画像処理装置
【課題】縮小後の画像を判読し易くする。
【解決手段】画像データおよび/または文字データ並びに出力領域の大きさを表す情報からなる画像形成データを入力し、その画像データおよび/または文字データを縮小して出力する画像処理装置において、算出された縮小率で画像データを縮小する画像縮小処理手段と、前記画像縮小処理手段が縮小した後の画像データを縮小前の画像データと比較し、縮小後の画像データの判読可否を判別する画像判別手段と、前記画像判別手段により縮小された後の画像データが前記画像判別手段で判読可能と判別される縮小率を算出する画像縮小率算出手段とを設け、前記画像縮小処理手段が、入力された画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小された画像データが前記画像判別手段により判読不可能と判別されたとき、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された画像データを縮小する。
【解決手段】画像データおよび/または文字データ並びに出力領域の大きさを表す情報からなる画像形成データを入力し、その画像データおよび/または文字データを縮小して出力する画像処理装置において、算出された縮小率で画像データを縮小する画像縮小処理手段と、前記画像縮小処理手段が縮小した後の画像データを縮小前の画像データと比較し、縮小後の画像データの判読可否を判別する画像判別手段と、前記画像判別手段により縮小された後の画像データが前記画像判別手段で判読可能と判別される縮小率を算出する画像縮小率算出手段とを設け、前記画像縮小処理手段が、入力された画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小された画像データが前記画像判別手段により判読不可能と判別されたとき、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された画像データを縮小する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮小した画像を形成する縮小レイアウト機能を有する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置は、原稿中の最小文字サイズを判別し、縮小後の最小文字サイズが予め定められた最小許容サイズ以上になるように原稿毎の縮小率を決定するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−152497号公報(段落「0013」〜段落「0018」、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、縮小後の最小文字サイズが予め定められた最小許容サイズ以上になるように原稿毎の縮小率を決定するようにしているため、その縮小率で写真や図柄等の画像データも縮小され、判読し難い画像が出力されることがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、縮小後の画像を判読し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、画像データおよび/または文字データ並びに出力領域の大きさを表す情報からなる画像形成データを入力し、その画像データおよび/または文字データを縮小して出力する画像処理装置において、算出された縮小率で画像データを縮小する画像縮小処理手段と、前記画像縮小処理手段が縮小した後の画像データを縮小前の画像データと比較し、縮小後の画像データの判読可否を判別する画像判別手段と、前記画像判別手段により縮小された後の画像データが前記画像判別手段で判読可能と判別される縮小率を算出する画像縮小率算出手段とを設け、前記画像縮小処理手段が、入力された画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小された画像データが前記画像判別手段により判読不可能と判別されたとき、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された画像データを縮小することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、縮小後の画像が判読し易くなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における最小画像サイズ判別部のブロック図
【図3】第1の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャート
【図4】第1の実施例における最小画像判別処理を示すフローチャート
【図5】第1の実施例における印刷データの説明図
【図6】第1の実施例における文字オブジェクト抽出情報テーブルの説明図
【図7】第1の実施例における画像オブジェクト抽出情報テーブルの説明図
【図8】第2の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図
【図9】第2の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャート
【図10】第2の実施例における印刷サイズ決定処理を示すフローチャート
【図11】第2の実施例における縮小率・用紙サイズ対応テーブルの説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による画像処理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は第1の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、100は画像処理装置としてのプリンタであり、例えば電子写真方式のプリンタである。
【0012】
プリンタ100は、受信部101、画像記憶部102、文字・画像抽出手段としての文字・画像抽出部103、文字・画像縮小手段としての縮小処理部104、画像判別手段および画像縮小率算出手段としての最小画像サイズ判別部105、最小文字サイズ算出手段および文字縮小率算出手段としての最小文字サイズ判別部106、イメージ合成部107、および画像形成部108から構成されている。
【0013】
受信部101は、プリンタ100に搭載されたLANインターフェイスなどから文字や画像を含む画像形成データとしての印刷データを受信する。ここで、受信する印刷データは、例えばプリンタ100等の印刷装置へ出力するためにホストコンピュータ上のアプリケーションソフトウェアにより生成されたRGB(Red―Green―Blue)色空間やCMYK(Cyan―Magenta―Yellow―Black)色空間などの情報を持つカラー印刷データである。
【0014】
本実施例において、印刷データは、縮小した画像を印刷する縮小レイアウト印刷を要求するデータであり、原稿作成時の用紙サイズ(入力領域の大きさ)ならびに原稿印刷時の用紙サイズ(出力領域の大きさ)、文字データおよび/または画像データとしてのひとつ又は複数の文字・画像オブジェクト、およびそれらのレイアウト情報が含まれているものとする。
【0015】
画像記憶部102は、メモリ等の記憶手段で構成され、受信部101で受信した印刷データを記憶する。
【0016】
文字・画像抽出部103は、画像記憶部102に記憶された印刷データから文字・画像オブジェクト(実体)に関する情報を抽出する。ここで、抽出される文字オブジェクトに関する情報は各オブジェクトの文字データおよび文字サイズであり、抽出される画像オブジェクトに関する情報は各オブジェクトの画像データ、および原稿作成時ならびに原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率である。
【0017】
縮小処理部104は、画像記憶部102に記憶された画像の文字・画像の各オブジェクトを最小画像サイズ判別部105、最小文字サイズ判別部106で算出された縮小率で縮小し、縮小した各オブジェクトの画像データを画像記憶部102に格納する。
【0018】
最小画像サイズ判別部105は、文字・画像抽出部103で抽出された各画像オブジェクトの縮小後の画像の中から判読困難な画像をサイズ変更対象の画像と判別し(画像判別手段)、判読が可能となる縮小率を算出する(画像縮小率算出手段)。
【0019】
最小文字サイズ判別部106は、文字・画像抽出部103で抽出された文字オブジェクトの縮小率のうち、出力先の画像処理装置の性能に応じて予め決定された判読可能な最大縮小率より高い縮小率の文字を判読困難な文字と判別し(最小文字サイズ算出手段)、判読可能な縮小率を算出する(文字縮小率算出手段)。
【0020】
イメージ合成部107は、縮小処理部104で縮小が行われた後の文字・画像オブジェクトを用いて再レイアウトを行い、印刷イメージデータを生成する。
【0021】
画像形成部108は、イメージ合成部107で生成された印刷イメージデータに基づいて印刷する。
【0022】
このように構成されたプリンタ100は、制御プログラムをメモリ等の記憶部に記憶し、その制御プログラムに基づいて全体を制御する制御手段および演算手段としての制御部を備えている。
【0023】
次に、最小画像サイズ判別部105の構成を図2の第1の実施例における最小画像サイズ判別部のブロック図に基づいて説明する。
【0024】
図2において、最小画像サイズ判別部105は、画像受信部1051、クロスピクセル計測部1052、画像潰れ判別部1053、および最小画像サイズ決定部1054により構成されている。
【0025】
