説明

画像処理装置、画像処理制御プログラム

【課題】
動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、その画像処理を効率良く実行させることのできる画像処理装置、画像処理制御プログラムを提供する。
【解決手段】
画像処理手段に第1の画像処理と第2の画像処理とを連続して実行させる場合に、画像処理手段が第1の画像処理を実行中に、設定情報の書き込みと印刷情報の書き込みを行い、画像処理手段による第1の画像処理が終了した際に、第2の画像処理の実行開始を指示し、画像処理手段が第2の画像処理を実行中に、第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の情報処理装置に、ハードウェアで情報処理を行う外部装置を増設し、その外部装置で情報処理を行わせ、情報処理の高速化を図ることがある。
【0003】
また、外部装置に情報処理を行わせる際に、外部装置のメモリに対するデータ書き込みとデータ読み出しを同時並行的に行うことで、外部装置を効率的に利用することもできるが、この場合には、データ書き込みとデータ読み出しの対象となるメモリ等が重複する可能性がある。
【0004】
このため、画像メモリに対して、同時並行的にデータ書き込み及びデータ読み出しを行う際、読み込み/書き込みが重なることを防ぐため、両者のアクセスアドレスの差が一定値以下になった場合、アドレス接近信号を発信する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−76050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、その画像処理を効率良く実行させることのできる画像処理装置、画像処理制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、動的に構成を変更し、該変更した構成に応じた画像処理を実行する画像処理手段と、前記画像処理手段の構成の変更を設定する設定情報と、前記画像処理手段による画像処理に利用する印刷情報と、前記画像処理手段による画像処理で生成された画像情報とを記憶する記憶手段と、前記設定情報を前記記憶手段に書き込む設定情報書き込み手段と、前記印刷情報を前記記憶手段に書き込む印刷情報書き込み手段と、前記画像情報を前記記憶手段から読み込む画像情報読み込み手段と、前記画像処理手段に対して画像処理の実行開始を指示する指示手段とを具備し、前記画像処理手段に第1の画像処理と第2の画像処理とを連続して実行させる場合に、前記画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に、前記設定情報書き込み手段により前記第2の画像処理に対応する設定情報の書き込みを行うとともに前記印刷情報書き込み手段により前記第2の画像処理に利用する印刷情報の書き込みを行い、前記画像処理手段による前記第1の画像処理が終了した際に、前記指示手段による前記第2の画像処理の実行開始を指示し、前記画像処理手段が前記第2の画像処理を実行中に、前記画像情報読み込み手段により前記第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを行うことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、前記処理前情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理前情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理前情報記憶領域とに分別され、前記処理後情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理後情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理後情報記憶領域とに分別されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、前記設定情報書き込み手段および前記印刷情報書き込み手段は、前記画像処理手段から該画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に前記処理前情報記憶領域の参照を終了した旨の通知を受けたことを条件に、それぞれ、前記第2の画像処理に対応する設定情報と前記第2の画像処理に対応する印刷情報とを前記処理前情報記憶領域に書き込み、前記画像処理手段は、前記第2の画像処理を実行中に、前記画像情報読み込み手段が前記第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを終了したことを確認し、該確認後に前記第2の画像処理で生成した画像情報を前記処理後情報記憶領域に記憶させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、動的に構成を変更し、該変更した構成に応じた画像処理を実行する画像処理手段に配設され、該画像処理手段の構成の変更を設定する設定情報と、該画像処理手段による画像処理に利用する印刷情報と、該画像処理手段による画像処理で生成された画像情報とを記憶する記憶手段に、前記設定情報を書き込む設定情報書き込み処理と、前記印刷情報を前記記憶手段に書き込む印刷情報書き込み処理と、前記画像情報を前記記憶手段