画像処理装置および画像処理方法
【課題】飛び出し感にインパクトを付与することが可能な2D−3D変換手法を採用した画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】入力される2次元画像から左画像を生成し、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出し、当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする。
【解決手段】入力される2次元画像から左画像を生成し、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出し、当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置としては、2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置が知られている。
近年、立体視が可能な映像信号を放送する3D放送が開始されたが、3D放送で放送される3D動画のフレームデータは、所謂サイドバイサイド(以下、「SBS」という。)と呼ばれる方式により記録されている。これは、左目領域のフレームデータと、右目領域のフレームデータとを水平方向に1/2のサイズに圧縮し、この圧縮した2つのフレームデータを左右に配置して1つのフレームデータに記録する方式である。
【0003】
そこで、2D放送を受信して2D画像をそのままモニタ出力するのではなく、2D放送を3D画像に変換してモニタ出力することが要望されている。
このような2D−3D変換の手法としては、2D画像の輝度成分に対して、注目画素の値と1画素前の値とを比較し、その差の符号がプラスなら+1、マイナスなら−1を注目画素の視差値として算出するという技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、可変遅延回路によって、入力映像信号中のエッジ情報に応じて左右の映像の水平位置を逆方向にずらすように制御することによって、視差情報を有する左右の映像が生成され、同時に、エッジ情報が多い物体の場合には、前景と判断し、視差情報によって融像が前でなされ、一方、エッジ情報が少ない物体の場合には、後景(背景)と判断し、視差情報によって融像が後でなされるように制御されることについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−127456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画像処理装置による2D−3D変換手法にあっては、物体画像が飛び出す場合に視差値が+1ずつ増えるので、なだらかな飛び出し感があるのにとどまっていた。
そこで、飛び出し感にインパクトがある2D−3D変換手法の提供が切望されている。
本発明は、飛び出し感にインパクトを付与することが可能な2D−3D変換手法を採用した画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置であって、前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成手段と、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出手段と、当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項5記載の発明は、入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理方法であって、前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成ステップと、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出ステップと、当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力される2次元画像から左画像を生成し、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出し、当該左画像の目的画素を当該目的画素の視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とすることで、飛び出し感にインパクトを付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により生成された左画像について説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるぼかし処理について説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される疑似3D変換処理手順について説明するためのメインフローである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される疑似3D変換処理手順に用いられるバッファを示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される左目画像作成手順について説明するためのメインフローである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される左目画像作成手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される左目画像作成手順に用いられるバッファを示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される画像ぼかし手順について説明するためのメインフローである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される画像ぼかし手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファ作成手順について説明するためのメインフローである。
【図12】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファ作成手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図13】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される画像ぼかし手順およびZバッファ作成手順に用いられるバッファを示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファぼかし手順について説明するためのメインフローである。
【図15】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファぼかし手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図16】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される右目画像作成手順について説明するためのメインフローである。
【図17】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される右目画像作成手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される右目画像作成手順により生成された左画像について説明するための図である。
【図19】本発明の第2実施形態における情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施形態における情報処理装置における信号処理の流れを説明する図である。
【図21】本発明の実施形態における情報処理装置における情報処理方法を説明するフロー図である。
【図22】従来の情報処理装置における信号処理の流れを説明する図である。
【図23】従来の他の情報処理装置における信号処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
<第1実施形態>
次に、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の構成について説明する。
図1において、放送波を介してチューナ部1が画像データを受信すると、チューナ部1は、直接、デコーダ3に当該画像データを出力するか、又は、一旦画像データを記憶装置2に格納する。
