説明

画像処理装置及びその制御方法

【課題】印刷物と表示画像の色を正確に比較することができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、表示装置の画面上に置かれた印刷物と比較する画像を表示画像として表示装置に出力する画像処理装置であって、前記表示画像の周囲に所定の色の第1背景画像を付加する付加手段と、前記第1背景画像と同じ色の画像であって、前記印刷物の背景となる画像である第2背景画像を生成する生成手段と、前記第1背景画像が付加された表示画像及び前記第2背景画像を表示装置に出力する出力手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ装置(表示装置)の画面の大型化に伴い、画像が印刷された印刷物を画面上に置いて、画面に表示された画像(表示画像)と印刷物とを見比べることがされるようになってきた。
また、表示画像と印刷物の色を合わせる技術が提案されている(特許文献1)。具体的には、特許文献1には、表示装置の発色特性に応じた色変換を施した画像を表示画像として画面に表示し、表示画像の周囲の色を所定の色にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−186896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示の技術では、印刷物の周囲の色は考慮されていない。そのため、印刷物を画面上に置いた際に、印刷物の周囲の色と、表示画像の周囲の色が異なることがある。このような色の違いがあると、印刷物と表示画像の色を正確に比較することが困難となってしまう。
【0005】
本発明は、印刷物と表示画像の色を正確に比較することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像処理装置は、表示装置の画面上に置かれた印刷物と比較する画像を表示画像として表示装置に出力する画像処理装置であって、前記表示画像の周囲に所定の色の第1背景画像を付加する付加手段と、前記第1背景画像と同じ色の画像であって、前記印刷物の背景となる画像である第2背景画像を生成する生成手段と、前記第1背景画像が付加された表示画像及び前記第2背景画像を表示装置に出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の画像処理装置の制御方法は、表示装置の画面上に置かれた印刷物と比較する画像を表示画像として表示装置に出力する画像処理装置の制御方法であって、前記表示画像の周囲に所定の色の第1背景画像を付加するステップと、前記第1背景画像と同じ色の画像であって、前記印刷物の背景となる画像である第2背景画像を生成するステップと、前記第1背景画像が付加された表示画像及び前記第2背景画像を表示装置に出力するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷物と表示画像の色を正確に比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る画像処理装置の機能構成の一例を示す図。
【図2】ウィンドウ生成部が生成するウィンドウの一例を示す図。
【図3】表示画像と印刷物をユーザが比較する際の動作の流れの一例を示す図。
【図4】表示画像と印刷物をユーザが比較する際の画面上の状態の一例を示す図。
【図5】実施例2に係る画像処理装置の機能構成の一例を示す図。
【図6】表示画像と印刷物をユーザが比較する際の動作の流れの一例を示す図。
【図7】表示画像と印刷物をユーザが比較する際の画面上の状態の一例を示す図。
【図8】実施例3に係る画像処理装置の機能構成の一例を示す図。
【図9】表示画像と印刷物をユーザが比較する際の動作の流れの一例を示す図。
【図10】表示画像と印刷物をユーザが比較する際の画面上の状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る画像処理装置及びその制御方法について詳細に説明する。本実施例に係る画像処理装置は、表示装置の画面上に置かれた印刷物(画像が印刷された印刷物)と比較する画像を表示画像として表示装置に出力する。図1は、本実施例に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1において、操作部101は、キーボードやマウスなどの入力装置である。ユーザは、操作部101を用いて指示を入力することにより、画像処理装置を操作することができる。ユーザが操作部101を用いて入力した指示(操作情報)は、データバス104を介してウィンドウ生成部105、背景色画像生成部106に伝送される。
