説明

画像処理装置、印刷システム及び画像処理プログラム

【課題】中断した印刷処理が再開されたページの画像を確認することができる画像処理装置、印刷システム及び画像処理プログラムを提供する
【解決手段】確認イメージ作成部は、ジャムリカバリ制御部からのジャム情報に基づいて、ジャムが発生した位置の前後3ページと、ジャム発生時刻、ジャム発生位置のジャム情報とを1ページにレイアウトした確認イメージを作成する。ジャムリカバリ制御部は、印刷処理を再開するに先立って確認イメージをジョブ指定用紙121よりもサイズの大きな確認用用紙122に印刷して出力するように画像出力部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、印刷システム及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置では、一般に、印刷処理中に紙詰まり等の印刷用紙のジャムが発生すると、紙詰まり等を解決する処理を行った後、印刷の再開操作を行うと、引き続き印刷処理を再開するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示された印刷装置は、印刷の再開操作が行われると、印刷の再開に先立って搬送経路がクリーニング用紙によってクリーニングされて排出される。クリーニング用紙は、表面に微細な凹凸や空孔のある用紙や、弱粘着性の物質を基材にコーティングした用紙、あるいは溶剤成分を含浸させた用紙など種々の材質のものを用いることができる。クリーニング用紙には、ジャムの発生に関する所定の情報(ジャム発生時刻、搬送経路におけるジャム発生位置、印刷部数、印刷データ名等)が印字可能なものを用いることができる。
【0004】
この構成によれば、ジャムの発生の前後の印刷物をクリーニング用紙によって識別することができる。
【特許文献1】特開2005−59463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、中断した印刷処理が再開されたページの画像を確認することができる画像処理装置、印刷システム及び画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の画像処理装置、印刷システム及び画像処理プログラムを提供する。
【0007】
[1]印刷装置に中断した印刷処理を再開させる再開手段と、前記印刷処理を再開させるページの画像の縮小画像と前記印刷処理を再開させるページの情報とを含む再開情報の出力処理を行う出力処理手段とを備えた画像処理装置。
【0008】
[2]前記再開情報は、前記印刷処理を再開するページを含む所定の範囲のページの画像の縮小画像も含む前記[1]に記載の画像処理装置。
【0009】
[3]前記再開情報が含む前記所定の範囲のページは、前記印刷装置の特性に応じた範囲のページである前記[2]に記載の画像処理装置。
【0010】
[4]前記再開情報は、前記印刷処理を再開させるページに対して前記印刷装置の特性に応じた所定のページ数だけ後又は前のページの画像の縮小画像を含む前記[1]に記載の画像処理装置。
【0011】
[5]印刷処理を行う印刷手段と、前記印刷手段に中断した印刷処理を再開させる再開手段と、前記印刷処理を再開させるページの画像の縮小画像と前記印刷処理を再開させる位置の情報とを含む再開情報の出力制御を行う出力制御手段とを備えた印刷システム。
【0012】
[6]印刷装置に中断した印刷処理を再開させる再開ステップと、
前記印刷処理を再開させるページの画像の縮小画像と前記印刷処理を再開させるページの情報とを含む再開情報の出力制御を行う出力制御ステップとをコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、5又は6の発明によれば、中断した印刷処理が再開されたページの画像と印刷処理を再開させるページの情報とを含む再開情報を、印刷物と照合することで、印刷物の内容を知らない者でも正しいページから印刷処理が再開されたことを確認することができる。
【0014】
請求項2に係る画像処理装置によれば、中断された印刷処理が再開されたページを含む範囲のページの画像の縮小画像と前記再開されたページの情報とを含む再開情報を印刷物と照合することで、印刷物の内容を知らない者でもページ抜けや二重印刷を発見できる。
【0015】
請求項3に係る画像処理装置によれば、中断された印刷処理が再開されたページを含む印刷装置の特性に応じた所定の範囲のページの画像の縮小画像と前記再開されたページの情報とを含む再開情報を印刷物と照合することで、印刷装置の特性及び印刷物の内容を知らない者でも、印刷処理が再開された位置から印刷装置の特性に応じて所定のページ範囲内で発生する異常を発見できる。
【0016】
