームとして定義される。適切に較正されかつ補正されたデータのFBP再構成からもたらされるFBP画像は、座標降下反復(ICD:Iterative Coordinate Descent)アルゴリズム[5]、又はオーダードサブセット(OS:Ordered Subsets)アルゴリズム[6]のような反復アルゴリズムのための初期条件の良いセットを表す。較正並びにFBPのようなもの(又は、もっと一般的には、任意の分析的な直接再構成技術)の間に適用される他の補正が、再構成されたボリュームにおいて低周波数情報を正確に与えるために、設計される。そのような初期条件から開始すること、及び、再構成の間中、低周波数ボリュームを一定に保つことによって、実施形態に係る反復アルゴリズムは、スキャンされた対象の高品質な再構成を提供し、低周波数アーチファクトの被害を無くすことを容易にする。
【0059】
図5は、本発明の実施形態に係る反復再構成アルゴリズムにおける低周波シェーディングアーチファクトの補正のための方法の一例500を示すフローチャートである。方法500は、例えば、限定されないが、例えば、FBPの類似のアルゴリズム、Katsevichのようなアルゴリズム、又はFeldkamp類似のアルゴリズムのような、直接再構成方法で再構成された画像による反復アルゴリズムの初期化502を含む。初期ボリュームの初期化順投影504が、初期化エラーシノグラムを形成するために実行される。エラーシノグラムからのDC成分の除去506。DC成分は、ゼロ周波数に相当する。それゆえ、エラーシノグラムからDC成分を取り除くと、反復再構成が初期状態のDCを変更することが出来ないのは確かである。例えば、低周波数アーチファクトの無いFBP画像は、望ましくない低周波数アーチファクトを導入せずに、反復再構成画像品質を向上する。
【0060】
幾つかのケースでは、初期状態は、対象のある部分についての情報のみを提供しうる。例えば、対象がスキャン視野を越えて伸びる場合、スキャン視野内の対象部分は、FBPで精度良く再構成される一方、切り捨てられた部分を全く再構成せず、又は制限された精度で推定のみがなされる。それゆえ、スキャン視野外の対象部分が収斂するように、反復再構成アルゴリズムは、各ステップでエラーシノグラム内にDC情報を導入して、対象全部を再構成する。
【0061】
エラーシノグラムから除去されるDC成分を除去する演算は、付加的な補正をもたらす最小二乗推定を用いて実行される。例えば、エラーシノグラムは次式を用いて決定される。
【0062】
【数11】

【0063】
yは、測定されたデータであり、そして、Axは順投影作用素Aを通して、推定された対象xの順投影である。
【0064】
【数12】

【0065】
βは、i番目のビューの投影エラーの平均を表し、wは、重みがノイズに反比例する各値のノイズに関係する重みを表す。補正は、次式に従って適用される。
【0066】
【数13】

【0067】
各ビューの投影エラーの平均は、引かれる。
【0068】
Sがシノグラム要素の完全なセットであり、かつ、上記式(8)及び(9)が一度全体のシノグラムの全てに渡って適用される場合、この演算は、全体的に実行され、又は、Sがiを含むビュー/列ペアにおける要素のセットであり、かつ、上記式(8)及び(9)が各ビュー/列ペアで繰り返される場合、この演算は、各投影ビュー及び検出器列ペアのために実行される。1つの実施形態では、係数βの推定は、重み付け合計であるが、例えば、下式で重み付け無しでも実行される。
【0069】
【数14】

【0070】
ここで、Nsは、セットSにおける要素の数である。
【0071】
別な実施形態では、DC成分除去は、例えば、エラーシノグラムのフーリエ変換上で周波数ドメインに適用されるランプフィルタ又はハイパスフィルタを用いてFBPで使用されるフィルタリングに類似する別なフィルタリングを用いて実行される。
【0072】
さらに別の実施形態では、DC成分除去は、最大尤度(ML)推定のような、データから計算された補正係数βの別の推定を用いて実行される。上記式(7)、(8)、及び(9)は、二次式尤度近似を用いると、β及び^xのML/MAP共同推定の方に収束する。したがって、上記方法は、未知の利得又はオフセットパラメータと、反復再構成処理上の間に再構成された画像との両方を共同して推定することを提供する。ノイズモデルを合計するポアソン計数ノイズモデル(Poisson counting noise model)が、コスト関数を形成するために考慮される場合、ML推定は、上記提案された推定の自然な一般化である。
【0073】
さらに別の実施形態では、未知の利得パラメータのML推定は、各フレームについて計算される。計数から投影への変換は、一般的な近似である対数演算としてモデル化される場合、これらの2つのものは同じである。しかし、それが完璧な対数演算でないなら、又は、さらに複雑なノイズモデルが使用されるなら、利得パラメータの直接ML推定は異なる。
【0074】
方法500は、上述のようにDC成分が除去されたデータを用いてイメージを反復的に再構成すること508を含む。典型的な実施形態では、繰り返しは、DC成分除去プロセスを再び実行せずに繰り返される。
【0075】
図6は、DC成分除去ステップが反復ループ内で実行される、反復再構成アルゴリズムにおける低周波シェーディングアーチファクトの補正のための方法の一例600を示す別なフローチャートである。DC成分除去ステップが、反復ループ内で実行されるとき、DC成分は各ステップの最初にエラーシノグラムから除去され、スキャン視野の内部及び外部の両方の再構成画像の低周波コンテンツは、安定している。
【0076】
方法500に類似している、方法600は、直接再構成タイプのアルゴリズムで再構成される画像と共に反復アルゴリズムの初期化602を含む。初期ボリュームの最初の順投影604は、最初のエラーシノグラムを形成するように実行される。エラーシノグラムからのDC成分は、上述のように除去される606。方法600もまた、上述のようにDC成分が除去されたデータを用いて画像を反復的に再構成する608。典型的な実施形態では、反復再構成は繰り返され、各反復再構成ステップの前にDC成分除去プロセスを、実行する。
【0077】
図7Aは、(図3Bに示された)患者である人間の肩の補正されていない統計的反復再構成画像を示す図である。図7Bは、重み付けされた最小二乗DC除去を用いることで補正された、患者である人間の肩の統計的反復再構成画像を示す図である。この補正は、反復再構成画像の中の低周波アーチファクトを除去することを容易にする。図7A及び図7Bは、補正されていない画像と、患者の肩について反復ループの内部で適用された補正の結果との比較を示す。
【0078】
