画像処理装置、出力制御システム、出力制御方法、及び出力制御プログラム
【課題】共有ジョブの出力制御が行える画像処理装置、出力制御システム、出力制御方法、及び出力制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、複数の利用者による共有が設定された蓄積ジョブである共有ジョブを出力する装置であって、蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段23と、ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段24と、を有し、ジョブリスト表示手段23が、ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、ジョブ制御手段24が、ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする。
【解決手段】画像処理装置100は、複数の利用者による共有が設定された蓄積ジョブである共有ジョブを出力する装置であって、蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段23と、ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段24と、を有し、ジョブリスト表示手段23が、ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、ジョブ制御手段24が、ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有ジョブを出力制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリントサーバなどに蓄積され一元管理された印刷ジョブを複数の利用者で共有する仕組みが知られている。例えば、特許文献1には、プリンタドライバで共有設定を行い、共有設定された印刷ジョブをプリントサーバに蓄積することで、複数の利用者が該当ジョブを共有するシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の方法では、共有ジョブの出力制御について考慮されていない。ここでいう出力制御とは、「共有ジョブのデータ管理」や「共有ジョブの実行制御」などである。
【0004】
例えば、共有ジョブのデータ管理方法には、従来のように共有利用者に対して設定された共有ジョブ全てをジョブリストに表示するのではなく、共有利用者のジョブ実行環境(例えば「画像処理装置の設置エリア」など)に応じて、共有ジョブをジョブリストに表示する/表示しない(非表示)などの方法が望まれる。これは、ジョブ共有を行った場合であっても共有情報に対して高い機密性を実現する(共有ジョブによるセキュリティ問題を解決する)上で有効な方法だからである。
【0005】
また、共有ジョブの実行方法には、従来のような紙出力(印刷)ではなく、メール送信による電子転送などの方法が望まれる。なぜなら、携帯性に優れた情報端末の普及により多様化した利用者環境への柔軟な情報提供や企業活動の一環として行われるTCO(Total Cost of Ownership)削減などを実現する上で有効な方法だからである。
【0006】
このように、従来の方法では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が実現されていない。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、共有ジョブの出力制御が行える画像処理装置、出力制御システム、出力制御方法、及び出力制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置であって、前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段と、を有し、前記ジョブリスト表示手段が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、前記ジョブ制御手段が、前記ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする。
【0009】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力する。
【0010】
これによって、本発明に係る画像処理装置では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が行える。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る出力制御方法は、蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置における出力制御方法であって、前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示装置に表示するジョブリスト表示手順と、前記表示装置を介して、前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手順と、を有し、前記ジョブリスト表示手順が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、前記ジョブ制御手順が、前記ジョブリスト表示手順により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする。
【0012】
このような手順によって、本発明に係る出力制御方法は、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力するという動作を実現する。
【0013】
これによって、本発明に係る出力制御方法では、共有ジョブの出力制御可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力することで、共有ジョブの出力制御が行える画像処理装置、出力制御システム、出力制御方法、及び出力制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る出力制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るジョブ管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るジョブの共有設定画面例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るジョブ管理情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るジョブリストの画面例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るジョブ出力後の表示制御画面例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る出力制御の処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るジョブリスト表示の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る共有ジョブ削除の処理手順例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の変形例に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る出力制御システム1の構成例を示す図である。
図1には、複数の情報端末3001〜300n(以降総称する場合「情報端末300」という)、複数の画像処理装置2001〜200n(以降総称する場合「画像処理装置200」という)、及びジョブ管理装置100とが、ネットワークなどのデータ伝送路N(例えば「LAN:Local Area Network」)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0018】
情報端末300は、ジョブ送信機能を有する機器である。情報端末300は、例えば、PC(Personal Computer)や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)などであり、プリンタドライバやWebブラウザといったアプリケーションを介して、各種実行設定を行ったジョブデータをジョブ管理装置100に送信する。
【0019】
画像処理装置200は、画像処理機能を有する機器である。画像処理装置200は、例えば、LP(Laser Printer)やMFP(Multifunction Peripheral)などであり、MFPなどの場合、搭載する画像処理機能には、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリント機能などがある。
【0020】
ジョブ管理装置100は、ジョブ管理機能を有する機器である。ジョブ管理装置100は、例えば、PCなどであり、情報端末300からの受信データを所定の記憶領域に格納・蓄積し、ジョブ管理情報に基づき、ジョブデータを管理し、利用者のジョブリストやジョブデータを画像処理装置200に送信する。なお、ジョブ管理装置100は、受信データが印刷データの場合、プリントサーバにあたる。
【0021】
出力制御システム1は、次のようなサービスを提供する。例えば、利用者は、共有利用者(情報共有したい他の利用者)を設定したジョブデータを情報端末300から送信し、ジョブ管理装置100に共有ジョブデータを蓄積する。これにより、共有利用者は、画像処理装置200で、利用者情報(例えば「利用者ID」など)を入力することで、共有ジョブを含む利用者のジョブリストを取得できる。その結果、共有利用者は、ジョブリストから実行したい共有ジョブを選択することで、選択した共有ジョブデータが出力される。
【0022】
以上のように、本実施形態に係る出力制御システム1は、上記システム構成により、共有ジョブの出力制御サービスを提供することができる。
【0023】
<ハードウェア構成>
《ジョブ管理装置》
図2は、本実施形態に係るジョブ管理装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、情報端末300については、ジョブ管理装置100と同様の情報処理装置であることから、その説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、ジョブ管理装置100は、入力装置101、表示装置102、ドライブ装置103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、インタフェース装置107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0025】
入力装置101は、キーボードやマウスなどを含み、ジョブ管理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、ジョブ管理装置100による処理結果を表示する。
【0026】
インタフェース装置107は、ジョブ管理装置100をネットワークNに接続するインタフェースである。これにより、ジョブ管理装置100は、インタフェース装置107を介して、情報端末300や画像処理装置200とデータ通信を行うことができる。
【0027】
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、装置全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(商標又は登録商標)」や「UNIX(商標又は登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))、及びシステム上において各種機能(例えば「出力制御機能」)を提供するアプリケーションなどがある。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。なお、情報端末300からの受信データ(ジョブデータ)は、HDD108の所定の記憶領域に格納・蓄積され、DBにより管理される。
【0028】
ドライブ装置103は、着脱可能な記録媒体103aとのインタフェースである。これにより、ジョブ管理装置100は、ドライブ装置103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、例えば、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0029】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、ジョブ管理装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、情報処理システム設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記記憶装置(「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM(メモリ)上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する演算装置である。
【0030】
以上のように、本実施形態に係るジョブ管理装置100は、上記ハードウェア構成により、ジョブ管理サービスを提供することができる。
【0031】
《画像処理装置》
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置200のハードウェア構成例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、画像処理装置200は、コントローラ210、操作パネル220、プロッタ230、及びスキャナ240などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0033】
操作パネル220は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報を利用者に提供したり、動作設定や動作指示などの各種利用者操作を受け付けたりする。なお、ジョブ管理装置100から取得したジョブリストは、操作パネル220の表示部に表示され、所定のGUI(Graphical User Interface)などの入力部により、利用者からのジョブ実行指示を受け付ける。
【0034】
プロッタ230は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ240は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0035】
コントローラ210は、CPU211、記憶装置212、ネットワークI/F213、及び外部記憶I/F214などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0036】
CPU211は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置212は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM、不揮発性のメモリであるROM、及び大容量の記憶領域を備えたHDDなどがある。RAMは、CPU211のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置200では、CPU211がROMに格納されたプログラムをRAM(メモリ)上に読み出し、プログラムを実行する。
【0037】
ネットワークI/F213は、画像処理装置200をネットワークなどの所定のデータ伝送路Nに接続するためのインタフェースである。外部記憶I/F214は、外部記憶装置にあたる記録媒体214aを接続するためのインタフェースである。記録媒体214aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置200は、外部記憶I/F214を介して、記録媒体214aに格納されたプログラムやデータを読み取る。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置200では、上記ハードウェア構成により、画像処理サービスを提供することができる。
【0039】
<出力制御機能>
本実施形態に係る出力制御機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置200では、複数の利用者による共有が設定された共有ジョブを含む蓄積ジョブのジョブに関する情報に基づき生成されたジョブリスト及び該ジョブリストに含まれるジョブのジョブデータを取得する。画像処理装置200は、取得したジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示する。画像処理装置200は、表示したジョブリストから実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力(印刷/電子転送)する。本実施形態に係る画像処理装置200は、このような出力制御機能を有している。
【0040】
従来の方法では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が実現されていない。
【0041】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置200では、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力する仕組みとした。
【0042】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置200では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が行える。
【0043】
以下に、本実施形態に係る出力制御機能の構成とその動作について説明する。
図4は、本実施形態に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係る出力制御機能は、利用者情報受付部21、ジョブリスト要求部22、ジョブリスト表示部23、及びジョブ制御部24などを有している。これらは、画像処理装置200が有する機能である。一方、ジョブ管理装置100は、ジョブ受信部11、ジョブ管理部12、及びジョブリスト管理部13などを有し、出力制御機能は、ジョブ管理装置100が有するこれらの機能部と連携動作する。
【0044】
《ジョブ管理装置》
ジョブ受信部11は、情報端末300から送信されたジョブデータを受信する機能部である。
【0045】
ここで、ジョブ受信部11が受信するジョブデータの共有設定方法について説明する。
図5は、本実施形態に係るジョブの共有設定画面例を示す図である。
(A)には、プリンタドライバによる共有設定画面W1が示されており、(B)には、Webブラウザによる共有設定画面W2が示されている。
【0046】
共有設定画面W1,W2(以降総称する場合「共有設定画面W」という)では、次のような項目を設定できる。
【0047】
まず、文書(ジョブデータ)を共有するか否かを制御する項目(以下「共有制御項目」という)が設定できる。共有制御項目が設定された場合には、以下の詳細項目が設定できる。
【0048】
詳細項目には、共有利用者や共有利用者の属性(例えば「所属」)を利用者IDやメールアドレスで入力指定可能な共有先アドレス、共有ジョブの許可実行環境(画像処理装置)をIPアドレス(Internet Protocol address)で入力指定可能な共有先IPアドレス、共有ジョブの許可実行エリア(仕向地)を国名で入力指定可能な共有先国、共有ジョブの有効期限を日時で入力指定可能な共有期間などがある。
