画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム。
【課題】 入稿された原稿データを印刷前に確認する際、透明記録剤で描画指示されたオブジェクトは、モニタで代替色のカラースペースで出力されるので、このオブジェクトの下位レイヤーにあるオブジェクトが見えない。
【解決手段】 本発明の画像処理装置は、原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトを、輪郭と輪郭に囲まれる領域に分割する。輪郭は可視色で出力されるように設定し、輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定することを特徴とする。
また、原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する。輪郭は第1の色で出力され、輪郭に囲まれる領域は透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを透明色剤を用いて印刷するよう指示することを特徴とする。
【解決手段】 本発明の画像処理装置は、原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトを、輪郭と輪郭に囲まれる領域に分割する。輪郭は可視色で出力されるように設定し、輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定することを特徴とする。
また、原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する。輪郭は第1の色で出力され、輪郭に囲まれる領域は透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを透明色剤を用いて印刷するよう指示することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明色剤を用いた印刷を行うコンテンツの印刷を実行する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、DTP(DeskTop Publishing)環境においては、入稿用のフォーマットとして、Adobe社のPDF(Portable Document Format)形式が使われる場合が多い。さらに、近年、PDF形式の原稿データの中に、特色で描画するよう設定されたオブジェクトが含まれるデータが一般的に用いられるようになってきた。また、この特色色剤として透明色剤が普及されてきた。透明色剤とは、無色透明な画像を、印刷対象画像に付加する特徴を有する透明色剤である。
このような透明色剤を用いた印刷を行うことにより、印刷物に高い表面光沢の質感を表現したり、透かし文字を表現できるので、印刷物に対して新たな付加価値を提供することができる。
【0003】
透明色剤を用いて印刷を行うプリンタ等の画像処理装置では、CMYKの4色の色剤に加えて、透明色剤が設置される。このような画像処理装置で透明色剤を用いた印刷を行う方法として、予め作成しておいたフォームを透明色剤版にとして用いる方法がある。また、任意の特色を透明色に対応付ける方法などがある。この方法を用いると、任意の特色で描画指示されたオブジェクトが、透明色剤を用いて印刷される。この任意の特色に透明色を対応付けて透明色剤を用いた印刷を行う方法では、透明色剤を用いて印刷を行ないたいオブジェクトに対して、特色とその特色の代替色のカラースペース(CMYK値あるいはRGB値)を設定しておく必要がある。
【0004】
特色はCMYK値やRGB値で表現できない色である。よってAdobe社のPS(PostScript)形式やPDF形式といったDTP環境の中で標準となっているデータ形式のフォーマットでは、指定された特色の代替色のカラースペースを設定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009―130705
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように作成された原稿データが、この原稿データ作成者とは異なる印刷業者に入稿されると、印刷業者はAcrobat等のツールで印刷実行前に入稿された原稿データを確認する。透明色剤を用いて印刷を行うオブジェクトを指定するために用いられる特色が設定されたオブジェクトを含む原稿データをAcrobatで開くと、モニタ上のオブジェクトは、特色の代替色のカラースペースで出力される。
【0007】
しかし、印刷業者は入稿された原稿データを印刷実行前に確認する際、透明色剤を用いて印刷する部分はその部分を透かして確認したい。しかし、上記のように特色が設定されたオブジェクトは、モニタ上では特色の代替色のカラースペースで出力される。よって、Acrobat等のビューアでは、透明色剤を用いて印刷する部分を透かして表示することはできない。そのため、透明色剤を用いて印刷を行うよう指示されたオブジェクトの下位レイヤーにあるオブジェクトが見えなくなってしまう。結果として、原稿データの作成者が伝えたい内容が印刷業者に正しく伝わらない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトの輪郭と、該輪郭に囲まれる領域に分割する分割手段と、前記分割手段により分割された輪郭は可視色で出力されるように設定し、前記分割手段により分割された輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定する設定手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを、透明色剤を用いて印刷するよう指示する指示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明を用いることにより、透明色剤を用いて印刷を行うオブジェクトを指定するために用いられる特色が設定されたオブジェクトを分割し、オブジェクトの輪郭を可視色、輪郭で囲まれる領域を不可視色で表示されるよう指示することが可能になる。これにより、透明色剤を用いて印刷を行うオブジェクトとその下位レイヤーにあるオブジェクトがどのように重なっているか確認できる。よって、原稿データの作成者が伝えたい内容を正しく印刷業者に伝えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ネットワーク・ハードウェア構成である。
【図2】PCのハードウェア構成である。
【図3】本実施例における主要なソフトウェア構成である。
【図4】原稿データ編集部である。
【図5】原稿データの例である。
【図6】原稿データ編集部で編集された原稿データの例である。
【図7】クリアトナー用特色への対応付けがなされた原稿データの例である。
【図8】クリアトナー設定処理である。
【図9】クリアトナー用特色への対応付け処理である。
【図10】クリアトナー用特色への対応付け画面である。
【図11】クリアトナー用特色への対応付けが完了した結果の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0013】
なお、以下では透明色剤としてクリアトナーを用いるが、これに限らず、透明インクや特色トナー等を用いても構わない。
【実施例1】
【0014】
<ネットワーク・ハードウェア構成>
