説明

画像処理装置及び画像処理方法並びにプログラム

【課題】 モノクロ化した画像データに対し下地除去処理を行った場合、モノクロ化を先に行うことによって一部の色情報が消失してしまう場合があった。
一方で、RGB画像データに対し下地飛ばしを行った後にモノクロ化処理をする場合、R、G、Bそれぞれの輝度差が大きい下地領域の下地が除去しきれない場合があった。
【解決手段】 下地除去レベルが下地を飛ばすレベルの場合、カラー画像データからモノクロ画像データを生成し該生成されたモノクロ画像データに対して下地除去処理を行い、下地除去レベルが下地を飛ばさないレベルの場合、カラー画像データに対して下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像をスキャナで読み取りコピーして出力する装置において、コピーして出力する画像はカラー画像に対し、色再現性、階調性等ができるだけ忠実であることが望まれる。しかし、画像において下地とよばれる背景部分を持つ場合、この下地部はコピーした後の複写物において白色で再現したいという要望がある。特許文献1では、R、G、Bそれぞれの色成分のヒストグラムから下地除去レベルを求め、非線形下地除去を行う方法が記載されている。この方法によれば、下地色以外の色再現性を劣化させることなく、下地除去レベルを転写紙の白レベルとして再現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−63968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカラー複写機において、カラー画像をカラースキャナで読み取りモノクロプリントする場合、スキャナで読み取ったカラー画像データ(例えば、RGB画像データ)をモノクロ化処理した後の画像データに対して下地除去処理を行っている。しかしながら、カラー画像データをモノクロ化処理した後の画像データに対して下地除去処理を行うと、カラー画像データからモノクロ画像データへの変換方式によっては、一部の色情報(例えば、明るい色や蛍光色)が消失してしまう場合があった。
【0005】
例えば、図16(B)に示すように、RGB画像データにおける黄色の文字のRGB値を、それぞれR=250、G=240、B=140とし、下地部のRGB値をそれぞれR=250、G=251、B=248とする。下地除去は下地除去レベル以上のRGB値をR=255、G=255、B=255に変換する処理である。RGB画像データに対してモノクロ化を行うと、モノクロ化後の黄色の文字の輝度値は233、下地部の輝度値は250になる。その後、モノクロ化された画像データに対して下地除去(下地除去レベル=230)を行うと、下地除去後の輝度値は黄色の文字、下地部ともにR=G=B=255となり、黄色の文字の情報が消失してしまう。
【0006】
そこで、上記課題を解決するためにRGB画像データに対して下地除去処理を行った後にモノクロ化処理すると、下地部のR、G、B値の差が大きい場合、本来除去されるべき下地部の下地が除去できなくなり画質が劣化してしまうことがあった。
【0007】
例えば、図16(A)に示すように、RGB画像データに対して下地除去を行い(下地除去レベル=230)、その後モノクロ化処理を行った場合、RGB信号の差が大きい下地では、下地が除去できずに残ってしまうという問題があった。例えば、RGB信号の値が、それぞれR=250、G=240、B=140の下地の場合、下地除去処理を行い(下地除去レベル=230)、モノクロ化処理を行った後のRGB信号の値が、R=G=B=245になる。特許文献1では、カラー画像データをカラースキャナで読み取りモノクロプリントする場合の下地除去処理について記載されていない。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、下地除去レベルに応じて、入力された画像データに対して行うモノクロ化処理と下地除去処理の順番を制御することで、入力された画像データの下地を適切に除去することができる画像処理装置及び画像処理方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得手段と、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成するモノクロ画像データ生成手段と、前記カラー画像データに対して、前記取得された下地除去レベルに基づき下地除去処理を行う下地除去処理手段とを有し、前記モノクロ画像データ生成手段によって生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去処理手段による下地除去処理を行うか、前記下地除去処理手段によって下地除去処理が行われた画像データから前記モノクロ画像データ生成手段によってモノクロ画像データを生成するかを、前記取得手段によって取得された下地除去レベルに応じて切り替える制御手段とを有する。
【0010】
また、本発明の画像処理装置は、カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された下地除去レベルが下地を飛ばすレベルの場合、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成し、該生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、前記取得手段によって取得された下地除去レベルが下地を飛ばさないレベルの場合、前記カラー画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する処理手段とを有する。
【0011】
