説明

画像処理装置,画像処理方法,プログラム,および記録媒体

【課題】 システム全体でのコストを抑える。
【解決手段】 複写機(D機)104は、原稿から読み取った画像(入力画像)に対して所定の画像処理(高圧縮PDFファイル変換等)が必要なとき、その画像処理を行う画像処理部が自機に備えられているかどうかを判定する。そして、画像処理部が自機に備えられていない場合に、その画像処理部が他の複写機101〜103に備えられているかどうかをテーブル内の情報を参照して判定する。そして、画像処理部が他の複写機100〜103のいずれかに備えられている場合に、その画像処理部が備えられている他の複写機へ所定の画像処理の実行を依頼して原稿から読み取った画像を送信し、その画像処理が行われた画像を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置(複合機,複写機,ファクシミリ装置,プリンタ等)などの画像処理装置、その画像処理装置における画像処理方法、その画像処理装置を制御するコンピュータ(CPU)に実行させるプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機能を持つ複写機やプリンタ等の画像形成装置(機器)では、種々の画像を扱うため、画像変換を行う画像処理手段を備えている場合が多い。
例えば、画像を2値/多値分離してから圧縮することによって高圧縮PDFファイルを作成(高圧縮PDFファイルに変換)したり、コピー高画質画像をファクス送信用解像度の画像に変換するなど、所定の画像処理を行ってから送信することは、画像を受け取る相手先の機器、例えばPC(パーソナルコンピュータ)側の負荷を減らすためにも重要である。
【0003】
しかしながら、これらの画像処理を高速で行おうとすると、画像処理手段として、専用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアが必要になり、一般的には機器がコストアップする要因となる。
一方、高圧縮PDFファイル作成等の利用頻度が、通常のプリント印刷やコピー作業に比較してさほど多くない機器もあり、それらの機器に高価な専用ASICを装着することは経済的ではない。
【0004】
そこで、そのような問題を解消するため、画像処理やレンダリング処理をサーバで肩代わりしたり、複数の画像形成装置に振り分けて処理する技術が既に公開されている(例えば特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特許第3591259号公報
【特許文献2】特開2005−323351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれも負荷の分散による高速化が目的であり、サーバを中心としたシステムであるため規模が大きく、コストダウンにはつながらない。
また、特許文献1に記載のものは、自機が印刷する印刷用データに対する処理をネットワーク上の他のデバイスに依頼するプリンタを含むネットワークシステム並びにネットワーク印刷方法に関するものであり、目的としては、負荷の分散および処理速度の向上であるが、プリンタ印刷に限定している。
特許文献2に記載のものは、クライアント装置からネットワークを介して画像処理装置に印刷処理を要求した場合に、ネットワークに接続された他の装置状態を把握し、最も効率良く印刷処理されるように分散委託できるようにするものであり、目的はプリンタ印刷の負荷分散である。
【0006】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、システムを構成する互いに通信可能な複数の画像処理装置のうち、少なくとも1台の画像処理装置が画像読取手段等の画像入力手段からの入力画像に対して所定の画像処理を行う画像処理手段を備えている場合、他の画像処理装置で必要となった画像処理を、画像処理手段を持っている画像処理装置に依頼して行わせるようにして、システム全体でのコストを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の目的を達成するため、画像処理装置、その画像処理装置における画像処理方法、その画像処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
請求項1の発明による画像処理装置は、他の画像処理装置と通信する通信手段と、画像を入力する画像入力手段とを有し、該画像入力手段からの入力画像を処理するようにした画像処理装置であって、上記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、該画像処理手段が備えられている上記他の画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼して上記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信する制御手段を設けたものである。
【0008】
請求項2の発明による画像処理装置は、請求項1の画像処理装置において、上記制御手段が、上記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられているかどうかを判定する第1の判定手段を備え、該第1の判定手段によって上記画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていないと判定された場合に、該画像処理手段が備えられている上記他の画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼して上記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信するものである。
【0009】
請求項3の発明による画像処理装置は、請求項2の画像処理装置において、上記画像処理手段が上記他の画像処理装置に備えられているかどうかを示す情報を記憶する他装置情報記憶手段を設け、上記制御手段が、上記第1の判定手段によって上記画像処理手段が当該画像処理装置に備えていないと判定された場合に、該画像処理手段が上記他の画像処理装置に備えられているかどうかを上記他装置情報記憶手段内の情報を参照して判定する第2の判定手段を備え、該第2の判定手段によって上記画像処理手段が上記他の画像処理装置に備えられていると判定された場合に、該他の画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼して上記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信するものである。
