画像処理装置
【課題】
動画像の各フレーム画像に対して微細なテクスチャ成分を付加した場合に発生するちらつきを抑制する画像処理装置を提供する。
【解決手段】
複数の画像からなる動画像を取得する取得部と、前記動画像中で処理の対象となる処理画像中の画素を順次注目画素として設定し、前記処理画像とは異なる参照画像中のテクスチャ成分を抽出した微細画像を記憶する記憶部と、前記注目画素の画素位置を第1の位置とし、前記微細画像中の第1の位置に対応する第2の位置を所定範囲内から探索する探索部と、前記微細画像中の前記第2の位置の画素値を前記注目画素の画素値に合成する合成部と、を有する。
動画像の各フレーム画像に対して微細なテクスチャ成分を付加した場合に発生するちらつきを抑制する画像処理装置を提供する。
【解決手段】
複数の画像からなる動画像を取得する取得部と、前記動画像中で処理の対象となる処理画像中の画素を順次注目画素として設定し、前記処理画像とは異なる参照画像中のテクスチャ成分を抽出した微細画像を記憶する記憶部と、前記注目画素の画素位置を第1の位置とし、前記微細画像中の第1の位置に対応する第2の位置を所定範囲内から探索する探索部と、前記微細画像中の前記第2の位置の画素値を前記注目画素の画素値に合成する合成部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビのデジタル放送が開始され、これまでのアナログ放送よりも解像度や画質が向上した。更なる画質の向上を図るためには、精細感の向上が重要である。
【0003】
画像の精細感を向上させる技術としては特許文献1の手法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−310117公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題点に鑑み、複数の画像からなる動画像を取得する取得部と、前記動画像中で処理の対象となる処理画像中の画素を順次注目画素として設定し、前記処理画像とは異なる参照画像中のテクスチャ成分を抽出した微細画像を記憶する記憶部と、前記注目画素の画素位置を第1の位置とし、前記微細画像中の第1の位置に対応する第2の位置を所定範囲内から探索する探索部と、前記微細画像中の前記第2の位置の画素値を前記注目画素の画素値に合成する合成部と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、動画像の各フレーム画像に対して微細なテクスチャ成分を付加した場合に発生するちらつきを抑制することができる画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動画像の各フレーム画像に対して微細なテクスチャ成分を付加した場合に発生するちらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1に係る画像処理装置1の構成を示す図。
【図2】実施例1に係る画像処理装置2の構成を示す図。
【図3】画像処理装置1の動作を示すフローチャート。
【図4】微細画像生成部の構成を示す図。
【図5】画像からテクスチャ成分抽出する方法を示す図。
【図6】テクスチャ画像と微細画像の関係を示す図。
【図7】テンプレート領域の例を示す図。
【図8】処理対象画素の探索例を示す図。
【図9】動きベクトル算出の処理を示すフローチャート。
【図10】等角直線フィッティングについて説明した図。
【図11】パラボラフィッティングについて説明した図。
【図12】実施例2に係る画像処理装置の構成を示す図。
【図13】実施例2に係る画像処理装置の動作を示すフローチャート。
【図14】画像処理装置30の構成を示す図。
【図15】画像処理装置30の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施例に係る画像処理装置は、例えばビデオカメラで撮影された動画像データやテレビが受信した動画像データをより画質の高い動画像データに変換する。以下、本実施形態に関する画像処理装置について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本実施形態の画像処理装置1を示す図である。画像処理装置1は、取得部101、記憶部102、探索部103、合成部104、を有する。
【0011】
画像処理装置1は、複数の画像(以下、画像をフレームと称する)からなる動画像105を入力とし、高画質化処理およびちらつき抑制処理が施された処理結果フレーム111を出力する。処理結果フレーム111は動画像105内の任意の処理フレームに対して高画質化処理およびちらつき抑制処理を施した結果得られるフレームである。
【0012】
動画像105は、まず取得部101に送られる。取得部101は、動画像105から任意の画像を処理フレーム106として設定し、また、処理フレーム106と異なるフレームである参照フレーム107を選択して読み込む。また、取得部101は、処理フレーム中の画素を注目画素として順次設定する。
【0013】
記憶部102は、動画像105中のフレームで、図2に示す画像処理装置2を用いて処理して生成された微細画像を記憶する。画像処理装置2は、生成部201と合成部202を有する。生成部201では、入力フレーム203に含まれるテクスチャ成分の空間周波数を増大させた微細テクスチャ成分である微細画像204を生成する。合成部202では、入力フレーム203と、生成部201が生成した微細画像204とを合成し、出力フレーム205を生成する。ここで生成した微細画像204を記憶部102に記憶する。
【0014】
探索部103では、処理フレーム106と参照フレーム107とから画素や領域の動きを示す変化量を算出する。記憶部102に記憶されている微細画像(参照微細画像109)と変化量から生成微細画像110を推定する。参照微細画像109は生成部201で参照フレーム107から生成した微細テクスチャ成分であり、生成微細画像110は処理フレーム106に対応する微細テクスチャ成分である。
【0015】
合成部104では、処理フレーム106と、探索部103が生成した生成微細画像110とを合成し、処理結果フレーム111を生成する。
【0016】
次に、画像処理装置1の動作の詳細について説明する。図3は、画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
【0017】
S301では、入力された動画像105から処理対象とする処理フレーム106を決定する。処理フレーム106は未処理フレームの中から任意に選択することが可能である。
【0018】
S302では、S301で決定した処理フレーム106を画像データとして読み込む。
【0019】
S303では、処理フレーム106に適用する処理を決定する。処理には、画像処理装置1で行う処理と、画像処理装置2で行う処理がある。微細画像を新たに生成するか否かを決め、新たに画像を生成する場合には画像処理装置2で行う処理を選択する。記憶部102にすでに微細画像が記憶されている場合には、画像処理装置1を選択してもよい。たとえば、処理フレーム106と参照フレーム107の間のフレーム数が予め決められたフレーム数の範囲内では記憶された微細画像を用いた処理を行う。好ましくは、探索部で算出された変化量の変化に応じて、記憶された微細画像を用いるか、新たに微細画像を作成するかを選択すると、画像のちらつきをより抑制できるのでよい。
【0020】
S304では、S303で画像処理装置2が選択された場合に、処理フレーム106から微細画像204を生成する。図4は微細画像204を生成する微細画像生成部の構成を示す図で、画像縮小部401、テクスチャ抽出部402、微細テクスチャ生成部403を有する。画像縮小部401では、入力された処理フレーム106を縮小し、縮小画像404を生成する。