から読み込む画像情報読み込み処理と、前記画像処理手段に対して画像処理の実行開始を指示する指示処理とをコンピュータに実行させ、前記画像処理手段に第1の画像処理と第2の画像処理とを連続して実行させる場合に、前記画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に、前記設定情報書き込み処理により前記第2の画像処理に対応する設定情報の書き込みを行うとともに前記印刷情報書き込み処理により前記第2の画像処理に利用する印刷情報の書き込みを行い、前記画像処理手段による前記第1の画像処理が終了した際に、前記指示処理による前記第2の画像処理の実行開始を指示し、前記画像処理手段が前記第2の画像処理を実行中に、前記画像情報読み込み処理により前記第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、前記処理前情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理前情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理前情報記憶領域とに分別され、前記処理後情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理後情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理後情報記憶領域とに分別され、前記設定情報書き込み処理は、前記第1の画像処理に対応する設定情報を前記第1の処理前情報記憶領域に書き込み、前記第2の画像処理に対応する設定情報を前記第2の処理前情報記憶領域に書き込み、前記印刷情報書き込み処理は、前記第1の画像処理に対応する印刷情報を前記第1の処理前情報記憶領域に書き込み、前記第2の画像処理に対応する印刷情報を前記第2の処理前情報記憶領域に書き込み、前記画像情報読み込み処理は、前記第1の画像処理に対応する画像情報を前記第1の処理後情報記憶領域から読み込み、前記第2の画像処理に対応する画像情報を前記第2の処理後情報記憶領域から読み込むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、前記設定情報書き込み処理および前記印刷情報書き込み処理は、前記画像処理手段から該画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に前記処理前情報記憶領域の参照を終了した旨の通知を受けたことを条件に、それぞれ、前記第2の画像処理に対応する設定情報と前記第2の画像処理に対応する印刷情報とを前記処理前情報記憶領域に書き込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、本構成を有さない場合に比較して、その画像処理を効率良く実行させることが可能となる。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、印刷情報や画像情報が破壊されることを防止することが可能となる。
【0015】
また、請求項3の発明によれば、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、該画像処理手段が利用可能な記憶手段の記憶容量を低減することなく、印刷情報や画像情報が破壊されることを防止することが可能となる。
【0016】
また、請求項4の発明によれば、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、本構成を有さない場合に比較して、その画像処理を効率良く実行させることが可能となる。
【0017】
また、請求項5の発明によれば、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、印刷情報や画像情報が破壊されることを防止することが可能となる。
【0018】
また、請求項6の発明によれば、動的に構成の変更が可能な画像処理手段に連続して画像処理を実行させる際に、該画像処理手段が利用可能な記憶手段の記憶容量を低減することなく、印刷情報や画像情報が破壊されることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】画像処理装置3の構成例を示した図である。
【図3】画像処理装置3の機能的な構成の例を示すブロック図である。
【図4】DRP38の動作を説明するための図である。
【図5】DRP38に連続して処理を実行させる場合の動作を説明するための図である。
【図6】記憶部39の利用例を示した図である。
【図7】画像処理制御部134の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】画像処理制御部134の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】DRP38の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る画像処理装置、画像処理制御プログラムの一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、画像形成システムの構成例を示したブロック図である。同図に示す画像形成システムは、ホスト装置1と、管理装置2、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−K、画像形成装置4により構成される。
