説明

画像処理装置

【課題】4:2:0のインターレース信号を4:2:2のインターレース信号へ変換する時、従来は色差信号の補間処理を垂直方向に対してのみ行い、補間色差信号を生成していたために、垂直解像度を改善するのが困難であった。
【解決手段】4:2:0のインターレース信号を4:2:2のインターレース信号への変換する時、輝度信号を用いて斜め方向の相関を検出し、その検出結果を用いて、色差信号の補間を斜め方向についても行う。これにより、色差信号の画質向上を図ると共に、MPEGデコード画像(4:2:0)で発生する色差信号のブロックノイズを削減しつつ、4:2:2の信号への変換を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーマット変換を行う画像処理装置に関する。特に、MPEGに規定された4:2:0サンプリングフォーマットの復号ビデオデータを、4:2:2のサンプリングフォーマットに変換して出力する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画のビデオデータは、MPEG2方式などによりデータ圧縮することで、効率良く伝送することができる。このMPEG2方式で最も一般的に使用されるメインプロファイル@メインレベルにおいては、輝度信号(Y)および色差信号(Cb、Cr)の比が4:2:0のサンプリングフォーマットにより輝度信号及び色差信号をサンプリングしてビデオデータを生成し、このビデオデータをノンインターレース方式に対応するフレーム構造により符号化処理する。これに対してテレビジョン受像機等の映像機器においては、インターレース方式が適用され、一般に、輝度信号(Y)および色差信号(Cb、Cr)の比が4:2:2のサンプリングフォーマットにより輝度信号及び色差信号をサンプリングして処理する。
【0003】
このため、従来の画像処理装置は、メインプロファイル@メインレベルによるビデオデータを処理する場合、復号した色差信号を補間処理することにより、4:2:0のサンプリングフォーマットのビデオデータを、4:2:2のサンプリングフォーマットに変換し、また復号データをインターレース方式に変換して出力する。
【0004】
4:2:0のサンプリングフォーマットのビデオデータを、4:2:2のサンプリングフォーマットに変換する技術は、特許文献1に開示されている。
【0005】
図7は、色差信号に補間処理を行う従来の画像処理装置を示す図である。色差信号入力端子202に入力された色差信号cは、ラインメモリ207に入力される。ラインメモリ207は色差信号cに関する1水平期間分のデータを記憶し、次の1水平期間の経過後に遅延色差信号dlycを出力する。補間データ生成部208は、色差信号cと遅延色差信号dlycとを入力し、2つの色差信号から補間処理で新たな補間色差信号を生成し、色差信号出力端子204から出力する。
【0006】
補間データ生成部208での補間色差信号の生成処理を、図8を用いて説明する。MPEG2などの4:2:0サンプリングフォーマットから所望する4:2:2のサンプリングフォーマットを得るために、内挿演算を行う。例えば、補間色差信号Cb1を得るために、
Cb1=(Ca1×5+Ca2×3)/8
の演算を行い、補間色差信号Cb2を得るために、
Cb2=(Ca1×1+Ca2×7)/8
の演算を行う。このように、補間データ生成部208は、入力される2つの色差信号を受け、垂直方向の補間演算処理(距離平均値補間)により補間色差信号を得ている。
【0007】
輝度信号入力端子201から入力された輝度信号は色差信号と出力タイミングを合わすためにラインメモリ209を用いて1水平期間分遅延し、遅延輝度信号dlyy1として輝度信号出力端子203より出力される。これにより4:2:0フォーマットのビデオデータを4:2:2フォーマットのインターレース信号に変換し出力する。
【0008】
上記の補間処理では、色差信号を用いて色差信号の補間のみを行い、輝度信号に対しては補間を行わない。輝度信号の補間も行う処理としては、例えば、4:2:2のサンプリングフォーマットのインターレース信号を、より精細な8:4:4のサンプリングフォーマットのプログレッシブ信号に変換する処理が考えられる。この変換処理では、輝度信号を用いて輝度信号の補間を行い、また、輝度信号とは独立して色差信号を用いて色差信号の補間を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−23460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図7および8を参照して説明した従来の画像処理装置では、色差信号の補間処理は垂直方向に対してのみ行っていた。このため、従来の画像処理装置では、色差信号の垂直解像度の改善はこれ以上できなかった。