また、本発明の画像処理装置は、カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された下地除去レベルが予め定められた閾値よりも小さい場合、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成し、該生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、前記取得手段によって取得された下地除去レベルが予め定められた閾値以上の場合、前記カラー画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、下地除去レベルに応じてモノクロ画像生成処理と下地除去処理の順序を制御することで、下地除去レベルに応じて、画像の下地を飛ばすか、画像の色情報を再現するかを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態を適用するのに好適なデジタル複合機の概観図
【図2】本実施形態を適用するのに好適なデジタル複合機のスキャナ構成図
【図3】本実施形態を適用するのに好適なデジタル複合機の制御システム構成図
【図4】本実施形態を適用するのに好適なデジタル複合機の操作部
【図5】本発明における実施例1の下地除去レベル設定画面の一例
【図6】本発明における実施例1の入力画像処理部の一例
【図7】本発明における実施例1の出力画像処理部の一例
【図8】本発明における実施例1の処理の流れを表したものである
【図9】本発明における実施例2の下地除去レベル設定画面の一例
【図10】本発明における実施例2の入力画像処理部の一例
【図11】本発明における実施例2のヒストグラムの一例
【図12】本発明における実施例2の処理の流れを表したものである
【図13】本発明における実施例3の出力画像処理部の一例
【図14】本発明における実施例3の下地除去用一次元LUTの一例
【図15】本発明における実施例3の処理の流れを表したものである
【図16】本実施形態における処理の効果を示す一例である。
【図17】本実施形態におけるモノクロ画像生成部の構成を表したものである。
【図18】本実施形態における処理の切替の一例である。
【図19】本実施形態における処理の効果を示す一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本実施例を適用するのに好適な入力デバイスおよび画像処理システムを有するデジタル複合機001の構成を示す図である。図1において、100はデジタル複合機内に配置されているコントローラユニットである。また、200はスキャナ部、300はプリンタ部、400は操作部である。以下で各構成の詳細を説明する。
【0016】
<画像入力部200(スキャナ)>
図1における画像入力デバイスであるスキャナ200の詳細を図2に示す。
【0017】
図2のスキャナ200は、原稿フィーダ201、トレイ202、スキャナユニット211,原稿照明ランプ212,走査ミラー213〜215、レンズ216、CCDセンサ217から構成されている。
【0018】
スキャナユニット211は、原稿からの反射光を走査ミラー213〜215,およびレンズ216を介してRGBそれぞれのラインセンサで構成されるCCDセンサ217に入射させる。次に、スキャナユニット211は画像データを表す電気信号に変換する。
【0019】
原稿用紙は原稿フィーダ201のトレイ202にセットし、ユーザが操作部400から読み取り起動指示を行うことにより、図3におけるCPU103がスキャナ200に指示を与え、フィーダ201は原稿用紙を一枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0020】
フィーダ201から原稿を読み取る装置には原稿の片面をスキャンし、反転させて裏面を読み込む反転両面タイプと、一度の操作で表面裏面を同時に読み取る1パス両面タイプがあるが、本発明では特に限定しない。
【0021】
<画像出力部(プリンタ)>
図1において、画像出力デバイスであるプリンタ300はラスター画像データを用紙上の画像に変換する部分である。
【0022】
印字方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いてトナーを紙に定着させる電子写真方式、微小ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが本実施例において印字方式は特に限定しない。
【0023】
プリント動作の起動はコントローラCPU103からの指示によって開始する。プリンタ300は、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセット302,303,304,305が装着される。また、排紙トレイ306は印字し終わった用紙を受けるものである。
【0024】
<デジタル複合機制御システム構成>
本実施例を適用するのに好適なデジタル複合機001の制御システム構成を図3に示す。
【0025】
コントローラユニット100は画像入力装置であるスキャナ200や画像出力装置であるプリンタ300と接続し、さらにLAN800や電話回線900と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。
【0026】
CPU103はデジタル複合機001全体を制御するコントローラとして機能する。
【0027】
記憶部107は画像データや、圧縮されたデータを格納するためのものであり、CPU103が動作するためのシステムワークメモリ等も含まれる。
【0028】
操作部I/F104は操作部400とのインターフェース部で、操作部400に表示する画像データを操作部400に対して出力する。また、操作部400からユーザが入力した情報をCPU103に伝える役割をする。ネットワークI/F105はLAN800に接続し、情報の入出力を行う。モデム106は公衆回線900に接続し、データ送受信を行うための変調復調処理を行う。以上のデバイスがシステムバス101上に配置される。
【0029】
イメージバスI/F108はシステムバス101と画像データを高速で転送するイメージバス102を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。イメージバス102は、PCIバスまたはIEEE1394などの高速バスで構成される。デバイスI/F部109は、画像入出力デバイスであるスキャナ200やプリンタ300とコントローラ100を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。入力画像処理部500は、スキャナ200で読み取られた画像やネットワークI/F部105を経由して外部から受信した画像などの入力画像データに対し補正、加工、編集を施し、その後のプリント出力または画像送信に適した処理を行う。出力画像処理部600は、プリント出力画像データに対して、プリンタに合わせた補正等を行う。