画像受信部1051は、最小画像サイズ判別部105に入力された画像データおよび縮小率を受信する。ここで、受信する画像データは、各画像オブジェクトにおける縮小前の画像データおよび縮小後の画像データである。
【0026】
クロスピクセル計測部1052は、画像受信部1051で受信された縮小前後の画像データにおいて、画像を主走査方向および副走査方向に見たとき、周辺のピクセルとの濃度変化が大きい箇所を特徴部として抽出し、その特徴部の数を計測し、これらをクロスピクセルとして記憶手段に記憶させる。
【0027】
画像潰れ判別部1053は、クロスピクセル計測部1052で計測した縮小前の画像データのクロスピクセルと縮小後の画像データのクロスピクセルとを比較し、その差が既定の閾値を超えているとき、縮小後の画像が潰れて判読困難であると判別する。
【0028】
最小画像サイズ決定部1054は、画像潰れ判別部1053で縮小後の画像が判読困難と判別されなかった場合、最小画像サイズ判別部105の出力として画像受信部1051に入力された画像の縮小率をそのまま出力する。一方、画像潰れ判別部1053で縮小後の画像が判読困難と判別された場合、その画像オブジェクトの縮小率を下げて再び縮小処理を行う。
【0029】
上述した構成の作用について説明する。
【0030】
図3は、第1の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0031】
S1:受信部101は、文字・画像を含む印刷データを受信し、画像記憶部102に記憶させる。ここで、受信する印刷データは、例えば画像処理装置へ出力するためにホストコンピュータ上のアプリケーションソフトウェアにより生成された印刷データである。また、この印刷データは、縮小レイアウト印刷を行うため、原稿印刷時の用紙サイズは原稿作成時の用紙サイズより小さくなるように指定されているものとする。
【0032】
S2:文字・画像抽出部103は、画像記憶部102に記憶された印刷データを解析し、文字・画像オブジェクトを抽出し、抽出した結果を画像記憶部102内に生成されたオブジェクト抽出情報テーブルへ格納する。
【0033】
文字・画像抽出部103は、例えば図5に示す印刷データを解析して図6に示す文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および図7に示す画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の二つのオブジェクト抽出情報テーブルを生成する。
【0034】
各オブジェクトは、識別子としてのIDで管理され、オブジェクト名1031a、1032aがラベルとして貼られる。本実施例では、文字オブジェクトIDが1〜4、画像オブジェクトIDが1〜2として抽出されている。
【0035】
図6に示す文字オブジェクト抽出情報テーブル1031では、各文字オブジェクトに対し、オブジェクト名1031a、縮小前の文字サイズ(例えば、24pt、12pt、6pt(1pt=1/72インチ=約0.3528mm))を示すオリジナル文字サイズ1031c、文字の表示位置を示す情報としての構造体が格納されているアドレスを指し示すポインタ1031b、文字列そのものが格納されているアドレスを指し示すポインタ1031d、縮小レイアウト印刷を行うための縮小率1031eが抽出されている。
【0036】
なお、縮小率1031eは、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出する。例えば、原稿作成時の用紙サイズがA4判であり、原稿印刷時の用紙サイズがB5判であった場合、各用紙サイズの比率から縮小率は14%になる。
【0037】
図7に示す画像オブジェクト抽出情報テーブル1032では、各画像オブジェクトに対し、オブジェクト名1032a、縮小前の画像サイズを示すオリジナル画像サイズ1032c、画像の表示位置を示す情報としての構造体が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032b、画像そのものが格納されているアドレスを指し示すポインタ1032d、縮小後の画像が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032e、縮小レイアウト印刷を行うための縮小率1032fが抽出されている。
【0038】
なお、縮小率1032fは、上述した縮小率1031eと同様に算出される。また、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032を生成した時点では、画像の縮小を未だ行っていないのでポインタ1032eには“NULL”が格納されている。
【0039】
S3:縮小処理部104は、各画像オブジェクトをS2で算出した縮小率で縮小処理を行い、縮小処理した結果を画像記憶部102へ格納するとともにその画像記憶部102のアドレス情報を画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小後の画像が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032eに格納する。
【0040】
S4:最小文字サイズ判別部106は、縮小率が高いために判読困難と判別した文字オブジェクトの縮小率を判読可能な縮小率にする。
【0041】
詳述すると最小文字サイズ判別部106は、文字オブジェクト抽出情報テーブル1031を参照し、各ID(本実施例では、1〜4)の文字オブジェクトの縮小率1031eを判読可能な最大縮小率Dim_Textmaxと比較し、最大縮小率Dim_Textmaxより大きい縮小率を最大縮小率Dim_Textmaxに書き換える。
【0042】
ここで、最大縮小率Dim_Textmaxは、プリンタ100の解像度などから予め決定された判読可能な最小文字サイズから求めることができる。例えば、判読可能な最小文字の縦および横のピクセル数が48×48ピクセルであり、出力先のプリンタ100の解像度が600dpi(dots per inch)である場合、48/600=0.08inch=5.76pt(1pt=1/72inch)が判読可能な最小文字サイズである。
【0043】
このとき、最大縮小率は、オリジナル文字サイズを縮小して5.76ptとなる値となるので、オリジナル文字サイズが12ptであった場合の最大縮小率Dim_Textmaxは、1−5.76/12=0.52(52%)となる。また、オリジナル文字サイズが6ptであった場合の最大縮小率Dim_Textmaxは、1−5.76/6=0.04(4%)となる。
【0044】
S5:最小画像サイズ判別部105は、縮小率が高いために判読困難と判別した画像オブジェクトの縮小率を判読可能な縮小率にする。
【0045】
最小画像サイズ判別部105は、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032を参照し、各ID(本実施例では、1〜2)の画像オブジェクトの縮小率1032fが高いために判読困難と判別した画像オブジェクトの縮小率1032fを判読可能な縮小率に書き換える。なお、この処理の詳細は後述する。
【0046】
S6:縮小処理部104は、上述したS4およびS5で縮小率が書き換えられた後の文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032に基づいて各オブジェクトの縮小処理を行い、その結果を画像記憶部102へ格納するとともに格納した画像記憶部102のアドレスを文字オブジェクト抽出情報テーブル1031のポインタ1031dおよび画像オブジェクト抽出情報テーブル1032のポインタ1032eに格納する。
【0047】
S7:イメージ合成部107は、S6において縮小処理された各画像オブジェクトおよび縮小率が決定された各文字オブジェクトを原稿印刷時の用紙サイズに合わせて再レイアウトを行って印刷イメージデータを生成し、画像形成部108は生成された印刷イメージデータを印刷して縮小レイアウト処理を終了する。
【0048】
次に、上述したS5における最小画像判別処理を図4の第1の実施例における最小画像判別処理を示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
S21、S27:最小画像サイズ判別部105は、S22〜S26の処理を画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各ID(本実施例では、1〜2)において行う。
【0050】
S22:クロスピクセル計測部1052は、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032のオリジナル画像が格納されたポインタ1032dに基づいて縮小前の画像を取り出し、その画像のクロスピクセルを算出する。ここで、クロスピクセルとは、画像を主走査方向および副走査方向に見たとき、周辺のピクセルとの濃度変化が大きい箇所の数と定義する。
【0051】
クロスピクセルの算出方法は、例えば画像を2値化し、その画像の主走査方向および副走査方向(どちらか一方でもよい)に走査し、隣り合う画素が白から黒、または黒から白へ変化する回数であり、また濃度成分において画像の主走査方向および副走査方向(どちらか一方でもよい)に走査してエッジ検出(微分)を行い、周辺の画素との差が所定の閾値以上となる回数であってもよい。このようにして算出した縮小前の画像のクロスピクセルをcrossとする。
【0052】