【0022】
ホスト装置1は、画像形成に必要な印刷情報を出力する。
【0023】
管理装置2は、印刷情報を、Y色(イエロー)、M色(マゼンタ)、C色(シアン)、K色(ブラック)に分離し、それぞれを、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kに出力する。また、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kの動作の管理等も行う。
【0024】
画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kは、それぞれ、印刷情報を画像情報に変換する処理や、画像情報に基づいてページ情報を作成する処理、画像形成装置の担当色部分の制御等を行う。
【0025】
画像形成装置4は、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kのそれぞれから入力されたページ情報に基づいて、用紙上に画像を形成する。
【0026】
次に、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kについて、説明する。なお、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kは、いずれも、同等の構成および機能を有するため、以下では、1つの画像処理装置についてのみ説明する。また、以下に説明する画像処理装置は、他の画像形成システム、例えば、全色の画像処理を1台の画像処理装置で行うもの等に利用することもできる。
【0027】
図2は、画像処理装置3の構成例を示した図である。なお、同図に示す画像処理装置3は、画像処理装置3−Y、画像処理装置3−M、画像処理装置3−C、画像処理装置3−Kに相当するものである。
【0028】
同図に示すように、画像処理装置3は、演算部31と、記憶部32、一時記憶部33、記憶装置34、入出力装置接続部35、通信部36、形成装置接続部37、複数のDRP38(38−1〜38−n)を有している。
【0029】
演算部31は、、演算処理を行うもので、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実現されるものである。
【0030】
記憶部32は、プログラムや設定情報等を記憶するもので、例えばROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(Nonvolatile Memory)等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0031】
一時記憶部33は、演算部31が演算処理を行う際の作業領域等に用いられ情報等を一時的に記憶するもので、例えばRAM(Random Access Memory)等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0032】
記憶装置34は、プログラムや設定情報、印刷情報、画像情報等を記憶するもので、磁気ディスクや半導体記憶素子で実現されるものである。
【0033】
入出力装置35は、ユーザインタフェイスとして利用するモニタ装置やキーボードやポインティングデバイス等の入力装置を接続するためのインタフェイスであり、集積回路やコネクタ等で実現されるものである。
【0034】
通信部36は、管理装置2との間で情報等の授受を行う際の通信用のインタフェイスであり、集積回路やコネクタ等で実現されるものである。
【0035】
形成装置接続部37は、画像形成装置4との間で情報等の授受を行う際の通信用のインタフェイスであり、集積回路やコネクタ等で実現されるものである。
【0036】
DRP38−1〜DRP38−nは、いずれも、画像処理を行うプロセッサであり、具体的には、動的に再構成が可能なプロセッサであるDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)である。このDRPは、内部データパスを動的に変更することができ、様々な画像処理を行うことができるものである。
【0037】
続いて、画像処理装置3の機能的な構成について説明する。図3は、画像処理装置3の機能的な構成の例を示すブロック図である。
【0038】
同図に示すように、画像処理装置3は、印刷情報受付部131と、保存部132、画像情報出力部133、画像処理制御部134、DRP制御部135の各機能を有している。 これらの各機能部は、記憶装置34に記憶されたプログラムに従って、演算部31等が動作することで実現される。また、各機能部は、必要に応じて、記憶装置34や、通信部36、形成装置接続部37等を実現する。なお、記憶装置34に記憶するプログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の光記憶媒体または他の媒体等を介して提供することができ、ネットワークを介して提供することもできる。
【0039】
印刷情報受付部131は、管理装置2が送信した印刷情報を受信して受け付ける。印刷情報の受信に際しては、通信部36を利用する。
【0040】
保存部132は、印刷情報受付部131が受け付けた印刷情報や、当該印刷情報に基づいて、DRP38が生成した画像情報等を保存する。これら情報の保存場所には、記憶装置34を利用する。