【0030】
<操作部>
図4に本実施例を適用するのに好適なデジタル複合機001の操作部400を示す。
【0031】
液晶操作パネル401は液晶にタッチパネルを組み合わせたものであり、設定内容の表示、ソフトキーの表示等がなされるものである。スタートキー402はコピー動作等を開始指示するためのハードキーであり、内部に緑色および赤色のLEDが組み込まれており、スタート可能のときに緑色、スタート不可のときに赤色のLEDが点灯する。ストップキー403は動作を停止させるときに使用するハードキーである。ハードキー群404には、テンキー、クリアキー、リセットキー、ガイドキー、ユーザモードキーが設けられている。
【0032】
<下地除去レベル設定>
図5は下地除去レベルを設定するための設定画面例である。図5に示す設定画面10は、図4の液晶操作パネル401に表示され、画像を複写する前に、下地除去レベル調整バー13を用いて下地除去レベルを設定する。
【0033】
上記下地除去レベル設定画面10内には、下地除去レベル調整バー13、OKボタン11、キャンセルボタン12が配置される。ユーザは下地除去レベル調整バー13を操作することにより下地の除去レベルを変更することができる。例えば、下地除去レベル調整バー13を右側に移動させると、下地除去レベル(輝度値)が大きくなり、下地をあまり飛ばさない方向に設定される。逆に下地除去レベル調整バー13を左側に移動させると、下地除去レベル(輝度値)が小さくなり、下地をより飛ばす方向に設定される。ここで、下地除去処理とは、画像において下地除去レベル(輝度値)よりも大きい輝度値をもつ画素の輝度値を255に設定する処理である。これにより、下地除去レベルよりも大きい輝度値をもつ画素の色を白にすることができる。
【0034】
下地除去レベル調整バー13を移動させた後にOKボタン11を押下すると、その直前に表示されていた設定内容を保持し、この操作画面が閉じられる。キャンセルボタン12を押下すると、この操作画面を開く直前の設定内容を保持し、この操作画面が閉じられる。下地除去レベル調整バー13によって設定される値は、例えば設定値の調整幅が8段階の場合にはUI値は以下のようになる。
【0035】
UI値={0、1、2、3、4、5、6、7}
上記UI値では数値が高い方が「濃」設定となる。すなわち、下地除去処理によって下地の色が残りやすくなる。また、UI値の数値が低い方が「薄」設定(下地をより飛ばす設定)となることとする。
【0036】
<画像処理部構成>
図6は本発明の第1の実施形態に関わる入力画像処理部500の構成を示すブロック図である。
【0037】
501は、RGB入力画像の主走査および副走査方向の色ずれ補正を行う色ずれ補正部であり、例えば副走査方向には1×5のマトリクス演算を行い、主走査方向には5×1のマトリクス演算を行う処理が行われる。502は、入力画像中の画像種類を識別する像域判定部であり、例えば、入力画像中の、写真部分/文字部分、有彩色部分/無彩色部分等、それぞれの画像種類を構成する画素を識別し、その種別を示す属性フラグデータを画素単位で生成する。503は、入力画像の空間周波数を任意に補正するフィルタ処理部であり、例えば、9×9サイズの積和演算を行う処理が行われる。504は、入力画像の色味の補正を行う入力色補正部であり、例えば、入力画像の色空間を任意の色空間に変換するなどの処理を行う。
【0038】
図7は本発明の第1の実施形態に関わる出力画像処理部600の構成を示すブロック図である。
【0039】
601は、第一のモノクロ画像生成部であり、カラー画像データをモノクロ画像データに変換し、単色としてプリントする際に、RGBカラーデータを、グレイ(Gray)単色に変換する。
【0040】
図17に示すように、第一のモノクロ画像生成部601は、マトリクス演算を行う演算部601−Aを備える。また、演算部601−Aから出力されたモノクロ信号(ND)と演算部601−Aを行う前のRGB信号を入力とし、CPU103からの処理スルーのON/OFF設定によってND信号/RGB信号のどちらかを選択し、出力を行うセレクタ601−Bを備える。
【0041】
602は、下地除去処理部であり、画像データの下地部の下地色を除去する処理を行う。
【0042】
603は、第二のモノクロ画像生成部であり、機能としては第一のモノクロ画像生成部601と同様であるため説明は省略する。
【0043】
604は、輝度データから濃度データに変換を行う対数変換部である。ここでは通常一次元ルックアップテーブル(LUT)が用いられる。605は、出力するプリンタ部300の特性に合わせて、ガンマ補正を行うガンマ補正部であり、通常一次元LUTが用いられる。606は、出力するプリンタ部300の階調数に合わせて任意の擬似中間調処理を行う擬似中間調処理部であり、2値化や32値化等の任意のスクリーン処理や誤差拡散処理が行われる。
【0044】
スキャナ200で得られたRGB画像データに対してカラー出力を行う場合、第一のモノクロ画像生成部601および第二のモノクロ画像生成部603の処理はスルーされ、下地除去処理部602においてRGB画像データに対して下地除去処理を行う。
【0045】
入力画像処理部500および出力画像処理部600の処理の実行および係数設定はCPU103によって処理される。
【0046】
以下、図8を用いて本実施形態におけるモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を設定する処理を説明する。図8は本実施形態におけるモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を設定するフローチャートを表したものである。
【0047】
記憶部107に格納された図8のフローチャートの各処理を実行するためのプログラムをコントローラ100内にあるRAM(不図示)にロードしてCPU103が実行することで、図8のフローチャートが実行される。
