説明

画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理プログラム

【課題】読取対象の原稿が少数色化処理に適するか否かの判定を簡便に行うことのできる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、使用色数に関する第1の閾値を取得するとともに使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を取得する取得手段と、読み取られた原稿に対応する画像データに対し少数色化処理を実行する実行手段と、少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が前記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が前記第2の閾値に達している条件を満足しているか否か判断する判断手段と、判断手段によって上記条件を満足していると判断されたときは、上記原稿は少数色化処理に適さないと決定する決定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像中に使用されている色数を低減する少数色化の処理を行う画像処理装置が知られている。少数色化の処理は、画像中から代表色を抽出し、各画素の色を代表色のいずれかに置き換えることにより行われる。
【0003】
このような画像処理装置には、少数色化の処理を行うか否かを判断し、この判断した結果に基づいて少数色化の処理を実施するものがある。
【0004】
なお、少数色化(限定色化とも言われる)処理を実施する画像処理装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−301187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、読取対象の原稿が少数色化処理に適するか否かの判定を簡便に行うことのできる画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像処理装置は、使用色数に関する第1の閾値を取得するとともに使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を取得する取得手段と、読み取られた原稿に対応する画像データに対し少数色化処理を実行する実行手段と、前記少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が前記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が前記第2の閾値に達している条件を満足しているか否か判断する判断手段と、前記判断手段によって前記条件を満足していると判断されたときは、前記原稿は前記少数色化処理に適さないと決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記原稿に対応して前記少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードを受け付ける受付手段、を更に備え、前記実行手段は、前記受付手段によって前記少数色モードが受け付けられた場合に、前記決定手段によって前記原稿は前記少数色化処理に適さないと決定されたときは、前記画像データに対し前記少数色化処理を適用しない処理を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記原稿に対応して前記少数色化処理を実行しない旨の非少数色モードを受け付ける受付手段、を更に備え、前記決定手段は、前記受付手段によって前記非少数色モードが受け付けられた場合に、前記判断手段によって前記条件を満足していないと判断されたときは、前記原稿は前記少数色化処理に適すると決定する、ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明の画像読取装置は、原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に画像データを生成する生成手段と、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の画像処理装置と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明の画像形成装置は、原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に画像データを生成する生成手段と、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の画像処理装置と、情報処理装置から出力され印刷要求されたデータまたは前記画像処理装置によって処理されたデータに基づき画像を形成する画像形成手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明の画像処理プログラムは、使用色数に関する第1の閾値を取得するとともに使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を取得する取得処理過程と、読み取られた原稿に対応する画像データに対し少数色化処理を実行する実行処理過程と、前記少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が前記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が前記第2の閾値に達している条件を満足しているか否か判断する判断処理過程と、前記判断処理過程により前記条件を満足していると判断されたときは、前記原稿は前記少数色化処理に適さないと決定する決定処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、読取対象の原稿が少数色化処理に適するか否かの判定を簡便に行うことができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードが受け付けられた場合であっても、少数色化処理に適さないと決定された読取対象の原稿に対応して、少数色化処理を適用しない処理が実行されたデータとすることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、少数色化処理を実行しない旨の非少数色モードが受け付けられた場合であっても、少数色化処理に適すると決定された読取対象の原稿に対応して、少数色化処理が実行されたデータとすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、読取対象の原稿が少数色化処理に適するか否かの判定を簡便に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、読取対象の原稿が少数色化処理に適するか否かの判定を簡便に行うことができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、読取対象の原稿が少数色化処理に適するか否かの判定を簡便に行わせるソフトウェアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像処理装置の少数色化適正判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す構成図である。
【図4】第3の実施の形態に係る画像読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】第4の実施の形態に係る画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
(第1の実施の形態)
【0022】
第1の実施の形態に係る画像処理装置について説明する。
【0023】
画像処理装置100は、図1に示すように、インタフェース110、設定部120、画像処理部130、蓄積部140およびデータ転送部150を有している。これら各構成要素はシステムバス160に接続されている。
【0024】
画像処理装置100は、インタフェース110を介して画像読取装置160とのデータ通信を行う。
【0025】
インタフェース110は、画像読取装置170とのデータ通信を司るものであり、画像読取装置170から出力されたパラメータや原稿画像データを受信する。
【0026】
設定部120は、受付部121と記憶部122とを有している。
【0027】
受付部121は、受付手段の機能を果たすものであり、インタフェース110を介して、画像読取装置170から出力されユーザによって設定されたパラメータ群を受け付ける。
【0028】
第1の実施の形態では、パラメータ群は、例えば、カラーモード、PDF(Portable Document Format)やXPS(XML Paper Specification)などのフォーマット、OCR(光学文字認識)処理を付与すべきか否かを示す情報および少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨の各パラメータを含むパラメータ群(以下「ユーザ設定パラメータ群」という。)である。
【0029】
少数色化処理とは、多階調の原稿の中に使用されている代表色を決定し、その代表色のみを用いて原稿を表現する処理である。
【0030】
また、少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨は、原稿に対応して少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードまた原稿に対応して少数色化処理を実行しない旨の非少数色モードである。なお、少数色モードは、非少数色モードと比較してデータ圧縮の圧縮率が高くなるモードである。
【0031】
すなわち、受付部121は、上記少数色モードを示すパラメータまたは非少数色モードを示すパラメータを受け付ける。
【0032】
記憶部122は、受付部121によって受け付けられたユーザ設定パラメータ群を記憶するとともに、画像処理部130による画像処理を実施するのに必要となる予め設定されたパラメータ群(以下「システムパラメータ群」という。)を記憶する。
【0033】
システムパラメータ群には、使用色数に関する第1の閾値を示すパラメータ、使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を示すパラメータ、ユーザによって少数色モードを示すパラメータが設定されている場合に、当該パラメータに代替して再設定されるパラメータ(以下「再設定パラメータ」という。)が含まれる。
【0034】
なお、再設定パラメータとしては、例えば、フルカラーで画像形成する旨を示すフルカラーモードに変更する旨、少数色モードでのデータ圧縮以外のデータ圧縮(例えば高圧縮など)に変更する旨が挙げられる。
【0035】
第1の実施の形態では、ユーザ設定パラメータ群の中の少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨のパラメータ(少数色モードまたは非少数色モード)と、システムパラメータ群の中の使用色数に関する第1の閾値を示すパラメータおよび使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を示すパラメータとを、少数色化処理にかかわるパラメータと定義する。
【0036】
画像処理部130は、処理部131、取得部132、実行部133、判断部134および決定部135を有している。
【0037】
処理部131は、インタフェース110が受信した原稿画像データを取得するとともに、設定部120の記憶部122に記憶されている少数色化処理にかかわるパラメータ以外のパラメータ(ユーザ設定パラメータ群、システムパラメータ群)に従って、前記取得した原稿画像データを電子データに変換し、この電子データを蓄積部140に格納する。
【0038】
取得部132は、取得手段の機能を果たすものであり、設定部120の記憶部122に記憶されている使用色数に関する第1の閾値(パラメータ)を取得するとともに、使用色同士の色味の差に関する第2の閾値(パラメータ)を取得する。
【0039】
実行部133は、実行手段の機能を果たすものであり、蓄積部140に記憶されている電子データに対し少数色化処理を実行する。
【0040】
また、実行部133は、受付部121によって上記少数色モードが受け付けられた場合に、詳細は後述するが決定部135によって原稿は少数色化処理に適さないと決定されたときは、電子データに対し少数色化処理を適用しない処理を実行する。
【0041】