デコーダ3は、チューナ部1または記憶装置2から入力される画像データをデコード(復号)してデコード後の画像データをIP変換/画像サイズ変換部5に出力する。
【0012】
3D変換処理部4は、CPU、VRAM、ROM、RAMを内部に備え、CPUがROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行する。
IP変換/画像サイズ変換部5は、インターレースプログレッシブ変換処理と画像サイズ変換処理を行い、30fpsの画像データを60fpsの画像データに変換する。
レンダラー6は、サイドバイサイド方式の60fpsの画像データをラインバイライン方式の60fpsの画像データに変換してモニタ7に出力し、モニタ7から3D画像を表示させる。そして、偏光メガネをかけた視聴者が、モニタ7に表示された3D画像を視認することができる。
【0013】
なお、デコーダ3には、YUVフォーマットからなるグラフィックメモリであるDXVA2バッファ3aが複数枚設けられており、まず、チューナ部1または記憶装置2から入力される画像データをDXVA2バッファ3aにおいてHW(ハードウエア)再生する。
次いで、デコーダ3には、H264処理のために複数枚のDXVA2バッファ3bが設けられ、H264規格で圧縮された動画をフレーム画像に再生され、3D変換処理部4との間で動画像のフレーム画像のやりとりを行う。
【0014】
また、デコーダ3には、MPEG2処理のために複数枚のDXVA2バッファ3bが設けられ、MPEG2規格で圧縮された動画をフレーム画像に再生され、3D変換処理部4との間で動画像のフレーム画像のやりとりを行う。
デコーダ3には、表示専用に5枚のDXVA2バッファ3cが設けられ、再生されたフレーム画像をIP変換/画像サイズ変換部5に出力するとともに、3D変換処理部4との間でフレーム画像のやりとりを行う。
【0015】
ここで、図1に示す3D変換処理部4による処理について概略的に説明する。
3D変換処理部4では、デコーダ3に設けられた複数のDXVA2バッファ3b中、デコードが完了し表示すべきバッファである入力バッファ4a上の画像データを左目画像データとしてRAM上に設けられた中間バッファ4bにコピーし、この左目画像データからZ値をRAM上に設けられたZバッファ4cに生成し、このZ値と左目画像データから右
目画像データをRAM上に設けられた出力バッファ4dに生成し、出力バッファ4d上に生成された左目画像データと右目画像データとを、デコーダ3に設けられた複数のDXVA2バッファ3c中の1枚であるVRAM4eにコピーして出力する。
【0016】
次に、3D変換処理部4における、RAM上に設けられたZバッファ4cにおけるZ値の生成方法について説明する。
まず、CPUは、左画像のY成分を画素毎に0〜7の範囲で表すように定義し、例えば、白を0、黒を7と定義する。この結果、図2に示すようなる。なお、同図において、「○」の上の数字は処理順を、「○」の中の数字はZ値をそれぞれ表す。次いで、CPUは、ノイズを抑えるため、横方向にZ値および画像についてぼかし処理を行う。
【0017】
次に、RAM上における右目画像の生成方法について説明する。
まず、CPUは、ライン毎に右画素から左方向に向かって順に計算することと定義する。
次いで、CPUは、左画像の各画素値をZバッファ4cにあるZ値分右にシフトする。このとき、元位置からシフト先まで画素値をコピーすることとし、シフト先が過去のシフト先より右になる場合はコピーを禁止する。この結果、図2に示すようなる。
【0018】
次に、図3を参照して、ぼかし処理について説明する。なお、図3の上方には、ぼかし前の元画像、Zバッファ4cのZ値、作成した右画像を示し、図3の下方には、ぼかし後の画像、Zバッファ4cのZ値、作成した右画像を示す。
ぼかし処理においては、例えば、目的画素の左右を含む3画素で計算することと定義する。
ぼかし値は、目的画素値、左画素値および右画素値から、
ぼかし値=目的画素値*0.5+左画素値*0.25+右画素値*0.25 (1)
となる。図3に示す例の場合、ぼかし値は、
ぼかし値=4*0.5+2*0.25+4*0.25=3.5 → 3
となる。ここで、小数点以下は切り捨てる。
この結果、作成した右画像にあっては、ぼかし処理前にあった斜めノイズが、ぼかし処理後に目立たなくすることができる。
【0019】
次に、図4に示すメインフロー、図5に示す説明図を参照して、疑似3D変換処理手順について説明する。
まず、ステップS100では、CPUは、左画像作成処理を行い、入力バッファ4aから中間バッファ4b、出力バッファ4dに左画像を作成するため、サブルーチンS110をコールする。
次いで、ステップS200では、画像ぼかし処理を行い、中間バッファ4bの左画像をぼかすため、サブルーチンS210をコールする。
【0020】
次いで、ステップS300では、CPUは、Zバッファ作成処理を行い、出力バッファ4dの左画像からZバッファ4cを作成するため、サブルーチンS310をコールする。
次いで、ステップS400では、CPUは、Zバッファぼかし処理を行うため、サブルーチンS410をコールする。
次いで、ステップS500では、CPUは、右画像作成処理を行い、中間バッファ4bとZバッファ4cとから出力バッファ4dに右画像を作成するため、サブルーチンS510をコールする。
【0021】
次に、図6および図7に示すフローチャート、図8に示す説明図を参照して、左目画像作成処理について説明する。
まず、ステップS110では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS1
20をコールする。
ステップS120では、CPUは、入力バッファ4aから2画素のY成分を取得(Y1,Y2)する。
次いで、ステップS125では、CPUは、平均値(Y1+Y2)/2 を算出し、中間バッファ4b、出力バッファ4dに書き込む。
次いで、ステップS130では、CPUは、Y成分について全画素処理が終了した場合にはステップS135に進み、一方、Y成分について全画素処理が終了していない場合にはステップS120に戻る。
【0022】
次いで、ステップS135では、CPUは、入力バッファ4bから2画素のUV成分を取得(UV1,UV2)する。
次いで、ステップS140では、CPUは、両画素の平均値(UV1+UV2)/2を算出し、出力バッファ4dに書き込む。
次いで、ステップS145では、CPUは、UV成分について全画素処理終了した場合にはステップS115に戻る。一方、UV成分について全画素処理が終了していない場合にはステップS135に戻る。
ステップS115では、CPUは、全ライン処理終了していない場合にはステップS110に戻り、一方、全ライン処理終了している場合には処理を終了する。
このように、入力バッファ4aから2画素のY成分を取得し、2画素の平均値を算出し、算出結果を中間バッファ4b、出力バッファ4dに順次に書き込むことで、1/2に縮小した左目画像を作成することができる。
【0023】
次に、図9および図10に示すフローチャートを参照して、画像ぼかし処理について説明する。
まず、ステップS210では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS220をコールする。
ステップS220では、CPUは、中間バッファ4bから連続して配列されている3画素を取得(A1,A2,A3)する。
次いで、ステップS225では、CPUは、B=((A1+A3)/2+A2)/2 を算出し、B値を中間バッファ4bに書き込む。
次いで、ステップS230では、CPUは、全画素処理が終了した場合にはステップS215に進み、一方、全画素処理が終了していない場合にはステップS220に戻る。
【0024】
ステップS215では、CPUは、全ライン処理が終了していない場合にはステップS210に戻り、一方、全ライン処理が終了している場合には処理を終了する。
このように、中間バッファ4bから連続して配列されている3画素を取得し、取得した3画素から上記荷重平均Bを算出し、算出されたB値を中間バッファ4bに順次に書き込むことで、画像をぼかすことができ、この結果、従来あった3D画像中の縦方向のノイズを低減することができる。
【0025】
次に、図11および図12に示すフローチャート、図13に示す説明図を参照して、Zバッファ作成処理について説明する。
まず、ステップS310では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS320をコールする。
ステップS320では、CPUは、出力バッファ4dに記憶されている左画像から1画素のY成分を取得(Y)する。
次いで、ステップS325では、CPUは、Z=7-Y/32 (Z=0〜7)を算出し、Z値をZバッファ4cに書き込む。