【0041】
画像情報出力部133は、DRP38で生成され、保存部132に保存された画像情報を、画像形成装置4の動作に応じて出力する。画像情報の出力に際しては、形成装置接続部37を利用する。
【0042】
画像処理制御部134は、複数のDRP38のそれぞれに対して、画像処理を実行させる印刷情報の振り分け等の処理を行う。また、各DRP38で生成された画像情報を保存部132に出力する。
【0043】
DRP制御部135は、複数のDRP38のそれぞれを制御する。具体的には、DRP38のそれぞれに対して、実行させる画像処理の内容に応じた設定を行わせるための命令の送出、画像処理対象となる印刷情報の書き込み、画像処理の結果生成された画像情報の読み込み等を行う。
【0044】
なお、ここでは、ホスト装置1から管理装置2を介して送信された情報を印刷情報とし、画像形成装置4に出力する情報を画像情報として説明しているが、厳密には、DRP38に入力する情報を印刷情報とし、DRP38から出力する情報を画像情報とする。つまり、画像処理の内容によっては、DRP38から出力された画像情報を、再度、印刷情報として用いる場合もあることを意味している。
【0045】
次に、DRP38の動作について、その概略を説明する。図4は、DRP38の動作を説明するための図である。
【0046】
同図(a)に示すように、DRP38は、最初に、受け取った命令に応じて画像処理の内容に応じた設定を行う。この設定は、内部データパスを変更することで実現される。続いて、DRP38は、処理対象の情報である印刷情報等の書き込みを受け付け、その後に、当該印刷情報に対して設定内容に応じた画像処理を行い画像情報を生成する。そして、生成した画像情報の読み込みに応じる。DRP38は、これらの処理を繰り返し行うこととなる。
【0047】
また、同図(b)に示すように、DRP38は、そのそれぞれに、記憶部39が設けられている。この記憶部39は、RAM等の半導体記憶素子であり、印刷情報を記憶する処理前用領域39A、DRP38の画像処理中に一時的に記憶される中間情報を記憶する処理中用領域39B、画像処理結果である画像情報を記憶する処理後用領域39Cとして利用される。
【0048】
ここで、DRP38に連続して処理を実行させる場合を考える。DRP38に対して、単純に処理を連続して実行させるとすれば、DRP38に図5(a)に示すような動作を行わせることとなる。
【0049】
しかしながら、DRP38は、画像処理を実行中に、画像処理の設定や印刷情報の書き込み、画像情報の読み込みを行うことができる。したがって、DRP38を図5(b)に示すような動作を行わせることで、DRP38による画像処理を効率よく行わせることが可能となる。
【0050】
ただし、DRP38が記憶部39の処理前用領域39Aに記憶されている情報を読み出して処理を行っている最中に、次の画像処理の設定や印刷情報の書き込みを行ったとすると、処理中の印刷情報が破壊されることとなり、また、画像処理制御部134が記憶部39の処理後用領域39Cから画像情報を読み込んでいる最中に、DRP38が処理後用領域39Cに次の画像情報を書き出すと、画像処理制御部134が読み込んでいる画像情報が破壊されることとなる。
【0051】
この印刷情報や画像情報の破壊を防止するため、実施例1では、記憶部39を2つの領域に分けて利用する場合を説明する。
【0052】
図6は、記憶部39の利用例を示した図である。同図(a)に示すように、記憶部39は、印刷情報を記憶する処理前用領域39D、中間情報を記憶する処理中用領域39E、画像情報を記憶する処理後用領域39F、印刷情報を記憶する処理前用領域39G、中間情報を記憶する処理中用領域39H、画像処理結果である画像情報を記憶する処理後用領域39Iとして利用される。なお、以下では、説明の便宜上、処理前用領域39D、処理中用領域39E、処理後用領域39FをU側(Up Side)、処理前用領域39G、処理中用領域39H、処理後用領域39IをD側(Down Side)と称する。
【0053】
このように、記憶部39をU側とD側に分け、これらを交互に利用することで、印刷情報や画像情報の破壊を防止する。
【0054】
また、処理中用領域は、DRP38のみが中間情報の読み出し、書き出しを行うため、2つに分けなくても中間情報が破壊されることはないため、図6(b)に示すように、記憶部39を、印刷情報を記憶する処理前用領域39J、画像情報を記憶する処理後用領域39K、中間情報を記憶する処理中用領域39L、印刷情報を記憶する処理前用領域39M、画像情報を記憶する処理後用領域39Nとして利用するようにしてもよい。
【0055】
続いて、記憶部39をU側とD側に分けた場合の画像処理制御部134の動作について説明する。図7は、画像処理制御部134の動作の流れを示すフローチャートである。
【0056】
画像処理制御部134は、DRP38の制御処理を開始し、処理対象である印刷情報が保存部132に存在すれば(ステップ201でYES)、DRP38の状態を確認する。確認の結果、DRP38が停止中であれば(ステップ202で停止中)、記憶部39のU側の処理前用領域39Dを利用して、画像処理の準備、つまり、処理前用領域39DにDRP38に対する設定と印刷情報の書き込みを行い(ステップ203)、続けて、DRP38に記憶部39のU側を利用しての画像処理の開始を指示して(ステップ204)、ステップ201の処理に戻る。
【0057】