【0021】
たとえば、一つのテクスチャパターンを含む画像を考えた場合、画像を1/K倍することによって周波数がK倍のテクスチャパターンを生成することができる。ここで、Kは0<K<1.0の範囲にある任意の実数である。テクスチャ抽出部402では、縮小画像404から、被写体の表面における微小な振動を表すテクスチャ画像405を生成する。テクスチャ画像405の生成には、例えば骨格/テクスチャ分離法、Center/Surround Retinex法、またはε−フィルタ等のテクスチャ抽出手法を用いればよい。
【0022】
図5は、画像からテクスチャ成分抽出する方法を説明する図である。画像を1次元で考えた場合について例示している。横軸が座標を表し、縦軸が各座標での輝度値を表す。図5(a)は、抽出前の画像の例を示す。図5(b),(c)はCenter/Surround Retinex法を用いて図5(a)に示した画像からテクスチャ成分を分離した例を示す。Center/Surround Retinex法を用いた場合は、非テクスチャ成分に強度の大きなエッジが保存される。図5(b)は抽出された非テクスチャ成分を、図5(c)は抽出されたテクスチャ成分を示す。図5(d),(e)は骨格/テクスチャ分離法を用いて図5(a)に示した画像を分離した例を示す。図5(d)は非テクスチャ成分を、図5(e)はテクスチャ成分を示す。骨格/テクスチャ分離法を用いた場合は、輝度差の大きなエッジはテクスチャ成分に保存される。いずれの手法を用いた場合にも、図5(a)に示した画像の輝度の大まかな変化パターンを除去したテクスチャ成分を得ることができる。
【0023】
微細テクスチャ生成部403は、テクスチャ画像405から、微細画像204を生成する。微細画像204は、微細画像204を生成する領域ごとに、テクスチャ画像405内の対応位置近傍を探索することで生成する。具体的には、(a)微細画像204の画素値が求まっていない処理対象画素を順次選択し(b)処理対象画素の微細画像204での位置と対応するテクスチャ画像405での位置の近傍領域を探索範囲とし、(c)処理対象画素の近傍で既に画素値が求まっている微細画像204の画素の画素値の変化パターンと類似する、画素値の変化パターンとなる探索範囲内の画素の画素値を、処理対象画素の画素値に割り当てることで生成する。
【0024】
図6は、テクスチャ画像405と微細画像204との関係を説明する図である。テクスチャ画像405のサイズをw × h [pixel]、微細画像204の画像サイズをW × H [pixel]とし、微細画像の生成領域が座標(Ik, Jk)であった場合、テクスチャ画像405内の対応点(ik, jk)は式(1)で求められる。
【数1】
【0025】
探索領域は、テクスチャ画像405の座標(ik, jk)を中心とする近傍領域を探索領域とする。探索領域の大きさは、10x10[pixel]から40x40[pixel]程度の小領域とする。
【0026】
テクスチャ画像405から、テクスチャ画像405よりも高い解像度の微細画像204への拡大の際に、一般的に用いられるバイリニア補間法やバイキュービック補間法等の単純な拡大処理を適用すると、高周波なテクスチャ成分情報が消失してしまい高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、テクスチャ画像405から微細画像204を生成する手法として、CG分野(コンピュータグラフィックスの分野)で提案されているテクスチャ合成手法を用いている。以下、詳細にテクスチャ合成手法について説明する。
【0027】
図7、図8は、微細画像204を生成する手法を説明するための図である。
【0028】
微細画像204中で生成対象とする処理対象画素の座標(Ik, Jk)は左上から右下へ逐次移動させる。図7に示すように、生成対象座標(Ik, Jk)の近傍領域(サイズN×N[pixel])内で、既に画素値が割り当てられている領域をテンプレート領域とする。
【0029】
図8に示すように、探索領域内でテンプレート領域と最も画素値の変化パターンが類似する領域を探索する。画素値の変化パターンか最も類似する領域で、テンプレート領域の(Ik, Jk)に該当する画素(図8の斜線画素)の輝度値を微細画像204の座標(Ik, Jk)の輝度値に割り当てる。テンプレート領域と最も類似した領域を探索領域中で探索する際には、例えば領域内の画素ごとの誤差の二乗和が最小となる領域を選択する。
【0030】
図3に戻る。S305では、S304で生成された微細画像204を記憶部102に保存する。
【0031】
S306では、S303で画像処理装置1が選択された場合に、参照フレーム107を決定する。参照フレーム107は、記憶部102に保存されている微細画像の生成元フレームの中から選択する。
【0032】
S307では、処理フレーム106から参照フレーム107への変化量(以下、動きベクトル)を算出する。動きベクトルは、画素精度で算出しても良いし、1画素よりも細かい精度(サブピクセル精度)で算出しても良い。サブピクセル精度で動きベクトルを算出する方法を図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
まず、S312で処理フレーム106中の1画素を注目画素Pに設定する。
【0034】
次に、S313で参照フレーム107において、注目画素Pの処理フレーム106内での空間的位置と同じ位置を中心として、動き探索範囲を設定する。動き探索範囲は、例えば矩形のブロックである。
【0035】
次に、S314で探索範囲内の各画素を中心とするブロックと、注目画素を中心とするブロックの画素値パターンの相違度を算出する。以降では、この画素値パターンの相違度をそれぞれのブロックの中心画素間のマッチング誤差と呼ぶものとする。マッチング誤差として、本実施形態ではSAD値(Sum of Absolute Differences)を用いるが、他にもSSD値(Sum of Squared Differences)を用いることもできる。マッチング誤差が大きいブロック程、注目画素を中心とするブロックの画素値パターンとの相違度が大きい。マッチング誤差を探索範囲内の画素について算出し、マッチング誤差が最小であった探索範囲内の画素位置を画素精度での動きベクトルの示す画素とする。このとき、探索範囲内の全画素を探索する他に、ダイヤモンドサーチを用いて高速化することもできる。動きベクトルを画素精度で算出する際には、S314が終了した後、S317に進む。サブピクセル精度で算出する際には、S315に進む。
【0036】
S315では、画素精度での動きベクトルを中心にして、次の方法でサブピクセル精度での動きを算出する。まず、S315で水平方向の動きを算出する。画素精度での動きベクトルの示す画素の座標が(x,y)であったとする。すると、画像の水平方向サブピクセル精度の動きベクトルxsubは、座標(i,j)におけるSAD値をSAD(i,j)として、等角直線フィッティングと呼ばれる手法により、次式で求めることができる。
【数2】
【0037】
図10は、等角直線フィッティングでサブピクセル推定を行う様子を示した模式図である。図10の横軸が画像内の座標、縦軸が各座標におけるSAD値を表している。式(2)は、図10に示されているように、傾きの等しい直線で(x-1,y),(x,y),(x+1,y)の3点におけるSAD値を結んだときの、直線が交差する位置を求めている。なお、画素値パターンの相違度としてSSD値を使う時は、パラボラフィッティングと呼ばれる手法により、次の式を使って動きベクトルを算出することが望ましい。
