説明

画像再生装置及び画像再生処理プログラム

【課題】 複数の画像を順次切換えながら連続的に表示する場合において個々の画像の表示時間を鑑賞者の反応に応じて制御することができる画像再生装置を提供する。
【解決手段】 複数の画像データを記憶する画像データ記憶部8と、複数の画像データにそれぞれ基づく複数の画像を順次表示する画像表示部10と、周囲環境の音声を入力する音声入力部4と、音声入力部4により入力された音声が所定状態であるか否かの判定を行う音声判定部6と、複数の画像を画像表示部10に、画像毎に予め設定されている初期表示時間おきに順次切換えながら連続的に表示している場合において、音声判定部6による判定時に画像表示部10に表示されている画像の表示時間を、音声判定部6による判定結果に基づいて制御する制御部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶部に記憶されている画像を画像表示部に再生表示する画像再生装置及び該画像再生装置に画像再生を実行せしめる画像再生処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を再生表示する画像再生装置において、複数の画像を順次切換えながら連続的に表示するスライドショー形式で画像を再生表示する場合、個々の画像の表示時間は同一であった。また、基準となる画像の撮影時間とその前後に撮影された画像の撮影時間との差分(時間間隔)から基準となる画像が連続撮影された画像であるか否かの判別を行い、連続撮影された画像においては、連写速度と同一の速度で(Tコマ/1秒の場合、1/T秒間)再生表示を行う画像再生表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−41586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の画像再生装置においては、スライドショー形式で画像を再生表示する場合、画像の表示時間が予め設定されているため、再生表示中に鑑賞者が表示されている画像を長く見たいと望んだ場合であっても、設定されている表示時間を経過すると次の画像に移行するという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、複数の画像を順次切換えながら連続的に表示する場合において個々の画像の表示時間を鑑賞者の反応に応じて制御することができる画像再生装置及び画像再生処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像再生装置は、複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、前記複数の画像データにそれぞれ基づく複数の画像を順次表示する画像表示部と、周囲環境の音声を入力する音声入力部と、前記音声入力部により入力された前記音声が所定状態であるか否かの判定を行う音声判定部と、前記複数の画像を前記画像表示部に順次切換えながら連続的に表示している場合において、前記音声判定部による判定時に前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を、前記音声判定部による判定結果に基づいて制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の画像再生処理プログラムは、画像データ記憶部に記憶されている複数の画像データに基づく複数の画像を順次切換えながら、連続的に画像表示部に再生表示する画像再生装置に適用される画像再生処理プログラムであって、前記画像表示部に前記複数の画像を連続的に順次切換えながら再生表示している最中に、前記画像再生装置の周囲環境の音声が所定状態であるか否かを判定する判定ステップと、該判定時に再生表示されていた画像の表示時間を、前記判定結果に基づいて制御せしめる制御ステップとを前記画像再生装置に実行せしめることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像再生装置及び画像再生処理プログラムによれば、複数の画像を順次切換えながら連続的に表示している場合において、鑑賞者が再生表示されている画像に反応して歓声をあげた場合など、鑑賞者の反応に応じて再生表示中の画像の表示時間の延長など表示時間の変更を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態に係る画像再生装置について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る画像再生装置2の構成を示すブロック図である。この画像再生装置2は、例えばパソコン(PC)である。但し、本発明が適用可能な画像再生装置としては、パソコンに限定されず、デジタルカメラ、携帯電話、プロジェクタ装置などその他、画像再生機能を有する装置であってもよい。図1に示すように、画像再生装置2は、音声入力部4、音声判定部6、画像データ記憶部8、画像表示部10、制御部12、表示時間記憶部14を備えて構成されている。
