説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】
高速に映像が切り替わるまたは変化する際に複数フレームを使用した超解像度技術では、誤差が多く含まれ映像の精度に欠ける場合があった。
【解決手段】
本画像処理装置は、時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成する第一の画像生成手段と、複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成する第二の画像生成手段と、連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出する検出手段と、前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させる出力手段と、
を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、駅構内、空港、街中等の監視のため撮像装置を用いた監視システムが展開されている。
【0003】
この監視システム作動中に、撮像装置のズームやパン機能を用いた場合や、スイッチャで使用する撮像装置を切り替えた場合、予め記録された映像を表示する際にシーンの切り替えが含まれていた際など、表示する映像の切り替わり時や変化時に、複数フレームを用いた超解像技術を利用しようとすると、連続しないフレームを元に超解像処理を行うこととなり、誤差が含まれ易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−217658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の事情に鑑み、出力する画像、全てについて超解像度処理を行いながらも、誤差が少ない出力フレームの高解像度化を実現する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供する。実施形態では、映像の変化や切り替わりを検出した際に、超解像処理に使用する複数フレームに映像の変化や切り替わりの前後のフレームの双方を含まないように選択させる。このようにすることで、映像の変化や切り替わりによる画素の劣化を防止する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本画像処理装置は、
時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成する第一の画像生成手段と、
複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成する第二の画像生成手段と、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させる出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本画像処理方法は、
時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成し
複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成し、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出し、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させること
を特徴とする。
【0008】
また、本画像処理プログラムは、
時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成する第一の生成処理と、
複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成する第二の生成処理と、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出する検出処理と、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させる出力処理と、
を画像処理装置上で動作させること
を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る画像処理装置の変形例を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係る画像処理装置の変形例を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図5】第1の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図6】第1の実施形態に係る動作の説明するための図。
【図7】第2の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図8】第2の実施形態に係る動作の説明するための図。
【図9】第3の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図10】第3の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図11】第4の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。
【図12】第4の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図13】第4の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図14】第4の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図15】第4の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図16】第5の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図17】第5の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図18】第5の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図19】第6の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。
【図20】第6の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図21】第6の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図22】第6の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図23】第6の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図24】第7の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図25】第7の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図26】第8の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。
【図27】第8の実施形態に係る動作を示すフローチャート。
【図28】第8の実施形態に係る動作を説明するための図。
【図29】超解像度処理の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施態様について図1乃至図29を参照しながら説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1乃至図6を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の画像処理装置は、図1に示すように、撮像装置10と、画像処理装置20と、受像装置30とを含む構成である。
【0013】
撮像装置10は、被写体を撮像する装置である。デジタルカメラやアナログカメラ等をいい、例えば、PTZカメラ(パンチルトズームレンズ一体型)をいい、高速なパン・ズームを行うことが可能である。また、図2に示すように撮像装置10は、複数台の撮像装置10a…10nから構成されていても良い。撮像装置が複数台の場合カメラの切替等もさらに遠隔操作等により行われることとなる。この撮像装置10が撮像した画像から入力フレームが作成され、この作成された入力フレームを時系列的に画像処理装置20へ送出する。このように本実施形態では入力フレームは時間の経過とともにf1、f2、f3、f4、f5、f6、f7の順に画像処理装置20へ入力されるものとして記載している。
【0014】
また、図3に示すように撮像装置10に代えて映像記憶装置12であってもよい。映像記憶装置12は、記憶されている入力フレームを順次画像処理装置20へ送出する。映像記憶装置12を使用した場合には、予め変化ポイントが何点あるか等の情報を保持させることができる。よって、変化ポイントの存在を予め考慮した遅延処理等を行うことができ、出力フレームの出力間隔の調整が容易に行えることから画像の乱れをさらに少なくすることができる。
【0015】
撮像装置制御部11は、撮像装置10の操作を行う。例えば、撮像装置がPTZカメラである場合は、手動または自動の遠隔操作等によりパン・ズーム等を撮像装置10への指示がなされる。撮像装置が複数あるような場合は、各撮像装置10a…10nの入力フレームを画像処理装置20へ送出するカメラの変更を行うスイッチャとしての役割も行う。
【0016】
画像処理装置20は、複数フレーム超解像度処理部21と、フレーム内超解像度処理部22と、変化ポイント検出部23と、記憶部24と、出力フレーム選択部25と、を含む装置である。画像処理装置20は、撮像装置10や映像記憶装置12から送られてきた入力フレームを受け取り、超解像度処理を行う。超解像度処理を行った出力フレームを受像装置30へ送出する。画像処理装置20は、その他、画像処理等に必要な演算処理、記憶動作を行う。
【0017】
超解像度処理とは、高解像度変換処理の一種であり、低解像度フレーム画像から高解像度フレーム画像へと変換する処理をいう。
【0018】
複数フレーム超解像度処理部21は、複数の入力フレーム(二または三枚以上の数フレーム)を用いて、超解像度処理を行う。本実施形態では撮像装置10等から送られてきた複数フレーム画像を用いて超解像度処理を行い、高解像度化されたフレーム画像を生成し、出力する。なお、複数フレーム超解像度処理に使われるリファレンスフレームの位置については、予め設定されていてもよいし、画像処理装置20の機能により設定の変更や指示が行われても良い。
【0019】
三枚以上の複数フレームを利用して、超解像度処理を行う場合について述べる。例えば、f1〜f3の入力フレームが入力されたとする。この際、最初にf1、f2から超解像度処理を行い途中段階のフレームf1−2を作成する。このf1―2とf3とから超解像度処理を行う。これら途中段階のf1−2についても記憶部24へ送出し記憶させる。なおその他、f1−3、f2−3等を作成してからf2、f1と組み合わせる超解像度処理であっても良い。
【0020】
この複数フレーム超解像度処理は、二つの過程により行われる。一つ目の過程は、位置合せ処理である。二枚のフレーム画像を利用して超解像度処理をする場合について説明する。超解像度処理に利用する複数のフレームのうちの一枚をリファレンス(基準)フレームとして、他の入力フレームとの動きベクトルを求める。動きベクトルを求める際には、サブピクセル(小数点画素)を利用する。まず、領域ベースのテンプレートマッチング方式で整数画素精度の動きベクトルを求める(サーチ範囲は任意)。その結果に対して、パラボラフィッティングや等角直線フィッティングによって、サブピクセル精度の動きベクトルの推定値を計算して求める。もう一つの過程は、再構成処理である。リファレンスフレームの対照ブロックに他の入力フレームにおける対応するブロックと再構成(例えば重ね合せ)して高解像度画像を再構成する。本実施形態ではこのような処理で説明するが、その他複数枚のフレームを用いて低解像度フレームから高解像度フレームへ変換する処理であってもよい。
【0021】
フレーム内超解像度処理部22は、一枚のフレーム画像を用いて、超解像度処理を行う。本実施形態では、撮像装置10等から送られてきた一枚のフレーム内の対応付けを用いた超解像度処理により高解像度化された出力フレームを出力する。複数フレーム超解像度処理と並行して行う際は、複数フレーム超解像度処理に利用されるリファレンスフレームと同一のフレームに対してフレーム内超解像度処理を行う。
【0022】
このフレーム内超解像度処理は、例えば、被写体の輪郭などのエッジ部分がそのエッジに沿って輝度の変化が類似したパターンが並ぶことが多いという自然画像の性質(自己合同性)を利用する。入力フレーム中で注目するライン(縦又は横方向の画素列)と輝度パターンが類似するラインをほかの隣接する数ラインから検出する。次に、ほかのラインにある画素を、注目するライン内で対応する位置にコピーする。コピーされた画素に基づき高解像度画像を生成する。
【0023】
このように、一枚のフレーム画像内の情報に基づき、出力フレームの画素数(ピクセル)を増加させ高解像度フレーム画像を作成する。
【0024】
変化ポイント検出部23は、映像の変化や切り替わり(変化ポイント)を検出する。具体的には連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上の変化点(変化ポイント)を検出する。例えば、フレーム間差分により解析し、予め定めた一定値(閾値)以上の差分を検出した場合に変化があったとして、変化ポイントとして検出する。このほか、2フレーム間の相違を、例えば面輝度法やTM法、度数分布法、CTM法、色度数分布法、χ検定法および分割χ検定法等により解析し判別する方法や、動きベクトル(動き量)等の画像特微量の変化を検出する。これらの変化が一定以上である場合、変化があったとし検出する。
【0025】
記憶部24は、出力フレーム画像を記憶する記憶媒体である。本実施形態では、複数フレーム超解像度処理部21やフレーム内解像度処理部22で超解像度処理され、送られてきた高解像度フレーム画像(出力フレーム)を記憶する。出力フレーム選択部25からの読み出し指令に応答し、受像装置30へ出力フレームを出力する。データが記憶される媒体としては、一般に使用されるディスク装置、光ディスク装置、半導体メモリ等の各種記憶媒体が利用できる。これらの記憶媒体は一時記憶されるように利用してもよい。なお、本実施形態では、超解像度処理がなされたフレームを記憶するとしているが、その他入力フレームを一時記憶する際に利用してもよい。
【0026】
出力フレーム選択部25は、記憶部24に記憶された高解像度フレーム画像から出力するフレームを選択する。本実施形態では、変化ポイント検出部23が変化ポイントを検出した場合には、記憶部24からリファレンスフレームに対応するフレーム内超解像度処理がなされた出力フレームの出力を指示する。変化ポイント検出部23が変化ポイントを検出しない場合には、記憶部24からリファレンスフレームに対応する複数フレーム超解像度処理がなされた出力フレームの出力を指示する。
【0027】
受像装置30は、画像処理装置20で超解像度処理された画像を受像し、表示する。受像装置としては、画像を表示することができるものであれば良く、例えば携帯電話やパソコンの画面、テレビ画面等の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等各種画像・映像表示機器を利用することができる。
【0028】