さらに、MPEGでは水平・垂直方向にブロックノイズが発生する場合があり、垂直方向のみの補間では、ブロックノイズが発生している箇所のノイズ感を増幅させるという課題があった。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、色差信号の垂直解像度を改善するとともに、ブロックノイズを軽減する画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像処理装置は、輝度信号および色差信号を含むビデオデータ信号を受け取り、色差信号を補間したビデオデータ信号を生成する画像処理装置であって、補間前のビデオデータ信号中の輝度信号を用いて、色差信号の補間を行う方向を決定する補間方向決定部と、前記輝度信号を用いて決定した補間方向に基づいて、補間前のビデオデータ信号中の色差信号に対して垂直方向または斜め方向の補間を行い、補間色差信号を生成する補間色差信号生成部とを備えることを特徴とする。
【0013】
ある実施形態によれば、前記輝度信号の補間は行わない。
【0014】
ある実施形態によれば、前記補間方向決定部は、複数の方向のそれぞれにおいて輝度信号間の差分を演算し、前記輝度信号間の差分の演算結果に基づいて前記色差信号の補間を行う方向を決定する。
【0015】
ある実施形態によれば、前記補間色差信号生成部は、前記補間方向に沿った位置に対応付けられた色差信号を用いて前記補間色差信号を生成する。
【0016】
ある実施形態によれば、前記補間前のビデオデータ信号は、輝度信号(Y)および色差信号(Cb、Cr)の比が4:2:0のサンプリングフォーマットのビデオデータ信号であり、前記補間後のビデオデータ信号は、輝度信号(Y)および色差信号(Cb、Cr)の比が4:2:2のサンプリングフォーマットのビデオデータ信号である。
【0017】
本発明の画像処理方法は、輝度信号および色差信号を含むビデオデータ信号を受け取り、色差信号を補間したビデオデータ信号を生成する画像処理方法であって、補間前のビデオデータ信号中の輝度信号を用いて、色差信号の補間を行う方向を決定するステップと、前記輝度信号を用いて決定した補間方向に基づいて、補間前のビデオデータ信号中の色差信号に対して垂直方向または斜め方向の補間を行い、補間色差信号を生成するステップとを包含することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像処理装置によれば、輝度信号をもとに垂直もしくは斜め方向に色差信号の補間が可能であり、色差信号の垂直解像度を改善するとともに、ブロックノイズを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における斜め相関検出・補間方向決定部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における斜め相関検出部の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における斜め相関検出部における演算に対応する画像信号の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における斜め方向の補間処理の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における画像処理装置を搭載したビデオカメラの構成を示す図である。
【図7】従来の画像処理装置の構成を示す図である。
【図8】従来の補間データを生成する処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(1.画像記録装置について)
図6は、本発明の実施形態にかかる画像記録装置101を示すブロック図である。画像記録装置101は、色差信号の補間処理を行う画像処理装置10を備えている。画像記録装置101はここではビデオカメラであるとして説明するが、本発明はビデオカメラに限定されず、例えばビデオレコーダーやパーソナルコンピュータ等の画像を記録する装置に適用され得る。また、本発明は、再生専用装置や、テレビジョン受像機等の表示装置に適用されてもよい。画像処理装置10は色差信号の補間処理を行う任意の装置に搭載される。
【0022】
なお、画像処理装置10は、例えば半導体集積回路素子として実現される。画像処理装置10は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせることにより実現してもよい。
【0023】