一方、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在し(ステップ201でYES)、DRP38の状態が記憶部39のU側を利用した画像処理の最中であれば(ステップ202でU側処理中)、記憶部39のD側の処理前用領域39Gを利用して、DRP38に次に実行させる画像処理の準備、つまり、処理前用領域39GにDRP38に対する設定と印刷情報の書き込みを行い(ステップ205)、記憶部39のU側を利用した画像処理の完了を待つ(ステップ206でNO)。そして、記憶部39のU側を利用した画像処理が完了すると(ステップ206でYES)、DRP38に記憶部39のD側を利用しての画像処理の開始を指示し(ステップ207)、画像処理が完了したU側の画像情報を処理後用領域39Fから読み込み(ステップ208)、その読み込みを終えると、ステップ201の処理に戻る。
【0058】
また、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在し(ステップ201でYES)、DRP38の状態が記憶部39のD側を利用した画像処理の最中であれば(ステップ202でD側処理中)、記憶部39のU側の処理前用領域39Dを利用して、DRP38に次に実行させる画像処理の準備、つまり、処理前用領域39DにDRP38に対する設定と印刷情報の書き込みを行い(ステップ209)、記憶部39のD側を利用した画像処理の完了を待つ(ステップ210でNO)。そして、記憶部39のD側を利用した画像処理が完了すると(ステップ210でYES)、DRP38に記憶部39のU側を利用しての画像処理の開始を指示し(ステップ211)、画像処理が完了したD側の画像情報を処理後用領域39Iから読み込み(ステップ212)、その読み込みを終えると、ステップ201の処理に戻る。
【0059】
また、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在していなければ(ステップ201でNO)、DRP38の状態が記憶部39のU側またはD側を利用した画像処理の最中であれば(ステップ213でYES)、その画像処理の完了を待ち(ステップ214でNO)、画像処理が完了すると(ステップ214でYES)、画像処理が完了したU側またはD側の画像情報を、処理後用領域39Fまたは処理後用領域39Iから読み込み(ステップ215)、DRP38の制御処理を終了する。
【0060】
一方、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在していない場合に(ステップ201でNO)、DRP38が停止中であれば(ステップ213でNO)、DRP38の制御処理を終了する。
【実施例2】
【0061】
実施例1では、記憶部39をU側とD側に分け、これらを交互に利用することで、印刷情報や画像情報の破壊を防止する例を説明したが、実施例2では、記憶部39を図4(b)に示したように、印刷情報を記憶する処理前用領域39A、中間情報を記憶する処理中用領域39B、画像情報を記憶する処理後用領域39Cとして利用し、画像制御部134による処理前用領域39Aに対する印刷情報の書き込みと、DRP38による処理後用領域39Cに対する画像情報の書き出しを制限することで、印刷情報や画像情報の破壊を防止する例を説明する。
【0062】
実施例2における画像処理制御部134は、DRP38から割り込みによる処理前用領域39Aの解放の通知を受けたことを条件に、処理前用領域39Aに印刷情報を書き込む処理を行う。
【0063】
一方、DRP38は、画像処理の過程において、処理前用領域39Aに記憶されている印刷情報を参照する必要が無くなった際に、割り込みにより、処理前用領域39Aの解放を画像処理制御部134に通知し、処理後用領域39Cに記憶している画像情報が画像制御部134により読み込まれたことを確認した後に、画像処理で生成した画像情報を、処理後用領域39Cに書き出す処理を行う。
【0064】
次に、画像処理制御部134の動作について説明する。図8は、画像処理制御部134の動作の流れを示すフローチャートである。
【0065】
画像処理制御部134は、DRP38の制御処理を開始し、処理対象である印刷情報が保存部132に存在すれば(ステップ301でYES)、DRP38の状態を確認する。確認の結果、DRP38が停止中であれば(ステップ302でNO)、画像処理制御部134は、画像処理の準備、つまり、処理前用領域39AにDRP38に対する設定と印刷情報の書き込みを行い(ステップ303)、続けて、DRP38に画像処理の開始を指示して(ステップ304)、ステップ301の処理に戻る。
【0066】
一方、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在し(ステップ301でYES)、DRP38の状態を確認した際に、DRP38が画像処理の最中であれば(ステップ302でYES)、DRP38から処理前用領域39Aの解放の通知が来るのを待ち(ステップ305でNO)、DRP38から処理前用領域39Aの解放の通知が来ると(ステップ305でYES)、DRP38に次に実行させる画像処理の準備、つまり、処理前用領域39AにDRP38に対する設定と印刷情報の書き込みを行い(ステップ306)、DRP38の画像処理の完了を待つ(ステップ307でNO)。
【0067】