【数3】
【0038】
図11は、パラボラフィッティングでサブピクセル推定を行う様子を示した模式図である。
【0039】
次に、画像の垂直方向についても、同様にサブピクセル精度の動きベクトルysubを求める。以上の処理により、注目画素Pから参照フレーム107へのサブピクセル精度での動きベクトルは(x+xsub,y+ysub)と算出される。 なお、動きベクトルの算出は1つの注目画素毎に算出する他に、処理対象フレームの小領域毎(ここではブロックとする)にまとめて算出しても良い。例えば、処理対象フレームをブロック分割し、各ブロック単位で動きベクトルの算出を行い、ブロック内の画素の動きベクトルは同じとする。動きベクトルの算出を小領域毎にまとめて行うことで、フレーム内のすべての画素に対して動きベクトルの算出、算出された動きベクトルに関する情報の保持がないため、装置全体の処理にかかる時間・処理量を少なくすることができるため好ましい。
【0040】
S317では、処理フレーム106中の全画素に対して動きベクトルの算出が行われたか否かを判断し、未処理画素がある場合にはS312に戻り、全画素完了した場合にはS308に進む。
【0041】
図3に戻る。S308では、記憶部に記憶されている参照微細画像109を、変化量を用いて動き補償することにより、生成微細画像110を生成する。生成微細画像110の各画素に対して以下の処理を行う。処理フレーム106の座標(i,j)から参照フレーム107への動きベクトルが(x,y)であった場合、生成微細画像110の座標(i,j)の画素値は、参照微細画像109の座標(i+x,j+y)の画素値とする。なお、S307においてサブピクセル精度で動きベクトルを算出した場合は、参照微細画像109を補間することにより画素値を算出する。
【0042】
S309では、S303で画像処理装置1が選択された場合には、S308で生成された生成微細画像110と処理フレーム106とを合成して処理結果フレーム111を生成し、S303で画像処理装置2が選択された場合には、S304で生成された微細画像204と入力フレーム203とを合成して出力フレーム205を生成する。
【0043】
S310では、生成した処理結果フレーム111または出力フレーム205を出力する。
【0044】
S311では、動画像105の全フレームに対する処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合にはS301に移動し、終了している場合には処理を終了する。
【0045】
本実施形態の画像処理装置によれば、動画像105の処理フレーム106に対して、他の参照フレーム107との動きベクトルに基づき生成微細画像110を生成することで、ちらつきを発生させずに各フレームの精細感を向上させることができる。
【実施例2】
【0046】
本実施形態では、処理フレーム106に対して時間軸上で処理フレームよりも前の前フレーム1205と時間軸上で後の後フレーム1206の2フレームを参照する点が異なる。
【0047】
図12は、本実施形態の画像処理装置20の構成を表すブロック図である。図1の画像処理装置1と比較し、取得部1201と探索部1203の処理内容が変わり、ブレンド部1204をさらに有する点が異なる。なお、上述した第一の実施例と同等の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0048】
取得部1201は、動画像105から、任意の処理フレーム106と、処理フレーム106より前の時刻に存在する前フレーム1205と、処理フレーム106より後時刻に存在する後フレーム1206を読み込む。
【0049】
探索部1203は、処理フレーム106と前フレーム1205から第1変化量を推定し、処理フレーム106と後フレーム1206から第2変化量を推定する記憶部102に記憶されている第1微細画像1209を第1変化量により動き補償することで第1仮画像1211を生成し、記憶部102に記憶されている第2微細画像1210を第2変化量により動き補償することで第2仮画像1212を生成する。第1微細画像1209は生成部201で前フレーム1205から生成した微細テクスチャ成分であり、第2微細画像1210は生成部201で後フレーム1206から生成した微細テクスチャ成分である。
【0050】
ブレンド部1204は、第1仮画像1211と第2仮画像1212とをαブレンドを用いて合成し、生成微細画像110を生成する。
【0051】
図13は、画像処理装置20の動作を示すフローチャートである。S301、S302、S304、S305、S309〜S311は図3の説明と重複するため省略する。
【0052】
S1301では、処理フレーム106に適用する処理を決定する。処理には、画像処理装置1で行う処理と、画像処理装置2で行う処理がある。記憶部102にすでに、処理フレーム106の前時刻と後時刻のフレームそれぞれから生成した微細画像が少なくとも1枚ずつ記憶されている場合には画像処理装置1を選択する。ただし、前時刻と後時刻のフレームまでの距離が大きい場合には画像処理装置2を選択してもよい。また、周期を決定する変数Nを設定し、kN(kは自然数)フレーム目に画像処理装置2を選択し、それ以外のフレームでは画像処理装置1を選択してもよい。この場合、あらかじめすべてのkNフレーム目を先に処理してもよい。
【0053】
S1302では、S1301で画像処理装置1が選択された場合に、前フレーム1205と後フレーム1206を決定する。記憶部102に保存されている微細画像の生成元フレームで、処理フレーム106よりも前時刻のフレームの中から前フレームを、後時刻のフレームから後フレームをそれぞれ選択する。
【0054】
S1303では、処理フレーム106から前フレーム1205への変化量である第1変化量と、後フレーム1206への変化量である第2変化量をそれぞれ算出する。それぞれの算出方法は図9と同様である。
【0055】
S1304では、記憶部102に記憶されている第1変化量と第2変化量を読み取り、第1微細画像1209と第1変化量から第1仮画像1211を推定し、記憶部102に記憶されている第2微細画像1210と第2変化量から第2仮画像1212を推定する。第1微細画像1209は生成部201で前フレーム1205から生成した微細テクスチャ成分であり、第2微細画像1210は生成部201で後フレーム1206から生成した微細テクスチャ成分である。微細画像の生成方法はS308と同様である。
【0056】
S1305では、S1304で生成された第1仮生成微細画像1211と第2仮画像1212とをαブレンドを用いて合成し、生成微細画像110を生成する。式(4)は、前フレームである画像Aの座標(i,j)における画素値valueAと後フレームである画像Bの座標(i,j)における画素値valueBをαブレンドし、処理フレームである画像Cの座標(i,j)における画素値valueCを算出する式である。
【数4】
【0057】
αは0以上1.0以下の値であり、ある尺度を用いた場合の重みとする。例えば、フレーム間の時間差を尺度とする場合には、時間差が大きいほど小さな値をとる。すなわち、画像Aと画像Cの時間差よりも、画像Bと画像Cの時間差が長いとき、αは0.5未満の値をとる。また、動きベクトル推定精度の信頼度を尺度とする場合には、信頼度が大きいほど大きな値とする。また、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャなど、後フレームと前フレームの画質信頼度が異なる場合には、画質信頼度が高いほど大きな値とする。また、αは画面一括で決定してもよいし、画素ごとに変えてもよい。
