説明

画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置

【課題】罫線作成の操作が様な画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置を提供する。
【解決手段】罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させるとカーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、表示部のカーソルを横方向に移動させるとカーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、決定キーが押し下げられるとセル内の罫線を決定し、削除キーが押し下げられるとセル内の罫線を削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、表計算ソフトで罫線を作成する場合、罫線を作成するモードに設定してから、罫線カーソルにて始点および終点を選択することにより罫線を作成している。
罫線を作成する技術が特許文献1〜6に開示されている。
特許文献1に記載の発明は、表データ管理装置に関するものである。この表データ管理装置は、表外枠の矩形属性データと、全ての罫線属性データと、表外枠と罫線の組み合わせによって形成されたセル属性データとを備え、セル属性データは位置の情報を保持せず、隣接する罫線属性データの識別子を保持する。
【0003】
特許文献1に記載の発明によれば、罫線移動時にセルの位置を意識する必要がなく、他の属性データへの影響も少ないことから、操作時間の短縮ができるとしている。
【0004】
特許文献2に記載の発明は、表示装置に関するものである。この表示装置は、表示画面上にカーソルを表示し、カーソルキーによりカーソル表示位置を移動するようにした表示装置であり、第1のキーと、複数の第2のキーと、ケイ線を表示するための信号を発生し、ケイ線を消去する信号を発生する手段とを有する。
第1のキーは、それぞれ、所定の方向にケイ線を表示すべきことを指示する。
第2のキーは、それぞれ所定の方向に表示されたケイ線を消去すべきことを指示する。
ケイ線を表示するための信号を発生し、ケイ線を消去する信号を発生する手段は、第1のキーの一つの入力に応答して、指定された方向により定まる端位置までケイ線を表示するための信号を発生し、第2のキーの一つによる入力に応答して、表示されているケイ線を消去する信号を発生する。
【0005】
特許文献2に記載の発明によれば、ワードプロセッサのような文書作成装置において不可欠な枠組みの表を作る作表機能を能率良く実現でき、操作性が向上するとしている。
【0006】
特許文献3に記載の発明は、文字処理装置に関する発明である。この文字処理装置は、文字列を表示する表示手段と、入力された文字列を編集し、表示手段に表示させる制御手段とを有する。表示手段は、文書にふくまれる文字を表示手段に表示させるとともに、文書のレイアウトを表示領域に縮小表示させるものである。
【0007】
特許文献3に記載の発明によれば、登録済み文書を誤って削除したり、他の文書に書き換えたりするような操作ミスの機会が減少するとしている。
【0008】
特許文献4に記載の発明は、文書作成装置に関するものである。この文書作成装置は、入力部と、カーソル制御部と、文字コードバッファと、表示部と、罫線コード生成部とを有する。
入力部は、文字および罫線を入力し、カーソル制御部は、入力部のキー操作によって現在の座標位置を制御し、文字コードバッファは、入力部より入力された文字および罫線を格納する。表示部は、文字コードバッファの内容を表示し、罫線コード生成部は、文字コードバッファに最適な罫線コードを生成する。この文書作成装置は、文字コードバッファ内に格納された罫線コードの内容に相関して、文字コードバッファに最適な罫線コードを生成するものである。
【0009】
特許文献4に記載の発明によれば、罫線の交点や分岐点に応じて最適な罫線コードを極めて容易に生成することができるとしている。
【0010】
特許文献5に記載の発明は、罫線入力装置に関するものである。この罫線入力装置は、リピート入力機能により連続した罫線を作成するとき、罫線aの始点と終点を記憶しておき、罫線aに並行な罫線bを同様の機能で作成する文書処理装置の一種である。この罫線入力装置は、罫線bがリピート入力状態であっても、罫線aの作成により記憶した始点または終点座標に達したとき、始点または終点座標を越えて罫線が作成されないよう入力をブロックするブロック手段を有するものである。
【0011】
特許文献5に記載の発明によれば、罫線入力が意に反して終了させたい先の罫線画素まで入力すると、引き過ぎた罫線を後に削除するという操作をすることなく、最初に外枠を作成することで、表中の罫線も外枠からはみださないとしている。
【0012】
特許文献6に記載の発明は、文書作成装置に関するものである。この文書作成装置は、文書情報や図形等の各種情報を表示出力する表示手段の表示画面中にカーソルを表示出力し、文書作成や編集校正等を行なう文書作成装置の一種である。この文書作成装置は、カーソルを表示画面中の所定方向に移動指示する手段と、この手段にて指示された移動方向が表示手段の表示画面中にて視認できるよう制御する手段とを具備したものである。
【0013】
特許文献6に記載の発明によれば、カーソルの移動方向が表示画面中にて容易に視認でき、特定の編集等に於ける編集作業の移動方向、反転表示桁をカーソルが渡って行くような編集作業の移動方向等が容易に視認できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−048089号公報
【特許文献2】特開昭57−185530号公報
【特許文献3】特開昭61−175681号公報