【0048】
S101において、CPU103は、図5に示す下地除去レベル設定画面10において設定された下地除去レベルを取得する。
【0049】
次にS102において、CPU103は、S101で取得した設定値に対応する下地除去レベル(輝度値)と予め設定されている判定用の輝度閾値との比較を行う。ここでS101で取得した設定値に対応する下地除去レベル(輝度値)が輝度閾値未満の場合にはS103の処理にすすみ、S101で取得した設定値に対応する下地除去レベル(輝度値)が閾値以上の場合にはS105の処理にすすむ。ここでいう判定用の輝度閾値は、例えば白の紙を複写したときに、紙の下地部の色を下地除去処理によって白に変換できる値に設定しておくことが望ましい。
【0050】
なお、S101で取得した設定値と、設定値に対応する下地除去レベル(輝度値)の関係は以下のとおりである。
【0051】
設定値 ={0、1、2、3、4、5、6、7}
下地除去レベル ={110、130、150、170、190、210、230、255}
S102では、例えばS101で取得した設定値が5の場合、対応する下地除去レベルは210になる。判定用の輝度閾値を230とすると、下地除去レベルが判定用の輝度閾値よりも小さいためS103の処理にすすむ。また、例えばS101で取得した設定値が7の場合、対応する下地除去レベルは255になる。判定用の輝度閾値を230とすると、下地除去レベルが判定用の輝度閾値よりも大きいためS105の処理にすすむ。
【0052】
S103では、CPU103は第一のモノクロ画像生成部601に対してモノクロ化用係数の設定を行う。モノクロ化用係数としては、例えばRr:Gr:Br=3:6:1のような係数を演算係数として設定する。
【0053】
例えば入力画像の画素データがRin=250,Gin=240,Bin=140であったとすると、
(Rin×Rr+Gin×Gr+Bin×Br)/(Rr+Gr+Br)
=(250×3+240×6+140×1)/(3+6+1)
=233
・・・(1)
となり、233がモノクロ画像データの画素値となる。
【0054】
次にS104において、CPU103は第二のモノクロ画像生成部603に処理スルーの設定を行う。
【0055】
S105においてCPU103は第一のモノクロ画像生成部601の処理スルーの設定を行う。S105で設定された処理のスルー設定は、図17のセレクタ601−Bに入力される。
【0056】
次に、S106においてCPU103は第二のモノクロ画像生成部603にモノクロ化用係数を設定する。モノクロ化用係数としては、例えばRr:Gr:Br=3:6:1のような係数を演算係数として設定する。
【0057】
S107においてCPU103は、S101で取得した設定値に対応する下地除去レベルを下地除去処理部602に設定する。設定値に対応する下地除去レベル(輝度値)の関係は前述したとおりである。
【0058】
下地除去処理部602では例えば以下のような演算を用いて非線形下地除去を行う。
【0059】
R2=R1+Rmat(R1×G1×B1/(255×255×255))
G2=G1+Gmat(R1×G1×B1/(255×255×255))
B2=B1+Bmat(R1×G1×B1/(255×255×255))
・・・(2)
ここでRmat、Gmat、Bmatが下地除去処理部602に設定する下地除去係数となる。
【0060】
R1、G1、B1:入力画素値
R2、G2、B2:出力画素値
Rmat=(255−Rs)×Xinv
Gmat=(255−Gs)×Xinv
Bmat=(255−Bs)×Xinv
Xinv=1/Xmat
Xmat=Rs×Gs×Bs/(255×255×255)
・・・(3)
となり、Rs、Gs、Bsに図5の下地除去レベル設定画面の設定値に対応した下地除去レベルを設定することとなる。
【0061】
図8に示すフローチャートを実行することによって、モノクロ化処理と下地除去処理の順序切替の設定を行い、その後、以下の複写動作が開始される。まず、原稿画像をスキャナ200で読み取り、読み取って得られたカラー画像データ(RGB画像データ)に対して入力画像処理部500における画像処理が行われる。その後、入力画像処理部500における処理が行われた後の画像データに対して出力画像処理部600の処理が行われ、プリンタ300によってプリントが行われる。
【0062】
図5の下地除去レベル設定画面10において設定した値に対応する下地除去レベルが、判定用の輝度閾値よりも小さい場合(下地除去レベルが下地を飛ばすレベルの場合)、出力画像処理部600の第一のモノクロ画像生成部601において画像のモノクロ化処理を行い、モノクロ画像データを生成する。そして、生成されたモノクロ画像データに対して下地除去処理部602において、図5の設定画面によって設定された下地除去レベルを用いた下地除去処理を行う。下地除去処理を行ったモノクロ画像データに対して、対数変換部604、ガンマ補正部605、中間調処理部606が実行される。なお、図5の下地除去レベル設定画面10において設定した値に対応する下地除去レベルが、判定用の輝度閾値よりも小さい場合、第二のモノクロ画像生成部603はスルーされる。
【0063】
これにより、設定した下地除去レベルが輝度閾値よりも小さい場合、画像データに対してモノクロ化処理を行った後に下地除去処理を行うことで、画像データの下地部のRGB値の差が大きい場合であっても画像の下地部の色を除去することができる。
【0064】
図5の下地除去レベル設定画面10において設定した値に対応する下地除去レベルが判定用の輝度閾値以上の場合(下地除去レベルが下地を飛ばさないレベルの場合)、下地除去処理部602において、画像データに対して前記下地除去レベルに基づく下地除去処理を行い、下地除去処理が行われた画像データを生成する。そして、下地除去処理が行われた画像データに対して、第二のモノクロ画像生成部603においてモノクロ化処理を行い、モノクロ画像データを生成する。そして、モノクロ画像データに対して、対数変換部604、ガンマ補正部605、中間調処理部606が実行される。なお、図5の下地除去レベル設定画面10において設定した値に対応する下地除去レベルが判定用の輝度閾値以上の場合、第一のモノクロ画像生成部601はスルーされる。