請求項4に係る画像処理装置によれば、印刷処理が再開された位置から印刷装置の特性に応じた所定のページ数だけ後又は前のページの画像を含む再開情報を印刷物と照合することで、印刷装置の特性及び印刷物の内容を知らない者でも、印刷処理が再開された位置から印刷装置の特性に応じた所定のページ数だけ後又は前のページに発生する異常を発見できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタシステムのブロック図である。
【0018】
このプリンタシステムは、印刷ジョブに対する印刷処理を行う画像処理装置としてのプリンタ1と、プリンタ1にネットワークを介して印刷ジョブを送信するクライアント端末2とを有する。なお、クライアント端末2は、同図では1台を図示するが、2台以上でもよい。
【0019】
クライアント端末2は、プリントドライバを有し、ユーザによりプリントドライバから印刷指示が行われたとき、文書データとユーザの印刷指示情報をPDL(Page Description Language)形式の印刷ジョブに変換し、プリンタ1に送信する。クライアント端末2は、例えば、パーソナルコンピュータにより構成される。
【0020】
PDLに記述される印刷指示情報には、部数情報、出力用紙サイズ情報、両面印刷情報、用紙トレイ選択情報、後処理情報(ステープル情報、パンチ情報、ソート情報)等が含まれる。
【0021】
プリンタ1は、プリンタ1の各部を制御するプリンタコントローラ10と、コントロールパネル11と、画像出力部12と、後処理部13とを備える。
【0022】
(プリンタコントローラ)
プリンタコントローラ10は、クライアント通信部101と、PDL処理部102と、印刷イメージ生成部103と、出力制御部104と、ジャム検知部105と、ジョブ制御部110と、ジャムリカバリ制御部111と、確認イメージ作成部112と、記憶装置113とを備える。
【0023】
クライアント通信部101は、クライアント端末2との間で通信を行い、クライアント端末2から印刷ジョブを受信する。
【0024】
PDL処理部102は、PDLデータを解釈し、この解釈に基づいてPDLデータをラスターイメージデータに展開する。
【0025】
印刷イメージ生成部103は、ラスターイメージデータを画像出力部12に適合するようにCMYK形式への変換等を行う。
【0026】
出力制御部104は、印刷イメージ生成部103によって生成された印刷イメージを、画像出力部12と同期を取りながら画像出力部12への出力処理を行う。
【0027】
ジャム検知部105は、画像出力部12に設けられた後述する複数の用紙検出センサ14から出力される用紙検出信号の時間間隔が所定値以上になったとき、ジャムが発生したことを検知し、ジャムが発生した位置を示すジャム検知信号をジョブ制御部110に出力する。なお、ジャム検知部105は、用紙検出センサ14から用紙検出信号が所定の時間以上到来しないことで、ジャムが発生したことを検知してもよい。
【0028】
ジョブ制御部110は、クライアント端末2からクライアント通信部101を介して印刷ジョブを受信して、印刷ジョブを記憶装置113に一旦格納して管理するとともに、プリンタコントローラ10の各部を制御して印刷ジョブの印刷処理を実行する。また、ジョブ制御部110は、ジャム検知部105からジャム検知信号を受信したとき、印刷処理を中断する。
【0029】
ジャムリカバリ制御部111は、ジャムの発生によって中断した印刷処理を再開するための制御を行う。ジョブ制御部110及びジャムリカバリ制御部111は、CPU、ROM、RAM等から構成され、CPUは、ROMに記憶された図3に示すような画像処理プログラムに従って動作することにより、再開手段、出力処理手段及び出力制御手段として機能する。
【0030】
確認イメージ作成部112は、ジャムリカバリ制御部111からの再開情報に基づいて、印刷を再開させるページの前後Nページを1ページにレイアウトした確認イメージを作成する。この確認イメージには、ジャム発生時刻、印刷を再開させるページ、印刷ジョブの内容(ジャム名)等の情報が含まれる。なお、確認イメージに含まれる情報は、これらに限定されない。
【0031】
確認イメージが印刷される確認用用紙のサイズは、印刷ジョブで指定された用紙サイズよりも横、縦ともに大きいものを用いるとよい。なお、確認用用紙のサイズは、横又は縦の一方が印刷ジョブで指定された用紙サイズよりも大きいものを用いてもよい。
【0032】
記憶装置113は、例えば、ROM、RAM、HDD等によって構成される。
【0033】
(コントロールパネル)
コントロールパネル11は、入力や表示を行う液晶タッチパネルと、ジャム等により中断した印刷処理の再開を指示するスタートキー、印刷処理を強制的に中断させるためのストップキー等のハードキー部とを備える。
【0034】
(画像出力部)
