説明

画像処理装置及び遠隔保守システム

【課題】通信回線において接続異常が発生しても、装置内異常情報を確実に送信することができるようにする。
【解決手段】画像処理装置は、遠隔保守端末と第1の通信回線を介して、外部装置と第2の通信回線を介して接続される。画像処理装置を前記第1の通信回線に接続するための第1の通信回線接続部と、前記画像処理装置を前記第2の通信回線に接続するための第2の通信回線接続部と、装置内異常情報及び接続異常情報を収集する異常情報管理部12bと、第1の通信回線において接続異常が発生している場合に、装置内異常情報を外部装置に送信するように第2の通信回線接続部に指示する送信指示部12cとを有する。画像処理装置と外部装置とが第2の通信回線を介して接続されるので、第1の通信回線において接続異常が発生しても、装置内異常情報を外部装置に確実に送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び遠隔保守システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、複合機(Multi Function Peripheral)等の画像処理装置、例えば、複合機と、保守・管理部としてのコールセンタに配設された遠隔保守端末、例えば、管理者用パソコンとを通信回線、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続し、複合機を遠隔地で保守するようにした遠隔保守システムが提供されている。
【0003】
該遠隔保守システムにおいては、複合機において異常が発生すると、異常の内容を表す情報、すなわち、装置内異常情報が管理者用パソコンに送信されるようになっている。したがって、コールセンタは、装置内異常情報を受信し、該装置内異常情報に基づいて複合機を復旧させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の遠隔保守システムにおいては、LANにおいて接続異常が発生すると、装置内異常情報を管理者用パソコンに送信することができなくなってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来の遠隔保守システムの問題点を解決して、通信回線において接続異常が発生しても、装置内異常情報を確実に送信することができる画像処理装置及び遠隔保守システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像処理装置においては、管理者が使用する遠隔保守端末と第1の通信回線を介して接続され、かつ、管理者が使用する外部装置と第2の通信回線を介して接続されるようになっている。
【0008】
そして、画像処理装置を前記第1の通信回線に接続するための第1の通信回線接続部と、前記画像処理装置を前記第2の通信回線に接続するための第2の通信回線接続部と、画像処理装置において発生した異常の内容を表す装置内異常情報、及び前記第1の通信回線において発生した接続異常の内容を表す接続異常情報を収集する異常情報管理部と、前記第1の通信回線において接続異常が発生していない場合に、前記装置内異常情報を遠隔保守端末に送信するように第1の通信回線接続部に指示し、前記第1の通信回線において接続異常が発生した場合に、前記装置内異常情報を外部装置に送信するように第2の通信回線接続部に指示する送信指示部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像処理装置においては、管理者が使用する遠隔保守端末と第1の通信回線を介して接続され、かつ、管理者が使用する外部装置と第2の通信回線を介して接続されるようになっている。
【0010】
そして、画像処理装置を前記第1の通信回線に接続するための第1の通信回線接続部と、前記画像処理装置を前記第2の通信回線に接続するための第2の通信回線接続部と、画像処理装置において発生した異常の内容を表す装置内異常情報、及び前記第1の通信回線において発生した接続異常の内容を表す接続異常情報を収集する異常情報管理部と、前記第1の通信回線において接続異常が発生していない場合に、前記装置内異常情報を遠隔保守端末に送信するように第1の通信回線接続部に指示し、前記第1の通信回線において接続異常が発生した場合に、前記装置内異常情報を外部装置に送信するように第2の通信回線接続部に指示する送信指示部とを有する。
【0011】
