説明

画像処理装置

【課題】 有線又は無線を介して所定のネットワークに接続し、該ネットワークに接続される他の端末装置とフレームを送受信する画像処理装置100のトータルコストアップを抑えること。
【解決手段】 有線・無線判別手段9−3は、フレームが有線を介して送・受信したフレームであるか、無線を介して送・受信したフレームであるかを判別し、有線用フレーム編集・分解手段9−6は、有線・無線判別手段9−3の判別結果に基づいて、上記フレームが有線を介して送・受信したフレームであると、有線対応プロトコルに基づいて上記フレームを編集・分解し、無線用フレーム編集・分解手段9−4は、有線・無線判別手段9−3の判別結果に基づいて、上記フレームが無線を介して送・受信したフレームであると、無線対応プロトコルに基づいて上記フレームを編集・分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線を介してネットワークに接続可能な画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理装置は、ネットワークに接続され、ネットワーク中の他の端末装置と交信する場合が多い。従って、画像処理装置は、複数のネットワークプロトコルに適合可能であることが求められる。従来、画像処理装置は、所定のNIC(ネットワークインタフェースカード)を介してネットワークに接続されていたため、異なるプロトコルのネットワークに接続変更する場合には、その度毎にNICを変更しなければ成らなかった。その結果、所持しておくNICをも含めた画像処理装置のトータルコストは高価なものに成っていた。
【0003】
この不都合を少しでも改良すべくNICをソフトウェアモジュールとハードウエアモジュールとに分解し、プロトコルの異なるネットワークに接続する場合に、少なくともハードウエアモジュールのみは共有出来る技術が公開されている(例えば特許文献1参照)。この技術によって複数のネットワークプロトコルに適合可能な画像処理装置のトータルコストは、幾分低下した。
【0004】
一方、近年無線LANの普及に伴って、無線を介してネットワークに接続可能である画像処理装置の出現も、強く求められている。かかる場合に、上記技術では、同じネットワークに接続する場合であっても、有線を介して接続する場合と無線を介して接続する場合では、ハードウエアモジュールが、大きく異なるために共有することが出来ない。そのため、無線専用のアダプタ装置(例えば無線LANアダプタ等)を用いる必要が有り、画像処理装置のトータルコストアップ要因の一つに成っていた。
【特許文献1】特開平6−85871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、上記従来技術では、画像処理装置を同じネットワークに接続する場合(直接他の端末装置に接続する場合を含む)であっても、無線を介してネットワークに接続する場合には、無線専用のアダプタ装置(例えば無線LANアダプタ)等を用いる必要が有ったため、画像処理装置のトータルコストアップ要因の一つに成っていた点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像処理装置では、自己をネットワークに接続する(直接他の端末装置に接続する場合を含む)インタフェース機能は、ハードウェア部分と、そのハードウェア部分を制御する制御手段とに分離され、ハードウエア部分については、有線部分と無線部分の両方を備え、制御手段については、送・受信されるフレームが有線を介するフレームであるか、無線を介するフレームであるかを判別する有線・無線判別手段と、その判別結果に基づいて、フレームが有線を介するフレームであると、有線対応プロトコルに基づいて処理する有線用フレーム編集・分解手段と、フレームが無線を介するフレームであると、無線対応プロトコルに基づいて処理する無線用フレーム編集・分解手段と、有線を介してフレームを送信又は受信する有線用フレーム送・受信手段と、無線を介してフレームを送信又は受信する無線用フレーム送・受信手段とを自己の制御手段として備えることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
無線専用のアダプタ装置等を用いずに有線及び無線の何れを介しても容易に所定のネットワークに接続(直接他の端末装置に接続する場合を含む)可能になるという効果を得る。又、有線及び無線の何れにも共通でプログラム規模の大きい部分(この部分にはIPパケット編集・分解手段関連のプログラムも含まれる)とは別個に、プログラム規模の小さい、有線用フレーム編集・分解手段及び無線用フレーム編集・分解手段を構成するので、本発明によって変更又は追加されるプログラムを最低限度に抑えることが出来るという効果をえる。更に、有線用フレーム送・受信手段と無線用フレーム送・受信手段とを、画像処理装置のCPU(中央演算処理装置)が、所定のプログラムを実行することによって構成しているので、適合する送受信規格の変更をネットワークを介して実行可能になるという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
画像処理装置をネットワークに接続する(直接他の端末装置に接続する場合を含む)インタフェース機能を、ハードウェア部分と、そのハードウェア部分を制御する制御手段とに分割し、ハードウェア部分を最低限度の規模に抑え、更に、該ハードウェア部分を制御する手段をNIC(ネットワークインタフェース回路)等に依らずに、画像処理装置の内部に備えるCPU(中央演算処理装置)の制御手段で構成した。
【実施例1】
【0009】
図1は、実施例1の画像処理装置の構成ブロック図である。
図に示すように、実施例1の画像処理装置100は、プリンタエンジン部1と、エンジンI/F部2と、ホストI/F部3と、LAN・I/F部4と、無線I/F部5と、操作/表示部6と、主記憶部7と、副記憶部8と、制御部9と、バス10とを備える。
【0010】
プリンタエンジン部1は、制御部9の制御に基づいて、印刷データを印刷媒体に印刷して出力する画像形成部分である。
