説明

画像処理装置、ネットワークシステム、画像処理装置におけるエラー解除用情報の登録方法及びエラー解除用情報の登録プログラム

【課題】ユーザによる復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、的確なエラー解決策が記載された有用なWebページ情報に直ぐに到達でき、復帰処理が速やかに行える画像処理装置等を提供する。
【解決手段】WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、ユーザによる復帰操作が必要なエラーの発生時に、ユーザ操作により表示手段に表示されたWebページが前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断手段と、有用であると判断されたWebページへのリンク情報を、前記発生したエラーの種別と関連付けて記憶手段に記憶させる登録手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Webブラウザを搭載した多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripherals) 等の画像処理装置、該画像処理装置を備えたネットワークシステム、画像処理装置におけるエラー解除用情報の登録方法及びエラー解除用情報の登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば前記MFP等の画像処理装置の使用中に、ユーザによる復帰操作が必要なエラーが発生した場合、復帰操作を行うために「ヘルプ」機能やマニュアルを参照するのが普通である。しかし、それでも分からない場合には、情報量の多さの面からインターネット上の情報として、Webブラウザを使って復帰操作が記載されたWebページを検索することが多い。
【0003】
また、従来、メーカー側に設置されたインターネット上のサーバからヘルプ/ガイダンスデータを取得して表示する画像形成装置において、不慣れなユーザが、目的の「ヘルプ」を検索するのをサポートするために、ヘルプデータベースに保存されているキーワードを表示するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−053856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、インターネット上にf情報が氾濫し、ヒットしたWebページがエラーの解決に有効か否かを判断できない場合も少なくない。また、解決策が記載されているWebページを検索するための適当なキーワードが設定できず、有用なWebページを見つけ出すことができない場合もある。
【0006】
また、それらしいWebページを見つけたものの、該Webページに記載されている情報が足りないことから、Webページに記載内容の操作を行ってもエラーを解除できないこともあった。
【0007】
なお、前記特許文献1に記載された技術は、ヘルプ/ガイダンスデータが予め登録されるものとなされており、上記のような問題を解決しうるものではなかった。
【0008】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ユーザによる復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、的確なエラー解決策が記載された有用なWebページ情報に直ぐに到達でき、復帰処理が速やかに行える画像処理装置、及び該画像処理装置を備えたネットワークシステムを提供し、さらには画像処理装置におけるエラー解除用情報の登録方法並びにエラー解除用情報の登録プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページが、前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断手段と、記憶手段と、前記判断手段により、ユーザがアクセスしたWebページがエラーの解除に有用であると判断された場合、そのWebページへのリンク情報を、前記エラーの種別と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(2)前記Webページの表示開始からエラー解除までの時間を計測する計時手段を備え、前記判断手段は、前記計時手段による計測時間が所定時間よりも短い場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する前項1に記載の画像処理装置。
(3)前記Webページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数を計測するステップ数計測手段を備え、前記判断手段は、前記ステップ数計測手段による計測操作ステップ数が所定数よりも少ない場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する前項1に記載の画像処理装置。
(4)前記判断手段は、前記エラー種別毎に複数のWebページが有用であると判断する場合、Webページの表示開始からエラー解除までの時間が短いものほど、またはWebページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数が少ないものほど、より有用であると判断する前項2または3に記載の画像処理装置。
