説明

画像処理装置、記憶制御装置及びプログラム

【課題】優先度の高い第1の特徴量による類否判断の結果を優先するが、類似度が最高である画像とそれ以外の画像との間に明らかな差異が生じた場合にその特徴量による結果を採用する。
【解決手段】類似度算出部140は、新規スタンプ画像から抽出された特徴量と、複数の登録スタンプ画像の各々から抽出された特徴量との類似度を、特徴量の種類毎に算出する。判断部150は、閾値以上となる類似度が算出された特徴量のうち、優先度が最も高いものについて閾値以上の類似度が2以上算出されると、その中で最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が決められた大きさを超えるか否かを判断する。出力部160は、或る優先度が設定された特徴量について閾値以上となる類似度が1つだけ算出されたか又は判断部150の判断が肯定的であればその特徴量を採用し、判断が否定的であれば、それよりも優先度の低い特徴量を採用して、類似度順に登録スタンプ画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、記憶制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
類否判断の対象となるそれぞれの画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量どうしの類似度に基づいて両者の画像の類否を判断する技術がある。特許文献1に提案された技術は、複数の特徴量を用いて類似度を求めるもので、特徴量毎に固有の重み付けを行って総合的に類似度の高い画像の検索を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3812161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、優先度の高い第1の特徴量による類否判断の結果を優先するが、類似度が最高である画像とそれ以外の画像との間に明らかな差異が生じた場合にその特徴量による結果を採用することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1に係る画像処理装置は、画像の特徴を表す第1の特徴量と、画像の特徴を表す特徴量であって前記第1の特徴量に設定された優先度よりも低い優先度が設定された第2の特徴量とを少なくとも含む複数種類の特徴量を第1の画像から抽出する抽出手段と、前記第1の画像と異なる複数の第2の画像のそれぞれから抽出された前記特徴量を取得して、取得した各特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量との類似度を、前記第1及び第2の特徴量のそれぞれについて算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段により閾値以上の類似度が2以上算出された場合に、当該閾値以上の類似度のうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が決められた大きさを超えるか否かを前記特徴量の種類毎に判断する判断手段と、前記第1の特徴量について前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出されるか、又は前記判断手段により前記大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす場合には、当該第1の特徴量について算出された類似度に従って前記第2の画像に応じた情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像処理装置は、請求項1の構成において、前記複数種類の特徴量のそれぞれに優先度が設定され、前記類似度算出手段は、前記複数種類の特徴量のそれぞれについて前記類似度を算出し、前記出力手段は、前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出されるか、又は前記判断手段により前記大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす種類の特徴量のうち優先度が最も高いものについて前記情報を出力することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像処理装置は、請求項1又は2の構成において、前記出力手段は、前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出された特徴量、及び前記判断手段により前記大きさを超えると判断された特徴量が存在しない場合には、決められた条件を満たす種類の特徴量について前記情報を出力することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像処理装置は、請求項3の構成において、前記出力手段は、前記類似度算出手段により算出された類似度が前記閾値以上となるもののうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異の大きさが最大となるという条件を満たす種類の特徴量について前記情報を出力することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項5に係る画像処理装置は、請求項1〜4のいずれか1の構成において、ユーザによる前記複数種類の特徴量に優先度を指定する操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記指定する操作に応じた優先度を前記複数種類の特徴量のそれぞれに設定する優先度設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る画像処理装置は、請求項1〜5のいずれか1の構成において、前記第2の画像の意味に割り当てられた意味情報を取得する意味情報取得手段を備え、前記出力手段は、前記第2の画像と、当該第2の画像の意味に割り当てられ、前記意味情報取得手段が取得した意味情報に応じた情報とを表示手段に表示させるための制御情報を出力することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項7に係る記憶制御装置は、請求項6の構成の画像処理装置と、前記第1の画像を表す画像情報と、前記抽出手段により抽出された前記複数種類の特徴量を表す情報と、前記第1の画像に割り当てられた意味を表す意味情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段であって、前記画像処理装置の出力手段により出力された制御情報に応じて前記表示手段に表示された表示内容に従って、ユーザによって指定された意味情報を、前記第1の画像に割り当てられた意味を表すものとして記憶させる記憶制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項8に係るプログラムは、コンピュータを、画像の特徴を表す第1の特徴量と、画像の特徴を表す特徴量であって前記第1の特徴量に設定された優先度よりも低い優先度が設定された第2の特徴量とを少なくとも含む複数種類の特徴量を第1の画像から抽出する抽出手段と、前記第1の画像と異なる複数の第2の画像のそれぞれから抽出された前記特徴量を取得して、取得した各特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量との類似度を、前記第1及び第2の特徴量のそれぞれについて算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