【0049】
また、共有制御項目が設定された場合に、共有文書(共有ジョブデータ)を自動削除するか否かを制御する項目(以下「削除制御項目」という)が設定できる。削除制御項目が設定された場合に、「全共有利用者がジョブ実行したら削除する」や「共有期間が過ぎたら削除」で選択指定可能な削除条件などの詳細項目が設定できる。
【0050】
また、共有制御項目が設定された場合に、共有文書をジョブリストに表示するか否かを制御する項目(以下「表示制御項目」という)が設定できる。表示制御項目が設定された場合に、「利用者選択に従って非表示」や「利用者がジョブ実行したら非表示」で選択指定可能な表示条件などの詳細項目が設定できる。
【0051】
また、共有制御項目が設定された場合に、共有文書を複製禁止とするか否かを制御する項目(以下「複製防止制御項目」という)が設定できる。複製禁止制御項目が設定された場合に、「電子文書の複製禁止」や「印刷文書の複製禁止」で選択指定可能な複製禁止処理などの詳細項目が設定できる。
【0052】
このように、ジョブデータの各種共有設定は、情報端末300が有する所定のアプリケーションを介して設定できる。例えば、プリンタドライバの場合には、上記共有設定の設定値がPJLデータ(Printer Job Language data)としてPDLデータ(Page Description Language data)に付加され、ジョブデータとしてジョブ管理装置100に送信される。また、Webブラウザの場合には、上記共有設定の設定値がHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストメッセージのパラメータとしてジョブ管理装置100に送信される。
【0053】
図4の説明に戻る。よって、ジョブ受信部11は、情報端末300からの受信データ(例えば「PJLデータ」や「リクエストメッセージのパラメータ」など)を解析し、ジョブデータの他に、ジョブに関する情報(以下「ジョブ関連情報」という)や共有設定の設定値(以下「共有設定情報」という)などを取得する。
【0054】
ジョブ管理部12は、要求に応じたデータ操作を行い、ジョブを管理する機能部である。例えば、ジョブ管理部12は、ジョブ受信部11からジョブデータの蓄積が要求されると、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブデータを格納する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブデータの格納などがある。これにより、情報端末300から要求されたジョブが、ジョブ管理装置100に蓄積(蓄積ジョブ)される。
【0055】
また、ジョブ管理部12は、ジョブ管理情報保持部91が保持するジョブ管理情報に基づき、格納したジョブデータを管理する。なお、ジョブ管理情報保持部91は、例えば、ジョブ管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0056】
ここで、ジョブ管理情報について説明する。
図6は、本実施形態に係るジョブ管理情報91Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、ジョブ管理情報91Dは、[ジョブ]と[共有]との情報項目がジョブ単位で対応づけられたデータセット(以下「ジョブ情報」という)から構成される。
【0057】
[ジョブ]項目は、ジョブ関連情報の項目である。詳細項目には、[ジョブ識別]、[利用者識別]、[ジョブ属性]、[格納先]などがあり、項目値には、ジョブ受信部11により取得されたジョブ関連情報の値が格納される。
【0058】
[ジョブ識別]項目は、ジョブを識別する情報(以下「ジョブ識別子」という)の項目であり、項目値には、ジョブデータ名やジョブデータIDなどがある。[利用者識別]項目は、利用者を識別する情報(以下「利用者識別子」という)の項目であり、項目値には、利用者名や利用者IDなどがある。[ジョブ属性]項目は、ジョブの属性を示す情報(以下「ジョブ属性情報」という)の項目であり、項目値には、コピー部数指定、カラー/モノクロ指定、両面指定、集約指定などがある。[格納先]項目は、ジョブデータの格納先を示す情報(以下「格納先情報」という)の項目であり、項目値には、ジョブデータのURI(Uniform Resource Identifier)などがある。
【0059】
また、[共有]項目は、共有設定情報の項目である。詳細項目には、[共有制御設定]、[共有先アドレス]、[共有先IPアドレス]、[共有先国]、[共有期間]、[削除制御設定]、[表示制御設定]、[複製禁止設定]などがあり、ジョブ受信部11により取得された共有設定情報の値が格納される。
【0060】
[共有制御設定]項目は、共有制御設定を示す情報(以下「共有制御設定情報」という)の項目であり、項目値は、ジョブ共有を行うか否かの設定値である。[共有先アドレス]項目は、共有先アドレスを示す情報(以下「共有先アドレス情報」という)の項目であり、項目値は、共有利用者や共有利用者の属性(例えば「所属」)を示す識別子である。[共有先IPアドレス]項目は、共有先IPアドレスを示す情報(以下「共有先IPアドレス情報」という)の項目であり、項目値は、共有ジョブの許可実行環境を示すネットワーク設定範囲を示す値である。[共有先国]項目は、共有先国を示す情報(以下「共有先国情報」という)の項目であり、項目値は、共有ジョブの許可実行環境を示すエリア設定範囲を示す値である。[共有期間]項目は、共有期間を示す情報(以下「共有期間情報」という)の項目であり、項目値は、共有ジョブの有効期限を示す日時である。[削除制御設定]項目は、削除制御設定を示す情報(以下「削除制御設定情報」という)の項目であり、項目値は、削除条件の設定値である。[表示制御設定]項目は、表示制御設定を示す情報(以下「表示制御設定情報」という)の項目であり、項目値は、表示条件の設定値である。[複製禁止設定]項目は、複製禁止設定を示す情報(以下「複製禁止設定情報」という)の項目であり、項目値は、複製禁止処理の設定値である。
【0061】
これらジョブ管理情報91Dの項目値は、ジョブ管理部12により更新される。ジョブ管理部12は、ジョブ受信部11により取得されたジョブデータを格納する先に、該データに紐づけて、ジョブ受信部11の取得情報(「ジョブ関連情報」や「共有設定情報」)をジョブ管理情報91Dに追加し、更新する。このように追加された情報がジョブ情報にあたり、ジョブ単位で管理される。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブ管理情報91Dの更新などがある。
【0062】
図4の説明に戻る。よって、ジョブ管理部12は、ジョブリスト管理部13から利用者に該当するジョブ情報及びジョブデータの取得が要求されると、ジョブ管理情報91Dを参照し、利用者識別子に基づき、該当ジョブ情報を特定し、特定したジョブ情報に含まれる格納先情報に基づき、該当ジョブデータを取得し、これらの情報を要求元に応答する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブデータやジョブ情報の取得などがある。
【0063】
また、ジョブ管理部12は、制御情報保持部92が保持する制御情報に基づき、格納したジョブデータを管理する。なお、制御情報保持部92は、例えば、ジョブ管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0064】
ここで、制御情報について説明する。
図7は、本実施形態に係る制御情報92Dのデータ例を示す図である。
(A)には、利用者ごとの許可出力形式が設定された制御情報92D1のデータ例が示されており、(B)には、利用者ごとのジョブ実行が記録された制御情報92D2のデータ例が示されている。
【0065】
制御情報92D1は、[利用者識別]と[出力形式]との情報項目が利用者単位で対応づけられたデータセット(以下「出力形式設定情報」という)から構成される。
【0066】
[利用者識別]項目は、利用者識別子が設定される項目である。[出力形式]項目は、ジョブデータを出力する際の許可出力形式が設定される項目であり、項目値は、出力形式として用意された電子転送又は印刷の許可/不許可を示す設定値である。
【0067】
これら制御情報92D1の項目値は、ジョブ管理部12により設定される。ジョブ管理部12は、管理者に対して設定画面(非図示)を提供する。これにより、ジョブ管理部12は、設定画面を介して受け取った値を、利用者識別子と対応づけて制御情報92D1に設定する。このように設定された情報が出力形式設定情報にあたり、利用者単位で管理される。
【0068】
また、制御情報92D2は、[利用者識別]と[ジョブ実行記録]との情報項目が利用者単位で対応づけられたデータセット(以下「ジョブ実行記録情報」という)から構成され、ジョブ管理情報91Dで管理される該当共有ジョブのジョブ情報と紐づけられている。つまり、制御情報92D2は、蓄積ジョブのうち、共有ジョブに紐づけられた情報である。
【0069】
[利用者識別]項目は、共有利用者の利用者識別子が記録される項目である。[ジョブ実行記録]項目は、共有ジョブの実行状態が記録される項目であり、項目値は、共有ジョブデータが出力されたか否かを示す記録値である。
【0070】
これら制御情報92D2の項目値は、ジョブ管理部12により記録される。ジョブ管理部12は、画像処理装置200(ジョブ制御部)から、共有利用者ごとの共有ジョブデータの出力結果を受信する。これにより、ジョブ管理部12は、受信した利用者識別子と出力結果とを、制御情報92D2に記録する。このように設定された情報がジョブ実行記録情報にあたり、利用者単位で管理される。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、制御情報92D1,92D2(以降総称する場合「制御情報92D」という)の更新(設定・記録)などがある。
【0071】
図4の説明に戻る。よって、ジョブ管理部12は、ジョブリスト管理部13から利用者に該当するジョブ情報及びジョブデータの取得が要求されると、制御情報92D1を参照し、利用者識別子に基づき、該当出力形式設定情報を特定し、特定した出力形式設定情報を、ジョブ情報及びジョブデータとともに要求元に応答する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、出力形式設定情報の取得などがある。
【0072】
また、ジョブ管理部12は、共有ジョブデータを削除するか否かを判定する共有ジョブ削除判定部121を有している。共有ジョブ削除判定部121は、所定のタイミングで、ジョブ管理情報91Dを参照し、共有ジョブのジョブ情報に含まれる削除制御設定情報に設定された削除条件に従って、削除判定を行う。なお、所定のタイミングとは、予め設定された削除判定の実行日時(スケジュール)や所定の時間間隔などである。
【0073】
共有ジョブ削除判定部121は、削除条件に「共有期間超過時削除」が設定されている場合、共有ジョブのジョブ情報に含まれる共有期間情報を参照し、現在日時が共有期間内か否かを判定し、判定結果に基づき、削除判定を行う。共有ジョブ削除判定部121は、共有期間超過と判定した場合に、共有ジョブデータを削除すると判定する。
【0074】
また、共有ジョブ削除判定部121は、削除条件に「全共有利用者出力後削除」が設定されている場合、まず、共有ジョブの共有先アドレス情報を参照し、利用者識別子に基づき、該当共有利用者を特定する。次に、共有ジョブ削除判定部121は、共有ジョブのジョブ識別子に基づき、該当制御情報92D2を特定する。これにより、共有ジョブ削除判定部121は、制御情報92D2を参照し、特定した共有利用者の該当ジョブ実行記録情報に基づき、全共有利用者が共有ジョブデータを出力したか否かを判定し、判定結果に基づき、削除判定を行う。共有ジョブ削除判定部121は、全共有利用者実行と判定した場合に、共有ジョブデータを削除すると判定する。
【0075】
ジョブ管理部12は、共有ジョブの格納先情報に基づき、該当共有ジョブデータを特定し、共有ジョブ削除判定部121の判定結果に基づき、特定した共有ジョブデータを削除する。なお、ジョブ管理部12は、共有ジョブデータとともに該当制御情報92D2も削除する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブデータや制御情報92D2の削除などがある。
【0076】
このように、本実施形態では、共有ジョブ実行後の該当共有ジョブデータをオーナー利用者(共有ジョブをジョブ管理装置に蓄積した利用者)が手動で削除するのではなく、自動削除することで、情報漏洩や情報改竄などを防止し、共有情報の機密性を確保できる。
【0077】
ジョブリスト管理部13は、要求に応じたデータ操作を行い、利用者のジョブリストを管理する機能部である。ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200(ジョブリスト要求部)からジョブリストの取得が要求されると、ジョブ管理部12に、利用者に該当するジョブ情報及びジョブデータの取得を要求し、応答データのジョブ情報に基づき、ジョブリストを生成する。このとき、ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200(ジョブリスト要求部)から受信した利用者に関する情報(以下「利用者情報」という)をジョブ管理部12渡し、ジョブ情報及びジョブデータの取得を要求する。つまり、ジョブリスト管理部13が行うデータ操作には、ジョブリストの生成などがある。
【0078】
また、ジョブリスト管理部13は、応答されたジョブデータのうち、共有ジョブデータに複製禁止処理を施す複製禁止処理部131を有している。複製禁止処理部131は、応答された共有ジョブのジョブ情報に含まれる複製禁止設定情報を参照し、設定された複製禁止設定に従って、処理を行う。なお、複製禁止処理とは、コピーガードプログラム又はデータの付加や電子透かしデータの埋め込みなどである。
【0079】
複製禁止処理部131は、複製禁止設定に「コピーガード」が設定されている場合、応答された共有ジョブデータにコピーガード用のプログラム又はデータを付加する処理を行う。
【0080】
また、複製禁止処理部131は、複製禁止設定に「透かし印刷」が設定されている場合、応答された共有ジョブデータに電子透かし用のデータを埋め込む処理を行う。なお、複製禁止処理部131は、複製禁止設定に「コピーガード」及び「透かし印刷」の両方が設定されている場合、両方の複製禁止処理を行う。つまり、ジョブリスト管理部13が行うデータ操作には、ジョブデータの加工などがある。
【0081】
ジョブリスト管理部13は、生成したジョブリスト、応答された出力形式設定情報、及びジョブデータ(複製禁止処理された共有ジョブデータを含む)を、画像処理装置200(ジョブリスト要求部)に送信し、取得要求に対して応答する。
【0082】
また、ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200(ジョブ制御部)から共有ジョブのジョブ情報の非表示が要求されると、生成したジョブリストから非表示とする共有ジョブのジョブ情報を削除する。そのため、ジョブリスト管理部13は、ジョブリストからジョブ情報を削除するジョブ情報削除部132を有している。ジョブ情報削除部132は、ジョブリストを参照し、画像処理装置200(ジョブ制御部)から受信したジョブ情報に基づき、該当ジョブ情報を特定する。これにより、ジョブ情報削除部132は、特定したジョブ情報をジョブリストから削除する。つまり、ジョブリスト管理部13が行うデータ操作には、ジョブリストの更新などがある。
【0083】
《画像処理装置》
利用者情報受付部21は、ログイン時の利用者情報を受け付ける機能部である。利用者情報受付部21では、操作パネル220を介してログイン時に入力された利用者識別子や認証情報などを受け付ける。なお、利用者情報受付部21は、外部記憶I/F214を介して接続された記録媒体読み取り装置(非図示)により、利用者が保有する記録媒体(ICカード:Integrated Circuit card)から読み取った利用者情報を受け付けてもよい。
【0084】
ジョブリスト要求部22は、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)に利用者のジョブリストを取得要求する機能部である。ジョブリスト要求部22は、利用者情報受付部21により受け付けた利用者情報(「利用者識別子」や「認証情報」)をジョブ管理装置100に送信することで、ジョブリストの取得を要求する。その結果、ジョブリスト要求部22には、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)から、利用者のジョブリスト、出力形式設定情報、及びジョブデータが送信される。
【0085】
ジョブリスト表示部23は、ジョブリストを表示する機能部である。ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト要求部22により受信されたジョブリストを操作パネル220の表示部に表示する。
【0086】
図8は、本実施形態に係るジョブリストの画面例を示す図である。
図8には、利用者"UserA"のジョブリスト画面W3が示されている。
ジョブリスト画面W3には、利用者"UserA"に該当するジョブデータ名や該当ジョブデータの共有設定などが、ジョブリスト内のジョブ情報に含まれるジョブ識別子や共有制御設定情報に基づき表示される。その他に、画像処理装置200のネットワーク設定(IPアドレス)や画像処理装置200の設置場所(仕向地)なども、機器情報に基づき表示される。
【0087】
また、ジョブリスト画面W3には、[印刷]ボタンと[電子転送]ボタンとが表示される。これらのGUI部品は、ジョブデータの出力形式に基づき用意された部品であり、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)からジョブリストとともに受信した出力形式設定情報に基づき、表示/非表示となる。具体的には、利用者に許可された出力形式に対応するGUI部品のみが表示される。
【0088】
図4の説明に戻る。よって、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト画面W3を介して、ジョブデータ名の選択イベントと、[印刷]ボタン又は[電子転送]ボタンの押下イベントとを受信することで、選択されたジョブの実行指示(ジョブデータの出力指示)を受け付ける。
【0089】
また、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内の共有ジョブのジョブ情報を表示するか否かを判定する表示可否判定部231を有している。
【0090】
表示可否判定部231は、ジョブリスト内の共有ジョブのジョブ情報に含まれる共有先IPアドレス情報を参照し、画像処理装置200のネットワーク設定の値が、共有先IPアドレスの範囲(共有ジョブの許可実行環境を示すネットワーク設定範囲)内か否かを判定し、判定結果に基づき、表示可否判定を行う。表示可否判定部231は、画像処理装置200のネットワーク設定の値が、共有先IPアドレスの設定値と一致しない場合、該当ジョブ情報を表示しない(非表示)と判定する。
【0091】
また、表示可否判定部231は、ジョブリスト内の共有ジョブのジョブ情報に含まれる共有先国情報を参照し、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の範囲(共有ジョブの許可実行環境を示すエリア設定範囲)内か否かを判定し、判定結果に基づき、表示可否判定を行う。表示可否判定部231は、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の設定値と一致しない場合、該当ジョブ情報を表示しない(非表示)と判定する。
【0092】