(5)エラー種別と関連付けられて前記記憶手段に記憶されたWebページへアクセスするためのアクセス手段を備えている前項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)複数の画像処理装置とサーバとがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、前記各画像処理装置は、WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページの表示開始からエラー解除までの時間を計測する計時手段と、エラー解除時に前記表示手段に表示されていたWebページへのリンク情報と、前記計時手段による計測時間と、エラーの種別とを含む有用性判断情報を、前記サーバに送信する送信手段と、前記サーバで有用であると判断されたWebページの情報を取得する取得手段と、を備え、前記サーバは、記憶手段と、前記各画像処理装置から送信された有用性判断情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された各画像形成装置からの有用性判断情報に基づいて、計測時間が所定時間よりも短い場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する判断手段と、前記判断手段により、エラーの解除に有用であると判断されたWebページへのリンク情報を、エラーの種別と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
(7)複数の画像処理装置とサーバとがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、前記各画像処理装置は、WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数を計測するステップ数計測手段と、エラー解除時に前記表示手段に表示されていたWebページへのリンク情報と、前記ステップ数計測手段による計測操作ステップ数と、エラーの種別とを含む有用性判断情報を、前記サーバに送信する送信手段と、前記サーバで有用であると判断されたWebページの情報を取得する取得手段と、を備え、前記サーバは、記憶手段と、前記各画像処理装置から送信された有用性判断情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された各画像形成装置からの有用性判断情報に基づいて、計測操作ステップ数が所定数よりも少ない場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する判断手段と、前記判断手段により、エラーの解除に有用であると判断されたWebページへのリンク情報を、エラーの種別と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
(8)WebブラウザによりWebページを表示手段に表示するステップと、ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページが、前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、ユーザがアクセスしたWebページがエラーの解除に有用であると判断された場合、そのWebページへのリンク情報を、前記エラーの種別と関連付けて記憶手段に記憶させる登録ステップと、を備えたことを特徴とする画像処理装置におけるエラー解除用情報の登録方法。
(9)WebブラウザによりWebページを表示手段に表示するステップと、ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページが、前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、ユーザがアクセスしたWebページがエラーの解除に有用であると判断された場合、そのWebページへのリンク情報を、前記エラーの種別と関連付けて記憶手段に記憶させる登録ステップと、を、画像処理装置のコンピュータに実行させるためのエラー解除用情報の登録プログラム。
【発明の効果】
【0010】
前項(1)に記載の発明によれば、ユーザによる復帰操作が必要なエラーが発生し、ユーザがWebブラウザを使ってWebページを検索すれば、そのWebページが表示手段に表示されるともに、判断手段により該Webページのエラー解除に対する有用性が判断され、該Webページが有用であると判断されれば、登録手段により該Webページへのリンク情報がエラー種別と関連付けられて記憶手段に記憶・登録される。
【0011】
従って、次回に、復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、ユーザは登録されているエラー解除に有用なWebページに直ぐにアクセスすることができ、前記エラーを容易にかつ迅速に解除することが可能となる。
【0012】
前項(2)に記載の発明によれば、エラーが発生し、Webページが表示手段に表示されると、その表示開始からエラー解除までの時間が計測され、その計測時間が所定時間未満であれば、前記Webページが有用であると判断されて、エラー種別と関連付けされて記憶手段に記憶される。
【0013】
前項(3)に記載の発明によれば、エラーが発生し、Webページが表示されると、その表示開始からエラ−解除までの操作ステップ数が計測(カウント)され、その計測操作ステップ数が所定数未満であれば、前記Webページが有用であると判断されて、エラー種別と関連付けられて記憶手段に記憶される。
【0014】
前項(4)に記載の発明によれば、エラー種別毎に有用と判断したWebページが複数存在する場合は、そのなかでエラー解除までの計測時間が短いものほど、またはエラー解除までの操作ステップ数が少ないものほど、より有用であると判断されるので、エラーの迅速な解除に役立つ。