【0026】
次いで、ステップS330では、CPUは、全画素処理が終了した場合にはステップS
315に戻り、一方、全画素処理が終了していない場合にはステップS320に戻る。
ステップS315では、CPUは、全ラインの処理が終了していない場合にはステップS310に戻り、一方、全ライン処理終了している場合には処理を終了する。
このように、出力バッファ4dに記憶されている左画像から1画素のY成分(輝度成分)を取得し、取得したY成分から視差値Z=7-Y/32 (Z=0〜7)を算出することで、7段階のうちの1段階を示す視差値ZをZバッファ4cに順次に書き込むことができ、飛び出し感にインパクトがある視差値を生成することができる。
【0027】
次に、図14および図15に示すフローチャートを参照して、画像ぼかし処理について説明する。
まず、ステップS410では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS420をコールする。
ステップS420では、CPUは、Zバッファ4cから3画素を取得(A1,A2,A3)する。
次いで、ステップS425では、CPUは、B=((A1+A3)/2+A2)/2 を算出し、B値をZバッファ4cに書き込む。
次いで、ステップS430では、CPUは、全画素処理が終了した場合にはステップS415に進み、一方、全画素処理が終了していない場合にはステップS420に戻る。
【0028】
ステップS415では、CPUは、全ライン処理が終了していない場合にはステップS410に戻り、一方、全ライン処理が終了している場合には処理を終了する。
このように、Zバッファ4cから3画素を取得し、取得した3画素から上記荷重平均Bを算出し、算出されたB値をZバッファ4cに順次に書き込むことで、画像をぼかすことができ、この結果、従来あった3D画像中の縦方向のノイズを低減することができる。
【0029】
次に、図16および図17に示すフローチャート、図18に示す説明図を参照して、右目画像作成処理について説明する。
まず、ステップS510では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS520をコールする。
ステップS520では、CPUは、中間バッファ4bの画素ポイントを示す入力ポインタを右端-Z最大値の位置に設定し、Zバッファ4cの画素ポイントを示すZポインタを右端-Z最大値の位置に設定し、出力バッファ4dの画素ポイントを示す出力ポインタを右端-Z最大値の位置に設定し、さらに、出力バッファ4dの画素ポイントを示すラストポインタを右端+1の位置に設定する。
【0030】
次いで、ステップS525では、CPUは、画素値を入力ポインタが示す中間バッファ4b上の位置から取得し、Z値をZポインタが示すZバッファ4c上の位置から取得する。
次いで、ステップS530では、CPUは、Zカウンタを0に設定する。
次いで、ステップS535では、CPUは、Zカウンタのカウント値がZ値未満か否か判断する。Zカウンタのカウント値がZ値未満の場合にはステップS540に進み、そうではない場合にはステップS555に進む。
【0031】
次いで、ステップS540では、CPUは、出力ポインタの値にZカウンタのカウント値を加算した値がラストポインタの値よりも大きいか否か判断する。この加算した値がラストポインタの値よりも大きい場合にはステップS555に進み、そうではない場合にはステップS545に進む。
次いで、ステップS545では、CPUは、出力ポインタの値とZカウンタの値とを加算した値により示される出力バッファ4d上の位置に元画素値をコピーして書き込む。
【0032】
次いで、ステップS550では、CPUは、Zカウンタをインクリメントし、ステップS535に戻る。
次いで、ステップS555では、CPUは、ラストポインタの値が、出力ポインタの値とZ値とを加算した値より大きいか否かを判断する。ラストポインタの値が、出力ポインタの値とZ値とを加算した値より大きい場合にはステップS560に進み、そうではない場合にはステップS565に進む。
【0033】
次いで、ステップS560では、CPUは、ラストポインタを出力ポインタ+Z値に更新する。
次いで、ステップS565では、CPUは、入力ポインタをデクリメントし、Zポインタをデクリメントし、さらに、出力ポインタをデクリメントする。
次いで、ステップS570では、CPUは、出力ポインタの値が左端まで到達したか否か判断する。出力ポインタの値が左端まで到達していない場合にはステップS525に戻り、出力ポインタの値が左端まで到達した場合にはこのループ処理を終了し、ステップS515に戻る。
【0034】
次いで、ステップS515では、CPUは、全ライン処理が終了していない場合にはステップS510に戻り、一方、全ライン処理が終了している場合には処理を終了する。
この結果、出力バッファ4dに右画像データが形成される。
このように、左画像の目的画素を当該目的画素の視差値Zに応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして順次に右画像とすることで、視差値を付与された右画像を生成することができる。
【0035】
上記ステップS520〜S570まで1回のループ処理を通過した結果、図18に示す「1ループ後の右下画像」のように、出力バッファ4d上の出力ポインタの位置とラストポインタの位置との間の位置に画素値が書き込まれる。同様にして、順次に上記ループ処理が1回ずつ進む度に、出力バッファ4d上の出力ポインタの位置とラストポインタの位置との間の位置に画素値が書き込まれる。
【0036】
次いで、3D変換処理部4では、出力バッファ4d上に生成された左目画像データと右目画像データとを、デコーダ3に設けられた複数のDXVA2バッファ3c中の1枚であるVRAM4eにコピーして出力する。
次いで、DXVA2バッファ3cは左目画像データと右目画像データとをIP変換/画像サイズ変換部5に出力する。
次いで、IP変換/画像サイズ変換部5では、インターレースプログレッシブ変換処理と画像サイズ変換処理を行い、30fpsの画像データを60fpsの画像データに変換する。
次いで、レンダラー6は、サイドバイサイド方式の60fpsの画像データをラインバイライン方式の60fpsの画像データに変換してモニタ7に出力し、モニタ7から3D画像を表示させる。そして、偏光メガネをかけた視聴者が、モニタ7に表示された3D画像を視認することができる。
【0037】
<第2実施形態>
図19は、本発明の第2実施形態における情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
2D再生方式と本実施形態との相違点は、PC等の情報処理装置12の中に3D変換処理部114が組み込まれている点と、モニタが偏光板立体視対応モニタ13である点である。図19において、放送波11からの映像データがチューナー111で受信されると、チューナー111は、直接、映像処理系113に当該映像データを出力するか、又は、一旦映像データを記憶装置112に格納した後に、当該映像データを映像処理系113に出
力する。
【0038】
映像処理系113は、デコード(復号化)を行うデコーダー1131と、表示を行うレンダラー1132で構成されている。デコーダー1131において映像データがデコード(復号)され、画が生成された後にレンダラーに出力される。レンダラー1132において、表示に必要な各処理が画に対して行われる。
3D変換を行う場合には、当該画を3D変換処理部114に出力し、3D変換処理部114において3D映像データに変換された後、レンダラー1132に出力される。レンダラーでは、表示に必要な偏光方式立体視対応モニタ13と同期を取りながら、画を表示する。そして、偏光メガネ14をかけた視聴者15が、偏光方式立体視対応モニタ13に表示された画を見ることになる。
【0039】
次に、図20及び図21を用いて、本発明の実施形態における情報処理装置の動作について説明する。図20は、本発明の実施形態における情報処理装置における信号処理の流れを説明する図であり、図21は、本発明の実施形態における情報処理装置における情報処理方法を説明するフロー図である。
【0040】
図21において、2D再生方式と本発明との相違点は、3D変換処理として、奥行き解析処理(ステップ(以下、「S」という。)39)と視差生成処理(S30)の各工程が追加されることである。
【0041】
放送波1がPC等の情報処理装置12に受信されるか(図19)、又は、放送信号(2D)が格納された記憶手段21(図20)から抽出された放送信号(2D)(動画データ)は、情報処理系113の中のデコーダー1131(図19)においてデコード22(図20)され、2Dの画像であるフレーム23(図20)が生成される(S31)。