画像出力部12は、印刷データを用紙に印刷して出力するものであり、電子写真方式、インクジェット方式等を用いることができる。画像出力部12は、用紙サイズの異なる用紙(確認用用紙を含む)を収容する複数の用紙トレイと、用紙トレイから用紙を印刷位置に搬送するとともに、画像が印刷された用紙を排出トレイに搬送する搬送部と、搬送経路の各部に配置された複数の用紙検出センサ14とを備える。用紙検出センサ14は、用紙を検出したときに用紙検出信号をジャム検知部105に出力するものであり、例えば、フォトセンサを用いることができる。
【0035】
(後処理部)
後処理部13は、画像出力部12により印刷された用紙に対し、印刷ジョブに含まれる印刷指示情報に後処理を行うことが記述されている場合には、指定されたステープル、パンチ、ソート等の後処理を行う。
【0036】
(プリンタシステムの動作)
図3は、プリンタシステムの動作を示すフローチャートである。
【0037】
(1)印刷ジョブの実行
クライアント端末2は、ユーザによりプリントドライバから印刷指示が行われたとき、文書データとユーザの印刷指示情報をPDL形式の印刷ジョブに変換し、プリンタ1に送信する。
【0038】
プリンタ1のジョブ制御部110は、クライアント端末2からクライアント通信部101を介して印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブを記憶装置113に格納する。ジョブ制御部110は、記憶装置113に格納した印刷ジョブに対する印刷処理を順次実行する。
【0039】
ジョブ制御部110は、Npageに1をセットする(S10)。PDL処理部102は、ジョブ制御部110の制御の下に、NpageのPDLデータを解釈し、PDLデータをラスターイメージデータに展開し(S11)、ラスターイメージデータを記憶装置113に保存する(S12)。印刷イメージ生成部103は、ラスターイメージデータを画像出力部12に適合するようにCMYK形式への変換等を行う。出力制御部104は、印刷イメージ生成部103によって生成された印刷イメージを画像出力部12に出力する。画像出力部12は、出力制御部104から出力された印刷イメージを印刷ジョブで指定された用紙に印刷して出力する(S13)。
【0040】
ジョブ制御部110は、ジャムが発生したか否かを判断し(S14)、ジャムが発生していない場合は(S14:No)、最終ページか否か、すなわちNpage=Nか否かを判断し(S15)、最終ページでない場合は(S15:No)、NpageにNpage+1をセットし(S16)、上記ステップS11〜S15を行う。最終ページまで印刷が終了すると(S15:Yes)、ジョブ制御部110は、記憶装置113に記憶されている当該印刷ジョブを削除する(S17)。
【0041】
(2)ジャム発生後の動作
上記ステップS14において、ジャム検知部105が用紙のジャムを検知すると(S14:Yes)、ジャムが発生した位置を示すジャム検知信号をジョブ制御部110に出力する。ジョブ制御部110は、ジャム検知信号を受信したとき、再開指令信号が入力されるまで印刷ジョブに対する印刷処理を中断する。また、ジョブ制御部110は、ジャムが発生すると、メッセージをコントロールパネル11の液晶タッチパネルに表示する。メッセージには、ジャムが発生した位置や、ジャム対処方法等が含まれる。
【0042】
ユーザは、コントロールパネル11の液晶タッチパネルに表示されたジャム対処方法に従い、ジャムの発生により搬送路に存在する用紙を取り出し、コントロールパネル11のスタートボタンを押下する。コントロールパネル11は、スタートボタンの押下により、再開指令信号をジョブ制御部110に送信する。
【0043】
PDL処理部102は、ジョブ制御部110の制御の下に、Npage+1のPDLデータを解釈し、PDLデータをラスターイメージデータに展開し(S18)、ラスターイメージデータを記憶装置113に保存する(S19)。PDL処理部102は、ジョブ制御部110の制御の下に、Npage+2のPDLデータを解釈し、PDLデータをラスターイメージデータに展開し(S20)、ラスターイメージデータを記憶装置113に保存する(S21)。
【0044】
ジョブ制御部110は、再開指令信号に基づいて、ジャムが発生した時刻、位置等のジャムに関するジャム情報をジャムリカバリ制御部111に送り、ジャムリカバリ制御部111にジャムリカバリ処理を実行させる。
【0045】
ジャムリカバリ制御部111は、ジャム情報に基づき印刷を再開させるページを決定する。また、ジャムリカバリ制御部111は、決定した印刷を再開させるページの情報を含む再開情報を確認イメージ作成部112に出力して確認イメージを作成させる。
【0046】
確認イメージ作成部112は、再開情報に基づいて確認イメージを作成する(S22)。
【0047】