【0015】
前項(5)に記載の発明によれば、エラー種別と関連付けられて記憶された有用なWebページへ容易にアクセスでき、エラーをより一層迅速に解除できる。
【0016】
前項(6)に記載の発明によれば、複数の画像処理装置から、エラー解除時に表示手段に表示されていたWebページへのリンク情報と、Webページの表示開始からエラー解除までの計測時間と、エラーの種別とを含む有用性判断情報がサーバに送信され、サーバにより、計測時間が所定時間よりも短いWebページへのリンク情報が、エラーの解除に有用であると判断され、記憶手段に記憶される。従って各画像処理装置のユーザは、エラー解除に有用なWebページへのリンク情報をサーバから入手することができる。
【0017】
前項(7)に記載の発明によれば、複数の画像処理装置から、エラー解除時に表示手段に表示されていたWebページへのリンク情報と、Webページの表示開始からエラー解除までの計測操作ステップ数と、エラーの種別とを含む有用性判断情報がサーバに送信され、サーバにより、計測操作ステップ数が所定数よりも少ないWebページへのリンク情報が、エラーの解除に有用であると判断され、記憶手段に記憶される。従って各画像処理装置のユーザは、エラー解除に有用なWebページへのリンク情報をサーバから入手することができる。
【0018】
前項(8)に記載の発明によれば、有用なWebページへのリンク情報がエラー種別と関連付けられて記憶手段に記憶・登録されるから、次回に、復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、ユーザは登録されているエラー解除に有用なWebページに直ぐにアクセスすることができ、前記エラーを容易にかつ迅速に解除することが可能となる。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、有用なWebページへのリンク情報をエラー種別と関連付けて記憶手段に記憶する処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置を備えたネットワークシステムを示す概略構成図である。
【図2】画像形成装置としてのMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】MFPで発生したエラーに対応するWebページの表示および登録処理を示すフローチャートである。
【図4】発生したエラーの種別に関連付けられて登録されているWebページが存在しない場合のエラー表示画面である。
【図5】発生したエラーの種別に関連付けられて登録されているWebページが存在している場合のエラー表示画面である。
【図6】エラー種別とそれに関連付けられたWebページのURLが記憶されたテーブルを示す図である。
【図7】有用性の高いランク順にそのエラー種別に関連付けられたWebページのURLの一覧を示す図である。
【図8】MFPで発生したエラーに対応するWebページの有用性を、Webページ表示開始からエラー解除までに行われた操作のステップ数から判断する処理を示すフローチャートである。
【図9】エラー種別とそれに関連付けられたWebページのURLが記憶されたテーブルを示す図である。
【図10】この発明の更に他の実施形態に係るネットワークシステムの概略構成図である。
【図11】管理サーバの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置を備えたネットワークシステムの概略構成図である。
【0023】
図1において、このネットワークシステムは、ユーザが使用する画像処理装置としての前述した多機能デジタル画像形成装置であるMFP100と、パーソナルコンピュータからなるユーザ端末としてのPC20と、MFP100やPC20にWebページを提供可能なパーソナルコンピュータ等からなるWebサーバ30とを備えており、これらMFP100、PC20、およびサーバ30は、LAN等のネットワーク4を介して接続されている。
【0024】
図2は、前記MFP100の電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
図2おいて、このMFP100は、制御部110、操作パネル部101、スキャナ部102、プリンタ部103等を備えている。
【0026】
制御部110は、CPU111と、通信インタ−フェース(通信I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、記憶部120とを備えている。制御部110には、前記操作パネル部101、スキャナ部102およびプリンタ部103等が接続されている。
【0027】
前記CPU111は、MFP100の全体の動作を統括制御する他、特にこの実施形態では次のような制御を行う。
【0028】
即ち、ユーザによる復帰操作の必要なエラーがMFP100に発生したことやエラー種別を検出する他に、該エラーの種別と関連付けられて前記記憶部120にWebページへのリンク情報である例えばURLが登録されているか否かを判断し、登録されていれば、そのWebページへリンクするための操作キーを、後述する表示部101Bにおけるエラー表示画面に表示させ、登録されていなければ、検索サイト等のWebページへリンクするための操作用キーをエラー表示画面に表示させる。さらに、CPU111は、表示部101Bに表示されたWebページが有用であるか否かを判断し、有用であると判断した場合は、エラー種別と関連付けてそのWebページへのリンク情報を記憶させ登録するが、これらの制御については後述する。
