説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、プログラム

【課題】複数の画像を含む1つのファイルの出力が指示された場合に、当該複数の画像のうち少なくとも1つの画像を選択して出力する仕組みを提供する。
【解決手段】複数の画像を含むファイルの出力が指示された場合に、複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定が行われているか否かを判定する。そして複数画像フォーマットのファイルとして画像を出力させる場合(S1204Yes)は、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像の中からモノクロ画像を選択して出力するか、または高解像度の画像を選択して出力するかを判定する(S1301)。モノクロ画像を選択して出力する場合は、互いに関連する複数の画像の中からモノクロ画像を選択する(S1306)。そして、選択された画像を1つのファイルとして出力する(S1309)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を含む1つのファイルの出力が指示された場合に、当該1つのファイルに含まれる複数の画像の中から選択された画像を出力する画像処理装置、画像処理装置の制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された複数の画像の中から任意の画像をユーザが選択した場合に、選択された画像を出力するMFP(Multi Function Peripheral)が知られている。
【0003】
このようなMFPでは、MFPに接続されたホストコンピュータから画像データを受信する、自装置が備えるスキャナが原稿を読み取って生成した画像データを取得する、携帯型メモリ媒体に記憶された画像データを読み出す、等の方法により画像を入力する。
【0004】
そして、入力した画像を自装置が備えるハードディスクに記憶し、ユーザからの指示に従ってハードディスクに記憶している画像の一覧を表示部に表示して、この表示に基づいてユーザに任意の画像を選択させる。
【0005】
ユーザにより任意の画像が選択されると、ネットワークを介して外部装置に画像データを送信する、携帯型メモリ媒体に画像データを書き込む、等の方法により選択された画像を出力する。
【0006】
また、近年では、1つのファイルの中に複数の画像を含むフォーマットが知られている。例えば、特許文献1には、複数の解像度の画像を1つのファイルとして保持し、画像を表示する表示装置の表示領域に応じて表示すべき画像を選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−149153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
1つのファイルに複数の画像を含むフォーマットのファイルを出力する場合、以下のような問題が発生する場合がある。
【0009】
即ち、1つのファイルに複数の画像が含まれている場合に、ユーザがそのファイルの出力を指示すると、出力指示されたファイルに含まれる全ての画像が出力されてしまう。しかしながら、1つのファイルに含まれる複数の画像の全てが必要なものではなく、そのうちの一部の画像は不要である場合も多い。
【0010】
例えば、内容が同一で解像度のみが異なる複数の画像が含まれるファイルを出力するときに、全ての画像を出力する必要がなく、所定の解像度よりも解像度が高い1つまたは複数の画像さえ出力されればよい場合がある。より具体的には、ファイルの出力先となる端末が高解像度の画像に対応可能な場合は、低解像度の画像を出力する必要はないといったような場合である。
【0011】
また、他の例としては、同一内容のカラー画像及びモノクロ画像が含まれるファイルを出力するときに、カラー画像及びモノクロ画像のいずれか一方の画像さえ出力すればよい場合がある。より具体的には、ファイルの出力先となる端末がカラー画像に対応しておらず、モノクロ画像しか処理できない場合には、出力先で必要とされないカラー画像を出力することは無駄な処理を行うことになってしまう。
【0012】
このように、1つのファイルに複数の画像を含むフォーマットのファイルを出力するときに、出力指示されたファイルに含まれる全ての画像を出力するようにすると、必要とされない画像まで出力することになり余計な負荷が増してしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、複数の画像を含む1つのファイルの出力が指示された場合に、当該複数の画像のうち少なくとも1つの画像を選択して出力する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために本発明の画像処理装置は、互いに関連する複数の画像の中からモノクロ画像が選択されるようにするための条件を設定する設定手段と、同一内容のカラー画像及びモノクロ画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる同一内容のカラー画像及びモノクロ画像のうち、モノクロ画像を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像処理装置は、互いに関連する複数の画像の中から所定の解像度よりも高い解像度の画像が選択されるようにするための条件を設定する設定手段と、内容が同一で解像度が異なる複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる内容が同一で解像度が異なる複数の画像のうち、前記所定の解像度よりも高い解像度の画像を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像処理装置は、画像の出力先を登録する登録手段と、前記登録手段により登録される出力先毎に、画像を選択するための条件を設定する設定手段と、複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像処理装置は、複数の出力方法のそれぞれに対応付けて、画像を選択するための条件を設定する設定手段と、複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
複数の画像を含む1つのファイルの出力が指示された場合に、当該複数の画像のうち少なくとも1つの画像を選択して出力することにより不要な画像の出力を簡単に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態におけるネットワーク全体を示す図である。
【図2】本発明の実施形態におけるMFP100の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における複数画像フォーマットの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における画像ヘッダ302の構造を示す図である。