この場合、画像処理装置と遠隔保守端末とが第1の通信回線を介して接続されるだけでなく、画像処理装置と外部装置とが第2の通信回線を介して接続されるので、第1の通信回線において接続異常が発生して、画像処理装置における装置内異常情報を遠隔保守端末に送信することができなくても、装置内異常情報を外部装置に確実に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態における遠隔保守システムの制御ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における複合機の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における異常発生時の送信先の電話番号を登録する際の表示部の表示例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における遠隔保守システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における異常発生時の送信先の電話番号が登録されていない場合の表示部の表示例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるステータス情報の例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における遠隔保守システムの制御ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における遠隔保守システムの動作を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態における遠隔保守システムの動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像処理装置としての複合機と遠隔保守端末としての管理者用パソコン、及び外部装置としての、かつ、画像送受信装置としてのファクシミリ装置とが接続された画像処理システムとしての遠隔保守システムについて説明する。
【0014】
図2は本発明の第1の実施の形態における複合機の斜視図である。
【0015】
図に示されるように、複合機10は、スキャナとして機能し、図示されない原稿の画像を読み取る画像読取装置としてのスキャナ部10S、及び該スキャナ部10Sより下方に配設され、プリンタとして機能し、画像形成用の媒体としての図示されない用紙に画像を形成する画像形成装置としてのプリンタ部10Pを備え、前記スキャナ部10Sに、図示されない操作パネル等によって形成され、操作者が複合機10に対して各種の指示又は設定を行ったり、複合機10が操作者に対して各種の通知又は表示を行ったりするための操作部13が配設される。
【0016】
前記プリンタ部10Pは、スキャナ部10Sから送られた第1の画像データとしての読取画像データ、又は図示されない上位装置から送られた第2の画像データとしての印刷データを受け、読取画像データ又は印刷データに基づいて、前記用紙に画像を形成する。
【0017】
次に、遠隔保守システムの制御装置について説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態における遠隔保守システムの制御ブロック図、図3は本発明の第1の実施の形態における異常発生時の送信先の電話番号を登録する際の表示部の表示例を示す図である。
【0019】
図において、10は複合機、20は該複合機10等の保守及び管理を行う保守・管理部としてのコールセンタに配設され、管理者が使用する管理者用パソコン、21は複合機10と管理者用パソコン20とを接続する第1の通信回線としての、かつ、ネットワークとしてのLAN、30は前記コールセンタに配設され、管理者が画像を送受信する通常の形態で使用するファクシミリ装置、31は複合機10とファクシミリ装置30とを接続する第2の通信回線としての電話回線である。複合機10、管理者用パソコン20、LAN21、ファクシミリ装置30、電話回線31等によって遠隔保守システムが構成される。また、ファクシミリ装置30に代えて複合機を前記外部装置として、かつ、画像送受信装置として使用することができる。
【0020】
ところで、前記複合機10において、ジャム、トナー切れ等の異常(障害)(装置内異常)が発生すると、異常の内容を表す情報、すなわち、装置内異常情報(第1の異常情報)がLAN21を介して管理者用パソコン20に送信されるようになっている。そして、LAN21において接続異常(障害)が発生すると、接続異常の内容を表す情報、すなわち、接続異常情報(第2の異常情報)が電話回線31を介してファクシミリ装置30に送信される。
【0021】
そのために、前記複合機10は、複合機10の全体の制御を行う制御部12、複合機10をLAN21に接続するための第1の通信回線接続部としての、かつ、ネットワーク接続部としてのLAN接続部11、前記操作部13、図示されないRAM、ROM等から成る記憶装置としての記憶部14、複合機10を電話回線31に接続するための第2の通信回線接続部としての、かつ、電話回線接続部としての送信部15等を備える。なお、該送信部15は補助送信処理手段として機能する。
【0022】
前記制御部12は、ファクシミリ装置30の電話番号を異常発生時の送信先電話番号として登録する電話番号登録処理手段としての電話番号登録処理部12a、前記装置内異常情報及び接続異常情報を管理する異常情報管理処理手段としての異常情報管理部12b、並びにコールセンタへの装置内異常情報及び接続異常情報の送信を指示する異常情報送信指示処理手段としての送信指示部12cを備える。
【0023】