段により閾値以上の類似度が2以上算出された場合に、当該閾値以上の類似度のうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が決められた大きさを超えるか否かを前記特徴量の種類毎に判断する判断手段と、前記第1の特徴量について前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出されるか、又は前記判断手段により前記大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす場合には、当該第1の特徴量について算出された類似度に従って前記第2の画像に応じた情報を出力する出力手段として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、優先度の高い第1の特徴量による類否判断の結果を優先するが、類似度が最高である画像とそれ以外の画像との間に明らかな差異が生じた場合にその特徴量による結果を採用することができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、特徴量の種類毎に設定された優先度に従い、優先度の高い特徴量による類否判断の結果を優先しつつ、類似度が最高である画像とそれ以外の画像との間に明らかな差異が生じた特徴量による結果を採用することができる。
請求項3に係る発明によれば、類似度が最高となった画像とそれ以外の画像との間に明確な差異が生じた特徴量がない場合に、決められた条件を満たす特徴量についての類否判断の結果を採用することができる。
請求項4に係る発明によれば、類似度が最高のものとそれ以外のものとの間に明確な差異が生じた特徴量がない場合に、その差異が最高よなる特徴量による結果を採用することができる。
請求項5に係る発明によれば、ユーザが指定した優先度を設定して、その設定に応じて異なる類否判断の結果を出力することができる。
請求項6に係る発明によれば、第2の画像に割り当てられた意味を表す情報を出力することができる。
請求項7に係る発明によれば、類否判断の結果を表示し、その表示内容に従ってユーザによって指定された意味情報が表す意味を、第1の画像に割り当てることができる。
請求項8に係る発明によれば、第1の特徴量による類否判断の結果を優先するが、類似度が最高である画像とそれ以外の画像との間に明らかな差異が生じた場合にその特徴量による結果を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るスタンプ登録装置の構成を示した図である。
【図2】同実施形態のスタンプ画像の一例を示した図である。
【図3】特徴量管理テーブルの構成の一例を示した図である。
【図4】優先度管理テーブルの構成の一例を示した図である。
【図5】機密度管理テーブルの構成の一例を示した図である。
【図6】同実施形態のスタンプ登録装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図7】同実施形態の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】同実施形態の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】同実施形態の新規スタンプ画像の一例を示した図である。
【図10】同実施形態の新規スタンプ画像から抽出された特徴量を説明する図である。
【図11】UI部に表示される表示内容の一例を示した図である。
【図12】UI部に表示される表示内容の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(A)構成
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるスタンプ登録装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のスタンプ登録装置10は、本発明の記憶制御装置の一例であり、印鑑等のスタンプ(印(いん))の押印のあと(つまり、印影)を読み取った画像が登録される装置である。このスタンプの印影を読み取った画像のことを、以下では、「スタンプ画像」と称する。スタンプ登録装置10に登録されたスタンプ画像は、例えば書類を電子化して管理する際に用いられ、書類に押された印影から電子化情報の属性を判別し、判別した属性毎に電子化情報を分類して管理するなどという用途がある。
【0013】
スタンプ登録装置10は、制御部100と、記憶部200と、UI(User Interface)部300と、読取部400とを備える。スタンプ登録装置10の各構成は、バスを介して接続されている。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む演算装置やメモリを備え、メモリ又は記憶部200に記憶された演算プログラムに従って、スタンプ登録装置10の各部を制御する。記憶部200は、本発明の記憶手段の一例であり、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶装置を備え、制御プログラムやスタンプ画像を表す画像情報や、特徴量管理テーブル210、優先度管理テーブル220、機密度管理テーブル230を記憶する。UI部300は、本発明の表示手段の一例であり、制御部100からの制御情報に基づいて画像や音声により情報の通知を行うとともに、タッチパネルや各種ボタンを操作手段として備える。UI部300は、ユーザの操作に応じて、その操作内容を表す操作情報を制御部100に供給する。読取部400は、用紙等の記録媒体の表面を光学的に読み取る読取手段であり、その読み取った画像を表す画像情報を生成して制御部100に供給する。読取部400は、例えばスタンプ登録装置10に内蔵又は外付けされたスキャナ装置であり、記録媒体の表面を読み取った画像を表す画像情報を生成して、制御部100に供給する。
【0014】
図2は、本実施形態のスタンプ画像の一例を示した図である。同図左側に示すスタンプ画像ST1は、略矩形の枠内に「重要」と記された画像であり、同図右側に示すスタンプ画像ST2は、丸囲みの内側に「秘」と記された画像である。スタンプ登録装置10にはこれらのスタンプ画像ST1,ST2が登録されており、各スタンプ画像にはそれぞれを識別する識別情報(以下、「ID」という。)が割り当てられている。図2に示すように、スタンプ画像ST1にはID「スタンプ#1」が割り当てられ、スタンプ画像ST2にはID「スタンプ#2」が割り当てられている。
【0015】
次に、記憶部200に記憶された特徴量管理テーブル210、優先度管理テーブル220、及び機密度管理テーブル230の構成について説明する。これら各テーブルには、スタンプ画像に関する情報が記述されている。
図3は、特徴量管理テーブル210の構成の一例を示した図である。
同図に示すように、特徴量管理テーブル210において、「ID」と「特徴量」とが互いに対応付けて記述されている。「ID」は、上述したスタンプ画像を識別する識別情報のことである。「特徴量」は、スタンプ画像の特徴を表す情報であり、特徴量管理テーブル210には複数種類の特徴量が記述されている。本実施形態の特徴量は、「複雑度」、「色」、「形状」及び「寸法」の4種類である。「複雑度」は、スタンプ画像の複雑さの程度を表す情報であり、例えばスタンプ画像の空間周波数において高調波成分の含まれる量に応じた値がある。ここでは、複雑度として「1」〜「15」という相対値を用い、その値が大きいほど複雑な画像であることを意味する。「色」はスタンプ画像のそのものの色である。「形状」はスタンプ画像の外形を表す情報である。「寸法」は、スタンプ画像の外形の大きさを表す情報であり、例えば、矩形のスタンプ画像であれば縦及び横の長さにより表され、円形のスタンプ画像であれば直径の長さにより表される。