【0029】
前記通信I/F部112は、ネットワーク4上の外部機器との間でデータの授受を行うための通信手段である。
【0030】
前記ROM113は、CPU111の動作プログラム等を格納しているメモリである。
【0031】
前記RAM114は、CPU111が前記動作プログラムに従って動作する際の作業領域を提供するメモリである。
【0032】
前記記憶部120は、各種アプリケーションや画像データ等を記憶するハードディスク装置(HDD)115と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory ) 116とを備えている。
【0033】
前記ハードディスク装置115には、Webページを閲覧するためのソフトウェアであるWebブラウザが保存されており、このWebブラウザを介して、Webサーバ30から提供されるWebページを、後述する操作パネル部101の表示部101Bに表示可能となされている。
【0034】
また、記憶部120のEEPROM116には、MFP100の使用中に発生する、例えば「紙詰まり」等のようにユーザの復帰操作が必要なエラーの種別と、それに関連付けられたWebぺージへのリンク情報であるURLとが、図6のようにテーブルとして記憶されている。
【0035】
なお、図6のテーブルでは、エラー種別として、例えば「紙づまり」、「ペーパーエンプティ」、「両面用紙不適合」、「原稿サイズ検出エラー」、「AMS倍率不適合」が挙げられている。
【0036】
前記操作パネル部116は、例えばスタートキーや入力キー等を有するキー部101Aと、例えばLCD等からなり各種データやメッセーッジ等を表示する表示部101Bとを備えている。
【0037】
前記スキャナ部102は、原稿画像を読み取って画像データを出力するものである。
【0038】
前記プリンタ部103は、前記スキャナ部102で読み取られた原稿の画像データや、PC20等から送信された文書データ等を印刷するものである。
【0039】
図3は、MFP100で発生したエラーに対応するWebページの表示および登録処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU111がROM113等の記録媒体に記録されている動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0040】
ステップS1では、使用中のMFP100にエラー(例えば「紙詰まり」)が発生したか否かを判断し、エラーが発生していなければ(ステップS1でNO)、そのまま終了する。エラーが発生したのであれば(ステップS1でYES)、ステップS2で、図4または図5に示すように、操作パネル部101の表示部101Bにエラ−表示画面D(D1)を表示させる。
【0041】
図4は、発生したエラーの種別に関連付けられてEEPROM116に記憶されているWebページが存在しない場合に表示される画面であり、例えば検索サイト等のWebページへのリンクキーである「Webブラウザ起動」キー41が、エラー表示画面に表示されている。ユーザは、この「Webブラウザ起動」キー41を押下することにより、Webブラウザを介して表示部101BにWebページを表示させることができる。
【0042】
一方、図5は、発生したエラーの種別に関連付けられてEEPROM116に記憶されているWebページが存在する場合に表示される画面であり、「役に立つWebページを表示」キー51がエラー表示画面に表示されている。ユーザは、この「役に立つWebページを表示」キー51を押下することにより、そのエラー種別に関連付けられたWebページを表示させることができる。
【0043】
「Webブラウザ起動」キー41または「役に立つWebページを表示」キー51の押下等がなされると、ステップS3で、表示部101BにWebページを表示させ、ステップS4で、Webページの表示開始からエラー解除までの時間計測を開始する。ユーザが表示されるWebページを変更した場合は、その履歴が記憶部120の例えばEEPROM116に記録され、ステップS5では、前記記録されたWebページ表示履歴の取得を開始する。
【0044】
ステップS6では、エラーが解除されたか否かを判断し、エラーが解除されていなければ(ステップS6でNO)、エラーが解除されるまで待つ。エラーが解除されれば(ステップS6でYES)、ステップS7で時間計測を終了し,ステップS8では、Webページ表示履歴の取得を終了する。
【0045】
次いで、ステップS9では、Webページ表示履歴があるか否かを判断し、Webページ表示履歴がなければ(ステップS9でNO)、そのまま処理を終了する。Webページ表示履歴があれば(ステップS9でYES)、ステップS10に進む。
【0046】
ステップS10では、計測したエラー解決時間(Webページ表示開始からエラー解除までの計測時間)が所定時間(例えば1分)未満であるか否かを判断する。計測したエラー解決時間が所定時間以上であれば(ステップS10でNO)、表示されたWebページの有用性の低いものと見做し、そのまま終了する。計測したエラー解決時間が所定時間未満であれば(ステップS10でYES)、表示されたWebページの有用性が高いものと見做し、ステップS11では、エラー解除時に閲覧していたWebページへのリンク情報であるURLを、記憶部120のEEPROM116に、図6に示すようにエラー種別と関連付けて記憶・登録したのち、処理を終了する。なお、WebページのURLが既に登録されている場合は、再度の登録は行わない。
【0047】