判断部134は、判断手段の機能を果たすものであり、実行部133による少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が上記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が上記第2の閾値に達している条件(判断条件)を満足しているか否かを判断する。
【0042】
決定部135は、決定手段の機能を果たすものであり、判断部134によって上記判断条件を満足していると判断されたときは、原稿は少数色化処理に適さないと決定する。
【0043】
また、決定部135は、受付部121によって上記非少数色モードが受け付けられた場合に、判断部134によって上記判断条件を満足していないと判断されたときは、原稿は少数色化処理に適すると決定する、すなわち少数色化処理されたデータを採用すべきと決定する。
【0044】
蓄積部140は、処理部131によって変換された電子データを蓄積する。
【0045】
データ転送部150は、実行部133による実行の結果であるデータをデータ転送先170へ転送する。このデータ転送先180としては、外部記憶装置、コンピュータ、サーバ装置など外部の装置が挙げられる。
【0046】
画像読取装置170は、操作パネル171と生成部172を有する画像入力部173とを備えている。
【0047】
操作パネル171は、上述したユーザ設定パラメータ群を設定するためのユーザインタフェース画面、エラーメッセージおよび警告メッセージなど表示情報を表示する機能(表示部)と、表示されたユーザインタフェース画面に対して設定される各パラメータ、表示された警告メッセージに対応して設定される対処すべき情報(再設定すべきパラメータなど)、原稿読み込み(スキャン開始)の指示など入力情報を入力する機能(入力部)とを有している。原稿読み込み(スキャン開始)の指示は、前記入力部に備えられているスタートボタンを押下することにより行われる。
【0048】
ユーザインタフェース画面に対して設定された各パラメータ(ユーザ設定パラメータ群)あるいは警告メッセージに対応して設定された対処すべき情報(再設定すべきパラメータなど)は、画像読取装置170から画像処理装置100に向けて出力される。また、原稿読み込み開始の指示は操作パネル171から画像入力部173に与えられる。
【0049】
生成部172は、原稿読み込み開始の指示に従って原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に原稿画像データを生成する。
【0050】
画像入力部173は、生成部162によって生成された原稿画像データを画像処理装置100へ出力する。
【0051】
次に、画像処理装置100による少数色化適正判定処理について、図2を参照して説明する。
【0052】
この例では、ユーザが少数色モードを指定して原稿の読み込み開始を指示する場合の少数色化適正判定処理について説明する。
【0053】
まず、ユーザは画像読取装置170の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、操作パネル171の入力部を操作して、その表示部にユーザインタフェース画面を表示させた後、該ユーザインタフェース画面の各パラメータ設定欄にそれぞれパラメータ(ユーザ設定パラメータ群)を設定し、さらに、スタートボタンを押下して原稿の読み込み開始を指示する。
【0054】
ここで、ユーザ設定パラメータ群には少数色モードを示すパラメータが含まれ、またシステムパラメータ群に含まれる再設定パラメータとしてフルカラーモードに変更する旨を示すパラメータが設定されているものとする。
【0055】
上述したようにしてユーザインタフェース画面に対して設定された各パラメータ(ユーザ設定パラメータ群)は、画像読取装置170から画像処理装置100に向けて出力される。
【0056】
また原稿読み込み開始の指示が操作パネル171から画像入力部163に与えられるので、画像入力部173では、生成部172は、原稿読み込み開始の指示に従って原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に原稿画像データを生成する。そして原稿入力部173は、生成部172によって生成された画像データを画像処理装置100へ出力する。
【0057】
画像処理装置100では、インタフェース110は、画像読取装置170からのユーザ設定パラメータ群および原稿画像データを受信する。
【0058】
設定部120では、受付部121は、インタフェース110が受信したユーザ設定パラメータ群を受け付けて記憶部122に格納する(ステップS101)。また、記憶部122には、上記システムパラメータ群が予め記憶されている。
【0059】
処理部131は、インタフェース110が受信した原稿画像データを取得するとともに(ステップS102)、設定部120の記憶部122に記憶されている少数色化処理にかかわるパラメータ以外のパラメータ(ユーザ設定パラメータ群、システムパラメータ群)に従って、前記取得した原稿画像データを電子データに変換する(ステップS103)。すなわち処理部131は原稿画像データを電子データに変換する画像処理を行う。
【0060】
また、処理部131は、変換した電子データを蓄積部140に格納し(ステップS104)、その後、全ての原稿に対応する原稿画像データを取得した否かを判断する(ステップS105)。
【0061】
そして、処理部131は、ステップS105において、全ての原稿に対応する原稿画像データを取得していないと判断した場合にはステップS102に戻り、一方、全ての原稿に対応する原稿画像データを取得したと判断した場合はその旨を実行部133に通知する。
【0062】
実行部133は、蓄積部140から電子データを読み出すとともに、設定部120の記憶部122に記憶されているユーザ設定パラメータ群の中の少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨のパラメータを抽出し、このパラメータが少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードであるときは、前記読み出した電子データに対し少数色化処理を実行する(ステップS106)。
【0063】