記憶部102は、HDD(Hard disk drive)、SSD(Flash Solid State Disk)、
メモリーカードなどの記憶装置である。記憶部102には、CPU103が実行するプログラム、ウィンドウ生成部105に読み出される画像が格納されている。
CPU103は、記憶部102に記憶されたOS(Operating System)やアプリケーションなどのプログラムをデータバス104を介して読み出し、読み出したプログラムを実行する。CPU103は、プログラムを実行するとGUI(Graphical User Interface)を生成し映像信号として出力する。
データバス104は、ユーザが操作部101を用いて入力した操作情報、記憶部102に記憶されたプログラムや画像などを伝送するバスである。
【0012】
ウィンドウ生成部105は、表示画像の周囲に所定の色の第1背景画像を付加する。例えば、ウィンドウ生成部105は、画像を閲覧するための画像閲覧ソフトウェアや画像を編集するための画像編集ソフトウェアなどである。なお、ウィンドウ生成部105は、記憶部102に記憶され、CPU103によって実行されるアプリケーションプログラムであっても良い。ウィンドウ生成部105は、CPU103とは異なるハードウェアで構成されていても良い。本実施例では、ウィンドウ生成部105は、ウィンドウ110(図2)を生成する。そして、ウィンドウ110のデータとCPU103からの映像信号とを、CPU103からの映像信号に基づく映像上にウィンドウ110が重なるように合成し、映像信号として背景色画像生成部106に出力する。また、ウィンドウ生成部105は、図2の背景領域112(第1背景画像の領域)の色及び大きさを表す信号を、データバス104を介して背景色画像生成部106に出力する。なお、背景領域112の大きさはどのように定義してもよい。例えば、背景領域112が矩形の場合、画面水平方向及び垂直方向のそれぞれについて、背景領域112の画素数の最大値を背景領域112の大きさとすればよい。背景領域112が円形の場合には、その半径や直径などを表す画素数を背景領域112の大きさとすればよい。
【0013】
図2に、ウィンドウ生成部105が生成するウィンドウ110の一例を示す。図2において、ウィンドウ110は、表示画像生成領域111、背景領域112、ウィンドウ操作バー113、メニューバー114、ツールバー115から構成される。
【0014】
ウィンドウ生成部105は、記憶部102からデータバス104を介して画像を読み出
し、読み出した画像を表示画像(表示部107で表示する画像)として表示画像生成領域111に生成する。表示画像生成領域111に生成する画像は、例えば、写真や絵などの画像である。なお、表示画像生成領域111に生成する画像は、図示しない通信手段によってネットワークを介して受信した画像であっても良い。
【0015】
背景領域112は、表示画像生成領域111を囲み、表示画像の背景となる領域(第1背景画像の領域)である。ウィンドウ生成部105は、背景領域112の色(第1背景画像の色;表示画像の背景色)を設定する。それにより、表示画像の周囲に、設定された色の第1背景画像が付加される。背景色は、例えば、R値,G値,B値で表され、R値,G値,B値は、それぞれ、0から255の値を取り得る。本実施例では、背景色の初期状態を、白やグレーなど所定の色とする。そして、ユーザが操作部101を用いてメニューバー114を操作することにより背景色を変更可能とする。なお、背景色は、R値,G値,B値でなく、輝度値(Y値),色差値(Cb,Cr値)などで表されてもよい。また、各値の階調数は256でなく、128や512などであってもよい。
【0016】
ウィンドウ操作バー113は、ウィンドウ110の大きさの変更、ウィンドウ110の表示・非表示などを行うためのボタンを有する。ユーザは、操作部101を用いてウィンドウ操作バー113に配置されたボタン(図中、右端に配置されたボタン)を選択することにより、ウィンドウ110の大きさの変更や、ウィンドウ110の表示・非表示を行うことができる。
【0017】
メニューバー114は、表示画像の選択、背景色の変更などを行うためのボタンを有する。ユーザは、操作部101を用いてメニューバー114に配置されたボタンを選択することにより、表示画像生成領域111に生成する画像の選択や、背景領域112の色の変更を行うことができる。
【0018】