図6は、前述したように、エラー種別とそれに関連付けられたWebページのURLが記憶されたテーブルを示し、この例ではWebページの有用性をエラー解決時間の短いものから順にランク付けして記憶されている。例えば、「紙づまり」のエラーの場合、上位3つのランク1,2,3について、それぞれエラー解決時間(時間秒)が「0:15.0」、「0:19.0」、「0:22.5」となっている。
【0048】
こうして、一旦登録されると、次に同種別のエラーが生じた場合は図5に示すエラー画面が表示され、前述したように、ユーザが「役に立つWebページを表示」キー51を押下すると、そのエラー種別に関連付けられたWebページが、表示画面に表示される。
【0049】
なお、1つのエラー種別に複数のWebページのURLが登録されている場合は、ユーザが「役に立つWebページを表示」キー51を押下すると、図7に示すように、有用性の高いランク順にそのエラー種別に関連付けられたWebページのURLの一覧が表示され、ユーザが所望のURLを選択することで、そのWebページが表示される。
【0050】
このように、有用と判断されたWebページへのリンク情報を、エラー種別と関連付けて記憶・登録しておくことで、次回に、復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、ユーザは登録されているエラー解除に有用なWebページに直ぐにアクセスすることができ、前記エラーを容易にかつ迅速に解除することが可能となる。
【0051】
図3に示した実施形態では、エラー解除時に閲覧していたWebページへのリンク情報であるURLが記憶・登録されるものとしたが、Webページの表示開始からエラー解除までに変更されたページ毎に時間を計測し、最も表示時間の長いWebページのURLを記憶・登録しても良い。
【0052】
また、図3に示した実施形態では、エラーが発生した際に表示されたWebページの表示開始からエラーが解除されるまでの計測時間を所定時間と比較することにより、Webページの有用性を判断するようにしたが、Webページの表示開始からエラーを解除するまでの操作ステップ数を所定ステップ数と比較することにより、Webページの有用性を判断するようにしてもよい。
【0053】
図8は、MFP100で発生したエラーに対応するWebページの有用性を、Webページ表示開始からエラー解除までに行われた操作のステップ数から判断する処理を示すフローチャートである。
【0054】
図8において、ステップS21では、使用中のMFP100にエラー(例えば「紙詰まり」)が発生したか否かを判断し、エラーが発生していなければ(ステップS21でNO)、そのまま終了する。エラーが発生したのであれば(ステップS21でYES)、ステップS22で、図4または図5に示すように、操作パネル部101の表示部101Bにエラ−表示画面D(D1)を表示させる。
【0055】
上記表示画面において、「Webブラウザ起動」キー41または「役に立つWebページを表示」キー51の押下等がなされると、ステップS23で、表示部101BにWebページを表示させ、ステップS24で、Webページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数の計測(カウント)を開始する。
【0056】
ここで、前記Webページの表示開始からエラーが解除されるまでに要する操作のステップ数については、例えばカバーの「開」,「閉」を各1ステップと判断し、用紙搬送上の用紙検出センサの「ON」,「OFF」を各1ステップと判断する。
【0057】
ユーザが表示されるWebページを変更した場合は、その履歴が記憶部120の例えばEEPROM116に記録され、ステップS25では、前記記録されたWebページ表示履歴の取得を開始する。
【0058】
ステップS26では、エラーが解除されたか否かを判断し、エラーが解除されていなければ(ステップS26でNO)、エラーが解除されるまで待つ。エラーが解除されれば(ステップS26でYES)、ステップS27で操作ステップ数の計測を終了し,ステップS28では、Webページ表示履歴の取得を終了する。
【0059】
次いで、ステップS29では、Webページ表示履歴があるか否かを判断し、Webページ表示履歴がなければ(ステップS29でNO)、そのまま処理を終了する。Webページ表示履歴があれば(ステップS29でYES)、ステップS30に進む。
【0060】
ステップS30では、計測した操作ステップ数が所定数(例えば10)未満であるか否かを判断する。計測した操作ステップ数が所定数以上であれば(ステップS30でNO)、表示されたWebページの有用性の低いものと見做し、処理を終了する。計測した操作ステップ数が所定数未満であれば(ステップS30でYES)、表示されたWebページの有用性が高いものと見做し、ステップS31では、エラー解除時に閲覧していたWebページへのリンク情報であるURLを、記憶部120のEEPROM116に、図9に示すようにエラー種別と関連付けて記憶・登録したのち、処理を終了する。なお、WebページのURLが既に登録されている場合は、再度の登録は行わない。
【0061】
図9の例では、Webページの有用性を操作ステップ数の少ないものから順にランク付けして記憶されている。例えば、「紙づまり」のエラーの場合、上位3つのランク1,2,3について、それぞれ操作ステップ数が「5」、「7」、「9」となっている。
【0062】