次に、第1の実施形態の動作について図4、図5、図6を参照しながら説明する。
【0029】
図4は、第1の実施形態の動作を示す図である。
【0030】
撮像装置10は、被写体の低解像度画像を撮影し、この低解像画像をフレーム化し、入力フレームとして画像処理装置20へ送出する。
【0031】
送出された入力フレームは、画像処理装置20に入力される(ステップS101)。
【0032】
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21およびフレーム内超解像度処理部22に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。この際、入力フレームを画像処理装置内に記憶させておいて複数回の読み出しに利用してもよい。
【0033】
複数フレーム超解像度処理部21は、複数の入力フレーム(二または三枚以上の数フレーム)を用いて、超解像度処理を行う。例えば、二枚の入力フレームを利用した複数フレーム超解像度処理について説明する。本実施形態では簡単のため二枚の入力フレームについて説明しているが、三枚以上であっても同様に超解像度処理が行われる。
【0034】
図5に示すように、リファレンスフレームは送られてきた二枚の入力フレームのうち後のフレームが使用されるように設定されていたとする。f1〜f7の入力フレームが順次撮像装置10や映像記憶装置12から送られてくる。この入力フレームf1をリファレンスフレームとしてf1と図示しないf1の一つ前のフレームとにより複数フレーム超解像度処理が行われ、出力フレームF1が画像記憶部24に一時記憶または記憶される。次に、リファレンスフレームをf2とし、f1、f2を使用して複数フレーム超解像度処理が行われ出力フレームF2が記憶部24に送られ記憶される。この動作が繰り返される。
【0035】
また、図6に示すように、超解像度処理に利用する二枚のフレームのうちリファレンスフレームとして前のフレームを利用するよう設定されている場合について述べる。f1〜f7の入力フレームが連続して撮像装置10や映像記憶装置12から送られてきており、f1をリファレンスフレームとしてf1、f2を使用して複数フレーム超解像度処理が行われる。超解像度処理が行われた出力フレームF1が記憶部24に送られ記憶される(ステップS102、ステップS103)。
【0036】
フレーム内超解像度処理部22は、上記複数フレーム超解像度処理部21の超解像度処理と並行して、フレーム内超解像度処理を行う。例えば、図5、図6に示すようにf1〜f7の入力フレームが撮像装置10等から送られてきた場合、f1〜f7の各フレームに対しフレーム内超解像度処理が行われ、記憶部24に一時記憶または記憶される(ステップS104、ステップS105)。
【0037】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される2つの入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する。例えば、フレーム間差分により解析し、予め定めた一定値(閾値)以上の差分を検出した場合に変化があったとして、変化ポイントとして検出する。図5ではf1〜f7と入力されてくる入力フレームのf1とf2、f2とf3、f3とf4、f4とf5、f5とf6、f6とf7のフレーム間差分等を比較し変化ポイントを検出する(ステップS106)。
【0038】
変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出されない場合(ステップS106−NO)は、出力フレーム選択部25は、記憶部24に記憶されている複数フレーム超解像度処理画像を順次読み出し、受像装置30へ出力する。図5では、入力フレームf4とf5の間以外について変化ポイントが検出されていないので、出力フレームF1〜F4、F6、F7については複数フレーム超解像度処理がなされた出力フレームが出力される。図6では、出力フレームF1〜F3、F5〜F7が複数フレーム超解像度処理がなされて出力される。(ステップS107)。
【0039】
一方、変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出された場合(ステップS106−YES)、出力フレーム選択部25は、複数フレーム超解像度処理画像の出力に代えて、フレーム内超解像度処理画像を受像装置30へ出力する。図5では、入力フレームf4とf5の間で変化ポイントが検出されているので、入力フレームf5をリファレンスとした複数フレーム超解像度処理画像に代えて、フレーム内超解像度処理された出力フレームF5が出力される。図6では、入力フレームf4とf5の間で変化ポイントが検出されており、入力フレームf4をリファレンスとした複数フレーム超解像度処理画像は出力されない。これに代えてフレーム内超解像度処理がなされた出力フレームF4が出力され、受像装置30に送信される(ステップS108)。
【0040】