これにより、ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200のネットワーク設定の値が、共有先IPアドレスの設定値と一致し、かつ、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の設定値と一致した共有ジョブのジョブ情報をジョブリストとして表示する。
【0093】
このように、本実施形態では、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示が制限される。
【0094】
ジョブ制御部24は、指示されたジョブの実行を制御する機能部である。ジョブ制御部24は、ジョブリスト表示部23により受け付けた実行指示に従って、該当ジョブデータを出力する。ジョブ制御部24は、ジョブリスト内のジョブ情報を参照し、ジョブ識別子に基づき、実行指示されたジョブを特定する。その結果、ジョブ制御部24は、特定したジョブの格納先情報に基づき、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)からジョブリストとともに受信したジョブデータの中から出力するジョブデータを特定し、該当ジョブデータを出力する。
【0095】
また、ジョブ制御部24は、ジョブデータの出力形式を判定する出力形式判定部241を有している。出力形式判定部241は、押下イベントに基づき、出力形式を判定する。出力形式判定部241は、押下イベントから利用者が指定した出力形式を特定することで、出力形式判定を行う。
【0096】
これにより、ジョブ制御部24は、出力形式判定部241による判定結果に基づく出力形式で該当ジョブデータを出力する。ジョブ制御部24は、出力形式「印刷」の場合、特定したジョブのジョブ情報を参照し、ジョブ属性情報に基づき、プロッタ230に動作設定を行い、該当ジョブデータを渡し、印刷の実行を指示する。ジョブ制御部24は、出力形式「電子転送」の場合、ネットワークI/F213に情報端末300のネットワーク設定などの転送先設定を行い、該当ジョブデータを渡し、電子転送の実行を指示する。また、ジョブ制御部24は、共有ジョブデータの出力形式「電子転送」の場合、特定した共有ジョブのジョブ情報を参照し、共有先アドレス情報に基づき、ネットワークI/F213に転送先設定を行い、該当ジョブデータを渡し、電子転送の実行を指示する。なお、ジョブ制御部24は、電子転送がメール送信の場合、利用者のメールアドレスが指定された、該当ジョブデータを含むメールデータを、ネットワークI/F213を介して送信する。
【0097】
また、ジョブ制御部24は、実行が指示されたジョブが共有ジョブであった場合、共有ジョブデータの出力結果(共有ジョブの実行結果)を、ジョブ管理装置100(ジョブ管理部)に通知する。ジョブ制御部24は、実行を指示した利用者の利用者識別子や実行された共有ジョブのジョブ識別子などをジョブ管理装置100(ジョブ管理部)に送信し、出力結果を通知する。
【0098】
このように、本実施形態では、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータが出力される。
【0099】
また、ジョブ制御部24は、出力された共有ジョブのジョブ情報の非表示を要求する非表示要求部242を有している。非表示要求部242は、特定したジョブのジョブ情報を参照し、表示制御設定情報に設定された表示条件に従って、非表示要求を行う。
【0100】
図9は、本実施形態に係るジョブ出力後の表示制御画面例を示す図である。
非表示要求部242は、表示条件に「利用者選択」が設定されている場合、利用者に対して、例えば、図9に示すような表示制御画面W4を提供する。これにより、非表示要求部242は、出力された共有ジョブのジョブ情報をジョブリストに表示するか否かの指示を受け付ける。非表示要求部242は、ジョブ情報をジョブリストに表示しない指示を受け付けると、受け付けた指示に従って、該当ジョブ情報をジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)に送信し、ジョブ情報の非表示を要求する。
【0101】
図4の説明に戻る。また、非表示要求部242は、表示条件に「自動非表示」が設定されている場合、共有ジョブの出力終了が確認されると、該当ジョブ情報をジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)に送信し、ジョブ情報の非表示を要求する。その結果、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)では、利用者のジョブリストから該当ジョブ情報が削除される。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る出力制御機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、システム1を構成する各機器に搭載(インストール)されるプログラム(出力制御機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0103】
本実施形態に係る出力制御機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0104】
《出力制御の主な処理》
図10は、本実施形態に係る出力制御の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理手順は、すでにジョブ管理装置100に共有ジョブが蓄積されており、共有利用者が画像処理装置200から共有ジョブを出力する場面を想定している。また、以下の説明では、便宜上、共有ジョブを共有文書と表現し、共有ジョブデータを共有文書データを表現するものとする。
【0105】
図10に示すように、画像処理装置200は、利用者情報受付部21により、操作パネル220を介して入力された利用者情報を受け付ける(ステップS101)。このとき、利用者情報受付部21は、利用者識別子や認証情報などを利用者情報として受け付ける。
【0106】
画像処理装置200は、利用者情報を受け付けると、ジョブリスト要求部22により、ジョブ管理装置100に利用者のジョブリスト要求を送信する(ステップS102)。このとき、ジョブリスト要求部22は、利用者情報受付部21が受け付けた利用者識別子をジョブ管理装置100に送信し、ジョブリスト要求を行う。
【0107】
その結果、ジョブ管理装置100は、ジョブリスト要求を受信すると(ステップS201)、ジョブリスト管理部13により、ジョブ管理部12から取得した利用者のジョブ情報に基づき、ジョブリストを生成し(ステップS202)、生成したジョブリストを要求元の画像処理装置200に送信する(ステップS203)。このとき、ジョブリスト管理部13は、利用者のジョブリストの他に、ジョブ情報とともにジョブ管理部12から取得した利用者のジョブデータや出力形式設定情報なども、要求元の画像処理装置200に送信する。
【0108】
画像処理装置200は、ジョブリストを受信すると(ステップS103)、ジョブリスト表示部23により、受信データに基づき、ジョブリスト画面W3を操作パネル220に表示する(ステップS104)。
【0109】
次に画像処理装置200は、ジョブリスト表示部23により、ジョブリスト画面W3上で、利用者が実行ジョブを選択したか否かを判定する(ステップS105)。このとき、ジョブリスト表示部23は、操作パネル220からの選択イベントに基づき、利用者が指定したジョブを特定することで、上記判定処理を行う。
【0110】
画像処理装置200は、利用者により実行ジョブが選択されたと判定された場合(ステップS105:YES)、ジョブ制御部24により、利用者がジョブ実行を指示した際の出力形式[印刷/電子転送]を判定する(ステップS106)。このとき、ジョブ制御部24は、出力形式判定部241により、操作パネル220からの押下イベントに基づき、利用者が指定した出力形式を特定することで、上記判定処理を行う。また、ジョブ制御部24は、ジョブリスト内のジョブ情報を参照し、ジョブリスト表示部23からジョブ選択時に受け取ったジョブ識別子に基づき、選択されたジョブを特定し、特定したジョブの格納先情報に基づき、出力対象である該当ジョブデータを特定する。
【0111】
画像処理装置200は、出力形式「印刷」と判定された場合(ステップS106:印刷)、ジョブ制御部24により、プロッタ230に該当ジョブデータを渡すことで、印刷する(ステップS107)。このとき、ジョブ制御部24は、特定したジョブのジョブ情報を参照し、ジョブ属性情報に基づき、プロッタ230に動作設定を行い、該当ジョブデータを渡し、印刷の実行を指示することで、上記出力処理を行う。
【0112】
また、画像処理装置200は、出力形式「電子転送」と判定された場合(ステップS106:電子転送)、ジョブ制御部24により、ネットワークI/F213に該当ジョブデータを渡すことで、電子転送する(ステップS108)。このとき、ジョブ制御部24は、特定したジョブのジョブ情報を参照し、共有先アドレス情報に基づき、ネットワークI/F213に転送先設定(情報端末のネットワーク設定)を行い、該当ジョブデータを渡し、電子転送の実行を指示することで、上記出力処理を行う。
【0113】
これにより、利用者は、蓄積ジョブを、ジョブ実行時に指定した印刷物又は電子データとして受け取ることができる。
【0114】
次に、画像処理装置200は、ジョブ制御部24により、出力ジョブ(実行が指示されたジョブ)が共有文書(共有ジョブ)か否かを判定する(ステップS109)。このとき、ジョブ制御部24は、出力ジョブのジョブ情報を参照し、共有制御設定情報(ジョブ共有[YES]/[NO])に基づき、上記判定処理を行う。
【0115】
画像処理装置200は、出力ジョブが共有文書と判定された場合(ステップS109:YES)、ジョブ制御部24により、ジョブ管理装置100に共有文書の出力結果(共有ジョブの実行結果)を通知する(ステップS110)。このとき、ジョブ制御部24は、共有文書を出力した利用者の利用者識別子や出力された共有文書のジョブ識別子などをジョブ管理装置100に送信することで、上記通知処理を行う。
【0116】
その結果、ジョブ管理装置100は、共有文書の出力結果通知を受信すると(ステップS301)、ジョブ管理部12により、制御情報保持部92にアクセスし、受信データに基づき、制御情報92D2の該当ジョブ実行記録情報を更新する(ステップS302)。このとき、ジョブ管理部12は、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブ管理情報91Dを参照し、画像処理装置200から受信したジョブ識別子に基づき、共有文書の該当ジョブ情報を特定する。ジョブ管理部12は、制御情報保持部92にアクセスし、特定したジョブ情報に紐づけられた制御情報92D2を参照し、画像処理装置200から受信した利用者識別子に基づき、利用者に対応する該当ジョブ実行記録情報([出力済み]/[未出力])を特定する。ジョブ管理部12は、特定したジョブ実行記録情報を更新する。
【0117】
次に、画像処理装置200は、ジョブ制御部24により、出力後の共有文書のジョブ情報をジョブリスト内に表示するか否か(出力後の共有文書のジョブ情報の表示/非表示)を判定する(ステップS111)。このとき、ジョブ制御部24は、ジョブリストに含まれる出力後の共有文書のジョブ情報を参照し、表示制御設定情報([利用者選択]/[自動非表示])に基づき、上記判定処理を行う。
【0118】
画像処理装置200は、表示制御設定情報に表示条件が設定されており、出力後の共有文書のジョブ情報を非表示とすると判定された場合(ステップS111:YES)、ジョブ制御部24により、ジョブ管理装置100に該当ジョブ情報の非表示要求を送信する(ステップS112)。このとき、ジョブ制御部24は、非表示要求部242により、表示制御設定情報に設定された表示条件に従って、出力後の共有文書のジョブ情報をジョブ管理装置100に送信し、非表示要求を行う。
【0119】
その結果、ジョブ管理装置100は、非表示要求を受信すると(ステップS401)、ジョブリスト管理部13により、受信データに基づき、利用者のジョブリストから、出力後の共有文書のジョブ情報を削除する(ステップS402)。このとき、ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200から受信したジョブ情報を、ステップS202で生成したジョブリストから削除する。なお、ジョブリスト管理部13は、削除したジョブ情報に紐付くジョブデータ(出力後の共有文書データ)も削除する。
【0120】
なお、画像処理装置200では、出力ジョブが共有文書でないと判定された場合(ステップS109:NO)、ステップS111,S112の処理をスキップし、出力制御処理を終了する。また、画像処理装置200では、表示制御設定情報に表示条件が設定されておらず、出力後の共有文書のジョブ情報を表示すると判定された場合(ステップS111:NO)、ステップS112の処理をスキップし、出力制御処理を終了する。
【0121】
《ジョブリストの表示処理》
図11は、本実施形態に係るジョブリスト表示の処理手順例を示すフローチャートである。図11には、画像処理装置200で実行されるステップS101−S104の処理、及び、その間、ジョブ管理装置100で実行されるステップS201−S203の処理の詳細が示されている。
【0122】
図11に示すように、画像処理装置200は、利用者情報受付部21により、操作パネル220を介して入力された利用者情報を受け付け(ステップS501)、ジョブリスト要求部22により、ジョブ管理装置100に利用者識別子を送信する(ステップS502)。これにより、画像処理装置200からジョブ管理装置100に対して、利用者のジョブリスト要求が行われる。
【0123】
その結果、ジョブ管理装置100は、利用者識別子を受信すると(ステップS601)、ジョブリスト管理部13により、次のようなジョブリスト要求への応答処理が行われる。
【0124】
ジョブリスト管理部13は、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブ管理情報91Dを参照し(ステップS602)、受信した利用者識別子に基づき、ジョブ管理情報91Dから利用者に該当するジョブ情報を抽出する(ステップS603)。
【0125】
ジョブリスト管理部13は、利用者のジョブ情報に基づき、抽出ジョブが共有文書(共有ジョブ)か否かを判定する(ステップS604)。
【0126】
ジョブリスト管理部13は、抽出ジョブが共有文書と判定した場合(ステップS604:YES)、共有文書を複製禁止とするか否かを判定する(ステップS605)。このとき、ジョブリスト管理部13は、共有文書のジョブ情報を参照し、複製禁止設定情報([コピーガード]と[透かし印刷]との組み合わせ設定)に基づき、上記判定処理を行う。
【0127】
ジョブリスト管理部13は、複製禁止設定情報に複製禁止処理が設定されており、共有文書を複製禁止とすると判定された場合(ステップS605:YES)、複製禁止処理部131により、共有文書データ(共有ジョブデータ)に対して複製禁止処理を行う(ステップS606)。このとき、複製禁止処理部131は、複製禁止設定情報に「コピーガード」が設定されている場合、共有文書データにコピーガード用のプログラム又はデータを付加する処理を行い、複製禁止設定情報に「透かし印刷」が設定されている場合、共有文書データに電子透かし用のデータを埋め込む処理を行う。
【0128】
なお、ジョブリスト管理部13は、抽出ジョブが共有文書でないと判定した場合(ステップS604:NO)、ステップS605,S606の処理をスキップする。また、ジョブリスト管理部13は、複製禁止設定情報に複製禁止処理が設定されておらず、共有文書を複製禁止としないと判定された場合(ステップS605:NO)、ステップS606の処理をスキップする。
【0129】
次に、ジョブリスト管理部13は、抽出したジョブ情報を含むジョブリストを生成する(ステップS607)。
【0130】
次に、ジョブリスト管理部13は、制御情報保持部92にアクセスし、利用者ごとの許可出力形式が設定された制御情報92D1を参照し(ステップS608)、受信した利用者識別子に基づき、制御情報92D1から利用者に該当する出力形式設定情報([印刷]と[電子転送]との組み合わせ設定)を取得する(ステップS609)。
【0131】
ジョブリスト管理部13は、これらのデータ(利用者のジョブリスト,ジョブデータ,出力形式設定情報)を要求元への応答データとし、画像処理装置200に送信する(ステップS610)。
【0132】
画像処理装置200は、ジョブ管理装置100から応答データを受信すると(ステップS503)、ジョブリスト表示部23により、次のようなジョブリスト表示処理が行われる。
【0133】
ジョブリスト表示部23は、受信したジョブリストに基づき、ジョブリスト内のジョブが共有文書か否かを判定する(ステップS504)。このとき、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内のジョブ情報を参照し、共有制御設定情報(ジョブ共有[YES]/[NO])に基づき、上記判定処理を行う。
【0134】
ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内のジョブが共有文書と判定された場合(ステップS504:YES)、表示可否判定部231により、画像処理装置200(ジョブ実行環境)のIPアドレスが、共有文書の許可実行環境を示すネットワーク設定範囲内のアドレスか否かを判定する(ステップS505)。このとき、表示可否判定部231は、共有文書のジョブ情報を参照し、共有先IPアドレス情報に基づき、画像処理装置200のIPアドレスの値が、共有先IPアドレスの設定値と一致するか否かを判定する。
【0135】
ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200のIPアドレスの値が、設定範囲内のアドレスであると判定された場合(ステップS505:YES)、表示可否判定部231により、画像処理装置200の設置場所が、共有文書の許可実行環境を示すエリア設定範囲内か否かを判定する(ステップS506)。このとき、表示可否判定部231は、共有文書のジョブ情報を参照し、共有先国情報に基づき、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の設定値と一致するか否かを判定する。
【0136】
ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200の設置場所の値が、設定範囲内の国であると判定された場合(ステップS506:YES)、共有文書のジョブ情報を、操作パネル220にジョブリスト表示する(ステップS507)。
【0137】
なお、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内のジョブが共有文書でないと判定された場合(ステップS504:NO)、ステップS505,S506の処理をスキップする。また、ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200のIPアドレスの値が、設定範囲外のアドレスであると判定された場合(ステップS505:NO)、ステップS506,S507の処理をスキップする。また、ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200の設置場所の値が、設定範囲外の国であると判定された場合(ステップS506:NO)、ステップS507の処理をスキップする。よって、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内の非共有文書のジョブ情報をジョブリスト表示する。一方、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内の共有文書のうち、上記判定条件を満たす共有文書のジョブ情報のみをジョブリスト表示する。