このようにして実行部133による少数色化処理が実行されると、判断部134は、設定部120の記憶部122から使用色数に関する第1の閾値を示すパラメータを読み出すとともに、前記少数色化処理の結果であるデータの使用色数が前記読み出した第1の閾値以上であるか否か(使用色数が第1の閾値に達しているか否か)を判断する(ステップS107)。
【0064】
判断部134は、ステップS107において上記少数色化処理の結果であるデータの使用色数が上記第1の閾値以上であると判断した場合は、設定部120の記憶部122から使用同士の色味に関する第2の閾値を示すパラメータを読み出すとともに、上記少数色化処理にて抽出された代表色同士の色味を表す値の差が前記読み出した第2の閾値以上であるか否か(代表色同士の色味を表す値の差が第2の閾値に達しているか否か)を判断する(ステップS108)。
【0065】
ここで、色味の差の算出方法としては、例えば、周知である、使用色同士の差をベクトルとしたときのノルム値の平均値を求める方法、刺激値直読法などが挙げられる。
【0066】
さて、判断部134は、ステップS108において、上記代表色同士の色味を表す値の差が上記第2の閾値以上であると判断した場合は、その旨を決定部135に通知する。
【0067】
決定部135は、判断部134から上記代表色同士の色味を表す値の差が上記第2の閾値以上である旨を受け取ったときは、原稿は少数色化処理に適さないと決定し(ステップS109)、原稿は少数色化処理に適さない旨を実行部133に通知する。
【0068】
すなわち、ステップS109で原稿は少数色化処理に適さないと決定されるのは、判断部134によって、少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が上記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が上記第2の閾値に達している条件(判断条件)を満足していると判断されたときである。
【0069】
具体的には、原稿は少数色化処理に適さないと決定されるのは、例えば、少数色モードで処理をしたときに色再現性が非少数色モードでの処理と比較して大きく劣化すると判断される原稿例えば写真や図を含む原稿に対応して、ユーザが少数色モードを示すパラメータを指定した場合に、当該原稿に対応する原稿画像データに対する上述した処理が実施された場合である。
【0070】
原稿は少数色化処理に適さない旨を受け取った実行部133は、設定部120の記憶部120から再設定パラメータ(この例ではフルカラーモードに変更する旨)を取得するとともに(ステップS110)、当該再設定パラメータに従って蓄積部140に蓄積されている電子データに対するフォーマット処理(この例ではフルカラーモードでの処理)を実行する(ステップS111)。
【0071】
この場合、実行部133によるフォーマット処理は、少数色化処理を適用しない処理例えばフルカラーモードでの画像処理となるため、ステップS111でのフォーマット処理の結果であるデータは、原稿に対応するフルカラーデータである。
【0072】
そして、実行部133がステップS111でのフォーマット処理(少数色化処理以外の処理)の結果であるデータ(この例ではフルカラーデータ)をデータ転送部150に渡すと、データ転送部150は、渡されたデータ(この例ではフルカラーデータ)を外部記憶装置など指定されたデータ転送先180へデータ転送する(ステップS112)。
【0073】
ところで、判断部134は、ステップ107において、上記少数色化処理の結果であるデータの使用色数が上記第1の閾値未満であると判断した場合にはその旨を、またステップS108において、上記代表色同士の色味を表す値の差が上記第2の閾値未満であると判断した場合はその旨を、決定部135に通知する。
【0074】
決定部135は、上記少数色化処理の結果であるデータの使用色数が上記第1の閾値未満である旨、または上記代表色同士の色味を表す値の差が上記第2の閾値未満である旨を判断部134から受け取ったときは、原稿は少数色化処理に適すると決定し(ステップS113)、原稿は少数色化処理に適する旨を実行部133に通知する。
【0075】
原稿は少数色化処理に適する旨を受け取った実行部133は、ステップS106での少数色化処理の結果であるデータ(圧縮されたデータ)をデータ転送部150に渡す。
【0076】
そして、データ転送部150は、渡されたデータ(少数色化処理の結果つまり圧縮されたデータ)を外部記憶装置など指定されたデータ転送先180へデータ転送する(ステップS114)。
【0077】
第1の実施の形態では、実行部133は、決定部135からの原稿は少数色化処理に適さない旨を受け取った場合に、設定部120の記憶部120からシステムパラメータ群に含まれる再設定パラメータ(この例ではフルカラーモードに変更する旨)を取得するようにしているが(ステップS110参照)、これに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0078】
すなわち、実行部133は、上記原稿は少数色化処理に適さない旨を決定部135から受け取った場合に、画像読取装置170に対し、少数色モードが設定されたものの読取対象の原稿は少数色化処理に適さない旨の警告メッセージを表示するよう依頼する。
【0079】
画像読取装置170では、操作パネル171の表示部に上記警告メッセージと再設定パラメータの設定欄とを含むユーザ画面(あるいはユーザインタフェース画面)を表示する。ユーザが、操作パネル171の入力部を操作して、前記再設定パラメータの設定欄に、再設定パラメータとしての例えば上記フルカラーモードに変更する旨、または上記少数色モードでのデータ圧縮以外のデータ圧縮(例えば高圧縮など)に変更する旨を設定する。そして、画像読取装置170はユーザによって設定された再設定パラメータを画像処理装置100に向けて出力する。
【0080】
画像処理装置100では、設定部120は、インタフェース110を介して画像読取装置170からの再設定パラメータを受け付け、この再設定パラメータを実行部133に渡す。そして、実行部133は、設定部120から渡された再設定パラメータを取得するようにする。
【0081】