S23:クロスピクセル計測部1052は、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小後の画像が格納されたポインタ1032eに基づいて縮小後の画像を取り出し、S22と同様の方法で縮小後の画像のクロスピクセルを算出する。この縮小後のクロスピクセルをcross_dimとする。
【0053】
S24:画像潰れ判別部1053は、縮小前のクロスピクセルcrossから縮小後のクロスピクセルcross_dimを減算した値が所定の閾値thを超えたか否かの判定を行い、超えている場合、処理をS25へ移行し、超えていない場合、処理をS27へ移行する。
【0054】
この閾値thは、画像が判読可能と考えられる閾値であり、縮小前後のクロスピクセルの差分が閾値thより大きければ、縮小後の画像は著しく潰れており、判読困難であると判別される。
【0055】
なお、閾値thは、実験的に求められた値であり、例えば縮小前の画像と縮小後の画像を目視により比較し、縮小後の画像において縮小前の画像の特徴が欠落して判読が困難であるか否かを種々の画像について評価して求められるものとする。
【0056】
S25:縮小画像サイズ決定部1054は、縮小率の再設定を行う。ここでは、S24において現在の縮小率による縮小画像が判読困難であると判別されているため、その縮小率を下げ、下げた縮小率を画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小率1032fに格納する。例えば、縮小率が0%を下回らない程度に縮小率を10%ずつ下げるなどの方法がある。
【0057】
S26:縮小処理部104は、S25において再設定した縮小率で縮小処理を行い、処理をS23へ移行する。縮小処理を行った結果は、画像記憶部102へ格納され、その画像記憶部102のアドレスを画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小後の画像が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032eに格納する。
【0058】
S27:すべてのIDについてS22〜S26の処理が行われたか否かが判定され、未処理のIDが存在する場合、処理をS22へ移行し、未処理のIDがなくなると最小画像判別処理を終了する。
【0059】
このようにプリンタ100は、縮小レイアウト印刷要求が含まれる印刷データ内の画像毎に、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率で縮小し、縮小した画像が判読困難であると判別された場合、その画像の縮小率を下げることにより、判読可能な画像を形成することができる。
【0060】
なお、本実施例では、縮小前後のクロスピクセルの差分が閾値thより大きければ、縮小後の画像が著しく潰れており、判読困難であると判別するようにしたが、縮小後の画像に、縮小前の画像の特徴が維持されているか否かを判別するようにしてもよい。例えば、顔画像の場合、縮小後の画像に二つの目、鼻、および口の4個の特徴情報が維持されているか否かを判別するようにしてもよい。このように縮小前後において画像の特徴となる情報が残せる縮小率を算出するようにしてもよい。
【0061】
以上説明したように、第1の実施例では、縮小レイアウト印刷要求が含まれる印刷データ内の画像毎に、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率で縮小し、縮小した画像が判読困難であると判別された場合、その画像の縮小率を下げることにより、判読可能な画像を形成することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0062】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成に印刷サイズ決定部209および印刷サイズ問合せ部210を付加したものであり、その構成を図8の第2の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図8において、200は画像処理装置としてのプリンタであり、例えば電子写真方式のプリンタである。
【0064】
プリンタ200は、受信部101、画像記憶部102、文字・画像抽出部103、縮小処理部204、最小画像サイズ判別部105、最小文字サイズ判別部106、イメージ合成部107、画像形成部108、印刷サイズ決定部209、および印刷サイズ問合せ部210から構成されている。
【0065】
印刷サイズ決定部209は、最小画像サイズ判別部105および最小文字サイズ判別部106において算出された文字・画像の各オブジェクトの縮小率を比較し、最も低い縮小率を全オブジェクトの縮小率に適用して縮小処理部204へ通知する。
【0066】
このとき、算出した縮小率によるレイアウトが原稿印刷時の用紙サイズに収まらない場合は、オブジェクトの判読性を無視して縮小率を原稿印刷時の用紙サイズに合わせるか、オブジェクトの判読性を優先して原稿印刷時の用紙サイズを、縮小率に適した用紙サイズに変更するかの選択を印刷サイズ問合せ部210へ要求してユーザの判断を仰ぐようにする。
【0067】
印刷サイズ問合せ部210は、図示しない表示装置およびキーボードやマウス等の入力装置を備えるものであり、印刷サイズ決定部209の要求により、オブジェクトの判読性を無視して縮小率を原稿印刷時の用紙サイズに合わせるか、オブジェクトの判読性を優先して原稿印刷時の用紙サイズを、縮小率に適した用紙サイズに変更するかの選択を誘導するメッセージ等を表示装置に表示するとともにユーザによるいずれかを選択する操作を受付ける。選択する操作を受付けるとその選択結果を印刷サイズ決定部209へ通知する。
【0068】
なお、表示装置および入力装置は、プリンタ200のオペレーションパネルやUSB、LAN等で外部に接続されたコンピュータ等であってもよい。
【0069】
また、縮小処理部204は、画像記憶部102に記憶された文字・画像の各オブジェクトを印刷サイズ決定部209で決定された縮小率で縮小し、その結果を画像記憶部102に格納する。
【0070】
上述した構成の作用について説明する。
【0071】
図9は、第2の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0072】
S31〜S35:図3におけるS1〜S5と同様なのでその説明を省略する。
【0073】
S36:印刷サイズ決定部209および印刷サイズ問合せ部210は、S34およびS35において算出した各文字・画像オブジェクトの縮小率の中から文字・画像オブジェクトの判読性とユーザの希望から最適な縮小率および印刷用紙サイズを決定する。なお、この処理の詳細は後述する。
【0074】
S37:縮小処理部204は、上述したS34〜S36で縮小率が書き換えられた後の文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032に基づいて各オブジェクトの縮小処理を行い、その結果を画像記憶部102へ格納するとともに格納した画像記憶部102のアドレスを文字オブジェクト抽出情報テーブル1031のポインタ1031dおよび画像オブジェクト抽出情報テーブル1032のポインタ1032eに格納する。
【0075】
S38:イメージ合成部107は、S37において縮小処理された各画像オブジェクトおよび縮小率が決定された各文字オブジェクトを原稿印刷時の用紙サイズに合わせて再レイアウトを行って印刷イメージデータを生成し、画像形成部108は生成された印刷イメージデータを印刷して縮小レイアウト処理を終了する。
【0076】
次に、上述したS36における印刷サイズ決定処理を図10の第2の実施例における印刷サイズ決定処理を示すフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
S41:印刷サイズ決定部209は、印刷データ中に含まれる各文字・画像IDにおける縮小率最低値Dim_minを導出する。印刷サイズ決定部209は、文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各文字IDおよび各画像IDの縮小率を比較し、最も低い縮小率を縮小率最低値Dim_minとする。
【0078】
S42:印刷サイズ決定部209は、導出した縮小率最低値Dim_minを用いて印刷データ全体を再縮小した場合に必要な原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeを決定する。
【0079】
この用紙サイズDim_sizeは、縮小率と用紙サイズとの関係を表す縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091を用いて導出される。この縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091は、画像記憶部102に格納され、原稿作成時の用紙サイズおよび縮小率より、原稿印刷時の用紙サイズを導くことができるものである。
【0080】
図11は、縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091の例である。この縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091を参照し、例えば縮小率最低値Dim_min=14%で原稿作成時の用紙サイズがA4判であれば、原稿作成時の用紙サイズDim_sizeはB5判となり、また縮小率最低値Dim_min=25%で原稿作成時の用紙サイズがB4判であれば、縮小率が25%以下であり、かつ最も大きい18%の縮小率を参照し、原稿作成時の用紙サイズDim_sizeはA4判となる。