エンジンI/F部2は、制御部9の制御に基づいて、プリンタエンジン部1をバス10に接続するインタフェース部分である。
ホストI/F部3は、制御部9の制御に基づいて、外部機器11バス10に接続するインタフェース部分である。
【0011】
LAN・I/F部4は、画像処理装置100を有線ネットワーク12に接続して、フレームの送受信を行うインタフェース部分であり、特に本発明では、該インタフェース部分のハードウェア部分のみを表し、OSI基本参照モデルの物理層そのものである。更に、この部分の制御は、従来技術におけるNIC(ネットワークインタフェース回路)を用いる場合と異なり、制御部9によって制御される。
【0012】
無線I/F部5は、無線ネットワーク(回線)12に接続して、フレームの送受信を行うインタフェース部分であり、特に本発明では、該インタフェース部分のハードウェア部分のみを表す。更に、この部分の制御は、従来技術における無線LANアダプタ等を用いる場合と異なり、制御部9によって制御される。
【0013】
操作/表示部6は、画像処理装置100と操作者とのマンマシンインタフェースの役割を受け持つ部分であり、キーボートスイッチ等の情報入力機構と、ディスプレイ等の情報表示機能を有している。
【0014】
主記憶部7は、制御部9が画像処理装置100を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データが予め格納されているメモリである。本実施例では、特に、画像処理制御プログラム7−1と、ネットワークプロトコル制御プログラム7−2と、無線対応プログラム7−3と、有線対応プログラム7−4とが、予め格納されている。
【0015】
ここで、画像処理制御プログラム7−1は、受信したフレームに含まれてくる画像データを印刷データに変換するために必要な全ての制御プログラム、及び、操作者が操作/表示部6を用いて入力した情報を画像データに変換するために必要な全ての制御プログラムを含む。ネットワークプロトコル制御プログラム7−2は、画像処理装置100を接続することが想定されているネットワークのプロトコルに適合させるための制御プログラムである。無線対応プログラム7−3は、画像処理装置100を所定のネットワークに無線を介して接続する場合に、上記ネットワークプロトコル制御プログラム7−2に一部付加すべき処理を制御するプログラムである。有線対応プログラム7−4は、画像処理装置100を所定のネットワークに直接(有線を介して)接続する場合に、上記ネットワークプロトコル制御プログラム7−2に一部付加すべき処理を制御するプログラムである。
【0016】
副記憶部8は、制御部9が、画像処理装置100を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データを主記憶部7から読み出して一時格納し、その制御プログラムを実行するために必要なメモリであり、その内部には、必要な制御プログラムを一時格納するプログラム格納領域8−1と、必要な制御データを一時格納するデータ格納領域8−2と、演算処理に必要な演算処理領域8−3とが設けられている。
【0017】
制御部9は、画像処理装置100全体を制御するためのCPU(中央演算処理装置)であり本実施例では特に、副記憶部8に一時格納されている制御プログラムを実行することによって画像処理手段9−1と、IPパケット編集・分解手段9−2と、有線・無線判別手段9−3と、無線用フレーム編集・分解手段9−4と、無線用フレーム送・受信手段9−5と、有線用フレーム編集・分解手段9−6と、有線用フレーム送・受信手段9−7とを構成する部分である。
【0018】
画像処理手段9−1は、受信したフレームに含まれてくる画像データを印刷データに変換する手段であるとともに、操作者が操作/表示部6を用いて入力した画像情報を画像データに変換する制御手段である。
【0019】
IPパケット編集・分解手段9−2は、受信したフレームをネットワークに適合するプロトコルに基づいて分解し、IPパケットを編集すると共に、送信すべきIPパケットをネットワークに適合するプロトコルに基づいて分解し、送信すべきフレームの構成を可能にする制御手段である。
【0020】
有線・無線判別手段9−3は、受信したフレームが有線を介して受信したフレームであるか、無線を介して受信したフレームであるかを判別する制御手段である。通常は受信したフレームに付加されてくるヘッダに基づいて判断される。又、送信すべきフレームが有線を介して送信すべきフレームであるか、無線を介して送信すべきフレームであるかを判別する手段でもある。この判断は、通常操作者が操作/表示部6を用いて入力した情報に基づいて判断されたり、予め優先するI/F(有線LANか無線LANか)を操作者が設定した情報に基づいて判断される。
【0021】
無線用フレーム編集・分解手段9−4は、上記有線・無線判別手段9−3の判別結果に基づいて、受信したフレームが無線を介して受信したフレームであると、無線対応プロトコルに基づいて分解してIPパケット編集・分解手段9−2によるIPパケット編集を可能にし、送信すべきフレームが無線を介して送信すべきフレームであると、無線対応プロトコルに基づいてフレームを構成する制御手段である。
【0022】
無線用フレーム送・受信手段9−5は、無線I/F部5を制御してフレームを送信又は受信する制御手段である。
【0023】
有線用フレーム編集・分解手段9−6は、上記有線・無線判別手段9−3の判別結果に基づいて、受信したフレームが有線を介して受信したフレームであると、有線対応プロトコルに基づいて分解してIPパケット編集・分解手段9−2によるIPパケット編集を可能にし、送信すべきフレームが有線を介して送信すべきフレームであると、有線対応プロトコルに基づいてフレームを構成する制御手段である。
【0024】
有線用フレーム送・受信手段9−7は、LAN・I/F部4を制御してフレームを送信又は受信する制御手段である。
【0025】
次に実施例1の画像処理装置の動作について説明する。
図2は、実施例1のフレーム構成図である。
この図は、実施例1の画像処理装置の動作説明の中で必要な無線用フレームの構成を示す図である。
