画像処理プログラム及び画像処理装置
【課題】対象画像内の対象物の数や形状が不定であっても、対象画像の中から指定された分類情報に係る対象物を含む画像領域を抽出する。
【解決手段】画像処理装置10は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出し、対象画像を取得し、指定された分類情報に係る対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出し、対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、対象画像の中から指定された分類情報に係る画像領域を抽出する。
【解決手段】画像処理装置10は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出し、対象画像を取得し、指定された分類情報に係る対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出し、対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、対象画像の中から指定された分類情報に係る画像領域を抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラム及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の中から指定された対象物を抽出する方法には、例えばテンプレートマッチングによる方法がある(例えば下記の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−47965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像の中に含まれる対象物の数や形状が不定である場合には、テンプレートマッチングによる方法では対象物を抽出できないことがある。
【0005】
本発明の目的は、指定された分類情報に係る対象物の数や形状が不定であっても、対象画像の中から当該指定された分類情報に係る対象物を含む画像領域を抽出できる画像処理プログラム及び画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像を取得する取得手段と、指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記画像領域抽出手段は、前記対象画像に含まれる画素のうち、前記画素評価値算出手段により算出された評価値が閾値以上である画素を連結した連結画素群を含む画像領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラムである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記対象画像の中に複数の画像領域を設定する設定手段と、前記設定手段により設定される複数の画像領域ごとに、当該画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、当該画像領域の評価値を算出する領域評価値算出手段として前記コンピュータをさらに機能させ、前記画像領域抽出手段は、前記領域評価値算出手段により前記複数の画像領域について算出された評価値に基づいて、前記複数の画像領域の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラムである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記画素評価値算出手段は、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を算出し、前記画像領域抽出手段は、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記対象画像の中から当該分類情報に係る画像領域を抽出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理プログラムである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムである。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、前記設定手段は、前記対象画像について指定された点を含む複数の部分領域を設定し、前記領域評価値算出手段は、前記複数の部分領域のそれぞれについて前記指定された複数の分類情報ごとの評価値を算出し、前記決定手段は、前記領域評価値算出手段により算出された最大の評価値に対応する部分領域及び分類情報を決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理プログラムである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像を取得する取得手段と、指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び7に記載の発明によれば、指定された分類情報に係る対象物の数や形状が不定であっても、対象画像の中から当該指定された分類情報に係る対象物を含む画像領域を抽出できる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、対象画像の中から指定された分類情報である確率が他の画素に比べて高い画素に基づき画像領域を抽出できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、対象画像の中から指定された分類情報である確率が他の画像領域に比べて高い画像領域を抽出できる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、対象画像の中から複数の分類情報のそれぞれに該当する画像領域を抽出できる。
【0018】
請求項5及び8に記載の発明によれば、対象画像の中に設定した部分領域に含まれる対象物の数や形状が不定であっても、当該対象物の分類情報を決定できる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、対象画像について指定された点を含む部分領域に含まれる対象物の分類情報を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
【図2】学習データの一例を示す図である。
【図3】画像処理装置により行われる学習処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】学習用画像と、学習用画像について指定された領域と分類情報の一例を示す図である。
【図5】学習用画像において分類情報が定められた領域について生成される特徴ベクトルの一例を説明する図である。
【図6】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図7】第1の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示す図である。
【図8】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【図9】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第4の例を示すフローチャートである。
【図10】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第5の例を示すフローチャートである。
【図11】第5の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0022】
図1には、本実施形態に係る画像処理装置10の機能ブロック図を示した。図1に示されるように、画像処理装置10は、学習用画像データ取得部100、学習領域設定部102、特徴データ生成部104、学習データ記憶部106、確率分布算出部108、対象画像データ取得部110、処理条件取得部112、画素評価値算出部114、部分領域設定部116、領域評価値算出部118、対象領域抽出部120、分類情報決定部122、表示情報生成部124、及び表示部126を備える。