前記異常情報管理部12bは、複合機10内の各部からの信号、各種のセンサのセンサ出力等を受けて異常情報管理処理を行い、複合機10内の各部の状態を常時監視し、複合機10において前記異常が発生したときに、装置内異常情報を収集し、管理する。
【0024】
また、前記LAN接続部11は、主送信処理手段としてのLAN送信部11a、及び接続状態監視処理手段としてのLAN接続状態監視部11bを備え、前記LAN送信部11aは、前記装置内異常情報を、複合機10を特定するための装置情報と共に、LAN21を介して管理者用パソコン20に送信する。
【0025】
前記LAN接続状態監視部11bは、LANコントローラによって構成され、LAN接続状態監視処理を行い、LAN21のリンク状態信号を常時読み込み、リンク状態信号によって、複合機10と管理者用パソコン20との接続状態を監視し、LAN21において接続異常が発生したときに、接続異常の内容を表す前記接続異常情報を前記異常情報管理部12bに送る。したがって、異常情報管理部12bは、前記装置内異常情報に加えて接続異常情報を収集し、管理する。
【0026】
また、前記操作部13は、操作者が複合機10に対して各種の指示又は設定を行うための入力部13a、及び複合機10が操作者に対して各種の通知又は表示を行うための表示部13bを備え、前記入力部13aは操作要素としてのボタン、キー等を備え、前記表示部13bは、表示画面を形成するための液晶ディスプレイ又はLEDディスプレイを備える。なお、前記表示部13bをタッチパネルによって形成し、入力部として機能させることができる。
【0027】
そして、前記記憶部14は、前記送信先電話番号が記録された送信先電話番号記憶部14a、及び前記装置情報が記録された装置情報記憶部14bを備える。前記送信先電話番号記憶部14a及び装置情報記憶部14bは、いずれも、前記ROM(不揮発性メモリであるEEPROM、FlashROM等)から成る。なお、前記装置情報は、複合機10の装置名(製品名)、シリアル番号(品番)、ファームバージョン(Ver)、電話番号等から成る。
【0028】
ところで、例えば、前記複合機10の初期設定時に、前記電話番号登録処理部12aは、電話番号登録処理を行い、表示部13bに電話番号登録画面を形成し、該電話番号登録画面画面に、図3に示されるような、送信先電話番号の入力を促すメッセージを表示する。
【0029】
そして、操作者が入力部13aを操作して、ファクシミリ装置30の電話番号を入力すると、前記電話番号登録処理部12aは、入力されたファクシミリ装置30の電話番号を前記送信先電話番号として前記電話番号登録画面に表示するとともに、前記送信先電話番号記憶部14aに記録する。このようにして、前記電話番号登録処理部12aは、複合機10に送信先電話番号を登録する。
【0030】
次に、複合機10において異常が発生したときの前記遠隔保守システムの動作について説明する。
【0031】
図4は本発明の第1の実施の形態における遠隔保守システムの動作を示すフローチャート、図5は本発明の第1の実施の形態における異常発生時の送信先の電話番号が登録されていない場合の表示部の表示例を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるステータス情報の例を示す図である。
【0032】
複合機10においてジャム、トナー切れ等の異常が発生すると、前記異常情報管理部12bは装置内異常情報を収集し、前記制御部12の図示されない装置内異常発生判断処理手段は、装置内異常発生判断処理を行い、異常情報管理部12bによって装置内異常情報が収集されたかどうかによって、複合機10において異常が発生したかどうかを判断する。
【0033】
複合機10において異常が発生した場合、前記制御部12の図示されない接続異常発生判断処理手段は、接続異常発生判断処理を行い、異常情報管理部12bによって接続異常情報が収集されたかどうかによって、LAN21において接続異常が発生したかどうかを判断する。
【0034】
LAN21において接続異常が発生していない場合、前記送信指示部12cは、異常情報送信指示処理を行い、異常情報管理部12bから装置内異常情報を読み込むとともに、装置情報記憶部14bから装置情報を読み出し、前記LAN送信部11aに送り、LAN送信部11aに装置内異常情報及び装置情報をステータス情報として送信するように指示する。
【0035】
そして、前記LAN送信部11aは、主送信処理としてのLAN送信処理を行い、前記ステータス情報をLAN21を介して管理者用パソコン20に送信する。
【0036】
したがって、複合機10から送信されたステータス情報が管理者用パソコン20において受信されるので、管理者は、装置内異常情報に基づいて複合機10を保守し、復旧させることができる。
【0037】
また、LAN21において接続異常が発生した場合、前記制御部12の図示されない登録判断処理手段は、登録判断処理を行い、送信先電話番号記憶部14aを参照し、送信先電話番号記憶部14aに送信先電話番号が記録されているかどうかによって、複合機10に送信先電話番号が登録されているかどうかを判断する。
【0038】