図に示すように、実施例1に於いて用いられる無線用フレーム(一例)は、PLCPプリアンブル21と、PLCPヘッダ22と、IEEE802.11ヘッダ23と、LLCヘッダ24と、IPパケット25と、FSC26とによって構成される。
【0026】
ここでPLCPは、Physical Layer Convergence Protocolの略であって、IEEE802.11に於いて、伝送速度やMACフレームの長さ等の、OSI基本参照モデルの物理層を規定する規約(プロトコル)である。
【0027】
PLCPプリアンブル21は、同期を確立するための信号である。PLCPヘッダ22は、PLCPに準拠していることを示すヘッダである。IEEE802.11ヘッダ23は、IEEE802委員会のワーキンググループで規定されている無線LANの規約に準拠していることを示すヘッダである。LLCヘッダ24は、受信パケットが適合されるネットワーク層の規約を表している。IPパケット25は、送信すべき(画像)データである。FSC26はチェックシーケンスである。
【0028】
図3は、実施例1の送信動作のフローチャートである。
この図は、実施例1の画像処理装置の送信動作の一例を表している。図のステップS1−1からステップS1−13までステップ順に実施例1の画像処理装置の送信動作について説明する。
【0029】
ステップS1−1
操作者が操作/表示部6(図1)を用いて入力した画像情報を画像処理手段9−1(図1)が画像データに変換する。または、操作者が予め送信すべき情報(例えばアラーム情報)を指定した場合に、指定された条件が成立した場合の情報を画像処理手段9−1(図1)が送信データに変換する。この画像データまたは送信データから、IPパケット編集・分解手段9−2(図1)は、画像データを送信すべき送信先ネットワークが適合するプロトコルに基づいてIPパケットを作成する。
【0030】
ステップS1−2
このIPパケットは、副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)に格納される。
【0031】
ステップS1−3
有線・無線判別手段9−3(図1)は、IPパケットを有線を介して送信すべきか、無線を介して送信すべきかを判別する。この判別は、通常操作者が操作/表示部6を用いて入力した情報に基づいて実行される。判別結果が無線を介して送信すべき場合にはステップS1−4へ進み、判別結果が有線を介して送信すべき場合にはステップS1−9へ進む。最初にステップS1−4へ進んだ場合について説明する。
【0032】
ステップS1−4
無線用フレーム編集・分解手段9−4(図1)は、IPパケットを無線用フレームに構成する。即ち、図2に示すフレームを構成する。
ステップS1−5
この無線用フレームは、再度副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)に格納される。
【0033】
ステップS1−6
無線用フレーム送・受信手段9−5は、無線I/F部5(図1)を制御して無線ネットワーク13を介して送信先ネットワークと回線接続する。
【0034】
ステップS1−7
無線用フレーム送・受信手段9−5(図1)は、副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)から無線用フレームを読み出して順次相手先へ送信する。
【0035】
ステップS1−8
無線用フレーム送・受信手段9−5(図1)は、無線用フレームの全てを送信した後回線切断処理を実行してフローを終了する。尚、上記ステップS1−6とステップS1−7との間に必要で有れば認証処理を挿入しても良い。
【0036】
ステップS1−3からステップS1−9へ進んだ場合について説明する。
ステップS1−9
有線用フレーム編集・分解手段9−6(図1)は、IPパケットを無線用フレームに構成する。即ち、送信すべきネットワークが適合する各種のプロトコルに従ってフレームを構成する。従来から良く知られている構成なのでここでは図示しない。
ステップS1−10
この有線用フレームは、再度副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)に格納される。
【0037】
ステップS1−11
有線用フレーム送・受信手段9−7(図1)は、LAN・I/F部4(図1)を制御して有線ネットワーク12(図1)を介して送信先ネットワークと回線接続する。
【0038】
ステップS1−12
有線用フレーム送・受信手段9−7(図1)は、副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)から有線用フレームを読み出して順次相手先へ送信する。
【0039】
ステップS1−13
有線用フレーム送・受信手段9−7(図1)は、有線用フレームの全てを送信した後回線切断処理を実行してフローを終了する。尚、上記ステップS1−11とステップS1−12との間に必要で有れば認証処理を挿入しても良い。
【0040】
図4は、実施例1の受信動作のフローチャートである。
この図は、実施例1の画像処理装置の受信動作の一例を表している。図のステップS1−21からステップS1−27までステップ順に実施例1の画像処理装置の送信動作について説明する。
【0041】
ステップS1−21
有線・無線判別手段9−3(図1)は、受け入れたフレーム(例えば回線接続要求フレーム)から、有線を介しての接続要求であるか、無線を介しての接続要求であるかを判別する。この判別は、通常回線接続要求フレームに付加されているヘッダ情報に基づいて実行される。判別結果が無線を介しての接続要求の場合にはステップS1−22へ進み、判別結果が有線を介しての接続要求の場合にはステップS1−28へ進む。最初にステップS1−22へ進んだ場合について説明する。
【0042】
ステップS1−22
無線用フレーム送・受信手段9−5(図1)は、無線I/F部5(図1)を制御して無線ネットワーク13を介して送信先ネットワークと回線接続する。
【0043】
ステップS1−23
無線用フレーム送・受信手段9−5(図1)は、無線用フレームを受信し、副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)に格納する。
【0044】
