説明

画像処理装置及び印刷装置

【課題】 プリンタ100に於いて、印刷全体のレイアウトを崩さずに、大きく読みやすい文字による印刷結果を得ること。
【解決手段】 文字サイズ判断部5は、印刷データ(1)から、記憶部4の文字サイズ閾値情報(3)に格納されている閾値より小さいサイズの文字を検出し、拡大率決定部6は、文字サイズ判断部5が検出した上記閾値より小さいサイズの文字の縦方向を上記閾値まで拡大する拡大率を算出し、印刷フォント情報(2)の拡大率(2d)に設定する。この設定に基づいて印刷イメージ(6)が生成され印刷部8で所定の印刷媒体上に印刷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データを受け入れて、所定の画像処理を実行する、画像処理装置及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置及び印刷装置では、受け入れた印刷データをそのまま印刷すると、文字が小さすぎて読めない場合も発生する。かかる場合に、読めない文字サイズでの印刷を回避することが可能な従来技術として、印刷物の配布先毎に予め定められている設定基準に基づいて属性情報(ここではフォントサイズ)を変更して印刷する技術等が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−216585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術を用いて、読めない文字サイズでの印刷を回避すると、印刷媒体のページ数を変更することなくページ全体としてフォントサイズを変更するので、ときにはページ画像のレイアウトが崩れてしまう場合も発生する。又、印刷物の配布先毎に予め設定基準を定めて登録しておく必要があり、汎用性に欠けていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の発明は、画像処理装置に関し、印刷データから予め定められている閾値より小さいサイズの文字を検出する文字サイズ判断部と、該文字サイズ判断部が検出した上記閾値より小さいサイズの文字を拡大する拡大率を算出し、設定する拡大率決定部とを備えることを主要な特徴とする。
【0005】
第二の発明は、画像処理装置に関し、1ページ分の印刷データから最小文字サイズを検出する最小文字サイズ検出部と、該最小文字サイズ検出部により検出された上記最小文字サイズと、予め定められている閾値との大小を判断する最小文字サイズ判断部と、該最小文字サイズ判断部による判断結果が小であると、上記1ページ分の印刷データを複数ページに拡大分割すべく、拡大率とページ分割数とを算出し、設定するページ拡大率決定部とを備えることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記第一の発明によれば、印刷全体のレイアウトを崩さずに、大きく読みやすい文字による印刷結果を得ることができるという効果を得る。更に、上記第二の発明は、レイアウトは崩さずに文字を含む印刷全体を拡大し、分割印刷するので、拡大率の限界が無くなるので、使用されている文字全体が小さい場合等であっても読みやすい印刷結果を得ることが出来るという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態を図を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、実施例1のプリンタの機能ブロック図である。
図に示すように、実施例1のプリンタ100は、データ受信部1と、印刷データ解析部2と、コマンド処理部3と、記憶部4と、文字サイズ判断部5と、拡大率決定部6と、フォント管理部7と、印刷部8とを備え、図示しない外部装置から印刷データ(1)を受け入れて所定の媒体上に印刷する印刷装置である。
【0009】
データ受信部1は、図示しない外部装置から印刷データ(1)を受信する部分である。印刷データ解析部2は、データ受信部1から印刷データ(1)を受け入れてページ記述言語を解析し、コマンド処理部3へ送出する部分である。
【0010】
コマンド処理部3は、コマンドに応じた描画処理を行う部分である。例えば、処理するコマンドがテキストの印刷である場合には、印刷データ解析部2の解析結果に基づいて、印刷に使用する印刷フォント情報(2)を設定し、フォント管理部7に対して文字イメージを要求する。印刷フォント情報(2)には、書体(2a)、スタイル(2b)、文字サイズ(2c)、拡大率(2d)等が含まれている。又、フォント管理部7から文字イメージ(5)を受け入れて文字イメージ(5)をコマンドにより指示されている印刷位置に合成した印刷イメージ(6)を生成し、印刷部8へ送出する部分でもある。