【0010】
請求項4の発明による画像処理装置は、請求項2の画像処理装置において、上記制御手段が、上記第1の判定手段によって上記画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていないと判定された場合に、該画像処理手段が上記他の画像処理装置に備えられているかどうかを該他の画像処理装置に対して問い合わせする問合手段を備え、該問合手段による問い合わせに対して上記他の画像処理装置から上記画像処理手段が備えられている旨の返答を受けた場合に、該他の画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼して上記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信するものである。
【0011】
請求項5の発明による画像処理装置は、請求項4の画像処理装置において、上記制御手段に、上記問合手段による問い合わせに対して、上記他の画像処理装置から上記画像処理手段が備えられていない旨の返答を受けた場合、あるいは所定時間経過しても何の返答も受けなかった場合に、上記他の画像処理装置には上記画像画像処理手段が備えられていないと判断して動作を中止すると共に、上記所定の画像処理が行われなかった旨を表示する手段を備えたものである。
【0012】
請求項6の発明による画像処理装置は、請求項4の画像処理装置において、上記通信手段わ、複数の他の画像処理装置と通信する手段とし、上記複数の他の画像処理装置がそれぞれ画像処理を行う場合の優先順位を示す情報を記憶する優先順位情報記憶手段を設け、上記制御手段に、上記問合手段による問い合わせに対して上記複数の他の画像処理装置から上記画像処理手段が備えられている旨の返答を受けた場合に、該各画像処理装置のうち、どの画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼するかを上記優先順位情報記憶手段内の情報を参照して決定する手段を備えたものである。
【0013】
請求項7の発明による画像処理装置は、請求項3の画像処理装置において、上記他の画像処理装置から上記画像処理手段が備えられているかどうかを示す情報を受信した場合に、該情報に基づいて上記他装置情報記憶手段内の情報を更新する情報更新手段を設けたものである。
【0014】
請求項8の発明による画像処理装置は、請求項3の画像処理装置において、所定時間毎に、上記画像処理手段が上記他の画像処理装置に備えられているかどうかを該他の画像処理装置に対して問い合わせする問合手段と、該問合手段による問い合わせに対して、上記他の画像処理装置から上記画像処理手段が備えられているかどうかを示す情報を受信した場合には、該情報に基づいて上記他装置情報記憶手段内の情報を更新し、所定時間経過しても何の返答も受けなかった場合には、上記他の画像処理装置の上記画像処理手段を利用できないと判断して、上記他装置情報記憶手段内の情報を上記画像処理手段を利用できない旨を示す情報に更新する情報更新手段とを設けたものである。
【0015】
請求項9の発明による画像処理装置は、請求項3の画像処理装置において、上記他装置情報記憶手段内に、上記画像処理手段が上記他の画像処理装置に備えられている旨を示す情報が記憶されている場合に、上記画像処理手段による画像処理を必要とする機能が利用できる旨を表示する利用可能表示手段を設けたものである。
【0016】
請求項10の発明による画像処理方法は、他の画像処理装置と通信する通信手段と、画像を入力する画像入力手段とを有し、該画像入力手段からの入力画像を処理するようにした画像処理装置における画像処理方法であって、上記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、該画像処理手段が備えられている上記他の画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼して上記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信するものである。
【0017】
請求項11の発明によるプログラムは、他の画像処理装置と通信する通信手段と、画像を入力する画像入力手段とを有し、該画像入力手段からの入力画像を処理するようにした画像処理装置を制御するコンピュータに、上記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、該画像処理手段が備えられている上記他の画像処理装置へ上記所定の画像処理の実行を依頼して上記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信する制御機能を実現するためのプログラムである。
請求項12の発明による記録媒体は、請求項11のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、画像処理装置が、画像入力手段からの入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、その画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、その画像処理手段が備えられている他の画像処理装置へ所定の画像処理の実行を依頼して入力画像を送信し、その画像処理が行われた画像を受信することにより、自機に画像処理部(ハードウェア)を備えていなくても、入力画像に対して所定の画像処理(高度な画像処理)を行うことが可能になるため、システム全体として考えた場合にコストダウンを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお、この実施形態では、複数の画像処理装置を備えた画像処理装置システムとして、複数の複写機を備えた複写機システムを用いた例について説明する。