以上説明したように第1の実施の形態では、画像処理装置100は、ユーザによって少数色モードが指定されて原稿の読み込み開始の指示が行われた場合、当該原稿は少数色化処理に適すると判断した場合には、少数色化処理を実行した結果のデータ(圧縮されたデータ)をデータ転送先180へデータ転送し、一方、当該原稿は少数色化処理に適さないと判断した場合は、少数色化処理以外の処理(この例ではフルカラーモードでの処理)を実行した結果のデータ(フルカラーデータ)をデータ転送先180へデータ転送する。
【0082】
すなわち、画像処理装置100は、例えば写真や図を含む原稿に対応してユーザによって少数色モードを示すパラメータが指定された場合であっても、当該原稿は少数色化処理に適さないと判断し、当該原稿に対応して少数色化処理以外の処理(この例ではフルカラーモードでの処理)を実行した結果のデータ(フルカラーデータ)をデータ転送先180へデータ転送する。
【0083】
次に、画像処理装置100のハードウェア構成について、図3を参照して説明する。
【0084】
画像処理装置100は、図3に示すように、CPU101、記憶装置102、ROM103、RAM104、インタフェース105,106を有している。これら各構成要素はシステムバス107(図1に示したシステムバス160に対応)に接続されている。
【0085】
記憶装置102は、例えばハードディスクであり、図2に示した少数色化適正判定処理の処理手順に対応するソフトウェア(プログラム)、画像処理プログラム102A、データ転送部150のデータ転送処理にかかわるプログラムなどインストールされた各種のプログラムを記憶している。また、記憶装置102は、図1に示した蓄積部140の機能を有し、画像処理部130によって変換された電子データを蓄積する。
【0086】
画像処理プログラム102Aは、図1に示した画像処理部130(画像処理部130の各構成要素131〜135)の機能および設定部120の受付部121を実現するためのソフトウェア(プログラム)を含んでいる。なお、画像処理部130において、取得部132は取得処理過程を実行し、実行部133は実行処理過程を実行し、判断部134は判断処理過程を実行し、決定部135は決定処理過程を実行する。
【0087】
ROM103は、読み出し専用メモリであり、システムパラメータ群(使用色数に関する第1の閾値、使用色同士の色味の差に関する第2の閾値、システムで用意される再設定パラメータ)を記憶している。
【0088】
RAM104は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置102から読み込まれた画像処理プログラム102Aを含むプログラムやデータ、ROM103から読み込まれたシステムパラメータ群、図1に示したインタフェース110を介して受信された画像読取装置170からの原稿画像データやユーザ設定パラメータ群、少数色化処理の結果であるデータあるいは少数色化処理以外の処理の結果であるデータなどを記憶する。
【0089】
インタフェース105は、図1に示したインタフェース110に対応するものであり、画像読取装置170とのデータ通信を行う。
【0090】
インタフェース105は、データ転送先180とのデータ通信を行う。図1に示したデータ転送部150は、インタフェース105を介してデータ転送先180へデータをデータ転送する。
【0091】
CPU101は、中央演算処理装置であり、記憶装置102からRAM104へ、画像処理プログラム102Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述した画像処理部130、設定部120の受付部121、データ転送部150の機能を実現するとともに、画像処理プログラム102Aに対応する処理機能を実現する。また、CPU101は画像処理装置100全体を制御する。
【0092】
(第2の実施の形態)
【0093】
次に、第2の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
【0094】
第2の実施の形態の画像処理装置は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置100と同様の構成になっている。
【0095】
また、上記画像処理装置による少数色化適正判定処理は、図2に示した画像処理装置100による少数色化適正判定処理において、ステップS101、ステップS106、ステップS110の各処理が少し異なっているものの、他のステップの処理は同様になっている。
【0096】
次に、第2の実施の形態の画像処理装置による少数色化適正判定処理について、上記相違する点を中心に説明する。
【0097】
この例では、少数色モードで処理をしても色再現性が非少数色モードでの処理と比較して大きく劣化することがないと判断される原稿を、ユーザが非少数色モード、例えば少数色モード以外の圧縮モード(高圧縮など)を指定して原稿の読み込み開始を指示する場合の少数色化適正判定処理について説明する。
【0098】
まず、ユーザは画像読取装置170の原稿台(図示せず)に上記原稿をセットし、その後、操作パネル171の入力部を操作して、その表示部にユーザインタフェース画面を表示させた後、該ユーザインタフェース画面の各パラメータ設定欄にそれぞれパラメータ(ユーザ設定パラメータ群)を設定し、さらに、スタートボタンを押下して原稿の読み込み開始を指示する。
【0099】
ここで、ユーザ設定パラメータ群には非少数色モード、例えば少数色モード以外の圧縮モードを示すパラメータが含まれ、またシステムパラメータ群に含まれる再設定パラメータとしてフルカラーモードに変更する旨を示すパラメータが設定されているものとする。
【0100】
上述したようにしてユーザインタフェース画面に対して設定された各パラメータ(ユーザ設定パラメータ群)は、画像読取装置170から画像処理装置100に向けて出力される。
【0101】
また原稿読み込み開始の指示が操作パネル171から画像入力部163に与えられるので、画像入力部173では、生成部172は、原稿読み込み開始の指示に従って原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に原稿画像データを生成する。そして原稿入力部173は、生成部172によって生成された画像データを画像処理装置100へ出力する。
【0102】
画像処理装置100では、インタフェース110は、画像読取装置170からのユーザ設定パラメータ群および原稿画像データを受信する。
【0103】
設定部120では、受付部121は、インタフェース110が受信したユーザ設定パラメータ群を受け付けて記憶部122に格納する(ステップS101)。