図1に、本発明を実施するシステムの前提となるネットワーク構成とハードウェア構成の簡略図を示す。ネットワーク(LAN100)には、画像処理装置としてPC200とPC300、そして画像形成装置400が接続され、相互に通信することができる。このPC200では主に原稿データ作成者が原稿データを作成する。またPC300では主に印刷業者がPC200から受信した原稿データに対して印刷設定等の確認を行う。
【0015】
画像形成装置400は、通常の汎用コンピュータ構成(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークインターフェース)に加えて、スキャナ401、操作パネル402、プリンタ403、などのハードウェアから構成する。画像形成装置400では印刷業者によって設定等が確認された原稿データが設定に従い印刷される。
【0016】
<PC200のハードウェア構成>
図2に、PC200のハードウェア構成の簡略図を示す。PC300もPC200と同様のハードウェア構成とする。
【0017】
図2において、CPU201は、ROM202に記憶された、あるいはハードディスク204からRAM203にロードされたOSや一般アプリケーション、DTPアプリケーションなどのプログラムを実行し、後述するフローチャートの手順を実現する。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。入力コントローラ205は、キーボード207や不図示のポインティングデバイスからの入力を制御する。CRTコントローラ206は、CRTディスプレイ208の表示を制御する。
【0018】
<ソフトウェア構成>
図3に、本発明の実施例における主要なソフトウェア構成の簡略図を示す。
【0019】
<PC200のソフトウェア構成>
PC200のソフトウェア構成について以下に説明する。
【0020】
PC200は、DTPソフトウェア211、原稿データ編集部212、特色取得部213、オブジェクト分割部214、特色設定部215、代替色設定部216を備える。DTPソフトウェア211は、印刷業者に入稿する原稿データを作成することができるソフトウェアである。また、このDTPソフトウェア211は、入稿用にPS形式やPDF形式などのデータ形式で保存することができる。代表的なDTPソフトウェアとしては、Adobe社のInDesign(登録商標)、Illustrator(登録商標)がある。DTPソフトウェア211のユーザーインターフェースは、編集エリア222と原稿データ編集部212を有する。編集エリア222は原稿データを表示/編集する場所で、原稿データ編集部212は原稿データに対して適用する編集コマンドをまとめた場所である。
【0021】
原稿データ編集部212は、クリアトナーを用いて印刷を行うオブジェクトを作成するモジュールで、DTPソフトウェア211のプラグインとして提供される。原稿データ編集部212は、DTPソフトウェア211が起動すると同時に起動し、図4に示すようにDTPソフトウェア211のパネルとして表示される。もしくはDTPソフトウェア211のメニューバーにあるPluginメニューを選択することで、原稿データ編集部212を起動するように構成してもよい。また、原稿データ編集部212は、クリアトナー設定ボタン220とオブジェクト格納部221を表示部であるモニタ上に出力する。
【0022】
また、原稿データ編集部212は、指定したオブジェクトに対してクリアトナーを用いた描画を指示する特色である「クリアトナー用特色」を予め2種類有する。この2種類の特色については後述する。このクリアトナー用特色は、原稿データ編集部212が起動されると、ROM202にロードされる。
【0023】
ユーザーがDTPソフトウェア211の編集エリア222に配置されたオブジェクトを選択し、原稿データ編集部212のクリアトナー設定ボタン220を押下することで、図8を用いて後述する本実施例のクリアトナー設定処理が開始される。もしくはユーザーがオブジェクト格納部221に登録された任意のオブジェクトをDTPソフトウェア211の編集エリア222にドラッグアンドドロップすることで、クリアトナー設定処理を開始するように構成してもよい。
【0024】
オブジェクト分割部214、特色設定部215、代替色設定部216は原稿データ編集部212の内部モジュールとして提供される。
【0025】
オブジェクト分割部214は編集エリア222で選択状態のオブジェクトをStrokeとFillに分割する。特色設定部215は、原稿データ編集部212が有するクリアトナー用特色である2種類の特色(以下、第一の特色、第二の特色と呼ぶ)をROM202から取得する。そして特色設定部215は、オブジェクト分割部214で作成されたStrokeとFillそれぞれに第一の特色と第二の特色を設定する。代替色設定部216はオブジェクト分割部214で作成されたStrokeに可視色の代替色、Fillに不可視色の代替色を設定する。可視色とは、ユーザーが認識可能な色を想定しており、たとえば、CMYKに{[1.0、1.0、1.0、1.0]}を設定することができる。不可視色とは、透過色を想定しており、たとえばCMYKに{[0.0、0.0、0.0、0.0]}やアルファブレンドなどを設定する。または、モニタに出力する際、透過色に見えるように、オーバープリント設定などの情報を追加する構成でもよい。なお、編集エリア222で選択状態のオブジェクトがマスクオブジェクトの場合は、クリッピング部分(抜き部分)のみStrokeとFillに分割する処理を実施してもよい。
【0026】
<PC300のソフトウェア構成>
PC300のソフトウェア構成について以下に説明する。PC300は、原稿データ確認部310、ジョブ制御部320、データ解析部321、クリアトナー判断部322、特色置換部323を備える。原稿データ確認部310は、印刷業者が印刷実行前に原稿データの作成者から入稿された原稿データを確認するためのソフトウェアである。このソフトウェアの代表的なものとしてはAdobe社のAcrobat(登録商標)がある。
【0027】
ジョブ制御部320は、印刷業者が入稿された原稿データに対してパンチやステープルなどの印刷設定や原稿データのプリフライトを行うためのプリプレス・ソフトウェアである。このソフトウェアの代表的なものとしてAgfa社のApogee(登録商標)、ハイデルベルク社のPrinect(登録商標)などがある。ジョブ制御部320は、DTPソフトウェア211と同様に特色一覧を持つ。
【0028】
図10に、ジョブ制御部320のUI(不図示)にて表示される、原稿データ内の特色をクリアトナー用特色に対応付けるユーザーインターフェースの例を示す。1001は、原稿データのカラーをプロセスカラーのCMYK、あるいは特色ごとに分けるカラー分版エリアである。このエリアのカラー分版はCyan版、Magenda版、Yellow版、Black版、そして特色版で構成される。
【0029】
特色版は任意の特色色剤を用いて印刷することが可能である。1002は、原稿データ内に存在する特色を一覧表示するエリアである。印刷実行する前のプリプレス工程で、PC300のジョブ制御部320に原稿データが入力されると、原稿データ中で利用されている特色が1002上に表示される。1003は、1002に表示されている特色を、1001の特色版に対応付けるためのボタンである。ユーザーがボタン1003を押下すると、1002に表示される特色を特色版へ対応付け、この特色版を1002に表示される特色で印刷することができる。よって、1003を押下すると、1002の原稿データ中で利用される特色と1004の特色版の印刷に用いる特色色剤を対応付けることができる。
【0030】