【0065】
これにより、設定した下地除去レベルが輝度閾値以上の場合、入力された画像データに対して下地除去処理を行った後にモノクロ化処理を行うことで、入力された画像データに含まれる蛍光色や黄色などの輝度が高い領域や文字を残すことができる。
【0066】
例えば、図16に示すように、入力された画像データに含まれる画像情報(輝度が高い領域)の輝度値をR=250、G=240、B=140、下地部の輝度値をR=250、G=251、B=248とする。
【0067】
例えば図16(B)のように先にモノクロ化を行いその後下地除去処理を行った場合、下地除去処理後の輝度値は、画像情報、下地ともにR=G=B=255となり、画像情報が消失してしまっている。図16(A)のように先に下地除去処理を行った場合、モノクロ化後の画像情報の輝度値がR=G=B=245、下地の輝度値がR=G=B=255となり、画像情報を残すことが可能となる。
【0068】
また、図19は入力信号値(R、G、B)=(250、240、140)に対し、下地除去レベルを変化させたときの出力信号値(R,G,B)を表している。図19に示す実線191がモノクロ化を行った後に下地除去処理を行った場合の出力信号値、破線192が下地除去処理を行った後にモノクロ化を行った場合の出力信号値を表している。
【0069】
例えば、下地除去レベルが255の場合は、下地除去処理してモノクロ化を行った場合も、モノクロ化処理した後に下地除去処理を行った場合のいずれの場合においても、出力信号値(R、G、B)=(233,233,233)になる。また、下地除去レベルが233の場合、モノクロ化処理した後に下地除去処理を行うと、出力信号値(R、G、B)=(255,255,255)になる。また、下地除去レベルが233の場合、下地除去処理した後にモノクロ化処理を行うと、出力信号値(R、G、B)=(240,240,240)になる。
【0070】
下地除去処理後にモノクロ化をした場合のほうが、モノクロ化処理後に下地除去処理を行った場合よりも、下地除去レベルに対する出力信号値の変化量が緩やかになるため、入力信号値に対応する色情報をより多く残すことができる。
【0071】
本実施形態では、設定された下地除去レベルが輝度閾値以上の場合(下地除去レベルが下地をあまり飛ばさないレベルの場合)、下地除去処理後にモノクロ化処理を行う。また、設定された下地除去レベルが輝度閾値よりも小さい場合(下地除去レベルが下地を多く飛ばすレベルの場合)、モノクロ化処理後に下地除去処理を行う。これにより、設定された下地除去レベルが輝度閾値以上の場合、図19において破線192になり、設定された下地除去レベルが輝度閾値よりも小さい場合、図19において実線193になる。これにより、本実施形態の下地除去レベルに応じて下地除去処理とモノクロ化処理の順番を入れ替える処理は、モノクロ処理後に下地除去処理を行う順番を固定し下地除去レベルを変化させる処理(図19の実線191)と比べて、下地除去処理とモノクロ化処理を行った後に多くの情報を残すことができる。図19の斜線の部分が、本実施形態とモノクロ化処理後に下地除去処理を行った場合を比較したときの効果(残せる情報)の差異になる。
【0072】
本実施形態では複写時の動作について説明したが、下地除去処理とモノクロ化処理した画像をLAN800や公衆回線900を用いて外部装置に送信してもよい。
【0073】
また、本実施形態ではモノクロ画像生成部を2箇所、下地除去処理部を1箇所設け、処理のON/OFFを切り替えているが、下地除去処理部を2箇所、モノクロ画像生成部を1箇所に配置してもよい。この場合、2箇所ある下地除去処理部のいずれか一方をONにすることで、下地除去処理部とモノクロ画像生成部の処理の順序を切り替える。
【0074】
また、本実施形態では出力画像処理部600内にモノクロ画像生成部601、603と下地除去処理部602を配置しているが、これに限ったものではなく601、602、603のいずれかの処理部を入力画像処理部500に配置してもよい。
【0075】
また、本実施形態ではモノクロ画像生成部は2箇所設けられているが、図18に示すようにモノクロ画像生成部を1箇所にし、セレクタによって、下地除去処理部とモノクロ画像生成部の順番を入れ替えてもよい。
【0076】
図18は図7における出力画像処理部600に対し、下地除去処理部とモノクロ画像生成部の構成が異なる出力画像処理部620を表している。
【0077】
ここでは出力画像処理部620の中に、下地除去処理部621、モノクロ画像生成部622、セレクタ623、624,625が配置される。
【0078】
CPU103が、セレクタ623、624、625に0/1の信号を入力することで、セレクタに入力される複数の値を切り替えることができ、下地除去処理部621とモノクロ画像生成部622の処理順を切り替えることが可能である。
【実施例2】
【0079】
実施例1では、図5の下地除去レベル設定画面で設定した下地除去レベルの値に応じて、モノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を決定した。実施例2では入力された画像データの下地部の下地除去レベルを判定し、判定された下地除去レベルに応じてモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を決定する。
【0080】
図10は、図6における入力画像処理部500を置き換えた本実施例における入力画像処理部510のブロック図を示したものである。
【0081】
図10の入力画像処理部510における色ずれ補正部511、像域判定部512、フィルタ処理部513、入力色補正部515の処理は、実施例1で説明した入力画像処理部500における501、502、503、504の処理と同様であるため説明は省略する。
【0082】
また、実施例2における出力画像処理部は、実施例1の出力画像処理部600と同様であるため説明を省略する。
【0083】
514は、入力画像の画像信号をサンプリングおよびカウントするヒストグラム処理部であり、入力画像データのRGB値から取得されるヒストグラムに基づき、原稿中の下地除去レベルを判定する。
【0084】