ステップS1−24
無線用フレーム編集・分解手段9−4(図1)は、無線用フレームを分解してIPパケットを構成する。
ステップS1−25
画像処理手段9−1(図1)は、送信先ネットワークが適合するプロトコルに基づいてIPパケットを画像データに変換し、更に、この画像データを印刷データに変換する。
【0045】
ステップS1−26
印刷データは、副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)に格納される。
【0046】
ステップS1−27
制御部9の制御によって印刷データはエンジンI/F部2を介してプリンタエンジン部1へ送られ印刷出力されてフローを終了する。
【0047】
ステップS1−21からステップS1−28へ進んだ場合について説明する。
ステップS1−28
有線用フレーム送・受信手段9−7(図1)は、LAN・I/F部4(図1)を制御して有線ネットワーク12を介して送信先ネットワークと回線接続する。
【0048】
ステップS1−29
無線用フレーム送・受信手段9−5(図1)は、有線用フレームを受信し、副記憶部8(図1)のデータ格納領域8−2(図1)に格納する。
【0049】
ステップS1−30
有線用フレーム編集・分解手段9−6(図1)は、有線用フレームを分解してIPパケットを構成する。
【0050】
ステップS1−31
画像処理手段9−1(図1)は、送信先ネットワークが適合するプロトコルに基づいてIPパケットを画像データに変換し、更に、印刷データに変換する。
以下、既に説明したステップS1−26、ステップS1−27を通ってフローを終了する。
【0051】
以上説明したように、本実施例によれば、無線専用のアダプタ装置等を用いずに有線及び無線の何れを介しても容易に所定のネットワークに接続(直接他の端末装置に接続する場合を含む)可能になるという効果を得る。又、有線及び無線の何れにも共通でプログラム規模の大きい部分(この部分にはIPパケット編集・分解手段関連のプログラムも含まれる)とは別個に、プログラム規模の小さい、有線用フレーム編集・分解手段及び無線用フレーム編集・分解手段を構成するので、本発明によって変更又は追加されるプログラムを最低限度に抑えることが出来るという効果をえる。更に、有線用フレーム送・受信手段と無線用フレーム送・受信手段とを、画像処理装置のCPU(中央演算処理装置)が、所定のプログラムを実行することによって構成しているので、適合する送受信規格の変更をネットワークを介して実行可能になるという効果を得る。
【実施例2】
【0052】
本実施例では、本発明による画像処理装置を、MAC層、ベースバンドの形態、キャリア周波数の異なる、種々の無線ネットワークに容易に接続可能にすることを目的とする。
図5は、実施例2の画像処理装置の構成ブロック図である。
図に示すように、実施例2の画像処理装置200は、プリンタエンジン部1と、エンジンI/F部2と、ホストI/F部3と、LAN・I/F部4と、無線I/F部5と、操作/表示部6と、主記憶部17と、副記憶部8と、制御部19と、バス10とを備える。以下に実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分には、実施例1と同一の符合が付されている。
【0053】
主記憶部17は、制御部19が画像処理装置200を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データが予め格納されているメモリである。本実施例では、特に、画像処理制御プログラム7−1と、ネットワークプロトコル制御プログラム7−2と、無線対応プログラム17−1と、有線対応プログラム7−4とが、予め格納されている。
【0054】
無線対応プログラム17−1は、画像処理装置200を所定のネットワークに無線を介して接続する場合に、上記ネットワークプロトコル制御プログラム7−2に一部付加すべき処理を実行するプログラムである(ここまでは実施例1と同様)。更に、操作者の変更要求によって一部機能を設定変更するプログラムが本実施例に於いて追加される。
【0055】
制御部19は、画像処理装置200を制御するためのCPUであり本実施例では特に、副記憶部8に一時格納されている制御プログラムを実行することによって画像処理手段9−1と、IPパケット編集・分解手段9−2と、有線・無線判別手段9−3と、無線用フレーム編集・分解手段9−4と、無線用フレーム送・受信手段19−1と、有線用フレーム編集・分解手段9−6と、有線用フレーム送・受信手段9−7とを構成する部分である。
【0056】
無線用フレーム送・受信手段19−1は、無線I/F部5を介してフレームを送信又は受信する制御手段である。更に、本実施例に於いて、操作者の変更要求によって一部機能を設定変更する機能が追加される。その詳細について図を用いて説明する。
【0057】
図6は、実施例2の無線用フレーム送・受信手段の説明図である。
図に示すように、実施例2の無線用フレーム送・受信手段は、MAC設定機能19−1aと、ベースバンド設定機能19−1bと、周波数変換機能19−1cとを有している。MAC設定機能19−1aは、フレームの送受信方法、フレーム形式、誤り検出方法等を設定する機能であり、ベースバンド設定機能19−1bは、フレームの変調方法、通信モード(アドホックモード、インフラストラクチャモード等)を設定する機能であり、周波数変換機能19−1cは、無線送信のためのキャリア周波数を設定する機能である。
他の構成部分、及び動作は実施例1と同様なので説明を省略する。
【0058】
以上説明したように、本実施例では、MAC設定機能19−1aと、ベースバンド設定機能19−1bと、周波数変換機能19−1cとを有することによって、本発明による画像処理装置を、MAC層、ベースバンドの形態、キャリア周波数の異なる、種々の無線ネットワークに接続することが可能になるという効果をえる。また、本発明による画像処理装置は、NICや無線LANモジュールを用いることなく画像処理装置の内部に備えるCPUによって制御されるので、MAC設定機能19−1aと、ベースバンド設定機能19−1bと、周波数変換機能19−1c等をネットワークを介して設定・変更可能になるという効果を得る。