送信先電話番号が登録されていない場合、前記電話番号登録処理部12aは、表示部13bに登録状態通知画面を形成し、該登録状態通知画面に、図5に示されるような、送信先電話番号が登録されていないことを通知するメッセージを表示する。
【0039】
そして、操作者が入力部13aを操作して、ファクシミリ装置30の電話番号を入力すると、前記電話番号登録処理部12aは、ファクシミリ装置30の電話番号を送信先電話番号として前記登録状態通知画面に表示するとともに、前記送信先電話番号記憶部14aに記録する。
【0040】
また、送信先電話番号が登録されている場合、前記送信指示部12cは、異常情報管理部12bから装置内異常情報及び接続異常情報を読み込むとともに、装置情報記憶部14bから装置情報を読み出し、該装置情報を前記送信部15に送り、送信部15にステータス情報を送信するように指示する。続いて、送信指示部12cは、表示部13bに送信状態通知画面を形成し、該送信状態通知画面に前記送信先電話番号を表示する。
【0041】
そして、送信部15は、図6に示されるような、装置内異常情報(ワーニング情報)、接続異常情報(エラー情報)及び装置情報をステータス情報として電話回線31を介してファクシミリ装置30に送信する。
【0042】
続いて、制御部12の図示されない送信終了判断処理手段は、送信終了判断処理を行い、送信部15によるステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合、前記送信部15は送信を再び行い(リトライし)、前記送信終了判断処理手段は、送信部15によるステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを再び判断する。
【0043】
このようにして、複合機10から送信されたステータス情報がファクシミリ装置30において受信されるので、管理者は、装置内異常情報に基づいて複合機10を保守し、復旧させることができる。
【0044】
このように、本実施の形態においては、複合機10と管理者用パソコン20とがLAN21を介して接続され、かつ、複合機10とファクシミリ装置30とが電話回線31を介して接続されるので、LAN21において接続異常が発生して、ステータス情報を管理者用パソコン20に送信することができなくても、ステータス情報をファクシミリ装置30に確実に送信することができる。
【0045】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 複合機10において異常が発生するのを待機する。複合機10において異常が発生した場合はステップS2に進む。
ステップS2 LAN21において接続異常が発生したかどうかを判断する。LAN21において接続異常が発生した場合はステップS4に、接続異常が発生していない場合はステップS3に進む。
ステップS3 ステータス情報をLAN21を介して管理者用パソコン20に送信し、処理を終了する。
ステップS4 送信先電話番号が登録されているかどうかを判断する。送信先電話番号が登録されている場合はステップS6に、送信先電話番号が登録されていない場合はステップS5に進む。
ステップS5 送信先電話番号が登録されていないことを通知するメッセージを表示部13bに表示し、処理を終了する。
ステップS6 装置情報を読み出し、送信先電話番号を表示部13bに表示する。
ステップS7 ステータス情報を電話回線31を介してファクシミリ装置30に送信する。
ステップS8 ステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断する。ステータス情報の送信が正常に終了した場合は処理を終了し、送信が正常に終了していない場合はステップS9に進む。
ステップS9 送信を再び行う。
ステップS10 ステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断する。ステータス情報の送信が正常に終了した場合は処理を終了し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合はステップS9に戻る。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0047】
図7は本発明の第2の実施の形態における遠隔保守システムの制御ブロック図である。
【0048】
この場合、保守・管理部としてのコールセンタに、管理者が使用する遠隔保守端末としての管理者用パソコン20、管理者が画像を送受信する通常の形態で使用する主外部装置としての、かつ、第1の画像送受信装置としてのファクシミリ装置30、及び管理者が前記ファクシミリ装置30の代替用として使用する副外部装置としての、かつ、第2の画像送受信装置としてのファクシミリ装置40が配設され、画像処理装置としての複合機10と管理者用パソコン20とが第1の通信回線としての、かつ、ネットワークとしてのLAN21を介して、複合機10とファクシミリ装置30及びファクシミリ装置40とが第2の通信回線としての電話回線31を介して接続される。複合機10、管理者用パソコン20、LAN21、ファクシミリ装置30、40、電話回線31等によって遠隔保守システムが構成される。