【0009】
音声入力部4には、画像再生装置2を取り巻く周囲環境の音声が入力される。例えば、画像表示部10に表示されている画像を鑑賞している鑑賞者たちの歓声や話声が入力される。音声判定部6は、音声入力部4により入力された音声が所定状態にあるか否かの判定を行う。所定状態とは、例えば音声入力部4により入力された音声の音量が所定の音量以上である状態等が含まれる。画像データ記憶部8には、例えば電子カメラやカメラ機能付き携帯電話等で撮像された画像の画像データがExif(Exchangable image file format)等の所定の形式で記憶されている。
【0010】
画像表示部10には、画像データ記憶部8に記憶されている画像データに基づく画像を表示することができる。また、画像データ記憶部8に記憶されている複数の画像データにそれぞれ基づく複数の画像を、例えば初期表示時間おきに順次切換えながら連続的に表示することができる。初期表示時間は、複数の画像を連続的に表示するスライドショー形式により再生表示を行っている際に、一画像が画像表示部10に表示されている時間であり、画像毎に予め設定されている。なお、初期表示時間は変更可能であり、設定されている初期表示時間は図示しないメモリ等に記憶されている。また、画像毎に異なる初期表示時間を設定してもよい。例えば、連続撮影された画像である情報が例えばタグデータとして画像データに付加されている場合などにおいては、単独撮影された画像の初期表示時間を長く設定し、連続撮影された画像の初期表示時間を短く設定してもよい。
【0011】
なお、画像表示部10で行われるスライドショーとしては、上述したような各画像の表示時間を予め初期表示時間として記憶しておくものには限られない。例えば、音楽と共にスライドショー表示を行うものの場合には、画像の切換えを、音楽の節やテンポ等、その音楽固有のタイミングで行うようにしてもよい。
【0012】
制御部12は、図示しないメモリ等から画像再生処理プログラムを読み込んで実行し、画像再生装置2の各部を統括的に制御する。この実施の形態においては、スライドショー形式により再生表示を行っている際に、音声判定部6による判定時に画像表示部10に表示されている画像の表示時間を、音声判定部6による判定結果に基づいて制御する。
【0013】
表示時間記憶部14には、画像データ記憶部8に記憶されている画像毎の表示時間の変更記録を記憶する。表示時間の変更記録とは、制御部12による制御により画像表示部10に表示されている画像の表示時間が変更された場合、その変更された表示時間の記録が含まれる。
【0014】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、第1の実施の形態に係る画像再生装置2においてスライドショー形式で画像を再生表示させる動作について説明する。
【0015】
まず、制御部12は、スライドショー形式による画像の再生表示を開始する。即ち、制御部12は、画像データ記憶部8に記憶されている複数の画像のうち、スライドショー表示させる画像として選択されているn番目の画像を画像表示部10に表示させる(ステップS10)。再生表示される画像の順番n(n=1,2,3…)は、例えばタグデータとして各選択画像(スライドショー表示させるものとして選択されている画像)の画像データに付加されている。なお、ステップS10においてスライドショー形式による画像の再生表示が開始されると、音声入力部4による周囲環境の音声の入力(音声モニタ)も同時に開始される。この音声入力部4による音声入力動作は、スライドショー表示が行われている間中並行して行われるものである。音声入力部4は、例えば画像表示部10に表示されている画像を見ている鑑賞者が歓声をあげる等、音声を発した場合、発された音声を入力し、音声判定部6に対して入力された音声を出力する。
【0016】
音声判定部6は、音声入力部4からの音声を受信すると、その音声の音量が予め設定されている所定の音量以上であるか否かの判定を行う(ステップS11)。なお、この判定基準音量である所定の音量は変更可能であり、設定されている所定の音量は図示しないメモリ等に記憶されている。音量の判定方法としては、音量の大きさを平均化させるために過去数秒間の音量の積分値またはローパスフィルタを通した値を取得し、取得した値から音量の大きさの判定を行う。
【0017】
音声が所定の音量以上であると判定された場合(ステップS11、Yes)、音声判定部6は、判定結果を示す信号を制御部12に対して出力する。制御部12は、音声判定部6から判定結果を示す信号を受信した場合、その時に画像表示部10に表示されている画像(以下、現表示画像という。)の表示時間を初期表示時間から所定時間延長する(ステップS12)。即ち、現表示画像の初期表示時間に予め設定されている所定時間(延長時間)を加算した時間を、現表示画像の表示時間とする。なお、この所定時間(延長時間)は1つの値に固定されていてもよいし、可変にしてもよい。なお、この所定時間は、図示しないメモリ等に記憶されている。所定時間を可変にする場合には、初期表示時間に応じて可変とする。例えば、初期表示時間を基準として、所定時間(延長時間)は、その基準時間に対する所定比率(所定の倍率あるいは所定の割合)の時間とする。具体的には、所定比率を0.5倍とすると、初期表示時間が5秒で設定されている場合、所定時間は2.5秒となり、初期表示時間が8秒で設定されている場合、所定時間は4秒となる。