〔複写機システムの構成〕
まず、この発明の一実施形態である複写機システムの構成について、図1を参照して説明する。
【0020】
図1は、その複写機システムの概要例を示す図である。
この複写機システムでは、それぞれ複合機能を有する複数の複写機101〜104(A機〜D機)がLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク100に接続され、それぞれの間で通信可能に接続してコマンド通信や画像(画像データ)のやり取りができるようになっている。
【0021】
〔複写機の構成〕
次に、図1の複写機101〜104の主要なハードウェア構成について、図2を参照して説明する。
図2は、その複写機101〜104の主要なハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0022】
複写機101〜104はそれぞれ、図2に示すように、LD1,CCD2,書込信号処理部3,CPU4,ROM5,RAM6,スキャナ信号処理部7,FCU8,NIC9,HDD10,NVRAM11,画像処理部12,および操作部13を備えている。
LD1は、画像を形成するエンジン部(画像形成手段)に備えている、画像を感光体(像担持体)上に書き込むためのレーザダイオードであり、書込信号処理部3からの書込信号を受け、その書込信号に応じて変調(ON/OFF)し、対応するレーザ光を射出することにより、感光体上に潜像が形成される。
【0023】
CCD2は、原稿の画像を読み取るスキャナ部(画像入力手段)に備えている、原稿の画像読み取りのためのCCD(Charge Coupled Device)センサである。
書込信号処理部3は、入力される書込信号に対して所定の最小限の画像処理を施し、その画像処理後の書込信号をLD1へ出力するものである。
CPU4は、この複写機101全体を統括制御する中央処理装置である。
ROM5は、CPU4が実行するプログラム(ソフトウェア)や固定データを記憶している固定メモリである。
【0024】
RAM6は、各種プログラムを記憶するプログラムメモリや、CPU4がデータ処理を行う際に使用するワークメモリ、画像を記憶する画像メモリ等として使用する読み書き可能なメモリである。
スキャナ信号処理部7は、スキャナ部による原稿画像読み取り時にCCD2から入力されるスキャナ信号(画像データ)に対してシェーディング等の所定の最小限の画像処理を施すものである。
FCU8は、例えばファクシミリ装置又はモデム機能(ファクス通信機能)を有するデジタル複写機や他の複写機(以下単に「他機」ともいう)等の画像形成装置を含む外部機器との通信を公衆回線経由で制御するファクス・コントロール・ユニットである。
【0025】
NIC9は、他機や図示しないPCを含む外部機器との通信(画像の送受信を含む)をネットワーク100経由で制御するネットワーク・インタフェース・カード(ネットワーク通信手段)である。
HDD10は、大量の画像やOS(オペレーティングシステム)を含むプログラム等の各種データを記憶保持するハードディスク装置であり、複数枚の原稿の画像を読み込んでソート印刷したりする場合に使用する。なお、このHDD10に、上述したRAM6内のデータやNVRAM11内のデータを記憶しておくこともできる。
【0026】
NVRAM11は、変更可能な種々のパラメータを含む各種のデータを記憶する不揮発性メモリであり、電源がオフになっても記憶内容を保持するようになっている。なお、このNVRAM11として、RAMと電池を利用したバックアップ回路を集積した不揮発性RAMや、EEPROM,フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを使用することができる。このNVRAM11もしくはHDD10が、他装置情報記憶手段および優先順位情報記憶手段としての機能を果たす。
【0027】
画像処理部12は、高度な画像処理を行うためのハードウェア(画像処理手段)であり、スキャナ部で読み取った原稿の画像をJPEG圧縮したり、2値/多値部分に分離してから圧縮して高圧縮PDFファイルに変換したり、高画質フォーマットのコピー画像(コピー多値画像)をファクス用又はプリンタ(エンジン部)用の低解像度の2値画像に高速で変換するなど、所定の画像処理を行う機能を備えている。この画像処理部12は、ソケットにより、ユーザやCE(サービスエンジニア)が着脱することができる。
【0028】
操作部13は、当該複写機に対する動作指示等のデータを入力するための各種の操作キー(操作スイッチ又は操作ボタンともいう)およびLCD又はCRT等の表示器を有する操作手段である。その表示器は、その表面にタッチパネルを備えることができる。この実施形態では、そのタッチパネル上に各種設定を行うための操作画面を表示し、その画面上の各キーを選択的にタッチ(押下)することにより、対応する指示を発行することができる。
【0029】
ここで、CPU4は、当該複写機の電源投入時に、ROM5内のブートローダ(ブートプログラム)に従い、HDD10内のOSを読み出し、それをRAM6にロードして展開した後、そのOSを起動させる。更に、HDD10内の他のプログラムを含む各種データも必要に応じてRAM6にロードして展開する。そして、RAM6内のプログラムを必要に応じて実行し、NIC9や操作部13を含む機器の制御を行うことにより、この発明に関わる機能である制御手段,情報更新手段,問合手段,および利用可能表示手段としての機能を実現することができる。
【0030】
このように構成された複写機101〜104において、スキャナ部によって原稿画像を読み取った時にCCD2から入力されたスキャナ信号(画像データ)は、スキャナ信号処理部7に送られ、そこで最小限の画像処理が施されてからRAM6(画像メモリ)に画像として記憶される。
そして、通常のコピー動作の場合は、このRAM6上の画像が書込信号処理部3経由でLD1に送られ、変調駆動がなされて対応するレーザ光が射出されることにより、感光体上への潜像形成を含む印刷処理(画像形成処理)が行われる。
また、ファクス送信の場合は、RAM6上の画像はFCU8に送られ、規格に沿った圧縮処理が施された後、公衆回線に送信される。
【0031】
以下、複写機101〜104によるこの発明に関わる処理動作の各実施例について、図3〜図14を参照して具体的に説明する。