【0011】
記憶部4は、文字サイズ判断部5で使用する文字サイズ閾値情報(3)を予め格納するメモリである。文字サイズ判断部5は、印刷フォント情報(2)の中の文字サイズ(2c)から印刷データ(1)の文字サイズ情報を取得(判断)する部分である。更に、文字サイズ判断部5は、文字サイズ(2c)と、記憶部4に格納されている文字サイズ閾値情報(3)とを比較し、文字サイズ(2c)情報の方が小さい場合に拡大率決定部6へ文字サイズの変更を指示する部分でもある。
【0012】
拡大率決定部6は、コマンド処理部3が設定した印刷フォント情報(2)の文字サイズ(2c)が、文字サイズ閾値情報(3)に格納されている文字サイズよりも小さいときに文字の縦方向の拡大率を決定して印刷フォント情報(2)の拡大率(2d)を変更する部分である。ここで拡大率決定について1例を挙げて説明する。
【0013】
図2は、実施例1の拡大率決定の1例説明図である。
図2(a)は、印刷イメージの1例を表している。
1例として左図は、拡大率(2d)(図1)が変更される前の印刷イメージを表し、右図は、以下に説明する拡大率(2d)(図1)変更後の印刷イメージを表している。図に於いて、Large Textの部分は、変更なしであるがSmall Textの部分が左図から右図へ拡大されている。以下に拡大率決定部6の機能について詳細に説明する。
【0014】
図2(b)は、文字サイズ閾値情報(3)(図1)を表し、1例として10ポイントに設定されているものとする。
【0015】
図2(c)は、Large Textの部分の印刷フォント情報(図1)を表している。
左図は、変更される前の状態を表している。ここでは、文字サイズ12ポイントと設定されている。従って、文字サイズ12ポイントは、文字サイズ閾値情報10ポイント(図2(b))よりも大きいので、右図は、左図と等しく、変更無しの状態を表している。
【0016】
図2(d)は、Small Textの部分の印刷フォント情報(図1)を表している。
左図は、変更される前の状態を表している。ここでは、文字サイズ6ポイントと設定されている。従って、文字サイズ6ポイントは、文字サイズ閾値情報10ポイント(図2(b))よりも小さいので、右図は、左図における拡大率が縦100%、横100%の状態から縦167%、横100%へ拡大された状態を表している。
【0017】
この例では、一般的に文字は横方向には空間の余裕が少なく、縦方向には行間を取るための余裕が多くあることから、横方向の拡大率は元のまま100%としており、縦方向のみ文字サイズ閾値に拡大する為の拡大率として、“10ポイント÷6ポイント”という計算から167%を算出し使用する。以上の結果、印刷イメージは、上記図2(a)の様になる。
【0018】
再度図1に戻って、フォント管理部7は、その内部に文字生成手段7aと、フォントデータ(4)を有し、拡大率決定部6による決定後の拡大率(2d)を含む印刷フォント情報(2)と、フォントデータ(4)に基づいて文字イメージ(5)を生成し、コマンド処理部3へ送出する部分である。
【0019】
印刷部8は、コマンド処理部3の制御に基づいて、印刷イメージ(6)を受け入れて所定の印刷媒体に印刷する部分である。
以上説明したプリンタ100は、以下のように動作する。
【0020】
図3は、実施例1のプリンタの動作を示すフローチャートである。
このフローチャートを用いて、プリンタ100が、図示しない外部装置から印刷データ(1)を受け入れて、所定の印刷媒体上に印刷するまでの動作について、ステップS1−1からステップS1−13まで、図1を併用しながらステップ順に説明する。
【0021】
ステップS1−1
図示しない外部装置からプリンタ100へページ記述言語による印刷データ(1)が送信される。データ受信部1は、この印刷データ(1)を受信して印刷データ解析部2へ送出する。
【0022】
ステップS1−2
印刷データ解析部2は、ページ記述言語を解析し、コマンド処理部3へ送出する。コマンド処理部3は、コマンドに応じた描画処理を行う。
【0023】
ステップS1−3
印刷データ(1)がテキストの印刷である場合にはステップS1−4へ進み、そうでない場合にはステップS1−10へ進む。
【0024】
ステップS1−4
コマンド処理部3は、印刷フォント情報(2)を設定する。