【0023】
画像処理装置10に備えられる上記の各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する入出力手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる画像処理装置10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して供給されることとしてもよい。
【0024】
学習用画像データ取得部100は、学習用画像と、当該学習用画像に含まれる領域について予め定められた分類情報(ラベル情報)とを含む学習用画像データを取得する。
【0025】
学習領域設定部102は、学習用画像データ取得部100により取得された学習用画像の中から分類情報を学習するために用いる画像領域(学習領域)を設定する。学習領域設定部102は、学習用画像データに学習領域を指定するデータが含まれている場合には当該データに基づいて学習領域を設定し、当該データが含まれていない場合には、エッジ検出、画像分割等の結果に基づいて学習領域を設定することとしてよい。
【0026】
特徴データ生成部104は、指定された画像領域についての画像特徴を表す特徴データを生成する。例えば、特徴データ生成部104は、指定された画像領域の内部から予め定められたサイズの領域(単位領域)を1又は複数選択し、当該各単位領域について色情報、テクスチャ情報等の画像特徴値を抽出し、当該各単位領域について抽出された平均の画像特徴値を要素として並べたベクトルを特徴データ(特徴ベクトル)として生成することとしてよい。もちろん、画像領域から特徴データを生成する方法は、上記の方法に限られず、Bag−of−Features法等の他の方法を用いることとしても構わない。
【0027】
本実施形態では、特徴データ生成部104は、学習領域設定部102により設定された学習領域の画像特徴を表す特徴ベクトルを生成し、生成した特徴ベクトルを、学習領域について定められた分類情報に関連づけて学習データ記憶部106に記憶する。
【0028】
学習データ記憶部106は、分類情報と、学習領域に係る情報とを関連づけて記憶する。学習領域に係る情報とは、学習領域の学習用画像の識別情報と、学習用画像の部分領域を識別する領域識別情報とを含むデータであってもよいし、学習領域について特徴データ生成部104により生成された特徴ベクトルを含むデータであってもよい。
【0029】
図2には、学習データ記憶部106に記憶される学習データの一例を示した。図2に示した学習データ(テーブル)の例では、学習領域を識別する学習領域IDに関連づけて、分類情報、特徴ベクトルが記憶される。なお、学習領域IDのIijとは、学習用画像iの部分領域jを示すこととする。
【0030】
確率分布算出部108は、学習データ記憶部106に記憶される学習データに基づいて、分類情報(ラベル情報)ごとの特徴ベクトルの確率分布を算出する。具体的には、確率分布算出部108は、分類情報cに対する事前分布P(c)、特徴ベクトルxの事前分布P(x)、及び分類情報cを与えた場合の特徴ベクトルxの確率分布P(x|c)を算出する。まず、学習データ記憶部106に記憶される学習データの特徴ベクトルの総数をN、分類情報cが付与された特徴ベクトルの数がNcである場合には、P(c)は以下の式(1)により算出される。
【0031】
【数1】
【0032】
特徴ベクトルxの事前分布P(x)に関しては0より大きく1よりも小さい一定値とするか、全学習用画像から抽出した特徴ベクトルの集合Xを用いて算出することとしてよい。例えば、確率分布算出部108は、特徴ベクトルxの事前分布P(x)を、混合ガウス分布を仮定し以下の式(2)により求めることとしてよい。なお、N(x|μ,Σ)は、平均ベクトルμ、共分散行列Σの多次元正規分布を表し、πは各正規分布に対する重みであってΣπi=1の制約条件を持つパラメータ群であり、nはガウス分布の混合数である。
【0033】
【数2】
【0034】
分類情報cが与えられた場合の特徴ベクトルxの確率分布P(x|c)は、P(x)同様に混合ガウス分布を用いて算出することとしてよい。具体的には、分類情報cが与えられた特徴ベクトルのみ(個数はNc)を用いて確率分布P(x|c)を算出することとする。なお、確率分布の算出方法は、混合ガウス分布を用いる以外にも例えばカーネル密度推定法等を用いてもよい。
【0035】
対象画像データ取得部110は、処理の対象とする対象画像のデータを取得する。
【0036】
処理条件取得部112は、対象画像に対して行う処理の条件を取得する。例えば、処理条件取得部112は、キーボードやマウス等の入力デバイスを介して入力されたデータに基づいて、対象画像に対して行う処理の内容や条件を取得することとしてよい。具体的には、画像処理装置10は、分類情報が入力された場合には、対象画像から当該入力された分類情報に該当する画像領域を抽出する処理を実行し、画像領域が入力された場合には、当該画像領域に含まれる対象物の分類情報を決定する処理を実行することとしてよい。また、上記の処理以外にも、画像処理装置10は、対象画像に含まれる全て又は一部の分類情報にそれぞれ対応する対象物を抽出する処理や、対象画像に対してポイントされた点に係る対象物の存在領域と分類情報とを決定する処理等を実行することとしてよい。
【0037】
画素評価値算出部114は、対象画像データ取得部110により取得された対象画像に含まれる少なくとも一部の画素ごとに、指定された分類情報に該当する確率に基づく評価値を算出する。例えば、対象画像に含まれる全ての画素を処理対象としてもよいし、定間隔で画素を抽出して処理対象としてもよい。そして、画素評価値算出部114は、処理対象とする各画素を中心とする単位領域について特徴データ生成部104により生成された特徴ベクトルyと、指定された分類情報cについて算出された確率分布に基づいて、特徴ベクトルyに対する評価値SC(y)を算出する。具体的には、画素評価値算出部114は、評価値SC(y)を以下の式(3)により算出する。
【0038】
【数3】
【0039】
部分領域設定部116は、対象画像内に部分領域を設定する。例えば、部分領域設定部116は、対象画像に含まれる画素のうち、画素評価値算出部114で算出された評価値が閾値(例えば0)以上の画素を連結した連結画素群のそれぞれを部分領域に設定してもよいし、対象画像内の任意の部分を部分領域として設定してもよい。また、処理条件取得部112で、部分領域の範囲が指定されている場合には、その指定された範囲を部分領域に設定することとしてよい。
【0040】
領域評価値算出部118は、部分領域設定部116により設定された部分領域の評価値を算出する。例えば、領域評価値算出部118は、部分領域ごとに、当該部分領域に含まれる各画素について画素評価値算出部114により算出された評価値の和を当該部分領域の評価値として算出する。
【0041】
例えば、部分領域Yに含まれる画素pi(i=1,・・・,n)に対し、画素piについて算出された特徴ベクトルをyiとする。このとき、部分領域Yが分類情報cである確率P(c|Y)は、以下の式(4)により算出される。
【0042】
【数4】
【0043】
確率P(c|Y)の対数logP(c|Y)を、部分領域Yの評価値Sc(Y)とすると、Sc(Y)は以下の式(5)により算出される。
【0044】
【数5】
【0045】
対象領域抽出部120は、対象画像の中から指定された分類情報に係る部分領域(対象領域)を抽出する。例えば、対象領域抽出部120は、分類情報cに関して部分領域Yの評価値Sc(Y)が最大となる部分領域Yを、対象領域として抽出することとしてよい。具体的には、式(5)の第2項は分類情報cに対して一定値であるから、式(5)の第1項を最大化するように部分領域Yを選択すればよい。そのため、評価値Sc(y)が正となる画素を繋げた部分領域Yの中から、評価値Sc(Y)が最大となるものを選択することで、対象領域を選択することとしてよい。また、部分領域の形状を矩形等の多角形とした場合には、Sc(y)が正となる画素のみを連結した場合が必ずしも評価値Sc(Y)を最大化しないため、部分領域Yの領域を変化させてそれぞれの部分領域Yについて算出された評価値のうち最大の評価値に該当する部分領域Yを対象領域として選択することとしてよい。