【特許文献4】特開昭61−186994号公報
【特許文献5】特開平07−160678号公報
【特許文献6】特開平08−194598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、罫線枠の中のセルを一つずつ作成するため罫線枠の操作が煩雑である。
特許文献2に記載の発明は、1本の罫線を描くために始点と終点を決定するため操作が煩雑となっている。
特許文献3に記載の発明は、罫線セグメントを組み合わせて罫線枠を構成するため、操作が煩雑となっている。
特許文献4に記載の発明は、カーソルを移動させるとそのまま罫線が作成されてしまうため、不要な線が作成されるので、操作が煩雑となっている。
特許文献5に記載の発明は、1本の罫線を描くために始点と終点を決定するため操作が煩雑となっている。
特許文献6に記載の発明は、1本の罫線を描くために始点と終点を決定するため操作が煩雑となっている。
【0016】
そこで、本発明の目的は、罫線作成の操作が様な画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の方法は、罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定し、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除することを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の方法は、罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定し、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除する画像処理方法であって、前記いずれかのカーソルの軌跡が形成される毎に決定もしくは削除を行うか、または前記いずれかのカーソルが複数回表示された後で決定もしくは削除を行うことが特定のキー操作で切替可能なことを特徴とする。
【0019】
本発明の第1のプログラムは、罫線を形成するために、コンピュータを、罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成する手段、前記表示部のカーソルを横方向に移動させると軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成する手段、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定する手段、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除する手段、として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0020】
本発明の第2のプログラムは、罫線を形成するために、コンピュータを、罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成する手段、前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成する手段、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定する手段、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除する手段、前記いずれかのカーソルの軌跡が形成される毎に決定もしくは削除を行うか、または前記いずれかのカーソルが複数回表示された後で決定もしくは削除を行うことを特定のキー操作で切替る手段、として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0021】
本発明の第1の装置は、表示部と、カーソル移動キー、決定キー、削除キー、及びダイヤルキーを有する入力部と、罫線作成モード時に前記カーソル移動キーを押し下げて前記表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、前記カーソル移動キーを押し下げて前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定し、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、罫線作成の操作が様な画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示すブロック図である。 本実施の形態では、画像処理装置が携帯電話機の場合で説明する。
【図2】本発明に係る画像処理方法を適用したフローチャートの一例である。
【図3】図2に示したフローチャートに基づいた表示部の様子を示す説明図の一例である。
【図4】本発明に係る画像処理方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【図5】図4に示したフローチャートに基づいた表示部の様子を示す説明図の一例である。
【図6】図2もしくは図4に示したフローチャートに基づいた表示部の様子を示す説明図の他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<本発明の特徴>
本発明は、罫線作成モードにおいて、カーソルを上下左右に移動させる際に生じる軌跡を決定キーで確定し、もしくは削除キーで削除することにより、グラフィック感覚で罫線を作成することを特徴とする。
また、本発明は、縦線を作成する場合のカーソルと横線を作成する場合のカーソルとが異なることを特徴とする。
<第1の実施の形態>
[構 成]
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示すブロック図である。