データ解析部321、クリアトナー判断部322、特色置換部323は、ジョブ制御部320の内部モジュールとして提供される。データ解析部321は、ジョブ制御部320に入力された原稿データを解析し、原稿データ内のオブジェクトに設定された特色を抽出する。クリアトナー判断部322は、データ解析部321が抽出した特色を入力する。そして、その特色を設定されたオブジェクトが、クリアトナーを用いて印刷を行う対象であるかどうかを判断する。特色置換部323は、クリアトナー判断部322がクリアトナーを用いて印刷を行う対象であると判断したオブジェクトに設定された特色を、画像形成装置400にてクリアトナーを用いて描画するよう指定するために登録された特色に置換する。
【0031】
<画像形成装置400のソフトウェア構成>
画像形成装置400のソフトウェア構成について以下に説明する。
【0032】
画像形成装置400は、特色管理部411とプリントサービス412を備える。特色管理部411は画像形成装置400で扱うことができる特色群を管理している。
ユーザーはクリアトナー印刷実行の前に特色管理部411にどの特色がクリアトナーを用いた描画を指示する特色であるクリアトナー用の特色を示すのか予め登録しておく。
【0033】
プリントサービス412は、ジョブ制御部320から送信された印刷ジョブに含まれる原稿データを受信して、プリンタ403でプリントを行う。その際、プリントサービス412は、特色管理部411に予め登録されたクリアトナー用特色を参照する。そして、印刷ジョブの原稿データ内にクリアトナー用特色があれば、この特色の設定がなされたオブジェクトを、クリアトナーを用いて印刷を行うクリアトナー版に置換し、プリントする。
【0034】
<原稿データ>
図8にて後述する処理を施すことにより、図5に示す原稿データを元に生成される原稿データおよびその描画命令の一例を図6に示す。また、図9にて後述する処理を施すことにより、図6に示す原稿データを元に作成される原稿データおよびその描画命令の一例を図7に示す。
【0035】
図5は、原稿データ作成者により操作されるPC200のDTPソフトウェア211で作成した原稿データの簡略図である。また図5にはこの原稿データを構成する描画命令の一例も合わせて示されている。
【0036】
原稿データには、文字オブジェクト501(Clear Blue 0821 C)が含まれる。文字オブジェクト情報には特色としてPANTONE Blue 0821 C、代替色のDeviceCMYK(デフォルトの表示色は黒)が設定されている。503は、文字オブジェクト501のテキストデータである。503のテキストデータの描画命令に対し、502の色設定を施すことで、501の文字オブジェクト情報が描画される。この原稿データをAcrobatで開くと、図5に示すとおり、設定された特色の代替色であるDeviceCMYKでモニタ上には出力される。
【0037】
図6は、PC200の原稿データ編集部212で編集した図5の原稿データの簡略図である。また図6には、この原稿データを構成する描画命令の一例も合わせて示されている。原稿データには、文字オブジェクト情報(Clear Blue 0821 C)が含まれる。
【0038】
文字オブジェクト情報の描画命令の、Stroke指定部分602には第一の特色であるPANTONE Blue 0821 C、およびこの第一の特色の代替色であるDeviceCMYKが設定されている(604)。
【0039】
一方、文字オブジェクト情報のFill指定部分603には、第二の特色であるSPOT2、およびこの第二の特色の代替色であるDeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]}という不可視色が設定されている(605)。
【0040】
また、オーバープリントがTrue(<</Type /ExtGState/OP TRUE>>)と指定される。
【0041】
この原稿データをAcrobatで開くと、図6に示すように、Stroke指定部分である線オブジェクト(文字オブジェクトの輪郭部分)は第一の特色の代替色であるDeviceCMYKで表示される。
【0042】
一方、Fill指定部分である文字オブジェクトは第二の特色の代替色であるDeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]}で表示される。また、オーバープリント設定がTRUEと設定されているため、文字オブジェクトは透過表示される。
【0043】
図7には、印刷業者により操作されるPC300のジョブ制御部320の特色置換部323により、クリアトナー用特色へ対応付けがされた後の原稿データの簡略図を示す。また原稿データを構成する描画命令の例も合わせて示す。図6に示した第一の特色であるPANTONE Blue 0821 C(604)と第二の特色であるSPOT2(605)が、DeviceNという記述を使い、クリアトナー用特色ClearCoating(701)に変更されている。702は、テキストデータ(Clear Blue 0821 C)の描画命令を示す。
【0044】
<クリアトナー設定処理>
次に、図8のフローチャートを参照して、原稿データ編集部212が、図5に示す原稿データを元に、図6に示すクリアトナー用オブジェクトを含む原稿データを生成する処理を説明する。
【0045】
なお、本フローチャートは、PC200のROM202に格納されたプログラムに従って、CPU201によって実行される。
【0046】
まず、S800で、PC200の原稿データ編集部212は、図4に示された原稿データ編集部212のUI上のクリアトナー設定ボタン220が押下されると、クリアトナー設定処理を開始する。なお、ユーザーがオブジェクト格納部221から登録済みのオブジェクトをドラッグアンドドロップすることでクリアトナー設定処理を開始するように構成しても良い。
【0047】
次に、S801で、原稿データ編集部212は、図5に示す原稿データの文字オブジェクト501が選択状態かどうかを判定する。原稿データ編集部212は、文字オブジェクト501が選択状態であれば、クリアトナー設定処理を継続し、選択状態でなければ処理を中止する。S801において、文字オブジェクト501が選択状態の場合、原稿データ編集部212はS802に進み、選択された文字オブジェクト501のオブジェクト番号502を取得する。
【0048】
そして、S803では、オブジェクト分割部214は、選択された文字オブジェクト501をStrokeとFillに分ける。
【0049】
具体的には、オブジェクト分割部214は、文字オブジェクト501を用いて、文字オブジェクト501の輪郭のパス情報を取得する。
【0050】
このパス情報を用いて、文字オブジェクトの輪郭であるStrokeに対しては図6に示される602のような描画命令を生成する。
【0051】
一方、文字オブジェクトの輪郭で囲まれる領域であるFillに対しては、図5のテキストデータの描画命令503を用いて、図6に示される603のような描画命令を生成する。
【0052】
次にS804にて、特色設定部215は、原稿データ編集部212が有するクリアトナー用特色である第一の特色と第二の特色をROM202から取得する。そして、S805にて、特色設定部215はStrokeに対してS804で取得した第一の特色を設定する。さらにS806にて、代替色設定部216は第一の特色の代替色として可視色のDeviceCMYKを設定する。具体的には、図6にて、第一の特色とその代替色は、604のコマンドとして書き込まれる。
【0053】