【実施例3】
【0059】
本実施例では、本発明による画像処理装置が、規格の異なる複数の国々へ出荷された場合、又は、現在所定の国で使用中の本発明による画像処理装置を規格の異なる他の国のネットワークへ配置する場合等を想定し、出荷された、又は、配置された、国に於いて、その国に於ける規格に容易に適合可能にすることを目的とする。
【0060】
図7は、実施例3の画像処理装置の構成ブロック図である。
図に示すように、実施例3の画像処理装置300は、プリンタエンジン部1と、エンジンI/F部2と、ホストI/F部3と、LAN・I/F部4と、無線I/F部5と、操作/表示部6と、主記憶部27と、副記憶部8と、制御部29と、バス10とを備える。以下に実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分には、実施例1と同一の符合が付されている。
【0061】
主記憶部27は、制御部29が画像処理装置300を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データが予め格納されているメモリである。本実施例では、特に、画像処理制御プログラム7−1と、ネットワークプロトコル制御プログラム7−2と、無線対応プログラム17−1と、有線対応プログラム7−4と、国別パラメータ27−1と、国別パラメータ設定プログラム27−2とが、予め格納されている。
【0062】
国別パラメータ27−1は、各国毎の無線規格をまとめたテーブルである。
図8は、実施例3の国別パラメータの説明図である。
図に示すように、実施例3の国別パラメータ(一例)は、国名31と、チャネル32と、最大出力33と、S/N比34等の情報を含んでいるテーブルである。操作者が操作/表示部6を用いて、動作モード35に於ける所定の国名を選択すると、その国の諸特性が選択される。図に示すように一例として日本が選択されると、チャネルは14に、最大出力は10mWに、S/N比は、10dBが選択されることになる。
【0063】
国別パラメータ設定プログラム27−1は、制御部29が実行することによって、画像処理装置300を上記国別パラメータ27−1に格納されている所定の国名の規格に適合設定させるプログラムである。
【0064】
制御部29は、画像処理装置300を制御するためのCPUであり本実施例では特に、副記憶部8に一時格納されている制御プログラムを実行することによって画像処理手段9−1と、IPパケット編集・分解手段9−2と、有線・無線判別手段9−3と、無線用フレーム編集・分解手段9−4と、無線用フレーム送・受信手段29−1と、有線用フレーム編集・分解手段9−6と、有線用フレーム送・受信手段9−7と、国別パラメータ設定手段29−2とを構成する部分である。
【0065】
無線用フレーム送・受信手段29−1は、無線I/F部5を介してフレームを送信又は受信する制御手段である。更に、本実施例に於いて、国別パラメータ設定手段29−2によって、国別パラメータ27−1に規定されている国毎の規格に基づいて、無線送受信規格が設定変更される。その詳細については後にフローチャートを用いて説明する。
【0066】
国別パラメータ設定手段29−2は、無線I/F部5の無線送受信規格を、操作者の変更要求によって、国別パラメータ27−1に規定されている国毎の規格に基づいて変更する手段である。他の部分は、全て実施例1と同様なので説明を省略する。
【0067】
次に本実施例によって新たに追加された国別パラメータ設定手段29−2の動作について説明する。
図9は、国別パラメータ設定手段の動作フローチャートである。
この図は、画像処理装置300が、規格の異なる複数の国々へ出荷された場合、又は、現在所定の国で使用中の画像処理装置300を規格の異なる他の国のネットワークへ配置する場合に、その国に於ける無線送受信規格に適合可能にするための無線規格設定動作である。尚、本実施例による画像処理装置300には、既に、工場出荷時に於いて、上記国別パラメータ27−1(図7)と、国別パラメータ設定プログラム27−2(図7)とが主記憶部27(図7)に格納されているものとする。ステップS3−1からステップS3−4までステップ順に説明する。
【0068】
ステップS3−1
操作者が、操作/表示部6(図7)を用いて、動作モード35に所定の国名を入力する。例えば日本が入力されたとする。
【0069】
ステップS3−2
国別パラメータ設定手段29−2は、国別パラメータ27−1から、入力された国名のパラメータ(規格)を読み出す。ここでは、日本のパラメータである、チャネル14、最大出力10mW、S/N比、10dBが選択されることになる。
【0070】
ステップS3−3
国別パラメータ設定手段29−2(図7)は、無線I/F部5(図7)の無線送受信規格を入力された国名のパラメータ(規格)、ここでは、日本のパラメータ、チャネル14、最大出力10mW、S/N比、10dBに設定又は変更してフローを終了する。以後の動作は、実施例1で説明した図3及び図4と同様なので説明を省略する。
【0071】
尚、上記説明では、工場出荷時に於いて、上記国別パラメータ27−1(図7)と、国別パラメータ設定プログラム27−2(図7)とが主記憶部27(図7)に格納されているものとしているが、本発明はこの例に限定されるものではない。即ち、必要な時期に、操作者が、操作/表示部6(図7)を用いて、無線I/F部5(図7)の無線送受信規格(図7)の動作規格を個々に入力して設定しても良い。
【0072】
以上説明したように、本実施例によれば、画像処理装置300が、規格の異なる複数の国々へ出荷された場合、又は、現在所定の国で使用中の本発明による画像処理装置300が規格の異なる他の国のネットワークへ配置された場合に、出荷された、又は、配置された国に於いて、その国に於ける規格に容易に適合可能になるという効果を得る。また、本発明による画像処理装置は、NICや無線LANモジュールを用いることなく画像処理装置の内部に備えるCPUによって制御されるので、上記規格の設定・変更をネットワークを介して実行可能になるという効果を得る。
【実施例4】
【0073】