【図5】本発明の実施形態におけるユーザモード設定画面を示す図である。
【図6】本発明の実施形態におけるユーザモード設定画面を示す図である。
【図7】本発明の実施形態におけるユーザモード設定画面を示す図である。
【図8】本発明の実施形態におけるユーザモード設定画面を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における図5〜図8に示す画面を介して設定された内容を管理するための管理テーブルを示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるファイル一覧画面を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における宛先指定画面である。
【図12】本発明の実施形態におけるファイルの送信が指示された場合に、送信が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択して出力する動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態におけるファイルの送信が指示された場合に、送信が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択して出力する動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態におけるファイルの送信が指示された場合に、送信が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択して出力する動作を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態において出力される非複数画像フォーマットに変換されたファイルの構造を示す図である。
【図16】本発明の実施形態における複数画像フォーマットのファイルの一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態における複数画像フォーマットのファイルの一例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態における複数画像フォーマットのファイルの一例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態における複数画像フォーマットのファイルの一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態における予め登録されている出力先に対応付けて設定された条件を管理するための管理テーブルを示す図である。
【図21】本発明の実施形態における出力方法に対応付けて設定された条件を管理するための管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0021】
(第1の実施形態)
まず、本発明に係る第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、複数の画像を含む1つのファイルの出力が指示された場合に、当該複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を、予め設定された条件に従って選択して出力する例について説明する。
【0022】
図1は、第1の実施形態におけるネットワーク全体を示す図である。LAN(Local Area Network)150上には、後述するスキャナやプリンタを有するMFP100、及びPC110が備えられている。MFP100及びPC110はLAN150を介して通信し、互いに画像を送受信することができる。
【0023】
また、LAN150上には、MFP100から送信された画像を記憶したり、或いはMFP100からの要求に応じて自装置に記憶している画像をMFP100に送信したりするファイルサーバ120が備えられている。更に、MFP100は、電子メールサーバ130を介して、PC110やその他の外部装置との間で電子メール通信を行う。
【0024】
図2は、MFP100の構成を示すブロック図である。CPU211を含む制御部210は、MFP100全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0025】
HDD214は、MFP100に入力された画像を記憶する。HDD214に記憶された画像は、操作部220に備えられた液晶表示部に表示されるとともに、ユーザからの操作に従ってプリンタ222、LAN150上の外部装置、または携帯型メモリ媒体221に出力される。
【0026】
操作部I/F215は、操作部220と制御部210とを接続する。操作部220には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
【0027】
外部メモリI/F216は、携帯型メモリ媒体221と制御部210とを接続する。携帯型メモリ媒体211と制御部210とは、USB(Universal SerialBus)など有線または無線の各種通信方式のいずれかにより通信し、画像などのデータを送受信する。
【0028】
プリンタI/F217は、プリンタ222と制御部210とを接続する。プリンタ222で印刷すべき画像はプリンタI/F217を介して制御部210からプリンタ222に転送され、プリンタ222において記録媒体に記録される。
【0029】
スキャナI/F218は、スキャナ223と制御部210とを接続する。スキャナ223は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F218を介して制御部210に入力する。なお、スキャナ223は、後述するような1つのファイルに複数の画像を含むフォーマット(複数画像フォーマット)のファイルを生成することができる。
【0030】
ネットワークI/F219は、制御部210(MFP100)をLAN150に接続する。ネットワークI/F219は、LAN150上の外部装置に画像を送信したり、LAN150上の外部装置から画像を受信したりする。
【0031】
ここで、複数画像フォーマットについて説明する。
【0032】
図3は、複数画像フォーマットの構造を示す図である。ファイルヘッダ301には、1ページ目の画像ヘッダ302のアドレス、ファイル全体のサイズ、このファイルが複数画像フォーマットのファイルであることを示す情報が格納されている。
【0033】
1ページ目の画像ヘッダ302には、1ページ目の画像303に関する情報が格納されている。2ページ目の画像ヘッダ304、Nページ目の画像ヘッダ306には、それぞれ2ページ目の画像305、Nページ目の画像307に関する情報が格納されている。
【0034】