そして、S807にて、特色設定部215は、Fillに対してS804で取得した第二の特色を設定する。さらに、S808にて、代替色設定部216は前記第二の特色の代替色として不可視色であるDeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]}を設定する。図6において、第二の特色とその代替色は、605のコマンドとして書き込まれる。原稿データのフォーマット形式がPS形式やPDF形式の場合は、代替色を透過表示するために、オーバープリント設定を原稿データに書きこむ構成にしても良い。
【0054】
このように作成された原稿データをAcrobatで表示すると図6に示すように、文字オブジェクト601の輪郭を示す線は可視色で描画され、輪郭で囲まれる領域は透過で表示される。本実施例では原稿データにPDF形式を用いているがこれに限られた形式でなくてもよい。
【0055】
そして、このように生成された原稿データは、印刷設定を確認すべく一度PC300へ送信される。
【0056】
<特色の事前登録について>
PC300で設定されたクリアトナー用特色と、原稿データ中で利用されている特色の対応付け処理を説明する前に、この処理の前提を説明する。対応付け処理を行う前に、画像形成装置の特色管理部411にどの特色がクリアトナー用の特色を示すのか予め登録しておく必要がある。また、同様の内容をPC300にも予め登録しておく必要がある。
よって、以下に示す処理を行う。
【0057】
まず、画像形成装置400でクリアトナーによる描画を示すために用いる特色である「クリアトナー用特色」を登録する。クリアトナー用特色の特色名は任意の文字列であり、本実施例では例えば、ClearCoatingとする。一般的に登録された特色は画像形成装置400のメモリに格納される。もしくはファイルとしてハードディスクに保存する構成でもよい。
【0058】
次にPC300のジョブ制御部320でも上記と同様のクリアトナー用特色を登録しておく。具体的には、図10の1004にクリアトナー用特色を登録しておく。本実施例では例えば、1004にClearCoatingを登録している。画像形成装置400とジョブ制御部320それぞれに登録するクリアトナー用特色名は同じでなければならない。一般的に大文字、小文字の区別も行われる。これはPC300と画像形成装置400が、クリアトナー用特色に関する情報を共有できるようにするためである。
【0059】
<クリアトナー用特色への対応付け処理>
図9のフローチャートは、ジョブ制御部320のデータ解析部321、クリアトナー判断部322、特色置換部323が、図10の1002に表示された2つの特色を図11の1101に示すように特色ClearCoatingに対応付ける処理を説明する。原稿データは図6のPDF形式を用いるが、このデータ形式に限らず同じ処理を行えるデータ形式であればどのような形式のデータでもよい。
【0060】
なお、本フローチャートは、PC300の不図示のROMに格納されたプログラムに従って、PC300の不図示のCPUによって実行される
まず、S900にて、ユーザーによってジョブ制御部320の図10に示されたボタン1003が押下されると、クリアトナー用特色への対応付け処理が開始する。S901からS907までの処理は、原稿データ内のすべてのページが処理されるまで行われる。
【0061】
次に、S901にて、ジョブ制御部320は、事前に図10の1001に登録されたクリアトナー用特色1004(ClearCoating)を取得する。
【0062】
そして、S902にて、データ解析部321は、図6に示すような原稿データを解析し、ページ内にあるオブジェクトのうち、StrokeとFillに異なる特色が設定されているオブジェクトを検出する。StrokeとFillに異なる特色が設定されているオブジェクトがある場合、このオブジェクトに対してS903のステップに移る。異なる特色が設定されていないオブジェクトに対しては、S908へ進み、通常PDL処理を行う。
【0063】
S903にて、クリアトナー判断部322は、ステップS902で検出されたオブジェクトのFillの特色の代替色として不可視色が設定されているかどうかを判定する。不可視色が設定されていない場合は、S908へ進み、通常PDL処理を行う。不可視色が設定されていれば、S904へ進み、クリアトナー判断部322はこのオブジェクトをクリアトナー版に置換し、クリアトナーを用いて印刷を行う領域と判断する。そしてクリアトナー判断部322はこのオブジェクトをRAM203に一時的に記憶する。本実施例では、図6の605に示すように、特色Spot2に代替色として不可視色(DeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]})が設定されているので、S905に移る。
【0064】
S905にて、特色置換部323は、S904でRAM203に記憶されたオブジェクトの特色(PANTONE Blue 0821 CとSpot2)を抽出して、S901で取得したクリアトナー用特色1004(ClearCoating)に対応させる。
【0065】
S905で特色の対応付けが完了すると、S906へ進み、原稿データのオブジェクトを編集する。具体的な例としては、図6の描画命令602〜605を図7の描画命令701〜702のように書き換える。図6の特色604と605は、図7の701に置換され、図6の描画命令602と603は、図7の描画命令702へと置換される。このように受信した原稿データ中で利用されている特色に対してクリア用特色への対応付けが行われると、原稿データは、PC300から画像形成装置400へ送信される。
【0066】
原稿データを受信した画像形成装置400は、上述したようにどの特色がクリア用トナー特色であるか予め登録されている。そしてこの画像形成装置400は、予め登録された特色で描画指示されたオブジェクトを、クリアトナーを用いて印刷する。
【0067】
本実施例により、特色で表示されるオブジェクトの下にあるオブジェクトの情報(文字、イメージ、グラフィックス等)と、特色で表示されるオブジェクトとその下のオブジェクトがどのように重なっているのかを確認できる。よって、原稿データの作成者が伝えたい内容を正しく印刷業者に伝えることが可能となる。さらに、クリアトナー印刷用の特色への対応付けを自動化することにより、間違った特色への対応付けを軽減できる。
【0068】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明色剤を用いた印刷を行うコンテンツの印刷を実行する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、DTP(DeskTop Publishing)環境においては、入稿用のフォーマットとして、Adobe社のPDF(Portable Document Format)形式が使われる場合が多い。さらに、近年、PDF形式の原稿データの中に、特色で描画するよう設定されたオブジェクトが含まれるデータが一般的に用いられるようになってきた。また、この特色色剤として透明色剤が普及されてきた。透明色剤とは、無色透明な画像を、印刷対象画像に付加する特徴を有する透明色剤である。
このような透明色剤を用いた印刷を行うことにより、印刷物に高い表面光沢の質感を表現したり、透かし文字を表現できるので、印刷物に対して新たな付加価値を提供することができる。
【0003】