そして、DRP38の画像処理が完了すると(ステップ307でYES)、画像処理制御部134は、DRP38に次の画像処理の開始を指示し(ステップ308)、画像処理が完了した画像情報を処理後用領域39Cから読み込み(ステップ309)、その読み込みを終えると、ステップ301の処理に戻る。
【0068】
また、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在していなければ(ステップ301でNO)、DRP38の状態が画像処理の最中であれば(ステップ310でYES)、その画像処理の完了を待ち(ステップ311でNO)、画像処理が完了すると(ステップ311でYES)、画像処理が完了した画像情報を処理後用領域39Cから読み込み(ステップ312)、DRP38の制御処理を終了する。
【0069】
一方、画像処理制御部134は、処理対象である印刷情報が保存部132に存在していない場合に(ステップ301でNO)、DRP38が停止中であれば(ステップ310でNO)、DRP38の制御処理を終了する。
【0070】
続いて、DRP38の動作について説明する。図9は、DRP38の動作の流れを示すフローチャートである。
【0071】
DRP38は、画像処理制御部134からDRP制御部135を介して画像処理の開始の指示を受けると、まず、次に実行すべき処理の処理種別を確認する(ステップ401)。処理種別には、印刷情報を参照して中間情報を生成する処理、中間情報を参照して別の中間情報を生成する処理、中間情報を参照して画像情報を生成する処理がある。
【0072】
確認した処理種別が、印刷情報を参照して中間情報を生成する処理であった場合(ステップ402でYES)、該当する処理を実行し(ステップ403)、その処理を終了すると、割り込みにより、処理前用領域39Aの解放を画像処理制御部134に通知して(ステップ404)、ステップ401の処理に戻る。
【0073】
一方、処理種別を確認した結果、次に実行すべき処理の処理種別が中間情報を参照して別の中間情報を生成する処理であった場合には(ステップ402でNO、ステップ405でNO)、該当する処理を実行し(ステップ406)、その処理を終了すると、ステップ401の処理に戻る。
【0074】
また、、処理種別を確認した結果、次に実行すべき処理の処理種別が中間情報を参照して画像情報を生成する処理であった場合には(ステップ402でNO、ステップ405でYES)、直前に画像処理を行った際に生成した画像情報の画像処理制御部134による読み込みが完了しているか否かを確認し、読み込みが完了していなければ、その完了を待ち(ステップ407でNO)、読み込みが完了した場合、または、既に読み込みが完了していた場合には(ステップ407でYES)、該当する処理を実行し(ステップ406)、その処理を終了すると、画像処理を終了する。
【符号の説明】
【0075】
1 ホスト装置
2 管理装置
3、3−Y、3−M、3−C、3−K 画像処理装置
4 画像形成装置
31 演算部
32 記憶部
33 一時記憶部
34 記憶装置
35 入出力装置接続部
36 通信部
37 形成装置接続部
38、38−1〜38−n DRP
39 記憶部
39A 処理前用記憶領域
39B 処理中用記憶領域
39C 処理後用記憶領域
39D 処理前用記憶領域
39E 処理中用記憶領域
39F 処理後用記憶領域
39G 処理前用記憶領域
39H 処理中用記憶領域
39I 処理後用記憶領域
39J 処理前用記憶領域
39K 処理後用記憶領域
39L 処理中用記憶領域
39M 処理前用記憶領域
39N 処理後用記憶領域
131 印刷情報受付部
132 保存部
133 画像情報出力部
134 画像処理制御部
135 DRP制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的に構成を変更し、該変更した構成に応じた画像処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段の構成の変更を設定する設定情報と、前記画像処理手段による画像処理に利用する印刷情報と、前記画像処理手段による画像処理で生成された画像情報とを記憶する記憶手段と、
前記設定情報を前記記憶手段に書き込む設定情報書き込み手段と、
前記印刷情報を前記記憶手段に書き込む印刷情報書き込み手段と、
前記画像情報を前記記憶手段から読み込む画像情報読み込み手段と、
前記画像処理手段に対して画像処理の実行開始を指示する指示手段と
を具備し、
前記画像処理手段に第1の画像処理と第2の画像処理とを連続して実行させる場合に、前記画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に、前記設定情報書き込み手段により前記第2の画像処理に対応する設定情報の書き込みを行うとともに前記印刷情報書き込み手段により前記第2の画像処理に利用する印刷情報の書き込みを行い、前記画像処理手段による前記第1の画像処理が終了した際に、前記指示手段による前記第2の画像処理の実行開始を指示し、前記画像処理手段が前記第2の画像処理を実行中に、前記画像情報読み込み手段により前記第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを行う
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、