このように、変化ポイントがあった場合には、複数フレーム超解像度処理画像に代えてフレーム内超解像度処理画像を出力することにより、全ての入力フレームに対して超解像度処理を行った出力フレームを出力することができる。全ての入力フレームに対して超解像度処理を行っているため、高精度の高解像度処理または映像を提供することができる。また、先に変化ポイントがあるかないかを検出した後に超解像度処理を行うのではなく、同時並行して処理を行っているため超解像度処理を行った出力フレームを速やかに提供することができ、さらに高画質の映像を提供することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の態様について図7、図8を参照しながら説明する。
【0042】
第1の実施形態との違いは、主に複数フレーム超解像度処理部21と、出力フレーム選択部25にある。その他、これらの違いに従い記憶部24が記憶するフレーム画像のデータ等が異なる。
【0043】
第2の実施形態の複数フレーム超解像度処理部21は、設定されたリファレンスフレームの位置により、異なった超解像度処理を行う。本実施形態では、図8に示すように三枚の複数フレームのうち最後のフレームをリファレンスフレームとして利用する場合について述べる。
【0044】
図8に示したように入力フレームf1〜f3が入力される。この場合、f3をリファレンスフレームとしてf1〜f3を使用して超解像度処理を行うのであるが、f2とf3を利用した超解像度処理を少なくとも行い、作成されたf2−3を記憶部24へ記憶させる。本実施形態ではこのf2−3とf1を利用して三枚の超解像度処理を行うことが好適である。しかし、これとは別にf1−2を作成した後、f1−2とf3を使用して超解像度処理を行っても良い。次に、f2〜f4以降についてもと同様の処理が行われ、以降も同様に処理される。三枚のフレームを用いた超解像度処理について述べたが4枚以上であっても同様の原理を利用することができる。
【0045】
また第2の実施形態の出力フレーム選択部25は、前回の変化ポイント検出手段23の検出処理において変化ポイントが検出されたか否かについて判定機能をさらに備える。変化ポイント検出手段23が変化ポイントを検出せず、かつ、出力フレーム選択部25の判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されたとされた場合には、規定数のフレームを利用した超解像度処理画像ではなく、記憶部24に記憶された規定数よりも少ないフレームを利用した複数フレーム超解像度画像を選択し出力させる。変化ポイント検出手段23が変化ポイントを検出せず、かつ、出力フレーム選択部25の判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されないとされた場合には、規定数のフレーム数を利用した超解像度処理画像を出力する。変化ポイントが検出されなかった場合は、フレーム内著解像度処理画像を出力する。その他の機能については第1の実施形態と同様である。
【0046】
具体的には、複数フレームに利用するフレーム枚数の規定数が三枚である場合について図8を用いて説明する。図8に示したように入力フレームf1〜f7が入力される。ここで、f4とf5の間に変化ポイントがある。よって、f3とf4とf5が入力された場合、f5に対応する出力フレームF5はフレーム内超解像度処理がなされた出力フレームを出力させる。次に、f4とf5とf6が入力された場合、f6をリファレンスとして規定数より一枚少ないf5とf6の二枚のフレームを利用した超解像度画像を選択し出力させる。
【0047】

第2の実施形態の動作について図7、図8を参照しながら説明する。
【0048】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS201)。
【0049】
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21およびフレーム内超解像度処理部22に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。
【0050】
複数フレーム超解像度処理部21は、設定されたリファレンスフレームの位置により、異なった超解像度処理を行う。例えば、図8に示すように三枚の複数フレームのうち最後のフレームをリファレンスフレームとして利用する場合について述べる。
【0051】
図8に示したように入力フレームf1〜f3が入力される。この場合、f3をリファレンスフレームとしてf1〜f3を使用して超解像度処理を行うのであるが、この際、f2とf3を利用した超解像度処理を行い、作成されたf2−3を記憶部24へ記憶させる。このf2−3とf1を利用してさらに三枚の超解像度処理を行い作成されたF3(f1−2−3)を記憶部24へ記憶する。次に、f2〜f4以降についてもと同様に二枚の入力フレーム超解像度処理が行われた後、その二枚の超解像度処理画像を利用して三枚の入力フレームを利用した超解像度処理画像の作成が行われる。この動作により、リファレンスフレームとリファレンスフレームの一枚前の入力フレームを利用した超解像度処理画像と、リファレンスフレームとリファレンスフレームの一枚前および二枚前の入力フレームを利用した超解像度処理画像が記憶部に記憶される(ステップS202、ステップS203)。
【0052】
フレーム内超解像度処理部22は、上記複数フレーム超解像度処理部21の超解像度処理と並行して、フレーム内超解像度処理を行う。例えば、図7に示すようにf1〜f7の入力フレームが撮像装置10等から送られてきた場合、f1〜f7の各フレームに対しフレーム内超解像度処理が行われ、記憶部24に一時記憶または記憶される(ステップS204、ステップS205)。
【0053】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する。例えば、フレーム間差分により解析し、予め定めた一定値(閾値)以上の差分を検出した場合に変化があったとして、変化ポイントとして検出する。
【0054】
図7ではf1〜f7と入力されてくる入力フレームのf1とf2、f2とf3、f3とf4、f4とf5、f5とf6、f6、f7とのフレーム間差分等を比較し変化ポイントを検出する(ステップS206)。
【0055】
変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出された場合(ステップS206―YES)、フレーム内超解像度処理画像を出力する。本実施形態の図7では、入力フレームf5を利用したフレーム内超解像度処理画像が出力フレームF5として出力される(ステップS210)。
【0056】
変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出されない場合(ステップS206−NO)、出力フレーム選択部25は、さらに前回の検出処理で変化ポイントを行った否かを判定する。変化ポイントを検出し、さらに判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されたとされた場合(ステップS207−YES)には、記憶部24に記憶された規定数よりも少ないフレームを利用した複数フレーム超解像度画像を出力させる。本実施形態では、f5とf6の間では変化ポイントは検出されないが前回の検出処理で行われたf4とf5の間には変化ポイントが検出されるため、出力フレームF6は、f6をリファレンスとしf5とf6の二枚を利用した超解像度処理画像を出力する(ステップS208)。
【0057】
変化ポイント検出部23および出力フレーム選択部25により変化ポイントが連続して検出されなかった場合、規定数つまり三枚の超解像度処理を行ったフレームを出力される。本実施形態では、F1〜F4、F7である(ステップS209)。
【0058】

このように、変化ポイントがあった場合には、複数フレーム超解像度処理画像に代えてフレーム内超解像度処理画像を出力することにより、全ての入力フレームに対して超解像度処理を行った出力フレームを出力することができる。全ての入力フレームに対して超解像度処理を行っているため、画像劣化が少ない高解像度処理を実現することができる。
【0059】
さらに、三枚以上の入力フレームを使用して超解像度処理を行う場合、変化ポイントを検出した場合であっても、変化ポイントを検出した次の次(つまり変化ポイントから数えて二枚)の入力フレームが入力されてからは、二枚以上の複数枚フレームを利用した超解像度処理画像を出力することができ、より多くの数の複数フレーム超解像度処理がなされた画像を出力フレームとして利用することができ、さらなる高解像のフレーム出力が可能となる。
【0060】

