説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】ユーザインターフェースを効率的に利用することにより、煩雑な操作を要することなくユーザの希望に沿った画像検索を行うことのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】複数のハードキーを備えた画像処理装置であって、複数のハードキーの配置に対応する複数の領域と、各領域の属性とを画像に対応付けて記憶する画像記憶部110と、ユーザにより所定のハードキーが押下されると、押下されたハードキーの位置に対応する領域を特定する領域特定部120と、ユーザから領域特定手段により特定された領域の属性の入力を受け付ける属性受付部122と、画像記憶部110において、領域特定部120により特定された領域の属性が、属性受付部122が受け付けた属性と一致する画像を検索する検索部126とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェアキーを備えた画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、単なるデジタル複写機ではなく、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等、いろいろな機能と複合したデジタル複合機(MFP)が知られている。MFPにおいては、画像を蓄積することが可能である。今後は、MFP内に蓄積されるデータの大容量化に伴い、MFP内に蓄積された大量のデータの中から必要なデータを効率的に検索する手法が必要となってくる。MFPには、操作パネルや表示装置などのユーザインターフェースが設けられており、画像検索においては、これらのユーザインターフェースを効率的に利用することが望まれる。
【0003】
例えば、特許文献1には、表示画面を複数の分割表示領域に分割し、タッチパネルやハードキーで分割表示領域を選択する技術が開示されている。さらに、本技術では、各分割表示領域のサイズを変更することも可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−21704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば表示装置に画像データを表示させ、表示された画像データを参考にユーザから検索条件の入力を受け付けることとすると、検索結果としての画像データを表示するための領域が制限されてしまう。また、表示装置を備えていないMFPにおいては実現することができず、問題であった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、MFPが備えるユーザインターフェースを効率的に利用することにより、煩雑な操作を要することなくユーザの希望に沿った画像検索を行うことのできる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のハードキーを備えた画像処理装置であって、前記複数のハードキーの配置に対応して画像を分割することにより得られた複数の領域それぞれと、各領域の属性とを前記画像に対応付けて記憶する画像記憶手段と、ユーザにより所定のハードキーが押下されると、押下された前記ハードキーの位置に対応する前記領域を特定する領域特定手段と、ユーザから前記領域特定手段により特定された前記領域の属性の入力を受け付ける属性受付手段と、前記画像記憶手段において、前記領域特定手段により特定された前記領域の属性が、前記属性受付手段が受け付けた属性と一致する前記画像を検索する検索手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、複数のハードキーを備えた画像処理装置における画像処理方法であって、前記画像処理装置は、画像と、前記画像の前記複数のハードキーの配列に対応する複数の領域と、各領域の属性とを対応付けて記憶する記憶手段を有し、領域特定手段が、ユーザにより所定のハードキーが押下されると、前記複数のハードキーの配列に対応して画像を分割することにより得られた領域であって、押下された前記ハードキーの位置に対応する前記領域を特定する領域特定ステップと、属性受付手段が、ユーザから前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性の入力を受け付ける属性受付ステップと、検索手段が、前記記憶手段において、前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性が、前記属性受付ステップにおいて受け付けた属性と一致する前記画像を検索する検索ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、前記コンピュータは、画像と、前記画像の前記複数のハードキーの配列に対応する複数の領域と、各領域の属性とを対応付けて記憶する記憶手段を有し、ユーザにより所定のハードキーが押下されると、前記複数のハードキーの配列に対応して画像を分割することにより得られた領域であって、押下された前記ハードキーの位置に対応する前記領域を特定する領域特定ステップと、ユーザから前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性の入力を受け付ける属性受付ステップと、前記記憶手段において、前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性が、前記属性受付ステップにおいて受け付けた属性と一致する前記画像を検索する検索ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示される画像の大きさ、表示位置によらず常に同じハードキーが各画像領域に割り当てるので、コストアップなくユーザによる画像検索時の操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる画像処理装置としての複合機(MFP)100の構成を示すブロック図である。複合機100は、画像取得部102と、画像処理部104と、領域分割部106と、属性判定部108と、画像記憶部110と、領域特定部120と、指示受付部122と、表示部124と、検索部126と、属性変更部128と、画像編集部130とを主に備えている。