印刷可能か否かを判断し(S23)、印刷可能な場合、すなわちコントロールパネル11からの再開指令信号を受信している場合は(S23:Yes)、Nに0をセットし(S24)、確認イメージを印刷する(S25)。
【0048】
(確認イメージの具体例)
図2は、確認イメージの一例を示し、(a)は、印刷物を示す斜視図、(b)は、確認用用紙に印刷した確認イメージを示す正面図である。
【0049】
確認用用紙122Aは、印刷ジョブで指定された用紙(ジョブ指定用紙)121のサイズよりも横、縦ともに大きくすると良い。例えば、印刷ジョブで指定された用紙サイズが、A4(210×297mm)の場合は、220×307mmとする。
【0050】
確認イメージ10Aは、印刷を再開させるページの前後3ページ、ここでは、印刷を再開させる位置の前の20〜22ページと印刷を再開させる位置の後の23〜25ページのページイメージ123a,123bを含み、印刷を再開させる位置の前後1ページ(22、23ページ)のページイメージ123aは、他のページ(20、21、24、25ページ)のページイメージ123bよりも大きく表示される。また、確認イメージ120Aには、ジャムが発生した時刻(2月25日 12:45)と、印刷を再開させる位置(22Pageと23Pageの間)からなる再開情報124が含まれる。ここで、確認イメージ10Aに含ませるページの範囲は、印刷を再開させるページの前後3ページとする代わりに、再開するページを含むプリンタ1の特性に応じた所定の範囲のページ、たとえば、印刷が中断した際にプリンタ1内に滞留していた用紙に対応する範囲のページにしても良い。
【0051】
確認イメージ120Aを印刷した後は(S25)、正常に印刷したか否かを判断し(S26)、正常に印刷した場合は(S26:Yes)、Npage+Nを印刷する(S27)。正常に印刷したか否かを判断し(S28)、正常に印刷した場合は(S28:Yes)、NにN+1をセットする(S29)。N=3に達したか否かを判断し(S30)、N=3に達すると(S30:Yes)、NpageにNpage+2をセットし(S31)、上記ステップS15へ進む。
【0052】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、1種類の確認用用紙を用いる場合について説明したが、この第2の実施の形態では、複数種の確認用用紙を用いる場合について説明する。また、第1の実施の形態では、確認イメージの印刷出力は、中断した印刷処理を再開するに先立って出力したが、この第2の実施の形態では、印刷処理が終了した後に、出力するモードも有するものである。
【0053】
図4〜図7は、第2の実施の形態に係る確認イメージの一例を示す図、図8は、第2の実施の形態に係るジャム処理を示すフローチャート、図9は、第2の実施の形態に係るジョブ終了処理を示すフローチャートである。
【0054】
印刷を再開する位置に確認用用紙を挟むか否かを判断する(S40)。印刷を再開する位置に確認用用紙を挟む場合は(S40:Yes)、大きな用紙を混在可能か否かを判断し(S41)、大きな用紙を混在可能な場合は(S41:Yes)、図2に示すように、大きな用紙122Aでの処理を行う(S42)。
【0055】
大きな用紙122Aを混在可能でない場合は(S41:No)、色紙の使用が可能か否かを判断し(S43)、色紙の使用が可能の場合は(S43:Yes)、図4に示すように、色紙の確認用用紙122Bに確認イメージ120Aを印刷する色紙122Bでの処理を行う(S44)。確認イメージ120Aの内容は、図2(b)で説明したのと同様である。
【0056】
色紙122Bの使用が可能でない場合は(S43:No)、縁取り処理が可能か否かを判断し(S45)、縁取り処理が可能な場合は(S45:Yes)、図5に示すように、黒枠等の縁取り125を有する確認用用紙122Cに確認イメージ120Aを印刷する縁取りでの処理を行う(S46)。確認イメージ120AA内容は、図2(b)で説明したのと同様である。縁取り125の色は、黒以外の他の色でもよい。なお、図4に示す確認用用紙122Bや、図5に示す確認用用紙122Cは、予め専用の用紙トレイにセットしておいてもよく、ジョブ指定用紙121に印刷処理時に着色して確認用用紙として用いてもよい。
【0057】
上記ステップS40において、印刷を再開する位置に確認用用紙を挟まない場合は(S40:N0)、ジャム情報を記憶装置113に記録し(S47)、終了時リカバリ処理要をONにセットする(S48)。
【0058】
ジャム発生後の印刷処理した後、終了時リカバリ処理要がONにセットされているか否かを判断し(S50)、終了時リカバリ処理要がONにセットされている場合は(S50:Yes)、印刷の実施が可能か否かを判断し(S51)、印刷の実施が可能な場合は(S51:Yes)、図6に示すように、再開情報を印刷する(S52)。N部を印刷する場合に、同じページを連続して印刷するスタック印刷のような場合は、印刷を再開するページの前後のページを印刷しても意味がないため、ジャムで中断した残りの印刷イメージを印刷した後、確認イメージを印刷する。図6に示す確認イメージ120Bの場合は、例えば、確認イメージ120Bに、ジョブ指定用紙121に印刷を再開させるページのページイメージ123aと、再開情報124とを含める。