【0104】
第2の実施の形態では、設定部120の受付部121は、ユーザ設定パラメータ群の中の少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨のパラメータが少数色化処理を実行しない旨の非少数色モードである場合、当該パラメータに対応して、非少数色モードよりも優先して採用すべきパラメータとしての、少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードを付加し、記憶部122に格納する。
【0105】
すなわち、記憶部122には、ユーザによって設定された非少数色モードつまり少数色モード以外の圧縮モードを示すパラメータを含むユーザ設定パラメータ群と、ユーザ設定パラメータ群の一部として付加されシステム(受付部121)によって設定された少数色モードを示すパラメータとが記憶される。また、記憶部122には、上記システムパラメータ群が予め記憶されている。
【0106】
なお、システムによって設定された少数色モードを示すパラメータは、ユーザによって設定された非少数色モードつまり少数色モード以外の圧縮モードを示すパラメータよりも優先して採用される。
【0107】
さて、ステップS101が終了した後は、図2に示した第1の実施の形態のステップS102〜S105と同様の処理が実行される。
【0108】
ステップS105において、処理部131によって全ての原稿に対応する原稿画像データを取得したと判断された場合、実行部133は、蓄積部140から電子データを読み出すとともに、設定部120の記憶部122に記憶されているユーザ設定パラメータ群の中の少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨のパラメータを抽出し、このパラメータに対応してシステムによって少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードを示すパラメータが付加されているときは、前記読み出した電子データに対し少数色化処理を実行する(ステップS106)。
【0109】
このステップS106が終了した後は、ステップS107〜S114が実行される。
【0110】
この場合、実行部133は、設定部120の記憶部122に記憶されているユーザ設定パラメータ群から少数色化処理を実施すべきか否かを示す旨のパラメータつまり非少数色モード(この例では少数色モード以外の圧縮モードつまり高圧縮モードなど)を示すパラメータを再設定パラメータとして取得するようにする(ステップS110)。
【0111】
ユーザによって設定された非少数色モードを示すパラメータに優先してシステムによって設定された少数色モードを示すパラメータが採用されたので、ステップS110においては、再設定パラメータとして、ユーザによって設定された非少数色モードを示すパラメータが採用されるようになっている。そのため、システムパラメータ群に含まれる再設定パラメータ(フルカラーモードに変更する旨)は採用されない。
【0112】
そして、実行部133は、再設定パラメータとしての非少数色モードを示すパラメータに従って蓄積部140に蓄積されている電子データに対するフォーマット処理(この例では少数色モード以外の圧縮モードでの処理)を実行する(ステップS111)。
【0113】
以上説明したように第2の実施の形態では、画像処理装置100は、ユーザによって非少数色モードが指定されて原稿の読み込み開始の指示が行われた場合、当該原稿は少数色化処理に適すると判断した場合には、少数色化処理を実行した結果のデータ(圧縮されたデータ)をデータ転送先180へデータ転送し、一方、当該原稿は少数色化処理に適さないと判断した場合は、ユーザによって設定された非少数色モードでの処理(この例では少数色モード以外の圧縮モードでの処理)を実行した結果のデータ(高圧縮されたデータ)をデータ転送先180へデータ転送する。
【0114】
すなわち、画像処理装置100は、例えば少数色モードで処理をしても色再現性が非少数色モードでの処理と比較して大きく劣化することがないと判断される原稿に対応して、ユーザによって非少数色モード、例えば少数色モード以外の圧縮モード(高圧縮など)が指定された場合であっても、当該原稿は少数色化処理に適すると判断したときは、当該原稿に対応して少数色化処理を実行した結果のデータ(圧縮されたデータ)をデータ転送先180へデータ転送する。
【0115】
(第3の実施の形態)
【0116】
次に、第3の実施の形態に係わる画像読取装置について説明する。
【0117】
画像読取装置200は、図4に示すように、画像処理装置210と操作パネル220と生成部230を有する画像入力部240とを備えている。これら各構成要素はシステムバス250に接続されている。
【0118】
図4に示す画像処理装置210は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置100においてインタフェース110を削除した構成になっている。なお、図4において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
【0119】
画像処理装置210は、画像処理装置100と同様の機能を有しており、図2に示した第1の実施の形態での画像処理装置100による少数色化適正判定処理を実行するとともに、第2の実施の形態での画像処理装置100による少数色化適正判定処理を実行する。
【0120】
操作パネル220、生成部230および画像入力部240は、それぞれ図1に示した操作パネル171、生成部172および画像入力部173と同様の機能を有している。第3の実施の形態では、生成部230は、生成手段の機能を果たすものである。
【0121】
次に、画像読取装置200の処理について説明する。
【0122】
画像読取装置200では、まず、ユーザは画像読取装置200の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、操作パネル220の入力部を操作して、その表示部にユーザインタフェース画面を表示させた後、該ユーザインタフェース画面の各パラメータ設定欄にそれぞれパラメータ(ユーザ設定パラメータ群)を設定し、さらに、スタートボタンを押下して原稿の読み込み開始を指示する。
【0123】