ここでは例えば、図11に示すように、サンプリングされたヒストグラムに基づいて、最大度数を有するRs、Gs、Bs値が下地除去レベルとして判定されるものとする。
【0085】
また、上記ヒストグラムで判定された下地除去レベルに対し、より確実に下地が除去できるようにするために、Rs、Gs、Bs値に対しオフセット分を減算出来るようにしてもよい。
【0086】
なお、Rs、Bs、Gs,はR、G、Bそれぞれのヒストグラムによって求められるが、各色での下地の除去具合が異なることを回避するため、例えばRs、Bs、Gsの最小値(min(Rs、Bs、Gs))を用いてもよい。
【0087】
図9は自動下地除去設定のON/OFFを設定するための設定画面例である。図9に示す設定画面20は、図4の液晶操作パネル401に表示され、画像を複写する前に自動下地除去ボタン24が指示される。
【0088】
自動下地除去ボタン24以外は図5における設定画面と同様であるため説明は省略する。
【0089】
ユーザは自動下地除去ボタン24を押下することにより自動下地除去のON/OFFを切り替えることが可能である。
【0090】
OKボタン11を押下すると、その直前に表示されていた設定内容を保持し、この操作画面が閉じられる。キャンセルボタン12を押下すると、この操作画面を開く直前の設定内容を保持し、この操作画面が閉じられる。
【0091】
自動下地除去ボタンがONの状態で設定内容が保存された場合にはレベル調整バー23で設定されている値は無効となり、後述する自動下地除去処理が行われる。
【0092】
以下図12を用いて実施例2におけるモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を設定する処理を説明する。図12は、画像データの下地を検出し、検出した下地除去レベルに応じてモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を設定するフローチャートを表したものである。図12のフローチャートを実行する前に、入力された画像データに対して、色ずれ補正部511、像域判定部512、フィルタ処理部513による処理が行われる。フィルタ処理部513によって処理された画像データに対して、ヒストグラム処理部514において下地除去レベルの検出を行う。
【0093】
記憶部107に格納された図12のフローチャートの各処理を実行するためのプログラムをコントローラ100内にあるRAM(不図示)にロードしてCPU103が実行することで、図12のフローチャートが実行される。
【0094】
S201において、CPU103は、ヒストグラム処理部514で検出された下地除去レベル値Rs、Gs、Bsを取得する。
【0095】
次にS202において、S201において取得した下地除去レベル値と予め設定されている判定用閾値との比較を行う。ここでS201において取得した下地除去レベル値が閾値未満の場合にはS203の処理にすすみ、S201において取得した下地除去レベル値が閾値以上の場合にはS205の処理にすすむ。
【0096】
例えばヒストグラム処理部514で算出した下地除去レベル値が200、判定用閾値が220の場合、下地除去レベル値が判定用閾値よりも小さいためS203の処理にすすむ。また、ヒストグラム処理部514で算出した下地除去レベル値が240、判定用閾値が220の場合、下地除去レベル値が判定用閾値以上のためS205の処理にすすむ。S203〜S207の処理は実施例1の図8におけるS103〜107の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0097】
図12に示すフローチャートを実行することによって、モノクロ化処理と下地除去処理の順序切替の設定がされる。そして、入力画像処理部510における処理が行われた後の画像データに対して出力画像処理部600の処理が行われ、プリンタ300によってプリントが行われる。図12に示すフローチャートを実行している間、入力画像処理部510による処理が終わったデータを記憶部107に格納しておいて、図12に示すフローチャートの処理が終わった後に、記憶部107に格納していたデータを取り出して、出力画像処理部600による処理を行ってもよい。
【0098】
ヒストグラム処理部514で算出した下地除去レベル値が判定用の輝度閾値よりも小さい場合、出力画像処理部600において、第一のモノクロ画像生成部601で画像のモノクロ化処理を行った後に、下地除去処理部602、対数変換部604、ガンマ補正部605、中間調処理部606が実行される。なお、ヒストグラム処理部514で算出した下地除去レベル値が判定用の輝度閾値よりも小さい場合、第二のモノクロ画像生成部603はスルーされる。
【0099】
これにより、入力された画像データの下地部の下地除去レベルが輝度閾値よりも小さい場合であっても、先にモノクロ化処理を行いその後下地除去処理を行うため、入力された画像データの下地部の色を除去することができる。
【0100】
ヒストグラム処理部514で算出した下地除去レベル値が、判定用の輝度閾値以上の場合、出力画像処理部600において、下地除去処理部602による下地除去処理を行った後に、第二のモノクロ画像生成部603、対数変換部604、ガンマ補正部605、中間調処理部606が実行される。なお、ヒストグラム処理部514で算出した下地除去レベル値が判定用の輝度閾値以上の場合、第一のモノクロ画像生成部601はスルーされる。
【0101】
これにより、入力された画像データの下地部の下地除去レベルが輝度閾値以上の場合、下地除去処理を行った後にモノクロ化処理を行うことで、入力された画像データに含まれる蛍光色や黄色などの輝度が高い領域や文字を残すことができる。
【実施例3】
【0102】
実施例3では、モノクロ化処理と下地除去処理の処理順序の切替を実施例1、実施例2よりも簡易な構成で実現する方法について述べる。
【0103】
図13は、実施例1の出力画像処理部600を置き換えた本実施例における出力画像処理部610のブロック図を示したものである。なお、入力画像処理部は、実施例1の入力画像処理部500でもよいし、実施例2の入力画像処理部510でもよい。
【0104】