透明色剤を用いて印刷を行うプリンタ等の画像処理装置では、CMYKの4色の色剤に加えて、透明色剤が設置される。このような画像処理装置で透明色剤を用いた印刷を行う方法として、予め作成しておいたフォームを透明色剤版にとして用いる方法がある。また、任意の特色を透明色に対応付ける方法などがある。この方法を用いると、任意の特色で描画指示されたオブジェクトが、透明色剤を用いて印刷される。この任意の特色に透明色を対応付けて透明色剤を用いた印刷を行う方法では、透明色剤を用いて印刷を行ないたいオブジェクトに対して、特色とその特色の代替色のカラースペース(CMYK値あるいはRGB値)を設定しておく必要がある。
【0004】
特色はCMYK値やRGB値で表現できない色である。よってAdobe社のPS(PostScript)形式やPDF形式といったDTP環境の中で標準となっているデータ形式のフォーマットでは、指定された特色の代替色のカラースペースを設定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009―130705
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように作成された原稿データが、この原稿データ作成者とは異なる印刷業者に入稿されると、印刷業者はAcrobat等のツールで印刷実行前に入稿された原稿データを確認する。透明色剤を用いて印刷を行うオブジェクトを指定するために用いられる特色が設定されたオブジェクトを含む原稿データをAcrobatで開くと、モニタ上のオブジェクトは、特色の代替色のカラースペースで出力される。
【0007】
しかし、印刷業者は入稿された原稿データを印刷実行前に確認する際、透明色剤を用いて印刷する部分はその部分を透かして確認したい。しかし、上記のように特色が設定されたオブジェクトは、モニタ上では特色の代替色のカラースペースで出力される。よって、Acrobat等のビューアでは、透明色剤を用いて印刷する部分を透かして表示することはできない。そのため、透明色剤を用いて印刷を行うよう指示されたオブジェクトの下位レイヤーにあるオブジェクトが見えなくなってしまう。結果として、原稿データの作成者が伝えたい内容が印刷業者に正しく伝わらない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトの輪郭と、該輪郭に囲まれる領域に分割する分割手段と、前記分割手段により分割された輪郭は可視色で出力されるように設定し、前記分割手段により分割された輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定する設定手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを、透明色剤を用いて印刷するよう指示する指示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明を用いることにより、透明色剤を用いて印刷を行うオブジェクトを指定するために用いられる特色が設定されたオブジェクトを分割し、オブジェクトの輪郭を可視色、輪郭で囲まれる領域を不可視色で表示されるよう指示することが可能になる。これにより、透明色剤を用いて印刷を行うオブジェクトとその下位レイヤーにあるオブジェクトがどのように重なっているか確認できる。よって、原稿データの作成者が伝えたい内容を正しく印刷業者に伝えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ネットワーク・ハードウェア構成である。
【図2】PCのハードウェア構成である。
【図3】本実施例における主要なソフトウェア構成である。
【図4】原稿データ編集部である。
【図5】原稿データの例である。
【図6】原稿データ編集部で編集された原稿データの例である。
【図7】クリアトナー用特色への対応付けがなされた原稿データの例である。
【図8】クリアトナー設定処理である。
【図9】クリアトナー用特色への対応付け処理である。
【図10】クリアトナー用特色への対応付け画面である。
【図11】クリアトナー用特色への対応付けが完了した結果の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0013】
なお、以下では透明色剤としてクリアトナーを用いるが、これに限らず、透明インクや特色トナー等を用いても構わない。
【実施例1】
【0014】
<ネットワーク・ハードウェア構成>
図1に、本発明を実施するシステムの前提となるネットワーク構成とハードウェア構成の簡略図を示す。ネットワーク(LAN100)には、画像処理装置としてPC200とPC300、そして画像形成装置400が接続され、相互に通信することができる。このPC200では主に原稿データ作成者が原稿データを作成する。またPC300では主に印刷業者がPC200から受信した原稿データに対して印刷設定等の確認を行う。
【0015】
画像形成装置400は、通常の汎用コンピュータ構成(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークインターフェース)に加えて、スキャナ401、操作パネル402、プリンタ403、などのハードウェアから構成する。画像形成装置400では印刷業者によって設定等が確認された原稿データが設定に従い印刷される。
【0016】
<PC200のハードウェア構成>
図2に、PC200のハードウェア構成の簡略図を示す。PC300もPC200と同様のハードウェア構成とする。
【0017】
図2において、CPU201は、ROM202に記憶された、あるいはハードディスク204からRAM203にロードされたOSや一般アプリケーション、DTPアプリケーションなどのプログラムを実行し、後述するフローチャートの手順を実現する。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。入力コントローラ205は、キーボード207や不図示のポインティングデバイスからの入力を制御する。CRTコントローラ206は、CRTディスプレイ208の表示を制御する。
【0018】
<ソフトウェア構成>
図3に、本発明の実施例における主要なソフトウェア構成の簡略図を示す。
【0019】
<PC200のソフトウェア構成>
PC200のソフトウェア構成について以下に説明する。
【0020】
PC200は、DTPソフトウェア211、原稿データ編集部212、特色取得部213、オブジェクト分割部214、特色設定部215、代替色設定部216を備える。DTPソフトウェア211は、印刷業者に入稿する原稿データを作成することができるソフトウェアである。また、このDTPソフトウェア211は、入稿用にPS形式やPDF形式などのデータ形式で保存することができる。代表的なDTPソフトウェアとしては、Adobe社のInDesign(登録商標)、Illustrator(登録商標)がある。DTPソフトウェア211のユーザーインターフェースは、編集エリア222と原稿データ編集部212を有する。編集エリア222は原稿データを表示/編集する場所で、原稿データ編集部212は原稿データに対して適用する編集コマンドをまとめた場所である。
【0021】
原稿データ編集部212は、クリアトナーを用いて印刷を行うオブジェクトを作成するモジュールで、DTPソフトウェア211のプラグインとして提供される。原稿データ編集部212は、DTPソフトウェア211が起動すると同時に起動し、図4に示すようにDTPソフトウェア211のパネルとして表示される。もしくはDTPソフトウェア211のメニューバーにあるPluginメニューを選択することで、原稿データ編集部212を起動するように構成してもよい。また、原稿データ編集部212は、クリアトナー設定ボタン220とオブジェクト格納部221を表示部であるモニタ上に出力する。