【0138】
これにより、利用者は、画像処理装置200において、ジョブ共有時に設定された許可条件を満たす共有ジョブしか選択できない。
【0139】
次に、ジョブリスト表示部23は、受信した出力形式設定情報([印刷]と[電子転送]との組み合わせ設定)に基づき、利用者に許可された出力形式を判定する(ステップS508)。このとき、ジョブリスト表示部23は、出力形式設定情報に「印刷」のみ設定されている場合、印刷のみが許可出力形式と判定する。また、ジョブリスト表示部23は、出力形式設定情報に「電子転送」のみ設定されている場合、電子転送のみが許可出力形式と判定する。また、ジョブリスト表示部23は、出力形式設定情報に「印刷」及び「電子転送」の両方が設定されている場合、印刷及び電子転送が許可出力形式と判定する。
【0140】
ジョブリスト表示部23は、印刷のみが許可出力形式と判定した場合(ステップS508:印刷)、ジョブリストから選択されたジョブの実行を指示する[印刷]ボタンをジョブリスト画面W3に表示する(ステップS509)。
【0141】
また、ジョブリスト表示部23は、印刷のみが許可出力形式と判定した場合(ステップS508:印刷・電子転送)、ジョブリストから選択されたジョブの実行を指示する[印刷]ボタンと[電子転送]ボタンとをジョブリスト画面W3に表示する(ステップS509)。
【0142】
ジョブリスト表示部23は、印刷のみが許可出力形式と判定した場合(ステップS508:電子転送)、ジョブリストから選択されたジョブの実行を指示する[電子転送]ボタンをジョブリスト画面W3に表示する(ステップS509)。
【0143】
《出力後の共有ジョブの削除処理》
図12は、本実施形態に係る共有ジョブ削除の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理手順は、ジョブ管理装置100において、所定のタイミングに従って実行される場面を想定している。
【0144】
図12に示すように、ジョブ管理装置100は、ジョブ管理部12により、次のような共有ジョブの削除処理が行われる。
【0145】
ジョブ管理部12は、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブ管理情報91Dを参照し(ステップS701)、ジョブ情報に含まれる共有制御設定情報(ジョブ共有[YES]/[NO])に基づき、ジョブ管理情報91Dから共有文書(共有ジョブ)に該当するジョブ情報を抽出する(ステップS702)。
【0146】
ジョブ管理部12は、共有文書のジョブ情報に削除条件が設定されているか否かを判定する(ステップS703)。このとき、ジョブ管理部12は、共有文書のジョブ情報を参照し、削除制御設定情報([共有期間超過時削除]と[全共有利用者出力後削除]との組み合わせ設定)に基づき、上記判定処理を行う。
【0147】
ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に削除条件が設定されていると判定された場合(ステップS703:YES)、削除制御設定情報に基づき、共有文書に設定された削除条件を判定する(ステップS704)。このとき、ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に「共有期間超過時削除」のみ設定されている場合、共有期間の超過判定結果のみが削除条件と判定する。また、ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に「全共有利用者出力後削除」のみ設定されている場合、共有利用者の出力判定結果のみが削除条件と判定する。また、ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に「共有期間超過時削除」及び「全共有利用者出力後削除」の両方が設定されている場合、共有期間の超過判定結果又は共有利用者の出力判定結果が削除条件と判定する。
【0148】
ジョブ管理部12は、共有期間の超過判定結果のみが削除条件と判定された場合(ステップS704:期間)、共有ジョブ削除判定部121により、現在日時が共有期間内か否かを判定する(ステップS705)。このとき、共有ジョブ削除判定部121は、共有文書のジョブ情報に含まれる共有期間情報に基づき、現在日時が共有の有効期限日時内か否かを判定する。
【0149】
また、ジョブ管理部12は、共有期間の超過判定結果又は共有利用者の出力判定結果が削除条件と判定された場合(ステップS704:期間・出力利用者)、共有ジョブ削除判定部121により、現在日時が共有期間内か否かを判定し(ステップS705)、共有文書の全共有利用者が出力(共有ジョブ実行)したか否かを判定する(ステップS706)。このとき、共有ジョブ削除判定部121は、現在日時が共有期間内と判定された場合(ステップS705:YES)、ステップS706の処理を行う。一方、共有ジョブ削除判定部121は、現在日時が共有期間外と判定された場合(ステップS705:NO)、ステップS706の処理をスキップする。
【0150】
また、ジョブ管理部12は、共有利用者の出力判定結果のみが削除条件と判定された場合(ステップS704:出力利用者)、共有ジョブ削除判定部121により、共有文書の全共有利用者が出力したか否かを判定する(ステップS708)。このとき、共有ジョブ削除判定部121は、共有文書のジョブ情報に含まれる共有先アドレス情報に基づき、共有文書の共有利用者を特定する。次に、共有ジョブ削除判定部121は、共有文書のジョブ情報に含まれるジョブ識別子に基づき、共有文書に紐付く制御情報92D2を特定する。これにより、共有ジョブ削除判定部121は、制御情報92D2を参照し、特定した共有利用者の該当ジョブ実行記録情報に基づき、全共有利用者が共有文書データ(共有ジョブデータ)を出力したか否かを判定する。この処理は、ステップS706でも同様である。
【0151】
その結果、ジョブ管理部12は、ステップS705,S706において、現在日時が共有期間外と判定された場合(ステップS705,S706:NO)、ジョブ管理情報91Dから該当共有文書のジョブ情報を削除する(ステップS709)。
【0152】
また、ジョブ管理部12は、ステップS707,S708において、共有文書の全共有利用者が出力したと判定された場合(ステップS707,S708:YES)、ステップS709の処理を行う。
【0153】
なお、ジョブ管理部12は、ステップS705において、現在日時が共有期間内と判定された場合(ステップS705:NO)、又は、ステップS707,S708において、共有文書の全共有利用者が出力していないと判定された場合(ステップS707,S708:NO)、ステップS709の処理をスキップする。
【0154】
ジョブ管理部12は、上記ステップS703−S709の処理を、ジョブ管理情報91D内の全共有文書に対して行ったか否かを判定し(ステップS710)、全共有文書を処理したと判定された場合(ステップS710:YES)、処理を終了する。一方、ジョブ管理部12は、全共有文書を処理していないと判定された場合(ステップS710:NO)、上記ステップS703−S709の処理を繰り返す。
【0155】
<変形例>
上記実施形態では、画像処理装置200が、利用者情報受付部21、ジョブリスト要求部22、ジョブリスト表示部23、及びジョブ制御部24などを有し、ジョブ管理装置100が、ジョブ受信部11、ジョブ管理部12、及びジョブリスト管理部13などを有し、これらの機能部が連携動作する機能構成例を示したが、この限りでない。
【0156】
例えば、図13に示すような機能構成であってもよい。
図13は、本変形例に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
図13には、画像処理装置200bが、画像処理装置200の上記機能部の他に、ジョブ管理装置100の上記機能部を有する機能構成例が示されている。つまり、画像処理装置200bでは、ジョブ管理装置100の上記機能部が組み込まれており、図10,11,12に示したジョブ管理装置100の処理が実行され、蓄積ジョブの管理やジョブリストの管理など機能が実現される。
【0157】
本変形例では、上記機能構成により、出力制御システム1における複数の画像処理装置200a,200bの中で、画像処理装置200bが、他の画像処理装置200aに対して、組み込まれた機能部により、ジョブ管理機能を提供できる。
【0158】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置200によれば、ジョブリスト要求部22により、複数の利用者による共有が設定された共有ジョブを含む蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリスト及び該ジョブリストに含まれるジョブのジョブデータを取得する。画像処理装置200は、ジョブリスト表示部23により、取得したジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示する。画像処理装置200は、ジョブ制御部24により、表示したジョブリストから実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力(印刷/電子転送)する。
【0159】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置200では、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示が制限され、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータが出力される。
【0160】
このように、本実施形態に係る画像処理装置200では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が行える。
【0161】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「出力制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、システム1を構成する各機器(「ジョブ管理装置」や「画像処理装置」など)が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0162】
上記プログラムは、例えば、ジョブ管理装置100の場合、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。これにより、上記プログラムは、ドライブ装置103を介して、ジョブ管理装置100にインストールすることができる。画像処理装置200の場合には、記録媒体214aに格納することができる。これにより、上記プログラムは、外部記憶I/F214を介して、画像処理装置200にインストールすることができる。
【0163】
また、ジョブ管理装置100及び画像処理装置200は、インタフェース装置107やネットワークI/F213を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0164】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0165】
1 出力制御システム
11 ジョブ受信部
12 ジョブ管理部
121 共有ジョブ削除判定部
13 ジョブリスト管理部
131 複製防止処理部
132 ジョブ情報削除部
21 利用者情報受付部
22 ジョブリスト要求部
23 ジョブリスト表示部
231 表示ジョブ判定部
24 ジョブ制御部
241 出力形式判定部
242 非表示要求部
91 ジョブ管理情報保持部(D:ジョブ管理情報)
92 共有制御情報保持部(D:共有制御情報)
200 画像処理装置
210 コントローラ(制御基板)
211 CPU(演算装置)
212 記憶装置(ROM,RAM,HDD)
213 ネットワークI/F
214 外部記憶I/F(a:記録媒体)
220 操作パネル
230 プロッタ
240 スキャナ
100 ジョブ管理装置(プリントサーバ)
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置(a:記録媒体)
104 RAM(揮発性の半導体メモリ)
105 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
106 CPU(演算装置)
107 インタフェース装置
108 HDD(不揮発性の記憶装置)
B バス
N データ伝送路(ネットワーク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0166】
【特許文献1】特開2005−152726号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有ジョブを出力制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリントサーバなどに蓄積され一元管理された印刷ジョブを複数の利用者で共有する仕組みが知られている。例えば、特許文献1には、プリンタドライバで共有設定を行い、共有設定された印刷ジョブをプリントサーバに蓄積することで、複数の利用者が該当ジョブを共有するシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の方法では、共有ジョブの出力制御について考慮されていない。ここでいう出力制御とは、「共有ジョブのデータ管理」や「共有ジョブの実行制御」などである。
【0004】
例えば、共有ジョブのデータ管理方法には、従来のように共有利用者に対して設定された共有ジョブ全てをジョブリストに表示するのではなく、共有利用者のジョブ実行環境(例えば「画像処理装置の設置エリア」など)に応じて、共有ジョブをジョブリストに表示する/表示しない(非表示)などの方法が望まれる。これは、ジョブ共有を行った場合であっても共有情報に対して高い機密性を実現する(共有ジョブによるセキュリティ問題を解決する)上で有効な方法だからである。
【0005】
また、共有ジョブの実行方法には、従来のような紙出力(印刷)ではなく、メール送信による電子転送などの方法が望まれる。なぜなら、携帯性に優れた情報端末の普及により多様化した利用者環境への柔軟な情報提供や企業活動の一環として行われるTCO(Total Cost of Ownership)削減などを実現する上で有効な方法だからである。
【0006】
このように、従来の方法では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が実現されていない。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、共有ジョブの出力制御が行える画像処理装置、出力制御システム、出力制御方法、及び出力制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置であって、前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段と、を有し、前記ジョブリスト表示手段が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、前記ジョブ制御手段が、前記ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする。
【0009】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力する。
【0010】
これによって、本発明に係る画像処理装置では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が行える。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る出力制御方法は、蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置における出力制御方法であって、前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示装置に表示するジョブリスト表示手順と、前記表示装置を介して、前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手順と、を有し、前記ジョブリスト表示手順が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、前記ジョブ制御手順が、前記ジョブリスト表示手順により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする。
【0012】
このような手順によって、本発明に係る出力制御方法は、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力するという動作を実現する。
【0013】
これによって、本発明に係る出力制御方法では、共有ジョブの出力制御可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力することで、共有ジョブの出力制御が行える画像処理装置、出力制御システム、出力制御方法、及び出力制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る出力制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るジョブ管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るジョブの共有設定画面例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るジョブ管理情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るジョブリストの画面例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るジョブ出力後の表示制御画面例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る出力制御の処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るジョブリスト表示の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る共有ジョブ削除の処理手順例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の変形例に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る出力制御システム1の構成例を示す図である。
図1には、複数の情報端末3001〜300n(以降総称する場合「情報端末300」という)、複数の画像処理装置2001〜200n(以降総称する場合「画像処理装置200」という)、及びジョブ管理装置100とが、ネットワークなどのデータ伝送路N(例えば「LAN:Local Area Network」)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0018】
情報端末300は、ジョブ送信機能を有する機器である。情報端末300は、例えば、PC(Personal Computer)や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)などであり、プリンタドライバやWebブラウザといったアプリケーションを介して、各種実行設定を行ったジョブデータをジョブ管理装置100に送信する。
【0019】