【0013】
画像取得部102は、外部から画像データを取得する。具体的には、画像読取装置により読み取られた画像データを取得する。画像処理部104は、画像取得部102が取得した画像データに対し、γ補正、色変換など通常の画像処理を施す。領域分割部106は、画像処理部104による画像処理と並行して、画像取得部102が取得した画像データを複数の領域に分割する。
【0014】
具体的には、図2に示すように、画像データ210を複合機100の筐体に設けられたハードキー200のキー配列に対応した複数の領域に分割する。本実施の形態においては、図2に示すように、4行3列のキー配列に対応し、4行3列の計12の領域に分割する。また、各領域には、位置情報として対応するハードキーの番号が割り当てられる。例えば、左上角の領域は、ハードキー1に対応するので、番号1が割り当てられる。上中央の領域は、ハードキー2に対応するので、番号2が割り当てられる。
【0015】
領域分割部106は、図3に示すように、領域分割により得られた各領域をさらに領域分割する。この場合にも、ハードキー200のキー配列に対応した複数の領域に分割する。例えば、図3に示すように、領域分割により得られた番号6の領域220をさらに12の領域に分割する。他の領域についても同様に、12の領域に分割する。以下、1回の領域分割により得られた領域を第1領域と称する。また、2回の領域分割により得られた領域、すなわち第1領域を領域分割することにより得られた領域を第2領域と称する。
【0016】
なお、本実施の形態においては、4行3列のハードキーを例に説明するが、ハードキーの配列はこれに限定されるものではない。例えば、4行4列のハードキーを備えた複合機においては、像域分割部106は、画像データを4行4列の16領域に分割する。
【0017】
属性判定部108は、領域分割部106により得られた各領域(第1領域、第2領域)に対し、像域分離処理により属性を判定する。属性としては、文字、写真、白地などがある。例えば、図2に示す画像データでは、番号1,2,3,6,*,0,#の領域は文字情報しか含まれていない。このため、像域分離処理により属性は文字と判定される。また、番号4,5,7,8の領域は、写真データのみの領域であるため、像域分離処理により属性は写真と判定される。番号9の領域は、何の情報も含まないため、紙白部と判定される。
【0018】
画像記憶部110は、画像処理部104により画像処理が施された画像データと、領域分割部106により得られた領域分割の結果と、各領域に割り当てられた属性とを対応付けて記憶する。
【0019】
領域特定部120は、ユーザによりハードキーが押下され、検出装置がハードキーの押下を検出すると、押下されたハードキーに対応する領域を特定する。指示受付部122は、ユーザインタフェースを介してユーザから入力された各種指示や属性の指定を受け付ける。指示としては、例えば属性変更指示、画像編集指示などがある。指示受付部122は、属性受付手段、第1指示受付手段および第2指示受付手段に対応する。表示部124は、各種情報を表示する。
【0020】
検索部126は、指示受付部122が受け付けた内容にしたがい、検索条件に合致した画像データを検索する。属性変更部128は、指示受付部122が受け付けた属性変更指示にしたがい、所定の領域の属性を変更する。画像編集部130は、指示受付部122が受け付けた画像編集指示にしたがい、所定の領域の画像を編集する。
【0021】
図4および図5は、画像記憶部110のデータ構成を示す図である。画像記憶部110は、画像データと、画像データを分割して得られた複数の領域と、属性とを対応付けて記憶している。また、図5に示すように、各第1領域には、各第1領域を領域分割して得られた複数の第2領域と、属性とが対応付けられている。
【0022】
図6は、複合機100による画像検索処理を示すフローチャートである。画像検索処理において、まずユーザは、検索条件を入力する。具体的には、図7に示すように、複合機100に設けられた操作表示部20の表示装置250に属性の選択肢が表示される。ここで、ユーザは、まず対象とすべき領域に対応する番号のハードキーを押下する。そして、表示装置250において指定したい属性を選択する。なお、表示装置250はタッチパネルである。
【0023】
ユーザによりハードキーが押下されると、領域特定部120は、ユーザにより押下されたハードキーに対応する領域を特定する(ステップS100)。さらに、ユーザにより、選択した領域に対する属性が入力されると、指示受付部122は、入力された属性を受け付ける(ステップS102)。
【0024】
例えば、図2に示す画像を検索したい場合には、ユーザはハードキー1,2,3,6,*,0,#を選択し、表示装置250において文字属性を選択する。さらに、ハードキー4,5,7,8を選択し、表示装置250において写真属性を選択する。さらに、ハードキー9を選択し、紙白属性を選択する。なお、検索時に所定の領域の属性を忘れてしまった場合など、所定の領域の属性について指定を行わない場合には、その領域のハードキーを選択し、表示画面210において、「Don’t care」を選択する。
【0025】
以上の操作により、画像データを検索するための各領域に対する検索条件が入力される。なお、所定の領域に対し「Don’t care」が選択された場合には、その領域の属性については問わないという検索条件となる。
【0026】
画像記憶部110に画像データが蓄積されていない場合には(ステップS104,No)、表示装置250に画像データが蓄積されていない旨の警告のメッセージを表示し(ステップS106)、処理を終了する。画像記憶部110に画像データが蓄積されている場合には(ステップS104,Yes)、検索部126は、領域特定部120が特定した領域の属性が、指示受付部122が受け付けた属性に一致する画像データを検索する(ステップS108)。