ツールバー115は、表示画像の明るさやカラーバランスなどの画質を調整するためのボタンを有する。ユーザは、操作部101を用いてツールバー115に配置されたボタンを選択することにより、表示画像生成領域111に生成された画像の画質を調整することができる。
【0019】
背景色画像生成部106は、第1背景画像(背景領域112)と同じ色の画像であって、印刷物の背景となる画像である第2背景画像(背景色画像)を生成する。具体的には、背景色画像生成部106は、ウィンドウ生成部105から背景領域112の色及び大きさを表す信号を受信し、該色及び大きさに応じて背景色画像を生成する。例えば、背景領域112と同じ色及び大きさの背景色画像を生成する。そして、背景色画像のデータとウィンドウ生成部105からの映像信号とを、ウィンドウ生成部105からの映像信号に基づく映像上に背景色画像が重なるように合成し、映像信号として表示部107(表示装置)に出力する。即ち、背景色画像生成部106は、第1背景画像が付加された画像と第2背景画像とを表示装置に出力する。
【0020】
表示部107は、背景色画像生成部106から出力された映像信号に基づく映像を表示する表示装置である。表示部107は、例えば、表示素子として、電子放出素子、液晶素子、プラズマ素子、有機EL素子などを有する表示装置である。ユーザは、表示部107に表示された映像を見ながら、操作部101を使って画像処理装置を操作することができる。なお、表示部107は、画像処理装置の一部であってもよいし、画像処理装置とは独立した装置であってもよい。
【0021】
以下、図3のフローチャートを参照して、表示部107に表示された表示画像と表示部107の画面上に置いた印刷物をユーザが比較する際の動作の流れについて説明する。
まず、ステップ11において、ユーザは、操作部101を用いてウィンドウ生成部105で生成されたウィンドウ110のメニューバー114を操作し、ウィンドウ110の表示画像生成領域111に生成する画像1を表示画像として選択する。
【0022】
次に、ステップ12において、ウィンドウ生成部105が、選択された画像1を記憶部102からデータバス104を介して読み出す。ウィンドウ生成部105は、読み出した画像1をウィンドウ110の表示画像生成領域111に生成する。
そして、ステップ13において、ウィンドウ生成部105が、ウィンドウ110の背景領域112の色を所定の色(R=128,G=128,B=128)に設定する。
【0023】
図4(A)は、ウィンドウ生成部105が生成したウィンドウ110(画像1が生成され、背景領域112の色が所定の色とされたウィンドウ)の表示部107での表示例(ステップ13直後に表示部107に表示される映像の一例)を示す。図4(A)に示すように、ウィンドウ110の表示画像生成領域111に画像1が表示される。画像1の周囲には背景領域112が表示され、背景領域112の色は所定の色(R=128,G=128,B=128)に設定される。ウィンドウ生成部105は、背景領域112の色(R=128,G=128,B=128)と大きさを背景色画像生成部106に出力する。
【0024】
図3のステップ14では、背景色画像生成部106が、ウィンドウ生成部105から出力される背景領域112の色及び大きさに応じて背景色画像を生成する。
図4(B)は、背景色画像生成部106が生成した背景色画像の表示部107での表示例(ステップ14直後に表示部107に表示される映像の一例)を示す。図4(B)に示すように、背景色画像生成部106が生成する背景色画像120は、ウィンドウ110から離れた位置(ウィンドウ110の左隣)に表示される。背景色画像120の色及び大きさは、それぞれ、背景領域112の色及び大きさと同じにされる。
【0025】
図3のステップ15では、ユーザが、画像1が印刷された印刷物2を背景色画像120に重なるように(印刷物2が背景色画像120で囲まれるように)置く。
図4(C)は、印刷物2を背景色画像120上に置いた後の表示部107(画面上)の状態の一例(ステップ15直後の画面上の状態の一例)を示す。図4(C)に示すように、表示された画像1の周囲には、背景領域112が位置し、印刷物2の周囲には、背景色画像120が位置する。背景領域112と背景色画像120の色は、いずれも、R=128,G=128,B=128である。即ち、画像1の背景色と印刷物2の背景色が一致する。
なお、上述したように、ユーザは、ウィンドウ110のメニューバーを操作して、表示された画像1の背景色を変更することができる。
【0026】