前述の明細書記載に基づいて当業者に理解されるように、本発明の上記実施形態は、コンピュータプログラム又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウエア又はそれらの組み合わせ、又は、それらのサブセットを用いて実施され、技術的効果は、反復再構成アルゴリズムにおける低周波数切捨てに関連する画像アーチファクトを除去することである。そのような結果として生じるコンピュータ読み取り可能なコード手段を有するプログラムは、1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能メディアに具現化され、又は、提供されることができ、それによって、本発明の実施形態によって、コンピュータプログラムプロダクト製造品が作られる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、制限され無いが、固定(ハード)ドライブ、ディスケット、光学ディスク、磁気テープ、リードオンリーメモリ(ROM)、及び/又は、インターネット又は他の通信ネットワーク又はリンクのような送信/受信手段である。コンピュータコードを含む製造品は、あるメディアから直接コードを実行することによって、1つのメディアから別なメディアにコピーすることによって、又は、ネットワーク上でコードを転送することによって、作られ、及び/又は使用される。
【0079】
ここに記載された方法は、反復再構成のためのエラー状態ベクトルからのDC成分の除去と考えてもよいが、画像コンテンツに加えて利得及びオフセットパラメータの推定が実行され、かつ、このプロセスには、プロセスの初期状態から画像のDCコンテンツ内の改善を妨げるものが無い、ということを強調することが重要である。特別の処理無しでは、切り取られた投影は、画像内で回復不能な投影データにおける部分(mass)をもつFBP再構成となり、切捨てが生じるスキャン視野のエッジでアーチファクトをひどく生じさせる。この切捨てられたコンテンツを推定することは、高品質反復画像の推定を容易にし、そこでは測定されたX線減衰の全ての源の再構成が、IR画像及び投影データの間の一致を確実にするために必要である。
【0080】
画像システムの上記実施形態は、反復再構成アルゴリズム内で低周波数関連画像アーチファクトを除去する費用効率が高く、かつ信頼できるシステム、及び方法を提供する。結果として、本発明の説明された実施形態は、費用効率が高く信頼できる方法で、患者を撮影することを容易にする。
【0081】
本発明は、様々な特定の実施形態に関して説明されたが、一方で、当業者であれば、発明が請求の範囲と精神を離れずに修正して実施可能であることを認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を再構成する方法であって、
利得パラメータとオフセットパラメータの少なくとも1つと、再構成画像の推定との共同推定を用いて、断層画像再構成を実行することを有する方法。
【請求項2】
乗法のα利得ファクタを推定することを含み、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加法のβオフセットファクタを推定することを含み、
βは、画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
加法のβオフセットファクタを推定することは、xにおける画像値と、βにおける前記利得パラメータとの共同推定を有し、
βは、計数領域β=ln(α)における未知の乗法利得αの対数を取ることによって、投影領域における未知の加法オフセットのベクトルを表す請求項3に記載の方法。
【請求項5】
乗法のα利得ファクタを推定すること、並びに、加法のβオフセットファクタを推定することを有し、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表し、及び、βは、画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルを表す請求項1に記載の方法。
【請求項6】
エラーシノグラムを生成し、
前記エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除き、且つ、
前記エラーシノグラムを用いて画像を再構成すること、を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
直接再構成画像を用いて画像ボリュームを初期化すること、を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エラーシノグラムを生成することは、前記直接再構成画像の順投影を実行することを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
画像を再構成することは、反復画像再構成を有し、エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、ゼロ周波数成分を、反復再構成ループの外側へ取り除くことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
画像を再構成することは、反復画像再構成を有し、エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、ゼロ周波数成分を、反復再構成ループの内側へ取り除くことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、全エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、前記エラーシノグラムにおいて各列/ビューのペアのためのゼロ周波数成分を取り除くことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、ビューに関係するノイズに反比例した各投影係数を重み付けることを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、最小二乗推定によって計算された加法係数を用いて、前記エラーシノグラム補正することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、周波数領域においてフィルタリングすることを用いて、前記エラーシノグラムを補正することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、補正係数のML推定を用いて、前記エラーシノグラムを補正することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くことは、反復再構成プロセスの間に未知の利得パラメータ及び前記再構成された画像を共同推定することを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
未知の利得パラメータの前記ML推定は、各フレームのために計算される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
画像データは、検出器参照チャネル測定以外のものを用いて正規化された、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
画像データは、X線管生成器信号を用いて正規化された、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