【0058】
また、探索部で算出した第1変化量と第2変化量に基づく動きベクトルを用いてもよい。この場合、画素と参照フレーム中で対応する点とのベクトルのユークリッド距離に応じて、距離が大きいほど小さな値をとるようにする。
【0059】
本実施形態の画像処理装置によれば、処理フレーム106の前後のフレームから動きベクトルを推定し、距離を重みとした重みつき和により生成微細画像110を推定するため、より高い精度でのちらつき抑制効果が期待できる。
【0060】
(変形例)
実施例1及び実施例2では、主に入力動画像サイズと出力動画像サイズが等しい等倍処理について述べたが、本発明はこれに限らず、入力動画サイズと出力動画サイズが異なる場合にも適用することができる。本実施形態では、入力動画像サイズよりも出力動画像サイズの方が大きい拡大処理について説明する。なお、上述した実施例と同等の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0061】
図14は、本実施形態の画像処理装置30の構成を表すブロック図である。図1の画像処理装置1と比較し、仮拡大部1401をさらに有する点が異なる。
【0062】
取得部101は、入力された動画像106から任意の画像を処理フレーム106と参照フレーム107とを設定し、処理フレーム106を仮拡大部1401に送る。
【0063】
仮拡大部1401は処理フレーム106を拡大し、拡大画像1402を生成する。
【0064】
合成部104は、生成微細画像と拡大画像1402を合成して処理結果フレームを出力する。
【0065】
図15は本実施形態の画像処理装置30の動作を示すフローチャートである。
【0066】
S301では、入力された動画像105から処理対象とする処理フレーム106を決定する。処理フレーム106は未処理フレームの中から任意に選択することが可能である。
【0067】
S1501は、処理フレーム106を拡大した拡大画像1402を生成する。画像を拡大する方法として、任意の画像拡大手法を用いることか可能である。例えは、最近傍補間 法(あるいは、ニアレストネイバー法)、線形補間法、及び、キュービックコンボリュー ション法(バイキュービック補間法)など、画素値を補間して画像を拡大する方法を用いればよい。好ましくは、できるだけぼけの少ない画像を取得可能な画像拡大手法を用いると、画質の劣化を防ぐためには望ましい。
【0068】
S302では、S301で決定した処理フレーム106を画像データとして読み込む。
【0069】
S302では、S1501で拡大された仮拡大画像と同じフレームを処理フレームとして設定してもよい。
【0070】
S303からS307は実施例1と同様であるが、処理フレーム106として仮拡大部1401で拡大した拡大画像1402を設定、または参照フレーム107を仮拡大部1401で拡大した画像から選択することも可能である。
【0071】
S308では、記憶部に記憶されている参照微細画像109を、変化量を用いて動き補償することにより、生成微細画像110を生成する。入力画像よりも画素数の多い拡大画像を合成結果の出力画像とする場合、テクスチャ画像の仮拡大画像から生成した微細画像、処理フレームから生成した微細画像、処理フレームを縮小して生成した微細画像を用いてもよい。
なお、テクスチャ成分を抽出する画像が、合成の結果のフレームサイズより小さいほうが、処理フレームサイズのテクスチャよりも周波数が高くなり、画質の精細感が向上する。たとえば、実施例1のように画像を縮小させてテクスチャ画像を生成する、処理対象のフレームからテクスチャ画像を生成して、より画素数の多い拡大画像に合成する、または画像を拡大させてテクスチャ画像を生成し、拡大画像に合成する、などの方法が、画像中のテクスチャのきめ細かさを向上させるのでよい。
【0072】
本発明は、上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0073】
上記の各実施形態の画像処理装置は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。実行されるプログラムは、上述した各機能を含むモジュール構成となっている。プログラムはインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供しても、ROM等に予め組み込んで提供してもよい。
【符号の説明】
【0074】
101、1201・・取得部、102・・・記憶部、103、1203・・・探索部、104・・・合成部、1204・・ブレンド部、1401・・・仮拡大部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビのデジタル放送が開始され、これまでのアナログ放送よりも解像度や画質が向上した。更なる画質の向上を図るためには、精細感の向上が重要である。
【0003】
画像の精細感を向上させる技術としては特許文献1の手法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−310117公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題点に鑑み、複数の画像からなる動画像を取得する取得部と、前記動画像中で処理の対象となる処理画像中の画素を順次注目画素として設定し、前記処理画像とは異なる参照画像中のテクスチャ成分を抽出した微細画像を記憶する記憶部と、前記注目画素の画素位置を第1の位置とし、前記微細画像中の第1の位置に対応する第2の位置を所定範囲内から探索する探索部と、前記微細画像中の前記第2の位置の画素値を前記注目画素の画素値に合成する合成部と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、動画像の各フレーム画像に対して微細なテクスチャ成分を付加した場合に発生するちらつきを抑制することができる画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動画像の各フレーム画像に対して微細なテクスチャ成分を付加した場合に発生するちらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1に係る画像処理装置1の構成を示す図。
【図2】実施例1に係る画像処理装置2の構成を示す図。
【図3】画像処理装置1の動作を示すフローチャート。
【図4】微細画像生成部の構成を示す図。
【図5】画像からテクスチャ成分抽出する方法を示す図。
【図6】テクスチャ画像と微細画像の関係を示す図。
【図7】テンプレート領域の例を示す図。
【図8】処理対象画素の探索例を示す図。
【図9】動きベクトル算出の処理を示すフローチャート。
【図10】等角直線フィッティングについて説明した図。
【図11】パラボラフィッティングについて説明した図。
【図12】実施例2に係る画像処理装置の構成を示す図。
【図13】実施例2に係る画像処理装置の動作を示すフローチャート。
【図14】画像処理装置30の構成を示す図。
【図15】画像処理装置30の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施例に係る画像処理装置は、例えばビデオカメラで撮影された動画像データやテレビが受信した動画像データをより画質の高い動画像データに変換する。以下、本実施形態に関する画像処理装置について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本実施形態の画像処理装置1を示す図である。画像処理装置1は、取得部101、記憶部102、探索部103、合成部104、を有する。
