説明

画像処理システム及び画像処理方法

【課題】既知のスキャン対象物を忠実に表すようにスキャン画像を補正できる画像処理システム及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】スキャン画像を取得する画像取得手段と、前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定手段と、前記第一スキャン領域対象物が既知対象物であることを認識する認識手段と、前記第一スキャン領域から前記既知対象物の影に対応すると推定される影領域の少なくとも一部を除いた第二スキャン領域を特定する第二スキャン領域特定手段と、を備えることを特徴とする画像処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理システム及び画像処理方法に関し、特にスキャン画像の補正に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンパクトディスク(CD)のレーベルをコピーできる、画像読み取り機能と印刷機能とを備えた所謂フラットベッド型の複合機が知られている(例えば特許文献1、2参照)
しかし、従来の複合機では、原稿台に載置され原稿台の下方から照明されたCDの影が原稿マットに写り、その影が印刷媒体としてのCDレーベルに印刷されるという問題があった。また従来の複合機では、一般に、読み取り時のサンプリングピッチが主走査方向と副走査方向とでわずかに異なるため、オリジナルのCDレーベルの画像に対してCDレーベルのハードコピーの画像が歪むという問題があった。さらにこのことが原因となって、CDレーベルのハードコピーによって得られたCDでは、意図しない余白がCDレーベルに形成されたり、レーベル領域以外の領域にインクが付着するという問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開2004−199489号公報
【特許文献2】特開2003−1873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて創作されたものであって、既知のスキャン対象物を忠実に表すようにスキャン画像を補正できる画像処理システム及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 上記目的を達成するための本発明による画像処理システムは、スキャン画像を取得する画像取得手段と、前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定手段と、前記対象物が既知対象物であることを認識する認識手段と、前記第一スキャン領域から前記既知対象物の影に対応すると推定される影領域の少なくとも一部を除いた第二スキャン領域を特定する第二スキャン領域特定手段と、を備える。
対象物が相当の厚さを持つものである場合、その対象物が照明されて読み取られる際に、その対象物の影が画像として読み取られる。対象物と読み取り時の照明環境とが既知であれば、対象物の影の形状を推定することができる。本発明によると、既知対象物に対応する第一スキャン領域をスキャン画像に基づいて特定した上で第一スキャン領域から既知対象物の影に対応すると推定される影領域を除いた第二スキャン領域を特定するため、既知対象物を忠実に表すようにスキャン画像を補正することができる。尚、スキャン領域は、スキャン画像が定義される座標平面上で定義してもよいし、読み取り領域が定義される座標平面上で定義してもよい。
【0006】
(2) 前記第一スキャン領域特定手段は、前記スキャン画像の領域分割により前記第一スキャン領域を特定してもよい。
対象物が既知であれば、対象物の特徴に対応するしきい値を用いた領域分割により、既知対象物に対応する領域が含まれる第一スキャン領域をスキャン画像に基づいて特定することができる。本発明によると、スキャン画像の領域分割により第一スキャン領域を特定するため、対話モードでユーザに第一スキャン領域を特定させる必要がない。このため、本発明によると画像処理システムの操作手順を低減することができる。
【0007】
(3) 前記認識手段は、前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像の特徴解析により前記対象物が前記既知対象物であることを認識してもよい。
対象物が既知であれば、スキャン画像の特徴解析により対象物が既知対象物であることを認識することができる。したがって本発明によると、対象物が既知対象物であるか否かをユーザに特定させる必要がない。このため、本発明によると画像処理システムの操作手順を低減することができる。
【0008】
(4) 前記認識手段は、対象物指定操作を受け付け、前記対象物指定操作に応じて前記対象物が第一スキャン領域既知対象物であることを認識してもよい。
スキャン画像に表されている対象物をユーザに指定させることにより、対象物が既知対象物であるか否かを画像解析によって特定する必要が無くなる。したがって本発明によると、画像処理システムの画像解析の負担を低減することができる。
【0009】
(5) 前記画像処理システムは、予め決められた歪み補正情報に基づいて前記第二スキャン領域内の前記スキャン画像の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する歪み補正手段をさらに備えてもよい。