【0025】
ステップS1−5
コマンド処理部3は、フォント管理部7へ文字イメージを要求する。
【0026】
ステップS1−6
フォント管理部7は、文字サイズ(2c)の見直しのために文字サイズ判断部5を呼び出す。文字サイズ判断部5は、印刷フォント情報(2)の中の文字サイズ(2c)と記憶部4に格納された文字サイズ閾値情報(3)とを比較し、文字サイズ(2c)が文字サイズ閾値情報(3)未満の場合にはステップS1−7へ進み、文字サイズ(2c)が文字サイズ閾値情報(3)以上の場合にはステップS1−8へ進む。
【0027】
ステップS1−7
フォント管理部7は、拡大率決定部6へ文字サイズの変更を指示する。拡大率決定部6は図5(d)に基づいて、文字の縦方向拡大率を決定して印刷フォント情報(2)の拡大率(2d)を変更する。
【0028】
ステップS1−8
フォント管理部7の文字生成手段7aは、フォントデータ(4)を参照し、上記変更された印刷フォント情報(2)に基づいて文字イメージ(5)を生成し、コマンド処理部3へ送出する。
【0029】
ステップS1−9
コマンド処理部3は、受け入れた文字イメージ(5)を印刷イメージ(6)上の、コマンドにより指示されている印刷位置に描画する。
【0030】
ステップS1−10
コマンド処理部3は、処理するコマンドがテキスト以外(図形、イメージ等)なので、各コマンドに応じた印刷イメージ(6)への描画処理を行う。
【0031】
ステップS1−11
コマンド処理部3は、1ページ分の印刷データの処理が終了するまでステップS1−1からステップS1−10を繰り返し、1ページ分の印刷データ(1)を処理し終えたら、ステップS1−12へ進む。
【0032】
ステップS1−12
印刷部8は、出来上がった印刷イメージ(6)を印刷する。
【0033】
ステップS1−13
印刷部8が、全ページの印刷が終わるまで、ページ印刷が終了する毎にステップS1−1へ戻ってステップS1−13までを繰り返し、印刷データを全て印刷し終えると、印刷処理を終了する。
【0034】
以上説明したように、本実施例によれば、印刷全体のレイアウトを崩さずに、大きく読みやすい文字による印刷結果を得ることができるという効果を得る。
【実施例2】
【0035】
上記実施例1では、印刷全体のサイズとレイアウトを崩さずに文字のみを大きくする方法を採用した。しかし、このような方法では拡大率に限度があり、使用されている文字全体が小さい場合等には必ずしも読みやすい印刷結果が得られないことも起こりうる。そこで、実施例2では、レイアウトは崩さずに文字を含む印刷全体を拡大し、分割印刷することで読みやすい印刷結果を得る方法を採用する。
【0036】
図4は、実施例2のプリンタの機能ブロック図である。
図に示すように、実施例2のプリンタ200は、データ受信部1と、印刷データ解析部2と、記憶部4と、文字サイズ判断部5と、フォント管理部7と、印刷部8と、印刷データ記憶部11と、最小文字サイズ検出部12と、拡大率決定部13と、コマンド処理部14と、座標変換部15と、ページ分割部16とを備え、図示しない外部装置から印刷データ(1)を受け入れて所定の媒体上に印刷する印刷装置である。以下に実施例1と異なる部分のみについて詳細に説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
印刷データ記憶部11は、データ受信部1が受信した印刷データ(1)をスプールするメモリである。最小文字サイズ検出部12は、印刷データ記憶部11にスプールされた印刷データ(7)から最小文字サイズを検出する部分である。
【0038】
拡大率決定部13は、最小文字サイズ検出部12が検出した最小文字サイズ(8)と文字サイズ判断部5による文字サイズ変更の指示に基づいてページの拡大率を決定する部分である。以下にその機能について詳細に説明する。
【0039】
図5は、実施例2の拡大率決定の1例説明図(その1)である。
図5(a)は、印刷イメージの1例を表している。図5(b)は、2ページ分の面積に拡大を行った印刷イメージを表している。図5(c)は、4ページ分の面積に拡大を行った印刷イメージを表している。図5(d)は、ページ拡大率とページ分割数の算出方法を表している。
【0040】
図5(d)の上段に示すように、拡大率決定部13はページ拡大率とページ分割数を決定するために文字サイズ閾値情報(3)(図4)に格納されている閾値を最小文字サイズ検出部12(図4)が検出した最小文字サイズ(8)(図4)で除算する。その商が1以下の場合には拡大不要なのでページ分割数:1、ページ拡大率:100%と決定する。ここでは、印刷イメージは変更されないので図5(a)のままである。