なお、ここでは複数画像フォーマットのファイルに含まれる各画像はJPEG画像など汎用的なフォーマットの画像とする。このため、複数画像フォーマットに対応していないMFPまたはPCに複数画像フォーマットのファイルが入力された場合は、汎用のJPEGビューアーソフトウェアにより、1ページ目の画像のみ表示可能となる。
【0035】
図4は、図3に示す画像ヘッダ302の構造を示す図である。代表画像フラグ401は、画像303が代表画像である場合にONとなるフラグである。代表画像とはファイルの代表として予め指定された画像であって、1つのファイルに含まれる複数の画像のうち1つだけが代表画像として指定される。
【0036】
主画像フラグ402は、画像303が主画像である場合にONとなるフラグである。主画像とは、複数画像フォーマットのファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の代表として予め指定された画像であって、互いに関連する複数の画像のうち1つだけが主画像として指定される。
【0037】
ここでは、互いに関連する複数の画像とは、同一内容のカラー画像及びモノクロ画像のことを示すものとする。また、内容が同一で解像度が異なる複数の画像も、互いに関連する複数の画像として扱う。なお、内容が同一で上述したカラー/モノクロや解像度などの点以外の点が異なっている複数の画像を、互いに関連する複数の画像として扱うようにしても構わない。
【0038】
関連画像情報403には、主画像フラグ402がONである場合に、同一のファイルに含まれている画像のうち、画像303に関連する他の画像を示す情報が格納される。例えば、画像303がカラー画像である場合に、画像303と内容が同一であるモノクロ画像を示す情報が関連画像情報403に格納される。或いは、画像303と内容が同一であって解像度が画像303とは異なる画像を示す情報が関連画像情報403に格納される。
【0039】
カラー/モノクロ情報404には、画像303がカラー画像であるかモノクロ画像であるかを示す情報が格納される。解像度情報405には、画像303の解像度を示す情報が格納される。
【0040】
図5は、MFP100に対してユーザモードとしての各種設定を行うための画面を示す図である。図5に示す画面には、ボタン501を含む複数のボタンが表示され、ユーザは設定したい内容に応じてボタンを選択して押下する。
【0041】
ボタン501は、複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定(第1の指定)を行う場合に押下する。ボタン501が押下されると、図6に示す画面が表示される。
【0042】
図6は、複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定(第2の指定)を行うための画面を示す図である。図6に示す画面には、ボタン601及びボタン602が表示されている。ボタン601は、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、そのファイルに含まれる画像を、複数画像フォーマットのファイルとして出力させるようにしたい場合に押下する。ボタン602は、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、そのファイルに含まれる画像を、複数画像フォーマットではない通常のフォーマットのファイルとして出力させるようにしたい場合に押下する。
【0043】
図7は、図6に示すボタン601が押下された場合に表示される画面を示す図である。図7に示す画面では、本実施形態における第1の条件である「カラー画像を削除する」と第2の条件である「低解像度画像を削除する」のいずれか一方を択一的に選択させるためのラジオボタン701及び702が表示されている。
【0044】
複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像の中からモノクロ画像を選択して出力させるようにしたい場合は、「カラー画像を削除する」を選択する。また、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像の中から高解像度の画像を選択して出力させるようにしたい場合は、「低解像度画像を削除する」を選択する。
【0045】
「低解像度画像を削除する」を選択した場合には、さらに入力欄703に高解像度の画像と低解像度の画像を区別するための閾値となる解像度を入力することができる。図7に示す例では、「300dpi未満の画像を削除」という設定になっているため、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、300dpi未満の解像度の画像は出力せずに、300dpi以上の解像度の画像が出力することが設定されている。
【0046】
「カラー画像を削除する」と「低解像度画像を削除する」のいずれか一方が選択された後、OKボタン704が押下されると、入力された内容をHDD214内に記憶して図7に示す画面が閉じる。
【0047】
図8は、図6に示すボタン602が押下された場合に表示される画面であって、複数画像フォーマットではない通常のフォーマットのファイルを出力する場合の設定(第3の指定)を行うための画面を示す図である。図8に示す画面では、「代表画像のみ出力する」と「全ての画像を個別のファイルとして出力する」のいずれか一方を択一的に選択させるためのラジオボタン801及び802が表示されている。
【0048】
複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、代表画像のみを出力させるようにしたい場合は、「代表画像のみ出力する」を選択する。また、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像を、それぞれ個別のファイルとして出力させるようにしたい場合は、「全ての画像を個別のファイルとして出力する」を選択する。
【0049】
「代表画像のみ出力する」と「全ての画像を個別のファイルとして出力する」のいずれか一方が選択された後、OKボタン803が押下されると、入力された内容をHDD214内に記憶して図8に示す画面が閉じる。
【0050】
図9は、図5〜図8に示す画面を介して設定された内容を管理するための管理テーブルを示す図である。この管理テーブルは、HDD214内に記憶されている。
【0051】
項目901には、複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定が行われているか否かを示す情報が格納される。図5のボタン501が押下され後続の画面を介して複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定が行われている場合は項目901の値はONとなり、設定が行われていなければOFFとなる。
【0052】
項目902は、項目901がONである場合にのみ値が格納される項目であって、項目902には、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、複数画像フォーマットのファイルとして画像を出力させるか否かを示す情報が格納される。つまり、図6のボタン601が押下された場合は項目902の値はONとなり、ボタン602が押下された場合はOFFとなる。