ビデオカメラ101は、光学系110により形成された被写体像を撮像素子121で撮像する。撮像素子121で生成された画像データは、前処理・圧縮伸張部140で各種処理が施され、メモリーカード164に格納される。また、メモリーカード164などに格納された画像データは、液晶モニタ162で表示可能である。カードスロット163は、画像データをメモリーカードに格納する記録部として機能する。なお、データを格納する記録媒体は、メモリーカードのような半導体メモリー素子に限られず、ハードディスクや光ディスク等であってもよい。以下、ビデオカメラ101の構成を詳細に説明する。
【0024】
光学系110は、対物レンズ111、ズームレンズ112、絞り113、OISユニット114、フォーカスレンズ115を含む。光学系110は、被写体からの光を集光し、被写体像を形成する。駆動系150は、光学系110内の各光学素子を駆動する。
【0025】
撮像素子121は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。撮像素子121は、例えばCCDイメージセンサー又はCMOSイメージセンサーである。タイミングジェネレータ122は、撮像素子121を駆動するためのタイミング信号を生成する。ADコンバータ131は、撮像素子121で生成された画像データをデジタル信号に変換する。
【0026】
前処理・圧縮伸張部140は、ADコンバータ131で変換された画像データに対して、ガンマ補正やホワイトバランス補正等の各種の処理を施す。前処理・圧縮伸張部140は、画像データに対して処理を施し、メモリーカード164に記録するための画像データを生成したり、液晶モニタ162に表示するための画像データを生成したりする。また、前処理・圧縮伸張部140は、メモリーカード164に格納された画像データに対して処理を施し、液晶モニタ162に表示するための画像データを生成したり、メモリーカード164に再格納するための画像データを生成したりする。前処理・圧縮伸張部140は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0027】
前処理部141は、ADコンバータ131で変換された画像データに対して、ガンマ補正やホワイトバランス補正、傷補正などの各種画像処理を行う。
【0028】
図6に示す例では、画像処理装置10は前処理部141に含まれる。画像処理装置10は、輝度信号の斜め方向の相関を検出し、その検出結果に基づいて、色差信号に対して斜め方向の補間を行って補間色差信号を生成する。画像処理装置10の構成の詳細は後述する。
【0029】
圧縮部142は、DCT(離散コサイン変換)、ハフマン符号化などをおこなうことにより、画像データを圧縮する。圧縮部142は、例えば、MPEG−2や、H.264の規格に準拠した圧縮形式により画像データを圧縮する。
【0030】
伸張部143は、メモリーカード164に格納された圧縮済みの画像データを液晶モニタ162で再生する場合などに、この画像データを非圧縮の状態に復号化する。
【0031】
コントローラ160は、ビデオカメラ101全体を制御する制御手段である。コントローラ160は、半導体素子などで実現可能である。コントローラ160は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせることにより実現してもよい。
【0032】
バッファメモリ161は、前処理・圧縮伸張部140及びコントローラ160のワークメモリとして機能する。バッファメモリ161は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0033】
カードスロット163は、メモリーカード164を着脱可能である。カードスロット163は、機械的及び電気的にメモリーカード164と接続可能である。メモリーカード164は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、データを格納可能である。
【0034】
液晶モニタ162は、撮像素子121で生成した画像データが示す画像やメモリーカード164などから読み出した画像データが示す画像を表示可能である。また、液晶モニタ162は、ビデオカメラ101の各種の設定情報や、撮影時間などを表示可能である。
【0035】
操作部材170は、各種操作手段を総称した構成要素である。操作部材170は、使用者の指示を受け付け、その指示をコントローラ160に伝える。
【0036】
(2.画像処理装置について)
本実施形態において、画像処理装置10は、メモリーカード164に格納されたビデオデータを外部機器へ出力するときに、色差信号の補間処理を行う。また、画像処理装置10は、メモリーカード164に格納されたビデオデータを液晶モニタ162に表示するときに、色差信号の補間処理を行う。画像処理装置10は、例えばMPEG方式で圧縮された画像データを表示可能なインターレース信号にデコードするときに用いられる。
【0037】
次に、画像処理装置10の構成および動作をより詳細に説明する。