画像処理装置200は、画像処理機能を有する機器である。画像処理装置200は、例えば、LP(Laser Printer)やMFP(Multifunction Peripheral)などであり、MFPなどの場合、搭載する画像処理機能には、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリント機能などがある。
【0020】
ジョブ管理装置100は、ジョブ管理機能を有する機器である。ジョブ管理装置100は、例えば、PCなどであり、情報端末300からの受信データを所定の記憶領域に格納・蓄積し、ジョブ管理情報に基づき、ジョブデータを管理し、利用者のジョブリストやジョブデータを画像処理装置200に送信する。なお、ジョブ管理装置100は、受信データが印刷データの場合、プリントサーバにあたる。
【0021】
出力制御システム1は、次のようなサービスを提供する。例えば、利用者は、共有利用者(情報共有したい他の利用者)を設定したジョブデータを情報端末300から送信し、ジョブ管理装置100に共有ジョブデータを蓄積する。これにより、共有利用者は、画像処理装置200で、利用者情報(例えば「利用者ID」など)を入力することで、共有ジョブを含む利用者のジョブリストを取得できる。その結果、共有利用者は、ジョブリストから実行したい共有ジョブを選択することで、選択した共有ジョブデータが出力される。
【0022】
以上のように、本実施形態に係る出力制御システム1は、上記システム構成により、共有ジョブの出力制御サービスを提供することができる。
【0023】
<ハードウェア構成>
《ジョブ管理装置》
図2は、本実施形態に係るジョブ管理装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、情報端末300については、ジョブ管理装置100と同様の情報処理装置であることから、その説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、ジョブ管理装置100は、入力装置101、表示装置102、ドライブ装置103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、インタフェース装置107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0025】
入力装置101は、キーボードやマウスなどを含み、ジョブ管理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、ジョブ管理装置100による処理結果を表示する。
【0026】
インタフェース装置107は、ジョブ管理装置100をネットワークNに接続するインタフェースである。これにより、ジョブ管理装置100は、インタフェース装置107を介して、情報端末300や画像処理装置200とデータ通信を行うことができる。
【0027】
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、装置全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(商標又は登録商標)」や「UNIX(商標又は登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))、及びシステム上において各種機能(例えば「出力制御機能」)を提供するアプリケーションなどがある。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。なお、情報端末300からの受信データ(ジョブデータ)は、HDD108の所定の記憶領域に格納・蓄積され、DBにより管理される。
【0028】
ドライブ装置103は、着脱可能な記録媒体103aとのインタフェースである。これにより、ジョブ管理装置100は、ドライブ装置103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、例えば、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0029】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、ジョブ管理装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、情報処理システム設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記記憶装置(「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM(メモリ)上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する演算装置である。
【0030】
以上のように、本実施形態に係るジョブ管理装置100は、上記ハードウェア構成により、ジョブ管理サービスを提供することができる。
【0031】
《画像処理装置》
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置200のハードウェア構成例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、画像処理装置200は、コントローラ210、操作パネル220、プロッタ230、及びスキャナ240などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0033】
操作パネル220は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報を利用者に提供したり、動作設定や動作指示などの各種利用者操作を受け付けたりする。なお、ジョブ管理装置100から取得したジョブリストは、操作パネル220の表示部に表示され、所定のGUI(Graphical User Interface)などの入力部により、利用者からのジョブ実行指示を受け付ける。
【0034】
プロッタ230は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ240は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0035】
コントローラ210は、CPU211、記憶装置212、ネットワークI/F213、及び外部記憶I/F214などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0036】
CPU211は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置212は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM、不揮発性のメモリであるROM、及び大容量の記憶領域を備えたHDDなどがある。RAMは、CPU211のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置200では、CPU211がROMに格納されたプログラムをRAM(メモリ)上に読み出し、プログラムを実行する。
【0037】
ネットワークI/F213は、画像処理装置200をネットワークなどの所定のデータ伝送路Nに接続するためのインタフェースである。外部記憶I/F214は、外部記憶装置にあたる記録媒体214aを接続するためのインタフェースである。記録媒体214aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置200は、外部記憶I/F214を介して、記録媒体214aに格納されたプログラムやデータを読み取る。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置200では、上記ハードウェア構成により、画像処理サービスを提供することができる。
【0039】
<出力制御機能>
本実施形態に係る出力制御機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置200では、複数の利用者による共有が設定された共有ジョブを含む蓄積ジョブのジョブに関する情報に基づき生成されたジョブリスト及び該ジョブリストに含まれるジョブのジョブデータを取得する。画像処理装置200は、取得したジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示する。画像処理装置200は、表示したジョブリストから実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力(印刷/電子転送)する。本実施形態に係る画像処理装置200は、このような出力制御機能を有している。
【0040】
従来の方法では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が実現されていない。
【0041】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置200では、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示を制限し、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータを出力する仕組みとした。
【0042】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置200では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が行える。
【0043】
以下に、本実施形態に係る出力制御機能の構成とその動作について説明する。
図4は、本実施形態に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係る出力制御機能は、利用者情報受付部21、ジョブリスト要求部22、ジョブリスト表示部23、及びジョブ制御部24などを有している。これらは、画像処理装置200が有する機能である。一方、ジョブ管理装置100は、ジョブ受信部11、ジョブ管理部12、及びジョブリスト管理部13などを有し、出力制御機能は、ジョブ管理装置100が有するこれらの機能部と連携動作する。
【0044】
《ジョブ管理装置》
ジョブ受信部11は、情報端末300から送信されたジョブデータを受信する機能部である。
【0045】
ここで、ジョブ受信部11が受信するジョブデータの共有設定方法について説明する。
図5は、本実施形態に係るジョブの共有設定画面例を示す図である。
(A)には、プリンタドライバによる共有設定画面W1が示されており、(B)には、Webブラウザによる共有設定画面W2が示されている。
【0046】
共有設定画面W1,W2(以降総称する場合「共有設定画面W」という)では、次のような項目を設定できる。
【0047】
まず、文書(ジョブデータ)を共有するか否かを制御する項目(以下「共有制御項目」という)が設定できる。共有制御項目が設定された場合には、以下の詳細項目が設定できる。
【0048】
詳細項目には、共有利用者や共有利用者の属性(例えば「所属」)を利用者IDやメールアドレスで入力指定可能な共有先アドレス、共有ジョブの許可実行環境(画像処理装置)をIPアドレス(Internet Protocol address)で入力指定可能な共有先IPアドレス、共有ジョブの許可実行エリア(仕向地)を国名で入力指定可能な共有先国、共有ジョブの有効期限を日時で入力指定可能な共有期間などがある。
【0049】
また、共有制御項目が設定された場合に、共有文書(共有ジョブデータ)を自動削除するか否かを制御する項目(以下「削除制御項目」という)が設定できる。削除制御項目が設定された場合に、「全共有利用者がジョブ実行したら削除する」や「共有期間が過ぎたら削除」で選択指定可能な削除条件などの詳細項目が設定できる。
【0050】
また、共有制御項目が設定された場合に、共有文書をジョブリストに表示するか否かを制御する項目(以下「表示制御項目」という)が設定できる。表示制御項目が設定された場合に、「利用者選択に従って非表示」や「利用者がジョブ実行したら非表示」で選択指定可能な表示条件などの詳細項目が設定できる。
【0051】
また、共有制御項目が設定された場合に、共有文書を複製禁止とするか否かを制御する項目(以下「複製防止制御項目」という)が設定できる。複製禁止制御項目が設定された場合に、「電子文書の複製禁止」や「印刷文書の複製禁止」で選択指定可能な複製禁止処理などの詳細項目が設定できる。
【0052】
このように、ジョブデータの各種共有設定は、情報端末300が有する所定のアプリケーションを介して設定できる。例えば、プリンタドライバの場合には、上記共有設定の設定値がPJLデータ(Printer Job Language data)としてPDLデータ(Page Description Language data)に付加され、ジョブデータとしてジョブ管理装置100に送信される。また、Webブラウザの場合には、上記共有設定の設定値がHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストメッセージのパラメータとしてジョブ管理装置100に送信される。
【0053】
図4の説明に戻る。よって、ジョブ受信部11は、情報端末300からの受信データ(例えば「PJLデータ」や「リクエストメッセージのパラメータ」など)を解析し、ジョブデータの他に、ジョブに関する情報(以下「ジョブ関連情報」という)や共有設定の設定値(以下「共有設定情報」という)などを取得する。
【0054】
ジョブ管理部12は、要求に応じたデータ操作を行い、ジョブを管理する機能部である。例えば、ジョブ管理部12は、ジョブ受信部11からジョブデータの蓄積が要求されると、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブデータを格納する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブデータの格納などがある。これにより、情報端末300から要求されたジョブが、ジョブ管理装置100に蓄積(蓄積ジョブ)される。
【0055】
また、ジョブ管理部12は、ジョブ管理情報保持部91が保持するジョブ管理情報に基づき、格納したジョブデータを管理する。なお、ジョブ管理情報保持部91は、例えば、ジョブ管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0056】
ここで、ジョブ管理情報について説明する。
図6は、本実施形態に係るジョブ管理情報91Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、ジョブ管理情報91Dは、[ジョブ]と[共有]との情報項目がジョブ単位で対応づけられたデータセット(以下「ジョブ情報」という)から構成される。
【0057】
[ジョブ]項目は、ジョブ関連情報の項目である。詳細項目には、[ジョブ識別]、[利用者識別]、[ジョブ属性]、[格納先]などがあり、項目値には、ジョブ受信部11により取得されたジョブ関連情報の値が格納される。
【0058】
[ジョブ識別]項目は、ジョブを識別する情報(以下「ジョブ識別子」という)の項目であり、項目値には、ジョブデータ名やジョブデータIDなどがある。[利用者識別]項目は、利用者を識別する情報(以下「利用者識別子」という)の項目であり、項目値には、利用者名や利用者IDなどがある。[ジョブ属性]項目は、ジョブの属性を示す情報(以下「ジョブ属性情報」という)の項目であり、項目値には、コピー部数指定、カラー/モノクロ指定、両面指定、集約指定などがある。[格納先]項目は、ジョブデータの格納先を示す情報(以下「格納先情報」という)の項目であり、項目値には、ジョブデータのURI(Uniform Resource Identifier)などがある。
【0059】
また、[共有]項目は、共有設定情報の項目である。詳細項目には、[共有制御設定]、[共有先アドレス]、[共有先IPアドレス]、[共有先国]、[共有期間]、[削除制御設定]、[表示制御設定]、[複製禁止設定]などがあり、ジョブ受信部11により取得された共有設定情報の値が格納される。
【0060】
[共有制御設定]項目は、共有制御設定を示す情報(以下「共有制御設定情報」という)の項目であり、項目値は、ジョブ共有を行うか否かの設定値である。[共有先アドレス]項目は、共有先アドレスを示す情報(以下「共有先アドレス情報」という)の項目であり、項目値は、共有利用者や共有利用者の属性(例えば「所属」)を示す識別子である。[共有先IPアドレス]項目は、共有先IPアドレスを示す情報(以下「共有先IPアドレス情報」という)の項目であり、項目値は、共有ジョブの許可実行環境を示すネットワーク設定範囲を示す値である。[共有先国]項目は、共有先国を示す情報(以下「共有先国情報」という)の項目であり、項目値は、共有ジョブの許可実行環境を示すエリア設定範囲を示す値である。[共有期間]項目は、共有期間を示す情報(以下「共有期間情報」という)の項目であり、項目値は、共有ジョブの有効期限を示す日時である。[削除制御設定]項目は、削除制御設定を示す情報(以下「削除制御設定情報」という)の項目であり、項目値は、削除条件の設定値である。[表示制御設定]項目は、表示制御設定を示す情報(以下「表示制御設定情報」という)の項目であり、項目値は、表示条件の設定値である。[複製禁止設定]項目は、複製禁止設定を示す情報(以下「複製禁止設定情報」という)の項目であり、項目値は、複製禁止処理の設定値である。
【0061】
これらジョブ管理情報91Dの項目値は、ジョブ管理部12により更新される。ジョブ管理部12は、ジョブ受信部11により取得されたジョブデータを格納する先に、該データに紐づけて、ジョブ受信部11の取得情報(「ジョブ関連情報」や「共有設定情報」)をジョブ管理情報91Dに追加し、更新する。このように追加された情報がジョブ情報にあたり、ジョブ単位で管理される。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブ管理情報91Dの更新などがある。
【0062】
図4の説明に戻る。よって、ジョブ管理部12は、ジョブリスト管理部13から利用者に該当するジョブ情報及びジョブデータの取得が要求されると、ジョブ管理情報91Dを参照し、利用者識別子に基づき、該当ジョブ情報を特定し、特定したジョブ情報に含まれる格納先情報に基づき、該当ジョブデータを取得し、これらの情報を要求元に応答する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブデータやジョブ情報の取得などがある。
【0063】
また、ジョブ管理部12は、制御情報保持部92が保持する制御情報に基づき、格納したジョブデータを管理する。なお、制御情報保持部92は、例えば、ジョブ管理装置100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0064】
ここで、制御情報について説明する。
図7は、本実施形態に係る制御情報92Dのデータ例を示す図である。
(A)には、利用者ごとの許可出力形式が設定された制御情報92D1のデータ例が示されており、(B)には、利用者ごとのジョブ実行が記録された制御情報92D2のデータ例が示されている。
【0065】
制御情報92D1は、[利用者識別]と[出力形式]との情報項目が利用者単位で対応づけられたデータセット(以下「出力形式設定情報」という)から構成される。
【0066】
[利用者識別]項目は、利用者識別子が設定される項目である。[出力形式]項目は、ジョブデータを出力する際の許可出力形式が設定される項目であり、項目値は、出力形式として用意された電子転送又は印刷の許可/不許可を示す設定値である。
【0067】
これら制御情報92D1の項目値は、ジョブ管理部12により設定される。ジョブ管理部12は、管理者に対して設定画面(非図示)を提供する。これにより、ジョブ管理部12は、設定画面を介して受け取った値を、利用者識別子と対応づけて制御情報92D1に設定する。このように設定された情報が出力形式設定情報にあたり、利用者単位で管理される。
【0068】