〔第1実施例〕
まず、第1実施例について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、図1の複写機104(D機)のNVRAM11に保持したネットワーク100上の他機に関する情報を記憶するテーブルの一例を示す図である。
【0032】
この例では、複写機104(D機)のNVRAM11に保持しているテーブルを示しており、このテーブルには、他の複写機101〜103(A機〜C機)に関する情報、つまり、その各複写機毎に、画像処理部(画像処理ユニット)12の有無および画像処理部12を使って画像処理を行う場合の優先順位を示す情報(フラグ)がそれぞれ記憶されている。
このテーブル情報では、複写機101(A機)と複写機103(C機)に画像処理部12が備えられていることが示されており、また、それを使って画像処理を行う場合の優先順位は、複写機101(A機)が最優先であることが示されている。
【0033】
なお、このテーブル情報の内容の更新は、後で説明する他機からの通信情報による方法で行うことも可能であるが、操作部13等からマニュアルで設定することも考えられる(説明は省略)。
また、図3に示したようなテーブルは、複写機101〜103のNVRAM11にも保持することができる。
【0034】
図4は、図1の複写機104(D機)がスキャナ部によって原稿から読み取った画像を高圧縮PDFファイルのフォーマットでPCに配信する処理(複写機104による高圧縮PDFスキャナ配信処理)の第1例を示すフローチャートである。このフローチャートを含む各フローチャートにおいて、ステップを「S」と略記している。なお、他の複写機101〜103でも、図4と同様の処理を行うことができる。
【0035】
複写機104(D機)は、オペレータによる操作部13上の操作によって高圧縮PDFフォーマットでのスキャナ配信が選択され、スタートキーが押下されると、図4の処理をスタートし、まずスキャナ部によって原稿の画像を読み取り、その原稿画像を一旦HDD10に全て蓄積する(S1〜S3)。
次に、自機に所定の画像処理(この例では「高圧縮PDFファイル変換」とする)を行うことのできる画像処理部12の有無(画像処理部が備えられているかどうか)を判断(判定)し、画像処理部12があればHDD10に蓄積した原稿画像を画像処理部12によって高圧縮PDFファイルに変換し、その高圧縮PDFファイル(変換後の原稿画像)を再びHDD10に蓄積する(S4,S10)。
【0036】
もし、自機に高圧縮PDFファイル変換を行うことのできる画像処理部12がない場合には、NVRAM11上のテーブル(図3)を参照して、ネットワーク100上の他機101〜103における画像処理部12の有無をチェックし、他機101〜103のどれに画像処理部12があるか判断する。その際、画像処理部12がある他機が複数台あれば、その中から画像処理を行う場合の優先順位が最も高い複写機を選択する(S5)。図3の例では、複写機101(A機)を選択することになる。
【0037】
次に、選択した複写機101(A機)に対して、高圧縮PDFファイル変換の実行を依頼してHDD10上の原稿画像を送信し、複写機101で変換された原稿画像(高圧縮PDFファイル)が送り返されてくるのを待つ(S6,S7)。
そして、変換後の原稿画像が送り返されてきたら、それを受信して順次HDD10に蓄積し、全て蓄積が終わったら、ファイルヘッダ等の付加を行った後に、その蓄積した原稿画像(ファイル)をNIC9経由でPC(予め指定された宛先)に対して配信し(S8,S9)、図4の処理を完了する。
【0038】
次に、画像処理を請け負う側の複写機101(A機)による処理(代行処理)について、図5を参照して説明する。なお、他の複写機101〜103でも、同様の処理を行うことができる。
図5は、図1の複写機101(A機)による代行処理の一例を示すフローチャートである。
複写機101(A機)は、複写機104(D機)から高圧縮PDFファイル変換が依頼された場合に、図5の処理をスタートし、まず複写機104(D機)から高圧縮PDFファイル変換する原稿画像が送られてくると、それを受信して自機のHDD10に蓄積する(S11)。
【0039】
次に、HDD10に蓄積した原稿画像を画像処理部12によって高圧縮PDFファイルに変換し、その高圧縮PDFファイル(変換後の原稿画像)を再びHDD10に蓄積する(S4,S10)。
そして、HDD10に蓄積した変換後の原稿画像を複写機104(D機)へ送り返す(S11)。
【0040】
第1実施例によれば、以下に(A1)〜(A3)に示す作用効果を得ることができる。
(A1)複写機が、原稿から読み取った画像(入力画像)に対して所定の画像処理が必要なとき、その画像処理を行う画像処理部が自機に備えられていない場合に、その画像処理部が備えられている他の複写機へ所定の画像処理の実行を依頼して原稿から読み取った画像を送信し、その画像処理が行われた画像を受信することにより、自機に画像処理部(ハードウェア)を備えていなくても、原稿から読み取った画像に対して所定の画像処理(高度な画像処理)を行うことが可能になる。したがって、背景技術で示したようなサーバを持たず、複写機同士の通信により画像処理を行うため、システムがコンパクトになり、コスト的に有利となる。つまり、システム全体として考えた場合にコストダウンを実現することができる。
【0041】
(A2)ユーザの要求により、複写機に後から画像処理部を装着する場合があるが、この時は他の複写機に対して画像処理を依頼する必要がなくなる。
そこで、複写機が、原稿から読み取った画像に対して所定の画像処理が必要なとき、その画像処理を行う画像処理部が自機に備えられているかどうかを自動的に判定することにより、ユーザは構成変更に伴う設定変更等を意識する必要がなくなる。
【0042】
(A3)自機に画像処理部が備えられていない場合、他の複写機に対して所定の画像処理の実行を依頼することになるが、画像処理部がどの複写機に備えられているかどうかが分からなければ所定の画像処理を依頼することができない。そのため、所定の画像処理を行う場合、他の複写機への問い合わせ等により画像処理部が備えられているかどうかを確認することになるが、時間がかかる可能性がある。