図3に示す特徴量管理テーブル210には、図2に示すスタンプ画像ST1及びST2の特徴量が記述されている。図3に示すように、スタンプ画像ST1の特徴量は、複雑度が「12」であり、色が「赤」であり、形状が「矩形(横長)」であり、寸法が「縦×横:13mm×27mm」である。スタンプ画像ST2の特徴量は、複雑度が「10」であり、色が「青」であり、形状が「円」であり、寸法が「直径:16mm」である。
【0016】
図4は、優先度管理テーブル220の構成の一例を示した図である。
同図に示すように、優先度管理テーブル220においては、「特徴量」と「優先度」とが互いに対応付けて記述されている。「特徴量」は、上述した内容と同じである。「優先度」は、複数種類の特徴量のそれぞれに設定された優先度であり、その値が小さいほど優先度が高いことを意味する。同図の例では、複雑度の優先度は「1」であり、色の優先度は「2」であり、形状の優先度は「3」であり、寸法の優先度は「4」であり、前者の特徴量ほど優先度が高い。
【0017】
図5は、機密度管理テーブル230の構成の一例を示した図である。
同図に示すように、機密度管理テーブル230においては、「ID」と「機密度」とが互いに対応付けて記述されている。「ID」は、上述したスタンプ画像を識別する識別情報である。「機密度」は、本発明の意味情報の一例であり、スタンプ画像に割り当てられた意味を表す。同図に示す例では、ID「スタンプ#1」に機密度「MIDDLE」が割り当てられ、ID「スタンプ#2」に機密度「HIGH」が割り当てられ、ID「スタンプ#3」に機密度「LOW」が割り当てられ、ID「スタンプ#4」に機密度「MIDDLE」が割り当てられている。機密度が高い順に「HIGH」、「MIDDLE」、「LOW」であり、前者から順に、機密度が高いこと、中程度であること、低いことを意味する。例えば、スタンプ画像ST1の基となるスタンプが押された原稿の機密度は中程度であり、スタンプ画像ST2スタンプの基となるスタンプ押された原稿の機密度は高い。
このようにして記憶部200は、スタンプ画像を表す画像情報と、そのスタンプ画像から抽出された特徴量を表す情報と、そのスタンプ画像に割り当てられた機密度を表す情報とを対応付けて記憶する。
続いて、スタンプ登録装置10のスタンプ画像の登録に係る機能について説明する。
【0018】
図6は、スタンプ登録装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、抽出部110、受付部120、優先度設定部130、類似度算出部140、判断部150、出力部160、機密度情報取得部170、及び登録部180の各機能を実現する。これらの各機能は、制御部10が有する1又は複数のハードウェア回路により実現されてもよいし、1又は複数のプログラムを演算装置が実行することにより実現されてよいし、これらの組み合わせにより実現されてもよい。
なお、以下の説明において、スタンプ登録装置10に新たな登録の対象となるスタンプ画像のことを「新規スタンプ画像」という。この新規スタンプ画像は、本発明の第1の画像の一例である。また、スタンプ登録装置10に登録済みのスタンプ画像であって、新規スタンプ画像との類否判断の対象となるスタンプ画像のことを「登録スタンプ画像」という。この登録スタンプ画像は、本発明の第2の画像の一例である。ここでは、スタンプ登録装置10には既に複数のスタンプ画像が登録されている。
【0019】
読取部400は、記録媒体上の印影を読み取って、その読み取った画像を表し、新規スタンプ画像を含む画像情報を生成する。読取部400は、生成した画像情報を抽出部110に供給する。
抽出部110は、読取部400から画像情報を取得し、取得した画像情報に含まれる新規スタンプ画像から特徴量を抽出して、類似度算出部140に供給する。ここでは、抽出部110は、画像情報に各種画像処理を施して「複雑度」、「色」、「形状」及び「寸法」という4種類の特徴量を抽出する。
【0020】
受付部120は、本発明の受付手段の一例であり、ユーザによる複数種類の特徴量に優先度を指定する操作を受け付ける。受付部120は、ユーザによりUI部300が操作されて、「複雑度」、「色」、「形状」及び「寸法」の各特徴量に優先度を指定する操作が行われると、その操作内容を示す操作情報をUI部300から取得して、優先度設定部130に供給する。
優先度設定部130は、本発明の優先度設定手段の一例であり、受付部120から供給された操作情報に基づいて、各種類の特徴量に優先度を設定する。具体的には、優先度設定部130は、ユーザの指定した優先度となるように優先度管理テーブル220の内容を書き換える。
【0021】
類似度算出部140は、本発明の類似度算出手段の一例であり、複数の登録スタンプ画像のそれぞれから抽出された特徴量を取得して、取得したそれぞれの特徴量と、抽出部110が抽出した特徴量との類似度を、特徴量の種類毎に算出する。類似度算出部140は、算出した類似度を判断部150に供給する。
【0022】
判断部150は、本発明の判断手段の一例であり、類似度算出部140により閾値以上の類似度が2以上算出された特徴量について、それらの類似度のうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が決められた大きさを超えるか否かを判断する。判断部150は、その判断結果を出力部160に供給する。なお、判断部150は、類似度算出部140によりすべての特徴量について登録スタンプ画像が特定されなかった場合には、登録スタンプ画像が特定されなかった旨の情報を出力部160に供給する。
【0023】
出力部160は、本発明の出力手段の一例であり、或る優先度が設定された特徴量(本発明の第1の特徴量の一例)について類似度算出部140により1の閾値以上となる類似度が算出されるか、又は判断部150により差異が決められた大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす場合には、その種類の特徴量について算出された類似度に従って登録スタンプ画像に応じた情報を出力し、その条件を満たさない場合には、それよりも低い優先度が設定された特徴量(本発明の第2の特徴量の一例)について情報を出力する。出力部160は、登録スタンプ画像に応じた情報として、UI部300の表示を制御するための制御情報を出力する。
機密度情報取得部170は、本発明の意味情報取得手段の一例であり、機密度管理テーブル230において登録スタンプ画像に対応付けられた機密度であって、各登録スタンプ画像に割り当てられた機密度を表す情報を取得して、出力部160に供給する。
登録部180は、本発明の記憶制御手段の一例であり、UI部300に表示された内容に従ってユーザにより指定された内容に応じて、新規スタンプ画像を自装置に登録する。
【0024】
(B)実施形態の動作
次に、図3〜図5に図示した各テーブルの内容に沿って、実施形態の動作を説明する。図7、8は、スタンプ登録装置10の制御部100が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図7、8に示すフローに先立って、ユーザは或る時機にUI部300を操作して、各特徴量に優先度を指定する操作を行う。制御部100はその操作内容に応じた優先度を各種類の特徴量に設定する。このとき、ユーザは、例えば類否判断の結果を重視したい特徴量ほど優先度を高くするように優先度を指定する。ここでは、図4の優先度管理テーブル220に示すように、ユーザにより優先度が指定されたものとする。