【0053】
項目903及び904は、項目902がONである場合にのみ値が格納される項目であって、項目903及び904のうちいずれか一方の項目のみがONとなり、他方の項目はOFFとなる。項目903には、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像の中からモノクロ画像を選択して出力させるか否かを示す情報が格納される。つまり、図7に示す画面で「カラー画像を削除する」が選択された場合は項目903の値はONとなり、「低解像度画像を削除する」が選択された場合はOFFとなる。
【0054】
項目904には、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像の中から高解像度の画像を選択して出力させるか否かを示す情報が格納される。つまり、図7に示す画面で「低解像度画像を削除する」が選択された場合は項目904の値はONとなり、「カラー画像を削除する」が選択された場合はOFFとなる。
【0055】
項目905は、項目904がONである場合にのみ値が格納される項目である。項目905には、図7に示す画面の入力欄703に入力された解像度の値が格納される。
【0056】
項目906及び907は、項目902がOFFである場合にのみ値が格納される項目であって、項目906及び907のうちいずれか一方の項目のみがONとなり、他方の項目はOFFとなる。項目906には、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、代表画像のみを出力させるか否かを示す情報が格納される。つまり、図8に示す画面で「代表画像のみ出力する」が選択された場合は項目906の値はONとなり、「全ての画像を個別のファイルとして出力する」が選択された場合はOFFとなる。
【0057】
項目907には、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像を、それぞれ個別のファイルとして出力させるか否かを示す情報が格納される。つまり、図8に示す画面で「全ての画像を個別のファイルとして出力する」が選択された場合は項目907の値はONとなり、「代表画像のみ出力する」が選択された場合はOFFとなる。
【0058】
図10は、操作部220の液晶表示部に表示されるファイル一覧画面を示す図である。ファイル一覧画面には、HDD214や携帯型メモリ媒体221内に記憶されている複数のファイルのそれぞれを示す情報が表示されている。表示すべきファイルの数が1つの画面に表示可能な数を超えた場合には、スクロールキー1001が表示される。領域1002には、全部で何ページの画面があるか、及び現在表示されている画面が何ページ目の画面であるかを示す情報が表示される。例えば、図10に示す例では全部で5ページの画面があり、現在は1ページ目の画面が表示されていることが分かる。
【0059】
領域1003には、各ファイルに関する情報が表示される。図10に示す例では、ファイル名及びファイルの保存日時を示す情報が表示されている。液晶表示部はタッチパネル機能を有するため、ユーザは領域1003の表示に基づいて、所望のファイルに対応する箇所に触れることによりファイルを指定することができる。ユーザによりファイルが指定された場合は、そのファイルに関する情報は反転表示され選択された状態となる。図10に示す例では、ファイル「DEF」がユーザにより選択されていることが分かる。
【0060】
宛先指定ボタン1004は、選択されたファイルに含まれる画像の出力先を指定する場合に押下する。なお、これ以降の説明では、選択されたファイルに含まれる画像を出力する場合の出力方法としてLAN150を介して外部装置に送信する方法を例に説明する。しかしながら、MFP100に接続された携帯型メモリ媒体221に画像を書き込むことにより画像を出力するようにしても構わない。
【0061】
図11は、操作部220の液晶表示部に表示される宛先指定画面を示す図である。ユーザは、電子メールを用いて画像を送信する場合には、この宛先指定画面においてメールアドレスを入力する。また、SMB(Server Message Block)などのファイル送信プロトコルを用いて画像を送信する場合はホスト名や送信先のディレクトリを示す情報を入力する。なお、携帯型メモリ媒体221を画像の出力先としたい場合に、この宛先指定画面で携帯型メモリ媒体221を指定できるようにしても構わない。
【0062】
ユーザにより入力された宛先情報は領域1101に表示される。宛先を指定した後、決定ボタン1102を押下すると宛先指定画面が閉じて、図10に示すファイル一覧画面に戻る。ファイル一覧画面に表示されたファイルのうち、いずれかのファイルを選択した後で送信ボタン1005を押下すると、選択されたファイルに含まれる画像が、指定された宛先に送信される。
【0063】
図12、13、及び14は、ファイルの送信指示を受付けた場合に、送信が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択して出力する動作を説明するフローチャートである。図12、13、及び14に示すフローチャートに示す各動作は、MFP100のCPU211が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0064】
ファイル一覧画面で送信ボタン1005が押下された場合に、まずステップS1201で、送信が指示されたファイルが複数画像フォーマットのファイルであるか否かを判定する。なお、この判定は、図3のファイルヘッダ301に格納されている情報に基づいて行う。この判定の結果、送信が指示されたファイルが複数画像フォーマットのファイルであると判定した場合は、ステップS1202に進み、そうでなければステップS1208に進む。
【0065】
ステップS1202では、図9に示す設定情報をHDD214から読み出す。そして、続くステップS1203では、項目901の値に基づいて、複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定が行われているか否かを判定する。この判定の結果、複数画像フォーマットのファイルの出力に関する設定が行われていると判定した場合は、ステップS1204に進み、そうでなければステップS1208に進む。
【0066】
ステップS1201またはステップS1203における判定の結果、ステップS1208に進んだ場合は、選択されたファイルをそのまま指定された送信先に送信して処理を終了する。
【0067】
ステップS1204では、項目902の値に基づいて、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、そのファイルに含まれる画像を複数画像フォーマットのファイルとして出力させるか否かを判定する。この判定の結果、複数画像フォーマットのファイルとして画像を出力させると判定した場合は、ステップS1301に進み、そうでなければステップS1205に進む。