【0046】
また、対象領域抽出部120は、P(c|Y)が最大となる部分領域Yを決定するのではなく、下記の式(6)を最大化する部分領域Yを対象領域として選択することとしてもよい。
【0047】
【数6】
【0048】
分類情報決定部122は、部分領域設定部116により設定された部分領域について、指定する複数の分類情報ごとに評価値を算出し、その最大の評価値に該当する分類情報を、当該部分領域の分類情報に決定する。例えば、分類情報決定部122は、分類情報ci(i=1,・・・,m)のそれぞれについて、式(7)により評価値Sci(Y)を算出し、その最大値に当たるciを部分領域Yの分類情報とすることとしてよい。
【0049】
【数7】
【0050】
表示情報生成部124は、対象領域抽出部120により抽出された部分領域や、分類情報決定部122により決定された分類情報を表示する表示情報を生成する。
【0051】
表示部126は、表示情報生成部124により生成された表示情報に基づく画面を表示する。
【0052】
次に、画像処理装置10により行われる学習処理の流れを図3に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
図3に示されるように、画像処理装置10は、学習用画像の入力を受け付ける(S1001)と共に、当該学習用画像に含まれる領域の指定と、当該領域の分類情報とを受け付ける(S1002)。
【0054】
図4には、学習用画像と、学習用画像について指定された領域と分類情報の一例を示した。図4(A)には、複数の学習用画像が示され、図4(B)には、それぞれの学習用画像に指定された領域に係る分類情報が示されている。
【0055】
画像処理装置10は、各学習用画像について指定された領域から複数の画素を選択する(S1003)と共に、選択した各画素を中心とした予め定められたサイズの矩形領域の画像特徴を表す特徴ベクトルを生成する(S1004)。
【0056】
図5は、学習用画像において分類情報が定められた領域について生成される特徴ベクトルの一例を説明する図である。図5に示されるように、学習用画像において分類情報「C1(犬)」が指定された領域I11の内部から複数の画素を選択し、各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づき、各画素の特徴ベクトルを生成する。そして、例えば領域Aの特徴ベクトルを、各画素の特徴ベクトルの平均値として算出することとしてよい。
【0057】
画像処理装置10は、領域に係る分類情報と、当該領域について生成された特徴ベクトルとを関連づけて記憶する(S1005)。
【0058】
画像処理装置10は、全ての学習用画像について、S1003乃至S1005の処理を終えると(S1006:Y)、分類情報ごとに関連づけられる特徴ベクトルに基づいて、分類情報ごとの特徴ベクトルの確率分布を算出し、その結果を記憶して(S1007)、学習処理を終了する。
【0059】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第1の例を図6に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】
図6に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S2001)、対象画像に対して行う処理内容を受け付ける(S2002)。第1の例に係る処理では、指定された分類情報に係る画像領域を対象画像の中から抽出する処理を実行することとする。
【0061】
画像処理装置10は、対象画像に含まれる各画素について、当該各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づいて特徴ベクトルを生成し(S2003)、生成した特徴ベクトルと、指定された分類情報について算出された確率分布とに基づいて各画素の評価値を算出する(S2004)。
【0062】
画像処理装置10は、上記算出された評価値が閾値より大きい(例えば0より大きい)画素を選択し(S2005)、当該選択した画素を連結して領域を設定する(S2006)。
【0063】
画像処理装置10は、上記設定した領域のうち領域内部に含まれる画素の評価値の総和が最大の領域を選択し(S2007)、さらに選択した領域のサイズが一定のサイズ以上である場合には(S2008:Y)、上記選択した領域を対象領域として抽出する(S2009)。画像処理装置10は、抽出した対象領域を表示部126に表示して(S2010)、処理を終了する。また、S2008で条件を満たさないと判定された場合には(S2008:N)、対象領域が存在しないとして、処理を終了することとしてもよいし、領域の評価値が大きい順に領域を再度選択してS2008以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0064】
図7には、第1の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示した。図7(A)は、対象画像の一例であり、図7(B)は、対象画像について設定された領域(白画素群)の一例であり、図7(C)は、設定された領域から選択された対象領域の一例である。なお、図7(B)では、対象画像に含まれる画素のうち評価値が0より大きい画素を白画素、他を黒画素として表している。
【0065】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第2の例を図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0066】
図8に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S3001)、対象画像に対して行う処理内容を受け付ける(S3002)。第2の例に係る処理では、指定された分類情報に係る矩形の対象領域を対象画像の中から抽出する処理を実行することとする。
【0067】
画像処理装置10は、対象画像に含まれる各画素について、当該各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づいて特徴ベクトルを生成し(S3003)、生成した特徴ベクトルと、指定された分類情報について算出された確率分布とに基づいて各画素の評価値を算出する(S3004)。
【0068】
画像処理装置10は、原点を含む矩形領域、すなわち左上(0,0)、右下(x,y)とする矩形領域に含まれる画素の評価値の総和S(0,0,x,y)を算出し、記憶する(S3005)。なお、0≦x≦W、0≦y≦H、Wは対象画像の横サイズ、Hは対象画像の縦サイズとする。
【0069】
画像処理装置10は、計算対象の矩形領域を設定し(S3006)、設定した矩形領域の評価値を算出する(S3007)。設定した矩形領域を左上(x1,y1)、右下(x2,y2)とすると、S(x1,y1,x2,y2)=S(0,0,x2,y2)−S(0,0,x1,y2)−S(0,0,x2,y1)+S(0,0,x1,y1)により算出される。
【0070】
画像処理装置10は、計算対象の矩形領域を変化させて(S3008)、算出される評価値が最大の矩形領域を対象領域に決定する(S3009)。そして、画像処理装置10は、抽出した対象領域を表示部126に表示して(S3010)、処理を終了する。
【0071】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第3の例について説明する。第3の例に係る処理では、複数の分類情報ごとに対象領域を決定し、分類情報と対象領域とを関連づけた態様で表示することとする。なお、分類情報について対象領域を決定する方法は、上記の第1又は第2の処理により行うこととしてよい。また、第3の例では、学習された全て又は一部の分類情報について対象領域を決定することとしてもよいし、ユーザーに指定された分類情報について対象領域を決定することとしてもよい。