一般に、原稿読み取り時のサンプリング間隔とスキャン画像の画素の表示間隔の比は、主走査方向と副走査方向とでわずかに異なっている。したがって一般に、スキャン画像によって表示される対象物の縦横比と、現実の対象物の縦横比とはわずかに異なっている。原稿読み取り時のサンプリング間隔とスキャン画像の画素の表示間隔の対応関係が主走査方向及び副走査方向についてそれぞれ既知であれば、その対応関係に応じてサンプリング間隔とスキャン画像の画素の表示間隔の比が主走査方向と副走査方向とで一致するようにスキャン画像の歪みを補正することができる。本発明によると、予め決められた歪み補正情報に基づいて既知対象物に対応する第二スキャン領域の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する。このため本発明によると、スキャン画像によって表示される既知対象物の縦横比を現実の対象物の縦横比と正確に一致させることができる。尚、本明細書では、印刷表示及び画面表示の両方を含む意味で「表示」を用いる。
【0010】
(6) 前記画像取得手段は、透明な原稿台に載置され原稿マットに覆われ前記原稿台の盤面の垂線と特定角度をなす方向から照明された前記対象物を読み取る画像読み取り装置から、前記スキャン画像を取得し、前記影領域は、前記既知対象物の形状と前記特定角度とに応じて予め決められた領域であってもよい。
【0011】
(7) 前記画像処理システムは、前記既知対象物を読み取り前記画像取得手段に前記スキャン画像を出力する読み取り手段と、前記第二スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成される印刷データに基づいて印刷する印刷手段と、をさらに備えてもよい。
【0012】
(8) 前記既知対象物は円環状であってもよい。この場合、前記画像処理システムは、前記第二スキャン領域と中心が一致する前記第二スキャン領域内の円環状の第三領域の外側に対応する領域を非印刷領域としてマスクした印刷データを前記第二スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成する印刷データ生成手段をさらに備えてもよい。
スキャン対象物の形状が円環状である場合、本発明によると、第二スキャン領域内の円環状の第三領域の外側に対応する領域を非印刷領域としてマスクした印刷データを生成することにより、不要なインクやトナー等の色材が印刷媒体やプラテンに付着することを防止することができる。尚、円環状の外側領域とは、円環状領域の外側境界より外側の領域と、円環状領域の内側境界より内側の領域である。
【0013】
(9) 前記既知対象物は円環状であってもよい。この場合、前記画像処理システムは、前記第二スキャン領域と中心が一致する前記第二スキャン領域内の円環状の領域の外側の前記スキャン画像を透明に変換する透明変換手段をさらに備えてもよい。
スキャン対象物の形状が円環状である場合、本発明によると、第二スキャン領域内の円環状の第三領域の外側領域を透明に変換することにより、不要なインクやトナー等の色材が印刷媒体やプラテンに付着することを防止することができる。
【0014】
(10) 上記目的を達成するための本発明による画像処理システムは、スキャン画像を取得する画像取得手段と、前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定手段と、前記対象物が既知対象物であることを認識する認識手段と、予め決められた歪み補正情報に基づいて前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する歪み補正手段と、を備える。
本発明によると、予め決められた歪み補正情報に基づいて既知対象物に対応する第一スキャン領域内のスキャン画像の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する。このため本発明によると、スキャン画像によって表示される既知対象物の縦横比を現実の対象物の縦横比と正確に一致させることができる。
【0015】
(11) 前記第一スキャン領域特定手段は、前記スキャン画像の領域分割により前記第一スキャン領域を特定してもよい。
本発明によると、スキャン画像の領域分割により第一スキャン領域を特定するため、対話モードでユーザに第一スキャン領域を特定させる必要がない。このため、本発明によると画像処理システムの操作手順を低減することができる。
【0016】
(12) 前記対象物は円環状であってもよい。この場合、前記画像処理システムは、前記第一スキャン領域と中心が一致する前記第一スキャン領域内の円環状の第二スキャン領域の外側に対応する領域を非印刷領域としてマスクした印刷データを前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成する印刷データ生成手段をさらに備えてもよい。
スキャン対象物の形状が円環状である場合、本発明によると、第一スキャン領域内の円環状の第二スキャン領域の外側に対応する領域を非印刷領域としてマスクした印刷データを生成することにより、不要なインクやトナー等の色材が印刷媒体やプラテンに付着することを防止することができる。
【0017】
(13) 前記既知対象物は円環状であってもよい。この場合、前記画像処理システムは、前記第一スキャン領域と中心が一致する前記第一スキャン領域内の円環状の第二スキャン領域の外側の前記スキャン画像を透明に変換する透明変換手段をさらに備えてもよい。
スキャン対象物の形状が円環状である場合、本発明によると、第一スキャン領域内の円環状の第二スキャン領域の外側領域を透明に変換することにより、不要なインクやトナー等の色材が印刷媒体やプラテンに付着することを防止できる。
【0018】