【0068】
ステップS1205では、項目906または項目907の値に基づいて、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像を、それぞれ個別のファイルとして出力させるか否かを判定する。この判定の結果、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像を、それぞれ個別のファイルとして出力させると判定した場合は、ステップS1206に進み、そうでなければステップS1207に進む。
【0069】
ステップS1206では、出力が指定されたファイルに含まれる複数の画像毎にそれぞれ個別のファイルを生成する。
【0070】
図15は、図12のステップS1206で作成される各ファイルの構造を示す図であって、図3に示す複数画像フォーマットのファイルに対してステップS1206で処理を行った場合に生成されるファイルを示す図である。ステップS1205における判定の結果、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像を、それぞれ個別のファイルとして出力させると判定した場合に、図15に示すように元のファイルに含まれる複数の画像を個別のファイルに格納する。
【0071】
つまり、元のファイルにおける1ページ目の画像ヘッダ302及び1ページ目の画像1303には、ファイルヘッダ1501が付加される。また、元のファイルにおける2ページ目の画像ヘッダ304及び2ページ目の画像305には、ファイルヘッダ1502が付加される。同様に、元のファイルにおけるNページ目の画像ヘッダ306及びNページ目の画像307には、ファイルヘッダ1503が付加される。
【0072】
このように、ステップS1206では、出力が指示されたファイルに含まれている画像の数と同じ数のファイルが生成される。生成された各ファイルは、ステップS1208において、指定された宛先に送信される。
【0073】
一方、ステップS1207では、出力が指示されたファイルに含まれている画像のうち、代表画像フラグ401がONになっている1つの画像を残し、その他の画像を削除したうえで、残った1つの画像を含む1つのファイルを生成する。そして、生成されたファイルは、ステップS1208において、指定された宛先に送信される。
【0074】
ステップS1301では、複数画像フォーマットのファイルの出力が指示された場合に、出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像の中からモノクロ画像を選択して出力するか、または高解像度の画像を選択して出力するかを判定する。この判定の結果、モノクロ画像を選択して出力すると判定した場合は、ステップS1302に進み、高解像度の画像を選択して出力すると判定した場合は、ステップS1401に進む。
【0075】
ステップS1302では、出力が指示されたファイルに含まれる1ページ目の画像ヘッダを参照する。そして、続くステップS1303では、この画像ヘッダの主画像フラグ402に基づいて、1ページ目の画像が主画像であるか否かを判定する。この判定の結果、1ページ目の画像が主画像であると判定した場合は、ステップS1304に進み、そうでなければステップS1308に進む。
【0076】
ステップS1304では、関連画像情報403に格納された情報に基づいて1ページ目の画像に関連する他の画像の画像ヘッダを参照する。そして、ステップS1305では、1ページ目の画像(主画像)及び1ページ目の画像に関連する他の画像(関連画像)を含む複数の画像に、モノクロ画像が含まれているか否かを判定する。この判定の結果、モノクロ画像が含まれていると判定した場合は、ステップS1306に進み、そうでなければステップS1307に進む。
【0077】
ステップS1306では、1ページ目の画像(主画像)及び1ページ目の画像に関連する他の画像(関連画像)を含む複数の画像のうち、カラー画像を全て削除する。一方、ステップS1307では、1ページ目の画像(主画像)を残し、1ページ目の画像に関連する他の画像(関連画像)を全て削除する。
【0078】
ステップS1308では、ステップS1302で参照した画像ヘッダが最終ページのものか否かを判定し、最終ページでない(つまり次ページが存在する)と判定した場合は、ステップS1302に戻り、次ページの画像ヘッダを参照する。
【0079】
ステップS1302で参照した画像ヘッダが最終ページのものであると判定した場合は、ステップS1309に進み、ステップS1306またはステップS1307で削除されなかった画像を複数画像フォーマットの1つのファイルとして宛先に送信する。
【0080】
ここで、図16を用いてステップS1302〜S1308の各処理を具体的に説明する。図16は、出力が指示された複数画像フォーマットのファイルの例を示している。図16に示すファイルには、画像1601を主画像とする互いに関連する3つの画像(1601、1602、1603)が1〜3ページ目に含まれている。また、これとは別に、画像1605を主画像とする互いに関連する3つの画像(1604、1605、1606)が4〜6ページ目に含まれている。なお、画像1601、画像1604、画像1605、及び画像1606はカラー画像で、画像1602及び画像1603はモノクロ画像である。
【0081】
このファイルに対して、ステップS1302〜S1308の各処理を行った場合、以下の通りとなる。即ち、まずステップS1302で画像1601の画像ヘッダが参照され、画像1601が主画像であることが認識される。そして、ステップS1304で画像1601の関連画像である画像1602及び画像1603の各画像ヘッダが参照される。
【0082】
そして、ステップS1305の判定では、画像1602及び画像1603がモノクロ画像であるため、互いに関連する複数の画像にモノクロ画像が含まれていると判定され、ステップS1306に進む。ステップS1306では、カラー画像である画像1601が削除される。なお、この場合、主画像である画像1601が削除されてしまうので、画像1601に関連する画像であって、次ページの画像である画像1602が新たに主画像として指定される。
【0083】
次に、ステップS1308を経てステップS1302に戻り、画像1602や画像1603の画像ヘッダが参照される。但し、このとき画像1601の関連画像である画像1602及び画像1603については、既にステップS1302〜S1308の処理が行われているため、画像1602や画像1603が削除されることはない。
【0084】
画像1602や画像1603の画像ヘッダを参照した後、画像1604の画像ヘッダが参照される。しかしながら、画像1604は主画像ではないため、ステップS1308に進む。
【0085】