【0022】
また、原稿データ編集部212は、指定したオブジェクトに対してクリアトナーを用いた描画を指示する特色である「クリアトナー用特色」を予め2種類有する。この2種類の特色については後述する。このクリアトナー用特色は、原稿データ編集部212が起動されると、ROM202にロードされる。
【0023】
ユーザーがDTPソフトウェア211の編集エリア222に配置されたオブジェクトを選択し、原稿データ編集部212のクリアトナー設定ボタン220を押下することで、図8を用いて後述する本実施例のクリアトナー設定処理が開始される。もしくはユーザーがオブジェクト格納部221に登録された任意のオブジェクトをDTPソフトウェア211の編集エリア222にドラッグアンドドロップすることで、クリアトナー設定処理を開始するように構成してもよい。
【0024】
オブジェクト分割部214、特色設定部215、代替色設定部216は原稿データ編集部212の内部モジュールとして提供される。
【0025】
オブジェクト分割部214は編集エリア222で選択状態のオブジェクトをStrokeとFillに分割する。特色設定部215は、原稿データ編集部212が有するクリアトナー用特色である2種類の特色(以下、第一の特色、第二の特色と呼ぶ)をROM202から取得する。そして特色設定部215は、オブジェクト分割部214で作成されたStrokeとFillそれぞれに第一の特色と第二の特色を設定する。代替色設定部216はオブジェクト分割部214で作成されたStrokeに可視色の代替色、Fillに不可視色の代替色を設定する。可視色とは、ユーザーが認識可能な色を想定しており、たとえば、CMYKに{[1.0、1.0、1.0、1.0]}を設定することができる。不可視色とは、透過色を想定しており、たとえばCMYKに{[0.0、0.0、0.0、0.0]}やアルファブレンドなどを設定する。または、モニタに出力する際、透過色に見えるように、オーバープリント設定などの情報を追加する構成でもよい。なお、編集エリア222で選択状態のオブジェクトがマスクオブジェクトの場合は、クリッピング部分(抜き部分)のみStrokeとFillに分割する処理を実施してもよい。
【0026】
<PC300のソフトウェア構成>
PC300のソフトウェア構成について以下に説明する。PC300は、原稿データ確認部310、ジョブ制御部320、データ解析部321、クリアトナー判断部322、特色置換部323を備える。原稿データ確認部310は、印刷業者が印刷実行前に原稿データの作成者から入稿された原稿データを確認するためのソフトウェアである。このソフトウェアの代表的なものとしてはAdobe社のAcrobat(登録商標)がある。
【0027】
ジョブ制御部320は、印刷業者が入稿された原稿データに対してパンチやステープルなどの印刷設定や原稿データのプリフライトを行うためのプリプレス・ソフトウェアである。このソフトウェアの代表的なものとしてAgfa社のApogee(登録商標)、ハイデルベルク社のPrinect(登録商標)などがある。ジョブ制御部320は、DTPソフトウェア211と同様に特色一覧を持つ。
【0028】
図10に、ジョブ制御部320のUI(不図示)にて表示される、原稿データ内の特色をクリアトナー用特色に対応付けるユーザーインターフェースの例を示す。1001は、原稿データのカラーをプロセスカラーのCMYK、あるいは特色ごとに分けるカラー分版エリアである。このエリアのカラー分版はCyan版、Magenda版、Yellow版、Black版、そして特色版で構成される。
【0029】
特色版は任意の特色色剤を用いて印刷することが可能である。1002は、原稿データ内に存在する特色を一覧表示するエリアである。印刷実行する前のプリプレス工程で、PC300のジョブ制御部320に原稿データが入力されると、原稿データ中で利用されている特色が1002上に表示される。1003は、1002に表示されている特色を、1001の特色版に対応付けるためのボタンである。ユーザーがボタン1003を押下すると、1002に表示される特色を特色版へ対応付け、この特色版を1002に表示される特色で印刷することができる。よって、1003を押下すると、1002の原稿データ中で利用される特色と1004の特色版の印刷に用いる特色色剤を対応付けることができる。
【0030】
データ解析部321、クリアトナー判断部322、特色置換部323は、ジョブ制御部320の内部モジュールとして提供される。データ解析部321は、ジョブ制御部320に入力された原稿データを解析し、原稿データ内のオブジェクトに設定された特色を抽出する。クリアトナー判断部322は、データ解析部321が抽出した特色を入力する。そして、その特色を設定されたオブジェクトが、クリアトナーを用いて印刷を行う対象であるかどうかを判断する。特色置換部323は、クリアトナー判断部322がクリアトナーを用いて印刷を行う対象であると判断したオブジェクトに設定された特色を、画像形成装置400にてクリアトナーを用いて描画するよう指定するために登録された特色に置換する。
【0031】
<画像形成装置400のソフトウェア構成>
画像形成装置400のソフトウェア構成について以下に説明する。
【0032】
画像形成装置400は、特色管理部411とプリントサービス412を備える。特色管理部411は画像形成装置400で扱うことができる特色群を管理している。
ユーザーはクリアトナー印刷実行の前に特色管理部411にどの特色がクリアトナーを用いた描画を指示する特色であるクリアトナー用の特色を示すのか予め登録しておく。
【0033】
プリントサービス412は、ジョブ制御部320から送信された印刷ジョブに含まれる原稿データを受信して、プリンタ403でプリントを行う。その際、プリントサービス412は、特色管理部411に予め登録されたクリアトナー用特色を参照する。そして、印刷ジョブの原稿データ内にクリアトナー用特色があれば、この特色の設定がなされたオブジェクトを、クリアトナーを用いて印刷を行うクリアトナー版に置換し、プリントする。
【0034】
<原稿データ>
図8にて後述する処理を施すことにより、図5に示す原稿データを元に生成される原稿データおよびその描画命令の一例を図6に示す。また、図9にて後述する処理を施すことにより、図6に示す原稿データを元に作成される原稿データおよびその描画命令の一例を図7に示す。
【0035】
図5は、原稿データ作成者により操作されるPC200のDTPソフトウェア211で作成した原稿データの簡略図である。また図5にはこの原稿データを構成する描画命令の一例も合わせて示されている。
【0036】
原稿データには、文字オブジェクト501(Clear Blue 0821 C)が含まれる。文字オブジェクト情報には特色としてPANTONE Blue 0821 C、代替色のDeviceCMYK(デフォルトの表示色は黒)が設定されている。503は、文字オブジェクト501のテキストデータである。503のテキストデータの描画命令に対し、502の色設定を施すことで、501の文字オブジェクト情報が描画される。この原稿データをAcrobatで開くと、図5に示すとおり、設定された特色の代替色であるDeviceCMYKでモニタ上には出力される。
【0037】
図6は、PC200の原稿データ編集部212で編集した図5の原稿データの簡略図である。また図6には、この原稿データを構成する描画命令の一例も合わせて示されている。原稿データには、文字オブジェクト情報(Clear Blue 0821 C)が含まれる。
【0038】