図13の下地除去処理部611〜中間調処理部615の各処理に関しては、図7の下地除去処理部602〜中間調処理部606に示すブロック図の処理と同様であるため説明を省略する。図13のモノクロ画像生成部612の処理は、図7に示す第一のモノクロ画像生成部601、第二のモノクロ画像生成部603の処理と同様である。
【0105】
以下、図15を用いて本実施形態におけるモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を設定する処理を説明する。図15は本実施形態におけるモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を設定するフローチャートを表したものである。
【0106】
記憶部107に格納された図15のフローチャートの各処理を実行するためのプログラムをコントローラ100内にあるRAM(不図示)にロードしてCPU103が実行することで、図15のフローチャートが実行される。
【0107】
まず、S301において、CPU103は下地除去レベルを取得する。入力画像処理部500の場合、図5に示す設定画面10において設定された設定値に対応する下地除去レベルを取得する。また、入力画像処理部510の場合、ヒストグラム処理部514で検出された下地除去レベルを取得する。
【0108】
次にS302において、S301において取得した下地除去レベル値と予め設定されている判定用閾値との比較を行う。ここでS301において取得した下地除去レベル値が閾値未満の場合にはS303の処理にすすみ、S301において取得した下地除去レベル値が閾値以上の場合にはS308の処理を行う。S303ではモノクロ画像生成部612に対してモノクロ化用係数の設定を行う。次に、S304では下地除去処理部611に処理スルー用係数を設定する。S304では、下地除去処理部611の下地除去係数にRmat=Gmat=Bmat=0を設定することで、R1=R2、G1=G2、B1=B2となり、下地除去処理を行わないスルー設定を実現することができる。
【0109】
次にS305において、上述した下地除去の演算式(2)、(3)から下地除去用の一次元LUTを作成する。S305では、例えば図14に示すような非線形下地除去LUTが作成される。ここで、図14の入力信号値Rsは、図15のS301で取得された下地除去レベルと等しくなる。また、S305では、図14の(0,0)から(Rs,255)まで直線になる線形の下地除去LUTが作成されてもよい。
【0110】
式(2)ではR2信号を求めるためにR1信号だけでなくG1、B1信号を用いているため、R1、G1、B1の値が異なる場合には三次元の入力となり、一次元LUTは作成出来ない。しかし、モノクロ画像に対してはR1=G1=B1となるため、一次元LUTで下地除去を行うことが可能である。
【0111】
次にS306において、S305で作成した一次元LUTと対数変換部613に設定する一次元LUTとを合成し、合成した一次元LUTを作成する。次に、S307において、CPU103はS306において作成された合成一次元LUTを対数変換部613に設定する。
【0112】
なお、S306では、S305で作成した一次元LUTとガンマ補正部614に設定する一次元LUTとを合成して一次元LUTを作成してもよい。この場合、S307では、S306において作成された合成一次元LUTをガンマ補正部614に設定する。
【0113】
S308ではS303と同様、モノクロ画像生成部612にモノクロ化用係数を設定する。
【0114】
次に、S309において、CPU103はS301で取得した下地除去レベル値から算出される下地除去係数を下地除去処理部611に設定する。
【0115】
以上が本実施例におけるモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序の切替を行う処理である。
【0116】
入力画像処理部が実施例1の入力画像処理部500の場合、図15に示すフローチャートを実行することによって、モノクロ化処理と下地除去処理の順序の設定がされる。その後、原稿画像をスキャナ200で読み取り、読み取って得られたカラー画像データに対して入力画像処理部500における処理が行われる。その後、出力画像処理部610における処理が行われる。
【0117】
また、入力画像処理部が実施例2の入力画像処理部510の場合、図15に示すフローチャートを実行することによって、モノクロ化処理と下地除去処理の順序の設定がなされた後、出力画像処理部610の処理が行われる。
【0118】
出力画像処理部610では、S301で取得した下地除去レベルの値が輝度閾値以上の場合、下地除去処理部611、モノクロ画像生成部612、対数変換部613、ガンマ補正部614、中間調処理部615の処理が順に行われる。
【0119】
一方、S301で取得した下地除去レベルの値が輝度閾値よりも小さい場合、下地除去処理部611をスルーして、モノクロ画像生成部612、対数変換部613、ガンマ補正部614、中間調処理部615の処理が順に行われる。ここで、S301で取得した下地除去レベルの値が輝度閾値よりも小さい場合、対数変換部613は、図15のS307によって設定された合成1次元LUTを使って対数変換処理が行われる。
【0120】
本実施例において、モノクロ化処理を行った後に下地除去処理を行う場合、下地除去処理を対数変換と同時に処理させることで、モノクロ画像生成手段もしくは下地除去処理手段を複数設ける必要がなくなり、簡易な構成でモノクロ化処理と下地除去処理の処理順序を切り替えることが可能となる。
【0121】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得手段と、
前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成するモノクロ画像データ生成手段と、
前記カラー画像データに対して、前記取得された下地除去レベルに基づき下地除去処理を行う下地除去処理手段とを有し、