【0059】
印刷の実施が可能でない場合は(S51:No)、コントロールパネル11に表示可能か否かを判断し(S53)、コントロールパネル11に表示可能な場合は(S53:Yes)、例えば、図6に示す確認イメージ120Bのコントロールパネル11への表示処理を行う(S54)。廃棄される確認イメージの印刷物を無くすため、コントロールパネル11に表示する場合が該当する。
【0060】
コントロールパネル11に表示可能でない場合は(S53:No)、クライアント端末2で表示可能か否かを判断し(S55)、コントロールパネル11の液晶タッチパネルの解像度が十分でなく、クライアント端末2で表示可能な場合は(S55:Yes)、図7に示すように、クライアント端末2のディスプレイ20にWebブラウザを用いて確認イメージ120Cを表示する(S56)。
【0061】
上記ステップS50において、終了時リカバリ処理要がONにセットされていない場合は(S50:No)、及びクライアント端末2で表示可能でない場合は(S55:No)、ジョブ終了処理は終了する。
【0062】
[変形例1]
図10は、確認イメージの変形例1を示す図である。印刷物の間に確認イメージを印刷して出力することが困難な場合、例えば、ステープル等の後処理を行う場合、印刷ジョブで指定された用紙が色紙や、用紙サイズが混在する場合、プリンタが用紙の端に印字できないものである場合等においては、ジャムで中断した印刷ジョブを実行した後に、図10に示すように、確認イメージ120Aを印刷する。
【0063】
[変形例2]
図11は、確認イメージの変形例2を示す図である。同図に示す確認イメージ120Dは、視覚的にジャムが発生した位置が分かるように、図2に示す確認イメージ120Aに印刷物とジャム発生位置を示す矢印及び文言(このあたり)を付加したものである。
【0064】
[変形例3]
図12は、確認イメージの変形例3を示す図である。プリンタの種類によっては、ジャムが発生したとき、印刷を再開させたページから所定のページ数だけ後又は前の位置に印刷不良が発生するというプリンタ固有の特性を有する場合がある。このような場合に、図12に示すように、確認用用紙122Aの表面に確認イメージ120Aを印刷し、確認用用紙122Aの裏面に付加的な確認イメージ120Eを印刷する。付加的な確認イメージ120Eには、印刷を再開する位置から所定のページ数だけ後又は前(同図の場合は7ページ後)の最も確認して欲しいページイメージ123aを大きく表示し、その他のページイメージ123bを小さく表示する。
【0065】
図13は、変形例3に係るプリンタのペーパパスを示す。同図において、P1〜P3は、用紙の待機位置を示し、A1〜A7は、用紙の搬送方向を示す。用紙トレイ21からフィードされた用紙は、ペーパパスPSに沿って方向A1、A2へと搬送され、用紙の表面に転写ドラム23によりトナー像が転写された後、方向A3へと搬送され、反転部24で用紙が反転されて方向A4、A5、A6、A2へと搬送され、用紙の裏面に転写ドラム23によりトナー像が転写された後、方向A7と搬送されて排出トレイ25に排出される。このようなペーパパスPSを有するプリンタの場合は、ペーパパスPS上に同時に用紙が3枚流れるようになる。このような構成のプリンタにジャムが発生すると、印刷を再開させたページから所定のページ数後又は前のページも画像転写不良等のページとなるという特性を有する。
【0066】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々な変形が可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で各実施の形態間の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0067】
例えば、上記各実施の形態では、画像形成動作が中断する例として、ジャムについて説明したが、停電等による中断でもよい。
【0068】
また、図2、図4、図5等において、印刷順序を1ページからとしたが、Nページからでもよい。
【0069】
また、上記各実施の形態において確認イメージを印刷する用紙は、他の実施の形態で用いた用紙(確認用用紙又はジョブ指定用紙)を用いてもよい。
【0070】
また、上記各実施の形態では、再開手段及び作成手段を、CPUと画像処理プログラムによって実現したが、それらの一部または全部を特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific IC)等のハードウェアによって実現してもよい。