【0041】
図5(d)の中段に示すように、その商が1を超えて、2以下の場合には、拡大率決定部13は、ページ分割数:2、ページ拡大率:min(L/W、2W/L)と決定する。ここでは、印刷イメージは図5(b)のように2ページ分の面積に拡大される。
【0042】
図5(d)の下段に示すように、その商が2を超えている場合には、拡大率決定部13は、ページ分割数:4、ページ拡大率:200%と決定する。ここでは、印刷イメージは図5(c)のように4ページ分の面積に拡大される。
【0043】
図6は、実施例2の拡大率決定の1例説明図(その2)である。
この図は、実際の数値(1例)を当てはめて拡大率決定部13の機能を詳細に説明する図である。
【0044】
図6(a)は、印刷イメージの1例を表している。図6(b)は、図6(a)に示す印刷イメージ中におけるLarge Text部分の印刷フォント情報を表している。図中点線枠内は変更後の値である。図6(c)は、図6(a)に示す印刷イメージ中におけるSmall Text部分の印刷フォント情報を表している。図中点線枠内は変更後の値である。図6(d)は、図6(a)に示す印刷イメージ中における右下のイメージに関連するコマンドを表している。この部分については、後に座標変換部15の機能説明の中で再度説明する。図中点線枠内は変更後の値である。図6(e)は、拡大率決定部13による演算内容を表している。図6(f)は、拡大率決定部13による演算結果(一部後記座標変換部15の機能を含む)に基づく印刷イメージを表している。
【0045】
図6(e)に示すように、図6(a)に示す印刷イメージで使用されている文字サイズは、12ポイント(図6(b)の文字サイズ)と6ポイント(図6(c)の文字サイズ)であるから、最小文字サイズの6ポイントで閾値10ポイントを除算すると商は1.67であり、ページ分割数(10)は2となる。拡大の無い印刷イメージ(図6(a))の幅(W)と長さ(L)を、それぞれ200mmと287mmとした場合、ページ拡大率(9)は143%と139%の小さい方の値をとって139%となる。その結果、図6(b)、図6(c)、図6(d)は、それぞれ点線枠内の数値に変更され、変更後の印刷イメージは図6(f)になる。
【0046】
図4に戻って、コマンド処理部14は、コマンドに応じた描画処理を行う部分である。本実施例におけるコマンド処理部14は、実施例1のコマンド処理部3の機能に座標変換部15に対して座標情報を送出し、更に、座標変換部15から座標変換情報を受け入れる機能が追加される。
【0047】
座標変換部15は、ページ拡大率に応じて図6(a)の右下に含まれているイメージの位置座標をページ拡大率に応じて変換する部分である。図6(d)では、図6(a)の右下に含まれているイメージの位置座標(X、Y)が(1.39X、1.39Y)に変換され、イメージ描画幅指定コマンド80mm、及びイメージ描画長指定コマンド80mmが、いずれもページ拡大率に応じて1.39倍され、111.2mmとなっている。
【0048】
ページ分割部16は、コマンド処理部14が生成した印刷イメージ(6)を複数ページに分割された分割印刷イメージ(11)に変換して印刷部8へ送出する部分である。以下にページ分割部16の機能を詳細に説明する。
【0049】
図7は、ページ分割部の機能説明図である。
図7(a)は、1例として2ページ分の面積に拡大された印刷イメージを表している。
図7(b)は、2ページ分の面積に拡大された印刷イメージの上半分の分割イメージを表している。
図7(c)は、図7(b)に表した上半分の分割イメージを時計方向へ90度回転させたイメージを表している。
図7(d)は、2ページ分の面積に拡大された印刷イメージの下半分の分割イメージを表している。
図7(e)は、図7(d)に表した下半分の分割イメージを時計方向へ90度回転させたイメージを表している。
【0050】
ページ分割部16が図7(c)のように分割して回転させた上半分の分割イメージ、及び図7(e)のように分割して回転させた下半分の分割イメージは分割印刷イメージ(11)(図4)として印刷部8へ送出されることになる。
【0051】
以上説明した実施例2のプリンタ200は、以下のように動作する。
図8は、実施例2のプリンタの動作を示すフローチャートである。