また、制御情報92D2は、[利用者識別]と[ジョブ実行記録]との情報項目が利用者単位で対応づけられたデータセット(以下「ジョブ実行記録情報」という)から構成され、ジョブ管理情報91Dで管理される該当共有ジョブのジョブ情報と紐づけられている。つまり、制御情報92D2は、蓄積ジョブのうち、共有ジョブに紐づけられた情報である。
【0069】
[利用者識別]項目は、共有利用者の利用者識別子が記録される項目である。[ジョブ実行記録]項目は、共有ジョブの実行状態が記録される項目であり、項目値は、共有ジョブデータが出力されたか否かを示す記録値である。
【0070】
これら制御情報92D2の項目値は、ジョブ管理部12により記録される。ジョブ管理部12は、画像処理装置200(ジョブ制御部)から、共有利用者ごとの共有ジョブデータの出力結果を受信する。これにより、ジョブ管理部12は、受信した利用者識別子と出力結果とを、制御情報92D2に記録する。このように設定された情報がジョブ実行記録情報にあたり、利用者単位で管理される。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、制御情報92D1,92D2(以降総称する場合「制御情報92D」という)の更新(設定・記録)などがある。
【0071】
図4の説明に戻る。よって、ジョブ管理部12は、ジョブリスト管理部13から利用者に該当するジョブ情報及びジョブデータの取得が要求されると、制御情報92D1を参照し、利用者識別子に基づき、該当出力形式設定情報を特定し、特定した出力形式設定情報を、ジョブ情報及びジョブデータとともに要求元に応答する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、出力形式設定情報の取得などがある。
【0072】
また、ジョブ管理部12は、共有ジョブデータを削除するか否かを判定する共有ジョブ削除判定部121を有している。共有ジョブ削除判定部121は、所定のタイミングで、ジョブ管理情報91Dを参照し、共有ジョブのジョブ情報に含まれる削除制御設定情報に設定された削除条件に従って、削除判定を行う。なお、所定のタイミングとは、予め設定された削除判定の実行日時(スケジュール)や所定の時間間隔などである。
【0073】
共有ジョブ削除判定部121は、削除条件に「共有期間超過時削除」が設定されている場合、共有ジョブのジョブ情報に含まれる共有期間情報を参照し、現在日時が共有期間内か否かを判定し、判定結果に基づき、削除判定を行う。共有ジョブ削除判定部121は、共有期間超過と判定した場合に、共有ジョブデータを削除すると判定する。
【0074】
また、共有ジョブ削除判定部121は、削除条件に「全共有利用者出力後削除」が設定されている場合、まず、共有ジョブの共有先アドレス情報を参照し、利用者識別子に基づき、該当共有利用者を特定する。次に、共有ジョブ削除判定部121は、共有ジョブのジョブ識別子に基づき、該当制御情報92D2を特定する。これにより、共有ジョブ削除判定部121は、制御情報92D2を参照し、特定した共有利用者の該当ジョブ実行記録情報に基づき、全共有利用者が共有ジョブデータを出力したか否かを判定し、判定結果に基づき、削除判定を行う。共有ジョブ削除判定部121は、全共有利用者実行と判定した場合に、共有ジョブデータを削除すると判定する。
【0075】
ジョブ管理部12は、共有ジョブの格納先情報に基づき、該当共有ジョブデータを特定し、共有ジョブ削除判定部121の判定結果に基づき、特定した共有ジョブデータを削除する。なお、ジョブ管理部12は、共有ジョブデータとともに該当制御情報92D2も削除する。つまり、ジョブ管理部12が行うデータ操作には、ジョブデータや制御情報92D2の削除などがある。
【0076】
このように、本実施形態では、共有ジョブ実行後の該当共有ジョブデータをオーナー利用者(共有ジョブをジョブ管理装置に蓄積した利用者)が手動で削除するのではなく、自動削除することで、情報漏洩や情報改竄などを防止し、共有情報の機密性を確保できる。
【0077】
ジョブリスト管理部13は、要求に応じたデータ操作を行い、利用者のジョブリストを管理する機能部である。ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200(ジョブリスト要求部)からジョブリストの取得が要求されると、ジョブ管理部12に、利用者に該当するジョブ情報及びジョブデータの取得を要求し、応答データのジョブ情報に基づき、ジョブリストを生成する。このとき、ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200(ジョブリスト要求部)から受信した利用者に関する情報(以下「利用者情報」という)をジョブ管理部12渡し、ジョブ情報及びジョブデータの取得を要求する。つまり、ジョブリスト管理部13が行うデータ操作には、ジョブリストの生成などがある。
【0078】
また、ジョブリスト管理部13は、応答されたジョブデータのうち、共有ジョブデータに複製禁止処理を施す複製禁止処理部131を有している。複製禁止処理部131は、応答された共有ジョブのジョブ情報に含まれる複製禁止設定情報を参照し、設定された複製禁止設定に従って、処理を行う。なお、複製禁止処理とは、コピーガードプログラム又はデータの付加や電子透かしデータの埋め込みなどである。
【0079】
複製禁止処理部131は、複製禁止設定に「コピーガード」が設定されている場合、応答された共有ジョブデータにコピーガード用のプログラム又はデータを付加する処理を行う。
【0080】
また、複製禁止処理部131は、複製禁止設定に「透かし印刷」が設定されている場合、応答された共有ジョブデータに電子透かし用のデータを埋め込む処理を行う。なお、複製禁止処理部131は、複製禁止設定に「コピーガード」及び「透かし印刷」の両方が設定されている場合、両方の複製禁止処理を行う。つまり、ジョブリスト管理部13が行うデータ操作には、ジョブデータの加工などがある。
【0081】
ジョブリスト管理部13は、生成したジョブリスト、応答された出力形式設定情報、及びジョブデータ(複製禁止処理された共有ジョブデータを含む)を、画像処理装置200(ジョブリスト要求部)に送信し、取得要求に対して応答する。
【0082】
また、ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200(ジョブ制御部)から共有ジョブのジョブ情報の非表示が要求されると、生成したジョブリストから非表示とする共有ジョブのジョブ情報を削除する。そのため、ジョブリスト管理部13は、ジョブリストからジョブ情報を削除するジョブ情報削除部132を有している。ジョブ情報削除部132は、ジョブリストを参照し、画像処理装置200(ジョブ制御部)から受信したジョブ情報に基づき、該当ジョブ情報を特定する。これにより、ジョブ情報削除部132は、特定したジョブ情報をジョブリストから削除する。つまり、ジョブリスト管理部13が行うデータ操作には、ジョブリストの更新などがある。
【0083】
《画像処理装置》
利用者情報受付部21は、ログイン時の利用者情報を受け付ける機能部である。利用者情報受付部21では、操作パネル220を介してログイン時に入力された利用者識別子や認証情報などを受け付ける。なお、利用者情報受付部21は、外部記憶I/F214を介して接続された記録媒体読み取り装置(非図示)により、利用者が保有する記録媒体(ICカード:Integrated Circuit card)から読み取った利用者情報を受け付けてもよい。
【0084】
ジョブリスト要求部22は、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)に利用者のジョブリストを取得要求する機能部である。ジョブリスト要求部22は、利用者情報受付部21により受け付けた利用者情報(「利用者識別子」や「認証情報」)をジョブ管理装置100に送信することで、ジョブリストの取得を要求する。その結果、ジョブリスト要求部22には、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)から、利用者のジョブリスト、出力形式設定情報、及びジョブデータが送信される。
【0085】
ジョブリスト表示部23は、ジョブリストを表示する機能部である。ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト要求部22により受信されたジョブリストを操作パネル220の表示部に表示する。
【0086】
図8は、本実施形態に係るジョブリストの画面例を示す図である。
図8には、利用者"UserA"のジョブリスト画面W3が示されている。
ジョブリスト画面W3には、利用者"UserA"に該当するジョブデータ名や該当ジョブデータの共有設定などが、ジョブリスト内のジョブ情報に含まれるジョブ識別子や共有制御設定情報に基づき表示される。その他に、画像処理装置200のネットワーク設定(IPアドレス)や画像処理装置200の設置場所(仕向地)なども、機器情報に基づき表示される。
【0087】
また、ジョブリスト画面W3には、[印刷]ボタンと[電子転送]ボタンとが表示される。これらのGUI部品は、ジョブデータの出力形式に基づき用意された部品であり、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)からジョブリストとともに受信した出力形式設定情報に基づき、表示/非表示となる。具体的には、利用者に許可された出力形式に対応するGUI部品のみが表示される。
【0088】
図4の説明に戻る。よって、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト画面W3を介して、ジョブデータ名の選択イベントと、[印刷]ボタン又は[電子転送]ボタンの押下イベントとを受信することで、選択されたジョブの実行指示(ジョブデータの出力指示)を受け付ける。
【0089】
また、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内の共有ジョブのジョブ情報を表示するか否かを判定する表示可否判定部231を有している。
【0090】
表示可否判定部231は、ジョブリスト内の共有ジョブのジョブ情報に含まれる共有先IPアドレス情報を参照し、画像処理装置200のネットワーク設定の値が、共有先IPアドレスの範囲(共有ジョブの許可実行環境を示すネットワーク設定範囲)内か否かを判定し、判定結果に基づき、表示可否判定を行う。表示可否判定部231は、画像処理装置200のネットワーク設定の値が、共有先IPアドレスの設定値と一致しない場合、該当ジョブ情報を表示しない(非表示)と判定する。
【0091】
また、表示可否判定部231は、ジョブリスト内の共有ジョブのジョブ情報に含まれる共有先国情報を参照し、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の範囲(共有ジョブの許可実行環境を示すエリア設定範囲)内か否かを判定し、判定結果に基づき、表示可否判定を行う。表示可否判定部231は、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の設定値と一致しない場合、該当ジョブ情報を表示しない(非表示)と判定する。
【0092】
これにより、ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200のネットワーク設定の値が、共有先IPアドレスの設定値と一致し、かつ、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の設定値と一致した共有ジョブのジョブ情報をジョブリストとして表示する。
【0093】
このように、本実施形態では、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示が制限される。
【0094】
ジョブ制御部24は、指示されたジョブの実行を制御する機能部である。ジョブ制御部24は、ジョブリスト表示部23により受け付けた実行指示に従って、該当ジョブデータを出力する。ジョブ制御部24は、ジョブリスト内のジョブ情報を参照し、ジョブ識別子に基づき、実行指示されたジョブを特定する。その結果、ジョブ制御部24は、特定したジョブの格納先情報に基づき、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)からジョブリストとともに受信したジョブデータの中から出力するジョブデータを特定し、該当ジョブデータを出力する。
【0095】
また、ジョブ制御部24は、ジョブデータの出力形式を判定する出力形式判定部241を有している。出力形式判定部241は、押下イベントに基づき、出力形式を判定する。出力形式判定部241は、押下イベントから利用者が指定した出力形式を特定することで、出力形式判定を行う。
【0096】
これにより、ジョブ制御部24は、出力形式判定部241による判定結果に基づく出力形式で該当ジョブデータを出力する。ジョブ制御部24は、出力形式「印刷」の場合、特定したジョブのジョブ情報を参照し、ジョブ属性情報に基づき、プロッタ230に動作設定を行い、該当ジョブデータを渡し、印刷の実行を指示する。ジョブ制御部24は、出力形式「電子転送」の場合、ネットワークI/F213に情報端末300のネットワーク設定などの転送先設定を行い、該当ジョブデータを渡し、電子転送の実行を指示する。また、ジョブ制御部24は、共有ジョブデータの出力形式「電子転送」の場合、特定した共有ジョブのジョブ情報を参照し、共有先アドレス情報に基づき、ネットワークI/F213に転送先設定を行い、該当ジョブデータを渡し、電子転送の実行を指示する。なお、ジョブ制御部24は、電子転送がメール送信の場合、利用者のメールアドレスが指定された、該当ジョブデータを含むメールデータを、ネットワークI/F213を介して送信する。
【0097】
また、ジョブ制御部24は、実行が指示されたジョブが共有ジョブであった場合、共有ジョブデータの出力結果(共有ジョブの実行結果)を、ジョブ管理装置100(ジョブ管理部)に通知する。ジョブ制御部24は、実行を指示した利用者の利用者識別子や実行された共有ジョブのジョブ識別子などをジョブ管理装置100(ジョブ管理部)に送信し、出力結果を通知する。
【0098】
このように、本実施形態では、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータが出力される。
【0099】
また、ジョブ制御部24は、出力された共有ジョブのジョブ情報の非表示を要求する非表示要求部242を有している。非表示要求部242は、特定したジョブのジョブ情報を参照し、表示制御設定情報に設定された表示条件に従って、非表示要求を行う。
【0100】
図9は、本実施形態に係るジョブ出力後の表示制御画面例を示す図である。
非表示要求部242は、表示条件に「利用者選択」が設定されている場合、利用者に対して、例えば、図9に示すような表示制御画面W4を提供する。これにより、非表示要求部242は、出力された共有ジョブのジョブ情報をジョブリストに表示するか否かの指示を受け付ける。非表示要求部242は、ジョブ情報をジョブリストに表示しない指示を受け付けると、受け付けた指示に従って、該当ジョブ情報をジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)に送信し、ジョブ情報の非表示を要求する。
【0101】
図4の説明に戻る。また、非表示要求部242は、表示条件に「自動非表示」が設定されている場合、共有ジョブの出力終了が確認されると、該当ジョブ情報をジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)に送信し、ジョブ情報の非表示を要求する。その結果、ジョブ管理装置100(ジョブリスト管理部)では、利用者のジョブリストから該当ジョブ情報が削除される。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る出力制御機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、システム1を構成する各機器に搭載(インストール)されるプログラム(出力制御機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0103】
本実施形態に係る出力制御機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0104】
《出力制御の主な処理》
図10は、本実施形態に係る出力制御の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理手順は、すでにジョブ管理装置100に共有ジョブが蓄積されており、共有利用者が画像処理装置200から共有ジョブを出力する場面を想定している。また、以下の説明では、便宜上、共有ジョブを共有文書と表現し、共有ジョブデータを共有文書データを表現するものとする。
【0105】
図10に示すように、画像処理装置200は、利用者情報受付部21により、操作パネル220を介して入力された利用者情報を受け付ける(ステップS101)。このとき、利用者情報受付部21は、利用者識別子や認証情報などを利用者情報として受け付ける。
【0106】
画像処理装置200は、利用者情報を受け付けると、ジョブリスト要求部22により、ジョブ管理装置100に利用者のジョブリスト要求を送信する(ステップS102)。このとき、ジョブリスト要求部22は、利用者情報受付部21が受け付けた利用者識別子をジョブ管理装置100に送信し、ジョブリスト要求を行う。
【0107】
その結果、ジョブ管理装置100は、ジョブリスト要求を受信すると(ステップS201)、ジョブリスト管理部13により、ジョブ管理部12から取得した利用者のジョブ情報に基づき、ジョブリストを生成し(ステップS202)、生成したジョブリストを要求元の画像処理装置200に送信する(ステップS203)。このとき、ジョブリスト管理部13は、利用者のジョブリストの他に、ジョブ情報とともにジョブ管理部12から取得した利用者のジョブデータや出力形式設定情報なども、要求元の画像処理装置200に送信する。
【0108】
画像処理装置200は、ジョブリストを受信すると(ステップS103)、ジョブリスト表示部23により、受信データに基づき、ジョブリスト画面W3を操作パネル220に表示する(ステップS104)。
【0109】
次に画像処理装置200は、ジョブリスト表示部23により、ジョブリスト画面W3上で、利用者が実行ジョブを選択したか否かを判定する(ステップS105)。このとき、ジョブリスト表示部23は、操作パネル220からの選択イベントに基づき、利用者が指定したジョブを特定することで、上記判定処理を行う。
【0110】
画像処理装置200は、利用者により実行ジョブが選択されたと判定された場合(ステップS105:YES)、ジョブ制御部24により、利用者がジョブ実行を指示した際の出力形式[印刷/電子転送]を判定する(ステップS106)。このとき、ジョブ制御部24は、出力形式判定部241により、操作パネル220からの押下イベントに基づき、利用者が指定した出力形式を特定することで、上記判定処理を行う。また、ジョブ制御部24は、ジョブリスト内のジョブ情報を参照し、ジョブリスト表示部23からジョブ選択時に受け取ったジョブ識別子に基づき、選択されたジョブを特定し、特定したジョブの格納先情報に基づき、出力対象である該当ジョブデータを特定する。
【0111】
画像処理装置200は、出力形式「印刷」と判定された場合(ステップS106:印刷)、ジョブ制御部24により、プロッタ230に該当ジョブデータを渡すことで、印刷する(ステップS107)。このとき、ジョブ制御部24は、特定したジョブのジョブ情報を参照し、ジョブ属性情報に基づき、プロッタ230に動作設定を行い、該当ジョブデータを渡し、印刷の実行を指示することで、上記出力処理を行う。
【0112】