(14) 前記画像処理システムは、前記既知対象物を読み取り前記画像取得手段に前記スキャン画像を出力する読み取り手段と、前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成される印刷データに基づいて印刷する印刷手段と、をさらに備えてもよい。
【0019】
(15) 前記認識手段は、前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像の特徴解析により前記対象物が前記既知対象物であることを認識してもよい。
本発明によると、対象物が既知対象物であるか否かをユーザに特定させる必要がない。このため、本発明によると画像処理システムの操作手順を低減することができる。
【0020】
(16) 前記認識手段は、前記認識手段は、対象物指定操作を受け付け、前記対象物指定操作に応じて前記対象物が前記既知対象物であることを認識してもよい。
対象物をユーザに指定させることにより、対象物が既知対象物であるか否かを画像解析によって特定する必要が無くなる。したがって本発明によると、画像処理システムの画像解析の負担を低減することができる。
【0021】
(17) 前記既知対象物はコンパクトディスクであってもよい。
本発明によると、コンパクトディスクを忠実に表すようにスキャン画像を補正することができる。
【0022】
(18) 上記目的を達成するための本発明による画像処理方法は、スキャン画像を取得する画像取得段階と、前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定段階と、前記対象物が既知対象物であることを認識する認識段階と、前記第一スキャン領域から前記既知対象物の影に対応すると推定される影領域の少なくとも一部を除いた第二スキャン領域を特定する第二スキャン領域特定段階と、を含む。
【0023】
(19) 上記目的を達成するための本発明による画像処理方法は、スキャン画像を取得する画像取得段階と、前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定段階と、前記対象物が既知対象物であることを認識する認識段階と、予め決められた歪み補正情報に基づいて前記第一スキャン領域の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する歪み補正段階と、を含む。
【0024】
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
また、本発明は装置及び方法の発明として特定できるだけでなく、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、複数の実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。各実施例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例の構成要素と対応する。
(第一実施例)
図2は、本発明による画像処理システムの第一実施例としての複合機1の外観を示す斜視図である。図3は、複合機1を示すブロック図である。図4は、複合機1のスキャンユニット50の構造を示す模式図である。複合機1は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)に原稿を読み取った画像データを出力する機能と、リムーバブルメモリ24又はPCから入力した画像データを印刷する機能と、原稿を読み取った画像データを印刷する機能とを有する。
【0026】
読み取り手段としてのスキャンユニット50は、上部ケース18に収容され、光源52、イメージセンサ54、AFE(Analog Front End)部56、センサ駆動部74、センサキャリッジ駆動部76等を備える。光源52は、主走査方向に長い蛍光管ランプ等で構成される。センサ駆動部74に駆動されるイメージセンサ54は、RGBの3チャネルの受光素子を備えるカラーCCDリニアイメージセンサ等のリニアイメージセンサである。イメージセンサ54は、透明な原稿台16と平行に移動するセンサキャリッジ96に搭載されている。イメージセンサ54は、レンズ98及びミラー100により受光面に結像される対象物92の光学像の濃淡に相関する電気信号を出力する。センサキャリッジ駆動部76は、図示しないモータ、駆動ベルト、駆動回路等を備える。センサキャリッジ駆動部76は、主走査領域の長手方向に垂直に架設された図示しないガイドロッドに沿ってセンサキャリッジ96を往復移動させる。イメージセンサ54が主走査領域の長手方向に垂直な方向に移動することにより二次元画像を読み取り可能となる。AFE部56は、増幅、ノイズ除去等のアナログ信号処理部、A/D変換器等を備える。尚、スキャンユニット50は、上述したレンズ縮小型の構成であってもよいし、密着型の構成であってもよい。
【0027】
複合機1のプリントユニット86は、下部ケース20に収容され、インクジェット方式で印刷媒体に画像を形成するための記録ヘッド84、ヘッド駆動部82、ヘッドキャリッジ駆動部78、送紙部80等を備える。尚、プリントユニット86はレーザ方式等の他の印刷方式に対応する構成でもよい。記録ヘッド84は、インクカートリッジが搭載される図示しないヘッドキャリッジに設けられ、ノズル、ピエゾ素子、インク通路等を備える。ヘッドキャリッジ駆動部78は、図示しないモータ、駆動ベルト、駆動回路等を備える。ヘッドキャリッジ駆動部78は、印刷媒体の搬送方向と垂直に記録ヘッド84を往復移動させる。送紙部80は、図示しない用紙搬送ローラ、モータ、駆動回路等を備える。送紙部80は、用紙搬送ローラを回転させることにより用紙及びCDトレイ28(図2参照)を記録ヘッド84の移動方向軸線と垂直な方向に搬送する。プリントユニット86はCDトレイ28を搬送し、CDトレイ28の位置決め部30に位置決めされたCDのレーベル面に画像を形成可能な構成である。