(第3の実施形態)
第3の実施形態の態様について図9、図10を参照しながら説明する。
【0061】
第2の実施形態との違いは、主に出力フレーム選択部25にある。その他、これらの違いに従い記憶部24が記憶するフレーム画像のデータ等が異なる。
【0062】
第3の実施形態の複数フレーム超解像度処理部21は、設定されたリファレンスフレームの位置により、異なった超解像度処理を行う。本実施形態では、図10に示すように三枚の複数フレームのうち最初のフレームをリファレンスフレームとして利用する場合について述べる。
【0063】
図10に示したように入力フレームf1〜f3が入力される。この場合、f1をリファレンスフレームとしてf1〜f3を使用して超解像度処理を行うのであるが、f1とf2を利用した超解像度処理を少なくとも行い、作成されたf1−2を記憶部24へ記憶させる。本実施形態ではこのf1−2とf3を利用して三枚の超解像度処理を行うことが好適である。次に、f2〜f4以降についてもと同様の処理が行われ、以降も同様に処理される。三枚のフレームを用いた超解像度処理について述べたが4枚以上であっても同様の原理を利用することができる。
【0064】
また、本実施形態の出力フレーム選択部25は、第2の実施形態と同様に前回の変化ポイント検出手段23の検出処理において変化ポイントが検出されたか否かについて判定機能を備える。変化ポイント検出手段23が変化ポイントを検出し、かつ、出力フレーム選択部25の判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されたと判定された場合には、記憶部24に記憶されたフレーム内超解像度処理された画像を出力する。変化ポイント検出手段23が変化ポイントを検出し、かつ、出力フレーム選択部25の判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されないと判定された場合には、記憶部24に記憶された規定数よりも少ないフレームを利用した複数フレーム超解像度画像を選択し出力させる。
【0065】
具体的には、複数フレームに利用するフレーム枚数の規定数が三枚である場合について図10を用いて説明する。図10に示したように入力フレームf1〜f7が入力される。ここで、f4とf5の間に変化ポイントがある。よって、f3とf4とf5が入力された場合、f3に対応する出力フレームF3はf3をリファレンスとして規定数より一枚少ないf3とf4の二枚のフレームを利用した超解像度処理画像を選択し出力させる。次に、f4とf5とf6が入力された場合、f4をリファレンスとしたフレーム内超解像度処理がなされた出力フレームを出力させる。
【0066】

第3の実施形態の動作について図9、図10を参照しながら説明する。
【0067】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS301)。
【0068】
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21およびフレーム内超解像度処理部22に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。
【0069】
複数フレーム超解像度処理部21は、設定されたリファレンスフレームの位置により、異なった超解像度処理を行う。本実施形態では、図10に示すように三枚の複数フレームのうち最後のフレームをリファレンスフレームとして利用する場合について述べる。
【0070】
図10に示したように入力フレームf1〜f3が入力される。この場合、f1をリファレンスフレームとしてf1〜f3を使用して超解像度処理を行うのであるが、この際、f1とf2を利用した超解像度処理を行い、作成されたf1−2を記憶部24へ記憶させる。このf1−2とf3を利用してさらに三枚の超解像度処理を行い作成されたF3(f1−2−3)を記憶部24へ記憶する。次に、f2〜f4以降についても同様に二枚の入力フレーム超解像度処理が行われた後、その二枚の超解像度処理画像を利用して三枚の入力フレームを利用した超解像度処理画像の作成が行われる。この動作により、リファレンスフレームとリファレンスフレームの一枚後の入力フレームを利用した超解像度処理画像と、リファレンスフレームとリファレンスフレームの一枚後および二枚後の入力フレームを利用した超解像度処理画像が記憶部に記憶される(ステップS302、ステップS303)。
【0071】
フレーム内超解像度処理部22は、上記複数フレーム超解像度処理部21の超解像度処理と並行して、フレーム内超解像度処理を行う。例えば、図10に示すようにf1〜f7の入力フレームが撮像装置10等から送られてきた場合、f1〜f7の各フレームに対しフレーム内超解像度処理が行われ、記憶部24に一時記憶または記憶される(ステップS304、ステップS305)。
【0072】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する。例えば、フレーム間差分により解析し、予め定めた一定値(閾値)以上の差分を検出した場合に変化があったとして、変化ポイントとして検出する。
【0073】
図10ではf1〜f7と入力されてくる入力フレームのf1とf2、f2とf3、f3とf4、f4とf5、f5とf6、f6、f7とのフレーム間差分等を比較し変化ポイントを検出する(ステップS306)。
【0074】
変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS306―YES)、規定数つまり三枚の超解像度処理を行ったフレームを出力される。本実施形態の図7では、入力フレームf5を利用したフレーム内超解像度処理画像が出力フレームF5として出力される(ステップS308)。
【0075】
変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出された場合(ステップS306−YES)、出力フレーム選択部25は、さらに前回の検出処理で変化ポイントを行った否かを判定する。変化ポイント検出部23が変化ポイントを検出し、さらに出力フレーム選択部25の判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されたとされた場合(ステップS307−YES)には、記憶部24に記憶されたフレーム内超解像度処理画像を出力する。本実施形態では、f5とf6の間では変化ポイントは検出されないが前回の検出処理で行われたf4とf5の間には変化ポイントが検出されるため、出力フレームF6は、f6をリファレンスとしf5とf6の二枚を利用した超解像度処理画像を出力する(ステップS310)。
【0076】
変化ポイント検出部23により変化ポイントが検出され、出力フレーム選択部25により変化ポイントが検出されなかった場合、規定数よりも少ないフレームを利用した複数フレーム超解像度画像を出力させる。本実施形態では、F3である(ステップS309)。
【0077】

このように、変化ポイントがあった場合には、複数フレーム超解像度処理画像に代えてフレーム内超解像度処理画像を出力することにより、全ての入力フレームに対して超解像度処理を行った出力フレームを出力することができる。全ての入力フレームに対して超解像度処理を行っているため、画像劣化が少ない高解像度処理を実現することができる。
【0078】
さらに、三枚以上の入力フレームを使用して超解像度処理を行う場合、変化ポイントを検出した場合であっても、変化ポイントを検出した次の次(つまり変化ポイントから数えて二枚)の入力フレームが入力されてからは、二枚以上の複数枚フレームを利用した超解像度処理画像を出力することができ、より多くの数の複数フレーム超解像度処理がなされた画像を出力フレームとして利用することができ、さらなる高解像のフレーム出力が可能となる。
【0079】