撮影されるべき対象物の断層データに関連する情報を含むデータベースと、
利得パラメータ及びオフセットパラメータ及び再構成画像の推定の少なくとも1つを共に用いて、断層画像再構成を実行するように構成され、且つ、前記データベースと結合されるコンピュータと、
を有する画像システム。
【請求項22】
前記コンピュータは、エラー補正利得パラメータと、前記再構成画像の推定とを共に用いて、反復X線画像再構成を実行するようにさらに構成される請求項21のシステム。
【請求項23】
前記コンピュータは、乗法のα利得ファクタを推定するように構成され、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表す請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記コンピュータは、加法のβオフセットファクタを推定するように構成され、
βは、画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルである、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記コンピュータは、xにおける画像値と、βにおける前記利得パラメータとの共同推定を有する加法のβオフセットファクタを推定するように構成され、
βは、計数領域β=ln(α)における未知の乗法利得αの対数を取ることによって、投影領域における未知の加法オフセットのベクトルを表す、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記コンピュータは、乗法のα利得ファクタを推定すること、並びに、加法のβオフセットファクタを推定するように構成され、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表し、及び、βは、前記画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルである請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記コンピュータはさらに、
エラーシノグラムを生成し、
前記エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除き、且つ、
前記エラーシノグラムを用いて画像を再構成する、ように構成される請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
X線源と、
放射線検出器と、
推定された乗法のα利得ファクタ、及び、推定された加法のβオフセットファクタ、及び、推定された再構成画像を共に用いて、X線画像再構成を実行するように構成され、且つ、前記X線源と、前記放射線検出器と結合されるコンピュータとを有し、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表し、βは、画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルである、コンピュータ断層撮影システム。
【請求項29】
利得パラメータ及びオフセットパラメータ及び再構成画像の推定の少なくとも1つの推定を共に用いて、繰り返し断層画像を再構成するように、コンピュータに指示するように構成されるプログラムでコードされるコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項30】
乗法のα利得ファクタを推定するように、コンピュータに指示するように構成され、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表す請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項31】
加法のβオフセットファクタを推定するようにコンピュータに指示するように構成され、
βは、画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルを表す、請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項32】
xにおける画像値と、βにおける前記利得パラメータとの共同推定を有する加法のβオフセットファクタを推定するようにコンピュータに指示するように構成され、
βは、計数領域β=ln(α)における未知の乗法利得αの対数を取ることによって、投影領域における未知の加法オフセットのベクトルを表す、請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項33】
乗法のα利得ファクタを推定し、且つ、加法のβオフセットファクタを推定するようにコンピュータに指示するように構成され、
αは、画像データの生の計数測定値に適用される未知の乗法利得ファクタのベクトルを表し、及び、βは、前記画像データの全体の投影測定に適用される未知の加法オフセットファクタのベクトルを表す、請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項34】
エラーシノグラムを生成し、
前記エラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除き、且つ、
前記エラーシノグラムを用いて画像を再構成するようにコンピュータに指示するように構成される請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項35】
エラー誤差係数の最小二乗推定、前記エラーシノグラムのフーリエ変換上の周波数ドメインに適用されるランプフィルター及びハイパスフィルターの少なくとも1つを用いたフィルタリング、前記エラー訂正係数の最大尤度推定、前記エラー定数係数及び前記再構成画像の共同最大尤度推定、及び各再構成フレームのためのエラー訂正係数の最大尤度推定の重み付け合計の少なくとも1つを用いてエラーシノグラムからゼロ周波数成分を取り除くようにコンピュータに指示するように構成される請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2010−527741(P2010−527741A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510274(P2010−510274)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/070124
【国際公開番号】WO2008/147416
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(506324677)ジェネラル エレクトリック カンパニー (4)
【出願人】(509298458)パーデュー リサーチ ファウンデーション (2)
【出願人】(509298469)ザ ユニバーシティ オブ ノートルダム デュ ラック (2)
【Fターム(参考)】