【0081】
S43:印刷サイズ決定部209は、S31において受信した当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、S42で導出した縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まるか否か、すなわち縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size以下であるか否かを判定する。
【0082】
判定の結果、当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まる場合(縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size以下)、処理をS44へ移行し、一方収まらない場合、処理をS45へ移行する。
【0083】
S44:原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´を当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size(実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´=当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size)とし、印刷サイズ決定処理を終了する。
【0084】
S45:当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まらないと判定されると原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´が当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeより大きくなってしまうため、原稿印刷時の用紙サイズをユーザに選択させる要求を原稿サイズ問合せ部210へ通知する。
【0085】
通知を受けた原稿サイズ問合せ部210は、例えば表示装置に「印刷用紙サイズ優先」および「画質優先」等の二つの選択肢を表示し、入力装置によりそのいずれかを選択するユーザの操作を受付ける。
【0086】
「印刷用紙サイズ優先」が選択された場合、原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´を当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeとし、それに合わせて縮小率を再計算し、文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各IDの縮小率1031e、1032fを書き換える。このとき、算出される縮小率は、縮小率最低値Dim_minを上回り、画質が損なわれるが出力する印刷用紙サイズを優先させる。
【0087】
一方、「画質優先」が選択された場合、原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´を、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeとし、縮小率最低値Dim_minで文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各IDの縮小率1031e、1032fを書き換える。このとき、原稿印刷時の用紙サイズは当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeを超える大きさとなるが印刷される画質を優先させる。
【0088】
このように当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まらない場合、ユーザに印刷用紙サイズまたは画質のいずれを優先させるかの判断を仰ぐようにする。
【0089】
このようにプリンタ100は、縮小レイアウト印刷要求が含まれる印刷データ内の画像毎に、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率で縮小し、縮小した画像が判読困難であると判別された場合、その画像の縮小率を下げることにより、判読可能な画像を形成することができる。
【0090】
また、印刷データ内の各文字・画像について判読可能な画像が形成できる最も低い縮小率で縮小して画像を形成するようにしたことにより、原稿作成時の印刷レイアウトを崩すことなく画像を形成することができる。
【0091】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、印刷データ内の各文字・画像について判読可能な画像が形成できる最も低い縮小率で縮小して画像を形成するようにしたことにより、原稿作成時の印刷レイアウトを崩すことなく画像を形成することができるという効果が得られる。
【0092】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像処理装置をプリンタ等の画像形成装置として説明したが、それに限られることなく、画像処理装置をファクシミリ、複合機、複写機等の画像形成装置や画像表示装置等の画像を出力する装置としてもよい。
【0093】
また、第1の実施例および第2の実施例では、縮小レイアウト処理を画像処理装置が行う処理として説明したが、それに限られることなく、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ上で動作するアプリケーションソフトウェア(例えば、プリンタドライバ)で処理するようにしてもよい。
【0094】
さらに、第1の実施例および第2の実施例で示した印刷データ例・印刷データ解析例は本発明を説明するひとつの例であり、本発明は、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0095】
100 プリンタ
101 受信部
102 画像記憶部
103 文字・画像抽出部
104、204 縮小処理部
105 最小画像サイズ判別部
106 最小文字サイズ判別部
107 イメージ合成部
108 画像形成部
209 印刷サイズ決定部
210 印刷サイズ問合せ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮小した画像を形成する縮小レイアウト機能を有する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置は、原稿中の最小文字サイズを判別し、縮小後の最小文字サイズが予め定められた最小許容サイズ以上になるように原稿毎の縮小率を決定するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−152497号公報(段落「0013」〜段落「0018」、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、縮小後の最小文字サイズが予め定められた最小許容サイズ以上になるように原稿毎の縮小率を決定するようにしているため、その縮小率で写真や図柄等の画像データも縮小され、判読し難い画像が出力されることがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、縮小後の画像を判読し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、画像データおよび/または文字データ並びに出力領域の大きさを表す情報からなる画像形成データを入力し、その画像データおよび/または文字データを縮小して出力する画像処理装置において、算出された縮小率で画像データを縮小する画像縮小処理手段と、前記画像縮小処理手段が縮小した後の画像データを縮小前の画像データと比較し、縮小後の画像データの判読可否を判別する画像判別手段と、前記画像判別手段により縮小された後の画像データが前記画像判別手段で判読可能と判別される縮小率を算出する画像縮小率算出手段とを設け、前記画像縮小処理手段が、入力された画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小された画像データが前記画像判別手段により判読不可能と判別されたとき、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された画像データを縮小することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、縮小後の画像が判読し易くなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における最小画像サイズ判別部のブロック図
【図3】第1の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャート
【図4】第1の実施例における最小画像判別処理を示すフローチャート
【図5】第1の実施例における印刷データの説明図
【図6】第1の実施例における文字オブジェクト抽出情報テーブルの説明図
【図7】第1の実施例における画像オブジェクト抽出情報テーブルの説明図
【図8】第2の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図
【図9】第2の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャート
【図10】第2の実施例における印刷サイズ決定処理を示すフローチャート