この実施形態においても、有用と判断されたWebページへのリンク情報を、エラー種別と関連付けて記憶・登録しておくことで、次回に、復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、ユーザは登録されているエラー解除に有用なWebページに直ぐにアクセスすることができ、前記エラーを容易にかつ迅速に解除することが可能となる。なお、1つのエラー種別に複数のWebページのURLが登録されている場合は、ユーザが図5の画面における「役に立つWebページを表示」キー51を押下すると、図7に示すように、有用性の高いランク順にそのエラー種別に関連付けられたWebページのURLの一覧が表示される点は、図3に示した実施形態と同じである。
【0063】
図10は、この発明の更に他の実施形態に係るネットワークシステムの概略構成図である。
【0064】
このネットワークシステムは、ユーザが使用する画像処理装置としての前述した多機能デジタル画像形成装置である複数のMFP100、200と、パーソナルコンピュータからなるユーザ端末としてのPC20と、MFP100やPC20にWebページを提供可能なパーソナルコンピュータ等からなるWebサーバ30の他に、パーソナルコンピュータからなる管理サーバ40を備えており、これらMFP100、200、PC20、サーバ30及び40は、LAN等のネットワーク4を介して接続されている。
【0065】
この例では、管理サーバ40がエラー種別毎にエラー解除に有効なWebページの登録情報を一括して管理するものとなされている。
【0066】
具体的には、管理サーバ40は、複数のMFP100、200から、Webページがエラー解除に有用か否かを判断するための有用性判断情報をエラーの発生する毎に受信し、この有用性判断情報に基づいて、エラー解除に有効なWebページであるかどうかを判断し、エラーの解除に有用であると判断されたWebページへのリンク情報を、エラーの種別と関連付けて自身の記憶装置へ記憶・登録するものである。
【0067】
各MFP100、200からの前記有用性判断情報には、エラー解除時にMFPの表示部101Bに表示されていたWebページへのリンク情報であるURLと、Webページの表示開始からエラー解除までの計測時間と、エラーの種別とを含む。Webページの表示開始からエラー解除までの計測時間に代え、あるいは計測時間とともに、Webページの表示開始からエラー解除までに計測(カウント)された操作ステップ数が含まれていても良い。
【0068】
管理サーバ40は、各MFP100、200からの前記有用性判断情報に基づいて、計測時間が所定時間よりも短い場合のWebページ、あるいは計測操作ステップ数が所定数よりも少ない場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断し、そのWebページのURLをエラーの種別と関連付けて記憶する。
【0069】
図11は、管理サーバ40の処理を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS41では、MFP100、200からの有用性判断情報の送信要求があるかどうかを判断する。送信要求がなければ(ステップS41でNO)、送信要求を待つ。
【0071】
送信要求があれば(ステップS41でYES)、ステップS42で有用性判断情報を受信したのち、ステップS43で、前述した計測時間あるいは計測操作ステップ数を基にWebページの有用性を判断する。ステップS44では、有用なWebページがあるかどうかを調べ、なければ(ステップS44でNO)、処理を終了する。あれば(ステップS44でYES)、ステップS45で、そのWebページへのリンク情報であるURLをエラー種別と関連付けて、自身の記憶装置へ記憶・登録する。
【0072】
各MFP100、200のユーザは、復帰操作が必要なエラーが発生した場合に、管理サーバ40に登録されているエラー解除に有用なWebページに直ぐにアクセスすることができ、前記エラーを容易にかつ迅速に解除することが可能となる。
【0073】
しかも、各MFP100、200からの有用性判断情報を管理サーバ40に集約し、該管理サーバ40がWebページの有用性を判断して登録するから、エラー解除に有用なWebページを効率よく取得し管理することができる。
【符号の説明】
【0074】
4 ネットワーク
30 Webサーバ
40 管理サーバ
100,200 画像処理装置
101B 表示部
111 CPU
120 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、
ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページが、前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断手段と、
記憶手段と、
前記判断手段により、ユーザがアクセスしたWebページがエラーの解除に有用であると判断された場合、そのWebページへのリンク情報を、前記エラーの種別と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記Webページの表示開始からエラー解除までの時間を計測する計時手段を備え、
前記判断手段は、前記計時手段による計測時間が所定時間よりも短い場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記Webページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数を計測するステップ数計測手段を備え、