文字オブジェクト情報の描画命令の、Stroke指定部分602には第一の特色であるPANTONE Blue 0821 C、およびこの第一の特色の代替色であるDeviceCMYKが設定されている(604)。
【0039】
一方、文字オブジェクト情報のFill指定部分603には、第二の特色であるSPOT2、およびこの第二の特色の代替色であるDeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]}という不可視色が設定されている(605)。
【0040】
また、オーバープリントがTrue(<</Type /ExtGState/OP TRUE>>)と指定される。
【0041】
この原稿データをAcrobatで開くと、図6に示すように、Stroke指定部分である線オブジェクト(文字オブジェクトの輪郭部分)は第一の特色の代替色であるDeviceCMYKで表示される。
【0042】
一方、Fill指定部分である文字オブジェクトは第二の特色の代替色であるDeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]}で表示される。また、オーバープリント設定がTRUEと設定されているため、文字オブジェクトは透過表示される。
【0043】
図7には、印刷業者により操作されるPC300のジョブ制御部320の特色置換部323により、クリアトナー用特色へ対応付けがされた後の原稿データの簡略図を示す。また原稿データを構成する描画命令の例も合わせて示す。図6に示した第一の特色であるPANTONE Blue 0821 C(604)と第二の特色であるSPOT2(605)が、DeviceNという記述を使い、クリアトナー用特色ClearCoating(701)に変更されている。702は、テキストデータ(Clear Blue 0821 C)の描画命令を示す。
【0044】
<クリアトナー設定処理>
次に、図8のフローチャートを参照して、原稿データ編集部212が、図5に示す原稿データを元に、図6に示すクリアトナー用オブジェクトを含む原稿データを生成する処理を説明する。
【0045】
なお、本フローチャートは、PC200のROM202に格納されたプログラムに従って、CPU201によって実行される。
【0046】
まず、S800で、PC200の原稿データ編集部212は、図4に示された原稿データ編集部212のUI上のクリアトナー設定ボタン220が押下されると、クリアトナー設定処理を開始する。なお、ユーザーがオブジェクト格納部221から登録済みのオブジェクトをドラッグアンドドロップすることでクリアトナー設定処理を開始するように構成しても良い。
【0047】
次に、S801で、原稿データ編集部212は、図5に示す原稿データの文字オブジェクト501が選択状態かどうかを判定する。原稿データ編集部212は、文字オブジェクト501が選択状態であれば、クリアトナー設定処理を継続し、選択状態でなければ処理を中止する。S801において、文字オブジェクト501が選択状態の場合、原稿データ編集部212はS802に進み、選択された文字オブジェクト501のオブジェクト番号502を取得する。
【0048】
そして、S803では、オブジェクト分割部214は、選択された文字オブジェクト501をStrokeとFillに分ける。
【0049】
具体的には、オブジェクト分割部214は、文字オブジェクト501を用いて、文字オブジェクト501の輪郭のパス情報を取得する。
【0050】
このパス情報を用いて、文字オブジェクトの輪郭であるStrokeに対しては図6に示される602のような描画命令を生成する。
【0051】
一方、文字オブジェクトの輪郭で囲まれる領域であるFillに対しては、図5のテキストデータの描画命令503を用いて、図6に示される603のような描画命令を生成する。
【0052】
次にS804にて、特色設定部215は、原稿データ編集部212が有するクリアトナー用特色である第一の特色と第二の特色をROM202から取得する。そして、S805にて、特色設定部215はStrokeに対してS804で取得した第一の特色を設定する。さらにS806にて、代替色設定部216は第一の特色の代替色として可視色のDeviceCMYKを設定する。具体的には、図6にて、第一の特色とその代替色は、604のコマンドとして書き込まれる。
【0053】
そして、S807にて、特色設定部215は、Fillに対してS804で取得した第二の特色を設定する。さらに、S808にて、代替色設定部216は前記第二の特色の代替色として不可視色であるDeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]}を設定する。図6において、第二の特色とその代替色は、605のコマンドとして書き込まれる。原稿データのフォーマット形式がPS形式やPDF形式の場合は、代替色を透過表示するために、オーバープリント設定を原稿データに書きこむ構成にしても良い。
【0054】
このように作成された原稿データをAcrobatで表示すると図6に示すように、文字オブジェクト601の輪郭を示す線は可視色で描画され、輪郭で囲まれる領域は透過で表示される。本実施例では原稿データにPDF形式を用いているがこれに限られた形式でなくてもよい。
【0055】
そして、このように生成された原稿データは、印刷設定を確認すべく一度PC300へ送信される。
【0056】
<特色の事前登録について>
PC300で設定されたクリアトナー用特色と、原稿データ中で利用されている特色の対応付け処理を説明する前に、この処理の前提を説明する。対応付け処理を行う前に、画像形成装置の特色管理部411にどの特色がクリアトナー用の特色を示すのか予め登録しておく必要がある。また、同様の内容をPC300にも予め登録しておく必要がある。
よって、以下に示す処理を行う。
【0057】
まず、画像形成装置400でクリアトナーによる描画を示すために用いる特色である「クリアトナー用特色」を登録する。クリアトナー用特色の特色名は任意の文字列であり、本実施例では例えば、ClearCoatingとする。一般的に登録された特色は画像形成装置400のメモリに格納される。もしくはファイルとしてハードディスクに保存する構成でもよい。
【0058】
次にPC300のジョブ制御部320でも上記と同様のクリアトナー用特色を登録しておく。具体的には、図10の1004にクリアトナー用特色を登録しておく。本実施例では例えば、1004にClearCoatingを登録している。画像形成装置400とジョブ制御部320それぞれに登録するクリアトナー用特色名は同じでなければならない。一般的に大文字、小文字の区別も行われる。これはPC300と画像形成装置400が、クリアトナー用特色に関する情報を共有できるようにするためである。
【0059】
<クリアトナー用特色への対応付け処理>
図9のフローチャートは、ジョブ制御部320のデータ解析部321、クリアトナー判断部322、特色置換部323が、図10の1002に表示された2つの特色を図11の1101に示すように特色ClearCoatingに対応付ける処理を説明する。原稿データは図6のPDF形式を用いるが、このデータ形式に限らず同じ処理を行えるデータ形式であればどのような形式のデータでもよい。
【0060】
なお、本フローチャートは、PC300の不図示のROMに格納されたプログラムに従って、PC300の不図示のCPUによって実行される
まず、S900にて、ユーザーによってジョブ制御部320の図10に示されたボタン1003が押下されると、クリアトナー用特色への対応付け処理が開始する。S901からS907までの処理は、原稿データ内のすべてのページが処理されるまで行われる。