このフローチャートを用いて、プリンタ200が、図示しない外部装置から印刷データ(1)を受け入れて、所定の印刷媒体上に印刷するまでの動作について、ステップS2−1からステップS2−15まで、図4を併用しながらステップ順に説明する。
【0052】
ステップS2−1
図示しない外部装置からプリンタ200にページ記述言語による印刷データ(1)が送信される。
【0053】
ステップS2−2
データ受信部1は、受信した印刷データ(1)を印刷データ記憶部11へとスプールする。
【0054】
ステップS2−3
データ受信部1は、印刷データ(1)を全てスプールし終えたら、印刷データ解析部2へ印刷の指示を出す。
【0055】
ステップS2−4
印刷データ解析部2は、スプールされた印刷データ(7)からページ拡大率(9)とページ分割数(10)を決定するために、最小文字サイズ検出部12を呼び出す。拡大率決定部13は、最小文字サイズ検出部12が検出した最小文字サイズ(8)と文字サイズ判断部5による文字サイズ変更の指示に基づいてページの拡大率とページ分割数とを決定する。このフローについては他のフローチャートを用いて後に再度詳細に説明する。
【0056】
ステップS2−5
印刷データ解析部2は、改めて印刷データ(1)の解析処理を行い、コマンド処理部14へ渡す。
【0057】
ステップS2−6
コマンド処理部14は、コマンドに応じた描画処理を行う。処理するデータが、テキストの印刷である場合にはステップS2−8へ進む。処理するデータが座標・長さ情報の場合にはステップS2−7へ進む。処理するデータがその他の描画データの場合にはステップS2−11へ進む。
【0058】
ステップS2−7
拡大率決定部13は、文字の拡大率を決定して印刷フォント情報(2)の拡大率(2d)を変更する。
【0059】
ステップS2−8
コマンド処理部14は、印刷に使用するフォントの情報を印刷フォント情報(2)として設定する。この時、印刷フォント情報(2)中の拡大率は、図6(b)、及び図6(c)に示すように、縦方向、横方向ともに設定された拡大率を用いる。
【0060】
ステップS2−9
コマンド処理部14は、フォント管理部7へ印刷フォント情報(2)に基づいて拡大された文字イメージ(5)を要求し、フォント管理部7は、印刷フォント情報(2)に基づいた文字イメージ(5)を生成してコマンド処理部14へ送出する。
【0061】
ステップS2−10
コマンド処理部14は、フォント管理部7から受け入れた文字イメージ(5)に基づいて各コマンドに応じた印刷イメージ(6)への描画処理を行う。
【0062】
ステップS2−11
コマンド処理部14は、その他の描画データに対して各コマンドに応じた印刷イメージ(6)への描画処理を行う。
【0063】
ステップS2−12
コマンド処理部14が、1ページ分の印刷データ(7)を処理し終えるまで、ステップS2−5からステップS2−11を繰り返し、1ページ分の印刷データ(19)を処理し終えたら、ステップS2−13へ進む。
【0064】
ステップS2−13
コマンド処理部14は、ページ分割部16を呼び出して出来上がった印刷イメージ(6)を分割印刷イメージ(11)に変換して印刷部8へ送出し、分割印刷を実行させる。このページ分割部16の動作については後に再度詳細に説明する。
【0065】
ステップS2−14
全ての印刷データ(7)の印刷が終了するまでステップS2−5からステップS2−13を繰り返し、全ての印刷が終了したらステップS2−15へ進む。
【0066】
ステップS2−15
印刷データ解析部2は印刷データ記憶部11に格納された印刷データ(7)を消去して印刷処理を終了する。
【0067】
図9は、拡大率とページ分割数を決定する動作のフローチャートである。
このフローチャートは、上記ステップS2−4に於いて、拡大率決定部13が、最小文字サイズ検出部12が検出した最小文字サイズ(8)と文字サイズ判断部5による文字サイズ変更の指示に基づいてページの拡大率とページ分割数とを決定する動作を詳細に説明するフローチャートである。以下に、図4を併用しながらステップS2−21からステップS2−27までステップ順に説明する。
【0068】
ステップS2−21
最小文字サイズ検出部12は、印刷データ(7)のページ記述言語を順次解析する。
【0069】
ステップS2−22
最小文字サイズ検出部12は、フォントサイズを指定するコマンドを検出するとステップS2−23へ進み、検出出来なかった場合にはステップS2−24へ進む。
【0070】
ステップS2−23