前記処理前情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理前情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理前情報記憶領域とに分別され、
前記処理後情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理後情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理後情報記憶領域とに分別される
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、
前記設定情報書き込み手段および前記印刷情報書き込み手段は、前記画像処理手段から該画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に前記処理前情報記憶領域の参照を終了した旨の通知を受けたことを条件に、それぞれ、前記第2の画像処理に対応する設定情報と前記第2の画像処理に対応する印刷情報とを前記処理前情報記憶領域に書き込み、
前記画像処理手段は、前記第2の画像処理を実行中に、前記画像情報読み込み手段が前記第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを終了したことを確認し、該確認後に前記第2の画像処理で生成した画像情報を前記処理後情報記憶領域に記憶させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
動的に構成を変更し、該変更した構成に応じた画像処理を実行する画像処理手段に配設され、該画像処理手段の構成の変更を設定する設定情報と、該画像処理手段による画像処理に利用する印刷情報と、該画像処理手段による画像処理で生成された画像情報とを記憶する記憶手段に、前記設定情報を書き込む設定情報書き込み処理と、
前記印刷情報を前記記憶手段に書き込む印刷情報書き込み処理と、
前記画像情報を前記記憶手段から読み込む画像情報読み込み処理と、
前記画像処理手段に対して画像処理の実行開始を指示する指示処理と
をコンピュータに実行させ、
前記画像処理手段に第1の画像処理と第2の画像処理とを連続して実行させる場合に、前記画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に、前記設定情報書き込み処理により前記第2の画像処理に対応する設定情報の書き込みを行うとともに前記印刷情報書き込み処理により前記第2の画像処理に利用する印刷情報の書き込みを行い、前記画像処理手段による前記第1の画像処理が終了した際に、前記指示処理による前記第2の画像処理の実行開始を指示し、前記画像処理手段が前記第2の画像処理を実行中に、前記画像情報読み込み処理により前記第1の画像処理に対応する画像情報の読み込みを行う
ことを特徴とする画像処理制御プログラム。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、
前記処理前情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理前情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理前情報記憶領域とに分別され、
前記処理後情報記憶領域は、前記第1の画像処理に対応する第1の処理後情報記憶領域と前記第2の画像処理に対応する第2の処理後情報記憶領域とに分別され、
前記設定情報書き込み処理は、前記第1の画像処理に対応する設定情報を前記第1の処理前情報記憶領域に書き込み、前記第2の画像処理に対応する設定情報を前記第2の処理前情報記憶領域に書き込み、
前記印刷情報書き込み処理は、前記第1の画像処理に対応する印刷情報を前記第1の処理前情報記憶領域に書き込み、前記第2の画像処理に対応する印刷情報を前記第2の処理前情報記憶領域に書き込み、
前記画像情報読み込み処理は、前記第1の画像処理に対応する画像情報を前記第1の処理後情報記憶領域から読み込み、前記第2の画像処理に対応する画像情報を前記第2の処理後情報記憶領域から読み込む
ことを特徴とする請求項4記載の画像処理制御プログラム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記設定情報と前記印刷情報とを記憶する処理前情報記憶領域と、前記画像情報を記憶する処理後情報記憶領域とを有し、
前記設定情報書き込み処理および前記印刷情報書き込み処理は、前記画像処理手段から該画像処理手段が前記第1の画像処理を実行中に前記処理前情報記憶領域の参照を終了した旨の通知を受けたことを条件に、それぞれ、前記第2の画像処理に対応する設定情報と前記第2の画像処理に対応する印刷情報とを前記処理前情報記憶領域に書き込む
ことを特徴とする請求項4記載の画像処理制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−245667(P2012−245667A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117935(P2011−117935)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【特許番号】特許第4935941号(P4935941)
【特許公報発行日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】