【0072】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第4の例を、図9に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0073】
図9に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S4001)、対象画像に対して行う処理内容を受け付ける(S4002)。第4の例に係る処理では、対象画像について指定された部分領域の分類情報を決定する処理を実行することとする。
【0074】
画像処理装置10は、対象画像について指定された部分領域に含まれる各画素について、当該各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づいて特徴ベクトルを生成する(S4003)。次いで、画像処理装置10は、未処理の分類情報の1つを選択し(S4004)、当該選択した分類情報について算出された確率分布と、生成した特徴ベクトルとに基づいて各画素の評価値を算出する(S4005)。そして、画像処理装置10は、部分領域に含まれる各画素の評価値に基づいて(例えば式(5)参照)、部分領域の評価値を算出する(S4006)。
【0075】
画像処理装置10は、全ての分類情報について処理が完了していない場合には(S4007:N)、S4004に戻ってそれ以降の処理を繰り返し、全ての分類情報について処理が完了した場合には(S4007:Y)、S4006で算出された評価値が最大の分類情報を、部分領域の分類情報として決定し(S4008)、その分類情報を表示部126に表示して(S4009)、処理を終了する。
【0076】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第5の例を、図10に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0077】
図10に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S5001)、対象画像の点の指定を受け付ける(S5002)。なお、第5の例に係る処理では、対象画像について指定された点を含む対象物の領域及び分類情報を決定する処理を実行することとする。
【0078】
画像処理装置10は、未処理の分類情報を1つ選択し(S5003)、選択した分類情報について、指定された点を含む矩形領域の評価値を算出する(S5004)。画像処理装置10は、矩形領域を変化させて(S5005)、算出される評価値が最大の矩形領域を決定する(S5006)。
【0079】
次いで、画像処理装置10は、全ての分類情報について処理が完了していない場合には(S5007:N)、S5003に戻ってそれ以降の処理を繰り返し、全ての分類情報について処理が完了した場合には(S5007:Y)、S5006で決定した矩形領域のうち評価値が最大の矩形領域及びその分類情報を選択し(S5008)、その結果を表示部126に表示して(S5009)、処理を終了する。
【0080】
図11には、第5の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示した。図11(A)は、対象画像及び指定された点(図中の+)の一例であり、図11(B)は、対象画像について各分類情報について決定した矩形領域の一例であり、図11(C)は、最終的に選択された矩形領域及びその分類情報(C1)の一例である。
【0081】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、対象画像から抽出する画像領域は四角形のみならず、他の多角形や楕円を含む任意の形状としてもよい。また、上記の実施形態では、分類情報ごとの確率分布は事前に算出しておくこととしたが、対象画像を受け付けた後に算出することとしても構わない。
【符号の説明】
【0082】
10 画像処理装置、100 学習用画像データ取得部、102 学習領域設定部、104 特徴データ生成部、106 学習データ記憶部、108 確率分布算出部、110 対象画像データ取得部、112 処理条件取得部、114 画素評価値算出部、116 部分領域設定部、118 領域評価値算出部、120 対象領域抽出部、122 分類情報決定部、124 表示情報生成部、126 表示部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラム及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の中から指定された対象物を抽出する方法には、例えばテンプレートマッチングによる方法がある(例えば下記の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−47965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像の中に含まれる対象物の数や形状が不定である場合には、テンプレートマッチングによる方法では対象物を抽出できないことがある。
【0005】
本発明の目的は、指定された分類情報に係る対象物の数や形状が不定であっても、対象画像の中から当該指定された分類情報に係る対象物を含む画像領域を抽出できる画像処理プログラム及び画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像を取得する取得手段と、指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記画像領域抽出手段は、前記対象画像に含まれる画素のうち、前記画素評価値算出手段により算出された評価値が閾値以上である画素を連結した連結画素群を含む画像領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラムである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記対象画像の中に複数の画像領域を設定する設定手段と、前記設定手段により設定される複数の画像領域ごとに、当該画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、当該画像領域の評価値を算出する領域評価値算出手段として前記コンピュータをさらに機能させ、前記画像領域抽出手段は、前記領域評価値算出手段により前記複数の画像領域について算出された評価値に基づいて、前記複数の画像領域の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラムである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記画素評価値算出手段は、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を算出し、前記画像領域抽出手段は、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記対象画像の中から当該分類情報に係る画像領域を抽出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理プログラムである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムである。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、前記設定手段は、前記対象画像について指定された点を含む複数の部分領域を設定し、前記領域評価値算出手段は、前記複数の部分領域のそれぞれについて前記指定された複数の分類情報ごとの評価値を算出し、前記決定手段は、前記領域評価値算出手段により算出された最大の評価値に対応する部分領域及び分類情報を決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理プログラムである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像を取得する取得手段と、指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び7に記載の発明によれば、指定された分類情報に係る対象物の数や形状が不定であっても、対象画像の中から当該指定された分類情報に係る対象物を含む画像領域を抽出できる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、対象画像の中から指定された分類情報である確率が他の画素に比べて高い画素に基づき画像領域を抽出できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、対象画像の中から指定された分類情報である確率が他の画像領域に比べて高い画像領域を抽出できる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、対象画像の中から複数の分類情報のそれぞれに該当する画像領域を抽出できる。