【図11】第2の実施例における縮小率・用紙サイズ対応テーブルの説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による画像処理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は第1の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、100は画像処理装置としてのプリンタであり、例えば電子写真方式のプリンタである。
【0012】
プリンタ100は、受信部101、画像記憶部102、文字・画像抽出手段としての文字・画像抽出部103、文字・画像縮小手段としての縮小処理部104、画像判別手段および画像縮小率算出手段としての最小画像サイズ判別部105、最小文字サイズ算出手段および文字縮小率算出手段としての最小文字サイズ判別部106、イメージ合成部107、および画像形成部108から構成されている。
【0013】
受信部101は、プリンタ100に搭載されたLANインターフェイスなどから文字や画像を含む画像形成データとしての印刷データを受信する。ここで、受信する印刷データは、例えばプリンタ100等の印刷装置へ出力するためにホストコンピュータ上のアプリケーションソフトウェアにより生成されたRGB(Red―Green―Blue)色空間やCMYK(Cyan―Magenta―Yellow―Black)色空間などの情報を持つカラー印刷データである。
【0014】
本実施例において、印刷データは、縮小した画像を印刷する縮小レイアウト印刷を要求するデータであり、原稿作成時の用紙サイズ(入力領域の大きさ)ならびに原稿印刷時の用紙サイズ(出力領域の大きさ)、文字データおよび/または画像データとしてのひとつ又は複数の文字・画像オブジェクト、およびそれらのレイアウト情報が含まれているものとする。
【0015】
画像記憶部102は、メモリ等の記憶手段で構成され、受信部101で受信した印刷データを記憶する。
【0016】
文字・画像抽出部103は、画像記憶部102に記憶された印刷データから文字・画像オブジェクト(実体)に関する情報を抽出する。ここで、抽出される文字オブジェクトに関する情報は各オブジェクトの文字データおよび文字サイズであり、抽出される画像オブジェクトに関する情報は各オブジェクトの画像データ、および原稿作成時ならびに原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率である。
【0017】
縮小処理部104は、画像記憶部102に記憶された画像の文字・画像の各オブジェクトを最小画像サイズ判別部105、最小文字サイズ判別部106で算出された縮小率で縮小し、縮小した各オブジェクトの画像データを画像記憶部102に格納する。
【0018】
最小画像サイズ判別部105は、文字・画像抽出部103で抽出された各画像オブジェクトの縮小後の画像の中から判読困難な画像をサイズ変更対象の画像と判別し(画像判別手段)、判読が可能となる縮小率を算出する(画像縮小率算出手段)。
【0019】
最小文字サイズ判別部106は、文字・画像抽出部103で抽出された文字オブジェクトの縮小率のうち、出力先の画像処理装置の性能に応じて予め決定された判読可能な最大縮小率より高い縮小率の文字を判読困難な文字と判別し(最小文字サイズ算出手段)、判読可能な縮小率を算出する(文字縮小率算出手段)。
【0020】
イメージ合成部107は、縮小処理部104で縮小が行われた後の文字・画像オブジェクトを用いて再レイアウトを行い、印刷イメージデータを生成する。
【0021】
画像形成部108は、イメージ合成部107で生成された印刷イメージデータに基づいて印刷する。
【0022】
このように構成されたプリンタ100は、制御プログラムをメモリ等の記憶部に記憶し、その制御プログラムに基づいて全体を制御する制御手段および演算手段としての制御部を備えている。
【0023】
次に、最小画像サイズ判別部105の構成を図2の第1の実施例における最小画像サイズ判別部のブロック図に基づいて説明する。
【0024】
図2において、最小画像サイズ判別部105は、画像受信部1051、クロスピクセル計測部1052、画像潰れ判別部1053、および最小画像サイズ決定部1054により構成されている。
【0025】
画像受信部1051は、最小画像サイズ判別部105に入力された画像データおよび縮小率を受信する。ここで、受信する画像データは、各画像オブジェクトにおける縮小前の画像データおよび縮小後の画像データである。
【0026】
クロスピクセル計測部1052は、画像受信部1051で受信された縮小前後の画像データにおいて、画像を主走査方向および副走査方向に見たとき、周辺のピクセルとの濃度変化が大きい箇所を特徴部として抽出し、その特徴部の数を計測し、これらをクロスピクセルとして記憶手段に記憶させる。
【0027】
画像潰れ判別部1053は、クロスピクセル計測部1052で計測した縮小前の画像データのクロスピクセルと縮小後の画像データのクロスピクセルとを比較し、その差が既定の閾値を超えているとき、縮小後の画像が潰れて判読困難であると判別する。
【0028】
最小画像サイズ決定部1054は、画像潰れ判別部1053で縮小後の画像が判読困難と判別されなかった場合、最小画像サイズ判別部105の出力として画像受信部1051に入力された画像の縮小率をそのまま出力する。一方、画像潰れ判別部1053で縮小後の画像が判読困難と判別された場合、その画像オブジェクトの縮小率を下げて再び縮小処理を行う。
【0029】
上述した構成の作用について説明する。
【0030】
図3は、第1の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0031】
S1:受信部101は、文字・画像を含む印刷データを受信し、画像記憶部102に記憶させる。ここで、受信する印刷データは、例えば画像処理装置へ出力するためにホストコンピュータ上のアプリケーションソフトウェアにより生成された印刷データである。また、この印刷データは、縮小レイアウト印刷を行うため、原稿印刷時の用紙サイズは原稿作成時の用紙サイズより小さくなるように指定されているものとする。
【0032】
S2:文字・画像抽出部103は、画像記憶部102に記憶された印刷データを解析し、文字・画像オブジェクトを抽出し、抽出した結果を画像記憶部102内に生成されたオブジェクト抽出情報テーブルへ格納する。
【0033】
文字・画像抽出部103は、例えば図5に示す印刷データを解析して図6に示す文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および図7に示す画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の二つのオブジェクト抽出情報テーブルを生成する。
【0034】
各オブジェクトは、識別子としてのIDで管理され、オブジェクト名1031a、1032aがラベルとして貼られる。本実施例では、文字オブジェクトIDが1〜4、画像オブジェクトIDが1〜2として抽出されている。
【0035】
図6に示す文字オブジェクト抽出情報テーブル1031では、各文字オブジェクトに対し、オブジェクト名1031a、縮小前の文字サイズ(例えば、24pt、12pt、6pt(1pt=1/72インチ=約0.3528mm))を示すオリジナル文字サイズ1031c、文字の表示位置を示す情報としての構造体が格納されているアドレスを指し示すポインタ1031b、文字列そのものが格納されているアドレスを指し示すポインタ1031d、縮小レイアウト印刷を行うための縮小率1031eが抽出されている。
【0036】
なお、縮小率1031eは、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出する。例えば、原稿作成時の用紙サイズがA4判であり、原稿印刷時の用紙サイズがB5判であった場合、各用紙サイズの比率から縮小率は14%になる。
【0037】
図7に示す画像オブジェクト抽出情報テーブル1032では、各画像オブジェクトに対し、オブジェクト名1032a、縮小前の画像サイズを示すオリジナル画像サイズ1032c、画像の表示位置を示す情報としての構造体が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032b、画像そのものが格納されているアドレスを指し示すポインタ1032d、縮小後の画像が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032e、縮小レイアウト印刷を行うための縮小率1032fが抽出されている。
【0038】
なお、縮小率1032fは、上述した縮小率1031eと同様に算出される。また、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032を生成した時点では、画像の縮小を未だ行っていないのでポインタ1032eには“NULL”が格納されている。
【0039】
S3:縮小処理部104は、各画像オブジェクトをS2で算出した縮小率で縮小処理を行い、縮小処理した結果を画像記憶部102へ格納するとともにその画像記憶部102のアドレス情報を画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小後の画像が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032eに格納する。
【0040】
S4:最小文字サイズ判別部106は、縮小率が高いために判読困難と判別した文字オブジェクトの縮小率を判読可能な縮小率にする。