【0011】
画像処理装置1は、複数の画像(以下、画像をフレームと称する)からなる動画像105を入力とし、高画質化処理およびちらつき抑制処理が施された処理結果フレーム111を出力する。処理結果フレーム111は動画像105内の任意の処理フレームに対して高画質化処理およびちらつき抑制処理を施した結果得られるフレームである。
【0012】
動画像105は、まず取得部101に送られる。取得部101は、動画像105から任意の画像を処理フレーム106として設定し、また、処理フレーム106と異なるフレームである参照フレーム107を選択して読み込む。また、取得部101は、処理フレーム中の画素を注目画素として順次設定する。
【0013】
記憶部102は、動画像105中のフレームで、図2に示す画像処理装置2を用いて処理して生成された微細画像を記憶する。画像処理装置2は、生成部201と合成部202を有する。生成部201では、入力フレーム203に含まれるテクスチャ成分の空間周波数を増大させた微細テクスチャ成分である微細画像204を生成する。合成部202では、入力フレーム203と、生成部201が生成した微細画像204とを合成し、出力フレーム205を生成する。ここで生成した微細画像204を記憶部102に記憶する。
【0014】
探索部103では、処理フレーム106と参照フレーム107とから画素や領域の動きを示す変化量を算出する。記憶部102に記憶されている微細画像(参照微細画像109)と変化量から生成微細画像110を推定する。参照微細画像109は生成部201で参照フレーム107から生成した微細テクスチャ成分であり、生成微細画像110は処理フレーム106に対応する微細テクスチャ成分である。
【0015】
合成部104では、処理フレーム106と、探索部103が生成した生成微細画像110とを合成し、処理結果フレーム111を生成する。
【0016】
次に、画像処理装置1の動作の詳細について説明する。図3は、画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
【0017】
S301では、入力された動画像105から処理対象とする処理フレーム106を決定する。処理フレーム106は未処理フレームの中から任意に選択することが可能である。
【0018】
S302では、S301で決定した処理フレーム106を画像データとして読み込む。
【0019】
S303では、処理フレーム106に適用する処理を決定する。処理には、画像処理装置1で行う処理と、画像処理装置2で行う処理がある。微細画像を新たに生成するか否かを決め、新たに画像を生成する場合には画像処理装置2で行う処理を選択する。記憶部102にすでに微細画像が記憶されている場合には、画像処理装置1を選択してもよい。たとえば、処理フレーム106と参照フレーム107の間のフレーム数が予め決められたフレーム数の範囲内では記憶された微細画像を用いた処理を行う。好ましくは、探索部で算出された変化量の変化に応じて、記憶された微細画像を用いるか、新たに微細画像を作成するかを選択すると、画像のちらつきをより抑制できるのでよい。
【0020】
S304では、S303で画像処理装置2が選択された場合に、処理フレーム106から微細画像204を生成する。図4は微細画像204を生成する微細画像生成部の構成を示す図で、画像縮小部401、テクスチャ抽出部402、微細テクスチャ生成部403を有する。画像縮小部401では、入力された処理フレーム106を縮小し、縮小画像404を生成する。
【0021】
たとえば、一つのテクスチャパターンを含む画像を考えた場合、画像を1/K倍することによって周波数がK倍のテクスチャパターンを生成することができる。ここで、Kは0<K<1.0の範囲にある任意の実数である。テクスチャ抽出部402では、縮小画像404から、被写体の表面における微小な振動を表すテクスチャ画像405を生成する。テクスチャ画像405の生成には、例えば骨格/テクスチャ分離法、Center/Surround Retinex法、またはε−フィルタ等のテクスチャ抽出手法を用いればよい。
【0022】
図5は、画像からテクスチャ成分抽出する方法を説明する図である。画像を1次元で考えた場合について例示している。横軸が座標を表し、縦軸が各座標での輝度値を表す。図5(a)は、抽出前の画像の例を示す。図5(b),(c)はCenter/Surround Retinex法を用いて図5(a)に示した画像からテクスチャ成分を分離した例を示す。Center/Surround Retinex法を用いた場合は、非テクスチャ成分に強度の大きなエッジが保存される。図5(b)は抽出された非テクスチャ成分を、図5(c)は抽出されたテクスチャ成分を示す。図5(d),(e)は骨格/テクスチャ分離法を用いて図5(a)に示した画像を分離した例を示す。図5(d)は非テクスチャ成分を、図5(e)はテクスチャ成分を示す。骨格/テクスチャ分離法を用いた場合は、輝度差の大きなエッジはテクスチャ成分に保存される。いずれの手法を用いた場合にも、図5(a)に示した画像の輝度の大まかな変化パターンを除去したテクスチャ成分を得ることができる。
【0023】
微細テクスチャ生成部403は、テクスチャ画像405から、微細画像204を生成する。微細画像204は、微細画像204を生成する領域ごとに、テクスチャ画像405内の対応位置近傍を探索することで生成する。具体的には、(a)微細画像204の画素値が求まっていない処理対象画素を順次選択し(b)処理対象画素の微細画像204での位置と対応するテクスチャ画像405での位置の近傍領域を探索範囲とし、(c)処理対象画素の近傍で既に画素値が求まっている微細画像204の画素の画素値の変化パターンと類似する、画素値の変化パターンとなる探索範囲内の画素の画素値を、処理対象画素の画素値に割り当てることで生成する。
【0024】
図6は、テクスチャ画像405と微細画像204との関係を説明する図である。テクスチャ画像405のサイズをw × h [pixel]、微細画像204の画像サイズをW × H [pixel]とし、微細画像の生成領域が座標(Ik, Jk)であった場合、テクスチャ画像405内の対応点(ik, jk)は式(1)で求められる。
【数1】
【0025】
探索領域は、テクスチャ画像405の座標(ik, jk)を中心とする近傍領域を探索領域とする。探索領域の大きさは、10x10[pixel]から40x40[pixel]程度の小領域とする。
【0026】
テクスチャ画像405から、テクスチャ画像405よりも高い解像度の微細画像204への拡大の際に、一般的に用いられるバイリニア補間法やバイキュービック補間法等の単純な拡大処理を適用すると、高周波なテクスチャ成分情報が消失してしまい高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、テクスチャ画像405から微細画像204を生成する手法として、CG分野(コンピュータグラフィックスの分野)で提案されているテクスチャ合成手法を用いている。以下、詳細にテクスチャ合成手法について説明する。
【0027】
図7、図8は、微細画像204を生成する手法を説明するための図である。
【0028】
微細画像204中で生成対象とする処理対象画素の座標(Ik, Jk)は左上から右下へ逐次移動させる。図7に示すように、生成対象座標(Ik, Jk)の近傍領域(サイズN×N[pixel])内で、既に画素値が割り当てられている領域をテンプレート領域とする。
【0029】