【0018】
請求項5及び8に記載の発明によれば、対象画像の中に設定した部分領域に含まれる対象物の数や形状が不定であっても、当該対象物の分類情報を決定できる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、対象画像について指定された点を含む部分領域に含まれる対象物の分類情報を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
【図2】学習データの一例を示す図である。
【図3】画像処理装置により行われる学習処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】学習用画像と、学習用画像について指定された領域と分類情報の一例を示す図である。
【図5】学習用画像において分類情報が定められた領域について生成される特徴ベクトルの一例を説明する図である。
【図6】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図7】第1の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示す図である。
【図8】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【図9】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第4の例を示すフローチャートである。
【図10】画像処理装置により行われる対象画像に対する処理の第5の例を示すフローチャートである。
【図11】第5の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0022】
図1には、本実施形態に係る画像処理装置10の機能ブロック図を示した。図1に示されるように、画像処理装置10は、学習用画像データ取得部100、学習領域設定部102、特徴データ生成部104、学習データ記憶部106、確率分布算出部108、対象画像データ取得部110、処理条件取得部112、画素評価値算出部114、部分領域設定部116、領域評価値算出部118、対象領域抽出部120、分類情報決定部122、表示情報生成部124、及び表示部126を備える。
【0023】
画像処理装置10に備えられる上記の各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する入出力手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる画像処理装置10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して供給されることとしてもよい。
【0024】
学習用画像データ取得部100は、学習用画像と、当該学習用画像に含まれる領域について予め定められた分類情報(ラベル情報)とを含む学習用画像データを取得する。
【0025】
学習領域設定部102は、学習用画像データ取得部100により取得された学習用画像の中から分類情報を学習するために用いる画像領域(学習領域)を設定する。学習領域設定部102は、学習用画像データに学習領域を指定するデータが含まれている場合には当該データに基づいて学習領域を設定し、当該データが含まれていない場合には、エッジ検出、画像分割等の結果に基づいて学習領域を設定することとしてよい。
【0026】
特徴データ生成部104は、指定された画像領域についての画像特徴を表す特徴データを生成する。例えば、特徴データ生成部104は、指定された画像領域の内部から予め定められたサイズの領域(単位領域)を1又は複数選択し、当該各単位領域について色情報、テクスチャ情報等の画像特徴値を抽出し、当該各単位領域について抽出された平均の画像特徴値を要素として並べたベクトルを特徴データ(特徴ベクトル)として生成することとしてよい。もちろん、画像領域から特徴データを生成する方法は、上記の方法に限られず、Bag−of−Features法等の他の方法を用いることとしても構わない。
【0027】
本実施形態では、特徴データ生成部104は、学習領域設定部102により設定された学習領域の画像特徴を表す特徴ベクトルを生成し、生成した特徴ベクトルを、学習領域について定められた分類情報に関連づけて学習データ記憶部106に記憶する。
【0028】
学習データ記憶部106は、分類情報と、学習領域に係る情報とを関連づけて記憶する。学習領域に係る情報とは、学習領域の学習用画像の識別情報と、学習用画像の部分領域を識別する領域識別情報とを含むデータであってもよいし、学習領域について特徴データ生成部104により生成された特徴ベクトルを含むデータであってもよい。
【0029】
図2には、学習データ記憶部106に記憶される学習データの一例を示した。図2に示した学習データ(テーブル)の例では、学習領域を識別する学習領域IDに関連づけて、分類情報、特徴ベクトルが記憶される。なお、学習領域IDのIijとは、学習用画像iの部分領域jを示すこととする。
【0030】
確率分布算出部108は、学習データ記憶部106に記憶される学習データに基づいて、分類情報(ラベル情報)ごとの特徴ベクトルの確率分布を算出する。具体的には、確率分布算出部108は、分類情報cに対する事前分布P(c)、特徴ベクトルxの事前分布P(x)、及び分類情報cを与えた場合の特徴ベクトルxの確率分布P(x|c)を算出する。まず、学習データ記憶部106に記憶される学習データの特徴ベクトルの総数をN、分類情報cが付与された特徴ベクトルの数がNcである場合には、P(c)は以下の式(1)により算出される。
【0031】
【数1】
【0032】
特徴ベクトルxの事前分布P(x)に関しては0より大きく1よりも小さい一定値とするか、全学習用画像から抽出した特徴ベクトルの集合Xを用いて算出することとしてよい。例えば、確率分布算出部108は、特徴ベクトルxの事前分布P(x)を、混合ガウス分布を仮定し以下の式(2)により求めることとしてよい。なお、N(x|μ,Σ)は、平均ベクトルμ、共分散行列Σの多次元正規分布を表し、πは各正規分布に対する重みであってΣπi=1の制約条件を持つパラメータ群であり、nはガウス分布の混合数である。
【0033】
【数2】
【0034】
分類情報cが与えられた場合の特徴ベクトルxの確率分布P(x|c)は、P(x)同様に混合ガウス分布を用いて算出することとしてよい。具体的には、分類情報cが与えられた特徴ベクトルのみ(個数はNc)を用いて確率分布P(x|c)を算出することとする。なお、確率分布の算出方法は、混合ガウス分布を用いる以外にも例えばカーネル密度推定法等を用いてもよい。
【0035】
対象画像データ取得部110は、処理の対象とする対象画像のデータを取得する。
【0036】
処理条件取得部112は、対象画像に対して行う処理の条件を取得する。例えば、処理条件取得部112は、キーボードやマウス等の入力デバイスを介して入力されたデータに基づいて、対象画像に対して行う処理の内容や条件を取得することとしてよい。具体的には、画像処理装置10は、分類情報が入力された場合には、対象画像から当該入力された分類情報に該当する画像領域を抽出する処理を実行し、画像領域が入力された場合には、当該画像領域に含まれる対象物の分類情報を決定する処理を実行することとしてよい。また、上記の処理以外にも、画像処理装置10は、対象画像に含まれる全て又は一部の分類情報にそれぞれ対応する対象物を抽出する処理や、対象画像に対してポイントされた点に係る対象物の存在領域と分類情報とを決定する処理等を実行することとしてよい。