【0018】
次に、制御部12は、ステップS12で決定された延長時間分のディレイを置く(ステップS13)。従って、このディレイの間はステップS11に戻って音量の判定が行われることはない。ステップS13において延長時間分のディレイを置くのは、入力された音量が所定の音量以上である状態が継続し、その都度ステップS11とステップS12の処理が繰り返されて延長時間が加算され続けるのを防止するためである。なお、ステップS13では、延長時間分のディレイを置くようにしているが、延長時間そのものでなくでもよい。予め決められているディレイ時間を設けておき、延長時間にかかわらずこのディレイ時間分のディレイを置くようにしてもよい。次に、現表示画像の表示時間が終了したか否かの判定を行う(ステップS14)。一方、音声が所定の音量より小さいと判定された場合(ステップS11、No)、制御部12は、現表示画像の表示時間の変更を行うことなく、現表示画像の表示時間が終了したか否かの判定を行う(ステップS14)。
【0019】
現表示画像の表示時間が終了していないと判定された場合(ステップS14、No)、制御部12は、現表示画像の表示を継続し、ステップS11の動作に戻り、ステップS11〜ステップS13の動作を繰り返す。したがって、再び音声判定部6から所定音量以上という判定結果(ステップS11、Yes)を示す信号が出力された場合、制御部12は、再び現表示画像の表示時間を所定時間延長する。このように、現表示画像に対する歓声、ざわめき、話声などの反応が長く続いた場合、現表示画像の表示時間は複数回延長されるため、鑑賞者の反応がより大きい現表示画像の表示時間はより長くなる。
【0020】
一方、現表示画像の表示時間が終了したと判定された場合(ステップS14、Yes)、制御部12は、現表示画像(n番目の画像)の表示を終了し、再生表示される画像の順番を示すnに1を加える(ステップS15)。そして、制御部12は、次の画像(n番目の画像)を画像表示部10に表示させ、図2のフローチャートに示す動作を繰り返す。
【0021】
なお、制御部12は、ステップS12において表示時間を初期表示時間から所定時間延長した際、所定時間延長した旨の情報を表示時間の変更記録として表示時間記憶部14に記憶させる。初期表示時間は、この表示時間記憶部14に記憶されている表示時間の変更記録に応じて設定される。このため、例えば、過去に実施されたスライドショー表示において、表示時間が何度も延長されている画像は鑑賞者の関心度が高い画像であると判断されて、予め他の画像より長い初期表示時間を自動的に設定され、表示時間が延長されない画像は鑑賞者の関心度が低い画像であると判断されて、予め他の画像より短い初期表示時間を自動的に設定される。
【0022】
この第1の実施の形態に係る画像再生装置によれば、スライドショー形式で画像表示が行われている場合において、音声判定部6により、入力された音声の音量が所定の音量以上であると判定されたとき、音声判定部6による判定時に画像表示部10に表示されている画像の表示時間を延長することができる。したがって、例えば鑑賞者が再生表示されている画像に反応して大きな歓声をあげた場合など鑑賞者の反応が高いとき、再生表示中の画像の表示時間を延長することができるため、鑑賞者は複数の画像のうち関心の高い画像を他の画像より長い表示時間で鑑賞することができる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像再生装置について説明する。なお、この第2の実施の形態に係る画像再生装置の構成は第1の実施の形態に係る画像再生装置2の構成と同一であるため、説明を省略する。また、第2の実施の形態に係る画像再生装置2においては、第1の実施の形態に係る画像再生装置2の構成の符号を用いて説明を行う。
【0024】
図3は、第2の実施の形態に係る画像再生装置2においてスライドショー形式で画像を再生表示させる動作について説明するためのフローチャートである。なお、図3に示すステップS20の動作は、第1の実施の形態の説明で用いた図2に示すステップS10の動作と同一であるため、説明を省略する。
【0025】