本実施の形態では、画像処理装置が携帯電話機の場合で説明する。尚、無線回路部、ベースバンド信号処理部、メモリ、カメラ、マイクロフォン、スピーカなどは省略する。
図1において、制御部100に、入力部110、及び表示部120がバスラインを介して接続されている。
制御部100は携帯電話機を統括制御するものであり、例えばマイクロプロセッサが用いられる。具体的には、制御部100は、罫線作成モード時に表示部120のカーソルを移動させるとカーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、決定キーが押し下げられるとセル内の罫線を決定し、削除キーが押し下げられるとセル内の罫線を削除するように制御する。
【0025】
110は携帯電話機を操作するための入力部であり、カーソル移動キー111、削除キー112、決定キー113、及びダイヤルキー114を有する。
カーソル移動キー111は、上方向キー111U、下方向キー111D、左方向キー111L、右方向キー111Rを有する。上方向キー111U、下方向キー111D、左方向キー111L、右方向キー111Rのうちの何れか一つのみ押し下げることができるようになっており、押し下げられたキーの方向に表示部120上のカーソルが移動すると共にカーソルの移動に沿った軌跡が表示される。
表示部120は、携帯電話機としての通常の表示(例えば、壁紙、電話番号、アドレス、メール等)の他、罫線、罫線枠、文字、数字、絵文字等を表示するものであり、例えば液晶表示素子が用いられる。
表示部120は、図では罫線作成モードとなっており、複数(図では42個であるが限定されない。)のセルで構成されている。
【0026】
削除キー112は、表示部120に表示された罫線の軌跡を削除するためのキーである。
決定キー113は、表示部120に表示された罫線の軌跡を罫線(もしくは罫線枠)として決定するためのキーである。
ダイヤルキー114は、0キー〜9キー、*キー、#キーが示されているが限定されるものではなく、0キー〜9キーがアルファベット、ひらがな、読点、及び句点を兼用したり、*キーが小文字、濁点、撥音文字を兼用したり、#キーがリターンキーを兼用したりしてもよい。
【0027】
[動 作]
図2は、本発明に係る画像処理方法を適用したフローチャートの一例である。
図2に示したフローチャートは、図1に示した画像処理装置としての携帯電話機を操作して罫線作成モードに設定された状態のものとする。
図3は、図2に示したフローチャートに基づいた表示部の様子を示す説明図の一例である。
制御部100(図1参照)は、罫線作成モードが開始されると、表示部120のホームポジション(例えば、A1セル内の右縁もしくは下縁)にカーソル(横カーソルもしくは縦カーソル)を表示させると共に、カーソル移動キー111が押し下げられたか否かを判断する(ステップS101)。
【0028】
制御部100は、カーソル移動キー111が押し下げられたと判断すると(ステップS101/Yes)、押し下げられたカーソル移動キー111が右方向キー111Rであるか否かを判断する(ステップS102)。
制御部100は、右方向キー111Rが押し下げられたと判断すると(ステップS102/Yes)、表示部120に表示されたカーソル(横向きカーソル:「−」)を1セル分だけ例えばB1セルまで右方向に移動し(ステップS103)、カーソルの軌跡を表示する。以下、軌跡は決定されるまで点滅するかもしくはカーソルと異なる色であってもよい(ステップS109)。
【0029】
制御部100は、右方向キー111Rが押し下げられていないと判断すると(ステップS102/No)、左方向キー111Lが押し下げられたか否かを判断する(ステップS104)。
制御部100は、左方向キー111Lが押し下げられたと判断すると(ステップS104/Yes)、表示部120に表示されたカーソル(横向きカーソル「−」)を1セル分だけ左方向に移動し(ステップS105:但し、図3に示す場合、カーソルは左には移動できないので、例えば「これ以上左へは進めません」と表示するか、または右端に表示されるように構成してもよい。)、カーソルの軌跡を表示する(ステップS109)。
【0030】
制御部100は、左方向キー111Lが押し下げられていないと判断すると(ステップS104/No)、上方向キー111Uが押し下げられたか否かを判断する(ステップS106)。
制御部100は、上方向キー111Uが押し下げられたと判断すると(ステップS106/Yes)、表示部120に表示されたカーソル(縦向きカーソル:「|」)を1セル分だけ上方向に移動し(ステップS107)、カーソルの軌跡を表示する(ステップS109:但し、図3に示す場合、カーソルは上へは進めないので、例えば「これ以上上へは進めません」と表示するか、または下端に表示されるように構成してもよい。)。
【0031】
制御部100は、上方向キー111Uが押し下げられていないと判断すると(ステップS106/No)、下方向キー111Dが押し下げられたものと判断し、表示部120に表示されたカーソル(縦向きカーソル:「|」)をホームポジションであるA1セルから下方向に1セル分だけ(A2セル)まで移動し(ステップS108)、カーソル(縦向きカーソル「|」が表示される。)の軌跡を表示する(ステップS109)。
【0032】
制御部100は、表示部120内にカーソルの軌跡が表示されると、決定キー113(図1参照)が押し下げられたか否かを判断する(ステップS110)。
制御部100は、決定キー113が押し下げられたと判断すると(ステップS110/Yes)、表示部120の軌跡が罫線として表示される(ステップS111)。
制御部100は、決定キー113が押し下げられていないと判断すると(ステップS110/No)、削除キー112(図1参照。)が押し下げられたか否かを判断する(ステップS112)。