そこで、自機に画像処理部が備えられていない場合、その画像処理部が他の複写機に備えられているかどうか(画像処理部の装着状況)を示す情報を記憶するテーブルを設け、画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかをテーブル内の情報を参照して判定し、画像処理部が他の複写機に備えられていれば即時に他の複写機へ所定の画像処理の実行を依頼することにより、処理時間の短縮につながる。
【0043】
〔第2実施例〕
次に、第2実施例について、図6,図7も参照して説明する。
図6は、図1の複写機104(D機)による高圧縮PDFスキャナ配信処理の第2例を示すフローチャートである。
【0044】
複写機104(D機)は、オペレータによる操作部13上の操作によって高圧縮PDFフォーマットでのスキャナ配信が選択され、スタートキーが押下されると、図6の処理をスタートし、原稿画像をHDD10に蓄積し、自機の画像処理部の有無を判定する処理(S21〜S24)までは図4のステップ1〜4までと同様である。
ここで、自機に画像処理部12が備えられていないと判断した場合、ネットワーク100上の他機に対して画像処理部12の有無を問い合わせる(S25)。
【0045】
そして、その問い合わせから所定時間(一定時間)以内に少なくとも1台以上の機器から画像処理部12がある旨の応答(返答)があったかどうかを判断し(S26)、その応答がない場合には、処理続行不可能と判断して処理を中断するが、その際にその警告メッセージを操作部13(実際には表示器の画面上)に表示して、処理が正常に完了できなかったことをオペレータ(ユーザ)に対して知らせる(S32)。図7に、その警告メッセージの表示例を示す。
【0046】
また、2台以上の機器から画像処理部12がある旨の応答があった場合には、図3に示したテーブルを参照して、その中で画像処理を行う場合の優先順位が最も高い機器を選び(S27)、その機器に対して高圧縮PDFファイル変換の実行を依頼してHDD10上の原稿画像を送信する(S28)。なお、図示は省略するが、1台の機器だけから画像処理部12がある旨の応答があった場合には、直ちにその機器に対して高圧縮PDFファイル変換の実行を依頼してHDD10上の原稿画像を送信する。
以降の処理(S29〜S31)は、図4のステップ7〜9の処理と同様のため、その説明を省略する。
【0047】
第2実施例によれば、第1実施例の上記(A1)(A2)に示した作用効果と同様の作用効果に加え、以下の(B1)〜(B3)に示す作用効果も得ることができる。
(B1)第1実施例で使用したテーブルを設ければ、画像処理部が自機に備えていない場合、その画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかをテーブル内の情報を参照して判定し、画像処理部が他の複写機に備えられていれば即時に他の複写機へ所定の画像処理の実行を依頼することが可能になるが、反面、画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかを判定するためのテーブルを設けることによるコストアップ、内容の更新維持による制御コストがかかる可能性がある。
【0048】
そこで、複写機が、画像処理部が自機に備えられていない場合、その画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかをその他の複写機に対して問い合わせし、その問い合わせに対して他の複写機から画像処理部が備えられている旨の返答を受けた場合に、その他の複写機へ所定の画像処理の実行を依頼するようにすれば、画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかを判定するためのテーブルを使う必要がなくなるため、上記懸念はなくなる。
【0049】
(B2)他の複写機にも画像処理部が備えられていない場合、画像処理を伴う動作を中止しなければ、異常画像や誤動作の原因となる。
そこで、複写機が、画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかの問い合わせに対して、他の複写機から画像処理部が備えられていない旨の返答を受けた場合、あるいは所定時間経過しても何の返答も受けなかった場合に、他の複写機には画像画像処理部が備えられていないと判断して動作を中止すると共に、所定の画像処理が行われなかった旨を表示することにより、上記の不具合を防止できる。
【0050】
(B3)画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかの問い合わせに対して複数の他の複写機から画像処理部が備えられている旨の返答を受けた場合、つまり複数の複写機で所定の画像処理の実行が可能な場合、どの複写機にその画像処理の実行を依頼するかの判断は複写機の使用頻度等により変わってくる。
そこで、複写機が、複数の他の複写機がそれぞれ画像処理を行う場合の優先順位を示す情報を記憶するテーブルを備え、画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかの問い合わせに対して複数の他の複写機から画像処理部が備えられている旨の返答を受けた場合に、その各複写機のうち、どの複写機へ所定の画像処理の実行を依頼するかをテーブル内の情報を参照して決定することにより、例えば最も使用頻度が低い複写機に所定の画像処理の実行を依頼できるため、各複写機の使用頻度を平均化することができる。
【0051】
〔第3実施例〕
次に、第3実施例について、図8,図9も参照して説明する。
複写機101〜104はそれぞれ、図3〜図5によって説明した第1実施例と同様の処理に加え、以下に示す処理も行うことができる。
図8は、図1の複写機101(A機)による電源ON(電源投入)時の処理の一例を示すフローチャートである。なお、他の複写機102〜104も図8と同様の処理を行うことができる。
図9は、図1の複写機104(D機)による他機情報更新処理の一例を示すフローチャートである。なお、他の複写機101〜103も図9と同様の処理を行うことができる。
【0052】