また、画像処理装置200は、出力形式「電子転送」と判定された場合(ステップS106:電子転送)、ジョブ制御部24により、ネットワークI/F213に該当ジョブデータを渡すことで、電子転送する(ステップS108)。このとき、ジョブ制御部24は、特定したジョブのジョブ情報を参照し、共有先アドレス情報に基づき、ネットワークI/F213に転送先設定(情報端末のネットワーク設定)を行い、該当ジョブデータを渡し、電子転送の実行を指示することで、上記出力処理を行う。
【0113】
これにより、利用者は、蓄積ジョブを、ジョブ実行時に指定した印刷物又は電子データとして受け取ることができる。
【0114】
次に、画像処理装置200は、ジョブ制御部24により、出力ジョブ(実行が指示されたジョブ)が共有文書(共有ジョブ)か否かを判定する(ステップS109)。このとき、ジョブ制御部24は、出力ジョブのジョブ情報を参照し、共有制御設定情報(ジョブ共有[YES]/[NO])に基づき、上記判定処理を行う。
【0115】
画像処理装置200は、出力ジョブが共有文書と判定された場合(ステップS109:YES)、ジョブ制御部24により、ジョブ管理装置100に共有文書の出力結果(共有ジョブの実行結果)を通知する(ステップS110)。このとき、ジョブ制御部24は、共有文書を出力した利用者の利用者識別子や出力された共有文書のジョブ識別子などをジョブ管理装置100に送信することで、上記通知処理を行う。
【0116】
その結果、ジョブ管理装置100は、共有文書の出力結果通知を受信すると(ステップS301)、ジョブ管理部12により、制御情報保持部92にアクセスし、受信データに基づき、制御情報92D2の該当ジョブ実行記録情報を更新する(ステップS302)。このとき、ジョブ管理部12は、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブ管理情報91Dを参照し、画像処理装置200から受信したジョブ識別子に基づき、共有文書の該当ジョブ情報を特定する。ジョブ管理部12は、制御情報保持部92にアクセスし、特定したジョブ情報に紐づけられた制御情報92D2を参照し、画像処理装置200から受信した利用者識別子に基づき、利用者に対応する該当ジョブ実行記録情報([出力済み]/[未出力])を特定する。ジョブ管理部12は、特定したジョブ実行記録情報を更新する。
【0117】
次に、画像処理装置200は、ジョブ制御部24により、出力後の共有文書のジョブ情報をジョブリスト内に表示するか否か(出力後の共有文書のジョブ情報の表示/非表示)を判定する(ステップS111)。このとき、ジョブ制御部24は、ジョブリストに含まれる出力後の共有文書のジョブ情報を参照し、表示制御設定情報([利用者選択]/[自動非表示])に基づき、上記判定処理を行う。
【0118】
画像処理装置200は、表示制御設定情報に表示条件が設定されており、出力後の共有文書のジョブ情報を非表示とすると判定された場合(ステップS111:YES)、ジョブ制御部24により、ジョブ管理装置100に該当ジョブ情報の非表示要求を送信する(ステップS112)。このとき、ジョブ制御部24は、非表示要求部242により、表示制御設定情報に設定された表示条件に従って、出力後の共有文書のジョブ情報をジョブ管理装置100に送信し、非表示要求を行う。
【0119】
その結果、ジョブ管理装置100は、非表示要求を受信すると(ステップS401)、ジョブリスト管理部13により、受信データに基づき、利用者のジョブリストから、出力後の共有文書のジョブ情報を削除する(ステップS402)。このとき、ジョブリスト管理部13は、画像処理装置200から受信したジョブ情報を、ステップS202で生成したジョブリストから削除する。なお、ジョブリスト管理部13は、削除したジョブ情報に紐付くジョブデータ(出力後の共有文書データ)も削除する。
【0120】
なお、画像処理装置200では、出力ジョブが共有文書でないと判定された場合(ステップS109:NO)、ステップS111,S112の処理をスキップし、出力制御処理を終了する。また、画像処理装置200では、表示制御設定情報に表示条件が設定されておらず、出力後の共有文書のジョブ情報を表示すると判定された場合(ステップS111:NO)、ステップS112の処理をスキップし、出力制御処理を終了する。
【0121】
《ジョブリストの表示処理》
図11は、本実施形態に係るジョブリスト表示の処理手順例を示すフローチャートである。図11には、画像処理装置200で実行されるステップS101−S104の処理、及び、その間、ジョブ管理装置100で実行されるステップS201−S203の処理の詳細が示されている。
【0122】
図11に示すように、画像処理装置200は、利用者情報受付部21により、操作パネル220を介して入力された利用者情報を受け付け(ステップS501)、ジョブリスト要求部22により、ジョブ管理装置100に利用者識別子を送信する(ステップS502)。これにより、画像処理装置200からジョブ管理装置100に対して、利用者のジョブリスト要求が行われる。
【0123】
その結果、ジョブ管理装置100は、利用者識別子を受信すると(ステップS601)、ジョブリスト管理部13により、次のようなジョブリスト要求への応答処理が行われる。
【0124】
ジョブリスト管理部13は、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブ管理情報91Dを参照し(ステップS602)、受信した利用者識別子に基づき、ジョブ管理情報91Dから利用者に該当するジョブ情報を抽出する(ステップS603)。
【0125】
ジョブリスト管理部13は、利用者のジョブ情報に基づき、抽出ジョブが共有文書(共有ジョブ)か否かを判定する(ステップS604)。
【0126】
ジョブリスト管理部13は、抽出ジョブが共有文書と判定した場合(ステップS604:YES)、共有文書を複製禁止とするか否かを判定する(ステップS605)。このとき、ジョブリスト管理部13は、共有文書のジョブ情報を参照し、複製禁止設定情報([コピーガード]と[透かし印刷]との組み合わせ設定)に基づき、上記判定処理を行う。
【0127】
ジョブリスト管理部13は、複製禁止設定情報に複製禁止処理が設定されており、共有文書を複製禁止とすると判定された場合(ステップS605:YES)、複製禁止処理部131により、共有文書データ(共有ジョブデータ)に対して複製禁止処理を行う(ステップS606)。このとき、複製禁止処理部131は、複製禁止設定情報に「コピーガード」が設定されている場合、共有文書データにコピーガード用のプログラム又はデータを付加する処理を行い、複製禁止設定情報に「透かし印刷」が設定されている場合、共有文書データに電子透かし用のデータを埋め込む処理を行う。
【0128】
なお、ジョブリスト管理部13は、抽出ジョブが共有文書でないと判定した場合(ステップS604:NO)、ステップS605,S606の処理をスキップする。また、ジョブリスト管理部13は、複製禁止設定情報に複製禁止処理が設定されておらず、共有文書を複製禁止としないと判定された場合(ステップS605:NO)、ステップS606の処理をスキップする。
【0129】
次に、ジョブリスト管理部13は、抽出したジョブ情報を含むジョブリストを生成する(ステップS607)。
【0130】
次に、ジョブリスト管理部13は、制御情報保持部92にアクセスし、利用者ごとの許可出力形式が設定された制御情報92D1を参照し(ステップS608)、受信した利用者識別子に基づき、制御情報92D1から利用者に該当する出力形式設定情報([印刷]と[電子転送]との組み合わせ設定)を取得する(ステップS609)。
【0131】
ジョブリスト管理部13は、これらのデータ(利用者のジョブリスト,ジョブデータ,出力形式設定情報)を要求元への応答データとし、画像処理装置200に送信する(ステップS610)。
【0132】
画像処理装置200は、ジョブ管理装置100から応答データを受信すると(ステップS503)、ジョブリスト表示部23により、次のようなジョブリスト表示処理が行われる。
【0133】
ジョブリスト表示部23は、受信したジョブリストに基づき、ジョブリスト内のジョブが共有文書か否かを判定する(ステップS504)。このとき、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内のジョブ情報を参照し、共有制御設定情報(ジョブ共有[YES]/[NO])に基づき、上記判定処理を行う。
【0134】
ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内のジョブが共有文書と判定された場合(ステップS504:YES)、表示可否判定部231により、画像処理装置200(ジョブ実行環境)のIPアドレスが、共有文書の許可実行環境を示すネットワーク設定範囲内のアドレスか否かを判定する(ステップS505)。このとき、表示可否判定部231は、共有文書のジョブ情報を参照し、共有先IPアドレス情報に基づき、画像処理装置200のIPアドレスの値が、共有先IPアドレスの設定値と一致するか否かを判定する。
【0135】
ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200のIPアドレスの値が、設定範囲内のアドレスであると判定された場合(ステップS505:YES)、表示可否判定部231により、画像処理装置200の設置場所が、共有文書の許可実行環境を示すエリア設定範囲内か否かを判定する(ステップS506)。このとき、表示可否判定部231は、共有文書のジョブ情報を参照し、共有先国情報に基づき、画像処理装置200の設置場所の値が、共有先国の設定値と一致するか否かを判定する。
【0136】
ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200の設置場所の値が、設定範囲内の国であると判定された場合(ステップS506:YES)、共有文書のジョブ情報を、操作パネル220にジョブリスト表示する(ステップS507)。
【0137】
なお、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内のジョブが共有文書でないと判定された場合(ステップS504:NO)、ステップS505,S506の処理をスキップする。また、ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200のIPアドレスの値が、設定範囲外のアドレスであると判定された場合(ステップS505:NO)、ステップS506,S507の処理をスキップする。また、ジョブリスト表示部23は、画像処理装置200の設置場所の値が、設定範囲外の国であると判定された場合(ステップS506:NO)、ステップS507の処理をスキップする。よって、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内の非共有文書のジョブ情報をジョブリスト表示する。一方、ジョブリスト表示部23は、ジョブリスト内の共有文書のうち、上記判定条件を満たす共有文書のジョブ情報のみをジョブリスト表示する。
【0138】
これにより、利用者は、画像処理装置200において、ジョブ共有時に設定された許可条件を満たす共有ジョブしか選択できない。
【0139】
次に、ジョブリスト表示部23は、受信した出力形式設定情報([印刷]と[電子転送]との組み合わせ設定)に基づき、利用者に許可された出力形式を判定する(ステップS508)。このとき、ジョブリスト表示部23は、出力形式設定情報に「印刷」のみ設定されている場合、印刷のみが許可出力形式と判定する。また、ジョブリスト表示部23は、出力形式設定情報に「電子転送」のみ設定されている場合、電子転送のみが許可出力形式と判定する。また、ジョブリスト表示部23は、出力形式設定情報に「印刷」及び「電子転送」の両方が設定されている場合、印刷及び電子転送が許可出力形式と判定する。
【0140】
ジョブリスト表示部23は、印刷のみが許可出力形式と判定した場合(ステップS508:印刷)、ジョブリストから選択されたジョブの実行を指示する[印刷]ボタンをジョブリスト画面W3に表示する(ステップS509)。
【0141】
また、ジョブリスト表示部23は、印刷のみが許可出力形式と判定した場合(ステップS508:印刷・電子転送)、ジョブリストから選択されたジョブの実行を指示する[印刷]ボタンと[電子転送]ボタンとをジョブリスト画面W3に表示する(ステップS509)。
【0142】
ジョブリスト表示部23は、印刷のみが許可出力形式と判定した場合(ステップS508:電子転送)、ジョブリストから選択されたジョブの実行を指示する[電子転送]ボタンをジョブリスト画面W3に表示する(ステップS509)。
【0143】
《出力後の共有ジョブの削除処理》
図12は、本実施形態に係る共有ジョブ削除の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理手順は、ジョブ管理装置100において、所定のタイミングに従って実行される場面を想定している。
【0144】
図12に示すように、ジョブ管理装置100は、ジョブ管理部12により、次のような共有ジョブの削除処理が行われる。
【0145】
ジョブ管理部12は、ジョブ管理情報保持部91にアクセスし、ジョブ管理情報91Dを参照し(ステップS701)、ジョブ情報に含まれる共有制御設定情報(ジョブ共有[YES]/[NO])に基づき、ジョブ管理情報91Dから共有文書(共有ジョブ)に該当するジョブ情報を抽出する(ステップS702)。
【0146】
ジョブ管理部12は、共有文書のジョブ情報に削除条件が設定されているか否かを判定する(ステップS703)。このとき、ジョブ管理部12は、共有文書のジョブ情報を参照し、削除制御設定情報([共有期間超過時削除]と[全共有利用者出力後削除]との組み合わせ設定)に基づき、上記判定処理を行う。
【0147】
ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に削除条件が設定されていると判定された場合(ステップS703:YES)、削除制御設定情報に基づき、共有文書に設定された削除条件を判定する(ステップS704)。このとき、ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に「共有期間超過時削除」のみ設定されている場合、共有期間の超過判定結果のみが削除条件と判定する。また、ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に「全共有利用者出力後削除」のみ設定されている場合、共有利用者の出力判定結果のみが削除条件と判定する。また、ジョブ管理部12は、削除制御設定情報に「共有期間超過時削除」及び「全共有利用者出力後削除」の両方が設定されている場合、共有期間の超過判定結果又は共有利用者の出力判定結果が削除条件と判定する。
【0148】
ジョブ管理部12は、共有期間の超過判定結果のみが削除条件と判定された場合(ステップS704:期間)、共有ジョブ削除判定部121により、現在日時が共有期間内か否かを判定する(ステップS705)。このとき、共有ジョブ削除判定部121は、共有文書のジョブ情報に含まれる共有期間情報に基づき、現在日時が共有の有効期限日時内か否かを判定する。
【0149】
また、ジョブ管理部12は、共有期間の超過判定結果又は共有利用者の出力判定結果が削除条件と判定された場合(ステップS704:期間・出力利用者)、共有ジョブ削除判定部121により、現在日時が共有期間内か否かを判定し(ステップS705)、共有文書の全共有利用者が出力(共有ジョブ実行)したか否かを判定する(ステップS706)。このとき、共有ジョブ削除判定部121は、現在日時が共有期間内と判定された場合(ステップS705:YES)、ステップS706の処理を行う。一方、共有ジョブ削除判定部121は、現在日時が共有期間外と判定された場合(ステップS705:NO)、ステップS706の処理をスキップする。
【0150】
また、ジョブ管理部12は、共有利用者の出力判定結果のみが削除条件と判定された場合(ステップS704:出力利用者)、共有ジョブ削除判定部121により、共有文書の全共有利用者が出力したか否かを判定する(ステップS708)。このとき、共有ジョブ削除判定部121は、共有文書のジョブ情報に含まれる共有先アドレス情報に基づき、共有文書の共有利用者を特定する。次に、共有ジョブ削除判定部121は、共有文書のジョブ情報に含まれるジョブ識別子に基づき、共有文書に紐付く制御情報92D2を特定する。これにより、共有ジョブ削除判定部121は、制御情報92D2を参照し、特定した共有利用者の該当ジョブ実行記録情報に基づき、全共有利用者が共有文書データ(共有ジョブデータ)を出力したか否かを判定する。この処理は、ステップS706でも同様である。
【0151】
その結果、ジョブ管理部12は、ステップS705,S706において、現在日時が共有期間外と判定された場合(ステップS705,S706:NO)、ジョブ管理情報91Dから該当共有文書のジョブ情報を削除する(ステップS709)。
【0152】
また、ジョブ管理部12は、ステップS707,S708において、共有文書の全共有利用者が出力したと判定された場合(ステップS707,S708:YES)、ステップS709の処理を行う。
【0153】
なお、ジョブ管理部12は、ステップS705において、現在日時が共有期間内と判定された場合(ステップS705:NO)、又は、ステップS707,S708において、共有文書の全共有利用者が出力していないと判定された場合(ステップS707,S708:NO)、ステップS709の処理をスキップする。
【0154】
ジョブ管理部12は、上記ステップS703−S709の処理を、ジョブ管理情報91D内の全共有文書に対して行ったか否かを判定し(ステップS710)、全共有文書を処理したと判定された場合(ステップS710:YES)、処理を終了する。一方、ジョブ管理部12は、全共有文書を処理していないと判定された場合(ステップS710:NO)、上記ステップS703−S709の処理を繰り返す。
【0155】
<変形例>
上記実施形態では、画像処理装置200が、利用者情報受付部21、ジョブリスト要求部22、ジョブリスト表示部23、及びジョブ制御部24などを有し、ジョブ管理装置100が、ジョブ受信部11、ジョブ管理部12、及びジョブリスト管理部13などを有し、これらの機能部が連携動作する機能構成例を示したが、この限りでない。
【0156】
例えば、図13に示すような機能構成であってもよい。
図13は、本変形例に係る出力制御の機能構成例を示す図である。
図13には、画像処理装置200bが、画像処理装置200の上記機能部の他に、ジョブ管理装置100の上記機能部を有する機能構成例が示されている。つまり、画像処理装置200bでは、ジョブ管理装置100の上記機能部が組み込まれており、図10,11,12に示したジョブ管理装置100の処理が実行され、蓄積ジョブの管理やジョブリストの管理など機能が実現される。
【0157】
本変形例では、上記機能構成により、出力制御システム1における複数の画像処理装置200a,200bの中で、画像処理装置200bが、他の画像処理装置200aに対して、組み込まれた機能部により、ジョブ管理機能を提供できる。
【0158】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置200によれば、ジョブリスト要求部22により、複数の利用者による共有が設定された共有ジョブを含む蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリスト及び該ジョブリストに含まれるジョブのジョブデータを取得する。画像処理装置200は、ジョブリスト表示部23により、取得したジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示する。画像処理装置200は、ジョブ制御部24により、表示したジョブリストから実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力(印刷/電子転送)する。