音声判定部6は、音声入力部4からの音声を受信すると、その音声の音量の大きさを検出し(ステップS21)、その音声の音量が所定の音量以上であるか否かの判定を行う(ステップS22)。音声が所定の音量以上であると判定された場合(ステップS22、Yes)、制御部12は、音声判定部6から音声の音量の大きさを含む判定結果を示す信号を受信し、ステップS21において検出された音声の音量の大きさに応じて、図示しないメモリ等に記憶されている延長時間(所定時間)を読み込む(ステップS23)。この延長時間とは、音量の大きさを複数段階にレベル分けし、その音量レベル毎に設定された時間のことである。例えば、音量レベルがL以上の場合は延長時間t、音量レベルがLより小さい場合は延長時間t(t<t)と設定する。鑑賞者がより大きな反応を示すとその音量はより大きくなることが想定されるため、音量が大きいほど延長時間も長くなる。
【0026】
次に、制御部12は、表示画像の表示時間を初期表示時間から所定時間延長する(ステップS24)。即ち、表示画像の初期表示時間にステップS23において読み込んだ延長時間を加算する。なお、図3に示すステップS25〜ステップS27の動作は、第1の実施の形態の説明で用いた図2に示すステップS13〜ステップS15の動作と同一であるため、説明を省略する。一方、音声が所定の音量より小さいと判定された場合(ステップS22、No)、制御部12は、表示画像の表示時間の変更を行うことなく、表示画像の表示時間が終了したか否かの判定を行う。
【0027】
この第2の実施の形態に係る画像再生装置によれば、スライドショー形式で画像表示が行われている場合において、音声判定部6により、入力された音声の音量が所定の音量以上であると判定されたとき、音声判定部6による判定時に画像表示部10に表示されている画像の表示時間を、音量の大きさに応じて設定された所定時間分だけ延長することができる。したがって、例えば鑑賞者が再生表示されている画像に反応してより大きな歓声をあげた場合など鑑賞者の関心度がより高い画像ほど長い表示時間で表示することができる。
【0028】
なお、上述の各実施の形態においては、音声判定部6により音声の音量が所定の音量以上であるか否かを判定している。しかしこれに限らず、音声判定部6に人間の音声を認識することができる音声認識部を備えさせ、音声判定部6により人間の音声を認識させ且つ人間の音声の音量が所定の音量以上であるか否かを判定させるようにしてもよい。具体的には、まず、音声判定部6は、音声認識部において音声入力部4により入力された音声が人間の音声であるか否かを判定する。次に、音声判定部6は、人間の音声であると判定された場合のみ、音声の音量の判定を行う。この場合には、音声判定部6は人間の音声の音量のみ判定し、人間以外が発した音、例えば雑音や動物の鳴き声などに対する判定を行わないため、制御部12は表示時間の制御を高精度に行うことができる。
【0029】
また、上述の各実施の形態においては、音声判定部6により音声の音量が所定の音量以上であるか否かを判定している。しかしこれに限られるものではない。例えば、音声判定部6内に、特定の人物の音声情報が予め記憶(登録)されている音声記憶(登録)部を備えておき、入力された音声が特定の人物の音声であるか否かを音声判定部6により判定させて、且つ特定の人物の音声の音量が所定の音量以上であるか否かを判定させるようにしてもよい。具体的には、まず、音声判定部6は、音声入力部4により入力された音声が、音声記憶部に記憶されている特定の人物の音声であるか否かを判定する。この判定は、音声のスペクトルを表す声紋を利用して人物の特定を行なう生体認証技術など公知の技術を用いて行なうとよい。次に、音声判定部6は、特定の人物の音声であると判定された場合のみ、音声の音量の判定を行う。この場合には、音声判定部6は特定の人物の音声の音量のみ判定し、特定の人物以外の音声に対する判定を行わないため、例えば特定の人物の反応のみを必要としているときなど制御部12は表示時間の制御を高精度に行うことができる。
【0030】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る画像再生装置について説明する。図4は、第3の実施の形態に係る画像再生装置20の構成を示すブロック図である。なお、この第3の実施の形態に係る画像再生装置20の音声解析部60及び文言データ記憶部16以外の構成は、第1の実施の形態に係る画像再生装置2の構成と同一であるため、説明を省略する。また、第3の実施の形態に係る画像再生装置20においては、第1の実施の形態に係る画像再生装置2の構成と同一の構成には同一の符号を用いて説明を行う。
【0031】
図4に示す文言データ記憶部16には、鑑賞者が表示画像に関心を示したときに発するであろう文言、例えば、「誰?」「どこ?」「何?」「あっ!」「おおっ!」「あれっ?」等のデータが記憶されている。また、文言データ記憶部16には、鑑賞者が表示画像に対して発する否定的な文言、例えば「いや」「次」「きらい」等のデータが記憶されている。音声解析部60は、音声解析技術として例えば特開2001−145180号公報に開示されている技術を用いて、音声入力部4により入力された音声の文言の解析を行う。制御部12は、スライドショー形式により再生表示を行っている際に、音声解析部60による解析時に画像表示部10に表示されている画像の表示時間を、音声解析部60による解析結果に基づいて制御する。