【0028】
外部メモリコントローラ70は、カードスロット22(図2参照)に挿入されるリムーバブルメモリ24に接続される。リムーバブルメモリ24に格納されたデータは外部メモリコントローラ70によって読み出され、RAM60に転送される。
操作部68は、メニューを表示するためのLCD34と、メニューを操作するための選択キー、決定キー、キャンセルキー等の各種の押しボタン36、38、40を備える。
【0029】
制御部58は、RAM60、ROM62、CPU64及びディジタル画像処理部66を備える。CPU64はRAM60に格納されている制御プログラムを実行して複合機1の各部を制御する。ROM62は、制御プログラムを格納している不揮発性メモリである。RAM60は、制御プログラムやスキャン画像等の各種のデータが一時的に格納される揮発性メモリである。制御プログラムは遠隔地のサーバからネットワークを経由してROM62に格納してもよいし、リムーバブルメモリ24等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を経由してROM62に格納してもよい。ディジタル画像処理部66は、読み取り手段と印刷手段の一部を構成し、スキャン画像に対するガンマ補正、解像度変換、画像のカラーバランス補正、二値化、色空間の変換等の画像処理をCPU64と協働して実行するDSP等の専用回路である。
【0030】
以上、複合機1のハードウェア構成を説明した。次に、スキャン画像に表れる影について説明する。
図4に示すように、光源52は、イメージセンサ54から原稿台16の盤面に到る光路から外れた位置に設けられる。また光源52は、特定位置にあるイメージセンサ54に結像される領域である原稿台16上の主走査領域を原稿台16の盤面の垂線と特定の角度をなす方向から照明する。このため、対象物92が厚い場合、光源52に照明された対象物92の影が原稿カバー10に固定された原稿マット90に形成され、この影がスキャン画像に表れる。
【0031】
図5は、複合機1の制御プログラムを示すブロック図である。
スキャン制御モジュール102は、制御部58を画像取得手段として機能させるプログラム部品である。スキャン制御モジュール102は、読み取り開始要求に応じてスキャンユニット50を制御し、スキャン画像をRAM60に格納する。
CDレーベル処理モジュール104は、制御部58を第一スキャン領域特定手段、認識手段、第二スキャン領域特定手段及び歪み補正手段として機能させるプログラム部品である。
【0032】
CDレーベル処理モジュール104は、1回目の読み取りによって取得される低解像度のスキャン画像の領域分割により第一スキャン領域を特定する。以下、1回目の読み取りによって取得される低解像度のスキャン画像を第一スキャン画像という。領域分割には原稿マット90に対応する画素の濃淡レベルから所定のマージンを差し引いたレベルのしきい値を用いる。CDレーベル処理モジュール104は、第一スキャン画像の特徴解析により対象物がCDであることを認識する。特徴解析では、例えば第一スキャン領域の形状がCDの規格寸法に対応しているか否かを解析する。
【0033】
CDレーベル処理モジュール104は、2回目の読み取りによって取得される高解像度のスキャン画像の第二スキャン領域の外側に対応する領域をクリップ情報に基づいて削除する。以下、2回目の読み取りによって取得される高解像度のスキャン画像を第二スキャン画像という。クリップ情報は、副走査方向と、光源52から主走査領域に到る光路と主走査領域からイメージセンサ54に到る光路とがなす角度と、規格寸法として規定されているCDの直径と、厚さとに応じて設定され、予めROM62に格納されている情報である。クリップ情報は、CDのスキャン画像上の直径に対して何パーセントの最大幅でCDに対して副走査方向の前後どちら側にスキャン画像に影が表れているかを特定する情報である。クリップ情報は、CDの読み取り解像度が任意であれば比率で設定し、CDの読み取り解像度が既知であれば画素数で設定することができる。
【0034】
CDレーベル処理モジュール104は、印刷解像度に応じて第二スキャン画像を拡大縮小する。このときCDレーベル処理モジュール104は、歪み補正情報に基づいて縦横異なる倍率で第二スキャン画像を拡大縮小し、印刷解像度と印刷領域のサイズに応じた大きさの正方形に第二スキャン画像を変形する。歪み補正情報は、読み取り時の主走査方向のサンプリング間隔と副走査方向のサンプリング間隔の比に応じて設定され、予めROM62に格納されている情報である。表示時の画素間隔は主走査方向と副走査方向とで等しいものとして歪み補正情報は設定されている。このため、読み取り時の主走査方向のサンプリング間隔と副走査方向のサンプリング間隔との比に応じて第二スキャン画像を拡大縮小することにより、現実の対象物の縦横比と表示された対象物の縦横比とを一致させることができる。
【0035】
CDレーベル処理モジュール104は、制御部58を透明変換手段として機能させるプログラム部品である。CDレーベル処理モジュール104は、予めROM62に格納されているテンプレートと第二スキャン画像とに基づいて印刷対象ページを生成する。このテンプレートは、CDレーベルの形状に対応したマスクと、第二スキャン画像とマスクとをページ上の所定の位置で重ねるための位置情報とで構成されている。マスクは印刷非対象画素を透明レベルに置換したり、印刷非対象画素を印刷不要画素として設定するための二次元配列の情報である。