図3のステップ16では、ウィンドウ生成部105が、ユーザが画像1の背景色(R値,G値,B値)を変更したか否かを判断する。ユーザが画像1の背景色を変更した場合には(ステップ16:Yes)、ステップ17に進む。
ステップ17では、ウィンドウ生成部105が、背景領域112の色を、ユーザが設定した背景色(例えば、R=0,G=0,B=0)に変更する。ウィンドウ生成部105は、変更後の背景色(R=0,G=0,B=0)を背景色画像生成部106に出力する。
次に、ステップ18において、背景色画像生成部106は、背景色画像120の色を、ウィンドウ生成部105から出力された背景色(R=0,G=0,B=0)に変更する。
なお、ユーザが画像1の背景色を変更していない場合には(ステップ16:No)、ステップ17,18の処理は行わない。そのため、画像1の背景色、及び、印刷物2の背景色は、R=128,G=128,B=128のままとなる。
【0027】
以上述べたように、本実施例によれば、周囲に第1背景画像(背景領域112)が付加
された表示画像と第2背景画像(背景色画像120)とが表示装置に出力される。そして、印刷物を第2背景画像が背景となるように画面上に置くことにより、印刷物の背景色と表示画像の背景色を同じ色にすることができる。その結果、印刷物と表示画像の色を正確に比較することができる。
【0028】
なお、本実施例では、第1背景画像と第2背景画像とが単一色の場合について説明したが、それらの画像は単一色でなくてもよい。第1背景画像と第2背景画像は、数字、文字、記号、図形、(写真や風景などの)画像などを含む画像であってもよい。第1背景画像と第2背景画像の色(背景色)は、表示部107の設置環境(例えば、周囲の明るさ等)に応じて変わるように制御されてもよい。例えば、背景色は、表示部107の周囲の照度が高い場合に明るく、低い場合に暗くなるように制御されてもよい。
また、表示部107の設置態様は特に限定されない。例えば、地面に対して垂直に設置されていてもよいし、地面に対して水平に設置されていてもよい。具体的には、表示部107はテーブルのように画面を上向きとして地面に対して水平に設置されていてもよい。
なお、図4(B)では、背景色画像120の形状を背景領域112と同じ大きさの矩形状としたが、背景色画像120の大きさや形状はこれに限らない。例えば、背景色画像120は、円形状や多角形状の画像であってもよい。印刷物2の背景となる大きさであれば(印刷物2よりも大きければ)、背景色画像120の大きさや形状はどのように設定されてもよい。
なお、図4(B)では、背景色画像120がウィンドウ110から離れた位置に表示されるものとしたが、背景色画像120やウィンドウ110の表示位置はどのような位置であってもよい。ユーザが、操作部101を用いてそれらの位置を変更可能としてもよい。
【0029】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2に係る画像処理装置について詳細に説明する。本実施例では、画像処理装置が、表示装置の画面上に置かれた印刷物の位置を自動で検出する。以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
【0030】
図5は、本実施例に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図5において、実施例1と同じ機能については同じ符号を付し、その説明は省略する。
図5において、印刷物検出部201は、表示装置の画面上に置かれた印刷物の位置及び大きさを検出する。本実施例では、印刷物検出部201は、表示部107の画面上にマトリクス状に配置された、画面に照射する照明光を検出する光センサを有する。印刷物検出部201は、光センサの検出する光量から印刷物の置かれた位置と大きさを検出する。具体的には、画面上(光センサ上)に印刷物を置くと、印刷物の陰に隠れた領域の光センサに入射する照明光は少なくなる。そのため、印刷物の陰に隠れた領域に配置された光センサが検出する光量は、印刷物が置かれていない領域に配置された光センサが検出する光量より小さくなる。印刷物検出部201は、光センサの検出する光量が周囲に比べて小さい領域を印刷物が置かれた領域として検出する。そして、印刷物検出部201は、検出結果(本実施例では、印刷物の置かれた位置と大きさを表す信号)を背景色画像生成部106に出力する。
なお、印刷物検出部201による検出方法は上述した方法に限らない。例えば、カメラ(撮影装置)によって表示部107の画面を撮影し、該撮影によって得られた画像から画面上に置かれた印刷物の位置及び大きさを検出してもよい。画面上に置かれた印刷物の位置及び大きさを検出できればどのような方法であってもよい。