(第4の実施形態)請求項4
第4の実施態様について図11乃至図15を参照しながら説明する。
【0080】
第1、第2、第3の実施形態との違いは、主に複数フレーム超解像度処理部21と、出力フレーム選択部25にある。その他、記憶部24が記憶するフレームのデータ等が異なる。なお、図11には、映像記憶装置12を記載しているが、第1の実施形態と同様に、一台の撮像装置や複数台の撮像装置、これらを制御する撮像装置制御部を含む構成であってもよい。
【0081】
第4の実施形態の複数フレーム超解像度処理部21は、入力フレームに対して使用する複数枚の入力フレームを同一としたまま、リファレンスフレームを変化させて複数フレーム超解像度処理を行う。複数フレーム超解像度処理がなされたフレームは記憶部24に一時記憶または記憶される。
【0082】
具体的には、入力フレームf1、f2の二枚を使用して複数フレーム超解像度処理を行う際に、f1をリファレンスフレームとしてf1、f2を使用した超解像度処理と、f2をリファレンスフレームとしてf1、f2を使用した超解像度処理を行う。これらの処理は並行して行われても良いし、処理能力に応じて適宜分割して処理がなされても良い。
【0083】
第4の実施形態の出力フレーム選択部25は、前回の変化ポイント検出部23の検出処理において変化ポイントが検出されたか否かについて判定機能を備える。また、映像の変化ポイントでの遅延時間を調整する遅延調整機能を備えていてもよい。
【0084】
変化ポイント検出部23によって変化ポイントが検出されなかった場合であって、上記判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出された場合、予め設定された通常のリファレンスフレームを利用した超解像度処理画像ではなく、リファレンスフレーム位置を変化させた超解像度処理画像を出力させる。リファレンスフレーム位置を変化させた超解像度処理画像が複数枚ある場合は、リファレンスフレーム位置のフレームの入力が早い順から順次出力される。
【0085】
変化ポイント検出部23によって変化ポイントが検出されなかった場合であって、さらに判定機能による判定において一回前の検出処理において変化ポイントが検出されなかった場合、予め設定された通常のリファレンスフレームを利用した超解像度処理画像を出力する。
【0086】
上記遅延調整機能は、出力フレームの出力間隔を調整するものであり、必ずしも出力フレーム選択部25に備えられる必要はなく、画像処理装置20内であればよく、受像装置30と画像処理装置20との間に別の装置として設けてもよい。機能としては、予め入力されるフレーム内に変化ポイントがあることを検知し、予め数フレーム分の出力時間を遅らせておく等の処理を行う。その他の機能については第1の実施形態と同様である。
【0087】
具体的に画像処理装置20の動作について、複数フレームに利用するフレーム枚数の規定数が二枚である場合を例に、図13乃至図15を参照しながら説明する。いわゆる通常リファレンスに使用するリファレンスは二枚のフレームのうち後のフレームである。図13に示したように入力フレームf1〜f7が入力される。入力されたフレームは、f2をリファレンスとしてf1、f2を使用して超解像度処理を行いF2を出力する。これをf2〜f7について繰り返す。ここで、f4とf5の間に変化ポイントがある。よって、f4とf5が入力された場合に生成された超解像度処理画像は出力されない。その後、f5とf6が入力された場合は、前回変化ポイントをf4とf5の間に検出しているので、f5をリファレンスとしてf5、f6を利用した超解像度処理画像の出力を指示し、次にf6をリファレンスとしてf5、f6を利用した超解像度処理画像の出力を指示する。
【0088】
これらの出力する際、図13に示すようにこのまま出力すると出力フレームF4とF5の間に出力すべきフレームがない状態となる。そこで、予め出力フレームの出力時間を一定時間遅らせておくことで、図14に示すように出力フレームF4とF5に欠落がないよう、遅延処理機能による遅延処理を利用して、フレームの欠落を起こさせない。遅延処理機能とは、予め出力フレームの欠落を防ぐために出力フレームの出力タイミングを遅らせておき、図13に示すF4、F5の間のような出力フレームが出力されない場合に、出力フレームのタイミングを早く切替える機能をいう。
【0089】
また、図15に示すように通常リファレンスが二枚のうち前のフレームである場合である。f4とf5が入力された場合に生成された超解像度処理画像は記憶のみなされるか、または削除され出力されない。その後、f5とf6が入力された場合は、前回変化ポイントをf4とf5の間に検出しているので、f4をリファレンスとしてf3、f4を利用した超解像度処理画像の出力を指示し、次にf5をリファレンスとしてf5、f6を利用した超解像度処理画像の出力を指示する。
【0090】

次に、第4の実施形態の動作について説明する。
【0091】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS401)
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。本実施形態では二枚の入力フレームを利用した場合の実施形態を述べるが三枚以上であっても良い。
【0092】
いわゆる通常リファレンスに使用するリファレンスは二枚のフレームのうち後のフレームである。この場合、複数フレーム超解像度処理部21は、後のフレームをリファレンスとした超解像度処理を行い(ステップS402)、記憶部24へ記憶させる(ステップS403)。また、前のフレームをリファレンスとした超解像度処理を行い(ステップS404)、記憶させる(ステップS405)。複数枚の場合は、各入力フレームをリファレンスとした超解像度処理を行い、それぞれ記憶させる。
【0093】
具体的には、図13に示すように、f1〜f7が入力されると、f1をリファレンスとし、f1とf2を利用した超解像度処理を行い記憶させ(ステップS402、403)、f2をリファレンスとしf1とf2を利用した超解像度処理を行い記憶させる
(ステップS404、ステップS405)。これをf2〜f7について繰り返す。
【0094】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する(ステップS406)。
【0095】
変化ポイントが検出された場合、そのまま終了する。図13では、f4とf5の間に変化ポイントが検出されるため、f5をリファレンスとしてf4とf5を使用した超解像度処理画像は出力されない(ステップS406−YES)。
【0096】
変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS406―NO)、さらに前回の変化ポイント検出処理で変化ポイントがあったか否か、または出力フレームが出力されたか否かを検出する(ステップS407)。
【0097】
前回変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS407−NO)、通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する。図13では、F1〜F4、F7である。
【0098】
前回変化ポイントが検出された場合(ステップS407−YES)、リファレンスを変化させた超解像度処理画像を出力し(ステップS408)、次に通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する(ステップS409)。
【0099】
これらの出力する際、図13に示すようにこのまま出力すると出力フレームF4とF5の間に出力すべきフレームがない状態となる。そこで、予め出力フレームの出力時間を一定時間遅らせておくことで、図14に示すように出力フレームF4とF5に欠落がないよう、遅延処理機能による遅延処理を利用して、フレームの欠落を起こさせない。
【0100】
また、図15に示すように通常リファレンスが二枚のうち前のフレームである場合である。f4とf5が入力された場合に生成された超解像度処理画像は記憶のみなされるか、または削除され出力されない。その後、f5とf6が入力された場合は、前回変化ポイントをf4とf5の間に検出しているので、f4をリファレンスとしてf3、f4を利用した超解像度処理画像の出力を指示し(ステップS308)、次にf5をリファレンスとしてf5、f6を利用した超解像度処理画像の出力を指示する(ステップS309)。
【0101】

このように、変化ポイントをまたいで超解像度処理がなされたフレームに関しては、出力がなされず、全ての入力フレームをリファレンス画像として超解像度処理を行った出力フレームを出力することができる。また、全ての入力フレームに対して複数フレーム超解像度処理を行っているため、出力画素数等が同じ出力フレームを出力できる。また、複数フレーム超解像度処理のみを利用した超解像度処理を利用しているため、より確証度の高い出力フレームを出力することができる。
【0102】

(第5の実施形態)
第5の実施態様について図16乃至図18を参照しながら説明する。
【0103】
本実施形態は、第4の実施形態の変形例である。
【0104】
第4の実施形態との違いは、主に出力フレーム選択部25にある。その他、これらの違いに従い記憶部24が記憶するフレーム画像のデータ等が異なる。
【0105】
第5の実施形態の複数フレーム超解像度処理部21は、設定されたリファレンスフレームの位置により、異なった超解像度処理を行う。本実施形態では、図17に示すように二枚の複数フレームのうち先のフレームをリファレンスフレームとして利用する場合である。
【0106】