【0032】
次に、図5に示すフローチャートを参照して、第3の実施の形態に係る画像再生装置20においてスライドショー形式で画像を再生表示させる動作について説明する。なお、図5に示すステップS30及びステップS31の動作は、第1の実施の形態の説明で用いた図2に示すステップS10及びステップS11の動作と同一であるため、説明を省略する。
【0033】
音声が所定の音量以上であると判定された場合(ステップS31、Yes)、音声解析部60は、音声入力部4により入力された音声の文言の解析を行う。具体的には、音声解析部60は、音声入力部4により入力された音声の文言が文言データ記憶部16に記憶されている文言のいずれかと一致するか否かを判定する(ステップS32)。
【0034】
音声の文言が一致した場合(ステップS32、Yes)、音声解析部60は、解析結果を示す信号を制御部12に対して出力する。制御部12は、音声解析部60から解析結果を示す信号を受信し、入力された音声の文言の種類を判別する。即ち、入力された音声の文言が、鑑賞者が表示画像に関心を示したときに発するであろう文言(延長すべき文言)か鑑賞者が表示画像に対して発する否定的な文言(短縮すべき文言)かを判別する(ステップS33)。
【0035】
延長すべき文言であった場合(ステップS33、Yes)、制御部12は、表示画像の表示時間を初期表示時間から所定時間延長する(ステップS34)。次に、制御部12は、所定時間分のディレイを置き(ステップS35)、表示画像の表示時間が終了したか否かの判定を行う(ステップS36)。一方、延長すべき文言でなかった(短縮すべき文言であった)場合(ステップS33、No)、制御部12は、表示画像の表示時間を初期表示時間から所定時間短縮し(ステップS37)、表示画像の表示時間が終了したか否かの判定を行う(ステップS36)。
【0036】
なお、ステップS32において音声の文言が一致しなかった場合(ステップS32、No)、制御部12は、表示画像の表示時間の変更を行うことなく、表示画像の表示時間が終了したか否かの判定を行う(ステップS36)。図5に示すステップS36及びステップS38の動作は、第1の実施の形態の説明で用いた図2に示すステップS14及びステップS15の動作と同一であるため、説明を省略する。
【0037】
なお、制御部12は、ステップS34において表示時間を初期表示時間から所定時間延長した際、所定時間延長した旨の情報を表示時間の変更記録として表示時間記憶部14に記憶させ、ステップS37において表示時間を初期表示時間から所定時間短縮した際、所定時間短縮した旨の情報を表示時間の変更記録として表示時間記憶部14に記憶させる。この場合、例えば、表示時間が何度も延長されている画像は鑑賞者の関心度が高い画像であると判断し、予め他の画像より長い初期表示時間を設定してもよく、表示時間が何度も短縮されている画像は鑑賞者の関心度が低い画像であると判断し、予め他の画像より短い初期表示時間を設定してもよい。
【0038】
この第3の実施の形態に係る画像再生装置によれば、スライドショー形式で画像表示が行われている場合において、音声解析部60により、入力された音声の文言が延長すべき文言または短縮すべき文言であると判別されたとき、音声解析部60による解析時に画像表示部10に表示されている画像の表示時間を、解析結果に応じて所定時間延長または短縮することができる。したがって、例えば鑑賞者が再生表示されている画像に関心を示す言葉を発したときなど鑑賞者の関心度が高い画像の表示時間を長くすることができる。また、鑑賞者が再生表示されている画像に無関心である言葉を発したときなど鑑賞者の関心度が低い画像の表示時間を短くすることができる。
【0039】
なお、この第3の実施の形態においては、延長すべき文言と短縮すべき文言とを記憶させて、文言の種類に応じて表示時間の延長または短縮を行っているが、延長すべき文言のみを記憶させ、入力された文言が記憶されている文言と一致した場合に表示時間の延長のみを行う構成にしてもよい。また、短縮すべき文言のみを記憶させ、入力された文言が記憶されている文言と一致した場合に表示時間の短縮のみを行う構成にしてもよい。
【0040】
また、この第3の実施の形態においては、鑑賞者が表示画像に対して否定的な文言を発した場合、表示画像の表示時間を短縮しているが、表示画像(n番目の画像)の表示を終了させて次の画像((n+1)番目の画像)を表示する構成にしてもよい。また、文言データ記憶部16に次の画像表示を促す文言(「次へ」等)を記憶させておき、鑑賞者が次の画像表示を促す文言を発した場合、表示画像の表示を終了させて次の画像を表示する構成にしてもよい。また、文言データ記憶部16に前の画像表示を促す文言(「戻れ」等)を記憶させておき、鑑賞者が前の画像表示を促す文言を発した場合、表示画像(n番目の画像)の表示を終了させて前の画像((n−1)番目の画像)を表示する構成にしてもよい。
【0041】