前記判断手段は、前記ステップ数計測手段による計測操作ステップ数が所定数よりも少ない場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記エラー種別毎に複数のWebページが有用であると判断する場合、Webページの表示開始からエラー解除までの時間が短いものほど、またはWebページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数が少ないものほど、より有用であると判断する請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
エラー種別と関連付けられて前記記憶手段に記憶されたWebページへアクセスするためのアクセス手段を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数の画像処理装置とサーバとがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、
前記各画像処理装置は、
WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、
ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページの表示開始からエラー解除までの時間を計測する計時手段と、
エラー解除時に前記表示手段に表示されていたWebページへのリンク情報と、前記計時手段による計測時間と、エラーの種別とを含む有用性判断情報を、前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバで有用であると判断されたWebページの情報を取得する取得手段と、
を備え、
前記サーバは、
記憶手段と、
前記各画像処理装置から送信された有用性判断情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された各画像形成装置からの有用性判断情報に基づいて、計測時間が所定時間よりも短い場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する判断手段と、
前記判断手段により、エラーの解除に有用であると判断されたWebページへのリンク情報を、エラーの種別と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、
を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項7】
複数の画像処理装置とサーバとがネットワークを介して接続されたネットワークシステムであって、
前記各画像処理装置は、
WebブラウザによりWebページを表示可能な表示手段と、
ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページの表示開始からエラー解除までの操作ステップ数を計測するステップ数計測手段と、
エラー解除時に前記表示手段に表示されていたWebページへのリンク情報と、前記ステップ数計測手段による計測操作ステップ数と、エラーの種別とを含む有用性判断情報を、前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバで有用であると判断されたWebページの情報を取得する取得手段と、
を備え、
前記サーバは、
記憶手段と、
前記各画像処理装置から送信された有用性判断情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された各画像形成装置からの有用性判断情報に基づいて、計測操作ステップ数が所定数よりも少ない場合のWebページを、エラーの解除に有用であると判断する判断手段と、
前記判断手段により、エラーの解除に有用であると判断されたWebページへのリンク情報を、エラーの種別と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、
を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
WebブラウザによりWebページを表示手段に表示するステップと、
ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページが、前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、ユーザがアクセスしたWebページがエラーの解除に有用であると判断された場合、そのWebページへのリンク情報を、前記エラーの種別と関連付けて記憶手段に記憶させる登録ステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理装置におけるエラー解除用情報の登録方法。
【請求項9】
WebブラウザによりWebページを表示手段に表示するステップと、
ユーザによる復帰操作が必要なエラー発生時に、ユーザ操作により前記表示手段に表示されたWebページが、前記エラーの解除に有用であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、ユーザがアクセスしたWebページがエラーの解除に有用であると判断された場合、そのWebページへのリンク情報を、前記エラーの種別と関連付けて記憶手段に記憶させる登録ステップと、
を、画像処理装置のコンピュータに実行させるためのエラー解除用情報の登録プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−212266(P2012−212266A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76872(P2011−76872)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】