図8に示すように、探索領域内でテンプレート領域と最も画素値の変化パターンが類似する領域を探索する。画素値の変化パターンか最も類似する領域で、テンプレート領域の(Ik, Jk)に該当する画素(図8の斜線画素)の輝度値を微細画像204の座標(Ik, Jk)の輝度値に割り当てる。テンプレート領域と最も類似した領域を探索領域中で探索する際には、例えば領域内の画素ごとの誤差の二乗和が最小となる領域を選択する。
【0030】
図3に戻る。S305では、S304で生成された微細画像204を記憶部102に保存する。
【0031】
S306では、S303で画像処理装置1が選択された場合に、参照フレーム107を決定する。参照フレーム107は、記憶部102に保存されている微細画像の生成元フレームの中から選択する。
【0032】
S307では、処理フレーム106から参照フレーム107への変化量(以下、動きベクトル)を算出する。動きベクトルは、画素精度で算出しても良いし、1画素よりも細かい精度(サブピクセル精度)で算出しても良い。サブピクセル精度で動きベクトルを算出する方法を図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
まず、S312で処理フレーム106中の1画素を注目画素Pに設定する。
【0034】
次に、S313で参照フレーム107において、注目画素Pの処理フレーム106内での空間的位置と同じ位置を中心として、動き探索範囲を設定する。動き探索範囲は、例えば矩形のブロックである。
【0035】
次に、S314で探索範囲内の各画素を中心とするブロックと、注目画素を中心とするブロックの画素値パターンの相違度を算出する。以降では、この画素値パターンの相違度をそれぞれのブロックの中心画素間のマッチング誤差と呼ぶものとする。マッチング誤差として、本実施形態ではSAD値(Sum of Absolute Differences)を用いるが、他にもSSD値(Sum of Squared Differences)を用いることもできる。マッチング誤差が大きいブロック程、注目画素を中心とするブロックの画素値パターンとの相違度が大きい。マッチング誤差を探索範囲内の画素について算出し、マッチング誤差が最小であった探索範囲内の画素位置を画素精度での動きベクトルの示す画素とする。このとき、探索範囲内の全画素を探索する他に、ダイヤモンドサーチを用いて高速化することもできる。動きベクトルを画素精度で算出する際には、S314が終了した後、S317に進む。サブピクセル精度で算出する際には、S315に進む。
【0036】
S315では、画素精度での動きベクトルを中心にして、次の方法でサブピクセル精度での動きを算出する。まず、S315で水平方向の動きを算出する。画素精度での動きベクトルの示す画素の座標が(x,y)であったとする。すると、画像の水平方向サブピクセル精度の動きベクトルxsubは、座標(i,j)におけるSAD値をSAD(i,j)として、等角直線フィッティングと呼ばれる手法により、次式で求めることができる。
【数2】
【0037】
図10は、等角直線フィッティングでサブピクセル推定を行う様子を示した模式図である。図10の横軸が画像内の座標、縦軸が各座標におけるSAD値を表している。式(2)は、図10に示されているように、傾きの等しい直線で(x-1,y),(x,y),(x+1,y)の3点におけるSAD値を結んだときの、直線が交差する位置を求めている。なお、画素値パターンの相違度としてSSD値を使う時は、パラボラフィッティングと呼ばれる手法により、次の式を使って動きベクトルを算出することが望ましい。
【数3】
【0038】
図11は、パラボラフィッティングでサブピクセル推定を行う様子を示した模式図である。
【0039】
次に、画像の垂直方向についても、同様にサブピクセル精度の動きベクトルysubを求める。以上の処理により、注目画素Pから参照フレーム107へのサブピクセル精度での動きベクトルは(x+xsub,y+ysub)と算出される。 なお、動きベクトルの算出は1つの注目画素毎に算出する他に、処理対象フレームの小領域毎(ここではブロックとする)にまとめて算出しても良い。例えば、処理対象フレームをブロック分割し、各ブロック単位で動きベクトルの算出を行い、ブロック内の画素の動きベクトルは同じとする。動きベクトルの算出を小領域毎にまとめて行うことで、フレーム内のすべての画素に対して動きベクトルの算出、算出された動きベクトルに関する情報の保持がないため、装置全体の処理にかかる時間・処理量を少なくすることができるため好ましい。
【0040】
S317では、処理フレーム106中の全画素に対して動きベクトルの算出が行われたか否かを判断し、未処理画素がある場合にはS312に戻り、全画素完了した場合にはS308に進む。
【0041】
図3に戻る。S308では、記憶部に記憶されている参照微細画像109を、変化量を用いて動き補償することにより、生成微細画像110を生成する。生成微細画像110の各画素に対して以下の処理を行う。処理フレーム106の座標(i,j)から参照フレーム107への動きベクトルが(x,y)であった場合、生成微細画像110の座標(i,j)の画素値は、参照微細画像109の座標(i+x,j+y)の画素値とする。なお、S307においてサブピクセル精度で動きベクトルを算出した場合は、参照微細画像109を補間することにより画素値を算出する。
【0042】
S309では、S303で画像処理装置1が選択された場合には、S308で生成された生成微細画像110と処理フレーム106とを合成して処理結果フレーム111を生成し、S303で画像処理装置2が選択された場合には、S304で生成された微細画像204と入力フレーム203とを合成して出力フレーム205を生成する。
【0043】
S310では、生成した処理結果フレーム111または出力フレーム205を出力する。
【0044】
S311では、動画像105の全フレームに対する処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合にはS301に移動し、終了している場合には処理を終了する。
【0045】
本実施形態の画像処理装置によれば、動画像105の処理フレーム106に対して、他の参照フレーム107との動きベクトルに基づき生成微細画像110を生成することで、ちらつきを発生させずに各フレームの精細感を向上させることができる。
【実施例2】
【0046】
本実施形態では、処理フレーム106に対して時間軸上で処理フレームよりも前の前フレーム1205と時間軸上で後の後フレーム1206の2フレームを参照する点が異なる。
【0047】
図12は、本実施形態の画像処理装置20の構成を表すブロック図である。図1の画像処理装置1と比較し、取得部1201と探索部1203の処理内容が変わり、ブレンド部1204をさらに有する点が異なる。なお、上述した第一の実施例と同等の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0048】
取得部1201は、動画像105から、任意の処理フレーム106と、処理フレーム106より前の時刻に存在する前フレーム1205と、処理フレーム106より後時刻に存在する後フレーム1206を読み込む。
【0049】
探索部1203は、処理フレーム106と前フレーム1205から第1変化量を推定し、処理フレーム106と後フレーム1206から第2変化量を推定する記憶部102に記憶されている第1微細画像1209を第1変化量により動き補償することで第1仮画像1211を生成し、記憶部102に記憶されている第2微細画像1210を第2変化量により動き補償することで第2仮画像1212を生成する。第1微細画像1209は生成部201で前フレーム1205から生成した微細テクスチャ成分であり、第2微細画像1210は生成部201で後フレーム1206から生成した微細テクスチャ成分である。