制御部100は、削除キー112が押し下げられたと判断すると(ステップS112/Yes)、表示部120の軌跡を1セル分だけ削除する(ステップS113))。
制御部100は、削除キー112が押し下げられていないと判断すると(ステップS112/No)、ステップS110に戻る。
【0033】
ここで、セルに数字(文字)を入力するときはダイヤルキー114のうちの数字キーにより入力することができる。
制御部100は、カーソル移動キー111の押し下げがないか(ステップS101/No)、罫線が表示されたか(ステップS111)、軌跡が削除されると(ステップS113)、罫線作成モードが終了か否かを判断する(ステップS114)。
制御部100は、罫線作成モードが終了でないと判断すると(ステップS114/No)、ステップS101に戻り、罫線作成モードが終了であると判断すると(ステップS114/Yes)、罫線作成モードを終了する。
【0034】
以上において、本実施の形態では、操作者が罫線移動キー111のいずれかを押し下げる毎に決定キー113を押し下げることで1セル分ずつ罫線が作成される。すなわち、罫線移動キー111、削除キー112、及び決定キー113の操作だけでグラフィック感覚で罫線を作成することができる。
【0035】
<第2の実施の形態>
[構 成]
構成については、第1の実施の形態と同様であるため、省略する。
【0036】
[動 作]
図4は、本発明に係る画像処理方法を適用したフローチャートの他の一例である。
図4に示したフローチャートの図2に示したフローチャートとの相違点は、操作者が罫線移動キー111のいずれかを連続して押し下げた後で決定キー113を押すことで一括して罫線が作成される点である。
図5は、図4に示したフローチャートに基づいた表示部の様子を示す説明図の一例である。
【0037】
図4に示したフローチャートは、図1に示した画像処理装置としての携帯電話機を操作して罫線作成モードに設定された状態のものとする。
制御部100(図1参照)は、罫線作成モードが開始されると、表示部120のホームポジション(例えばA1セルの右縁もしくは下縁。)にカーソル(横カーソルもしく縦カーソル)を表示させると共に、カーソル移動キー111が押し下げられたか否かを判断する(ステップS201)。
制御部100は、カーソル移動キー111が押し下げられたと判断すると(ステップS201/Yes)、押し下げられたカーソル移動キー111が右方向キー111Rであるか否かを判断する(ステップS202)。
制御部100は、右方向キー111Rが押し下げられたと判断すると(ステップS202/Yes)、表示部120に表示されたカーソル(横向きカーソル:「−」)を1セル分だけ右方向に移動し(ステップS203)、カーソルの軌跡を表示する。以下、軌跡は決定されるまで点滅するかもしくはカーソルと異なる色であってもよい(ステップS209)。
【0038】
制御部100は、右方向キー111Rが押し下げられていないと判断すると(ステップS202/No)、左方向キー111Lが押し下げられたか否かを判断する(ステップS204)。
制御部100は、左方向キー111Lが押し下げられたと判断すると(ステップS204/Yes)、表示部120に表示されたカーソル(横向きカーソル「−」)を1セル分だけ左方向に移動し(ステップS205:但し、図5に示す場合、カーソルは左には移動できないので、例えば「これ以上左へは進めません」と表示するか、または右端に表示されるように構成してもよい。)、カーソルの軌跡を表示する(ステップS209)。
【0039】
制御部100は、左方向キー111Lが押し下げられていないと判断すると(ステップS204/No)、上方向キー111Uが押し下げられたか否かを判断する(ステップS206)。
制御部100は、上方向キー111Uが押し下げられたと判断すると(ステップS206/Yes)、表示部120に表示されたカーソル(縦向きカーソル:「|」)を1セル分だけ上方向に移動し(ステップS207)、カーソルの軌跡を表示する(ステップS209:但し、図5に示す場合、カーソルは上へは進めないので、例えば「これ以上上へは進めません」と表示するか、または下端に表示されるように構成してもよい。)。
【0040】
制御部100は、上方向キー111Uが押し下げられていないと判断すると(ステップS206/No)、下方向キー111Dが押し下げられたものと判断し、表示部120に表示されたカーソル(縦向きカーソル:「|」)をホームポジションであるA1セルから下方向に1セル分だけ(A2セル)まで移動し(ステップS208)、カーソル(縦向きカーソル「|」が表示される。)の軌跡を表示する(ステップS209)。
【0041】
制御部100は、表示部120内にカーソルの軌跡が表示されると、カーソル移動キー111が押し下げられたか否かを判断する(ステップS210)。
制御部100は、カーソル移動キー111が押し下げられたと判断すると(ステップS210/Yes)、ステップS202に戻り、いずれの方向キーが押し下げられたかを判断し、例えば、連続的に右方向キー111Rが押し下げられると、A1セルからD1セルまでカーソルが移動すると共にB1セルからD1セルまで連続的に軌跡が表示される。
【0042】
制御部100は、カーソル移動キー111が押し下げられていないと判断すると(ステップS210/No)、決定キー113(図1参照)が押し下げられたか否かを判断する(ステップS210)。
制御部100は、決定キー113が押し下げられたと判断すると(ステップS211/Yes)、表示部120の軌跡が罫線として表示され(ステップS212)、罫線作成モードが終了したか否かを判断する(ステップS215)。
制御部100は、決定キー113が押し下げられていないと判断すると(ステップS211/No)、削除キー112(図1参照。)が押し下げられたか否かを判断する(ステップS213)。