【0049】
また、複合機10は制御部12を備え、該制御部12は、ファクシミリ装置30、40の電話番号をそれぞれ送信先電話番号及び代替送信先電話番号として登録する電話番号登録処理手段としての電話番号登録処理部12a、装置内異常情報(第1の異常情報)及び接続異常情報(第2の異常情報)を管理する異常情報管理処理手段としての異常情報管理部12b、並びにコールセンタへの前記装置内異常情報及び接続異常情報の送信を指示する異常情報送信指示処理手段としての送信指示部12cを備える。
【0050】
そして、前記複合機10は、記憶装置としての記憶部14を備え、該記憶部14は、前記ファクシミリ装置30の電話番号が送信先電話番号として記録された送信先電話番号記憶部14a、前記装置情報が記録された装置情報記憶部14b、及び前記ファクシミリ装置40の電話番号が代替送信先電話番号として記録された代替送信先電話番号記憶部14cを備える。前記送信先電話番号記憶部14a、装置情報記憶部14b及び代替送信先電話番号記憶部14cは、いずれも、ROM(不揮発性メモリであるEEPROM、FlashROM等)から成る。
【0051】
ところで、例えば、前記複合機10の初期設定時に、前記電話番号登録処理部12aは、表示部13bに電話番号登録画面を形成し、該電話番号登録画面に、送信先電話番号及び代替送信先電話番号の入力を促すメッセージを表示する。
【0052】
そして、操作者が入力部13aを操作して、ファクシミリ装置30、40の電話番号を入力すると、前記電話番号登録処理部12aは、入力されたファクシミリ装置30の電話番号を送信先電話番号として、ファクシミリ装置40の電話番号を代替送信先電話番号として前記電話番号登録画面に表示するとともに、送信先電話番号を前記送信先電話番号記憶部14aに、代替送信先電話番号を代替送信先電話番号記憶部14cに記録する。このようにして、前記電話番号登録処理部12aは、複合機10に送信先電話番号及び代替送信先電話番号を登録する。
【0053】
次に、複合機10において異常が発生したときの前記遠隔保守システムの動作について説明する。
【0054】
図8は本発明の第2の実施の形態における遠隔保守システムの動作を示す第1のフローチャート、図9は本発明の第2の実施の形態における遠隔保守システムの動作を示す第2のフローチャートである。
【0055】
複合機10においてジャム、トナー切れ等の異常が発生すると、前記異常情報管理部12bは装置内異常情報を収集し、制御部12の前記装置内異常発生判断処理手段は、異常情報管理部12bによって装置内異常情報が収集されたかどうかによって、複合機10において異常が発生したかどうかを判断する。
【0056】
複合機10において異常が発生した場合、制御部12の前記接続異常発生判断処理手段は、異常情報管理部12bによって接続異常情報が収集されたかどうかによって、LAN21において接続異常が発生したかどうかを判断する。
【0057】
LAN21において接続異常が発生していない場合、前記送信指示部12cは、異常情報管理部12bから装置内異常情報を読み込むとともに、装置情報記憶部14bから装置情報を読み出し、主送信処理手段としてのLAN送信部11aに送り、該LAN送信部11aにステータス情報を送信するように指示する。
【0058】
そして、前記LAN送信部11aは、装置内異常情報及び装置情報をステータス情報としてLAN21を介して管理者用パソコン20に送信する。
【0059】
したがって、複合機10から送信されたステータス情報が管理者用パソコン20において受信されるので、管理者は、装置内異常情報に基づいて複合機10を保守し、復旧させることができる。
【0060】
また、LAN21において接続異常が発生した場合、制御部12の前記登録判断処理手段は、送信先電話番号記憶部14aを参照し、送信先電話番号記憶部14aに送信先電話番号が記録されているかどうかによって、複合機10に送信先電話番号が登録されているかどうかを判断する。
【0061】
送信先電話番号が登録されていない場合、前記電話番号登録処理部12aは、表示部13bに登録状態通知画面を形成し、該登録状態通知画面に、図5に示されるような、送信先電話番号が登録されていないことを通知するメッセージを表示する。
【0062】
そして、操作者が入力部13aを操作して、送信先電話番号を入力すると、前記電話番号登録処理部12aは、入力された送信先電話番号を前記登録状態通知画面に表示するとともに、前記送信先電話番号記憶部14aに記録する。
【0063】
また、送信先電話番号が登録されている場合、前記送信指示部12cは、異常情報管理部12bから装置内異常情報及び接続異常情報を読み込むとともに、装置情報記憶部14bから装置情報を読み出し、該装置情報を前記送信部15に送り、送信部15にステータス情報を送信するように指示する。続いて、送信指示部12cは、表示部13bに送信状態通知画面を形成し、該送信状態通知画面に前記送信先電話番号を表示する。
【0064】
そして、送信部15は、図6に示されるような、装置内異常情報、接続異常情報及び装置情報をステータス情報として電話回線31を介してファクシミリ装置30に送信する。