その後、再度ステップS1302に戻り、画像1605の画像ヘッダが参照され、画像1605が主画像であることが認識される。そして、ステップS1304で画像1605の関連画像である画像1604及び画像1606の各画像ヘッダが参照される。
【0086】
そして、ステップS1305の判定では、画像1604、画像1605、及び画像1606はいずれもカラー画像であるため、互いに関連する複数の画像にモノクロ画像が含まれていないと判定され、ステップS1307に進む。ステップS1307では、関連画像である画像1604及び画像1606が削除される。なお、この場合、残った画像1605に関連する画像は存在しなくなるため、画像1605の画像ヘッダの主画像フラグ402は自動的にOFFになる。
【0087】
以上の処理が行われた結果、最終的には図17に示すように、画像1602、画像1603、及び画像1605の3つの画像を含む複数画像フォーマットのファイルが送信される。
【0088】
次に、ステップS1301の判定の結果、高解像度の画像を選択して出力すると判定した場合について説明する。ステップS1401では、出力が指示されたファイルに含まれる1ページ目の画像ヘッダを参照する。そして、続くステップS1402では、この画像ヘッダの主画像フラグ402に基づいて、1ページ目の画像が主画像であるか否かを判定する。この判定の結果、1ページ目の画像が主画像であると判定した場合は、ステップS1403に進み、そうでなければステップS1407に進む。
【0089】
ステップS1403では、関連画像情報403に格納された情報に基づいて1ページ目の画像に関連する他の画像の画像ヘッダを参照する。そして、ステップS1404では、1ページ目の画像(主画像)及び1ページ目の画像に関連する他の画像(関連画像)を含む複数の画像に、高解像度画像が含まれているか否かを判定する。ここでの判定は、項目905の値として設定された解像度よりも低い解像度の画像を低解像度画像とし、設定された解像度と同じまたはそれ以上の解像度の画像を高解像度画像とする。この判定の結果、高解像度画像が含まれていると判定した場合は、ステップS1405に進み、そうでなければステップS1406に進む。
【0090】
ステップS1405では、1ページ目の画像(主画像)及び1ページ目の画像に関連する他の画像(関連画像)を含む複数の画像のうち、低解像度画像を全て削除する。一方、ステップS1406では、1ページ目の画像(主画像)を残し、1ページ目の画像に関連する他の画像(関連画像)を全て削除する。
【0091】
ステップS1407では、ステップS1401で参照した画像ヘッダが最終ページのものか否かを判定し、最終ページでない(つまり次ページが存在する)と判定した場合は、ステップS1401に戻り、次ページの画像ヘッダを参照する。
【0092】
ステップS1401で参照した画像ヘッダが最終ページのものであると判定した場合は、ステップS1408に進み、ステップS1405またはステップS1406で削除されなかった画像を複数画像フォーマットの1つのファイルとして宛先に送信する。
【0093】
ここで、図18を用いてステップS1401〜S1407の各処理を具体的に説明する。図18は、出力が指示された複数画像フォーマットのファイルの例を示している。図18に示すファイルには、画像1801を主画像とする互いに関連する3つの画像(1801、1802、1803)が1〜3ページ目に含まれている。また、これとは別に、画像1805を主画像とする互いに関連する3つの画像(1804、1805、1806)が4〜6ページ目に含まれている。なお、画像1801、画像1804、画像1805、及び画像1806は低解像度画像で、画像1802及び画像1803は高解像度画像である。
【0094】
このファイルに対して、ステップS1401〜S1407の各処理を行った場合、以下の通りとなる。即ち、まずステップS1401で画像1801の画像ヘッダが参照され、画像1801が主画像であることが認識される。そして、ステップS1403で画像1801の関連画像である画像1802及び画像1803の各画像ヘッダが参照される。
【0095】
そして、ステップS1404の判定では、画像1802及び画像1803が高解像度画像であるため、互いに関連する複数の画像に高解像度画像が含まれていると判定され、ステップS1405に進む。ステップS1405では、低解像度画像である画像1801が削除される。なお、この場合、主画像である画像1801が削除されてしまうので、画像1801に関連する画像であって、画像1801の次ページの画像である画像1802が新たに主画像として指定される。
【0096】
次に、ステップS1407を経てステップS1401に戻り、画像1802や画像1803の画像ヘッダが参照される。但し、このとき画像1801の関連画像である画像1802及び画像1803については、既にステップS1401〜S1407の処理が行われているため、画像1802や画像1803が削除されることはない。
【0097】
画像1802や画像1803の画像ヘッダを参照した後、画像1804の画像ヘッダが参照される。しかしながら、画像1804は主画像ではないため、ステップS1407に進む。
【0098】
その後、再度ステップS1401に戻り、画像1805の画像ヘッダが参照され、画像1805が主画像であることが認識される。そして、ステップS1403で画像1805の関連画像である画像1804及び画像1806の各画像ヘッダが参照される。
【0099】
そして、ステップS1404の判定では、画像1804、画像1805、及び画像1806はいずれも低解像度画像であるため、互いに関連する複数の画像に高解像度画像が含まれていないと判定され、ステップS1406に進む。ステップS1406では、関連画像である画像1804及び画像1806が削除される。なお、この場合、残った画像1805に関連する画像は存在しなくなるため、画像1805の画像ヘッダの主画像フラグ402は自動的にOFFになる。
【0100】
以上の処理が行われた結果、最終的には図19に示すように、画像1802、画像1803、及び画像1805の3つの画像を含む複数画像フォーマットのファイルが送信される。
【0101】
このように、第1の実施形態では、複数の画像を含むファイルの出力が指示された場合に、ユーザモードとして設定された条件に従って、当該ファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択する。これにより、出力が指示されたファイルに含まれる画像の中から不要な画像を削除したうえで画像を出力することができるので、不要な画像の出力にかかる無駄な処理を行わずに済む。
【0102】
また、画像の出力先となる端末にとっても、自身が必要としない画像があらかじめ出力元において削除された状態で画像が出力されてくるので、データ量の大きなファイルを受けとらずに済むようになる。
【0103】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、1つのファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択するための条件を、ユーザモードとして設定する例について説明した。つまり、第1の実施形態では、ファイルの出力を指示する際にユーザが意図的に条件を変更しない限りは、常に共通の条件に従って画像が選択される。