制御部100は、削除キー112が押し下げられたと判断すると(ステップS213/Yes)、表示部120の軌跡を1セル分だけ削除し(ステップS214))、ステップS211に戻る。
制御部100は、削除キー112が押し下げられていないと判断すると(ステップS213/No)、ステップS211に戻る。
【0043】
制御部100は、カーソル移動キー111の押し下げがないか(ステップS201/No)、罫線が表示されると(ステップS212)、罫線作成モードが終了か否かを判断する(ステップS215)。
制御部100は、罫線作成モードが終了でないと判断すると(ステップS215/No)、ステップS201に戻り、罫線作成モードが終了であると判断すると(ステップS215/Yes)、罫線作成モードを終了する。
ここで、セルに数字(文字)を入力するときはダイヤルキー114のうちの数字キーにより入力することができる。
【0044】
以上において、本実施の形態では、操作者が罫線移動キー111のいずれかを連続して押し下げた後で決定キー113を押すことで一括して罫線が作成され、削除キーを押し下げる毎に軌跡1セル分だけ削除される。すなわち、罫線移動キー111、削除キー112、及び決定キー113の操作だけでグラフィック感覚で罫線を作成することができる。
【0045】
尚、操作者が罫線移動キー111のいずれかを押し下げる毎に決定キー113を押し下げることで1セル分ずつ罫線が作成される方式と、操作者が罫線移動キー111のいずれかを連続して押し下げた後で決定キー113を押すことで一括して罫線が作成され、削除キーを押し下げる毎に軌跡1セル分だけ削除される方式とは固定されるものではなく、特定のキー操作、例えば、ダイヤルキー114のうちの#キーを押し下げることで切り替えるように構成してもよい。
【0046】
<変形例>
図6は、図2もしくは図4に示したフローチャートに基づいた表示部の様子を示す説明図の他の一例である。
図6に示した表示部の図3、5に示した表示部との相違点は、前述したいずれかの罫線は、セル内の中央の軌跡上に形成される点である。
この場合においても、罫線移動キー111、削除キー112、及び決定キー113の操作だけで罫線を作成することができる。
【0047】
<プログラム>
以上で説明した本発明にかかる画像処理装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばマイクロプロセッサなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0048】
罫線を形成するために、コンピュータを、
(1)罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成する手段、
(2)表示部のカーソルを横方向に移動させると軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成する手段、
(3)決定キーが押し下げられるとセル内の罫線を決定する手段、
(4)削除キーが押し下げられるとセル内の罫線を削除する手段、
として機能させるためのプログラムが挙げられる。
【0049】
また、
(a)罫線を形成するために、コンピュータを、
(b)罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させるとカーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成する手段、
(c)表示部のカーソルを横方向に移動させるとカーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成する手段、
(d)決定キーが押し下げられるとセル内の罫線を決定する手段、
(e)削除キーが押し下げられるとセル内の罫線を削除する手段、
(f)いずれかのカーソルの軌跡が形成される毎に決定もしくは削除を行うか、またはいずれかのカーソルが複数回表示された後で決定もしくは削除を行うことを切替る手段、
として機能させるためのプログラムが挙げられる。
【0050】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる画像処理装置を実現することができる。
【0051】
<記憶媒体>
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【実施例1】
【0052】
A1セルにカーソルがありB1セル〜D1セルに横線を作成する場合について説明する。
右方向キー111R、決定キー113を操作することでB1に横線が作成され、続けて右方向キー111R、決定キー113、右方向キー111R、決定キー113と操作することでC1セル、D1セルに横線が作成される。
また、A2セル、A3セルに縦線を作成する場合、カーソルをA1セルへ移動し、下方向キー111D、決定キー113を操作することでA2セルに縦線が作成され、続けて下方向キー111D、決定キー113と操作することでA3セルに縦線が作成される。
【実施例2】
【0053】
図2を参照して、本発明に係る画像処理装置の実施例1として表計算ソフトの場合について説明する。
表計算ソフトを起動してカーソルがA1セルにあり、罫線カーソルはA1セルの下側に点滅しているとする。
右(左)方向キー111R(111L)を操作すると、カーソルは右(左)へ移動し、罫線カーソルは移動したセルの下側に点滅する。
上(下)方向キー111U(111D)を操作すると、カーソルは上(下)へ移動し、罫線カーソルは移動したセルの右側に点滅する。
罫線を作成する時は決定キー113を操作すると、罫線カーソルに合わせてセルの右側もしくは下側に罫線が作成される。罫線を削除する時は削除キー112を操作すると、罫線カーソルに合わせてセルの右側もしくは下側の罫線が削除される。
セルに数字(文字)を入力するときは数字キーにより入力することができる。
【0054】
<効果の説明>