本実施例では、上記実施例3において、複数の構成国からなる地域共通の規格が存在する場合を想定し、各国毎の規格と共に地域共通の規格にも容易に適合可能であることを目的とする。
図10は、実施例4の画像処理装置の構成ブロック図である。
図に示すように、実施例3の画像処理装置400は、プリンタエンジン部1と、エンジンI/F部2と、ホストI/F部3と、LAN・I/F部4と、無線I/F部5と、操作/表示部6と、主記憶部37と、副記憶部8と、制御部39と、バス10とを備える。以下に実施例3との相違部分のみについて説明する。実施例3と同様の部分には、実施例3と同一の符合が付されている。
【0074】
主記憶部37は、制御部39が画像処理装置300を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データが予め格納されているメモリである。本実施例では、特に、画像処理制御プログラム7−1と、ネットワークプロトコル制御プログラム7−2と、無線対応プログラム17−1と、有線対応プログラム7−4と、国別・地域別パラメータ37−1と、国別・地域別パラメータ設定プログラム37−2とが、予め格納されている。
【0075】
国別・地域別パラメータ37−1は、各国毎の無線規格をまとめたテーブルである。
図11は、国別・地域別パラメータの説明図である。
図に示すように、国別・地域別パラメータ(一例)は、国名31と、チャネル32と、最大出力33と、S/N比34の他に地域名41等の情報を含んでいるテーブルである。操作者が操作/表示部6(図10)を用いて動作モード42に於ける所定の国又は地域を選択すると、その国又は、地域の諸特性が選択される。図に示すように一例としてヨーロッパが選択されると、ヨーロッパにおいて複数の国にまたがって適用される規格(なし)によって、チャネルは13に、最大出力は32mWに、S/N比は、10dBが選択されることになる。
【0076】
国別・地域別パラメータ設定プログラム37−2は、制御部39が実行することによって、画像処理装置400を上記国別・地域別パラメータ37−1に格納されている所定の国名の規格又は、所定の地域内において複数の国にまたがって適用される規格を適合設定させるプログラムである。
【0077】
制御部39は、画像処理装置400を制御するためのCPUであり、本実施例では特に、副記憶部8に一時格納されている制御プログラムを実行することによって画像処理手段9−1と、IPパケット編集・分解手段9−2と、有線・無線判別手段9−3と、無線用フレーム編集・分解手段9−4と、無線用フレーム送・受信手段29−1と、有線用フレーム編集・分解手段9−6と、有線用フレーム送・受信手段9−7と、国別・地域別パラメータ設定手段39−1とを構成する部分である。
【0078】
国別・地域別パラメータ設定手段39−1は、無線I/F部5の無線送受信規格を、操作者の変更要求によって、国別・地域別パラメータ37−1に規定されている国毎または、所定の地域内において複数の国にまたがる規格に基づいて設定又は変更する手段である。他の部分は、全て実施例3と同様なので説明を省略する。
【0079】
次に本実施例によって新たに追加された国別・地域別パラメータ設定手段39−1の動作について説明する。
図12は、国別・地域別パラメータ設定手段の動作フローチャートである。
この図は、画像処理装置400が、規格の異なる複数の国々、又は複数の国にまたがる地域へ出荷された場合、又は、現在所定の国で使用中の本発明による画像処理装置を規格の異なる他の国、又は、複数の国にまたがる地域のネットワークへ配置する場合に、その国に於ける無線送受信規格に適合可能にするための無線規格設定動作である。尚、本実施例による画像処理装置400には、既に、工場出荷時に於いて、上記国別・地域別パラメータ37−1(図10)と、国別・地域別パラメータ設定プログラム37−2(図10)とが主記憶部37(図10)に格納されているものとする。ステップS4−1からステップS4−5までステップ順に説明する。
【0080】
ステップS4−1
操作者が、操作/表示部6(図10)を用いて、動作モード42(図11)に於ける所定の国名又は地域名を入力する。例えばヨーロッパが入力されたとする。
【0081】
ステップS4−2
国別・地域別パラメータ設定手段39−2は、国別・地域別パラメータ37−1から入力された情報が国名の場合には、ステップS4−3へ進み、地域名の場合にはステップS4−4へ進む。
【0082】
ステップS4−3
国別・地域別パラメータ設定手段39−2は、国別・地域別パラメータ37−1から入力された国名のパラメータ(規格)を読み出す。
【0083】
ステップS4−4
国別・地域別パラメータ設定手段39−2は、国別・地域別パラメータ37−1から入力された地域名で国名なしのパラメータ(規格)を読み出す。ここでは、地域名ヨーロッパで国名なしのパラメータ、チャネル13、最大出力32mW、S/N比、10dBを読み出す。
【0084】
ステップS4−5
国別・地域別パラメータ設定手段39−2(図10)は、無線I/F部5(図10)の無線送受信規格を、入力された国名、又は地域名のパラメータ(規格)、ここでは、ヨーロッパに於ける国名なしのパラメータである、チャネル13、最大出力32mW、S/N比、10dBに設定又は変更してフローを終了する。以後の動作は、実施例1で説明した図3及び図4と同様なので説明を省略する。
【0085】
尚、上記説明では、工場出荷時に於いて、上記国別・地域別パラメータ37−1(図10)と、国別パラメータ設定プログラム37−2(図10)とが主記憶部37(図10)に格納されているものとしているが、本発明はこの例に限定されるものではない。即ち、必要な時期に、操作者が、操作/表示部6(図10)を用いて、無線用フレーム送・受信手段29−1(図10)の動作規格を個々に入力して設定しても良い。
【0086】
以上説明したように、本実施例によれば、画像処理装置400が、規格の異なる複数の国々又は所定の地域へ出荷された場合、又は、現在所定の国で使用中の本発明による画像処理装置400が規格の異なる他の国、又は所定の地域のネットワークへ配置された場合に、出荷された、又は、配置された国又は地域に於いて、その国に於ける規格又は、地域内の複数の国にまたがる規格に容易に適合可能になるという効果を得る。