最小文字サイズ検出部12は、コマンドで指定されている文字サイズと最小文字サイズ(8)の小さい方の値で最小文字サイズ(8)の値を更新する。最小文字サイズ(8)の初期値は、記憶部4の文字サイズ閾値情報(3)より大きい値としておく。
【0071】
ステップS2−24
最小文字サイズ検出部12は印刷データ(7)が終了するまでステップS2−21からステップS2−23を繰り返して文字サイズコマンドの検出を実行し、印刷データ(7)全体を通して最小文字サイズ(8)を得る。
【0072】
ステップS2−25
最小文字サイズ検出部12は文字サイズ判断部5を呼び出し、最小文字サイズ(8)が文字サイズ閾値情報(3)以上の場合にはステップS2−26へ進み、最小文字サイズ(8)が文字サイズ閾値情報(3)未満の場合にはステップS2−27へ進む。
【0073】
ステップS2−26
拡大率決定部13は、図5(d)の上段に該当し、拡大する必要がないのでページ分割数(10)を1とし、ページ拡大率(9)を100%としてフローを終了する。
【0074】
ステップS2−27
拡大率決定部13は、図5(d)の中段又は下段に該当するのでページ分割数(25)とページ拡大率(24)を決定してフローを終了する。
【0075】
図10は、分割印刷を行う動作のフローチャートである。
このフローチャートは、上記ステップS2−13に於いてページ分割部16が印刷イメージ(6)を分割印刷イメージ(11)に変換して印刷部8へ送出して分割印刷を実行させる動作を示すフローチャートである。ステップS2−31からステップS2−46まで、図4を併用しながらステップ順に説明する。
【0076】
ステップS2−31
ページ分割部16は、分割数が1の場合にはステップS2−32へ進み、分割数が2の場合にはステップS2−33へ進み、分割数が4の場合にはステップS2−39へ進む。
【0077】
ステップS2−32
ページ分割部16は、ページ分割の必要が無いので、印刷イメージ(6)をそのまま印刷部8へ渡して印刷させてフローを終了する。
【0078】
ステップS2−33
ページ分割部16は、図7(b)に示すように印刷イメージの上半分を切り出す。
【0079】
ステップS2−34
ページ分割部16は、図7(c)に示すように分割したイメージを元の印刷イメージと同じように“幅<長さ”の関係になるように時計方向へ90度回転させる。
【0080】
ステップS2−35
ページ分割部16は、回転したイメージ(図7(c))を印刷部8へ渡し、拡大なし時と同じサイズの用紙に印刷させる。
【0081】
ステップS2−36
ページ分割部16は、図7(d)に示すように印刷イメージの下半分を切り出す。
【0082】
ステップS2−37
ページ分割部16は、図7(e)に示すように分割したイメージを元の印刷イメージと同じように“幅<長さ”の関係になるように時計方向へ90度回転させる。
【0083】
ステップS2−38
ページ分割部16は、回転したイメージ(図7(e))を印刷部8へ渡し、拡大なし時と同じサイズの用紙に印刷させてフローを終了する。
【0084】
ステップS2−39
ページ分割部16は、図5(c)に示す印刷イメージの左上1/4を切り出す。
【0085】
ステップS2−40
ページ分割部16は、切り出した分割印刷イメージを印刷部8へ渡して印刷させる。
【0086】
ステップS2−41
ページ分割部16は、図5(c)に示す印刷イメージの右上1/4を切り出す。
【0087】
ステップS2−42
ページ分割部16は、切り出した分割印刷イメージを印刷部8へ渡して印刷させる。
【0088】
ステップS2−43
ページ分割部16は、図5(c)に示す印刷イメージの左下1/4を切り出す。
【0089】
ステップS2−44
ページ分割部16は、切り出した分割印刷イメージを印刷部8へ渡して印刷させる。
【0090】
ステップS2−45
ページ分割部16は、図5(c)に示す印刷イメージの右下1/4を切り出す。
【0091】
ステップS2−46
ページ分割部16は、切り出した分割印刷イメージを印刷部8へ渡して印刷させフローを終了する。
【0092】
以上説明したように、本実施例によれば、レイアウトは崩さずに文字を含む印刷全体を拡大し、分割印刷するので、拡大率の限界が無くなるので、使用されている文字全体が小さい場合等であっても読みやすい印刷結果を得ることが出来るという効果を得る。
【0093】