【0104】
これに対して、第2の実施形態では、HDD214内に予め登録されている出力先毎に、画像を選択するための上述した条件を設定する構成が追加されている。なお、これ以外の点については第1の実施形態と同様の構成であるため説明は省略する。
【0105】
図20は、1つのファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択するための条件を、予め登録されている出力先に対応付けて設定した場合における、設定内容を管理するための管理テーブルを示す図である。
【0106】
図20に示す通り、HDD214内に登録されている「宛先1」「宛先2」「宛先3」のそれぞれに対して、図9で説明した項目901〜907の値が設定され、管理されている。
【0107】
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明したのと同様に、図12、図13、及び14に示すフローチャートの各処理を行い、選択された画像を出力するが、図12のステップS1202の処理のみが第1の実施形態と異なる。すなわち、第2の実施形態では、ステップS1202において、宛先指定画面を介してユーザが指定した宛先(出力先)に応じて、指定された宛先に対応する条件を読み出すようにしている。
【0108】
これにより、例えば出力先の能力に応じてどのような条件で画像を選択すべきかを出力先毎に管理者が設定しておけば、実際にファイルの出力を指示するユーザが出力先の能力を知らなくとも、必要なファイルが適切に選択されて出力される。即ち、カラー画像に対応しておらず、モノクロ画像しか処理できない出力先に対しては、カラー画像を削除して出力するよう設定し、カラー画像に対応した出力先に対しては、カラー画像を削除せずに出力するよう設定することができる。
【0109】
なお、出力先に対応付けて条件を設定する際には、図5〜図8に示す画面を介して設定するようにしてもよいし、各出力先と直接通信して互いの能力情報を交換することにより、自動的に設定を行うようにしても構わない。
【0110】
また、指定された出力先がHDD214に登録されていなかったり、HDD214に登録されていたとしても対応する条件が設定されていなかったりした場合に、第1の実施形態で説明したユーザモードとして設定された共通の条件を使用するようにしてもよい。
【0111】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。第1の実施形態では、1つのファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択するための条件を、ユーザモードとして設定する例について説明した。つまり、第1の実施形態では、ファイルの出力を指示する際にユーザが意図的に条件を変更しない限りは、常に共通の条件に従って画像が選択される。
【0112】
これに対して、第3の実施形態では、画像を出力する場合に使用可能な複数の出力方法のそれぞれに対応付けて、画像を選択するための上述した条件を設定する構成が追加されている。なお、これ以外の点については第1の実施形態と同様の構成であるため説明は省略する。
【0113】
図21は、1つのファイルに含まれる複数の画像のうち、互いに関連する複数の画像の中から少なくとも1つの画像を選択するための条件を、出力方法に対応付けて設定した場合における、設定内容を管理するための管理テーブルを示す図である。
【0114】
MFP100は、電子メールサーバ130を介した電子メール送信、PC110やファイルサーバ120に対するSMB等を用いたファイル送信、及び携帯型メモリ媒体221に対する出力など複数の出力方法のいずれかを用いて画像を出力する。第3の実施形態では、図21に示すように、出力方法毎に画像を選択するための条件が設定される。
【0115】
第3の実施形態では、第1の実施形態で説明したのと同様に、図12、図13、及び14に示すフローチャートの各処理を行い、選択された画像を出力するが、図12のステップS1202の処理のみが第1の実施形態と異なる。すなわち、第3の実施形態では、ステップS1202において、宛先指定画面を介してユーザが指定した宛先(出力先)に対して画像を出力する際に用いられる出力方法に応じて、指定された宛先に対応する条件を読み出すようにしている。
【0116】
これにより、例えば、電子メールに添付して画像を出力する場合は、ファイル送信する場合や携帯型メモリ媒体へ出力する場合と比較して、出力するデータのデータ量をより小さいものとするために多くの画像を削除するようにするといったような設定ができる。
【0117】
以上、これまで第1乃至第3の実施形態としてそれぞれ説明したが、上述した第1乃至第3の実施形態の内容はそれぞれ個別で実施してもよいし、適宜組み合わせて実施することもできる。
【0118】
また、上述した説明では、図7に示す画面において、「カラー画像を削除する」と「低解像度画像を削除する」のいずれか一方を択一的に選択させるようにしたが、これ以外の選択肢を設けるようにしても構わない。例えば、「モノクロ画像で且つ400dpiを超える解像度の画像を削除する」といったような選択肢を設けることもできる。
【0119】
また、上述した説明では、互いに関連する複数の画像とは内容が同一でカラー/モノクロや解像度などが異なるものとしたが、例えば所定の短い間隔で連続して撮影された複数の連写画像を互いに関連する複数の画像として扱ってもよい。
【0120】
(その他の実施形態)
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0121】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔の外部装置から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0122】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0123】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0124】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
【0125】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0126】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してユーザに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0127】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0128】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0129】