【0027】
検索条件に合致する画像データが存在しない場合には(ステップS110,No)、表示装置250に検索条件に合致する画像データが存在しない旨の警告のメッセージを表示し(ステップS112)、ステップS100に戻る。検索条件に合致する画像データが存在し(ステップS110,Yes)、検索条件に合致する画像データが2つ以上ある場合には(ステップS114,No)、設定条件にしたがい、複数の画像データの並び替えを行う(ステップS116)。なお、設定条件は、例えば使用頻度順、保存日時順、使用履歴順、ファイルサイズ順などデータを並び替えるための条件であり、予めユーザにより設定される。また、他の例としては、機器に予め設定されていてもよい。そして、表示部124は、表示画面210に並び替えられた複数の画像データを表示する。
【0028】
検索条件に合致する画像データが1つのみである場合には(ステップS114,Yes)、表示部124は、この画像データを表示する(ステップS118)。
【0029】
図8は、検索結果として複数の画像データを表示するプレビュー画面を示す図である。このように、プレビュー画面においては、複数の画像データが一覧表示される。表示装置250に表示しきれない場合には、複数ページに分けて表示され、図8に示すように表示装置250には次のページおよび前のページのボタンが表示される。これらのボタンを選択することにより、表示ページを切り替えることができる。なお、1ページ目が表示されているときに、前のページのボタンが選択されると、最終ページが表示される。
【0030】
本実施の形態においては、検索条件となる画像データの各領域をハードキーに割り当てているので、表示装置250に各領域を選択するための表示を行う必要がない。このため、プレビュー画面により多くの画像データ(検索結果)を表示することができる。
【0031】
図8に示すように検索結果として画像データが表示され、ユーザによって、所望の画像が選択されると(ステップS120,Yes)、選択された画像データに対する出力など各種処理が行われる(ステップS122)。以上で、画像データ検索処理が完了する。一方、画像データの選択がなされない場合には(ステップS120,No)、再びステップS100に戻る。
【0032】
図9は、図6を参照しつつ説明した領域特定処理(ステップS100)の詳細な処理を示すフローチャートである。まず、ユーザにより所定のハードキーが押下される(ステップS130)。押下回数が1回である場合には(ステップS132,No)、領域特定部120は、押下されたハードキーに対応する領域を選択する(ステップS134)。例えば、ハードキー6が押下されると、図2に示す領域6が選択される。ユーザによる追加指定がある場合には(ステップS136,Yes)、再びステップS130に戻る。追加指定がない場合には(ステップS136,No)、領域特定処理が終了する。
【0033】
ステップS132において、押下回数が2回以上である場合には(ステップS132,Yes)、押下されたキー番号を記憶する(ステップS140)。そして、押下されたキー番号に対応する領域にハードキーを割り当てる(ステップS142)。例えば、ハードキー6が2回押下された場合には、図3に示す領域6の第1領域220にハードキーが割り当てられる。
【0034】
第2領域にハードキーが割り当てられた状態で、さらにキーが押下されると(ステップS144)、押下回数が1回である場合には(ステップS146,No)、押下されたキーの領域を選択する(ステップS148)。例えば、図3に示す番号6の第1領域220中の各第2領域にハードキーが割り当てられているときに、ハードキー6が押下されると、第1領域220中の番号6の第2領域が選択される。そして、ユーザによる追加指定がある場合には(ステップS150,Yes)、ステップS144に戻る。追加指定がない場合には(ステップS150,No)、領域特定処理が終了する。
【0035】
押下回数が2回以上であり(ステップS146,Yes)、かつ押下されたキーがステップS130において押下されたキーと同じである場合には(ステップS160,Yes)、ハードキーの割り当てを第1領域に戻し(ステップS162)、ステップS130に戻る。すなわち、図3に示す番号6の第1領域220中の各第2領域にハードキーが割り当てられているときに、ハードキー6が2回押下された場合には、画像データ210中の第1領域にハードキーが割り当てられる。
【0036】
ステップS160において、押下されたキーと異なる場合には(ステップS160,No)、押下されたキー番号を記憶する(ステップS164)。そして、押下されたキーの第2領域にハードキーを割り当て(ステップS166)、ステップS144に戻る。例えば、図3に示す番号6の第1領域220に対応する第2領域にハードキーが割り当てられている状態で、ハードキー8が押下されたとする。この場合には、番号8の第1領域に対応する第2領域にハードキーが割り当てられる。
【0037】
以上のように、ハードキーの押下回数により、ハードキーに割り当てられる領域を切り替えることにより、限られた数のハードキーを利用して、多数の領域を選択可能とすることができる。
【0038】
なお、予め定めた押下方法によりハードキーに割り当てられる領域を切り替えればよく、他の例としては、押下回数にかえて押下時間によってハードキーに割り当てられる領域を切り替えてもよい。
【0039】
さらに、複合機100は、属性変更処理を行う。属性変更処理においては、まず、ユーザは、ハードキーを押下することにより、属性変更処理の対象となる領域を選択する。これにより、領域特定部120は、押下されたハードキーに対応する領域を特定する。さらに、ユーザが表示装置250を介して、新たな属性を入力すると、指示受付部122は、ユーザによる入力内容を示す属性変更指示を取得する。そして、属性変更部128は、領域特定部120により特定された領域の属性を属性変更指示にしたがい変更する。そして、画像記憶部110の属性を更新する。