ユーザは、新たにスタンプ画像をスタンプ登録装置10に登録する際には、UI部300を操作してスタンプ登録装置10の動作モードを、スタンプ画像を登録する動作モードに切り替える。次に、ユーザはスタンプ画像を登録したいスタンプを用いて用紙上に押印し、その用紙を読取部400にセットして、その読み取りを開始するようUI部300を操作する。
制御部100は、UI部300からの操作情報に従って読取部400によりその印影を読み取って、その読み取った画像を表す画像情報を生成し、新規スタンプ画像を含む画像情報を取得する(ステップS1)。ここでは、制御部100は、図9に示す新規スタンプ画像STnを含む画像情報を取得する。同図に示すように、新規スタンプ画像STnは、丸囲みの内側に「重要」と記された画像である。
【0025】
次に、制御部100は、新規スタンプ画像を含む画像情報に各種画像処理を施して、新規スタンプ画像STnから特徴量を抽出する(ステップS2)。ここでは、制御部100は、図10に示す4種類の特徴量を抽出して、メモリに記憶する。具体的には、新規スタンプ画像STnの特徴量は、複雑度が「12」であり、色が「赤」であり、形状が「円」であり、寸法が「直径:16mm」である。
【0026】
次に、制御部100は、記憶部200に記憶された特徴量管理テーブル210を読み出して登録スタンプ画像の特徴量を取得し、その内容をメモリに記憶させる(ステップS3)。次に、制御部100は、記憶部200に記憶された優先度管理テーブル220を読み出して各特徴量の優先度を取得し、その内容をメモリに記憶させる(ステップS4)。ステップS3、S4で読み出される特徴量管理テーブル210、及び優先度管理テーブル220の内容は図3、4に示す通りである。
次に、制御部100は、特徴量毎に決められた閾値を、記憶部200から読み出して取得する(ステップS5)。この閾値は、新規スタンプ画像と登録スタンプ画像とが類似するか否かの基準となる値であり、類似度が閾値を超えた場合には両者の画像は類似すると判断される。この閾値については、特徴量毎に設計段階で決められて記憶部200に記憶されているが、スタンプ登録装置10がユーザやサービスマンの設定内容に応じてこの閾値を変更する構成を備えていてもよく、この場合、使用用途や装置の構成部品の特性等に適した閾値に設定されるとより好適である。
【0027】
制御部100は、新規スタンプ画像の特徴量と登録スタンプ画像の特徴量とを照合する照合処理について、未だ照合処理を行っていない特徴量のうち、優先度が最も高い特徴量に基づいて優先度を算出して、照合処理を実行する(ステップS6)。ここでは、未だ照合処理を一度も実行していないので、制御部100は、優先度が最も高い特徴量である「複雑度」に基づいて照合処理を実行する。この照合処理において、制御部100は、ステップS2で新規スタンプ画像STnから抽出した特徴量と、ステップS5でそれぞれの登録スタンプ画像から取得した特徴量との類似度を、特徴量の種類毎に算出する。ここでは、制御部100は、特徴量「複雑度」について類似度を算出する。特徴量「複雑度」については、制御部100は、新規スタンプ画像STnと各登録スタンプ画像との複雑度の差分を算出し、例えば、差分が「4」以下であれば、類似度が閾値以上であると判断する。
【0028】
そして、制御部100は、特徴量「複雑度」について実行した照合処理の結果に応じて、新規スタンプ画像と登録スタンプ画像との類似度が閾値以上の登録スタンプ画像を特定する(ステップS7)。ここでは、制御部100は登録スタンプ画像ST1、ST2及びST3の3つを特定したとする。また、制御部100は、登録スタンプ画像ST2との類似度が最高であり、以降、登録スタンプ画像ST1、ST3という順で類似度が高いものとする。
【0029】
次に、制御部100は、ステップS7で類似度が閾値以上の登録スタンプを特定したか否かを判断する(ステップS8)。ここではステップS8で「YES」と判断したから、制御部100はステップS9に進む。
次に、制御部100は、ステップS7で特定した登録スタンプ画像の数が「2」以上(複数)であるか否かを判断する(ステップS9)。上述したように特徴量「複雑度」について特定された登録スタンプ画像はST1、ST2及びST3の3つであるから、制御部100は「YES」と判断して、ステップ10に進む。
【0030】
制御部100は、ステップS6で算出した類似度が閾値以上の類似度であり、新規スタンプ画像との類似度が高いと特定された2以上の登録スタンプ画像に対応する最高の類似度と、その他の類似度との間に有意な差異があるか否かを判断する(ステップS10)。このステップS10では、制御部10は、新規スタンプに最も類似すると判断された登録スタンプ画像と、その他に類似すると判断された登録スタンプ画像との間に、誤差範囲であり得る微妙な差異ではなく、これらの類似度の間の差異の大きさが決められた条件を超えるか否かを判断する。特徴量「複雑度」については、制御部100は、新規スタンプ画像STnと登録スタンプ画像との予め決められたベクトル間のユークリッド距離を算出する。そして、制御部100は、新規スタンプ画像STnと類似度が最高の登録スタンプ画像ST2とのユークリッド距離と、新規スタンプ画像STnと類似度が2番目に高い登録スタンプ画像ST1とのユークリッド距離との比(距離比)を算出する。そして、制御部100は、この距離比が「2」を超えれば有意な差異が存在するものとして、ステップS10で「YES」と判断する。一方、距離比が「2」以下であれば、有意な差異が存在しないものとして、制御部100は、ステップS10で「NO」と判断する。なお、制御部100が算出する距離はユークリッド距離に限らず、例えば、マハラノビス距離などの公知の距離空間を用いてよい。
なお、以下の説明においては、制御部100がステップS7で2以上の登録スタンプ画像を特定した場合に、それらに対応する最高の類似度と、それ以外の類似度との差異の大きさが決められた条件を超えることを、有意な差異が生じているという表現を用いて説明することがある。
【0031】
(B−1)有意な差異がある場合
制御部100は、算出した距離比が「2」以下であった場合、最も類似度と高い登録スタンプ画像ST2の類似度と、それ以外の登録スタンプ画像ST1、ST3の類似度との差異の大きさが決められた条件を超え、それらに有意な差異があると判断した場合(ステップS10;YES)には、ステップS11に進む。次に、制御部100は、ステップS7で算出した類似度順に従って、その類似度が高い順に登録画像の候補順位を決定する(ステップS11)。ここでは、制御部11は、スタンプ画像ST2を「1位」とし、スタンプ画像ST1を「2位」とし、スタンプ画像ST3を「3位」として候補順位を決定する。
【0032】
そして、制御部100は、決定した候補順位が高い順に各登録スタンプ画像を表示するとともに、これら各スタンプ画像に割り当てられた機密度を表す情報をUI部300に表示する(ステップS12)。このステップS12では、制御部100は、ステップS11で決定した候補順位の高い順に登録スタンプ画像を並べてUI部300に表示させるよう、UI部300の表示を制御するための制御情報を出力する。これにより、図11に示す画像が表示される。
【0033】