また、この第3の実施の形態においては、延長すべき文言と短縮すべき文言とを記憶させて、文言の種類に応じて表示時間の延長または短縮を行っているが、例えば音声解析技術として特開平6−139044号公報に開示されている技術を用いて、鑑賞者が発した文言の内容から鑑賞者の感情を特定し、鑑賞者の感情に応じて表示時間の延長または短縮を行うようにしてもよい。
【0042】
また、上述の各実施の形態に係る画像再生装置においては、制御部12が図示しないメモリ等から画像再生装置2,20に画像の再生処理を実施させる画像再生処理プログラムを読み込んで実行している。即ち、上述の各実施の形態で用いられている画像再生処理プログラムは、画像再生装置2,20に周囲環境の音声が所定状態であるか否かを判定する判定ステップ、判定ステップによる判定時に再生表示されている画像の表示時間を制御せしめる制御ステップを実行せしめている。また、第3の実施の形態で用いられている画像再生処理プログラムは、画像再生装置20に人間の音声を解析する解析ステップを実行せしめている。したがって、上述の各実施の形態に係る画像再生処理プログラムによれば、鑑賞者の反応に応じて再生表示中の画像の表示時間を延長するなどの制御を行うことができる。
【0043】
なお、上述の各実施の形態では、画像の切換えタイミングを再生(表示)時間で管理するものについて述べたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば既述したような、音楽と共にスライドショー再生を行う場合においては、音楽の節やテンポ等に応じて、その音楽毎に画像の切換りポイントが決められているものがある。このような音楽付スライドショーにおいて、音声判定部の判定結果に基づいて表示時間を延長するには、その画像の切換りポイントを1つ先の切換りポイントまで延ばす、というような処理をすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像再生装置を用いてスライドショー形式で画像を再生表示させる動作について説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る画像再生装置を用いてスライドショー形式で画像を再生表示させる動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る画像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る画像再生装置を用いてスライドショー形式で画像を再生表示させる動作について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
2,20…画像再生装置、4…音声入力部、6…音声判定部、8…画像データ記憶部、10…画像表示部、12…制御部、14…表示時間記憶部、16…文言データ記憶部、60…音声解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、
前記複数の画像データにそれぞれ基づく複数の画像を順次表示する画像表示部と、
周囲環境の音声を入力する音声入力部と、
前記音声入力部により入力された前記音声が所定状態であるか否かの判定を行う音声判定部と、
前記複数の画像を前記画像表示部に順次切換えながら連続的に表示している場合において、前記音声判定部による判定時に前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を、前記音声判定部による判定結果に基づいて制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記所定状態とは、前記音声の音量が所定の音量以上である状態を含み、
前記制御部は、前記音声判定部により前記音声の音量が所定の音量以上であると判定された場合、前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長することを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記所定時間は、前記音量に応じて設定されることを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記所定状態とは、人間の音声が含まれている状態を含み、
前記音声判定部は、前記音声入力部により入力された前記人間の音声を認識する音声認識部を更に備え、
前記制御部は、前記音声認識部により前記人間の音声を認識した場合、前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記音声判定部は、特定の人物の音声が記憶されている音声記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記音声判定部により、前記音声入力部で入力された前記音声が前記音声記憶部に記憶されている前記特定の人物の音声と一致していると判定された場合、前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記音声判定部は、人間の音声を解析する音声解析部を更に備え、