複写機101(A機)は、電源がONになる(他のタイミングでもよい)と、図8の処理をスタートし、自機に画像処理部12があるかどうかを判断し(S41)、その結果(画像処理部12の有無)を示す情報を他の複写機(B機〜D機)102〜104に対してネットワーク100経由で送信し(S42,S43)、図8の処理を完了する。
一方、複写機104(D機)は、複写機101(A機)から画像処理部12の有無を示す情報が送られてくると、図9の処理をスタートし、その情報を受信して図3のテーブル内のA機部分の該当箇所(画像処理部の有無を示す情報の記憶領域)に書き込む(S51,S52)。なお、他の複写機102,103(B機,C機)でも、同様の処理を行う。
【0053】
第3実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果に加え、以下に示す作用効果も得ることができる。
どの複写機に画像処理部があるかどうかをオペレータ等の操作によりいちいち設定することは面倒であるし、かつ間違いが起きやすい。
そこで、他の複写機から電源ON時等に画像処理部が備えられているかどうかを示す情報を自発的に送信し、その情報を受信した複写機が、その情報に基づいてテーブル内の情報を更新することにより、オペレータの操作無しにどの複写機も最新の構成情報を維持することができる。
【0054】
〔第4実施例〕
次に、第4実施例について、図10,図11も参照して説明する。
複写機101〜104はそれぞれ、図3〜図5によって説明した第1実施例と同様の処理に加え、以下に示す処理も行うことができる。
図10は、図1の複写機104(D機)のNVRAM11に保持したネットワーク100上の他機に関する情報を記憶するテーブルの他の例を示す図である。
【0055】
この例では、複写機104(D機)のNVRAM11に保持しているテーブルを示しており、このテーブルには、他機101〜103(A機〜C機)に関する情報、つまり、その各複写機毎に、図3と同様の情報である画像処理部12の有無および画像処理部12を使って画像処理を行う場合の優先順位を示す情報に加え、電源のON/OFFを示す情報が記憶されている。
【0056】
図11は、図1の複写機104(D機)による他機情報更新処理の他の例を示すフローチャートである。なお、他の複写機101〜103も図11と同様の処理を行うことができる。
複写機104(D機)は、電源ON後に図11の処理をスタートし、図4のテーブルに記憶(登録)されている他機(A機〜C機)101〜103に対してそれぞれ、画像処理部12の有無を問い合わせる(S61)。
【0057】
そして、その問い合わせに対して、各機器から所定時間以内に画像処理部12がある旨の応答があったかどうかを判断し(S61)、その応答がない機器の電源はONになっていないとみなして、図4のテーブル内のその機器に対応する該当個所(電源のON/OFFを示す情報の記憶領域)に「電源OFF」を示す情報を書き込む(S68)。なお、その情報は、画像処理部を利用できない旨を示す情報に相当する。
一方、所定時間内に画像処理部12がある旨又はない旨の応答があった場合には、図4のテーブル内のその応答を送信した機器に対応する該当個所(電源のON/OFFを示す情報の記憶領域)に「電源ON」を示す情報を書き込む(S63)。
【0058】
次に、応答の内容に応じて、図4のテーブル内のその応答を送信した機器に対応する該当個所(画像処理部の有無を示す情報の記憶領域)に画像処理部の有無を示す情報を書き込む。つまり、図4のテーブル内の画像処理部12がある旨の応答を送信した機器に対応する該当個所には「画像処理部あり」を示す情報を、画像処理部12がない旨の応答を送信した機器に対応する該当個所には「画像処理部なし」を示す情報をそれぞれ書き込む。
上述したステップ61〜65,67,68の処理は、ステップ66にて所定時間待った後に再度行い、複写機104(D機)の電源がONになっている間繰り返し行うようにしている。これにより、図4のテーブル情報は常に最新の状態に保たれる。
【0059】
第4実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果に加え、以下に示す作用効果も得ることができる。
複写機が、所定時間毎に画像処理部が他の複写機に備えられているかどうかをその他の複写機に対して問い合わせし、その問い合わせに対して、他の複写機から画像処理部が備えられているかどうかを示す情報を受信した場合には、その情報に基づいて自機のテーブル内の情報を更新し、所定時間経過しても何の返答も受けなかった場合には、他の複写機の画像処理部を利用できないと判断して、自機のテーブル内の情報を画像処理部を利用できない旨を示す情報に更新することにより、オペレータの操作無しにどの複写機も最新の構成情報を維持することができる。
【0060】
〔第5実施例〕
次に、第5実施例について、図12〜図14も参照して説明する。
複写機101〜104はそれぞれ、上述した第4実施例と同様の処理に加え、以下に示す処理も行うことができる。
図12は、図1の複写機104(D機)による画像処理部に関する情報の表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、他の複写機101〜103も図12と同様の処理を行うことができる。
【0061】
複写機104(D機)は、電源ON後に図12の処理をスタートし、まず図4に示したテーブルを参照することにより、画像処理部12があり、且つ電源がONになっている機器が、テーブルに登録されている他機(機器)101〜103の中に少なくとも1台あるかどうかを検索する(S71)。
もし、画像処理部12があり、且つ電源がONになっている機器が他機101〜103の中にある場合には、自機の操作部13上に画像処理部12による画像処理を必要とする機能が利用できる旨を表示する(S72)。例えば、図13に示すように、スキャナ配信のフォーマット選択画面に「高圧縮PDF」のキーを表示する。
【0062】
反対に、条件に一致する機器、つまり画像処理部12があり、且つ電源がONになっている機器が他機101〜103の中にない場合には、自機の操作部13上に画像処理部12による画像処理を必要とする機能(該当機能)が利用できない旨を表示する(S73)。例えば、図14に示すように、該当機能の表示を半輝度表示にして、オペレータに該当機能が利用できないことを知らせる。