図11は、ステップS12の実行によりUI部300に表示される表示内容の一例を示した図である。同図に示す最も外側の矩形はUI部300の表示領域の範囲を表す。同図に示すように、UI部300の表示領域の右側には、制御部100により類似度が閾値を超えると判断された登録スタンプ画像と、その登録スタンプ画像に割り当てられた機密度を付したソフトボタンとが配置されている。具体的には、上段には、候補順位が1位であるスタンプ画像ST2を縮小した画像DST2と、機密度が「HIGH」であることを示す「Level:HIGH」と記されたソフトボタンSBbが配置され、下段には、候補順位が2位であるスタンプ画像ST1を縮小した画像DST1と、機密度が「MIDDLE」であることを示す「Level:MIDDLE」と記されたソフトボタンSBcが配置されている。これらの下方にはソフトボタンSBdが配置され、ユーザによりこのボタンが選択されると、制御部100の制御の下、候補順位が3位であるスタンプ画像ST3について上記内容の情報が表示される。UI部300の表示領域の左側には、「入力スタンプ」と記され、新規スタンプ画像STnを表す画像DSTnと、「候補レベル HIGH」と付されたソフトボタンSBaとが配置されている。このようにして、制御部100は、類似度が閾値を超えた登録スタンプ画像を、算出した類似度が高いものから順に配置して表示する。
【0034】
ここで候補レベルとは、新規スタンプ画像STnに割り当てられる候補となる機密度のことをいう。図11の例では候補レベルは「HIGH」となっており、制御部100が候補順位1位とした登録スタンプ画像に割り当てられた機密度が割り当てられる。スタンプ画像から抽出される特徴量と、スタンプ画像に割り当てられるべき機密度との間には相関関係があることが多いから、制御部100は、ユーザが設定する可能性が高いと考えられる機密度を、候補レベルに割り当てる。これにより、ユーザが新規スタンプ画像STnに機密度「HIGH」を設定すると考えた場合には、機密度を設定する操作をわざわざ行わなくても、ユーザの希望する機密度が新規スタンプ画像に割り当てられる。
【0035】
そして、ユーザにより、新規スタンプ画像STnを登録することを指示する操作がUI部300を介して行われると、制御部100は、新規スタンプ画像STnをスタンプ登録装置10に登録する(ステップS13)。具体的には、ステップS13では、制御部100は、新規スタンプ画像STnにID(例えば、「#スタンプn」)を割り当てて、新規スタンプ画像STnを表す画像情報を記憶部200に記憶させる。そして、制御部100は、図10に示した内容の新規スタンプ画像STnの特徴量を特徴量管理テーブル210に記述し、新規スタンプ画像STnに割り当てた機密度を機密度管理テーブル230に記述してこれらを更新する。
【0036】
ところで、図11に示すように新規スタンプ画像STnに候補レベルとして「HIGH」が割り当てられているが、候補レベルが必ずしもユーザが希望する機密度と一致しない。この場合には、制御部100は、希望する機密度をユーザに指定させ、指定された機密度を新規スタンプ画像STnに割り当てる。例えば、ユーザが機密度「MIDDLE」とすることを希望した場合には、「LEVEl:MIDDLE」と付されたソフトボタンSBcを選択する。この選択により、制御部100は、候補レベルを「HIGH」から「MIDDLE」に変更するとともに、図11のソフトボタンSBaの表示内容を「候補レベル MIDDLE」に変更する。また、ユーザによりソフトボタンSBbが選択された場合には、制御部100は候補レベルを「HIGH」に変更する。また、ユーザによりソフトボタンSBaが操作されると、制御部100は各機密度を例えばドロップダウンメニュー形式で表示し、ユーザの操作内容に応じて新規スタンプ画像STnに割り当てる機密度を変更するようにしてもよい。これにより、制御部100は、UI部300に表示された表示内容に従ってユーザにより指定された機密度を、新規スタンプ画像に割り当てる。
【0037】
(B−2)有意な差異がない場合
ステップS10において、制御部100は、最も類似度と高い登録スタンプ画像ST2の類似度と、その他の登録スタンプ画像ST1、ST3の類似度との間の差異の大きさが決められた条件を超えず、それらの間に有意な差異がないと判断したとすると(ステップS10;NO)、ステップS14に進む。
次に、制御部100は、照合処理を未だ実行していない特徴量があるか否かを判断する(ステップS14)。ここでは、制御部100は未だ特徴量「複雑度」について照合処理を行っただけであるから、「YES」と判断してステップS6に戻る。すなわち、或る特徴量について、新規スタンプ画像に最も類似する登録スタンプ画像に対する類似度と、それ以外の登録スタンプ画像に対する類似度との間に有意な差異を発見しない場合には、その他の特徴量について、新規スタンプ画像に類似する登録スタンプ画像を特定しようというわけである。
【0038】
ステップS6において、制御部100は、「複雑度」の次に優先度の高い特徴量「色」について、新規スタンプ画像STnと各登録スタンプ画像との類似度を算出する照合処理を実行する。ここでは、制御部100は目視による色の近さの程度に応じた類似度を算出する。例えば、制御部100は、赤とオレンジの類似度を「10」という具合に高くし、黄色と黒の類似度を「1」という具合に低くするよう類似度を算出する。色の近さについては、例えばCIELAB表色系の色差に対応させて類似度の大小を決めても良い。そして、制御部100は、特徴量「色」についてステップS7を実行し(例えば、閾値を「7」とする)、その結果、色が「赤」であるという点で共通するから登録スタンプ画像ST1に最も類似し、以降、類似度順に登録スタンプ画像ST2、ST3という順で類似度が高いと判断したとする。次に、制御部10は、ステップS8で「YES」と判断すると、ステップS9に進む。ステップS9で、制御部100は「2」以上の登録スタンプ画像を特定して「YES」と判断すると、ステップS10に進む。そして、制御部100は、特徴量「色」について、最高の類似度と、それ以外の類似度との間の差異の大きさが決められた条件を超え、それらの間に有意な差異があるか否かを判断する(ステップS10)。
【0039】
ここで、制御部100は、登録スタンプ画像ST1に対応する類似度と、「青」である登録スタンプ画像ST2に対応する類似度、及び登録スタンプ画像ST3に対する類似度との間の差異の大きさが決められた条件を超えると判断したとする(ステップS10;YES)。例えば、制御部100は、最も類似度の高い登録スタンプ画像の類似度と、2番目に類似度の高い登録スタンプ画像の類似度との間に「5」以上の差異があれば、その差異の大きさが決められた条件を超えると判断する。そして、制御部100は、ステップS7で特徴量「色」について算出した類似度が高い順に候補順位を決定する(ステップS11)。このステップ11では、制御部11は、スタンプ画像ST1を「1位」とし、スタンプ画像ST2を「2位」とし、スタンプ画像ST3を「3位」とした候補順位を決定する(ステップS11)。そして、制御部100は、決定した候補順位の高い順に並べて登録スタンプ画像を表示させるよう、制御情報をUI部300に出力して登録スタンプ画像及び機密度を表す情報を表示する(ステップS12)。これにより、制御部100は、特徴量「複雑度」よりも低い優先度が設定された特徴量「色」についての類似度順に従い、登録スタンプ画像と機密度を表す情報とを対応付けて表示することになる。
【0040】
図12は、このステップS12の実行によりUI部300に表示される表示内容の一例を示した図である。なお、図11に示した同一の構成については同じ符号を付して表し、その説明を省略する。ここでは、特徴量「色」に基づく候補順位に応じた表示がなされているから、候補順位1位のスタンプ画像ST1に関する情報が表示領域の上段に配置され、候補順位2位のスタンプ画像ST2に関する情報が表示領域の下段に配置されている。また、ここでは候補レベルは、候補順位1位のスタンプ画像ST1に応じて「HIGH」となっている。このように、特徴量に設定された優先度、及び有意な差異が生じる特徴量の種類に応じてステップS12で表示される表示内容(特に、候補レベル)が異なる。なお、ステップS13の動作は上記と同じである。
【0041】