【0041】
詳述すると最小文字サイズ判別部106は、文字オブジェクト抽出情報テーブル1031を参照し、各ID(本実施例では、1〜4)の文字オブジェクトの縮小率1031eを判読可能な最大縮小率Dim_Textmaxと比較し、最大縮小率Dim_Textmaxより大きい縮小率を最大縮小率Dim_Textmaxに書き換える。
【0042】
ここで、最大縮小率Dim_Textmaxは、プリンタ100の解像度などから予め決定された判読可能な最小文字サイズから求めることができる。例えば、判読可能な最小文字の縦および横のピクセル数が48×48ピクセルであり、出力先のプリンタ100の解像度が600dpi(dots per inch)である場合、48/600=0.08inch=5.76pt(1pt=1/72inch)が判読可能な最小文字サイズである。
【0043】
このとき、最大縮小率は、オリジナル文字サイズを縮小して5.76ptとなる値となるので、オリジナル文字サイズが12ptであった場合の最大縮小率Dim_Textmaxは、1−5.76/12=0.52(52%)となる。また、オリジナル文字サイズが6ptであった場合の最大縮小率Dim_Textmaxは、1−5.76/6=0.04(4%)となる。
【0044】
S5:最小画像サイズ判別部105は、縮小率が高いために判読困難と判別した画像オブジェクトの縮小率を判読可能な縮小率にする。
【0045】
最小画像サイズ判別部105は、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032を参照し、各ID(本実施例では、1〜2)の画像オブジェクトの縮小率1032fが高いために判読困難と判別した画像オブジェクトの縮小率1032fを判読可能な縮小率に書き換える。なお、この処理の詳細は後述する。
【0046】
S6:縮小処理部104は、上述したS4およびS5で縮小率が書き換えられた後の文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032に基づいて各オブジェクトの縮小処理を行い、その結果を画像記憶部102へ格納するとともに格納した画像記憶部102のアドレスを文字オブジェクト抽出情報テーブル1031のポインタ1031dおよび画像オブジェクト抽出情報テーブル1032のポインタ1032eに格納する。
【0047】
S7:イメージ合成部107は、S6において縮小処理された各画像オブジェクトおよび縮小率が決定された各文字オブジェクトを原稿印刷時の用紙サイズに合わせて再レイアウトを行って印刷イメージデータを生成し、画像形成部108は生成された印刷イメージデータを印刷して縮小レイアウト処理を終了する。
【0048】
次に、上述したS5における最小画像判別処理を図4の第1の実施例における最小画像判別処理を示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
S21、S27:最小画像サイズ判別部105は、S22〜S26の処理を画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各ID(本実施例では、1〜2)において行う。
【0050】
S22:クロスピクセル計測部1052は、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032のオリジナル画像が格納されたポインタ1032dに基づいて縮小前の画像を取り出し、その画像のクロスピクセルを算出する。ここで、クロスピクセルとは、画像を主走査方向および副走査方向に見たとき、周辺のピクセルとの濃度変化が大きい箇所の数と定義する。
【0051】
クロスピクセルの算出方法は、例えば画像を2値化し、その画像の主走査方向および副走査方向(どちらか一方でもよい)に走査し、隣り合う画素が白から黒、または黒から白へ変化する回数であり、また濃度成分において画像の主走査方向および副走査方向(どちらか一方でもよい)に走査してエッジ検出(微分)を行い、周辺の画素との差が所定の閾値以上となる回数であってもよい。このようにして算出した縮小前の画像のクロスピクセルをcrossとする。
【0052】
S23:クロスピクセル計測部1052は、画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小後の画像が格納されたポインタ1032eに基づいて縮小後の画像を取り出し、S22と同様の方法で縮小後の画像のクロスピクセルを算出する。この縮小後のクロスピクセルをcross_dimとする。
【0053】
S24:画像潰れ判別部1053は、縮小前のクロスピクセルcrossから縮小後のクロスピクセルcross_dimを減算した値が所定の閾値thを超えたか否かの判定を行い、超えている場合、処理をS25へ移行し、超えていない場合、処理をS27へ移行する。
【0054】
この閾値thは、画像が判読可能と考えられる閾値であり、縮小前後のクロスピクセルの差分が閾値thより大きければ、縮小後の画像は著しく潰れており、判読困難であると判別される。
【0055】
なお、閾値thは、実験的に求められた値であり、例えば縮小前の画像と縮小後の画像を目視により比較し、縮小後の画像において縮小前の画像の特徴が欠落して判読が困難であるか否かを種々の画像について評価して求められるものとする。
【0056】
S25:縮小画像サイズ決定部1054は、縮小率の再設定を行う。ここでは、S24において現在の縮小率による縮小画像が判読困難であると判別されているため、その縮小率を下げ、下げた縮小率を画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小率1032fに格納する。例えば、縮小率が0%を下回らない程度に縮小率を10%ずつ下げるなどの方法がある。
【0057】
S26:縮小処理部104は、S25において再設定した縮小率で縮小処理を行い、処理をS23へ移行する。縮小処理を行った結果は、画像記憶部102へ格納され、その画像記憶部102のアドレスを画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の縮小後の画像が格納されているアドレスを指し示すポインタ1032eに格納する。
【0058】
S27:すべてのIDについてS22〜S26の処理が行われたか否かが判定され、未処理のIDが存在する場合、処理をS22へ移行し、未処理のIDがなくなると最小画像判別処理を終了する。
【0059】
このようにプリンタ100は、縮小レイアウト印刷要求が含まれる印刷データ内の画像毎に、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率で縮小し、縮小した画像が判読困難であると判別された場合、その画像の縮小率を下げることにより、判読可能な画像を形成することができる。
【0060】
なお、本実施例では、縮小前後のクロスピクセルの差分が閾値thより大きければ、縮小後の画像が著しく潰れており、判読困難であると判別するようにしたが、縮小後の画像に、縮小前の画像の特徴が維持されているか否かを判別するようにしてもよい。例えば、顔画像の場合、縮小後の画像に二つの目、鼻、および口の4個の特徴情報が維持されているか否かを判別するようにしてもよい。このように縮小前後において画像の特徴となる情報が残せる縮小率を算出するようにしてもよい。
【0061】
以上説明したように、第1の実施例では、縮小レイアウト印刷要求が含まれる印刷データ内の画像毎に、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率で縮小し、縮小した画像が判読困難であると判別された場合、その画像の縮小率を下げることにより、判読可能な画像を形成することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0062】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成に印刷サイズ決定部209および印刷サイズ問合せ部210を付加したものであり、その構成を図8の第2の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図8において、200は画像処理装置としてのプリンタであり、例えば電子写真方式のプリンタである。
【0064】
プリンタ200は、受信部101、画像記憶部102、文字・画像抽出部103、縮小処理部204、最小画像サイズ判別部105、最小文字サイズ判別部106、イメージ合成部107、画像形成部108、印刷サイズ決定部209、および印刷サイズ問合せ部210から構成されている。
【0065】
印刷サイズ決定部209は、最小画像サイズ判別部105および最小文字サイズ判別部106において算出された文字・画像の各オブジェクトの縮小率を比較し、最も低い縮小率を全オブジェクトの縮小率に適用して縮小処理部204へ通知する。
【0066】
このとき、算出した縮小率によるレイアウトが原稿印刷時の用紙サイズに収まらない場合は、オブジェクトの判読性を無視して縮小率を原稿印刷時の用紙サイズに合わせるか、オブジェクトの判読性を優先して原稿印刷時の用紙サイズを、縮小率に適した用紙サイズに変更するかの選択を印刷サイズ問合せ部210へ要求してユーザの判断を仰ぐようにする。
【0067】