【0037】
画素評価値算出部114は、対象画像データ取得部110により取得された対象画像に含まれる少なくとも一部の画素ごとに、指定された分類情報に該当する確率に基づく評価値を算出する。例えば、対象画像に含まれる全ての画素を処理対象としてもよいし、定間隔で画素を抽出して処理対象としてもよい。そして、画素評価値算出部114は、処理対象とする各画素を中心とする単位領域について特徴データ生成部104により生成された特徴ベクトルyと、指定された分類情報cについて算出された確率分布に基づいて、特徴ベクトルyに対する評価値SC(y)を算出する。具体的には、画素評価値算出部114は、評価値SC(y)を以下の式(3)により算出する。
【0038】
【数3】
【0039】
部分領域設定部116は、対象画像内に部分領域を設定する。例えば、部分領域設定部116は、対象画像に含まれる画素のうち、画素評価値算出部114で算出された評価値が閾値(例えば0)以上の画素を連結した連結画素群のそれぞれを部分領域に設定してもよいし、対象画像内の任意の部分を部分領域として設定してもよい。また、処理条件取得部112で、部分領域の範囲が指定されている場合には、その指定された範囲を部分領域に設定することとしてよい。
【0040】
領域評価値算出部118は、部分領域設定部116により設定された部分領域の評価値を算出する。例えば、領域評価値算出部118は、部分領域ごとに、当該部分領域に含まれる各画素について画素評価値算出部114により算出された評価値の和を当該部分領域の評価値として算出する。
【0041】
例えば、部分領域Yに含まれる画素pi(i=1,・・・,n)に対し、画素piについて算出された特徴ベクトルをyiとする。このとき、部分領域Yが分類情報cである確率P(c|Y)は、以下の式(4)により算出される。
【0042】
【数4】
【0043】
確率P(c|Y)の対数logP(c|Y)を、部分領域Yの評価値Sc(Y)とすると、Sc(Y)は以下の式(5)により算出される。
【0044】
【数5】
【0045】
対象領域抽出部120は、対象画像の中から指定された分類情報に係る部分領域(対象領域)を抽出する。例えば、対象領域抽出部120は、分類情報cに関して部分領域Yの評価値Sc(Y)が最大となる部分領域Yを、対象領域として抽出することとしてよい。具体的には、式(5)の第2項は分類情報cに対して一定値であるから、式(5)の第1項を最大化するように部分領域Yを選択すればよい。そのため、評価値Sc(y)が正となる画素を繋げた部分領域Yの中から、評価値Sc(Y)が最大となるものを選択することで、対象領域を選択することとしてよい。また、部分領域の形状を矩形等の多角形とした場合には、Sc(y)が正となる画素のみを連結した場合が必ずしも評価値Sc(Y)を最大化しないため、部分領域Yの領域を変化させてそれぞれの部分領域Yについて算出された評価値のうち最大の評価値に該当する部分領域Yを対象領域として選択することとしてよい。
【0046】
また、対象領域抽出部120は、P(c|Y)が最大となる部分領域Yを決定するのではなく、下記の式(6)を最大化する部分領域Yを対象領域として選択することとしてもよい。
【0047】
【数6】
【0048】
分類情報決定部122は、部分領域設定部116により設定された部分領域について、指定する複数の分類情報ごとに評価値を算出し、その最大の評価値に該当する分類情報を、当該部分領域の分類情報に決定する。例えば、分類情報決定部122は、分類情報ci(i=1,・・・,m)のそれぞれについて、式(7)により評価値Sci(Y)を算出し、その最大値に当たるciを部分領域Yの分類情報とすることとしてよい。
【0049】
【数7】
【0050】
表示情報生成部124は、対象領域抽出部120により抽出された部分領域や、分類情報決定部122により決定された分類情報を表示する表示情報を生成する。
【0051】
表示部126は、表示情報生成部124により生成された表示情報に基づく画面を表示する。
【0052】
次に、画像処理装置10により行われる学習処理の流れを図3に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
図3に示されるように、画像処理装置10は、学習用画像の入力を受け付ける(S1001)と共に、当該学習用画像に含まれる領域の指定と、当該領域の分類情報とを受け付ける(S1002)。
【0054】
図4には、学習用画像と、学習用画像について指定された領域と分類情報の一例を示した。図4(A)には、複数の学習用画像が示され、図4(B)には、それぞれの学習用画像に指定された領域に係る分類情報が示されている。
【0055】
画像処理装置10は、各学習用画像について指定された領域から複数の画素を選択する(S1003)と共に、選択した各画素を中心とした予め定められたサイズの矩形領域の画像特徴を表す特徴ベクトルを生成する(S1004)。
【0056】
図5は、学習用画像において分類情報が定められた領域について生成される特徴ベクトルの一例を説明する図である。図5に示されるように、学習用画像において分類情報「C1(犬)」が指定された領域I11の内部から複数の画素を選択し、各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づき、各画素の特徴ベクトルを生成する。そして、例えば領域Aの特徴ベクトルを、各画素の特徴ベクトルの平均値として算出することとしてよい。
【0057】
画像処理装置10は、領域に係る分類情報と、当該領域について生成された特徴ベクトルとを関連づけて記憶する(S1005)。
【0058】
画像処理装置10は、全ての学習用画像について、S1003乃至S1005の処理を終えると(S1006:Y)、分類情報ごとに関連づけられる特徴ベクトルに基づいて、分類情報ごとの特徴ベクトルの確率分布を算出し、その結果を記憶して(S1007)、学習処理を終了する。
【0059】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第1の例を図6に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】
図6に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S2001)、対象画像に対して行う処理内容を受け付ける(S2002)。第1の例に係る処理では、指定された分類情報に係る画像領域を対象画像の中から抽出する処理を実行することとする。
【0061】
画像処理装置10は、対象画像に含まれる各画素について、当該各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づいて特徴ベクトルを生成し(S2003)、生成した特徴ベクトルと、指定された分類情報について算出された確率分布とに基づいて各画素の評価値を算出する(S2004)。
【0062】
画像処理装置10は、上記算出された評価値が閾値より大きい(例えば0より大きい)画素を選択し(S2005)、当該選択した画素を連結して領域を設定する(S2006)。
【0063】
画像処理装置10は、上記設定した領域のうち領域内部に含まれる画素の評価値の総和が最大の領域を選択し(S2007)、さらに選択した領域のサイズが一定のサイズ以上である場合には(S2008:Y)、上記選択した領域を対象領域として抽出する(S2009)。画像処理装置10は、抽出した対象領域を表示部126に表示して(S2010)、処理を終了する。また、S2008で条件を満たさないと判定された場合には(S2008:N)、対象領域が存在しないとして、処理を終了することとしてもよいし、領域の評価値が大きい順に領域を再度選択してS2008以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0064】