上述したステップ71〜73の処理は、ステップ74にて所定時間待った後再度行い、複写機104(D機)の電源がONになっている間繰り返し行うことにより、常に最新の状態を操作部13上に表示することができる。
【0063】
第5実施例によれば、第4実施例と同様の作用効果に加え、以下に示す作用効果も得ることができる。
オペレータは、画像処理部による画像処理を必要とする機能、例えば画像処理部による画像処理によって得られる画像(高圧縮PDFファイル等)をPC等の外部機器に送信する機能を利用する際、その機能が利用可能かどうか予め把握しておきたい。
そこで、複写機が、自機のテーブル内に画像処理部が他の複写機に備えられている旨を示す情報が記憶されている場合に、画像処理部による画像処理を必要とする機能が利用できる旨を操作部上に表示することにより、その機能が利用可能であることを操作部上で確認できるため、機器の使い勝手がよくなる。
【0064】
以上、この発明を複写機に適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、複合機,ファクシミリ装置,プリンタ等の他の画像形成装置には勿論、そのような画像形成装置を接続可能な画像読取装置(スキャナ装置等)や、そのような画像形成装置又は画像読取装置を接続可能なパーソナルコンピュータ等の各種画像処理装置にも適用可能である。
【0065】
〔この発明に関わるプログラム〕
このプログラムは、複合機を制御するCPU(コンピュータ)に、この発明に関わる機能である制御手段,情報更新手段,問合手段,および利用可能表示手段としての機能を実現させるためのプログラムであり、このようなプログラムをCPUに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
【0066】
このようなプログラムは、はじめから画像処理装置に備えるROM、あるいは不揮発性メモリ(EEPROM,フラッシュメモリ等)、あるいはHDD(ハードディスク装置)などの記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROM、あるいはメモリカード,フレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAM等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置にインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそれらの記録媒体からこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、システムを構成する互いに通信可能な複数の画像処理装置のうち、少なくとも1台の画像処理装置が画像読取手段等の画像入力手段からの入力画像に対して所定の画像処理を行う画像処理手段を備えている場合、他の画像処理装置で必要となった画像処理を、画像処理手段を持っている画像処理装置に依頼して行わせることができるため、システム全体でのコストを抑えることができる。したがって、低コストの画像処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の一実施形態である複写機システムの概要例を示す図である。
【図2】図1の複写機101の主要なハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の複写機104(D機)のNVRAM11に保持したネットワーク100上の他機に関する情報を記憶するテーブルの一例を示す図である。
【図4】図1の複写機104(D機)による高圧縮PDFスキャナ配信処理の第1例を示すフロー図である。
【図5】図1の複写機101(A機)による代行処理の一例を示すフロー図である。
【図6】図1の複写機104(D機)による高圧縮PDFスキャナ配信処理の第2例を示すフロー図である。
【図7】図2の操作部13上に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【図8】図1の複写機101(A機)による電源ON(電源投入)時の処理の一例を示すフロー図。
【図9】図1の複写機104(D機)による他機情報更新処理の一例を示すフロー図である。
【図10】図1の複写機104(D機)のNVRAM11に保持したネットワーク100上の他機に関する情報を記憶するテーブルの他の例を示す図である。
【図11】図1の複写機104(D機)による他機情報更新処理の他の例を示すフロー図である。
【図12】図1の複写機104(D機)による画像処理部に関する情報の表示処理の一例を示すフロー図である。
【図13】図2の操作部13上に表示されるスキャナ配信のフォーマット選択画面の一例を示す図である。
【図14】同じくスキャナ配信のフォーマット選択画面の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1:LD 2:CCD 3:書込信号処理部 4:CPU 5:ROM
6:RAM 7:スキャナ信号処理部 8:FCU 9:NIC 10:HDD
11:NVRAM 12:画像処理部 13:操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、画像を入力する画像入力手段とを有し、該画像入力手段からの入力画像を処理するようにした画像処理装置であって、
前記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、該画像処理手段が備えられている前記他の画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼して前記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信する制御手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記制御手段は、前記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられているかどうかを判定する第1の判定手段を有し、該第1の判定手段によって前記画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていないと判定された場合に、該画像処理手段が備えられている前記他の画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼して前記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置において、