印刷サイズ問合せ部210は、図示しない表示装置およびキーボードやマウス等の入力装置を備えるものであり、印刷サイズ決定部209の要求により、オブジェクトの判読性を無視して縮小率を原稿印刷時の用紙サイズに合わせるか、オブジェクトの判読性を優先して原稿印刷時の用紙サイズを、縮小率に適した用紙サイズに変更するかの選択を誘導するメッセージ等を表示装置に表示するとともにユーザによるいずれかを選択する操作を受付ける。選択する操作を受付けるとその選択結果を印刷サイズ決定部209へ通知する。
【0068】
なお、表示装置および入力装置は、プリンタ200のオペレーションパネルやUSB、LAN等で外部に接続されたコンピュータ等であってもよい。
【0069】
また、縮小処理部204は、画像記憶部102に記憶された文字・画像の各オブジェクトを印刷サイズ決定部209で決定された縮小率で縮小し、その結果を画像記憶部102に格納する。
【0070】
上述した構成の作用について説明する。
【0071】
図9は、第2の実施例における縮小レイアウト処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0072】
S31〜S35:図3におけるS1〜S5と同様なのでその説明を省略する。
【0073】
S36:印刷サイズ決定部209および印刷サイズ問合せ部210は、S34およびS35において算出した各文字・画像オブジェクトの縮小率の中から文字・画像オブジェクトの判読性とユーザの希望から最適な縮小率および印刷用紙サイズを決定する。なお、この処理の詳細は後述する。
【0074】
S37:縮小処理部204は、上述したS34〜S36で縮小率が書き換えられた後の文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032に基づいて各オブジェクトの縮小処理を行い、その結果を画像記憶部102へ格納するとともに格納した画像記憶部102のアドレスを文字オブジェクト抽出情報テーブル1031のポインタ1031dおよび画像オブジェクト抽出情報テーブル1032のポインタ1032eに格納する。
【0075】
S38:イメージ合成部107は、S37において縮小処理された各画像オブジェクトおよび縮小率が決定された各文字オブジェクトを原稿印刷時の用紙サイズに合わせて再レイアウトを行って印刷イメージデータを生成し、画像形成部108は生成された印刷イメージデータを印刷して縮小レイアウト処理を終了する。
【0076】
次に、上述したS36における印刷サイズ決定処理を図10の第2の実施例における印刷サイズ決定処理を示すフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
S41:印刷サイズ決定部209は、印刷データ中に含まれる各文字・画像IDにおける縮小率最低値Dim_minを導出する。印刷サイズ決定部209は、文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各文字IDおよび各画像IDの縮小率を比較し、最も低い縮小率を縮小率最低値Dim_minとする。
【0078】
S42:印刷サイズ決定部209は、導出した縮小率最低値Dim_minを用いて印刷データ全体を再縮小した場合に必要な原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeを決定する。
【0079】
この用紙サイズDim_sizeは、縮小率と用紙サイズとの関係を表す縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091を用いて導出される。この縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091は、画像記憶部102に格納され、原稿作成時の用紙サイズおよび縮小率より、原稿印刷時の用紙サイズを導くことができるものである。
【0080】
図11は、縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091の例である。この縮小率・用紙サイズ対応テーブル2091を参照し、例えば縮小率最低値Dim_min=14%で原稿作成時の用紙サイズがA4判であれば、原稿作成時の用紙サイズDim_sizeはB5判となり、また縮小率最低値Dim_min=25%で原稿作成時の用紙サイズがB4判であれば、縮小率が25%以下であり、かつ最も大きい18%の縮小率を参照し、原稿作成時の用紙サイズDim_sizeはA4判となる。
【0081】
S43:印刷サイズ決定部209は、S31において受信した当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、S42で導出した縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まるか否か、すなわち縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size以下であるか否かを判定する。
【0082】
判定の結果、当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まる場合(縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size以下)、処理をS44へ移行し、一方収まらない場合、処理をS45へ移行する。
【0083】
S44:原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´を当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size(実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´=当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size)とし、印刷サイズ決定処理を終了する。
【0084】
S45:当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まらないと判定されると原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´が当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeより大きくなってしまうため、原稿印刷時の用紙サイズをユーザに選択させる要求を原稿サイズ問合せ部210へ通知する。
【0085】
通知を受けた原稿サイズ問合せ部210は、例えば表示装置に「印刷用紙サイズ優先」および「画質優先」等の二つの選択肢を表示し、入力装置によりそのいずれかを選択するユーザの操作を受付ける。
【0086】
「印刷用紙サイズ優先」が選択された場合、原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´を当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeとし、それに合わせて縮小率を再計算し、文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各IDの縮小率1031e、1032fを書き換える。このとき、算出される縮小率は、縮小率最低値Dim_minを上回り、画質が損なわれるが出力する印刷用紙サイズを優先させる。
【0087】
一方、「画質優先」が選択された場合、原稿サイズ決定部209は、実際の原稿印刷時の用紙サイズPrint_size´を、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeとし、縮小率最低値Dim_minで文字オブジェクト抽出情報テーブル1031および画像オブジェクト抽出情報テーブル1032の各IDの縮小率1031e、1032fを書き換える。このとき、原稿印刷時の用紙サイズは当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeを超える大きさとなるが印刷される画質を優先させる。
【0088】
このように当初の原稿印刷時の用紙サイズPrint_sizeに、縮小率最低値Dim_minを考慮した原稿印刷時の用紙サイズDim_sizeが収まらない場合、ユーザに印刷用紙サイズまたは画質のいずれを優先させるかの判断を仰ぐようにする。
【0089】
このようにプリンタ100は、縮小レイアウト印刷要求が含まれる印刷データ内の画像毎に、原稿作成時と原稿印刷時の用紙サイズから算出した縮小率で縮小し、縮小した画像が判読困難であると判別された場合、その画像の縮小率を下げることにより、判読可能な画像を形成することができる。
【0090】
また、印刷データ内の各文字・画像について判読可能な画像が形成できる最も低い縮小率で縮小して画像を形成するようにしたことにより、原稿作成時の印刷レイアウトを崩すことなく画像を形成することができる。
【0091】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、印刷データ内の各文字・画像について判読可能な画像が形成できる最も低い縮小率で縮小して画像を形成するようにしたことにより、原稿作成時の印刷レイアウトを崩すことなく画像を形成することができるという効果が得られる。
【0092】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像処理装置をプリンタ等の画像形成装置として説明したが、それに限られることなく、画像処理装置をファクシミリ、複合機、複写機等の画像形成装置や画像表示装置等の画像を出力する装置としてもよい。
【0093】