【0042】
次に、画(フレーム)23に対してI/P変換処理24、すなわち、放送波はインターレース映像信号(1フレームに時間が連続した2フィールドが格納されている方式)であるため、1フレームを2フィールドに分解し、補間(デインターレース)を行うことにより、2Dの画(フィールド)である25e(時刻t)、25l(時刻t+16.7ms)を作成する処理が行われる(S32)。
【0043】
次に、必要に応じて、YUV(輝度、色差)フォーマットという色形式からRGBフォーマットへと色フォーマットを変換する色変換処理(S33)を行う。また、PC等のウィンドウ表示において、ユーザの使用画面に応じて、モニタ13、28に表示されるサイズに画(フィールド)サイズを拡大縮小するリサイズ処理24(図20)を行う(S34)。
【0044】
次に、2Dの画(フィールド)である2フレーム25e(時刻t)、25l(時刻t+16.7ms)に対して3D変換処理を行うか否かについて判断され、3D変換処理を行うと判断された場合(S35:YES)には、S39へ移行する。S39では、2Dの画(フィールド)を解析し、奥行きを推測する処理である奥行き解析処理が行われる。すなわち、2Dの映像には奥行き情報が存在しないため、構図や動き、色等の情報から奥行きを推測する。推測方法については様々な方法が存在するが、ここでの説明は省略する。
【0045】
次に、S30では、画(フィールド)の奇数ライン、又は偶数ラインのみに視差を生成する処理である視差生成処理26(図20)を行う。具体的には、画(フィールド)を構成する複数のラインのうち、1、3、5、7、・・・、2n+1(ただし、nは0以上の整数)番目のラインといった奇数番号のライン、又は2、4、6、8、・・・、2n(ただし、nは1以上の整数)番目のラインといった偶数番号のラインに対して視差を生成す
ることで、モニタ13、28に表示された際、左右の目に異なる映像が表示され、立体視が可能となる。S39の奥行き解析処理で得られた奥行きを参考に、画素を左右にシフトし、又は加工することで、視差を生成する。
【0046】
偏光方式立体視の特徴であるLBL方式(ライン交互に異なる映像が格納されている方式)で表示する必要性を利用し、実際には、左右の目の映像を作ることなく、オリジナル画の一部を加工することにより、LBL処理相当の加工された画(フィールド)27e(時刻t)、27l(時刻t+16.7ms)(図20)が作成され、立体視が可能となるである。
【0047】
図21に戻り、S35において、3D変換処理を行わないと判断された場合(S35:NO)、又はS30において視差生成処理が終了すると、S36においてスケジューリング処理が行われる。すなわち、モニタ13、28の周波数に表示のタイミングを合わせることを目的として、必要であればウェイトやコマ落としを行うことにより、モニタ13、28と同期を取る。
【0048】
そして、S37において、モニタ13、28に画(フィールド)27e(時刻t)、27l(時刻t+16.7ms)(図20)を出力し、実際に画(フィールド)をモニタ13、28に表示をさせる表示処理が行われ、S38において、動画の再生を継続するか否かが判断され、継続すると判断された場合(S38:YES)には、S31に戻り、継続しないと判断された場合(S38:NO)には、処理を終了する。
【0049】
なお、上記実施形態において説明した図21に示したフローチャートを実行するために、PC等の情報処理装置に搭載されるCPU(図示せず)が、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されるメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータにより読み取り可能なプログラムに基づいてPC等の情報処理装置の動作の各処理を制御するよう構成されている。
【0050】
本発明により、従来の2D/3D変換方式といわれる再生方式(図23)に比べ、図23における処理工程のうち、SBS化74、右目画像にのみ視差生成処理76、及びLBL処理80の各工程が不要となり、図23のI/P変換処理78に対応する図20のI/P変換処理24と、奇数ラインのみ視差生成処理26の工程を経るだけで、偏光方式に対応した立体視が可能な3D映像を再生可能な情報処理装置を得ることができる。
【0051】
この処理工程の低減による具体的な画素コピー回数の軽減量を比較すると、xを水平方向の解像度、yを垂直方向の解像度とした場合、図23の方式では、SBS化74により、(x/2*y)*2=xy、右目画像にのみ視差生成処理76により、(x/2*y)=xy/2、LBL処理80により、((x/2*y/2)*2)*2=xyであるから、合計xy+xy/2+xy=(5/2)xyの画素コピー回数であるのに対し、本実施形態による図20の方式では、奇数ラインのみに視差生成26による(x*y/2)*2=xyであるから、(5/2)xy−xy=(3/2)xyだけ、本発明による画素コピー回数の低減による改善効果が得られたことになる。
【0052】
さらに、従来技術の図22又は図23の方式では、水平方向の解像度がオリジナル画像の半分であるのに対し、本発明による図20の方法では、水平方向の解像度の欠損がないため、高画質の3D映像を再生することができる。
【0053】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、擬似3D映像を再生するに当たり、フィールドを構成する複数のラインに対して、1ラインおきに視差を生成し、LBLライン相当の加工された画(フィールド)を得ることにより、3D映像を再生するための処理工
程を軽減させることができ、その結果として、処理負荷を低減することができると共に、垂直方向の解像度を高画質に維持することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを得ることができる。
【0054】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、テレビジョン受信機、DVDプレーヤ、パーソナルコンピュータ等に利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 チューナ部
2 記憶装置
3 デコーダ
4 3D変換処理部
5 IP変換/画像サイズ変換部
6 レンダラー
7 モニタ
11 放送波
111 チューナー
112 記憶装置
113 映像処理系
1131 デコーダー
1132 レンダラー
114 3D変換処理部
12 情報処理装置
13 偏光方式立体視対応モニタ
14 偏光メガネ
15 視聴者
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置としては、2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置が知られている。
近年、立体視が可能な映像信号を放送する3D放送が開始されたが、3D放送で放送される3D動画のフレームデータは、所謂サイドバイサイド(以下、「SBS」という。)と呼ばれる方式により記録されている。これは、左目領域のフレームデータと、右目領域のフレームデータとを水平方向に1/2のサイズに圧縮し、この圧縮した2つのフレームデータを左右に配置して1つのフレームデータに記録する方式である。
【0003】
そこで、2D放送を受信して2D画像をそのままモニタ出力するのではなく、2D放送を3D画像に変換してモニタ出力することが要望されている。
このような2D−3D変換の手法としては、2D画像の輝度成分に対して、注目画素の値と1画素前の値とを比較し、その差の符号がプラスなら+1、マイナスなら−1を注目画素の視差値として算出するという技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、可変遅延回路によって、入力映像信号中のエッジ情報に応じて左右の映像の水平位置を逆方向にずらすように制御することによって、視差情報を有する左右の映像が生成され、同時に、エッジ情報が多い物体の場合には、前景と判断し、視差情報によって融像が前でなされ、一方、エッジ情報が少ない物体の場合には、後景(背景)と判断し、視差情報によって融像が後でなされるように制御されることについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−127456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画像処理装置による2D−3D変換手法にあっては、物体画像が飛び出す場合に視差値が+1ずつ増えるので、なだらかな飛び出し感があるのにとどまっていた。