また、ステップS10において、制御部100が特徴量「色」について、差異の大きさが決められた条件を超えないと判断した場合には、その他の特徴量として「形状」や「寸法」を用いて上記と同じ手順で処理ステップを実行する。なお、特徴量「形状」については、正方形と丸とが類似度が高いという具合に、制御部100の形状が近いものどうしほど類似度を高くするように算出する。特徴量「寸法」については、制御部100は、大きさが似通ってものどうしほど類似度を高くするよう類似度を算出する。このことから、ユーザがスタンプの用途や、機密度と特徴量との関係の傾向を考慮して重視したい予め優先度を指定しておくことにより、スタンプ画像の登録に際して機密度の設定に係る操作負担が軽減される。
【0042】
このように、どの特徴量について候補レベルが決定されるかによってS12における表示結果が異なる。例えば、制御部100は、例えば特徴量「色」の優先度を「1」とし、特徴量「複雑度」の優先度を「2」と設定すれば、仮に特徴量「複雑度」について有意な差異がある場合であっても、図12と同じ結果がUI部300に表示される。また、特徴量「形状」や「寸法」の優先度も含めた複数種類の優先度の設定の仕方で、ステップS12で表示される表示内容はそれぞれ異なる。
【0043】
ところで、ステップS9において、制御部100がステップS7で特定した登録スタンプ画像の数が「1」であると判断した場合には(ステップS9;NO)、ステップS11に進み、特定した1つの登録スタンプ画像に候補順位「1位」を割り当てて、ステップS13ではその登録スタンプ画像に応じた情報のみを表示する。すなわち、制御部100は、1の登録スタンプ画像が特定された特徴量、及び新規スタンプ画像と登録スタンプ画像との間の差異の大きさが決められた条件を超えると判断した特徴量のうち、設定された優先度が最も高い特徴量についてステップS12の表示制御を実行する。
【0044】
制御部100は「複雑度」、「色」、「形状」及び「寸法」のすべての種類の特徴量について照合処理を行い、1の登録スタンプ画像を特定した特徴量、及び有意な差異が存在すると判断した特徴量が存在しないときには、ステップS14で「NO」と判定する。この場合、制御部100は、ステップS15に進む。そして、制御部100は、照合処理を行ったすべての特徴量についての照合結果に基づき、類似度が閾値を超えたもののうち、最高の類似度と、その他の類似度との差異が最大であった特徴量を特定する。そして、制御部100は、特定した特徴量について、類似度が閾値を超えたもののうち、類似度が高い順に登録スタンプ画像の候補順位を決定して、ステップS12に進む。これにより、結果の信頼度が高い特徴量がない場合にも、制御部100は、優先度が高く、且つ結果の信頼度が比較的高い特徴量による結果を採用することになり、最大限ユーザの希望する候補レベルを割り当てられるようにしている。
【0045】
また、ステップS8において、制御部100が、ステップS7の照合処理に基づき、新規スタンプ画像との類似度が閾値以上である登録スタンプ画像がないと判断した場合には(ステップS8;NO)、ステップS16に進む。そして、制御部100は、照合処理を実行していない特徴量があるか否かを判断する。ここで、制御部100は、照合処理を実行していない特徴量があると判断すると(ステップS16;YES)、ステップS6に戻って上記処理ステップを実行する。
一方、制御部100は、照合処理を実行していない特徴量がないと判断すると(ステップS16;NO)、ステップ17に進む。そして、制御部100は、すべての特徴量についてステップS6の照合処理において類似度が閾値以上となる登録スタンプ画像を既に特定した場合には、そのうちの優先度の最も高い特徴量の類似度に基づいて候補順位を決定する(ステップS17)。制御部100は、すべての特徴量について、新規スタンプ画像に類似する登録スタンプ画像を1つも特定しなかった場合には、類似するものがないと判断する。そして、制御部100は、ステップS12に進み、上記処理を実行する。ただし、制御部100が、ステップS16で候補がないと判断した場合には、例えば類似する登録スタンプ画像が存在しない旨のメッセージを表示するとともに、予め決めておいた初期設定の機密度(例えば、「MIDDLE」)を候補レベルとして設定する。なお、初期設定の機密度に代えて、スタンプ登録装置10に登録済み登録スタンプのうち最も多い機密度を候補レベルとしてもよい。
【0046】
以上説明した実施形態によれば、スタンプ登録装置10は、スタンプ画像から抽出される複数の特徴量のそれぞれに優先度を設定する。スタンプ登録装置10は、新規スタンプ画像の登録に際しては、新規スタンプ画像との類似度が閾値を超える登録スタンプ画像を特徴量の種類毎に特定する。そして、スタンプ登録装置10は、類似度が閾値以上となる登録スタンプ画像が存在する種類の特徴量のうち、優先度が最も高い特徴量について2以上の登録スタンプ画像を特定した場合には、それらのうちの最高の類似度と、それ以外の類似度との間に有意な差異があるか否かを判断する。そして、スタンプ登録装置10は、有意な差異があると判断した特徴量に基づき候補順位を決定し、決定した候補順位に従って登録スタンプ画像に応じた情報をUI部300に表示する。また、このとき、制御部100は、候補順位が「1位」の登録スタンプ画像に割り当てられた機密度を、新規スタンプ画像の候補レベルとして割り当てる。一方、スタンプ登録装置10は、有意な差異がないと判断すると、類似度が閾値を超える登録スタンプ画像を1だけ特定するか、又は下位の登録スタンプ画像の類似度に対して有意な差異が生じた登録スタンプ画像を特定するまで、優先度順に照合処理を繰り返す。
【0047】
以上の構成により、優先度の高い特徴量に基づく類似度の高い画像の特定結果を重視しつつ、信頼度の高い結果を採用するという効果を奏する。優先度が高い特徴量について類似性が高いと判断されても、最も類似度の高い登録スタンプ画像と、それ以外のスタンプ画像との間に明確な差異がなければ、その候補順位が誤差による影響を受けており、実際の類似度が正しく反映されていない可能性があるからである。よって、この場合には、制御部100は、その他の特徴量に基づいて、より信頼度の高い結果を採用するようにしている。また、スタンプに含まれる文字画像のフォントやサイズもスタンプの属性を判断する上で重要であるが、文字認識によりスタンプの特徴量を抽出する構成では対応しきれないので、該構成よりも信頼度の高い特徴量が得られる。また、新規スタンプ画像を登録する目的として、実用上スタンプの損失や紛失などの事態が起こりうるが、これの代替品のスタンプのスタンプ画像を登録しようとするときに、機密度の割り当てに係るユーザの負担が低減される。
【0048】
また、本実施形態の構成により、ユーザが機密度と特徴量との関係性を考慮してスタンプを使用する場合には、その関係性に基づいてユーザ自身が特徴量の優先度を指定することにより、新規スタンプ画像に対してユーザが希望する機密度が候補レベルとして割り当てられる確率が高くなる。これにより、たとえ機密度の段階が膨大になった場合であっても、スタンプ画像の登録に際の操作負担は軽減される。特に、機密度と特徴量との相関関係はユーザによるスタンプの使用傾向等によって大きく異なることが多いから、この相関関係を固定化して優先度を決めておくことは困難であるが、スタンプ登録装置10によれば、ユーザからの要請に応じて類否判断の結果が提示される。
また、スタンプの印にあってはユーザの押印の仕方や用紙の材質等によりその内容が微妙に異なってしまう。これにより、登録スタンプ画像10が新規スタンプ画像から抽出する特徴量においては印の状態によって異なる。これに対して、登録スタンプ画像10は複数種類の特徴量について照合処理を行って、優先度の高い特徴量による類否判断の結果を重視しつつ、類似度が最高である画像とそれ以外の画像との間に明確な差異が生じた特徴量による結果を採用するので、印の状態によらず安定した結果をユーザに提示する。