上述したようにしてユーザインタフェース画面に対して設定された各パラメータ(ユーザ設定パラメータ群)は、操作パネル220から画像処理装置210に向けて出力される。
【0124】
また原稿読み込み開始の指示が操作パネル220から画像入力部240に与えられるので、画像入力部240では、生成部230は、原稿読み込み開始の指示に従って原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に原稿画像データを生成する。そして原稿入力部240は、生成部230によって生成された画像データを画像処理装置210へ出力する。
【0125】
そして、画像処理装置210は、上述した第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態での画像処理装置100の少数色化適正判定処理を実施する。
【0126】
第3の実施の形態においても、実行部133は、上記原稿は少数色化処理に適さない旨を決定部135から受け取った場合に、操作パネル220に対し、少数色モードが設定されたものの読取対象の原稿は少数色化処理に適さない旨の警告メッセージを表示するよう依頼するようにしてもよい。
【0127】
この場合、画像読取装置200は、操作パネル220の表示部に上記警告メッセージと再設定パラメータの設定欄とを含むユーザ画面(あるいはユーザインタフェース画面)を表示する。ユーザが、操作パネル220の入力部を操作して、前記再設定パラメータの設定欄に、再設定パラメータとしての例えば上記フルカラーモードに変更する旨、または上記少数色モードでのデータ圧縮以外のデータ圧縮(例えば高圧縮など)に変更する旨を設定する。
【0128】
そして、画像読取装置200では、画像処理装置210の設定部120は、操作パネル220からの再設定パラメータを受け付け、この再設定パラメータを実行部133に渡す。そして、実行部133は、設定部120から渡された再設定パラメータを取得するようにする。
【0129】
(第4の実施の形態)
【0130】
次に、第4の実施の形態に係わる画像形成装置について説明する。
【0131】
画像形成装置300は、図5に示すように、画像処理装置310と画像読取装置320と画像出力装置330と操作パネル340とを備えている。
【0132】
画像処理装置310は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置100においてインタフェース110を削除し、インタフェース311〜313、通信インタフェース314を追加した構成になっている。なお、図5において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
【0133】
インタフェース311は、画像読取装置320とのデータ通信を行う。
【0134】
インタフェース312は、画像出力装置330とのデータ通信を行う。
【0135】
インタフェース313は、操作パネル340とのデータ通信を行う。
【0136】
通信インタフェース314は、印刷要求を行う情報処理装置としてのコンピュータ350とのデータ通信を行う。
【0137】
なお、データ転送部150は、図5には示されていないデータ転送先にデータをデータ転送する。
【0138】
上述した画像処理装置310は、画像処理装置100と同様の機能を有しており、図2に示した第1の実施の形態での画像処理装置100による少数色化適正判定処理を実行するとともに、第2の実施の形態での画像処理装置100による少数色化適正判定処理を実行する。
【0139】
操作パネル340は、図1に示した操作パネル171と同様の機能を有している。
【0140】
画像読取装置320は、生成部321を有する画像入力部322を備えている。生成部321および画像入力部322は、それぞれ図1に示した生成部172および画像入力部173と同様の機能を有している。第4の実施の形態では、生成部321は、生成手段の機能を果たすものである。
【0141】
画像出力装置330は画像形成部331を備えており、この画像形成部331は、画像形成手段の機能を果たすものであり、コンピュータ350から出力され印刷要求されたデータまたは画像処理装置310によって処理されたデータに基づき画像を形成する。
【0142】
次に、画像形成装置300の処理について説明する。
【0143】
画像形成装置300では、まず、ユーザは画像形成装置300の原稿台(図示せず)に原稿をセットし、その後、操作パネル34の入力部を操作して、その表示部にユーザインタフェース画面を表示させた後、該ユーザインタフェース画面の各パラメータ設定欄にそれぞれパラメータ(ユーザ設定パラメータ群)を設定し、さらに、スタートボタンを押下して原稿の読み込み開始を指示する。
【0144】
上述したようにしてユーザインタフェース画面に対して設定された各パラメータ(ユーザ設定パラメータ群)は、操作パネ340から画像処理装置310に向けて出力される。
【0145】
また原稿読み込み開始の指示は、操作パネル340から画像処理装置310に向けて出力され、さらに画像処理装置310から画像読取装置320に向けて出力される。
【0146】
原稿読み込み開始の指示を受け付けた画像読取装置320において、画像入力部322では、生成部321は、原稿読み込み開始の指示に従って原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に原稿画像データを生成する。そして原稿入力部322は、生成部321によって生成された画像データを画像処理装置310へ出力する。
【0147】
そして、画像処理装置310は、上述した第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態での画像処理装置100の少数色化適正判定処理を実施する。
【0148】
なお、第4の実施の形態においても、実行部133は、上記原稿は少数色化処理に適さない旨を決定部135から受け取った場合に、操作パネル340に対し、少数色モードが設定されたものの処理対象の原稿は少数色化処理に適さない旨の警告メッセージを表示するよう依頼するようにしてもよい。
【0149】
この場合、画像形成装置300は、操作パネル340の表示部に上記警告メッセージと再設定パラメータの設定欄とを含むユーザ画面(あるいはユーザインタフェース画面)を表示する。ユーザが、操作パネル340の入力部を操作して、前記再設定パラメータの設定欄に、再設定パラメータとしての例えば上記フルカラーモードに変更する旨、または上記少数色モードでのデータ圧縮以外のデータ圧縮(例えば高圧縮など)に変更する旨を設定する。