【実施例5】
【0087】
本実施例では、上記実施例1から実施例4に於いて、例えば、パスワード、暗号処理方法等、画像処理装置に特有の固有情報を用いる場合、又は、既に用いられている固有情報を変更する場合を想定し、これらの固有情報を容易に設定並びに変更可能にすることを目的とする。
【0088】
図13は、実施例5の画像処理装置の構成ブロック図である。
図に示すように、実施例5の画像処理装置500は、プリンタエンジン部1と、エンジンI/F部2と、ホストI/F部3と、LAN・I/F部4と、無線I/F部5と、操作/表示部6と、主記憶部47と、副記憶部8と、制御部49と、バス10とを備える。以下に実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分には、実施例1と同一の符合が付されている。
【0089】
主記憶部47は、制御部49が画像処理装置500を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データが予め格納されているメモリである。本実施例では、特に、画像処理制御プログラム7−1と、ネットワークプロトコル制御プログラム7−2と、無線対応プログラム7−3と、有線対応プログラム7−4と、固有情報47−1と、固有情報対応プログラム47−2が、予め格納されている。
【0090】
固有情報47−1は、画像処理装置500に特有の固有情報をまとめたテーブル(一例)であり、操作者が操作/表示部6を用いて予め格納する情報である。
図14は、固有情報の説明図である。
図に示すように、固有情報をまとめたテーブル(一例)は、項目51と、内容52とを含んでいる。例えば、SSID(パスワード)としてWirelessID、WEP1(暗号化方式)として012345abc等が予め操作者に依って格納されている。
【0091】
固有情報対応プログラム47−2は、制御部39が実行することによって、無線用フレーム送・受信手段29−1が送・受信するフレームを特定し、更に、暗号化し、又は解読する(一例)手段を構成するプログラムであり、操作者が操作/表示部6(図13)を用いて予め格納するプログラムである。
【0092】
制御部49は、画像処理装置500を制御するためのCPUであり本実施例では特に、副記憶部8に一時格納されている制御プログラムを実行することによって画像処理手段9−1と、IPパケット編集・分解手段9−2と、有線・無線判別手段9−3と、無線用フレーム編集・分解手段9−4と、無線用フレーム送・受信手段9−5と、有線用フレーム編集・分解手段9−6と、有線用フレーム送・受信手段9−7と、固有情報対応手段49−1とを構成する部分である。
【0093】
固有情報対応手段49−1は、固有情報47−1を用いて固有情報対応プログラム47−2を実行することによって、無線用フレーム送・受信手段29−1が送・受信するフレームを特定し(一例)、更に、暗号化し、又は解読する(一例)手段である。他の部分は、全て実施例1と同様なので説明を省略する。
【0094】
以上説明したように、本実施例では、固有情報対応手段49−1を有することによって交信内容の秘密保持を確保出来ると共に、固有情報47−1と固有情報対応プログラムとを操作者が操作/表示部6(図13)を用いて格納することが可能なので、容易に、固有情報を設定又は変更が出来るという効果を得る。また、本発明による画像処理装置は、NICや無線LANモジュールを用いることなく画像処理装置の内部に備えるCPUによって制御されるので、上記規格の設定・変更をネットワークを介して実行可能になるという効果を得る。
【実施例6】
【0095】
本実施例では、上記実施例1から実施例5に於いて、例えば、IPアドレス、SUBネットマスク、デフォルトゲートウェイ等、ネットワーク中に於ける自己のアドレスを特定するアドレス情報を容易に変更可能にすることを目的とする。
【0096】
図15は、実施例6の画像処理装置の構成ブロック図である。
図に示すように、実施例6の画像処理装置600は、プリンタエンジン部1と、エンジンI/F部2と、ホストI/F部3と、LAN・I/F部4と、無線I/F部5と、操作/表示部6と、主記憶部57と、副記憶部8と、制御部59と、バス10とを備える。
【0097】
主記憶部57は、制御部59が画像処理装置600を制御するために必要な制御プログラム、及び、制御データが予め格納されているメモリである。本実施例では、特に、画像処理制御プログラム7−1と、ネットワークプロトコル制御プログラム7−2と、無線対応プログラム7−3と、有線対応プログラム7−4と、アドレス情報57−1と、アドレス情報・設定・変更プログラム57−2が、予め格納されている。
【0098】
アドレス情報57−1は、画像処理装置600が配置されているネットワーク中における自己の関係するアドレス情報をまとめたテーブル(一例)であり、操作者が操作/表示部6を用いて予め格納する情報である。
【0099】
図16は、アドレス情報の説明図である。
図に示すように、アドレス情報をまとめたテーブル(一例)は、項目61と、内容62とを含んでいる。例えば、IPアドレスとして、172.168.0.1、SUBネットマスクとして255.255.255.0等の数値が、予めネットワーク管理者等によってネットワークを介して格納されている。
アドレス情報・設定・変更プログラム57−2は、制御部39が実行することによって、自己のアドレスを設定又は変更するプログラムである。
【0100】
アドレス情報・設定・変更手段59−1は、ネットワーク管理者等によって入力されたアドレス情報をネットワークを介して受け入れたときアドレス情報・設定・変更プログラム57−2を実行することによって無線用フレーム送・受信手段29−1が送・受信するフレームを特定する手段である。他の部分は、全て実施例1と同様なので説明を省略する。
【0101】