【0049】
(C)変形例
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
(C−1)変形例1
上述した実施形態では、スタンプ登録装置10に内蔵されている制御部100の例で説明したが、制御部100は、スタンプ登録装置10に内蔵されているものに限らず、例えば、スタンプ登録装置10にUSB(Universal Serial Bus)ケーブルやLAN(Local Area Network)等の通信手段を介して接続されたコンピュータ装置(画像処理装置)によって実現されてもよい。この場合、画像処理装置は、通信インタフェースを備え、外部装置から受信して取得した画像情報に含まれる新規スタンプ画像に基づいて、図6に示す制御部100の各機能を実現し、外部装置に結果を出力する。
また、上述した実施形態のスタンプ登録画像10の構成の一部が外部装置に設けられてもよく、すなわち各構成が分散していてもよい。
【0050】
(C−2)変形例2
上述した実施形態では、ステップS14において制御部100は、1の登録スタンプ画像が特定された特徴量、及び判断部150により有意な差異が存在すると判断された特徴量が存在しない場合には、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が最大となった特徴量に基づいて、候補順位を決定していた。これに代えて、制御部100は、類似度が閾値以上となった登録スタンプ画像が存在する特徴量のうち、優先度が最も高い特徴量に基づいて候補順位を決定してもよい。また、ユーザにより予め指定された特徴量を採用してもよい。要するに、制御部100は、算出した類似度が決められた条件を満たす特徴量について類似度が高い登録スタンプ画像の情報を出力する。また、制御部100が有意な差異が生じているか否かを判断する基準としては、最も高い類似度と、2番目に高い類似度との差異に応じて判断する他に、例えば2番目に高い類似度と3番目に高い類似度との間にも決められた大きさ以上の差異が生じていることも条件として含めても良い。つまり、2番目に高い類似度と高い類似度が複数あれば、制御部100が抽出した特徴量の信頼度が低い可能性があるからである。
【0051】
(C−3)変形例3
また、特徴量が著しく近似する複数の登録スタンプ画像に、異なる機密度が割り当てられると、使用上において不都合が生じることがある。そこで、制御部100は、新規スタンプ画像から抽出した特徴量と著しく類似する登録スタンプ画像がある場合には、新規スタンプ画像の機密度を、その類似する登録スタンプ画像と同じ機密度にすることのみを許可し、それ以外の機密度にすることを禁止するようにしてもよい。特徴量が著しく類似するか否かの判断については、例えば、決められた数(例えば、3種類)の特徴量について類似度が閾値を超えた場合には、制御部100は著しく類似すると判断する。
【0052】
(C−4)変形例4
上述した実施形態では、制御部100は、特徴量の種類毎に類似度を求めていたが、制御部100の類似度算出部140が特徴量の種類毎に算出した類似度を、それよりも優先度の高い特徴量について求めた類似度に応じて補正してもよい。具体的には、類似度算出部140が補正を行う補正部を備えるようにし、優先度の高い特徴量について有意な差異がないと判断した場合には、上位の優先度の特徴量から求めた類似度の差異の大きさに応じた補正量を、下位の特徴量から求めた類似度に作用させて補正する。このとき、補正部は、上位の優先度の特徴量の類似度が大きいほど、類似度を相対的に高くするための補正量を大きくして補正する。これにより優先度の高い特徴量について求められた類似度が、それよりも優先度の低い特徴量についての類似度の結果に反映されるようになる。このとき、優先度が高い特徴量による補正量がより大きく作用するように重み付けを行ってもよい。
【0053】
(C−5)変形例5
上述した実施形態では、ステップS12において、制御部100は図11,12に示すように、求めた類似度の高い順に登録スタンプ画像を並べて配置していたが、この並び順の決定において、他の特徴量の類似度を用いてもよい。例えば、候補順位2位と3位の登録スタンプ画像間の類似度の差異が閾値以下であれば、制御部100は、それよりも優先度の高い、又は低い特徴量を用いて算出した類似度に注目する。そして、制御部100は、注目した特徴量の両者の類似度に明らかな差異があれば、その類似度が大きいものが上位になるように並べる。このように、制御部100が、類似度が閾値以上の登録スタンプ画像を表示する場合には、他の特徴量による特定結果を用いて登録スタンプ画像を配置してもよい。また、制御部100は、類似度が閾値以下となった登録画像もユーザのソフトボタンSBdの操作に応じて表示するようにしてもよい。この構成において、制御部100は、優先度が最も高い特徴量について類似度が閾値を下回った登録スタンプ画像については、その類似度順に候補順位を決定し、閾値以上のものについては実施形態で説明したように、下位の特徴量を用いて候補順位を決定してもよい。また、制御部100は、類似度が低い順に候補順位を高くするようにして、候補順位の高い順に登録スタンプ画像に応じた情報を表示してもよい。
【0054】
(C−6)変形例6
上述した実施形態では、複数種類のすべての特徴量に優先度が割り当てられていたが、少なくとも1つの特徴量に、その他の特徴量よりも高い優先度が設定されていればよい。
例えば特徴量「複雑度」に優先度「1」が割り当てられ、その他の「色」、「形状」及び「寸法」には優先度「2」という同一の優先度が割り当てられるような場合である。この構成において、制御部100は、優先度の高い特徴量「複雑度」について、1の登録スタンプ画像を特定せず、且つ有意な差異を発見しなかった場合には、その他の特徴量による照合結果に基づいて、登録スタンプ画像を表す情報を出力する。この構成において、制御部100は、優先度の高い特徴量「複雑度」以外の特徴量については、特許第3812161号公報に開示されている手法を用いて、総合的に類似度の高い登録スタンプ画像を特定してもよい。この場合、本発明の第1の特徴量は「複雑度」に対応し、本発明の第2の特徴量は「色」、「形状」及び「寸法」に対応する。
【0055】
(C−7)変形例7
上述した実施形態においては、スタンプ画像の意味に割り当てられる意味情報は機密度を表していたが、その内容はどのようなものでもよく、例えばスタンプの種類や、印影が押された書類の属性等の何らかの意味を表すものであればよい。なお、意味情報の内容がいかなるものであっても、スタンプ登録装置10の動作は上述した実施形態と同じ手順で実行される。また、意味情報そのものが用いられない構成としてもよい。この場合、制御部100は、登録スタンプ画像に応じた情報として、機密度を表す情報を出力せず、登録スタンプ画像を表示するための制御情報を出力する。
また、制御部100は、ステップS12において、登録スタンプ画像を表す情報を表示するための制御情報を出力していたが、表示出力に限らず、通信出力等の他の出力形式で登録スタンプ画像に関する情報を出力してもよい。
また、制御部100は、ユーザの指定に応じた優先度を設定することに限らず、通信手段を介して接続された装置から優先度の設定に係る情報を取得してもよく、その取得については実施形態の態様に限定されない。また、本発明は、特徴量毎の優先度が固定される構成を妨げるものではない。
【0056】
(C−8)変形例8