そこで、飛び出し感にインパクトがある2D−3D変換手法の提供が切望されている。
本発明は、飛び出し感にインパクトを付与することが可能な2D−3D変換手法を採用した画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置であって、前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成手段と、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出手段と、当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項5記載の発明は、入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理方法であって、前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成ステップと、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出ステップと、当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力される2次元画像から左画像を生成し、当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出し、当該左画像の目的画素を当該目的画素の視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とすることで、飛び出し感にインパクトを付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により生成された左画像について説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるぼかし処理について説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される疑似3D変換処理手順について説明するためのメインフローである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される疑似3D変換処理手順に用いられるバッファを示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される左目画像作成手順について説明するためのメインフローである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される左目画像作成手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される左目画像作成手順に用いられるバッファを示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される画像ぼかし手順について説明するためのメインフローである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される画像ぼかし手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファ作成手順について説明するためのメインフローである。
【図12】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファ作成手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図13】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される画像ぼかし手順およびZバッファ作成手順に用いられるバッファを示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファぼかし手順について説明するためのメインフローである。
【図15】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行されるZバッファぼかし手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図16】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される右目画像作成手順について説明するためのメインフローである。
【図17】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される右目画像作成手順について説明するためのサブルーチンのフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施形態に係る画像処理装置により実行される右目画像作成手順により生成された左画像について説明するための図である。
【図19】本発明の第2実施形態における情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施形態における情報処理装置における信号処理の流れを説明する図である。
【図21】本発明の実施形態における情報処理装置における情報処理方法を説明するフロー図である。
【図22】従来の情報処理装置における信号処理の流れを説明する図である。
【図23】従来の他の情報処理装置における信号処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
<第1実施形態>
次に、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の構成について説明する。
図1において、放送波を介してチューナ部1が画像データを受信すると、チューナ部1は、直接、デコーダ3に当該画像データを出力するか、又は、一旦画像データを記憶装置2に格納する。
デコーダ3は、チューナ部1または記憶装置2から入力される画像データをデコード(復号)してデコード後の画像データをIP変換/画像サイズ変換部5に出力する。
【0012】
3D変換処理部4は、CPU、VRAM、ROM、RAMを内部に備え、CPUがROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行する。
IP変換/画像サイズ変換部5は、インターレースプログレッシブ変換処理と画像サイズ変換処理を行い、30fpsの画像データを60fpsの画像データに変換する。
レンダラー6は、サイドバイサイド方式の60fpsの画像データをラインバイライン方式の60fpsの画像データに変換してモニタ7に出力し、モニタ7から3D画像を表示させる。そして、偏光メガネをかけた視聴者が、モニタ7に表示された3D画像を視認することができる。
【0013】
なお、デコーダ3には、YUVフォーマットからなるグラフィックメモリであるDXVA2バッファ3aが複数枚設けられており、まず、チューナ部1または記憶装置2から入力される画像データをDXVA2バッファ3aにおいてHW(ハードウエア)再生する。
次いで、デコーダ3には、H264処理のために複数枚のDXVA2バッファ3bが設けられ、H264規格で圧縮された動画をフレーム画像に再生され、3D変換処理部4との間で動画像のフレーム画像のやりとりを行う。
【0014】
また、デコーダ3には、MPEG2処理のために複数枚のDXVA2バッファ3bが設けられ、MPEG2規格で圧縮された動画をフレーム画像に再生され、3D変換処理部4との間で動画像のフレーム画像のやりとりを行う。
デコーダ3には、表示専用に5枚のDXVA2バッファ3cが設けられ、再生されたフレーム画像をIP変換/画像サイズ変換部5に出力するとともに、3D変換処理部4との間でフレーム画像のやりとりを行う。
【0015】
ここで、図1に示す3D変換処理部4による処理について概略的に説明する。
3D変換処理部4では、デコーダ3に設けられた複数のDXVA2バッファ3b中、デコードが完了し表示すべきバッファである入力バッファ4a上の画像データを左目画像データとしてRAM上に設けられた中間バッファ4bにコピーし、この左目画像データからZ値をRAM上に設けられたZバッファ4cに生成し、このZ値と左目画像データから右
目画像データをRAM上に設けられた出力バッファ4dに生成し、出力バッファ4d上に生成された左目画像データと右目画像データとを、デコーダ3に設けられた複数のDXVA2バッファ3c中の1枚であるVRAM4eにコピーして出力する。
【0016】