【0036】
プリント制御モジュール106は、制御部58及びプリントユニット86を印刷手段、印刷データ生成手段として機能させるプログラム部品である。プリント制御モジュール106は、印刷対象ページの色空間をインクの色空間であるCMYK等の色空間に変換する処理、二値化処理、インタレース処理等を施して印刷データを生成し、印刷データに基づいてプリントユニット86を制御する。
【0037】
図6は、上述した制御プログラムを制御部58で実行する複合機1による画像処理方法を示すフローチャートである。図6に示す処理は、所定のメニュー操作により複合機1がCDコピーモードに遷移すると開始される。
ステップS100では、制御部58は、スキャン制御モジュール102を実行し、所定のメニュー操作によりCDコピー開始要求が受け付けられると、原稿台16上の読み取り可能範囲全体をスキャンユニット50に低解像度で読み取らせ、第一スキャン画像をRAM60に格納する。図1(A)は、原稿台16にCDが載置されている状態で取得された第一スキャン画像110を表している。第一スキャン画像110には、CD114とCDの影116とが表れる。図7(A)は、原稿台16に紙等の薄い対象物が載置されている状態で取得された第一スキャン画像130を表している。第一スキャン画像130には、薄い対象物132が表れ、対象物132の影は表れない。
【0038】
ステップS102では、制御部58は、CDレーベル処理モジュール104を実行し、第一スキャン画像の領域分割により対象物114、132の領域を特定し、さらに対象物114、132の領域に外接する矩形に対応する第一スキャン領域112、134を特定する。対象物がCDである場合、CDの影116に対応する領域の濃淡レベルは原稿マット90に対応する領域の濃淡レベルよりも相当低いため、図1(A)に示すように、第一スキャン領域112にはCD114とCDの影116とに対応する領域が含まれることとなる。尚、図1、図7では第一スキャン画像110、130及び第二スキャン画像113、135に重ねて第一スキャン領域112、134、第二スキャン領域115、137を図示しているが、実際には第一スキャン領域112、134、第二スキャン領域115、137は原稿台16の盤面上の領域である。次に制御部58は、第一スキャン領域112、134を2回目の読み取り領域として設定する。尚、対象物114、132の領域を特定する方法として、濃淡レベルのしきい値を用いた領域分割以外に、エッジ検出を用いてもよい。
【0039】
ステップS104では、制御部58は、CDレーベル処理モジュール104を実行し、第一スキャン領域112、134の寸法に基づいて対象物がCDであるかCD以外であるかを判定する。具体的には例えば、制御部58は、第一スキャン領域112、134の寸法が12cm(±3%)×12cm(±3%)であるか否かによって対象物がCDであるかCD以外であるかを判定する。制御部58は対象物がCDであると判定するとステップS106の処理に進み、CD以外であると判定するとステップS118の処理に進む。尚、対象物がCDであることを特定するために用いるCDの特徴としては、外形寸法以外に、例えば中心部に円形開口部があること等を利用できる。特徴解析により対象物を特定することにより、対話モードでユーザに対象物を特定させる必要が無くなり、複合機1の操作手順を低減することができる。
【0040】
ステップS106及びステップS118では、制御部58は、スキャン制御モジュール102を実行し、ステップS102で設定された読み取り領域を高解像度でスキャンユニット50に読み取らせ、第二スキャン画像をRAM60に格納する。図1(B)は原稿台16にCDが載置された状態で取得された第二スキャン画像113を表している。第二スキャン画像113には、CD114とCDの影116とが表れる。図7(B)は、原稿台16に紙等の薄い対象物が載置されている状態で取得された第二スキャン画像135を表している。第二スキャン画像135には、薄い対象物132が表れ、対象物132の影は表れない。
【0041】
対象物がCDの場合に実行されるステップS108では、制御部58は、CDレーベル処理モジュール104を実行し、上述したクリップ情報に基づいて第一スキャン領域112の一端部を所定幅除いた第二スキャン領域115を特定し(図1(C)参照)、第二スキャン領域115の外側領域118に対応する第二スキャン画像113の領域を削除する。この結果、第二スキャン画像113から影116に対応する領域の一部が削除され、図1(D)に示すように第二スキャン画像113が変形する。
【0042】
対象物がCDの場合に実行されるステップS110では、制御部58は、CDレーベル処理モジュール104を実行し、上述した歪み補正情報に基づいて第二スキャン領域115内の第二スキャン画像113を拡大縮小し、第二スキャン画像113を印刷領域の大きさ及び印刷解像度に応じた大きさの正方形に変形する(図1(E)参照)。スキャンユニット50の特性に応じて予め設定された歪み補正情報に基づいて縦横異なる倍率で第二スキャン画像113を拡大縮小することにより、オリジナルのCDレーベル画像の縦横比と複合機1で印刷されたCDレーベル画像の縦横比とを正確に一致させることができる。また、印刷媒体であるCDのレーベル領域156に三日月形状の余白が形成されることも防止される。
【0043】
対象物がCD以外の場合に実行されるステップS120では、制御部58は、第一スキャン領域134の重心を重心とし第一スキャン領域134に内接する正方形の領域を第二スキャン領域137として特定する(図7(C)参照)。さらに制御部58は、第一スキャン領域134から第二スキャン領域137を除いた領域に対応する両端部136、138を削除することにより、第二スキャン画像135を正方形に変形する(図7(D)参照)。