【0061】
次に、S901にて、ジョブ制御部320は、事前に図10の1001に登録されたクリアトナー用特色1004(ClearCoating)を取得する。
【0062】
そして、S902にて、データ解析部321は、図6に示すような原稿データを解析し、ページ内にあるオブジェクトのうち、StrokeとFillに異なる特色が設定されているオブジェクトを検出する。StrokeとFillに異なる特色が設定されているオブジェクトがある場合、このオブジェクトに対してS903のステップに移る。異なる特色が設定されていないオブジェクトに対しては、S908へ進み、通常PDL処理を行う。
【0063】
S903にて、クリアトナー判断部322は、ステップS902で検出されたオブジェクトのFillの特色の代替色として不可視色が設定されているかどうかを判定する。不可視色が設定されていない場合は、S908へ進み、通常PDL処理を行う。不可視色が設定されていれば、S904へ進み、クリアトナー判断部322はこのオブジェクトをクリアトナー版に置換し、クリアトナーを用いて印刷を行う領域と判断する。そしてクリアトナー判断部322はこのオブジェクトをRAM203に一時的に記憶する。本実施例では、図6の605に示すように、特色Spot2に代替色として不可視色(DeviceCMYK{[0.0 0.0 0.0 0.0]})が設定されているので、S905に移る。
【0064】
S905にて、特色置換部323は、S904でRAM203に記憶されたオブジェクトの特色(PANTONE Blue 0821 CとSpot2)を抽出して、S901で取得したクリアトナー用特色1004(ClearCoating)に対応させる。
【0065】
S905で特色の対応付けが完了すると、S906へ進み、原稿データのオブジェクトを編集する。具体的な例としては、図6の描画命令602〜605を図7の描画命令701〜702のように書き換える。図6の特色604と605は、図7の701に置換され、図6の描画命令602と603は、図7の描画命令702へと置換される。このように受信した原稿データ中で利用されている特色に対してクリア用特色への対応付けが行われると、原稿データは、PC300から画像形成装置400へ送信される。
【0066】
原稿データを受信した画像形成装置400は、上述したようにどの特色がクリア用トナー特色であるか予め登録されている。そしてこの画像形成装置400は、予め登録された特色で描画指示されたオブジェクトを、クリアトナーを用いて印刷する。
【0067】
本実施例により、特色で表示されるオブジェクトの下にあるオブジェクトの情報(文字、イメージ、グラフィックス等)と、特色で表示されるオブジェクトとその下のオブジェクトがどのように重なっているのかを確認できる。よって、原稿データの作成者が伝えたい内容を正しく印刷業者に伝えることが可能となる。さらに、クリアトナー印刷用の特色への対応付けを自動化することにより、間違った特色への対応付けを軽減できる。
【0068】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトの輪郭と、該輪郭に囲まれる領域に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された輪郭は可視色で出力されるように設定し、前記分割手段により分割された輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定する設定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを、透明色剤を用いて印刷するよう指示する指示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記判定手段に判定よりされた色で前記オブジェクトを表示する表示手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトの輪郭と、該輪郭に囲まれる領域に分割する分割ステップと、
前記分割ステップにより分割された輪郭は可視色で出力されるように設定し、前記分割ステップにより分割された輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定する設定ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを、透明色剤を用いて印刷するよう指示する指示ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記判定ステップに判定よりされた色で前記オブジェクトを、表示部を用いて表示する表示ステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
請求項4乃至6に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトの輪郭と、該輪郭に囲まれる領域に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された輪郭は可視色で出力されるように設定し、前記分割手段により分割された輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定する設定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを、透明色剤を用いて印刷するよう指示する指示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記判定手段に判定よりされた色で前記オブジェクトを表示する表示手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿データに含まれるオブジェクトのうち、透明色剤を用いて描画するオブジェクトの輪郭と、該輪郭に囲まれる領域に分割する分割ステップと、
前記分割ステップにより分割された輪郭は可視色で出力されるように設定し、前記分割ステップにより分割された輪郭で囲まれた領域は透過して出力されるように設定する設定ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
原稿データに含まれるオブジェクトの輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより輪郭が第1の色で出力されるように設定され、該輪郭に囲まれる領域が透過して出力されるように設定されていると判定されたオブジェクトを、透明色剤を用いて印刷するよう指示する指示ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記判定ステップに判定よりされた色で前記オブジェクトを、表示部を用いて表示する表示ステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
請求項4乃至6に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−89046(P2013−89046A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229136(P2011−229136)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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