100 MFP
150 LAN
211 CPU
212 ROM
213 RAM
214 HDD
220 操作部
221 携帯型メモリ媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに関連する複数の画像の中からモノクロ画像が選択されるようにするための条件を設定する設定手段と、
同一内容のカラー画像及びモノクロ画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、
前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる同一内容のカラー画像及びモノクロ画像のうち、モノクロ画像を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
互いに関連する複数の画像の中から所定の解像度よりも高い解像度の画像が選択されるようにするための条件を設定する設定手段と、
内容が同一で解像度が異なる複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、
前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる内容が同一で解像度が異なる複数の画像のうち、前記所定の解像度よりも高い解像度の画像を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
画像の出力先を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録される出力先毎に、画像を選択するための条件を設定する設定手段と、
複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、
前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
複数の出力方法のそれぞれに対応付けて、画像を選択するための条件を設定する設定手段と、
複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付手段と、
前記設定手段により設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記出力指示により出力が指示されたファイルに、前記設定手段により設定された条件に該当する画像が含まれていない場合に、前記選択手段は、予め主画像として指定されている1つの画像を選択することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記選択手段により選択された画像を含み、前記選択手段により選択されなかった画像を含まない、1つのファイルを出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
互いに関連する複数の画像の中からモノクロ画像が選択されるようにするための条件を設定する設定工程と、
同一内容のカラー画像及びモノクロ画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる同一内容のカラー画像及びモノクロ画像のうち、モノクロ画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
互いに関連する複数の画像の中から所定の解像度よりも高い解像度の画像が選択されるようにするための条件を設定する設定工程と、
内容が同一で解像度が異なる複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる内容が同一で解像度が異なる複数の画像のうち、前記所定の解像度よりも高い解像度の画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
画像の出力先を登録する登録工程と、
前記登録工程で登録される出力先毎に、画像を選択するための条件を設定する設定工程と、
複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
複数の出力方法のそれぞれに対応付けて、画像を選択するための条件を設定する設定工程と、
複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像処理装置の制御方法は、
互いに関連する複数の画像の中からモノクロ画像が選択されるようにするための条件を設定する設定工程と、
同一内容のカラー画像及びモノクロ画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる同一内容のカラー画像及びモノクロ画像のうち、モノクロ画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像処理装置の制御方法は、
互いに関連する複数の画像の中から所定の解像度よりも高い解像度の画像が選択されるようにするための条件を設定する設定工程と、
内容が同一で解像度が異なる複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる内容が同一で解像度が異なる複数の画像のうち、前記所定の解像度よりも高い解像度の画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像処理装置の制御方法は、
画像の出力先を登録する登録工程と、
前記登録工程で登録される出力先毎に、画像を選択するための条件を設定する設定工程と、
複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像処理装置の制御方法は、
複数の出力方法のそれぞれに対応付けて、画像を選択するための条件を設定する設定工程と、
複数の画像を含む1つのファイルの出力指示をユーザから受け付ける受付工程と、
前記設定工程で設定された条件に従って、前記出力指示により出力が指示されたファイルに含まれる複数の画像のうち、少なくとも1つの画像を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された画像を出力する出力工程と、
を備えることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−239218(P2012−239218A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172025(P2012−172025)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2008−212937(P2008−212937)の分割
【原出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】