図7には、第1の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示した。図7(A)は、対象画像の一例であり、図7(B)は、対象画像について設定された領域(白画素群)の一例であり、図7(C)は、設定された領域から選択された対象領域の一例である。なお、図7(B)では、対象画像に含まれる画素のうち評価値が0より大きい画素を白画素、他を黒画素として表している。
【0065】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第2の例を図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0066】
図8に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S3001)、対象画像に対して行う処理内容を受け付ける(S3002)。第2の例に係る処理では、指定された分類情報に係る矩形の対象領域を対象画像の中から抽出する処理を実行することとする。
【0067】
画像処理装置10は、対象画像に含まれる各画素について、当該各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づいて特徴ベクトルを生成し(S3003)、生成した特徴ベクトルと、指定された分類情報について算出された確率分布とに基づいて各画素の評価値を算出する(S3004)。
【0068】
画像処理装置10は、原点を含む矩形領域、すなわち左上(0,0)、右下(x,y)とする矩形領域に含まれる画素の評価値の総和S(0,0,x,y)を算出し、記憶する(S3005)。なお、0≦x≦W、0≦y≦H、Wは対象画像の横サイズ、Hは対象画像の縦サイズとする。
【0069】
画像処理装置10は、計算対象の矩形領域を設定し(S3006)、設定した矩形領域の評価値を算出する(S3007)。設定した矩形領域を左上(x1,y1)、右下(x2,y2)とすると、S(x1,y1,x2,y2)=S(0,0,x2,y2)−S(0,0,x1,y2)−S(0,0,x2,y1)+S(0,0,x1,y1)により算出される。
【0070】
画像処理装置10は、計算対象の矩形領域を変化させて(S3008)、算出される評価値が最大の矩形領域を対象領域に決定する(S3009)。そして、画像処理装置10は、抽出した対象領域を表示部126に表示して(S3010)、処理を終了する。
【0071】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第3の例について説明する。第3の例に係る処理では、複数の分類情報ごとに対象領域を決定し、分類情報と対象領域とを関連づけた態様で表示することとする。なお、分類情報について対象領域を決定する方法は、上記の第1又は第2の処理により行うこととしてよい。また、第3の例では、学習された全て又は一部の分類情報について対象領域を決定することとしてもよいし、ユーザーに指定された分類情報について対象領域を決定することとしてもよい。
【0072】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第4の例を、図9に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0073】
図9に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S4001)、対象画像に対して行う処理内容を受け付ける(S4002)。第4の例に係る処理では、対象画像について指定された部分領域の分類情報を決定する処理を実行することとする。
【0074】
画像処理装置10は、対象画像について指定された部分領域に含まれる各画素について、当該各画素を中心とする単位矩形領域の画像特徴に基づいて特徴ベクトルを生成する(S4003)。次いで、画像処理装置10は、未処理の分類情報の1つを選択し(S4004)、当該選択した分類情報について算出された確率分布と、生成した特徴ベクトルとに基づいて各画素の評価値を算出する(S4005)。そして、画像処理装置10は、部分領域に含まれる各画素の評価値に基づいて(例えば式(5)参照)、部分領域の評価値を算出する(S4006)。
【0075】
画像処理装置10は、全ての分類情報について処理が完了していない場合には(S4007:N)、S4004に戻ってそれ以降の処理を繰り返し、全ての分類情報について処理が完了した場合には(S4007:Y)、S4006で算出された評価値が最大の分類情報を、部分領域の分類情報として決定し(S4008)、その分類情報を表示部126に表示して(S4009)、処理を終了する。
【0076】
次に、画像処理装置10により行われる対象画像に対する処理の第5の例を、図10に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0077】
図10に示されるように、画像処理装置10は、対象画像を取得すると共に(S5001)、対象画像の点の指定を受け付ける(S5002)。なお、第5の例に係る処理では、対象画像について指定された点を含む対象物の領域及び分類情報を決定する処理を実行することとする。
【0078】
画像処理装置10は、未処理の分類情報を1つ選択し(S5003)、選択した分類情報について、指定された点を含む矩形領域の評価値を算出する(S5004)。画像処理装置10は、矩形領域を変化させて(S5005)、算出される評価値が最大の矩形領域を決定する(S5006)。
【0079】
次いで、画像処理装置10は、全ての分類情報について処理が完了していない場合には(S5007:N)、S5003に戻ってそれ以降の処理を繰り返し、全ての分類情報について処理が完了した場合には(S5007:Y)、S5006で決定した矩形領域のうち評価値が最大の矩形領域及びその分類情報を選択し(S5008)、その結果を表示部126に表示して(S5009)、処理を終了する。
【0080】
図11には、第5の処理に係る対象画像に対する処理結果の一例を示した。図11(A)は、対象画像及び指定された点(図中の+)の一例であり、図11(B)は、対象画像について各分類情報について決定した矩形領域の一例であり、図11(C)は、最終的に選択された矩形領域及びその分類情報(C1)の一例である。
【0081】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、対象画像から抽出する画像領域は四角形のみならず、他の多角形や楕円を含む任意の形状としてもよい。また、上記の実施形態では、分類情報ごとの確率分布は事前に算出しておくこととしたが、対象画像を受け付けた後に算出することとしても構わない。
【符号の説明】
【0082】
10 画像処理装置、100 学習用画像データ取得部、102 学習領域設定部、104 特徴データ生成部、106 学習データ記憶部、108 確率分布算出部、110 対象画像データ取得部、112 処理条件取得部、114 画素評価値算出部、116 部分領域設定部、118 領域評価値算出部、120 対象領域抽出部、122 分類情報決定部、124 表示情報生成部、126 表示部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像を取得する取得手段と、
指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段
としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
【請求項2】
前記画像領域抽出手段は、前記対象画像に含まれる画素のうち、前記画素評価値算出手段により算出された評価値が閾値以上である画素を連結した連結画素群を含む画像領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラム。
【請求項3】