【0071】
また、上記各実施の形態で使用されるプログラムは、CD−ROM等の記録媒体から装置内の記憶部に読み込んでもよく、インターネット等のネットワークに接続されているサーバ等から装置内の記憶部にダウンロードしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタシステムのブロック図である。
【図2】図2は、確認イメージの一例を示し、(a)は、印刷物を示す斜視図、(b)は、確認用用紙に印刷した確認イメージを示す正面図である。
【図3】図3は、プリンタシステムの動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る確認イメージの一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る確認イメージの一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る確認イメージの一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態に係る確認イメージの一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態に係るジャム処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態に係るジョブ終了処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、確認イメージの変形例1を示す図である。
【図11】図11は、確認イメージの変形例2を示す図である。
【図12】図12は、確認イメージの変形例3を示す図である。
【図13】図13は、変形例3に係るプリンタのペーパパスを示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 プリンタ
2 クライアント端末
10 プリンタコントローラ
11 コントロールパネル
12 画像出力部
13 後処理部
14 用紙検出センサ
20 ディスプレイ
21 用紙トレイ
22 レジストレーションゲート
23 転写ドラム
24 反転部
25 排出トレイ
101 クライアント通信部
102 PDL処理部
103 印刷イメージ生成部
104 出力制御部
105 ジャム検知部
110 ジョブ制御部
111 ジャムリカバリ制御部
112 確認イメージ作成部
113 記憶装置
120A〜120E 確認イメージ
121 ジョブ指定用紙
122A〜122C 確認用用紙
123a,123b ページイメージ
124 ジャム情報
125 縁取り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置に中断した印刷処理を再開させる再開手段と、
前記印刷処理を再開させるページの画像の縮小画像と前記印刷処理を再開させるページの情報とを含む再開情報の出力処理を行う出力処理手段とを備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記再開情報は、前記印刷処理を再開するページを含む所定の範囲のページの画像の縮小画像も含む請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記再開情報が含む前記所定の範囲のページは、前記印刷装置の特性に応じた範囲のページである請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記再開情報は、前記印刷処理を再開させるページに対して前記印刷装置の特性に応じた所定のページ数だけ後又は前のページの画像の縮小画像を含む請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
印刷処理を行う印刷手段と、
前記印刷手段に中断した印刷処理を再開させる再開手段と、
前記印刷処理を再開させるページの画像の縮小画像と前記印刷処理を再開させる位置の情報とを含む再開情報の出力制御を行う出力制御手段とを備えた印刷システム。
【請求項6】
印刷装置に中断した印刷処理を再開させる再開ステップと、
前記印刷処理を再開させるページの画像の縮小画像と前記印刷処理を再開させるページの情報とを含む再開情報の出力制御を行う出力制御ステップとをコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−78476(P2009−78476A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250311(P2007−250311)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】