【0065】
続いて、制御部12の前記送信終了判断処理手段は、送信部15によるステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合、前記送信部15は送信を再び行い(リトライし)、前記送信終了判断処理手段は、送信部15によるステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを再び判断する。
【0066】
ステータス情報の送信が再び正常に終了していない場合、制御部12の前記登録判断処理手段は、代替送信先電話番号記憶部14cを参照し、代替送信先電話番号記憶部14cに代替送信先電話番号が記録されているかどうかによって、複合機10に代替送信先電話番号が登録されているかどうかを判断する。
【0067】
代替送信先電話番号が登録されていない場合、前記電話番号登録処理部12aは、表示部13bに登録状態通知画面を形成し、該登録状態通知画面に、代替送信先電話番号が登録されていないことを通知するメッセージを表示する。
【0068】
そして、操作者が入力部13aを操作して、ファクシミリ装置40の電話番号を入力すると、前記電話番号登録処理部12aは、入力されたファクシミリ装置40の電話番号を代替送信先電話番号として前記登録状態通知画面に表示するとともに、前記代替送信先電話番号記憶部14cに記録する。
【0069】
また、代替送信先電話番号が登録されている場合、前記送信指示部12cは、異常情報管理部12bから装置内異常情報及び接続異常情報を読み込むとともに、装置情報記憶部14bから装置情報を読み出し、該装置情報を前記送信部15に送り、送信部15にステータス情報を送信するように指示する。続いて、送信指示部12cは、表示部13bに送信状態通知画面を形成し、該送信状態通知画面に前記代替送送信先電話番号を表示する。
【0070】
そして、送信部15は、図6に示されるような、装置内異常情報、接続異常情報及び装置情報をステータス情報として電話回線31を介してファクシミリ装置40に送信する。
【0071】
続いて、制御部12の前記送信終了判断処理手段は、送信部15によるステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合、前記送信部15は送信を再び行い(リトライし)、前記送信終了判断処理手段は、送信部15によるステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを再び判断する。
【0072】
このようにして、複合機10から送信されたステータス情報がファクシミリ装置30、40において受信されるので、管理者は、装置内異常情報に基づいて複合機10を保守し、復旧させることができる。
【0073】
このように、本実施の形態においては、複合機10と管理者用パソコン20とがLAN21を介して接続され、かつ、複合機10とファクシミリ装置30、40とが電話回線31を介して接続されるので、LAN21において接続異常が発生して、ステータス情報を管理者用パソコン20に送信することができず、更にファクシミリ装置30に異常が発生してステータス情報をファクシミリ装置30に送信することができなくても、ステータス情報をファクシミリ装置40に確実に送信することができる。
【0074】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 複合機10において異常が発生するのを待機する。複合機10において異常が発生した場合はステップS12に進む。
ステップS12 LAN21において接続異常が発生したかどうかを判断する。LAN21において接続異常が発生した場合はステップS14に、接続異常が発生していない場合はステップS13に進む。
ステップS13 ステータス情報をLAN21を介して管理者用パソコン20に送信し、処理を終了する。
ステップS14 送信先電話番号が登録されているかどうかを判断する。送信先電話番号が登録されている場合はステップS16に、送信先電話番号が登録されていない場合はステップS15に進む。
ステップS15 送信先電話番号が登録されていないことを通知するメッセージを表示部13bに表示し、処理を終了する。
ステップS16 装置情報を読み出し、送信先電話番号を表示部13bに表示する。
ステップS17 ステータス情報を電話回線31を介してファクシミリ装置30に送信する。
ステップS18 ステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断する。ステータス情報の送信が正常に終了した場合は処理を終了し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合はステップS19に進む。
ステップS19 送信を再び行う。
ステップS20 ステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断する。ステータス情報の送信が正常に終了した場合は処理を終了し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合はステップS21に進む。