次に、3D変換処理部4における、RAM上に設けられたZバッファ4cにおけるZ値の生成方法について説明する。
まず、CPUは、左画像のY成分を画素毎に0〜7の範囲で表すように定義し、例えば、白を0、黒を7と定義する。この結果、図2に示すようなる。なお、同図において、「○」の上の数字は処理順を、「○」の中の数字はZ値をそれぞれ表す。次いで、CPUは、ノイズを抑えるため、横方向にZ値および画像についてぼかし処理を行う。
【0017】
次に、RAM上における右目画像の生成方法について説明する。
まず、CPUは、ライン毎に右画素から左方向に向かって順に計算することと定義する。
次いで、CPUは、左画像の各画素値をZバッファ4cにあるZ値分右にシフトする。このとき、元位置からシフト先まで画素値をコピーすることとし、シフト先が過去のシフト先より右になる場合はコピーを禁止する。この結果、図2に示すようなる。
【0018】
次に、図3を参照して、ぼかし処理について説明する。なお、図3の上方には、ぼかし前の元画像、Zバッファ4cのZ値、作成した右画像を示し、図3の下方には、ぼかし後の画像、Zバッファ4cのZ値、作成した右画像を示す。
ぼかし処理においては、例えば、目的画素の左右を含む3画素で計算することと定義する。
ぼかし値は、目的画素値、左画素値および右画素値から、
ぼかし値=目的画素値*0.5+左画素値*0.25+右画素値*0.25 (1)
となる。図3に示す例の場合、ぼかし値は、
ぼかし値=4*0.5+2*0.25+4*0.25=3.5 → 3
となる。ここで、小数点以下は切り捨てる。
この結果、作成した右画像にあっては、ぼかし処理前にあった斜めノイズが、ぼかし処理後に目立たなくすることができる。
【0019】
次に、図4に示すメインフロー、図5に示す説明図を参照して、疑似3D変換処理手順について説明する。
まず、ステップS100では、CPUは、左画像作成処理を行い、入力バッファ4aから中間バッファ4b、出力バッファ4dに左画像を作成するため、サブルーチンS110をコールする。
次いで、ステップS200では、画像ぼかし処理を行い、中間バッファ4bの左画像をぼかすため、サブルーチンS210をコールする。
【0020】
次いで、ステップS300では、CPUは、Zバッファ作成処理を行い、出力バッファ4dの左画像からZバッファ4cを作成するため、サブルーチンS310をコールする。
次いで、ステップS400では、CPUは、Zバッファぼかし処理を行うため、サブルーチンS410をコールする。
次いで、ステップS500では、CPUは、右画像作成処理を行い、中間バッファ4bとZバッファ4cとから出力バッファ4dに右画像を作成するため、サブルーチンS510をコールする。
【0021】
次に、図6および図7に示すフローチャート、図8に示す説明図を参照して、左目画像作成処理について説明する。
まず、ステップS110では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS1
20をコールする。
ステップS120では、CPUは、入力バッファ4aから2画素のY成分を取得(Y1,Y2)する。
次いで、ステップS125では、CPUは、平均値(Y1+Y2)/2 を算出し、中間バッファ4b、出力バッファ4dに書き込む。
次いで、ステップS130では、CPUは、Y成分について全画素処理が終了した場合にはステップS135に進み、一方、Y成分について全画素処理が終了していない場合にはステップS120に戻る。
【0022】
次いで、ステップS135では、CPUは、入力バッファ4bから2画素のUV成分を取得(UV1,UV2)する。
次いで、ステップS140では、CPUは、両画素の平均値(UV1+UV2)/2を算出し、出力バッファ4dに書き込む。
次いで、ステップS145では、CPUは、UV成分について全画素処理終了した場合にはステップS115に戻る。一方、UV成分について全画素処理が終了していない場合にはステップS135に戻る。
ステップS115では、CPUは、全ライン処理終了していない場合にはステップS110に戻り、一方、全ライン処理終了している場合には処理を終了する。
このように、入力バッファ4aから2画素のY成分を取得し、2画素の平均値を算出し、算出結果を中間バッファ4b、出力バッファ4dに順次に書き込むことで、1/2に縮小した左目画像を作成することができる。
【0023】
次に、図9および図10に示すフローチャートを参照して、画像ぼかし処理について説明する。
まず、ステップS210では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS220をコールする。
ステップS220では、CPUは、中間バッファ4bから連続して配列されている3画素を取得(A1,A2,A3)する。
次いで、ステップS225では、CPUは、B=((A1+A3)/2+A2)/2 を算出し、B値を中間バッファ4bに書き込む。
次いで、ステップS230では、CPUは、全画素処理が終了した場合にはステップS215に進み、一方、全画素処理が終了していない場合にはステップS220に戻る。
【0024】
ステップS215では、CPUは、全ライン処理が終了していない場合にはステップS210に戻り、一方、全ライン処理が終了している場合には処理を終了する。
このように、中間バッファ4bから連続して配列されている3画素を取得し、取得した3画素から上記荷重平均Bを算出し、算出されたB値を中間バッファ4bに順次に書き込むことで、画像をぼかすことができ、この結果、従来あった3D画像中の縦方向のノイズを低減することができる。
【0025】
次に、図11および図12に示すフローチャート、図13に示す説明図を参照して、Zバッファ作成処理について説明する。
まず、ステップS310では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS320をコールする。
ステップS320では、CPUは、出力バッファ4dに記憶されている左画像から1画素のY成分を取得(Y)する。
次いで、ステップS325では、CPUは、Z=7-Y/32 (Z=0〜7)を算出し、Z値をZバッファ4cに書き込む。
【0026】
次いで、ステップS330では、CPUは、全画素処理が終了した場合にはステップS
315に戻り、一方、全画素処理が終了していない場合にはステップS320に戻る。
ステップS315では、CPUは、全ラインの処理が終了していない場合にはステップS310に戻り、一方、全ライン処理終了している場合には処理を終了する。
このように、出力バッファ4dに記憶されている左画像から1画素のY成分(輝度成分)を取得し、取得したY成分から視差値Z=7-Y/32 (Z=0〜7)を算出することで、7段階のうちの1段階を示す視差値ZをZバッファ4cに順次に書き込むことができ、飛び出し感にインパクトがある視差値を生成することができる。
【0027】
次に、図14および図15に示すフローチャートを参照して、画像ぼかし処理について説明する。
まず、ステップS410では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS420をコールする。
ステップS420では、CPUは、Zバッファ4cから3画素を取得(A1,A2,A3)する。
次いで、ステップS425では、CPUは、B=((A1+A3)/2+A2)/2 を算出し、B値をZバッファ4cに書き込む。
次いで、ステップS430では、CPUは、全画素処理が終了した場合にはステップS415に進み、一方、全画素処理が終了していない場合にはステップS420に戻る。
【0028】
ステップS415では、CPUは、全ライン処理が終了していない場合にはステップS410に戻り、一方、全ライン処理が終了している場合には処理を終了する。
このように、Zバッファ4cから3画素を取得し、取得した3画素から上記荷重平均Bを算出し、算出されたB値をZバッファ4cに順次に書き込むことで、画像をぼかすことができ、この結果、従来あった3D画像中の縦方向のノイズを低減することができる。
【0029】
次に、図16および図17に示すフローチャート、図18に示す説明図を参照して、右目画像作成処理について説明する。
まず、ステップS510では、CPUは、1ライン処理を行うため、サブルーチンS520をコールする。
ステップS520では、CPUは、中間バッファ4bの画素ポイントを示す入力ポインタを右端-Z最大値の位置に設定し、Zバッファ4cの画素ポイントを示すZポインタを右端-Z最大値の位置に設定し、出力バッファ4dの画素ポイントを示す出力ポインタを右端-Z最大値の位置に設定し、さらに、出力バッファ4dの画素ポイントを示すラストポインタを右端+1の位置に設定する。
【0030】