【0159】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置200では、ジョブ共有時に設定された許可条件で、実行ジョブを選択するジョブリストへの共有ジョブの表示が制限され、ジョブ実行時に指定された出力形式で、実行が指示された共有ジョブのジョブデータが出力される。
【0160】
このように、本実施形態に係る画像処理装置200では、共有情報の機密性、多様化する利用者環境への柔軟な情報提供、TCO削減などを考慮した共有ジョブの出力制御が行える。
【0161】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「出力制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、システム1を構成する各機器(「ジョブ管理装置」や「画像処理装置」など)が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0162】
上記プログラムは、例えば、ジョブ管理装置100の場合、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。これにより、上記プログラムは、ドライブ装置103を介して、ジョブ管理装置100にインストールすることができる。画像処理装置200の場合には、記録媒体214aに格納することができる。これにより、上記プログラムは、外部記憶I/F214を介して、画像処理装置200にインストールすることができる。
【0163】
また、ジョブ管理装置100及び画像処理装置200は、インタフェース装置107やネットワークI/F213を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0164】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0165】
1 出力制御システム
11 ジョブ受信部
12 ジョブ管理部
121 共有ジョブ削除判定部
13 ジョブリスト管理部
131 複製防止処理部
132 ジョブ情報削除部
21 利用者情報受付部
22 ジョブリスト要求部
23 ジョブリスト表示部
231 表示ジョブ判定部
24 ジョブ制御部
241 出力形式判定部
242 非表示要求部
91 ジョブ管理情報保持部(D:ジョブ管理情報)
92 共有制御情報保持部(D:共有制御情報)
200 画像処理装置
210 コントローラ(制御基板)
211 CPU(演算装置)
212 記憶装置(ROM,RAM,HDD)
213 ネットワークI/F
214 外部記憶I/F(a:記録媒体)
220 操作パネル
230 プロッタ
240 スキャナ
100 ジョブ管理装置(プリントサーバ)
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置(a:記録媒体)
104 RAM(揮発性の半導体メモリ)
105 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
106 CPU(演算装置)
107 インタフェース装置
108 HDD(不揮発性の記憶装置)
B バス
N データ伝送路(ネットワーク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0166】
【特許文献1】特開2005−152726号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置であって、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、
前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段と、を有し、
前記ジョブリスト表示手段が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、
前記ジョブ制御手段が、前記ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記蓄積ジョブに関するジョブ関連情報と前記蓄積ジョブに対して設定された共有設定情報とが対応づけられたジョブ情報を、蓄積ジョブ単位で管理するジョブ管理情報を、所定の記憶領域に保持する管理情報保持手段を有し、
前記ジョブリスト表示手段は、
前記管理情報保持手段にアクセスし、前記共有ジョブのジョブ情報を参照し、前記共有設定情報に設定された許可条件に基づき、前記共有ジョブが当該画像処理装置での実行を許可するジョブか否かを判定し、実行を許可するジョブと判定された共有ジョブを表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ジョブリスト表示手段は、
前記許可条件にあたる前記共有ジョブの許可実行環境を示すネットワーク設定範囲に基づき、当該画像処理装置のネットワーク設定の値が前記ネットワーク設定範囲内の値か否かを判定し、範囲内の値であると判定された共有ジョブを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
利用者に許可する出力形式が設定された第1の制御情報を、所定の記憶領域に保持する第1の制御情報保持手段を有し、
前記ジョブリスト表示手段は、
前記第1の制御情報保持手段にアクセスし、前記第1の制御情報に設定された出力形式に基づき、前記出力形式ごとにジョブ実行を指示する表示部品を表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ジョブ制御手段は、
前記表示部品の押下イベントに基づき、ジョブ実行時に指定された出力形式を判定し、判定した出力形式に従って、前記共有ジョブのジョブデータを印刷又は電子転送することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記共有ジョブのジョブデータに、ジョブ共有時に設定された複製禁止処理を行う複製禁止手段を有し、
前記ジョブ制御手段は、
前記複製禁止手段により処理された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って印刷又は電子転送することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記蓄積ジョブに関するジョブ関連情報と前記蓄積ジョブに対して設定された共有設定情報とが対応づけられた前記ジョブ情報を、蓄積ジョブ単位で管理するジョブ管理情報を、所定の記憶領域に保持する管理情報保持手段を有し、
前記複製禁止手段は、
前記管理情報保持手段にアクセスし、前記共有ジョブのジョブ情報を参照し、前記共有設定情報に設定されたコピーガード指定に基づき、共有ジョブのジョブデータにコピーガード用のプログラム又はデータを付加する、又は、前記共有設定情報に設定された透かし印刷指定に基づき、共有ジョブのジョブデータに電子透かし用のデータを埋め込むことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記蓄積ジョブに関するジョブ関連情報と前記蓄積ジョブに対して設定された共有設定情報とが対応づけられた前記ジョブ情報を、蓄積ジョブ単位で管理するジョブ管理情報を、所定の記憶領域に保持する管理情報保持手段と、
ジョブ実行後の共有ジョブを削除するジョブ削除手段と、を有し、
前記ジョブ削除手段は、
前記管理情報保持手段にアクセスし、前記共有ジョブのジョブ情報を参照し、前記共有設定情報に設定された削除条件に基づき、前記共有ジョブのジョブ情報及びジョブデータを削除することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記共有ジョブの利用者のジョブ実行状態が記録された第2の制御情報を、所定の記憶領域に保持する第2の制御情報保持手段を有し、
前記ジョブ削除手段は、
前記第2の制御情報保持手段にアクセスし、前記第2の制御情報に記録されたジョブ実行状態に基づき、前記共有ジョブの全ての利用者がジョブ実行済みか否かを判定し、ジョブ実行済みであると判定された場合、前記共有ジョブのジョブ情報及びジョブデータを削除することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し管理するジョブ管理装置と、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置とが、所定のデータ伝送路で接続される出力制御システムであって、
前記ジョブ管理装置は、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを管理するジョブリスト管理手段を有し、
前記画像処理装置は、
前記ジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、
前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段と、を有し、
前記ジョブ管理装置が、前記画像処理装置からの取得要求に応じて、前記ジョブリスト管理手段で管理するジョブリストと、該ジョブリストに含まれる蓄積ジョブのジョブデータとを、取得要求元に送信し、
前記画像処理装置が、前記ジョブリスト表示手段により、前記ジョブ管理装置から受信したジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、前記画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、前記ジョブ制御手段により、前記ジョブ管理装置から受信したジョブデータのうち、表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする出力制御システム。
【請求項11】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置における出力制御方法であって、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示装置に表示するジョブリスト表示手順と、
前記表示装置を介して、前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手順と、を有し、
前記ジョブリスト表示手順が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、
前記ジョブ制御手順が、前記ジョブリスト表示手順により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする出力制御方法。
【請求項12】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置における出力制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、
前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段として機能させ、
前記ジョブリスト表示手段が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、
前記ジョブ制御手段が、前記ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力するように動作させる出力制御プログラム。
【請求項1】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置であって、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、
前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段と、を有し、
前記ジョブリスト表示手段が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、
前記ジョブ制御手段が、前記ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記蓄積ジョブに関するジョブ関連情報と前記蓄積ジョブに対して設定された共有設定情報とが対応づけられたジョブ情報を、蓄積ジョブ単位で管理するジョブ管理情報を、所定の記憶領域に保持する管理情報保持手段を有し、
前記ジョブリスト表示手段は、
前記管理情報保持手段にアクセスし、前記共有ジョブのジョブ情報を参照し、前記共有設定情報に設定された許可条件に基づき、前記共有ジョブが当該画像処理装置での実行を許可するジョブか否かを判定し、実行を許可するジョブと判定された共有ジョブを表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ジョブリスト表示手段は、
前記許可条件にあたる前記共有ジョブの許可実行環境を示すネットワーク設定範囲に基づき、当該画像処理装置のネットワーク設定の値が前記ネットワーク設定範囲内の値か否かを判定し、範囲内の値であると判定された共有ジョブを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
利用者に許可する出力形式が設定された第1の制御情報を、所定の記憶領域に保持する第1の制御情報保持手段を有し、
前記ジョブリスト表示手段は、
前記第1の制御情報保持手段にアクセスし、前記第1の制御情報に設定された出力形式に基づき、前記出力形式ごとにジョブ実行を指示する表示部品を表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ジョブ制御手段は、
前記表示部品の押下イベントに基づき、ジョブ実行時に指定された出力形式を判定し、判定した出力形式に従って、前記共有ジョブのジョブデータを印刷又は電子転送することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記共有ジョブのジョブデータに、ジョブ共有時に設定された複製禁止処理を行う複製禁止手段を有し、
前記ジョブ制御手段は、
前記複製禁止手段により処理された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って印刷又は電子転送することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記蓄積ジョブに関するジョブ関連情報と前記蓄積ジョブに対して設定された共有設定情報とが対応づけられた前記ジョブ情報を、蓄積ジョブ単位で管理するジョブ管理情報を、所定の記憶領域に保持する管理情報保持手段を有し、
前記複製禁止手段は、
前記管理情報保持手段にアクセスし、前記共有ジョブのジョブ情報を参照し、前記共有設定情報に設定されたコピーガード指定に基づき、共有ジョブのジョブデータにコピーガード用のプログラム又はデータを付加する、又は、前記共有設定情報に設定された透かし印刷指定に基づき、共有ジョブのジョブデータに電子透かし用のデータを埋め込むことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記蓄積ジョブに関するジョブ関連情報と前記蓄積ジョブに対して設定された共有設定情報とが対応づけられた前記ジョブ情報を、蓄積ジョブ単位で管理するジョブ管理情報を、所定の記憶領域に保持する管理情報保持手段と、
ジョブ実行後の共有ジョブを削除するジョブ削除手段と、を有し、
前記ジョブ削除手段は、
前記管理情報保持手段にアクセスし、前記共有ジョブのジョブ情報を参照し、前記共有設定情報に設定された削除条件に基づき、前記共有ジョブのジョブ情報及びジョブデータを削除することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記共有ジョブの利用者のジョブ実行状態が記録された第2の制御情報を、所定の記憶領域に保持する第2の制御情報保持手段を有し、
前記ジョブ削除手段は、
前記第2の制御情報保持手段にアクセスし、前記第2の制御情報に記録されたジョブ実行状態に基づき、前記共有ジョブの全ての利用者がジョブ実行済みか否かを判定し、ジョブ実行済みであると判定された場合、前記共有ジョブのジョブ情報及びジョブデータを削除することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し管理するジョブ管理装置と、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置とが、所定のデータ伝送路で接続される出力制御システムであって、
前記ジョブ管理装置は、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを管理するジョブリスト管理手段を有し、
前記画像処理装置は、
前記ジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、
前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段と、を有し、
前記ジョブ管理装置が、前記画像処理装置からの取得要求に応じて、前記ジョブリスト管理手段で管理するジョブリストと、該ジョブリストに含まれる蓄積ジョブのジョブデータとを、取得要求元に送信し、
前記画像処理装置が、前記ジョブリスト表示手段により、前記ジョブ管理装置から受信したジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、前記画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、前記ジョブ制御手段により、前記ジョブ管理装置から受信したジョブデータのうち、表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする出力制御システム。
【請求項11】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置における出力制御方法であって、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示装置に表示するジョブリスト表示手順と、
前記表示装置を介して、前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手順と、を有し、
前記ジョブリスト表示手順が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、
前記ジョブ制御手順が、前記ジョブリスト表示手順により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力することを特徴とする出力制御方法。
【請求項12】
蓄積ジョブを所定の記憶領域に格納し、複数の利用者による共有が設定された前記蓄積ジョブである共有ジョブを出力する画像処理装置における出力制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき生成されたジョブリストを表示するジョブリスト表示手段と、
前記ジョブリストから選択された実行ジョブの出力を制御するジョブ制御手段として機能させ、
前記ジョブリスト表示手段が、前記ジョブリストに含まれる共有ジョブのうち、ジョブ共有時に設定された許可条件に基づき、当該画像処理装置での実行を許可すると判定された共有ジョブを表示し、
前記ジョブ制御手段が、前記ジョブリスト表示手段により表示されたジョブリストから、実行ジョブとして選択された共有ジョブのジョブデータを、ジョブ実行時に指定された出力形式に従って出力するように動作させる出力制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−174170(P2012−174170A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38085(P2011−38085)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]