【0038】
図1は、画像処理装置10の構成を示すブロック図である。
【0039】
2Hラインメモリ9は、輝度信号入力端子1から入力された輝度信号の出力タイミングを色差信号と合わせるために、2水平期間分、輝度信号yを遅延させ、遅延輝度信号dlyyを出力する。
【0040】
斜め相関検出・補間方向決定部6は入力輝度信号yと2Hラインメモリ9の出力である遅延輝度信号dlyyを入力として、輝度信号の斜め方向の相関を検出し、色差信号の補間すべき方向を決定して、補間方向信号dirを出力する。
【0041】
図2は、斜め相関検出・補間方向決定部6を示す図である。斜め相関検出部61は入力輝度信号yと遅延輝度信号dlyyから相関値a〜相関値gを生成する。補間方向決定部62は相関値a〜相関値gを用いてもっとも相関が強い方向を探索(例えば相関値a〜相関値gの中でもっとも小さな値を探す)し、補間方向を決定して補間方向信号dirを出力する。
【0042】
図3は、斜め相関検出部61を示す図である。遅延器610〜遅延器621は各々の入力信号を1サンプル分、遅延させる。減算器630は信号A−A1の演算を行い、相関値aを求める。減算器631は信号B−B1の演算を行い、相関値bを求める。減算器632は信号C−C1の演算を行い、相関値cを求める。減算器633は信号D−D1の演算を行い、相関値dを求める。減算器634は信号E−E1の演算を行い、相関値eを求める。減算器635は信号F−F1の演算を行い、相関値fを求める。減算器636は信号G−G1の演算を行い、相関値gを求める。
【0043】
図3における演算と画像信号との対応付けを図4に示す。表示画面上では複数の画素がマトリクス状に配列され、それぞれの画素に、輝度信号および色差信号が対応付けられる。図中、輝度信号は○で表し、色差信号は×で表している。本明細書において、垂直方向や斜め方向といった方向は、このような表示画面に画像信号を対応付けたときの方向を指す。垂直方向とは、水平走査方向(ライン方向)に対して垂直な方向を指し、斜め方向とは、水平走査方向に対して斜めの方向を指す。
【0044】
図4を参照して、信号Aから信号Gは、Nラインのサンプリング位置(M+6)からMの信号に対応し、信号A1から信号G1は、(N+2)ラインのサンプリング位置Mから(M+6)の信号に対応する。図3の演算では、N+1ラインのサンプリング位置(M+3)を中心とした輝度信号の斜め相関を求めている。
【0045】
ここで、例えば、画像上のAとA1とを結ぶの方向に斜め線などの斜め方向成分が存在することにより、輝度信号AとA1の値が近い場合、相関値aは小さな値となる。また、例えば、画像上のBとB1とを結ぶ方向に斜め線などの斜め方向成分が存在する場合は、相関値bは小さな値となる。以下同様に、斜め方向の相関が強い方向の相関値が小さくなる。補間方向検出部62は、この相関値a〜gの中で一番小さな値となった相関値に対応する方向を補間方向として決定し補間方向信号dirを出力する。このように決定された補間方向に沿って、補間データ生成部8は補間色差信号を生成し、出力する。
【0046】
色差信号入力端子2に入力された色差信号cは、ラインメモリ7に入力される。ラインメモリ7は色差信号cに関する1水平期間分のデータを記憶し、次の1水平期間の経過後に遅延色差信号dlycを出力する。補間データ生成部8は、色差信号cと遅延色差信号dlycとを入力し、2つの色差信号から補間処理で新たな補間色差信号を生成し、色差信号出力端子4から出力する。
【0047】
図5は、補間データ生成部8が行う斜め方向の補間処理の一例を示した図である。図中、補間色差信号は△で表している。図5に示す例では、サンプリング位置(M+2)における(N+1)ライン及び(N+2)ラインの補間色差信号を生成している。斜め相関検出部61の演算において、例えばB−B1の演算値が他の演算値と比べて最小だった場合、すなわち、相関値a〜gのうちの最小値が相関値bだった場合、補間方向は画像上のBとB1とを結ぶ方向(位置(N+1、M+2)を基準とした右斜め上方向および左斜め下方向)を示す。この場合、位置(N+1、M+2)に対応した補間色差信号Cb3は、例えば以下のように求めることで新たに生成することができる。
Cb3 = (Ca3×5+Ca4×3)/8
【0048】
また、位置(N+2、M+2)に対応した補間色差信号Cb4は、例えば以下のように求めることができる。
Cb4 = (Ca3×1+Ca4×7)/8
【0049】
なお、相関値a〜gのうちの最小値が相関値dだった場合は、補間方向は画像上の垂直方向となる。
【0050】
4:2:0のサンプリングフォーマットの各ラインの各サンプリング位置に対して、上記のような補間色差信号の生成処理を順次行うことにより、4:2:2のサンプリングフォーマットのビデオデータを生成することができる。