次いで、ステップS525では、CPUは、画素値を入力ポインタが示す中間バッファ4b上の位置から取得し、Z値をZポインタが示すZバッファ4c上の位置から取得する。
次いで、ステップS530では、CPUは、Zカウンタを0に設定する。
次いで、ステップS535では、CPUは、Zカウンタのカウント値がZ値未満か否か判断する。Zカウンタのカウント値がZ値未満の場合にはステップS540に進み、そうではない場合にはステップS555に進む。
【0031】
次いで、ステップS540では、CPUは、出力ポインタの値にZカウンタのカウント値を加算した値がラストポインタの値よりも大きいか否か判断する。この加算した値がラストポインタの値よりも大きい場合にはステップS555に進み、そうではない場合にはステップS545に進む。
次いで、ステップS545では、CPUは、出力ポインタの値とZカウンタの値とを加算した値により示される出力バッファ4d上の位置に元画素値をコピーして書き込む。
【0032】
次いで、ステップS550では、CPUは、Zカウンタをインクリメントし、ステップS535に戻る。
次いで、ステップS555では、CPUは、ラストポインタの値が、出力ポインタの値とZ値とを加算した値より大きいか否かを判断する。ラストポインタの値が、出力ポインタの値とZ値とを加算した値より大きい場合にはステップS560に進み、そうではない場合にはステップS565に進む。
【0033】
次いで、ステップS560では、CPUは、ラストポインタを出力ポインタ+Z値に更新する。
次いで、ステップS565では、CPUは、入力ポインタをデクリメントし、Zポインタをデクリメントし、さらに、出力ポインタをデクリメントする。
次いで、ステップS570では、CPUは、出力ポインタの値が左端まで到達したか否か判断する。出力ポインタの値が左端まで到達していない場合にはステップS525に戻り、出力ポインタの値が左端まで到達した場合にはこのループ処理を終了し、ステップS515に戻る。
【0034】
次いで、ステップS515では、CPUは、全ライン処理が終了していない場合にはステップS510に戻り、一方、全ライン処理が終了している場合には処理を終了する。
この結果、出力バッファ4dに右画像データが形成される。
このように、左画像の目的画素を当該目的画素の視差値Zに応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして順次に右画像とすることで、視差値を付与された右画像を生成することができる。
【0035】
上記ステップS520〜S570まで1回のループ処理を通過した結果、図18に示す「1ループ後の右下画像」のように、出力バッファ4d上の出力ポインタの位置とラストポインタの位置との間の位置に画素値が書き込まれる。同様にして、順次に上記ループ処理が1回ずつ進む度に、出力バッファ4d上の出力ポインタの位置とラストポインタの位置との間の位置に画素値が書き込まれる。
【0036】
次いで、3D変換処理部4では、出力バッファ4d上に生成された左目画像データと右目画像データとを、デコーダ3に設けられた複数のDXVA2バッファ3c中の1枚であるVRAM4eにコピーして出力する。
次いで、DXVA2バッファ3cは左目画像データと右目画像データとをIP変換/画像サイズ変換部5に出力する。
次いで、IP変換/画像サイズ変換部5では、インターレースプログレッシブ変換処理と画像サイズ変換処理を行い、30fpsの画像データを60fpsの画像データに変換する。
次いで、レンダラー6は、サイドバイサイド方式の60fpsの画像データをラインバイライン方式の60fpsの画像データに変換してモニタ7に出力し、モニタ7から3D画像を表示させる。そして、偏光メガネをかけた視聴者が、モニタ7に表示された3D画像を視認することができる。
【0037】
<第2実施形態>
図19は、本発明の第2実施形態における情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
2D再生方式と本実施形態との相違点は、PC等の情報処理装置12の中に3D変換処理部114が組み込まれている点と、モニタが偏光板立体視対応モニタ13である点である。図19において、放送波11からの映像データがチューナー111で受信されると、チューナー111は、直接、映像処理系113に当該映像データを出力するか、又は、一旦映像データを記憶装置112に格納した後に、当該映像データを映像処理系113に出
力する。
【0038】
映像処理系113は、デコード(復号化)を行うデコーダー1131と、表示を行うレンダラー1132で構成されている。デコーダー1131において映像データがデコード(復号)され、画が生成された後にレンダラーに出力される。レンダラー1132において、表示に必要な各処理が画に対して行われる。
3D変換を行う場合には、当該画を3D変換処理部114に出力し、3D変換処理部114において3D映像データに変換された後、レンダラー1132に出力される。レンダラーでは、表示に必要な偏光方式立体視対応モニタ13と同期を取りながら、画を表示する。そして、偏光メガネ14をかけた視聴者15が、偏光方式立体視対応モニタ13に表示された画を見ることになる。
【0039】
次に、図20及び図21を用いて、本発明の実施形態における情報処理装置の動作について説明する。図20は、本発明の実施形態における情報処理装置における信号処理の流れを説明する図であり、図21は、本発明の実施形態における情報処理装置における情報処理方法を説明するフロー図である。
【0040】
図21において、2D再生方式と本発明との相違点は、3D変換処理として、奥行き解析処理(ステップ(以下、「S」という。)39)と視差生成処理(S30)の各工程が追加されることである。
【0041】
放送波1がPC等の情報処理装置12に受信されるか(図19)、又は、放送信号(2D)が格納された記憶手段21(図20)から抽出された放送信号(2D)(動画データ)は、情報処理系113の中のデコーダー1131(図19)においてデコード22(図20)され、2Dの画像であるフレーム23(図20)が生成される(S31)。
【0042】
次に、画(フレーム)23に対してI/P変換処理24、すなわち、放送波はインターレース映像信号(1フレームに時間が連続した2フィールドが格納されている方式)であるため、1フレームを2フィールドに分解し、補間(デインターレース)を行うことにより、2Dの画(フィールド)である25e(時刻t)、25l(時刻t+16.7ms)を作成する処理が行われる(S32)。
【0043】
次に、必要に応じて、YUV(輝度、色差)フォーマットという色形式からRGBフォーマットへと色フォーマットを変換する色変換処理(S33)を行う。また、PC等のウィンドウ表示において、ユーザの使用画面に応じて、モニタ13、28に表示されるサイズに画(フィールド)サイズを拡大縮小するリサイズ処理24(図20)を行う(S34)。
【0044】
次に、2Dの画(フィールド)である2フレーム25e(時刻t)、25l(時刻t+16.7ms)に対して3D変換処理を行うか否かについて判断され、3D変換処理を行うと判断された場合(S35:YES)には、S39へ移行する。S39では、2Dの画(フィールド)を解析し、奥行きを推測する処理である奥行き解析処理が行われる。すなわち、2Dの映像には奥行き情報が存在しないため、構図や動き、色等の情報から奥行きを推測する。推測方法については様々な方法が存在するが、ここでの説明は省略する。
【0045】
次に、S30では、画(フィールド)の奇数ライン、又は偶数ラインのみに視差を生成する処理である視差生成処理26(図20)を行う。具体的には、画(フィールド)を構成する複数のラインのうち、1、3、5、7、・・・、2n+1(ただし、nは0以上の整数)番目のラインといった奇数番号のライン、又は2、4、6、8、・・・、2n(ただし、nは1以上の整数)番目のラインといった偶数番号のラインに対して視差を生成す
ることで、モニタ13、28に表示された際、左右の目に異なる映像が表示され、立体視が可能となる。S39の奥行き解析処理で得られた奥行きを参考に、画素を左右にシフトし、又は加工することで、視差を生成する。
【0046】
偏光方式立体視の特徴であるLBL方式(ライン交互に異なる映像が格納されている方式)で表示する必要性を利用し、実際には、左右の目の映像を作ることなく、オリジナル画の一部を加工することにより、LBL処理相当の加工された画(フィールド)27e(時刻t)、27l(時刻t+16.7ms)(図20)が作成され、立体視が可能となるである。
【0047】