次に、第5の実施形態の動作について、図17を参照しながら説明する。
【0107】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS501)。
【0108】
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。
【0109】
複数フレーム超解像度処理部21は、一枚目のフレームをリファレンスとした超解像度処理を行い、記憶部24へ記憶させる。二枚または、四枚以上の場合であっても予め定められたリファレンス画像を用いた同様の超解像度処理を行い、それぞれ記憶させる。
【0110】
具体的には、図16に示すように、f1〜f7が入力されると、f1をリファレンスとし、f1とf2とを利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップ502、503)。また、同時にf2をリファレンスとし、f1とf2とを利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップS504、505)。
【0111】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する(ステップS506)。
【0112】
変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS506―NO)、通常のリファレンス位置の超解像度フレームを作成し出力する。図17では、F1〜F3、F5〜F7である(ステップS507)。
【0113】
変化ポイントが検出された場合(ステップ506−YES)、リファレンス位置を変化させた超解像度フレームを作成し出力する。図17では、f4とf5の間に変化ポイントが検出されるため、f4をリファレンスとしてf4とf5を使用した超解像度処理画像出力されず、前回処理で記憶したf4をリファレンスとしf3とf5を使用した超解像度処理画像を記憶部24から読み出しF4として出力する(ステップS508)。
【0114】
なお、図18は図17を異なる概念で考えた場合の処理図である。つまり変化ポイントを検出した場合には、既に前に行われた超解像度処理画像を出力するわけであるから、図17で存在するF3とF4の間の処理時間を極めて短時間とすることができる。
【0115】

このように、リファレンス位置を前にした超解像度処理を行わせ、変化ポイントを検出した場合には、あらかじめ先の処理で行っていたリファレンス位置の異なる超解像度処理画像を出力させることにより、速やかに超解像度処理画像を出力することができる。
【0116】

(第6の実施形態)
第6の実施態様について図19乃至図24を参照しながら説明する。
【0117】
本実施形態は、第4の実施形態の変形例である。
【0118】
本実施形態では、図19に示すように、入力フレームを記憶する記憶部27をもつ。
【0119】
本実施形態では、記憶部27は、記憶部24と分けて記載しているが、同一の媒体であってもよい。
【0120】

次に、第6の実施形態の動作について説明する。
【0121】
本実施形態では図21に示すように、三枚の入力フレームを用いた超解像度処理であって、その三枚の入力フレームのうち二枚目の入力フレームをリファレンスとした例を示す。
【0122】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS601)。
【0123】
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。
【0124】
複数フレーム超解像度処理部21は、二枚目のフレームをリファレンスとした超解像度処理を行い、記憶部24へ記憶させる。二枚または、四枚以上の場合であっても予め定められたリファレンス画像を用いた同様の超解像度処理を行い、それぞれ記憶させる。
【0125】
具体的には、図20に示すように、f1〜f7が入力されると、f2をリファレンスとし、f1とf2とf3を利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップS602、603)。
【0126】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する(ステップS604)。
【0127】
変化ポイントが検出された場合、そのまま終了する。図21では、f4とf5の間に変化ポイントが検出されるため、f4をリファレンスとしてf3とf4とf5を使用した超解像度処理画像およびf5をリファレンスとしてf4とf5とf6を使用した超解像度処理画像は出力されない(ステップS604−YES)。
【0128】
変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS604―NO)、さらに前回の変化ポイント検出処理で変化ポイントがあったか否か、または出力フレームが出力されたか否かを検出する(ステップS605)。
【0129】
前回変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS605−NO)、通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する。図21では、F1〜F3、F6、F7である(ステップS608)。
【0130】
前回変化ポイントが検出された場合(ステップS605−YES)、複数フレーム超解像度処理部21は、リファレンスを変更した超解像度処理を行い出力する(ステップS606、ステップS607)。次に通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する(ステップS608)。
【0131】
図21では、f4とf5とf6を読み込んで超解像度処理をしようとした場合、変化ポイントが検出され、前回のf3とf4とf5を読み込んだ際にも変化ポイントが検出される。検出された次に、複数フレーム超解像度処理部は記憶部27から再度入力フレームを読み出し、f4をリファレンスとし、f2とf3とf4を使用した超解像度処理画像を作成し出力しf5をリファレンスとし、f5とf6とf7を使用した超解像度処理画像を作成し出力し、次に、再度同じ入力フレームを利用しながらも通常のリファレンス位置画像f6をリファレンスとした超解像度処理画像を出力する(ステップS606、ステップS607、ステップS608)。
【0132】
これらの出力する際、図21に示すようにこのまま出力すると出力フレームF3とF4の間に出力すべきフレームがない状態となる。そこで、予め出力フレームの出力時間を一定時間遅らせる遅延処理を利用して、フレームの欠落を起こさせないようにしてもよい。
【0133】

同様に三枚の入力フレームを用いた超解像度処理であって、その三枚の入力フレームのうち一枚目の入力フレームをリファレンスとした例を図22を参照しながら説明する。
【0134】
f1〜f7が入力されると、f3をリファレンスとし、f1とf2とf3を利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップS602、603)。
【0135】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する(ステップS604)。
【0136】
変化ポイントが検出された場合、そのまま終了する。図22では、f4とf5の間に変化ポイントが検出されるため、f5をリファレンスとしてf3とf4とf5を使用した超解像度処理画像およびf6をリファレンスとしてf4とf5とf6を使用した超解像度処理画像は出力されない(ステップS604−YES)。
【0137】
変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS604―NO)、さらに前回の変化ポイント検出処理で変化ポイントがあったか否か、または出力フレームが出力されたか否かを検出する(ステップS605)。
【0138】
前回変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS605−NO)、通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する。図22では、F1〜F4、F7である(ステップS608)。
【0139】
前回変化ポイントが検出された場合(ステップS605−YES)、複数フレーム超解像度処理部21は、リファレンスを変更した超解像度処理を行い出力する(ステップS606、ステップS607)。次に通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する(ステップS608)。
【0140】
図22では、f4とf5とf6を読み込んで超解像度処理をしようとした場合、変化ポイントが検出され、前回のf3とf4とf5を読み込んだ際にも変化ポイントが検出される。検出された次に、複数フレーム超解像度処理部は記憶部27から再度入力フレームを読み出し、f5をリファレンスとし、f5とf6とf7を使用した超解像度処理画像を作成し出力しf6をリファレンスとし、f5とf6とf7を使用した超解像度処理画像を作成し出力し、次に、再度同じ入力フレームを利用しながらも通常のリファレンス位置画像f7をリファレンスとした超解像度処理画像を出力する(ステップS606、ステップS607、ステップS608)。
【0141】