【0050】
ブレンド部1204は、第1仮画像1211と第2仮画像1212とをαブレンドを用いて合成し、生成微細画像110を生成する。
【0051】
図13は、画像処理装置20の動作を示すフローチャートである。S301、S302、S304、S305、S309〜S311は図3の説明と重複するため省略する。
【0052】
S1301では、処理フレーム106に適用する処理を決定する。処理には、画像処理装置1で行う処理と、画像処理装置2で行う処理がある。記憶部102にすでに、処理フレーム106の前時刻と後時刻のフレームそれぞれから生成した微細画像が少なくとも1枚ずつ記憶されている場合には画像処理装置1を選択する。ただし、前時刻と後時刻のフレームまでの距離が大きい場合には画像処理装置2を選択してもよい。また、周期を決定する変数Nを設定し、kN(kは自然数)フレーム目に画像処理装置2を選択し、それ以外のフレームでは画像処理装置1を選択してもよい。この場合、あらかじめすべてのkNフレーム目を先に処理してもよい。
【0053】
S1302では、S1301で画像処理装置1が選択された場合に、前フレーム1205と後フレーム1206を決定する。記憶部102に保存されている微細画像の生成元フレームで、処理フレーム106よりも前時刻のフレームの中から前フレームを、後時刻のフレームから後フレームをそれぞれ選択する。
【0054】
S1303では、処理フレーム106から前フレーム1205への変化量である第1変化量と、後フレーム1206への変化量である第2変化量をそれぞれ算出する。それぞれの算出方法は図9と同様である。
【0055】
S1304では、記憶部102に記憶されている第1変化量と第2変化量を読み取り、第1微細画像1209と第1変化量から第1仮画像1211を推定し、記憶部102に記憶されている第2微細画像1210と第2変化量から第2仮画像1212を推定する。第1微細画像1209は生成部201で前フレーム1205から生成した微細テクスチャ成分であり、第2微細画像1210は生成部201で後フレーム1206から生成した微細テクスチャ成分である。微細画像の生成方法はS308と同様である。
【0056】
S1305では、S1304で生成された第1仮生成微細画像1211と第2仮画像1212とをαブレンドを用いて合成し、生成微細画像110を生成する。式(4)は、前フレームである画像Aの座標(i,j)における画素値valueAと後フレームである画像Bの座標(i,j)における画素値valueBをαブレンドし、処理フレームである画像Cの座標(i,j)における画素値valueCを算出する式である。
【数4】
【0057】
αは0以上1.0以下の値であり、ある尺度を用いた場合の重みとする。例えば、フレーム間の時間差を尺度とする場合には、時間差が大きいほど小さな値をとる。すなわち、画像Aと画像Cの時間差よりも、画像Bと画像Cの時間差が長いとき、αは0.5未満の値をとる。また、動きベクトル推定精度の信頼度を尺度とする場合には、信頼度が大きいほど大きな値とする。また、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャなど、後フレームと前フレームの画質信頼度が異なる場合には、画質信頼度が高いほど大きな値とする。また、αは画面一括で決定してもよいし、画素ごとに変えてもよい。
【0058】
また、探索部で算出した第1変化量と第2変化量に基づく動きベクトルを用いてもよい。この場合、画素と参照フレーム中で対応する点とのベクトルのユークリッド距離に応じて、距離が大きいほど小さな値をとるようにする。
【0059】
本実施形態の画像処理装置によれば、処理フレーム106の前後のフレームから動きベクトルを推定し、距離を重みとした重みつき和により生成微細画像110を推定するため、より高い精度でのちらつき抑制効果が期待できる。
【0060】
(変形例)
実施例1及び実施例2では、主に入力動画像サイズと出力動画像サイズが等しい等倍処理について述べたが、本発明はこれに限らず、入力動画サイズと出力動画サイズが異なる場合にも適用することができる。本実施形態では、入力動画像サイズよりも出力動画像サイズの方が大きい拡大処理について説明する。なお、上述した実施例と同等の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0061】
図14は、本実施形態の画像処理装置30の構成を表すブロック図である。図1の画像処理装置1と比較し、仮拡大部1401をさらに有する点が異なる。
【0062】
取得部101は、入力された動画像106から任意の画像を処理フレーム106と参照フレーム107とを設定し、処理フレーム106を仮拡大部1401に送る。
【0063】
仮拡大部1401は処理フレーム106を拡大し、拡大画像1402を生成する。
【0064】
合成部104は、生成微細画像と拡大画像1402を合成して処理結果フレームを出力する。
【0065】
図15は本実施形態の画像処理装置30の動作を示すフローチャートである。
【0066】
S301では、入力された動画像105から処理対象とする処理フレーム106を決定する。処理フレーム106は未処理フレームの中から任意に選択することが可能である。
【0067】
S1501は、処理フレーム106を拡大した拡大画像1402を生成する。画像を拡大する方法として、任意の画像拡大手法を用いることか可能である。例えは、最近傍補間 法(あるいは、ニアレストネイバー法)、線形補間法、及び、キュービックコンボリュー ション法(バイキュービック補間法)など、画素値を補間して画像を拡大する方法を用いればよい。好ましくは、できるだけぼけの少ない画像を取得可能な画像拡大手法を用いると、画質の劣化を防ぐためには望ましい。
【0068】
S302では、S301で決定した処理フレーム106を画像データとして読み込む。
【0069】
S302では、S1501で拡大された仮拡大画像と同じフレームを処理フレームとして設定してもよい。
【0070】
S303からS307は実施例1と同様であるが、処理フレーム106として仮拡大部1401で拡大した拡大画像1402を設定、または参照フレーム107を仮拡大部1401で拡大した画像から選択することも可能である。
【0071】
S308では、記憶部に記憶されている参照微細画像109を、変化量を用いて動き補償することにより、生成微細画像110を生成する。入力画像よりも画素数の多い拡大画像を合成結果の出力画像とする場合、テクスチャ画像の仮拡大画像から生成した微細画像、処理フレームから生成した微細画像、処理フレームを縮小して生成した微細画像を用いてもよい。
なお、テクスチャ成分を抽出する画像が、合成の結果のフレームサイズより小さいほうが、処理フレームサイズのテクスチャよりも周波数が高くなり、画質の精細感が向上する。たとえば、実施例1のように画像を縮小させてテクスチャ画像を生成する、処理対象のフレームからテクスチャ画像を生成して、より画素数の多い拡大画像に合成する、または画像を拡大させてテクスチャ画像を生成し、拡大画像に合成する、などの方法が、画像中のテクスチャのきめ細かさを向上させるのでよい。
【0072】
本発明は、上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0073】