第1の効果は、上下左右方向のキー、決定キー、削除キーの操作だけで罫線が作成できることにある。
第2の効果は、モードを変更することなく、数字(文字)の入力ができることにある。
【0055】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。例えば、上述の説明では、罫線カーソルはセルの下側とセルの右側の2種類としたが、セルの上側やセルの左側を含む4種類としても良い。また、携帯電話機について説明したが、本発明ではこれに限定されず、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機にも適用可能である。さらに、本発明は、パーソナルコンピュータおよび携帯電話機で動作する表計算ソフト、ゲームにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、PDA、ゲーム機等の画像処理装置に利用が可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 制御部
110 入力部
111 カーソル移動キー
111U 上方向キー
111D 下方向キー
111L 左方向キー
111R 右方向キー
112 削除キー
113 決定キー
114 ダイヤルキー
120 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定し、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除することを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
前記いずれかの罫線の表示中に前記ダイヤルキーが押し下げられると、前記セル内もしくは近傍に数字もしくは文字を入力することを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記いずれかの罫線は、前記セル内の中央の軌跡もしくは縁上に形成されることを特徴とする請求項2記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記いずれかのカーソルの軌跡が形成される毎に決定もしくは削除を行うことを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記いずれかのカーソルが複数回表示された後で決定もしくは削除を行うことを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
【請求項6】
罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定し、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除する画像処理方法であって、
前記いずれかのカーソルの軌跡が形成される毎に決定もしくは削除を行うか、または前記いずれかのカーソルが複数回表示された後で決定もしくは削除を行うことが特定のキー操作で切替可能なことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
罫線を形成するために、コンピュータを、
罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成する手段、
前記表示部のカーソルを横方向に移動させると軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成する手段、
前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定する手段、
前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
罫線を形成するために、コンピュータを、
罫線作成モード時に表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成する手段、
前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成する手段、
前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定する手段、
前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除する手段、
前記いずれかのカーソルの軌跡が形成される毎に決定もしくは削除を行うか、または前記いずれかのカーソルが複数回表示された後で決定もしくは削除を行うことを特定のキー操作で切替る手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
表示部と、
カーソル移動キー、決定キー、削除キー、及びダイヤルキーを有する入力部と、
罫線作成モード時に前記カーソル移動キーを押し下げて前記表示部のカーソルを縦方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に縦罫線を形成し、前記カーソル移動キーを押し下げて前記表示部のカーソルを横方向に移動させると前記カーソルの軌跡に沿って各セル内に横罫線を形成し、前記決定キーが押し下げられると前記セル内の罫線を決定し、前記削除キーが押し下げられると前記セル内の罫線を削除するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−272047(P2010−272047A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125071(P2009−125071)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】