【0051】
また、上記の演算例では、補間色差信号Cb3、Cb4を距離の重み付けで求めていたが、別の演算方法として、
Cb3 = (Ca3+Ca4)/2
Cb4 = (Ca3+Ca4)/2
としてもよい。
【0052】
このように、画像処理装置10は、輝度信号をもとに、垂直方向だけでなく、斜め方向に関しても色差信号の補間が可能であり、したがって、色差信号の垂直解像度を改善するとともに、ブロックノイズを軽減することができる。
【0053】
なお、上述したサンプリングフォーマット4:2:2のインターレース信号をサンプリングフォーマット8:4:4のプログレッシブ信号に変換する処理では、輝度信号の補間を行うことで輝度信号の情報量を増やすが、人間の目は輝度には敏感であるため、輝度信号の補間ミスが生じると人間はそれに起因する画像の乱れを大きく感じることになる。本発明では、補間を行うのは色差信号のみであり、輝度信号の補間は行わないので、仮に補間ミスが生じても、それに起因する画像の乱れは人間には意識されにくいレベルに留めることができる。また、輝度信号の補間は行わないことは、演算量を減らすことができると言う利点もある。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明にかかる画像処理装置は、輝度信号から求めた補間方向に沿って色差信号を斜め方向に補間することで、色差信号の垂直解像度感を向上させるとともに、MPEG圧縮で発生するブロックノイズの軽減が可能になる。本発明は、例えば、4:2:0のサンプリングフォーマットのビデオデータを、4:2:2のサンプリングフォーマットに変換し、また復号データをインターレース方式に変換して出力する画像処理装置などの用途に有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 輝度信号入力端子
2 色差信号入力端子
3 輝度信号出力端子
4 色差信号出力端子
6 斜め相関検出・補間方向決定部
7 ラインメモリ
8 補間データ生成部
9 2Hラインメモリ
61 斜め相関検出部
62 補間方向決定部
610〜621 遅延器
630〜636 減算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度信号および色差信号を含むビデオデータ信号を受け取り、色差信号を補間したビデオデータ信号を生成する画像処理装置であって、
補間前のビデオデータ信号中の輝度信号を用いて、色差信号の補間を行う方向を決定する補間方向決定部と、
前記輝度信号を用いて決定した補間方向に基づいて、補間前のビデオデータ信号中の色差信号に対して垂直方向または斜め方向の補間を行い、補間色差信号を生成する補間色差信号生成部と、
を備えた、画像処理装置。
【請求項2】
前記輝度信号の補間は行わない、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補間方向決定部は、複数の方向のそれぞれにおいて輝度信号間の差分を演算し、前記輝度信号間の差分の演算結果に基づいて前記色差信号の補間を行う方向を決定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記補間色差信号生成部は、前記補間方向に沿った位置に対応付けられた色差信号を用いて前記補間色差信号を生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記補間前のビデオデータ信号は、輝度信号(Y)および色差信号(Cb、Cr)の比が4:2:0のサンプリングフォーマットのビデオデータ信号であり、
前記補間後のビデオデータ信号は、輝度信号(Y)および色差信号(Cb、Cr)の比が4:2:2のサンプリングフォーマットのビデオデータ信号である、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
輝度信号および色差信号を含むビデオデータ信号を受け取り、色差信号を補間したビデオデータ信号を生成する画像処理方法であって、
補間前のビデオデータ信号中の輝度信号を用いて、色差信号の補間を行う方向を決定するステップと、
前記輝度信号を用いて決定した補間方向に基づいて、補間前のビデオデータ信号中の色差信号に対して垂直方向または斜め方向の補間を行い、補間色差信号を生成するステップと、
を包含する、画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−35157(P2010−35157A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151434(P2009−151434)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】