前記対象画像の中に複数の画像領域を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定される複数の画像領域ごとに、当該画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、当該画像領域の評価値を算出する領域評価値算出手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記画像領域抽出手段は、前記領域評価値算出手段により前記複数の画像領域について算出された評価値に基づいて、前記複数の画像領域の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラム。
【請求項4】
前記画素評価値算出手段は、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を算出し、
前記画像領域抽出手段は、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記対象画像の中から当該分類情報に係る画像領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項5】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、
指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、
前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段
としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
【請求項6】
前記設定手段は、前記対象画像について指定された点を含む複数の部分領域を設定し、
前記領域評価値算出手段は、前記複数の部分領域のそれぞれについて前記指定された複数の分類情報ごとの評価値を算出し、
前記決定手段は、前記領域評価値算出手段により算出された最大の評価値に対応する部分領域及び分類情報を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理プログラム。
【請求項7】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像を取得する取得手段と、
指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段と、を含む
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、
指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、
前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段と、を含む
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像を取得する取得手段と、
指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段
としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
【請求項2】
前記画像領域抽出手段は、前記対象画像に含まれる画素のうち、前記画素評価値算出手段により算出された評価値が閾値以上である画素を連結した連結画素群を含む画像領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラム。
【請求項3】
前記対象画像の中に複数の画像領域を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定される複数の画像領域ごとに、当該画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、当該画像領域の評価値を算出する領域評価値算出手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記画像領域抽出手段は、前記領域評価値算出手段により前記複数の画像領域について算出された評価値に基づいて、前記複数の画像領域の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラム。
【請求項4】
前記画素評価値算出手段は、指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を算出し、
前記画像領域抽出手段は、前記指定された複数の分類情報ごとに、前記対象画像の中から当該分類情報に係る画像領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項5】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、
指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、
前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段
としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
【請求項6】
前記設定手段は、前記対象画像について指定された点を含む複数の部分領域を設定し、
前記領域評価値算出手段は、前記複数の部分領域のそれぞれについて前記指定された複数の分類情報ごとの評価値を算出し、
前記決定手段は、前記領域評価値算出手段により算出された最大の評価値に対応する部分領域及び分類情報を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理プログラム。
【請求項7】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像を取得する取得手段と、
指定された分類情報に係る前記対象画像に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、前記確率分布算出手段により前記指定された分類情報について算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記画素評価値算出手段により前記対象画像に含まれる画素ごとに算出された評価値に基づいて、前記対象画像の中から前記指定された分類情報に係る画像領域を抽出する画像領域抽出手段と、を含む
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
分類情報が定められた複数の画像領域の画像特徴情報に基づいて、分類情報ごとの画像特徴情報の確率分布を算出する確率分布算出手段と、
対象画像の中に部分領域を設定する設定手段と、
指定された複数の分類情報ごとに、当該分類情報に係る前記部分領域に含まれる画素ごとの評価値を、当該画素を含む画像領域の画像特徴情報と、当該分類情報について前記確率分布算出手段により算出された画像特徴情報の確率分布とに基づいて算出する画素評価値算出手段と、
前記指定された複数の分類情報ごとに、前記画像領域に含まれる画素について前記画素評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、前記部分領域の評価値を算出する領域評価値算出手段と、
前記部分領域について前記領域評価値算出手段により算出された前記指定された複数の分類情報ごとの評価値に基づいて、前記指定された複数の分類情報の中から前記部分領域に係る分類情報を決定する決定手段と、を含む
ことを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図4】
【図5】
【図7】
【図11】
【図2】
【図3】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図4】
【図5】
【図7】
【図11】
【公開番号】特開2012−164226(P2012−164226A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25435(P2011−25435)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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