前記画像処理手段が前記他の画像処理装置に備えられているかどうかを示す情報を記憶する他装置情報記憶手段を設け、
前記制御手段は、前記第1の判定手段によって前記画像処理手段が当該画像処理装置に備えていないと判定された場合に、該画像処理手段が前記他の画像処理装置に備えられているかどうかを前記他装置情報記憶手段内の情報を参照して判定する第2の判定手段を有し、該第2の判定手段によって前記画像処理手段が前記他の画像処理装置に備えられていると判定された場合に、該他の画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼して前記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像処理装置において、
前記制御手段は、前記第1の判定手段によって前記画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていないと判定された場合に、該画像処理手段が前記他の画像処理装置に備えられているかどうかを該他の画像処理装置に対して問い合わせする問合手段を有し、該問合手段による問い合わせに対して前記他の画像処理装置から前記画像処理手段が備えられている旨の返答を受けた場合に、該他の画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼して前記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像処理装置において、
前記制御手段は、前記問合手段による問い合わせに対して、前記他の画像処理装置から前記画像処理手段が備えられていない旨の返答を受けた場合、あるいは所定時間経過しても何の返答も受けなかった場合に、前記他の画像処理装置には前記画像画像処理手段が備えられていないと判断して動作を中止すると共に、前記所定の画像処理が行われなかった旨を表示する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項4記載の画像処理装置において、
前記通信手段は、複数の他の画像処理装置と通信する手段であり、
前記複数の他の画像処理装置がそれぞれ画像処理を行う場合の優先順位を示す情報を記憶する優先順位情報記憶手段を設け、
前記制御手段は、前記問合手段による問い合わせに対して前記複数の他の画像処理装置から前記画像処理手段が備えられている旨の返答を受けた場合に、該各画像処理装置のうち、どの画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼するかを前記優先順位情報記憶手段内の情報を参照して決定する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項3記載の画像処理装置において、
前記他の画像処理装置から前記画像処理手段が備えられているかどうかを示す情報を受信した場合に、該情報に基づいて前記他装置情報記憶手段内の情報を更新する情報更新手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項3記載の画像処理装置において、
所定時間毎に、前記画像処理手段が前記他の画像処理装置に備えられているかどうかを該他の画像処理装置に対して問い合わせする問合手段と、
該問合手段による問い合わせに対して、前記他の画像処理装置から前記画像処理手段が備えられているかどうかを示す情報を受信した場合には、該情報に基づいて前記他装置情報記憶手段内の情報を更新し、所定時間経過しても何の返答も受けなかった場合には、前記他の画像処理装置の前記画像処理手段を利用できないと判断して、前記他装置情報記憶手段内の情報を前記画像処理手段を利用できない旨を示す情報に更新する情報更新手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項3記載の画像処理装置において、
前記他装置情報記憶手段内に、前記画像処理手段が前記他の画像処理装置に備えられている旨を示す情報が記憶されている場合に、前記画像処理手段による画像処理を必要とする機能が利用できる旨を表示する利用可能表示手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、画像を入力する画像入力手段とを有し、該画像入力手段からの入力画像を処理するようにした画像処理装置における画像処理方法であって、
前記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、該画像処理手段が備えられている前記他の画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼して前記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、画像を入力する画像入力手段とを有し、該画像入力手段からの入力画像を処理するようにした画像処理装置を制御するコンピュータに、前記入力画像に対して所定の画像処理が必要なとき、該画像処理を行う画像処理手段が当該画像処理装置に備えられていない場合に、該画像処理手段が備えられている前記他の画像処理装置へ前記所定の画像処理の実行を依頼して前記入力画像を送信し、該画像処理が行われた画像を受信する制御機能を実現するためのプログラム。
【請求項12】
請求項11記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図7】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−212974(P2009−212974A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55389(P2008−55389)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】