【0040】
また、複合機100は、画像編集処理を行う。画像編集処理においては、例えば図10に示すように、番号4の領域と番号6の領域とを入れ替える画像編集指示を入力する。この場合には、ユーザは、ハードキーにより番号4と番号6を入力し、表示装置250においてこれらを入れ替える旨の画像編集指示を入力する。
【0041】
ユーザからの入力に対応して、領域特定部120がハードキーに対応する2つの領域を特定し、指示受付部122がユーザによる入力内容を示す画像編集指示を取得する。そして、画像編集部130は、領域特定部120により特定された領域の画像を入れ替える。すなわち、各領域に割り当てられる番号を変更する。そして、画像記憶部110の領域番号を更新する。
【0042】
また、例えば図11に示すように、必要な領域の切り取り、貼り付けも可能である。なお、この場合には、複数の画像データから必要な領域を切り取ることができる。ユーザは、表示装置250により対象とすべき画像データを選択し、切り取りたい領域をハードキーで選択する。そして、表示装置250においてこれらを切り取る旨の画像編集指示を入力する。
【0043】
ユーザからの入力に対応して、領域特定部120がハードキーに対応する領域を特定し、指示受付部122がユーザによる入力内容を示す画像編集指示を取得する。そして、画像編集部130は、領域特定部120により特定された領域の画像を切り出す。
【0044】
以上のように、本実施の形態にかかる複合機100においては、ハードキーに画像領域を割り当てることとしたので、表示装置250により多くの画像データ(検索結果)を表示することができる。また、表示装置を設けないような装置に対しても適用することができる。さらには、上述のように、ハードキーにより画像領域を選択し、画像領域に対する属性の変更や、画像編集といった操作も行うことができる。また、ユーザにとっても、画像領域それぞれを固定されたハードキーに割り当てることとしたので、位置がイメージとしてわかりやすく、容易に希望の領域を設定することができる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、属性判定部108は、各領域の属性とその割合とを算出し、画像記憶部110は、属性を記憶したが、属性判定部108は、属性に加えて属性の割合を判定し、画像記憶部110は、属性の割合をさらに記憶してもよい。この場合には、ユーザは、検索時に、属性だけでなく割合も指定する。これにより、より詳細な検索条件を設定し、ユーザの希望に合った画像検索を行うことができる。
【0046】
図12は、本実施の形態にかかる複合機100のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0047】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bとをさらに有する。
【0048】
CPU11は、複合機100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0049】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0050】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0051】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0052】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0053】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0054】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0055】
また、実施の形態にかかる複合機100で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の複合機で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0056】
また、本実施の形態の画像処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0057】
本実施の形態の複合機100で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(画像取得部と、画像処理部と、領域分割部と、属性判定部と、画像記憶部と、領域特定部と、指示受付部と、表示部と、検索部と、属性変更部と、画像編集部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、画像取得部と、画像処理部と、領域分割部と、属性判定部と、画像記憶部と、領域特定部と、指示受付部と、表示部と、検索部と、属性変更部と、画像編集部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0058】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像処理装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】複合機100の機能構成を示すブロック図である。
【図2】ハードキー200と領域分割の関係を示す図である。
【図3】第1領域と第2領域を示す図である。
【図4】画像記憶部110のデータ構成を示す図である。
【図5】画像記憶部110のデータ構成を示す図である。
【図6】画像検索処理を示すフローチャートである。
【図7】表示装置250の表示例を示す図である。
【図8】プレビュー画面を示す図である。