また、第1の実施例および第2の実施例では、縮小レイアウト処理を画像処理装置が行う処理として説明したが、それに限られることなく、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ上で動作するアプリケーションソフトウェア(例えば、プリンタドライバ)で処理するようにしてもよい。
【0094】
さらに、第1の実施例および第2の実施例で示した印刷データ例・印刷データ解析例は本発明を説明するひとつの例であり、本発明は、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0095】
100 プリンタ
101 受信部
102 画像記憶部
103 文字・画像抽出部
104、204 縮小処理部
105 最小画像サイズ判別部
106 最小文字サイズ判別部
107 イメージ合成部
108 画像形成部
209 印刷サイズ決定部
210 印刷サイズ問合せ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データおよび/または文字データ並びに出力領域の大きさを表す情報からなる画像形成データを入力し、その画像データおよび/または文字データを縮小して出力する画像処理装置において、
算出された縮小率で画像データを縮小する画像縮小処理手段と、
前記画像縮小処理手段が縮小した後の画像データを縮小前の画像データと比較し、縮小後の画像データの判読可否を判別する画像判別手段と、
前記画像判別手段により縮小された後の画像データが前記画像判別手段で判読可能と判別される縮小率を算出する画像縮小率算出手段とを設け、
前記画像縮小処理手段が、入力された画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小された画像データが前記画像判別手段により判読不可能と判別されたとき、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された画像データを縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1の画像処理装置において、
前記画像判別手段は、縮小前および縮小後の画像データを走査して周辺の画素との濃度変化が大きい画素からなる特徴部を抽出し、縮小前の画像データの特徴部数と縮小後の画像データの特徴部数との差が閾値を超えているとき、縮小後の画像データが判読不可能と判別することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の画像処理装置において、
算出された縮小率で文字データを縮小する文字縮小処理手段と、
前記文字縮小処理手段が縮小する文字データの判読可能な最小文字サイズを算出する最小文字サイズ算出手段と、
前記最小文字サイズ算出手段が算出した最小文字サイズに基づいて文字データの縮小率を算出する文字縮小率算出手段とを設け、
前記文字縮小処理手段が入力された文字データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小した後の文字の大きさを、前記最小文字サイズ算出手段により算出された最小文字サイズと比較し、前記文字の大きさが前記最小文字サイズより小さいと判別したとき、前記文字縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された文字データを縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3の画像処理装置において、
前記画像データを、入力された画像形成データから抽出した一または複数の画像データとし、
前記画像縮小処理手段が、それぞれの画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小されたそれぞれの画像データのうち、前記画像判別手段により判読不可能と判別された画像データを、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3の画像処理装置において、
入力された画像形成データから一または複数の文字データおよび/または画像データを抽出する文字・画像抽出手段を設け、
前記画像縮小率算出手段が、前記文字・画像抽出手段で抽出されたそれぞれの画像データの縮小率を算出するとともに、前記文字縮小率算出手段が、前記文字・画像抽出手段で抽出されたそれぞれの文字データの縮小率を算出し、前記画像縮小処理手段および前記文字縮小処理手段が、前記算出された縮小率のうち最も低い縮小率で入力されたすべての文字データおよび/または画像データを縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5の画像処理装置において、
入力された画像形成データを前記最も低い縮小率で縮小して生成した画像が出力領域に収まらない場合、操作者の選択により、前記画像縮小処理手段および前記文字縮小処理手段が、前記縮小率を上げて画像を生成し、または前記出力領域の大きさを超える出力領域に前記縮小率で画像を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
画像データおよび/または文字データ並びに出力領域の大きさを表す情報からなる画像形成データを入力し、その画像データおよび/または文字データを縮小して出力する画像処理装置において、
算出された縮小率で画像データを縮小する画像縮小処理手段と、
前記画像縮小処理手段が縮小した後の画像データを縮小前の画像データと比較し、縮小後の画像データの判読可否を判別する画像判別手段と、
前記画像判別手段により縮小された後の画像データが前記画像判別手段で判読可能と判別される縮小率を算出する画像縮小率算出手段とを設け、
前記画像縮小処理手段が、入力された画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小された画像データが前記画像判別手段により判読不可能と判別されたとき、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された画像データを縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1の画像処理装置において、
前記画像判別手段は、縮小前および縮小後の画像データを走査して周辺の画素との濃度変化が大きい画素からなる特徴部を抽出し、縮小前の画像データの特徴部数と縮小後の画像データの特徴部数との差が閾値を超えているとき、縮小後の画像データが判読不可能と判別することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の画像処理装置において、
算出された縮小率で文字データを縮小する文字縮小処理手段と、
前記文字縮小処理手段が縮小する文字データの判読可能な最小文字サイズを算出する最小文字サイズ算出手段と、
前記最小文字サイズ算出手段が算出した最小文字サイズに基づいて文字データの縮小率を算出する文字縮小率算出手段とを設け、
前記文字縮小処理手段が入力された文字データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小した後の文字の大きさを、前記最小文字サイズ算出手段により算出された最小文字サイズと比較し、前記文字の大きさが前記最小文字サイズより小さいと判別したとき、前記文字縮小率算出手段が算出した縮小率で入力された文字データを縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3の画像処理装置において、
前記画像データを、入力された画像形成データから抽出した一または複数の画像データとし、
前記画像縮小処理手段が、それぞれの画像データを出力領域の大きさに基づいて算出された縮小率で縮小し、縮小されたそれぞれの画像データのうち、前記画像判別手段により判読不可能と判別された画像データを、前記画像縮小率算出手段が算出した縮小率で縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3の画像処理装置において、
入力された画像形成データから一または複数の文字データおよび/または画像データを抽出する文字・画像抽出手段を設け、
前記画像縮小率算出手段が、前記文字・画像抽出手段で抽出されたそれぞれの画像データの縮小率を算出するとともに、前記文字縮小率算出手段が、前記文字・画像抽出手段で抽出されたそれぞれの文字データの縮小率を算出し、前記画像縮小処理手段および前記文字縮小処理手段が、前記算出された縮小率のうち最も低い縮小率で入力されたすべての文字データおよび/または画像データを縮小することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5の画像処理装置において、
入力された画像形成データを前記最も低い縮小率で縮小して生成した画像が出力領域に収まらない場合、操作者の選択により、前記画像縮小処理手段および前記文字縮小処理手段が、前記縮小率を上げて画像を生成し、または前記出力領域の大きさを超える出力領域に前記縮小率で画像を生成することを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−226385(P2010−226385A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70941(P2009−70941)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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