前記制御部は、前記音声解析部による、前記音声入力部により入力された前記人間の音声の解析結果に基づいて前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長または短縮することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像再生装置。
【請求項7】
前記複数の画像を、画像毎に予め設定されている初期表示時間おきに順次切換えながら連続的に表示している場合において、前記制御部は、前記音声判定部の判定結果に基づいて、前記画像の表示時間を前記初期表示時間から所定時間延長することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像再生装置。
【請求項8】
前記所定時間は、前記初期表示時間に応じて設定されることを特徴とする請求項7記載の画像再生装置。
【請求項9】
前記画像毎の表示時間の変更記録を記憶する表示時間変更記憶部を更に備え、
前記画像毎の前記初期表示時間は、前記表示時間変更記憶部に記憶されている前記変更記録に応じて設定されることを特徴とする請求項7または請求項8記載の画像再生装置。
【請求項10】
画像データ記憶部に記憶されている複数の画像データに基づく複数の画像を順次切換えながら、連続的に画像表示部に再生表示する画像再生装置に適用される画像再生処理プログラムであって、
前記画像表示部に前記複数の画像を連続的に順次切換えながら再生表示している最中に、前記画像再生装置の周囲環境の音声が所定状態であるか否かを判定する判定ステップと、
該判定時に再生表示されていた画像の表示時間を、前記判定結果に基づいて制御せしめる制御ステップと、
を、前記画像再生装置に実行せしめることを特徴とする画像再生処理プログラム。
【請求項11】
前記所定状態とは、前記音声の音量が所定の音量以上である状態を含み、
前記制御ステップでは、前記判定ステップにより、前記音声の音量が前記所定の音量以上であると判定されると、該判定時に再生表示されていた画像の表示時間を所定時間延長することを特徴とする請求項10記載の画像再生処理プログラム。
【請求項12】
前記所定時間は、前記音量に応じて設定されることを特徴とする請求項11記載の画像再生処理プログラム。
【請求項13】
前記所定状態とは、人間の音声が含まれている状態を含み、
前記制御ステップでは、前記判定ステップにより、前記人間の音声が認識されると、前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長することを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の画像再生処理プログラム。
【請求項14】
前記制御ステップでは、前記判定ステップにより、前記音声が特定の人物の音声と一致していると判定されると、前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長することを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか一項に記載の画像再生処理プログラム。
【請求項15】
前記判定ステップは、人間の音声を解析する解析ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記解析ステップによる解析結果に基づいて前記画像表示部に表示されている前記画像の表示時間を所定時間延長または短縮することを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれか一項に記載の画像再生処理プログラム。
【請求項16】
前記複数の画像を、画像毎に予め設定されている初期表示時間おきに順次切換えながら連続的に表示している場合において、前記制御ステップでは、前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記画像の表示時間を前記初期表示時間から所定時間延長することを特徴とする請求項10乃至請求項15のいずれか一項に記載の画像再生処理プログラム。
【請求項17】
前記所定時間は、前記初期表示時間に応じて設定されることを特徴とする請求項16記載の画像再生処理プログラム。
【請求項18】
前記画像毎の前記初期表示時間は、前記画像毎の表示時間の変更記録に応じて設定されることを特徴とする請求項16または請求項17記載の画像再生処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−260718(P2009−260718A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108030(P2008−108030)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】