【0150】
そして、画像形成装置300では、画像処理装置310の設定部120は、インタフェース313を介して操作パネル340からの再設定パラメータを受け付け、この再設定パラメータを実行部133に渡す。そして、実行部133は、設定部120から渡された再設定パラメータを取得するようにする。
【0151】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0152】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供してもよい。
【0153】
すなわち、画像処理プログラムを含むプログラムをハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0154】
たとえば、プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0155】
また、上記プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取りされる記憶媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0156】
さらには、画像処理装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記憶媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明の画像形成装置は、トナーに画像形成する画像形成装置または吐出されたインクで画像形成するインクジェット形式の画像形成装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0158】
100,210,310 画像処理装置
101 CPU
102 記憶装置
102A 画像処理プログラム
103 ROM
104 RAM
120 設定部
121 受付部
122 記憶部
130 画像処理部
131 処理部
132 取得部
133 実行部
134 判断部
135 決定部
140 蓄積部
150 データ転送部
170,200,320 画像読取装置
171,220,340 操作パネル
172,230,321 生成部
173,240,322 画像入力部
300 画像出力装置
331 画像形成部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用色数に関する第1の閾値を取得するとともに使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を取得する取得手段と、
読み取られた原稿に対応する画像データに対し少数色化処理を実行する実行手段と、
前記少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が前記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が前記第2の閾値に達している条件を満足しているか否か判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記条件を満足していると判断されたときは、前記原稿は前記少数色化処理に適さないと決定する決定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記原稿に対応して前記少数色化処理を実行すべき旨の少数色モードを受け付ける受付手段、を更に備え、
前記実行手段は、
前記受付手段によって前記少数色モードが受け付けられた場合に、前記決定手段によって前記原稿は前記少数色化処理に適さないと決定されたときは、前記画像データに対し前記少数色化処理を適用しない処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記原稿に対応して前記少数色化処理を実行しない旨の非少数色モードを受け付ける受付手段、を更に備え、
前記決定手段は、
前記受付手段によって前記非少数色モードが受け付けられた場合に、前記判断手段によって前記条件を満足していないと判断されたときは、前記原稿は前記少数色化処理に適すると決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に画像データを生成する生成手段と、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の画像処理装置と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
原稿を光学的に読み取り、該読み取りの結果を基に画像データを生成する生成手段と、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の画像処理装置と、
情報処理装置から出力され印刷要求されたデータまたは前記画像処理装置によって処理されたデータに基づき画像を形成する画像形成手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
使用色数に関する第1の閾値を取得するとともに使用色同士の色味の差に関する第2の閾値を取得する取得処理過程と、
読み取られた原稿に対応する画像データに対し少数色化処理を実行する実行処理過程と、
前記少数色化処理された結果について、代表色として使用されている色の数が前記第1の閾値に達し、かつ代表色同士の色味を表す値の差が前記第2の閾値に達している条件を満足しているか否か判断する判断処理過程と、
前記判断処理過程により前記条件を満足していると判断されたときは、前記原稿は前記少数色化処理に適さないと決定する決定処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−23835(P2011−23835A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165127(P2009−165127)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】