【0044】
対象物がCD以外の場合に実行されるステップS122では、印刷領域の大きさに応じて第二スキャン画像135を縦横等倍で拡大縮小する。
ステップS112では、制御部58は、CDレーベル処理モジュール104を実行し、上述したテンプレートと第二スキャン画像113、135とに基づいて印刷対象ページを生成する。
【0045】
図8は、テンプレートを用いた印刷対象ページの生成処理を説明するための模式図である。テンプレートを構成するマスク140は、CD158の規格寸法と印刷解像度とに応じて設定され、予めROM62に格納されている。マスク140は、画素を透明レベル又は非印刷画素として設定するための値を有する、隅領域142、146、148、144と、円形の中心領域150と、画素を変更しない値を有する円環形状の無設定領域151とを有する。中心領域150の直径は、CD158のレーベル領域156の内径と等しい。無設定領域151の外径は、CD158のレーベル領域156の外径と等しく、ステップS110又はステップS122までの処理が施された第二スキャン画像113、135の一辺の長さと等しい。マスク140と第二スキャン画像113とがそれぞれの重心が一致するように重ね合わせて印刷対象ページに配置されると、CD158のレーベル領域156にのみ画像が形成される印刷対象ページが形成される。この結果、CD158の内縁透明部154、CD158の外縁透明部160、若しくはCD158の中心開口部152の直下に位置するプラテン又はCDトレイ28にインクが付着することが防止される。尚、マスク140の形状は、上述の構成に限られず、例えばCDレーベル領域156の内側及び外側に位置する高反射領域にインクが付着しない構成としたり、CDレーベル領域156の外縁及び内縁に所定のマージンを設定した構成としたり、内縁透明部154及び外縁透明部160にも画像が形成される構成とすることができる。
【0046】
ステップS114では、制御部58は、プリント制御モジュール106を実行し、印刷対象ページに色空間変換、二値化、インタレース処理などを施して印刷データを生成する。
ステップS116では、制御部58は、プリント制御モジュール106を実行し、印刷データに基づいてプリントユニット86を制御し、CDトレイ28に載置されたCD158に画像を印刷する。この結果、原稿台16に載置された対象物の画像がCD158に印刷される。尚、原稿台16に載置された対象物の画像を印刷するための印刷媒体としては、CD158以外に、CD158のレーベル領域156に対応する剥離領域を有する無地シール等を用いることができる。
【0047】
(第二実施例)
図9は、本発明の第二実施例による画像処理方法を示すフローチャートである。第二実施例は、第二スキャン領域のクリップ処理が第一実施例と異なり、その他の点では第一実施例と実質的に同一である。以下、具体的に説明する。
対象物がCDである場合、ステップS102において第一スキャン画像を領域分割する際、そのしきい値によっては、図10(A)に示すような第一スキャン領域112が設定される。1回目の読み取りで取得された第一スキャン画像110にはCD114とCDの影116とが表れる。CD114の領域には、CD外縁部の透明部分に対応する領域111と、CD内縁部の透明部分に対応する領域119とが含まれている。CDの影116は、CD外縁部の透明部分に対応する領域111の外側に形成される。
その結果、二回目の読み取りを実施するステップS106では、図10(B)に示す第二スキャン画像113が取得される。
【0048】
ステップS208では、制御部58は、CDレーベル処理モジュール104を実行し、クリップ情報に基づいて第一スキャン領域112の周縁部を所定幅除いた第二スキャン領域115を特定し(図10(C)参照)、第二スキャン領域115の外側領域に対応する第二スキャン画像113の領域を削除する。削除幅はCDの透明部の幅と、CDの厚さと、CDの直径とに応じて設定される。この結果、第二スキャン画像113からCDの影116の一部とCDの透明部分111の一部とが削除され、図10(D)に示すように第二スキャン画像113が変形する。
【0049】
ステップS110では、図10(D)に示す第二スキャン画像113が拡大縮小され、印刷領域の大きさと印刷解像度とに応じた正方形に変形される。
ステップS112では、図11に示すようにマスク140と第二スキャン画像113とが印刷対象ページに割り付けられる。マスク140の一辺の長さは、CDの円環状の不透明領域117の外径に対応する。マスク140の円形の中心領域150の直径は、CDの不透明領域117の内径に対応する。この結果、CD158のレーベル領域156にCDの透明部分111、119が薄灰色等で印刷されることが防止される。
【0050】
(第三実施例)
図12は、本発明の第三実施例による画像処理方法を示すフローチャートである。第三実施例は、対象物の特定方法が第一実施例と異なり、その他の点では第一実施例と実質的に同一である。以下、具体的に説明する。
ステップS300では、制御部58はCDレーベル処理モジュール104を実行し、所定のメニュー操作としての対象物指定操作を受け付け、対象物指定操作に応じて対象物の種類を設定する。
【0051】