前記モノクロ画像データ生成手段によって生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去処理手段による下地除去処理を行うか、前記下地除去処理手段によって下地除去処理が行われた画像データから前記モノクロ画像データ生成手段によってモノクロ画像データを生成するかを、前記取得手段によって取得された下地除去レベルに応じて切り替える制御手段とを有する画像処理装置。
【請求項2】
カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された下地除去レベルが下地を飛ばすレベルの場合、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成し、該生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、前記取得手段によって取得された下地除去レベルが下地を飛ばさないレベルの場合、前記カラー画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された下地除去レベルが予め定められた閾値よりも小さい場合、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成し、該生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、前記取得手段によって取得された下地除去レベルが予め定められた閾値以上の場合、前記カラー画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
さらに、前記画像データの明るさに関するヒストグラムを作成する作成手段と、
前記作成手段によって作成されたヒストグラムから前記画像データの下地除去レベルを検出する検出手段とを有し、
前記取得手段は、前記検出手段によって検出された下地除去レベルを取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記取得手段において取得される下地除去レベルは、操作部を介して入力されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記予め定められた閾値は、輝度の閾値であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
さらに、前記取得手段によって取得された画像データの下地除去レベルが予め定められた閾値よりも小さいか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記下地除去レベルが前記閾値よりも小さいと判定された場合、下地除去を行うルックアップテーブルを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成されたルックアップテーブルと、輝度から濃度へ変換するルックアップテーブルを合成する合成手段とを有し、
前記処理手段は、前記下地除去レベルが前記閾値よりも小さい場合、前記合成手段によって合成されたルックアップテーブルを用いて、前記画像データから生成されたモノクロ画像データに対して下地除去処理が行われることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得工程と、
前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成するモノクロ画像データ生成工程と、
前記カラー画像データに対して、前記取得された下地除去レベルに基づき下地除去処理を行う下地除去処理工程とを有し、
前記モノクロ画像データ生成工程によって生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去処理工程による下地除去処理を行うか、前記下地除去処理工程によって下地除去処理が行われた画像データから前記モノクロ画像データ生成工程によってモノクロ画像データを生成するかを、前記取得工程によって取得された下地除去レベルに応じて切り替える処理順序制御工程とを有する画像処理方法。
【請求項9】
カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された下地除去レベルが下地を飛ばすレベルの場合、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成し、該生成されたモノクロ画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、前記取得工程によって取得された下地除去レベルが下地を飛ばさないレベルの場合、前記カラー画像データに対して前記下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する処理工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
カラー画像データと下地除去レベルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された下地除去レベルが予め定められた閾値よりも小さい場合、前記カラー画像データからモノクロ画像データを生成し、該生成されたモノクロ画像データに対して前記取得工程によって取得された下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、前記取得工程によって取得されたカラー画像データの下地除去レベルが予め定められた閾値以上の場合、前記カラー画像データに対して前記取得工程によって取得された下地除去レベルに応じた下地除去処理を行い、該下地除去処理が行われた画像データからモノクロ画像データを生成する処理工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれか一項に記載された画像処理装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−100245(P2012−100245A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171975(P2011−171975)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】