尚、読める文字サイズは使用者により変わるので、実施例1、2の文字サイズの閾値情報は、使用者毎に設定を設けることもできる。又、実施例2では、印刷に用いる用紙サイズを変えずに拡大と分割による印刷を行ったが、用紙サイズを変えることで必要な拡大率に対するページ分割数を少なく抑えることもできる。最小文字サイズの検出と拡大率の決定をページ毎に行うことで印刷枚数を抑えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
上記実施例では、本発明を印刷装置としてのプリンタに適用した場合について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。即ち、印刷機能を有しない画像処理装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】実施例1のプリンタの機能ブロック図である。
【図2】実施例1の拡大率決定の1例説明図である。
【図3】実施例1のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図4】実施例2のプリンタの機能ブロック図である。
【図5】実施例2の拡大率決定の1例説明図(その1)である。
【図6】実施例2の拡大率決定の1例説明図(その2)である。
【図7】ページ分割部の機能説明図である。
【図8】実施例2のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図9】拡大率とページ分割数を決定する動作のフローチャートである。
【図10】分割印刷を行う動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1 データ受信部
2 印刷データ解析部
3 コマンド処理部
4 記憶部
5 文字サイズ判断部
6 拡大率決定部
7 フォント管理部
7a 文字生成手段
8 印刷部
100 プリンタ
(1) 印刷データ
(2) 印刷フォント情報
(2a) 書体
(2b) スタイル
(2c) 文字サイズ
(2d) 拡大率
(3) 文字サイズ閾値情報
(4) フォントデータ
(5) 文字イメージ
(6) 印刷イメージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データから予め定められている閾値より小さいサイズの文字を検出する文字サイズ判断部と、
該文字サイズ判断部が検出した前記閾値より小さいサイズの文字を拡大する拡大率を算出し、設定する拡大率決定部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記拡大率決定部は、前記閾値より小さいサイズの文字の縦方向拡大率のみを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
1ページ分の印刷データから最小文字サイズを検出する最小文字サイズ検出部と、
該最小文字サイズ検出部により検出された前記最小文字サイズと、予め定められている閾値との大小を判断する最小文字サイズ判断部と、
該最小文字サイズ判断部による判断結果が小であると、前記1ページ分の印刷データを複数ページに拡大分割すべく、拡大率とページ分割数とを算出し、設定するページ拡大率決定部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
前記拡大率決定部により設定された拡大率に基づいて前記1ページ分の印刷データに含まれているイメージの位置情報及び拡大情報を変更する座標変換部を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ページ拡大率決定部の設定に基づいて、1ページ分の画像形成データを複数ページに拡大するページ拡大部と、該ページ拡大部により拡大された拡大画像を前記複数ページに分割するページ分割部とを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ページ分割部により分割された前記複数ページのそれぞれを印刷媒体の搬送方向に合わせて回転させる画像回転部を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の画像処理装置を含むことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−126171(P2009−126171A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307326(P2007−307326)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】