上述した実施形態では、スタンプの印影に対応する画像であるスタンプ画像を登録するものであったが、登録対象とする画像の内容はいかなるものでもよい。例えば、一般にプリンタ装置には、図2に示すスタンプ画像と同じような画像を形成する機能を有したものもあるから、この画像を上記新規スタンプ画像として登録対象としてもよい。要するに、画像から抽出される特徴量について類否が判断される性質の画像であればよい。
【0057】
(C−9)変形例9
また、上述した実施形態で説明したような、画像から抽出される複数の特徴量について照合処理を行う照合装置に本発明を適用してもよい。この照合装置は、優先度の高い特徴量について照合処理を行い、有意な差異がないと判断した場合には、それよりも優先度の低い他の特徴量について照合処理を行う。このように照合装置が画像の登録に関する機能を有していなくても、画像どうしの類否判断に係る構成有していれば、実施形態の構成と同等の効果を奏する。すなわち、本発明は、画像を登録する装置(システム)のみに適用することに限らず、特徴量を用いて画像の類否を判断する機能を備えた装置に適用してもよい。
【0058】
また、上述した実施形態で述べた特徴量は一例に過ぎず、これよりも少ない複数(少なくとも2種類)の特徴量が用いられてもよいし、さらに多くの特徴量が用いられてもよい。また、特徴量は、画像の特徴を表す情報であればよいから実施形態で説明した種類に限定されず、例えばカラーヒストグラム、濃度分布等を特徴量として用いてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…スタンプ登録装置、100…制御部、110…抽出部、120…受付部、130…優先度設定部、140…類似度算出部、150…判断部、160…出力部、170…機密度情報取得部、180…登録部、200…記憶部、210…特徴量管理テーブル、220…優先度管理テーブル、230…機密度管理テーブル、300…UI部、400…読取部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の特徴を表す第1の特徴量と、画像の特徴を表す特徴量であって前記第1の特徴量に設定された優先度よりも低い優先度が設定された第2の特徴量とを少なくとも含む複数種類の特徴量を第1の画像から抽出する抽出手段と、
前記第1の画像と異なる複数の第2の画像のそれぞれから抽出された前記特徴量を取得して、取得した各特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量との類似度を、前記第1及び第2の特徴量のそれぞれについて算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段により閾値以上の類似度が2以上算出された場合に、当該閾値以上の類似度のうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が決められた大きさを超えるか否かを前記特徴量の種類毎に判断する判断手段と、
前記第1の特徴量について前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出されるか、又は前記判断手段により前記大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす場合には、当該第1の特徴量について算出された類似度に従って前記第2の画像に応じた情報を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記複数種類の特徴量のそれぞれに優先度が設定され、
前記類似度算出手段は、前記複数種類の特徴量のそれぞれについて前記類似度を算出し、
前記出力手段は、前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出されるか、又は前記判断手段により前記大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす種類の特徴量のうち優先度が最も高いものについて前記情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出された特徴量、及び前記判断手段により前記大きさを超えると判断された特徴量が存在しない場合には、決められた条件を満たす種類の特徴量について前記情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記類似度算出手段により算出された類似度が前記閾値以上となるもののうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異の大きさが最大となるという条件を満たす種類の特徴量について前記情報を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
ユーザによる前記複数種類の特徴量に優先度を指定する操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記指定する操作に応じた優先度を前記複数種類の特徴量のそれぞれに設定する優先度設定手段と
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の画像の意味に割り当てられた意味情報を取得する意味情報取得手段を備え、
前記出力手段は、前記第2の画像と、当該第2の画像の意味に割り当てられ、前記意味情報取得手段が取得した意味情報に応じた情報とを表示手段に表示させるための制御情報を出力する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置と、
前記第1の画像を表す画像情報と、前記抽出手段により抽出された前記複数種類の特徴量を表す情報と、前記第1の画像に割り当てられた意味を表す意味情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段であって、
前記画像処理装置の出力手段により出力された制御情報に応じて前記表示手段に表示された表示内容に従って、ユーザによって指定された意味情報を、前記第1の画像に割り当てられた意味を表すものとして記憶させる記憶制御手段と
を備えることを特徴とする記憶制御装置。
【請求項8】
コンピュータを、
画像の特徴を表す第1の特徴量と、画像の特徴を表す特徴量であって前記第1の特徴量に設定された優先度よりも低い優先度が設定された第2の特徴量とを少なくとも含む複数種類の特徴量を第1の画像から抽出する抽出手段と、
前記第1の画像と異なる複数の第2の画像のそれぞれから抽出された前記特徴量を取得して、取得した各特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量との類似度を、前記第1及び第2の特徴量のそれぞれについて算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段により閾値以上の類似度が2以上算出された場合に、当該閾値以上の類似度のうち、最高の類似度とそれ以外の類似度との差異が決められた大きさを超えるか否かを前記特徴量の種類毎に判断する判断手段と、
前記第1の特徴量について前記類似度算出手段により1の前記閾値以上となる類似度が算出されるか、又は前記判断手段により前記大きさを超えると判断されるかのいずれかの条件を満たす場合には、当該第1の特徴量について算出された類似度に従って前記第2の画像に応じた情報を出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−231277(P2010−231277A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75178(P2009−75178)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】