【0031】
背景色画像生成部206は、印刷物検出部201の検出結果に応じて、背景色画像を生成する。具体的には、背景色画像生成部206は、印刷物を囲むように背景色画像を生成する。即ち、印刷物検出部201で検出された位置に、検出された大きさより大きい背景色画像(第2背景画像)を生成する。背景色画像の色は、ウィンドウ生成部105から送
信された背景領域112の色と同じ色に設定される。そして、背景色画像生成部206は、背景色画像を含む映像信号(ウィンドウ生成部105からの映像信号に背景色画像のデータが合成された映像信号)を表示部107に出力する。
【0032】
以下、図6のフローチャートを参照して、表示部107に表示された表示画像と表示部107の画面上に置いた印刷物をユーザが比較する際の動作の流れについて説明する。
ステップ21〜23は、実施例1(図3)のステップS11〜13と同様のため説明は省略する。図7(A)は、ステップ23直後に表示部107に表示される映像の一例を示す。図7(A)は図4(A)と同様のため、説明は省略する。
【0033】
次に、ステップ24において、ユーザが、画像1が印刷された印刷物2を表示部107の画面上に置く(図7(B))。
そして、ステップ25において、印刷物検出部201が、印刷物2の位置及び大きさを検出し、その検出結果を背景色画像生成部206に出力する。
次に、ステップ26において、背景色画像生成部206が、印刷物検出部201で検出された位置に、印刷物検出部201で検出された大きさより大きい背景色画像を生成する。即ち、背景色画像生成部206が、印刷物2を囲むように背景色画像を生成する。
【0034】
図7(C)は、背景色画像生成部206が背景色画像を生成した後の表示部107の状態の一例(ステップ26直後の画面上の状態の一例)を示す。図7(C)に示すように、背景色画像120は、印刷物2を囲むように表示されている。また、背景色画像120の色は、背景領域112の色(R=128,G=128,B=128)と同じにされる。そのため、画像1の背景色と印刷物2の背景色が一致する。
【0035】
以上述べたように、本実施例によれば、実施例1と同様に、印刷物と表示画像の色を正確に比較することができる。また、本実施例によれば、画面上に置かれた印刷物の位置及び大きさに応じて、該印刷物の背景となる第2背景画像が生成される。それにより、ユーザは位置を意識することなく印刷物を画面上に置くことができるため、ユーザの利便性を向上することができる。
なお、本実施例では、印刷物の位置と大きさを検出するものとしたが、印刷物の大きさが予め分かっている場合(例えば、印刷物の大きさと表示画像の大きさが同じであることが前提の場合)には、印刷物の大きさは検出しなくてもよい。その場合には、印刷物の位置のみを検出し、検出された位置に所定の大きさの第2背景画像を生成してもよい。
【0036】
<実施例3>
以下、本発明の実施例2に係る画像処理装置について詳細に説明する。本実施例では、画像処理装置が、2つの表示部に映像信号を出力する。以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
図8は、本実施例に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。実施例1と同じ機能については同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0037】
CPU303は、実施例1のCPU103と同様にGUIを生成する。そして、該GUIをウィンドウ生成部105及び背景色画像生成部106に出力する。
ウィンドウ生成部305は、映像信号を表示部307に出力する点以外は、実施例1のウィンドウ生成部105と同様の機能を有する。
背景色画像生成部306は、実施例1の背景色画像生成部106と同様に背景色画像を生成する。そして、背景色画像のデータとCPU303からの映像信号とを、CPU303からの映像信号に基づく映像上に背景色画像が重なるように合成し、映像信号として表示部301に出力する。即ち、本実施例では、第1背景画像が付加された表示画像と第2背景画像とが、それぞれ異なる表示装置に出力される。
表示部307,301は、それぞれ、実施例1の表示部107と同様の表示装置である。具体的には、表示部307は、ウィンドウ生成部305から出力された映像信号に基づく映像を表示し、表示部301は、背景色画像生成部306から出力された映像信号に基づく映像を表示する。