上記の各実施形態の画像処理装置は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。実行されるプログラムは、上述した各機能を含むモジュール構成となっている。プログラムはインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供しても、ROM等に予め組み込んで提供してもよい。
【符号の説明】
【0074】
101、1201・・取得部、102・・・記憶部、103、1203・・・探索部、104・・・合成部、1204・・ブレンド部、1401・・・仮拡大部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像からなる動画像を取得する取得部と、
前記動画像中で処理の対象となる処理画像中の画素を順次注目画素として設定し、前記処理画像とは異なる参照画像中のテクスチャ成分を抽出した微細画像を記憶する記憶部と、
前記注目画素の画素位置を第1の位置とし、前記微細画像中の第1の位置に対応する第2の位置を所定範囲内から探索する探索部と、
前記微細画像中の前記第2の位置の画素値を前記注目画素の画素値に合成する合成部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記処理画像よりも前の画像と、前記処理画像よりも後の画像とを参照画像として選択し、
前記探索部は、前記第1の位置に対応する前記前の画像中の第3の位置と前記第1の位置に対応する前記後の画像中の第4の位置とを探索し、
前記合成部は前記第3の位置の画素値と前記第4の位置の画素値と前記注目画素とを合成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記合成部は前記第3の位置の画素値と前記第4の位置の画素値に重みを与える制御部を有し、
前記制御部は前記処理画像と前記後の画像との時間差が大きい場合には、前記時間差に応じた小さな重みを前記第3の位置の画素値に加え、前記時間差が小さい場合には前記第4の位置に前記時間差に応じた大きな重みを前記第4の位置の画素値に加えることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記参照画像のテクスチャ成分をテクスチャ画像として生成する生成部と、
前記テクスチャ画像内で、前記注目画素の位置と対応する前記テクスチャ画像内の位置を含む所定の探索範囲内から、前記テクスチャ画像の画素の画素値の変化パターンと類似する画素値の変化パターンをその周囲に有する類似画素を探索して、前記類似画素の画素値を前記画素の画素値に割り当て、微細画像を生成する微細画像生成部とを更に有し、
前記記憶部は、前記微細画像生成部で生成された微細画像を記憶することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記処理画像の画像を縮小してテクスチャ画像を生成することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記処理画像を等倍または拡大してテクスチャ画像を生成すること特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記処理画像よりも画素数の多い仮拡大画像を生成する仮拡大部を更に有し、
前記設定部は、前記仮拡大画像を前記処理画像として設定することを特徴とする請求項5あるいは6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記合成後の画像は処理対象の画素数と等しい画像であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記合成結果を表示する表示部を更にを有することを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項1】
複数の画像からなる動画像を取得する取得部と、
前記動画像中で処理の対象となる処理画像中の画素を順次注目画素として設定し、前記処理画像とは異なる参照画像中のテクスチャ成分を抽出した微細画像を記憶する記憶部と、
前記注目画素の画素位置を第1の位置とし、前記微細画像中の第1の位置に対応する第2の位置を所定範囲内から探索する探索部と、
前記微細画像中の前記第2の位置の画素値を前記注目画素の画素値に合成する合成部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記処理画像よりも前の画像と、前記処理画像よりも後の画像とを参照画像として選択し、
前記探索部は、前記第1の位置に対応する前記前の画像中の第3の位置と前記第1の位置に対応する前記後の画像中の第4の位置とを探索し、
前記合成部は前記第3の位置の画素値と前記第4の位置の画素値と前記注目画素とを合成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記合成部は前記第3の位置の画素値と前記第4の位置の画素値に重みを与える制御部を有し、
前記制御部は前記処理画像と前記後の画像との時間差が大きい場合には、前記時間差に応じた小さな重みを前記第3の位置の画素値に加え、前記時間差が小さい場合には前記第4の位置に前記時間差に応じた大きな重みを前記第4の位置の画素値に加えることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記参照画像のテクスチャ成分をテクスチャ画像として生成する生成部と、
前記テクスチャ画像内で、前記注目画素の位置と対応する前記テクスチャ画像内の位置を含む所定の探索範囲内から、前記テクスチャ画像の画素の画素値の変化パターンと類似する画素値の変化パターンをその周囲に有する類似画素を探索して、前記類似画素の画素値を前記画素の画素値に割り当て、微細画像を生成する微細画像生成部とを更に有し、
前記記憶部は、前記微細画像生成部で生成された微細画像を記憶することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記処理画像の画像を縮小してテクスチャ画像を生成することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記処理画像を等倍または拡大してテクスチャ画像を生成すること特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記処理画像よりも画素数の多い仮拡大画像を生成する仮拡大部を更に有し、
前記設定部は、前記仮拡大画像を前記処理画像として設定することを特徴とする請求項5あるいは6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記合成後の画像は処理対象の画素数と等しい画像であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記合成結果を表示する表示部を更にを有することを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図4】
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【図10】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−210197(P2011−210197A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79819(P2010−79819)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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