図21に戻り、S35において、3D変換処理を行わないと判断された場合(S35:NO)、又はS30において視差生成処理が終了すると、S36においてスケジューリング処理が行われる。すなわち、モニタ13、28の周波数に表示のタイミングを合わせることを目的として、必要であればウェイトやコマ落としを行うことにより、モニタ13、28と同期を取る。
【0048】
そして、S37において、モニタ13、28に画(フィールド)27e(時刻t)、27l(時刻t+16.7ms)(図20)を出力し、実際に画(フィールド)をモニタ13、28に表示をさせる表示処理が行われ、S38において、動画の再生を継続するか否かが判断され、継続すると判断された場合(S38:YES)には、S31に戻り、継続しないと判断された場合(S38:NO)には、処理を終了する。
【0049】
なお、上記実施形態において説明した図21に示したフローチャートを実行するために、PC等の情報処理装置に搭載されるCPU(図示せず)が、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されるメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータにより読み取り可能なプログラムに基づいてPC等の情報処理装置の動作の各処理を制御するよう構成されている。
【0050】
本発明により、従来の2D/3D変換方式といわれる再生方式(図23)に比べ、図23における処理工程のうち、SBS化74、右目画像にのみ視差生成処理76、及びLBL処理80の各工程が不要となり、図23のI/P変換処理78に対応する図20のI/P変換処理24と、奇数ラインのみ視差生成処理26の工程を経るだけで、偏光方式に対応した立体視が可能な3D映像を再生可能な情報処理装置を得ることができる。
【0051】
この処理工程の低減による具体的な画素コピー回数の軽減量を比較すると、xを水平方向の解像度、yを垂直方向の解像度とした場合、図23の方式では、SBS化74により、(x/2*y)*2=xy、右目画像にのみ視差生成処理76により、(x/2*y)=xy/2、LBL処理80により、((x/2*y/2)*2)*2=xyであるから、合計xy+xy/2+xy=(5/2)xyの画素コピー回数であるのに対し、本実施形態による図20の方式では、奇数ラインのみに視差生成26による(x*y/2)*2=xyであるから、(5/2)xy−xy=(3/2)xyだけ、本発明による画素コピー回数の低減による改善効果が得られたことになる。
【0052】
さらに、従来技術の図22又は図23の方式では、水平方向の解像度がオリジナル画像の半分であるのに対し、本発明による図20の方法では、水平方向の解像度の欠損がないため、高画質の3D映像を再生することができる。
【0053】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、擬似3D映像を再生するに当たり、フィールドを構成する複数のラインに対して、1ラインおきに視差を生成し、LBLライン相当の加工された画(フィールド)を得ることにより、3D映像を再生するための処理工
程を軽減させることができ、その結果として、処理負荷を低減することができると共に、垂直方向の解像度を高画質に維持することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを得ることができる。
【0054】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、テレビジョン受信機、DVDプレーヤ、パーソナルコンピュータ等に利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 チューナ部
2 記憶装置
3 デコーダ
4 3D変換処理部
5 IP変換/画像サイズ変換部
6 レンダラー
7 モニタ
11 放送波
111 チューナー
112 記憶装置
113 映像処理系
1131 デコーダー
1132 レンダラー
114 3D変換処理部
12 情報処理装置
13 偏光方式立体視対応モニタ
14 偏光メガネ
15 視聴者
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置であって、
前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成手段と、
当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出手段と、
当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記右画像生成手段は、右方向にシフトした位置が、過去のシフト先の位置よりも右位置になる場合には、前記画素値のコピーを禁止することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記視差値算出手段により算出された視差値に対して、目的の視差値とその隣接する2つの隣接値から荷重平均を算出して新たな視差値とする第1算出手段と、
前記左画像生成手段により算出された左画像に対して、目的の画素値とその隣接する2つの隣接値から荷重平均を算出して新たな画素値とする第2算出手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記左画像生成手段は、前記入力される2次元画像の目的の2つの隣接する画素値を平均して1つの画素値を算出するようにして左画像を生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理方法であって、
前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成ステップと、
当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出ステップと、
当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理装置であって、
前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成手段と、
当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出手段と、
当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記右画像生成手段は、右方向にシフトした位置が、過去のシフト先の位置よりも右位置になる場合には、前記画素値のコピーを禁止することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記視差値算出手段により算出された視差値に対して、目的の視差値とその隣接する2つの隣接値から荷重平均を算出して新たな視差値とする第1算出手段と、
前記左画像生成手段により算出された左画像に対して、目的の画素値とその隣接する2つの隣接値から荷重平均を算出して新たな画素値とする第2算出手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記左画像生成手段は、前記入力される2次元画像の目的の2つの隣接する画素値を平均して1つの画素値を算出するようにして左画像を生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
入力される2次元画像を3次元画像に変換して表示する画像処理方法であって、
前記入力される2次元画像から左画像を生成する左画像生成ステップと、
当該左画像の目的画素の輝度成分から所定段階の視差値を算出する視差値算出ステップと、
当該左画像の目的画素を当該目的画素の前記視差値に応じて右方向にシフトして画素値をコピーするようにして右画像とする右画像生成ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−212984(P2012−212984A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76636(P2011−76636)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(311012169)NECパーソナルコンピュータ株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(311012169)NECパーソナルコンピュータ株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
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