【0038】
以下、図9のフローチャートを参照して、表示部307に表示された画像と表示部301の画面上に置いた印刷物をユーザが比較する際の動作の流れについて説明する。
まず、ステップ31において、ユーザは、操作部101を用いて、表示部307に表示されたウィンドウ110のメニューバーを操作し、表示画像生成領域111に生成する画像1を表示画像として選択する。
ステップ32,33は、実施例1(図3)のステップ12,13と同様のため、説明は省略する。
図10(A)は、ステップ33直後の表示部307,301の状態の一例を示す。図10(A)に示すように、表示部307に図4(A)と同様のウィンドウ110が表示される。
【0039】
図9のステップ34は、実施例1(図3)のステップ14と同様のため、説明は省略する。
図10(B)は、ステップ34直後の表示部307,301の状態の一例を示す。図10(B)に示すように、表示部301に背景色画像120が表示される。
【0040】
図9のステップ35では、ユーザが、画像1が印刷された印刷物2を表示部301に表示されている背景色画像120上に置く。
図10(C)は、ステップ35直後の表示部307,301の状態の一例を示す。図10(C)に示すように、表示部307に表示された画像1の周囲には、背景領域112が位置し、表示部301の画面上に置かれた印刷物2の周囲には、背景色画像120が位置する。背景領域112と背景色画像120の色は、いずれも、R=128,G=128,B=128である。即ち、画像1の背景色と印刷物2の背景色が一致する。
【0041】
以上述べたように、本実施例によれば、画像を表示する表示装置と、ユーザが印刷物を置く表示装置が異なる場合において、実施例1,2と同様に、印刷物と表示画像の色を正確に比較することができる。
なお、表示部307と表示部301は互いに独立した表示装置であってもよいし、1つの装置に設けられた表示装置(表示パネル)であってもよい。画像が表示される画面と、ユーザが印刷物を置く画面とが異なっていればよい。
【符号の説明】
【0042】
105 ウィンドウ生成部
106 背景色画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の画面上に置かれた印刷物と比較する画像を表示画像として表示装置に出力する画像処理装置であって、
前記表示画像の周囲に所定の色の第1背景画像を付加する付加手段と、
前記第1背景画像と同じ色の画像であって、前記印刷物の背景となる画像である第2背景画像を生成する生成手段と、
前記第1背景画像が付加された表示画像及び前記第2背景画像を表示装置に出力する出力手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
表示装置の画面上に置かれた印刷物の位置を検出する検出手段を更に有し、
前記生成手段は、前記検出手段で検出された位置に前記第2背景画像を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、表示装置の画面上に置かれた印刷物の大きさを更に検出し、
前記生成手段は、前記検出手段で検出された位置に、前記検出手段で検出された大きさより大きい前記第2背景画像を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記第1背景画像が付加された表示画像と前記第2背景画像とを、それぞれ異なる表示装置に出力する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
表示装置の画面上に置かれた印刷物と比較する画像を表示画像として表示装置に出力する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示画像の周囲に所定の色の第1背景画像を付加するステップと、
前記第1背景画像と同じ色の画像であって、前記印刷物の背景となる画像である第2背景画像を生成するステップと、
前記第1背景画像が付加された表示画像及び前記第2背景画像を表示装置に出力するステップと、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−15843(P2012−15843A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151108(P2010−151108)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】