以上説明したように、本実施例では、アドレス情報・設定・変更手段59−1を有することによってネットワーク共通情報(アドレス情報等)をネットワーク中の他の端末機器によって有線、又は、無線を介して容易に設定又は変更が出来るという効果を得る。また、本発明による画像処理装置は、NICや無線LANモジュールを用いることなく画像処理装置の内部に備えるCPUによって制御されるので、上記規格の設定・変更をネットワークを介して実行可能になるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0102】
上記説明では、本発明を構成する各手段の全てについて、CPUが所定のプログラムを実行することによって構成することとしているが、本発明はこの例に限定されるものではない。即ち、各手段の全部、或いは一部を専用の電子回路によって構成しても良い。又、本発明は、プリンタのみならずスキャナ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】実施例1の画像処理装置の構成ブロック図である。
【図2】実施例1のフレーム構成図である。
【図3】実施例1の送信動作のフローチャートである。
【図4】実施例1の受信動作のフローチャートである。
【図5】実施例2の画像処理装置の構成ブロック図である。
【図6】実施例2の無線用フレーム送・受信手段の説明図である。
【図7】実施例3の画像処理装置の構成ブロック図である。
【図8】実施例3の国別パラメータの説明図である。
【図9】国別パラメータ設定手段の動作フローチャートである。
【図10】実施例4の画像処理装置の構成ブロック図である。
【図11】国別・地域別パラメータの説明図である。
【図12】国別・地域別パラメータ設定手段の動作フローチャートである。
【図13】実施例5の画像処理装置の構成ブロック図である。
【図14】固有情報の説明図である。
【図15】実施例6の画像処理装置の構成ブロック図である。
【図16】アドレス情報の説明図である。
【符号の説明】
【0104】
1 プリンタエンジン部
2 エンジンI/F部
3 ホストI/F部
4 LAN・I/F部
5 無線I/F部
6 操作/表示部
7 主記憶部
7−1 画像処理制御プログラム
7−2 ネットワークプロトコル制御プログラム
7−3 無線対応プログラム
7−4 有線対応プログラム
8 副記憶部
8−1 プログラム格納領域
8−2 データ格納領域
8−3 演算処理領域
9 制御部
9−1 画像処理手段
9−2 IPパケット編集・分解手段
9−3 有線・無線判別手段
9−4 無線用フレーム編集・分解手段
9−5 無線用フレーム送・受信手段
9−6 有線用フレーム編集・分解手段
9−7 有線用フレーム送・受信手段
10 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線又は無線を介して所定のネットワークに接続し、該ネットワークに接続される他の端末装置からフレームを受信する画像処理装置であって、
前記フレームが前記有線を介して受信したフレームであるか、前記無線を介して受信したフレームであるかを判別する有線・無線判別手段と、
前記判別の結果に基づいて、前記フレームが前記有線を介して受信したフレームであると、有線対応プロトコルに基づいて前記フレームを分解する有線用フレーム分解手段と、
前記判別の結果に基づいて、前記フレームが前記無線を介して受信したフレームであると、無線対応プロトコルに基づいて前記フレームを分解する無線用フレーム編集手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
有線又は無線を介して所定のネットワークに接続し、該ネットワークに接続される他の端末装置に向けてフレームを送信する画像処理装置であって、
前記フレームが前記有線を介して送信すべきフレームであるか、前記無線を介して送信すべきフレームであるかを判別する有線・無線判別手段と、
前記判別の結果に基づいて、前記フレームが前記有線を介して送信すべきフレームであると、有線対応プロトコルに基づいて前記フレームを編集する有線用フレーム編集手段と、
前記判別の結果に基づいて、前記フレームが前記無線を介して送信すべきフレームであると、無線対応プロトコルに基づいて前記フレームを編集する無線用フレーム編集手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置に於いて、
前記有線を介して前記フレームを送信又は受信する有線用フレーム送・受信手段と、
前記無線を介して前記フレームを送信又は受信する無線用フレーム送・受信手段とを更に備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置に於いて、
前記無線用フレーム送・受信手段は、自己に適合する無線送受信規格を、前記ネットワークを介して変更され得る機能を更に有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像処理装置に於いて、
前記無線用フレーム送・受信手段は、自己に適合する国別無線送受信規格を、前記ネットワークを介して変更され得る機能を更に有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置に於いて、
前記国別無線送受信規格には、複数の国を含む地域別無線送受信規格を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項3に記載の画像処理装置に於いて、
前記無線用フレーム送・受信手段は、自己の固有情報を、前記ネットワークを介して変更され得る機能を更に有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項3に記載の画像処理装置に於いて、
前記無線用フレーム送・受信手段は、自己のアドレス情報を、前記ネットワークを介して変更され得る機能を更に有することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−40102(P2006−40102A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221507(P2004−221507)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】