同様に三枚の入力フレームを用いた超解像度処理であって、その三枚の入力フレームのうち一枚目の入力フレームをリファレンスとした例を図23を参照しながら説明する。
【0142】
f1〜f7が入力されると、f1をリファレンスとし、f1とf2とf3を利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップS602、603)。
【0143】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する(ステップS604)。
【0144】
変化ポイントが検出された場合、そのまま終了する。図22では、f4とf5の間に変化ポイントが検出されるため、f3をリファレンスとしてf3とf4とf5を使用した超解像度処理画像およびf4をリファレンスとしてf4とf5とf6を使用した超解像度処理画像は出力されない(ステップS604−YES)。
【0145】
変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS604―NO)、さらに前回の変化ポイント検出処理で変化ポイントがあったか否か、または出力フレームが出力されたか否かを検出する(ステップS605)。
【0146】
前回変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS605−NO)、通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する。図23では、F1、F2、F5〜F7である(ステップS608)。
【0147】
前回変化ポイントが検出された場合(ステップS605−YES)、複数フレーム超解像度処理部21は、リファレンスを変更した超解像度処理を行い出力する(ステップS606、ステップS607)。次に通常のリファレンスを使用した超解像度処理画像を出力する(ステップS608)。
【0148】
図23では、f4とf5とf6を読み込んで超解像度処理をしようとした場合、変化ポイントが検出され、前回のf3とf4とf5を読み込んだ際にも変化ポイントが検出される。検出された次に、複数フレーム超解像度処理部は記憶部27から再度入力フレームを読み出し、f3をリファレンスとし、f2とf3とf4を使用した超解像度処理画像を作成し出力しf4をリファレンスとし、f2とf3とf4を使用した超解像度処理画像を作成し出力し、次に、再度同じ入力フレームを利用しながらも通常のリファレンス位置画像f7をリファレンスとした超解像度処理画像を出力する(ステップS606、ステップS607、ステップS608)。
【0149】

このように、変化ポイントを二回連続で検出した場合にリファレンス画像を変更した超解像度処理を行い出力することにより、複数フレーム超解像度処理部21により同時に処理を行う必要がない。
【0150】

(第7の実施形態)
第7の実施態様について図24、図25を参照しながら説明する。
【0151】
本実施形態は、第6の実施形態の変形例である。
【0152】
第6の実施形態との違いは、主に出力フレーム選択部25にある。その他、これらの違いに従い記憶部24が記憶するフレーム画像のデータ等が異なる。
【0153】
第6の実施形態の複数フレーム超解像度処理部21は、設定されたリファレンスフレームの位置により、異なった超解像度処理を行う。本実施形態では、図25に示すように三枚の複数フレームのうち先のフレームをリファレンスフレームとして利用する場合である。
【0154】

次に、第7の実施形態の動作について、図25を参照しながら説明する。
【0155】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS701)。
【0156】
画像処理装置20は送られてきた低解像度画像を複数フレーム超解像度処理部21に処理させる。また、変化ポイント検出部23に、入力フレーム間の変化ポイントを検出させる。
【0157】
複数フレーム超解像度処理部21は、一枚目のフレームをリファレンスとした超解像度処理を行い、記憶部24へ記憶させる。二枚または、四枚以上の場合であっても予め定められたリファレンス画像を用いた同様の超解像度処理を行い、それぞれ記憶させる。
【0158】
具体的には、図21に示すように、f1〜f7が入力されると、f1をリファレンスとし、f1とf2とf3とを利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップ702、703)。
【0159】
変化ポイント検出部23は、連続して入力される二枚の入力フレームの一定以上変化(変化ポイント)を検出する(ステップS704)。
【0160】
変化ポイントが検出されなかった場合(ステップS704―NO)、通常のリファレンス位置の超解像度フレームを作成し出力する。図25では、F1、F2、F5〜F7である(ステップS705)。
【0161】
変化ポイントが検出された場合(ステップ704−YES)、リファレンス位置を変化させた超解像度フレームを作成し出力する。図25では、f4とf5の間に変化ポイントが検出されるため、f3をリファレンスとしてf3とf4とf5を使用した超解像度処理画像出力されず、前回処理で記憶したf3をリファレンスとしf2とf3とf4を使用した超解像度処理画像を行いF3として出力する。次にf4をリファレンスとしf2とf3とf4を利用した超解像度処理を行いF4として出力する(ステップS707、78)。
【0162】

このように、リファレンス位置を前にした超解像度処理を行わせ、変化ポイントを検出した場合には、第5の実施形態と同様にあらかじめ先の処理で行っていたリファレンス位置の異なる超解像度処理画像を出力させることにより、速やかに超解像度処理画像を出力することができる。
【0163】

(第8の実施形態)
第8の実施態様について図26乃至図28を参照しながら説明する。
【0164】
本実施形態では、第6の実施形態と基本的には同様の構成を用いるが、本実施形態の変化ポイント検出部23は、変化ポイント検出に代えて、映像の最先端か最後端を検出する。
【0165】

次に、第8の実施形態の動作について説明する。
【0166】
本実施形態では、三枚の入力フレームを利用し、リファレンス位置が二枚目に来るように設定している。
【0167】
まず、複数枚の入力フレームが連続して、画像処理装置20に入力される(ステップS801)。
【0168】
複数フレーム超解像度処理部21は、二枚目のフレームをリファレンスとした超解像度処理を行い、記憶部24へ記憶させる。二枚または、四枚以上の場合であっても予め定められたリファレンス画像を用いた同様の超解像度処理を行い、それぞれ記憶させる。
【0169】
具体的には、図28に示すように、f1〜f7が入力されると、f2をリファレンスとし、f1とf2とf3を利用した超解像度処理を行い記憶させる(ステップS802、803)。
【0170】
変化ポイント検出部23は、映像の最先端または最後端を検出する(ステップS804)。
【0171】
映像の最先端であった場合(ステップS804−YES)さらに、予め設定されたリファレンス画像が一番前か後かを判断する(ステップS805)。
【0172】
リファレンス画像が一番前であれば、ステップS803で記憶した通常のリファレンス画像を記憶部24から出力させる(ステップS808)。
【0173】
リファレンス画像が一番前出ない場合、リファレンス位置を変更した超解像度処理を行い出力させ、その次に、通常のリファレンス一の超解像度処理画像を出力させる(ステップS806、ステップS807、ステップS808)。
【0174】
映像の最先端出ない場合(ステップS804−NO)、通常のリファレンス一の超解像度処理画像が出力される(ステップS809)。
【0175】
次に、映像の最後端か否かを判断する(ステップS810)。
【0176】
映像の最後端でなければ、そのまま処理を終了させる。
【0177】
次に、リファレンス位置が一番後であるか否かを判断する。リファレンス位置が一番後であった場合(ステップS811―YES)、そのまま処理を終了させる。
【0178】
リファレンス位置が一番最後でなかった場合(ステップS811−NO)、リファレンス位置を変更した超解像度処理を行い、出力させる(ステップS812、ステップS813)。
【0179】

このように、全ての入力フレームをリファレンスとした超解像度処理を行うことができ、フレームの欠落がなく。全ての出力フレームに対して同じ枚数を利用した超解像度処理ができる。
【0180】