ステップS21 代替送信先電話番号が登録されているかどうかを判断する。代替送信先電話番号が登録されている場合はステップS22に、代替送信先電話番号が登録されていない場合はステップS23に進む。
ステップS22 装置情報を読み出し、代替送信先電話番号を表示部13bに表示する。
ステップS23 代替送信先電話番号が登録されていないことを通知するメッセージを表示部13bに表示し、処理を終了する。
ステップS24 ステータス情報を電話回線31を介してファクシミリ装置40に送信する。
ステップS25 ステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断する。ステータス情報の送信が正常に終了した場合は処理を終了し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合はステップS26に進む。
ステップS26 送信を再び行う。
ステップS27 ステータス情報の送信が正常に終了したかどうかを判断する。ステータス情報の送信が正常に終了した場合は処理を終了し、ステータス情報の送信が正常に終了していない場合はステップS26に戻る。
【0075】
前記各実施の形態においては、画像処理装置として複合機10が使用されるようになっているが、画像処理装置としてプリンタ、複写機等を使用することができる。
【0076】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0077】
10 複合機
11 LAN接続部
12b 異常情報管理部
12c 送信指示部
15 送信部
20 管理者用パソコン
21 LAN
30、40 ファクシミリ装置
31 電話回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者が使用する遠隔保守端末と第1の通信回線を介して接続され、かつ、管理者が使用する外部装置と第2の通信回線を介して接続された画像処理装置において、
(a)該画像処理装置を前記第1の通信回線に接続するための第1の通信回線接続部と、
(b)前記画像処理装置を前記第2の通信回線に接続するための第2の通信回線接続部と、
(c)画像処理装置において発生した異常の内容を表す装置内異常情報、及び前記第1の通信回線において発生した接続異常の内容を表す接続異常情報を収集する異常情報管理部と、
(d)前記第1の通信回線において接続異常が発生していない場合に、前記装置内異常情報を遠隔保守端末に送信するように第1の通信回線接続部に指示し、前記第1の通信回線において接続異常が発生した場合に、前記装置内異常情報を外部装置に送信するように第2の通信回線接続部に指示する送信指示部とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
(a)前記外部装置の電話番号を登録する電話番号登録処理部を有するとともに、
(b)前記第2の通信回線は電話回線であり、
(c)前記第2の通信回線接続部は、前記装置内異常情報を電話回線を介して外部装置に送信する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
(a)前記外部装置は、主外部装置、及び該主外部装置の代替用の副外部装置から成り、
(b)前記送信指示部は、主外部装置への送信が正常に終了しない場合に、前記装置内異常情報を副外部装置に送信するように第2の通信回線接続部に指示する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
管理者が使用する遠隔保守端末と画像処理装置とが第1の通信回線を介して接続され、かつ、管理者が使用する外部装置と画像処理装置とが第2の通信回線を介して接続された遠隔保守システムにおいて、
(a)前記画像処理装置を前記第1の通信回線に接続するための第1の通信回線接続部と、
(b)前記画像処理装置を前記第2の通信回線に接続するための第2の通信回線接続部と、
(c)画像処理装置において発生した異常の内容を表す装置内異常情報、及び前記第1の通信回線において発生した接続異常の内容を表す接続異常情報を収集する異常情報管理部と、
(d)前記第1の通信回線において接続異常が発生していない場合に、前記装置内異常情報を遠隔保守端末に送信するように第1の通信回線接続部に指示し、前記第1の通信回線において接続異常が発生した場合に、前記装置内異常情報を外部装置に送信するように第2の通信回線接続部に指示する送信指示部とを有することを特徴とする遠隔保守システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−222423(P2012−222423A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83388(P2011−83388)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】