【図9】領域特定処理の詳細な処理を示すフローチャートである。
【図10】画像編集例を示す図である。
【図11】画像編集例を示す図である。
【図12】複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
10 コントローラ
11 CPU
12 MEM−P
12a ROM
12b RAM
13 NB
14 SB
15 AGPバス
16 ASIC
17 MEM−C
18 HDD
20 操作表示部
30 FCU
40 USB
50 IEEE1394インターフェース
60 エンジン部
100 複合機
102 画像取得部
104 画像処理部
106 領域分割部
108 属性判定部
110 画像記憶部
120 領域特定部
122 指示受付部
124 表示部
126 検索部
128 属性変更部
130 画像編集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のハードキーを備えた画像処理装置であって、
画像と、前記画像の前記複数のハードキーの配置に対応する複数の領域と、各領域の属性とを対応付けて記憶する記憶する画像記憶手段と、
ユーザにより所定のハードキーが押下されると、押下された前記ハードキーの位置に対応する前記領域を特定する領域特定手段と、
ユーザから前記領域特定手段により特定された前記領域の属性の入力を受け付ける属性受付手段と、
前記画像記憶手段において、前記領域特定手段により特定された前記領域の属性が、前記属性受付手段が受け付けた属性と一致する前記画像を検索する検索手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像を、前記複数のハードキーの配置に対応する複数の前記領域に分割する領域分割手段をさらに備え、
前記画像記憶手段は、前記領域分割手段により得られた複数の前記領域を前記画像に対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記領域の像域分離処理により、前記領域の属性を判定する属性判定手段をさらに備え、
前記画像記憶手段は、前記属性判定手段により判定された前記属性を前記領域に対応付けて記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記領域特定手段により特定された前記領域に対する属性変更指示をユーザから受け付ける第1指示受付手段と、
前記第1指示受付手段が受け付けた前記属性変更指示にしたがい、前記領域の属性を変更する属性変更手段と
をさらに備え、
前記属性変更手段により前記属性が変更された場合に、前記画像記憶手段は、変更後の前記属性を記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記領域特定手段により特定された前記領域に対する画像編集指示をユーザから受け付ける第2指示受付手段と、
前記第2指示受付手段が受け付けた前記画像編集指示にしたがい、前記領域を編集する編集手段をさらに備え、
前記編集手段により前記領域が編集された場合に、前記画像記憶手段は、編集後の前記領域を記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像記憶手段は、前記領域をさらに前記複数のハードキーの配置に対応して分割することにより得られた複数の領域それぞれと、各領域の属性とを対応付けて記憶し、
前記領域特定手段は、所定の領域を特定した状態において、さらにユーザにより所定のハードキーが選択されると、特定されている前記領域中に含まれる複数の領域の中から、選択されたハードキーの位置に対応する領域を特定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
複数のハードキーを備えた画像処理装置における画像処理方法であって、
前記画像処理装置は、画像と、前記画像の前記複数のハードキーの配列に対応する複数の領域と、各領域の属性とを対応付けて記憶する記憶手段を有し、
領域特定手段が、ユーザにより所定のハードキーが押下されると、前記画像の前記複数のハードキーの配列に対応する領域であって、押下された前記ハードキーの位置に対応する前記領域を特定する領域特定ステップと、
属性受付手段が、ユーザから前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性の入力を受け付ける属性受付ステップと、
検索手段が、前記記憶手段において、前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性が、前記属性受付ステップにおいて受け付けた属性と一致する前記画像を検索する検索ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、
前記コンピュータは、画像と、前記画像の前記複数のハードキーの配列に対応する複数の領域と、各領域の属性とを対応付けて記憶する記憶手段を有し、
ユーザにより所定のハードキーが押下されると、前記複数のハードキーの配列に対応して画像を分割することにより得られた領域であって、押下された前記ハードキーの位置に対応する前記領域を特定する領域特定ステップと、
ユーザから前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性の入力を受け付ける属性受付ステップと、
前記記憶手段において、前記領域特定ステップにおいて特定された前記領域の属性が、前記属性受付ステップにおいて受け付けた属性と一致する前記画像を検索する検索ステップと
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−72882(P2010−72882A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238689(P2008−238689)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】