第1の実施形態から第8の実施形態においては、複数フレーム超解像度処理またはフレーム内超解像度処理には、通常の超解像度処理以外にも図29に示すようにしても良い。以下、説明する。
【0181】
カメラ映像の切り替えまたはシーンの切り替えにトランディション(切り替え効果)を使用する。トランディションの1つとして良く用いられる「フェードイン・フェードアウト、クロスフェード」であるが、位置あわせ処理での前後フレームとの動きベクトルを求める際、トランディションによりフレーム映像全体が変化するためテンプレートマッチングでは動きベクトルの精度は低下(マッチング判定できない)する。そこで、図20の様に、フレーム内のサーチ範囲(範囲は任意)とその範囲の想定される輝度変化(+:明るめ、−:暗め)分のテンプレートを追加してマッチングを行う。これにより、マッチングによる動きベクトルの精度は低下せず、さらに、リファレンスフレームと同程度の輝度のリファレンスフレームとの再構成(例えば重ねあわせ)して高解像度画像を再構成することができる。
【0182】
また、撮像装置制御部11を使用する場合には、撮像装置制御部によるカメラのパンによる撮像画像の変化量を加味した超解像度処理を行っても良い。
【0183】

これら実施形態には、変化ポイント検出手段23による変化ポイントの検出には、MPEG等への変換の際に出力されるIフレーム(Iピクチャ)を利用してもよい。
【0184】

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0185】
10 … 撮像装置
11 … 撮像装置制御部
12 … 映像記憶装置
20 … 画像処理装置
21 … 複数触れ0無超解像度処理部
22 … フレーム内超解像度処理部
23 … 変化ポイント検出部
24 … 記憶部
25 … 出力フレーム選択部
27 … 記憶部
30 … 受像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成する第一の画像生成手段と、
複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成する第二の画像生成手段と、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させる出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第二の画像生成手段はN枚の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成し、
前記出力手段は、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合は第一の高解像度フレーム画像を出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合かつ前記検出手段の(N−2)回前いずれの検出処理において変化ポイントが検出されていない場合は、前記第二の高解像度フレーム画像を出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合かつ前記検出手段の(N−2)回前のいずれかの検出処理において変化ポイントが検出されている場合は、前記第二の画像生成手段で変化ポイント後に入力された複数枚の入力フレームを利用して生成された複数枚高解像度フレーム画像を出力すること
を特徴とする請求項1に記載する画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、
前記検出手段が変化ポイントを検出なかった場合は第二の高解像度フレーム画像を出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合かつ前記検出手段の前回の検出処理において変化ポイントが検出されていた場合は、前記第一の高解像度フレーム画像を出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合かつ前記検出手段の前回の検出処理において変化ポイントが検出されていない場合は、前記第二の画像生成手段で変化ポイント前に入力された複数枚の入力フレームを利用して生成された複数枚高解像度フレーム画像を出力すること
を特徴とする請求項1に記載する画像処理装置。
【請求項4】
時系列的に連続して入力される入力フレームに複数枚のフレームを利用して第三の高解像度フレーム画像を生成する第三の画像生成手段と、
前記第三の高解像度フレーム画像とはリファレンス位置が異なる複数毎フレームを利用して第四の超解像度フレーム画像を生成する第四の画像生成手段と、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合は画像の出力をせず、
前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合かつ前記検出手段の一つ前の検出動作において変化ポイントが検出されていない場合は、前記第三の高解像度フレーム画像を出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合かつ前記検出手段の前回の検出処理において変化ポイントが検出されていた場合は、前記第四の高解像度フレーム画像を出力し、次に前記第三の高解像度フレーム画像を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第四の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第三の高解像度フレーム画像を出力すること
を特徴とする請求項4に記載する画像処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合は超解像度処理画像を出力せず、
前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合かつ前記検出手段の前回の検出処理において変化ポイントが検出されていない場合は、前記第三の高解像度フレーム画像を出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合かつ前記検出手段の前回の検出処理において変化ポイントが検出されている場合は、前記第四の画像生成手段で変化ポイント後に入力された複数枚の入力フレームを利用して複数枚高解像度フレーム画像を生成・出力し、次に同じ入力フレームを利用した第三の高解像度フレーム画像を出力すること
を特徴とする請求項4に記載する画像処理装置。
【請求項7】
前記出力手段は、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合は、前記第四の画像生成手段で変化ポイント後に入力された複数枚の入力フレームを利用して複数枚高解像度フレーム画像を生成・出力し、
前記検出手段が変化ポイントを検出しなかった場合は、前記第三の高解像度フレーム画像を出力すること
を特徴とする請求項4に記載する画像処理装置。
【請求項8】
前記第二の高解像度フレーム画像を生成する場合においてリファレンスフレームを設定する設定手段と、
映像の最先端を検出する最先端検出手段と、
前記最先端検出手段により映像の最先端が検出され、前記リファレンスフレームがN番目のフレームに設定されているときには、先頭フレームから(N−1)番目の入力フレームは前記第一の高解像度フレームを出力すること
を特徴とする請求項1に記載する画像処理装置。
【請求項9】
前記第二の高解像度フレーム画像を生成する場合においてリファレンス位置を設定する設定手段と、
映像の最後端を検出する最後端検出手段と、
前記最後端検出手段により映像の最後端が検出され、前記リファレンスフレームがN番目のフレームに設定されているときには、(N+1)番目のフレームから最後端の入力フレームに対しては前記第一の高解像度フレームを出力すること
を特徴とする請求項1に記載する画像処理装置。
【請求項10】
前記第三の高解像度フレーム画像を生成する場合においてリファレンスフレームを設定する設定手段と、
映像の最先端を検出する最先端検出手段と、
前記最先端検出手段により映像の最先端が検出され、前記リファレンスフレームがN番目のフレームに設定されているときには(N−1)番目のフレームはリファレンスフレームを最先頭のフレームから(N−1)番目フレームに設定した前記第四の超解像度画像フレームを出力すること
を特徴とする請求項4に記載する画像処理装置。
【請求項11】
前記第三の高解像度フレーム画像を生成する場合においてリファレンス位置を設定する設定手段と、
映像の最後端を検出する最後端検出手段と、
前記最後端検出手段により映像の最後端が検出され、前記リファレンスフレームがN番目のフレームに設定されているときには、(N+1)番目のフレームから最後端の入力フレームをリファレンスに設定した前記第四の高解像度フレームを出力すること
を特徴とする請求項4に記載する画像処理装置。
【請求項12】
前記第一の高解像度フレーム画像または前記第二の高解像度フレーム画像を生成する場合において、
フレーム内のサーチ範囲と前記サーチ範囲の所定の輝度変化分のテンプレートを追加してマッチングを行い超解像度処理を行うこと
を特徴とする請求項1に記載する画像処理装置。
【請求項13】
時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成し
複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成し、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出し、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させること、
を特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
時系列的に連続して入力される入力フレームにフレーム内超解像度処理を行い第一の高解像度フレーム画像を生成する第一の生成処理と、
複数の前記入力フレームを利用して第二の高解像度フレーム画像を生成する第二の生成処理と、
連続して入力される前記入力フレームのフレーム間の変化ポイントを検出する検出処理と、
前記検出手段が変化ポイントを検出した場合に、前記第二の高解像度フレーム画像を出力させ、前記検出手段が変化ポイントを検出しない場合は、前記第一の高解像度フレーム画像を出力させる出力処理と、
を画像処理装置上で動作させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−10297(P2012−10297A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146953(P2010−146953)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】