ステップS304では、制御部58はCDレーベル処理モジュール104を実行し、対象物の種類がCDに設定されているか、それ以外に設定されているかを判定し、CDに設定されていればステップS106の処理に進み、CD以外に設定されていればステップS118の処理に進む。すなわち制御部58は、第一スキャン領域112、134内の第一スキャン画像110、130の特徴解析をすることなしに、対象物がCDであるか否かを認識する。このため第三実施例によると、特徴解析のための処理に費やす時間と開発・製造コストとを低減することができる。
【0052】
以上、複合機1に本発明を適用した実施例を説明したが、本発明は、PC並びにPCに接続されたプリンタ及びスキャナで構成されるシステムに適用することもできる。また本発明は、リムーバブルメモリにスキャン画像を出力可能なスキャナと、リムーバブルメモリから画像を入力可能なプリンタとで構成されるシステムに適用することもできる。この場合、プリンタに備えられる外部メモリコントローラが本発明に係る画像取得手段の一部を構成する。また本発明は、スキャナのシステム内で完全なスキャン画像をメモリに格納し、スキャン画像とマスクとを割り付けた印刷対象ページをスキャナが生成し、印刷対象ページの印刷データをスキャナが外部システムであるプリンタに出力するシステムにも適用することができる。また本発明は、スキャナからスキャン画像を取得し、取得したスキャン画像とマスクとを割り付けた印刷対象ページを生成し、印刷対象ページに基づいて印刷データを生成し、スキャン画像を印刷するプリンタに適用することもできる。
【0053】
また上述の実施例では、対象物としてCDを例示したが、対象物は形状や特徴が規格等で特定可能な既知のものであればよく、例えば定型書籍であってもよい。対象物が定型書籍である場合、対象物の厚さが未知であるが、一般にページの外縁には余白が形成されているため、ページ余白の画像上の特徴を用いて影を除去することが可能である。尚、CDにCD、CD−R、CD−RW、DVD等の複数規格のCDが含まれることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第一実施例に係るスキャン画像を示す模式図。
【図2】本発明の第一実施例による複合機の外観を示す斜視図。
【図3】本発明の第一実施例による複合機のブロック図。
【図4】本発明の第一実施例に係る模式図。
【図5】本発明の第一実施例に係る制御プログラムのブロック図。
【図6】本発明の第一実施例による画像処理方法を示すフローチャート。
【図7】本発明の第一実施例に係るスキャン画像を示す模式図。
【図8】本発明の第一実施例に係る模式図。
【図9】本発明の第二実施例による画像処理方法を示すフローチャート。
【図10】本発明の第二実施例に係るスキャン画像を示す模式図。
【図11】本発明の第二実施例に係る模式図。
【図12】本発明の第三実施例による画像処理方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0055】
1 複合機、16 原稿台、50 スキャンユニット(読み取り手段)、58 制御部(画像取得手段、第一スキャン領域特定手段、認識手段、第二スキャン領域特定手段、歪み補正手段)、66 ディジタル画像処理部(読み取り手段、印刷手段)、86 プリントユニット(印刷手段)、90 原稿マット、92 対象物、102 スキャン制御モジュール(画像取得手段)、104 レーベル処理モジュール(第一スキャン領域特定手段、認識手段、第二スキャン領域特定手段、歪み補正手段)、106 プリント制御モジュール(印刷手段)、110 第一スキャン画像、112 第一スキャン領域、112 第二スキャン領域、113 第二スキャン画像、114 対象物、115 第二スキャン領域、116 影、130 第一スキャン画像、132 対象物、134 第一スキャン領域、135 第二スキャン画像、137 第二スキャン領域、140 マスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャン画像を取得する画像取得手段と、
前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定手段と、
前記対象物が既知対象物であることを認識する認識手段と、
前記第一スキャン領域から前記既知対象物の影に対応すると推定される影領域の少なくとも一部を除いた第二スキャン領域を特定する第二スキャン領域特定手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記第一スキャン領域特定手段は、前記スキャン画像の領域分割により前記第一スキャン領域を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記認識手段は、前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像の特徴解析により前記対象物が前記既知対象物であることを認識することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記認識手段は、対象物指定操作を受け付け、前記対象物指定操作に応じて前記対象物が既知対象物であることを認識することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項5】
予め決められた歪み補正情報に基づいて前記第二スキャン領域内の前記スキャン画像の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する歪み補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画像取得手段は、透明な原稿台に載置され原稿マットに覆われ前記原稿台の盤面の垂線と特定角度をなす方向から照明された前記対象物を読み取る画像読み取り装置から、前記スキャン画像を取得し、
前記影領域は、前記既知対象物の形状と前記特定角度とに応じて予め決められた領域であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記既知対象物を読み取り前記画像取得手段に前記スキャン画像を出力する読み取り手段と、
前記第二スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成される印刷データに基づいて印刷する印刷手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記既知対象物は円環状であって、
前記第二スキャン領域と中心が一致する前記第二スキャン領域内の円環状の第三領域の外側に対応する領域を非印刷領域としてマスクした印刷データを前記第二スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成する印刷データ生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記既知対象物は円環状であって、
前記第二スキャン領域と中心が一致する前記第二スキャン領域内の円環状の領域の外側の前記スキャン画像を透明に変換する透明変換手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項10】
スキャン画像を取得する画像取得手段と、
前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定手段と、
前記対象物が既知対象物であることを認識する認識手段と、
予め決められた歪み補正情報に基づいて前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する歪み補正手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
前記第一スキャン領域特定手段は、前記スキャン画像の領域分割により前記第一スキャン領域を特定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記既知対象物は円環状であって、
前記第一スキャン領域と中心が一致する前記第一スキャン領域内の円環状の第二スキャン領域の外側に対応する領域を非印刷領域としてマスクした印刷データを前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成する印刷データ生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記既知対象物は円環状であって、
前記第一スキャン領域と中心が一致する前記第一スキャン領域内の円環状の第二スキャン領域の外側の前記スキャン画像を透明に変換する透明変換手段をさらに備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記既知対象物を読み取り前記画像取得手段に前記スキャン画像を出力する読み取り手段と、
前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像に基づいて生成される印刷データに基づいて印刷する印刷手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記認識手段は、前記第一スキャン領域内の前記スキャン画像の特徴解析により前記対象物が前記既知対象物であることを認識することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記認識手段は、対象物指定操作を受け付け、前記対象物指定操作に応じて前記対象物が前記既知対象物であることを認識することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項17】
前記既知対象物はコンパクトディスクであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項18】
スキャン画像を取得する画像取得段階と、
前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定段階と、
前記対象物が既知対象物であることを認識する認識段階と、
前記第一スキャン領域から前記既知対象物の影に対応すると推定される影領域の少なくとも一部を除いた第二スキャン領域を特定する第二スキャン領域特定段階と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項19】
スキャン画像を取得する画像取得段階と、
前記スキャン画像に基づいて対象物に対応する第一スキャン領域を特定する第一スキャン領域特定段階と、
前記対象物が既知対象物であることを認識する認識段階と、
予め決められた歪み補正情報に基づいて前記第一スキャン領域の縦方向の長さと横方向の長さの比を拡大縮小により補正する歪み補正段階と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−102973(P2008−102973A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8905(P2008−8905)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【分割の表示】特願2005−223821(P2005−223821)の分割
【原出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】