説明

画像処理装置

【課題】
外部記録装置の記録の開始/停止を制御する場合、外部記録装置で動画に付加して記録されるタイムコードの継続性を確保する。
【解決手段】
ビデオカメラ(100)は、記録開始の指示に従い動画データを記録媒体(109)に記録し、通信部(110)を介してレコーダ(200)に記録開始コマンドを出力し、動画データとタイムコードをレコーダ(200)に出力する。ビデオカメラ(100)は、記録停止の指示に従いレコーダ(200)に記録停止コマンドを出力する。レコーダ(200)が記録停止コマンドを受信してから実際に記録を停止するまで、ビデオカメラ(100)は、タイムコードのカウントを継続し、動画データとタイムコードをレコーダ(200)に出力し続ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置に関し、特に、装置外部に対して動画を出力する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−186959号公報
【0004】
従来、動画像を撮影して記録媒体に記録する撮像装置が知られている。また、撮影した動画像を外部記録装置に出力し、外部記録装置で動画像を記録するシステムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
撮像装置が外部記録装置に撮影による動画像信号を出力するシステムにおいて、外部記録装置が、撮像装置の撮影に同期して、動画像信号を記録する構成も知られている。撮像装置が、タイムコードと動画像信号を外部記録装置に供給し、外部記録装置に記録の開始/停止コマンドを供給して、外部記録装置を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像装置が外部記録装置の記録の開始/停止を制御する従来の構成では、撮像装置は、外部記録装置が実際に記録を停止するタイミングを知ることができなかった。
【0007】
例えば、撮像装置は、自身の動画記録を停止すると、タイムコードのカウントを停止する。その結果、撮像装置は、自身の動画記録を停止した後は、外部記録装置に同じ値のタイムコードを出力し続ける。この結果、外部記録装置は、記録停止コマンドを受けてから実際に記録を停止するまでの間、同じ値のタイムコードを動画像信号に付加して記録してしまうことになる。
【0008】
本発明は、この様な不都合を解消する画像処理装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像処理装置は、動画データを入力する入力手段と、前記動画データの記録開始からの経過時間を示すタイムコードを生成するタイムコード生成手段と、前記入力手段により入力された動画データと前記タイムコード生成手段により生成されたタイムコードとを記録媒体に記録する記録手段と、前記入力手段により入力された動画データと前記タイムコード生成手段により生成されたタイムコードとを外部記録装置に出力する出力手段と、前記記録手段による前記動画データの記録開始に応じて前記外部記録装置に記録開始コマンドを出力し、前記記録手段による前記動画データの記録停止に応じて前記外部記録装置に記録停止コマンドを出力するように前記出力手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記記録手段による前記動画データの記録開始に応じて、前記タイムコード生成手段に前記タイムコードのカウントを開始させると共に、前記外部記録装置への前記タイムコードの出力を前記出力手段に開始させ、前記記録手段による前記動画データの記録停止に応じた前記動画データの記録停止の後のカウント継続期間の間、前記タイムコード生成手段による前記タイムコードのカウントを継続させ、前記外部記録装置への前記タイムコードの出力を前記出力手段に継続させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部記録装置において記録される動画に対し、正しいタイムコードを付加できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】ビデオカメラの動作フローチャートである。
【図3】1GOPの構成例を示す模式図である。
【図4】図2に示す動作の記録例である。
【図5】ビデオカメラの別の動作フローチャートである。
【図6】図5に示す動作の記録例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施例を組み込んだビデオカメラ100と、外部記録装置としてのレコーダ200の概略構成ブロック図を示す。ビデオカメラ100とレコーダ200は、ケーブル300により接続している。ビデオカメラ100で撮影された動画データは、ケーブル300を介してレコーダ200に供給される。レコーダ200は、ケーブル300からの動画データを記録する。
【0014】
ビデオカメラ100の構成と基本機能を説明する。撮像部101は、動画データを入力する入力手段として機能し、被写体を撮影して動画データを出力する。信号処理部102は、記録時に撮像部101により得られた動画データに所定の処理を施すと共に、MPEG方式に従って符号化する。信号処理部102は、再生時には、再生動画データを復号する。表示制御部103は、撮影時には撮像部101により得られた動画データに係る画像を表示部104に表示し、再生時には再生動画データに係る画像を表示する。また、表示制御部103は、メニュー画面等の各種の情報を表示部104に表示する。
【0015】
メモリ105は、撮像部101により得られた動画データ、及び符号化された動画データを記憶する。また、メモリ105は、記録媒体109における管理情報等の情報も記憶する。制御部106はマイクロコンピュータを有し、プログラムに従ってビデオカメラ100の各部を制御する。操作部107は、電源スイッチ、撮影開始/停止の指示スイッチ、撮影モードと再生モードを切り替えるためのモードスイッチ、及びメニュー画面を操作するためのスイッチ等を備える。制御部106は、操作部107からの指示に応じて各部を制御する。
【0016】
記録媒体制御部108は、記録媒体109に動画データを記録し、また、記録媒体109から動画データを再生する。記録媒体109は、フラッシュメモリカード等のランダムアクセスの記録媒体である。記録媒体109は、不図示の装着排出機構によりビデオカメラ100に着脱自在である。記録媒体制御部108は、FATファイルシステム等の公知のファイルシステムに従い、記録媒体109に記録する各種のデータをファイルとして管理する。
【0017】
通信部110は、撮像部101により得られた動画データ、及び、再生された動画データを外部に出力する。通信部110は、SDI(Serial Digital Interface)方式に従って動画データを外部に出力すると共に、外部機器に記録の開始指示及び停止指示等のコマンドを出力する。タイムコード生成部111は、記録媒体109に記録する動画データに対してフレーム毎に付加される時間情報としてのタイムコードを生成する。データバス112は、各部の間でデータやコマンドを送受信する。
【0018】
通常撮影時の動作を説明する。操作部107により電源が投入されると、撮像部101により得られた動画データは、データバス112を介して表示制御部103に出力される。表示制御部103は、撮像部101からの動画データに係る動画像を表示部104に表示する。撮像部101は、毎秒30フレームの動画データを出力する。この段階では、記録ポーズ状態にある。
【0019】
記録ポーズ状態で、操作部107により記録開始の指示があると、撮像部101から出力された動画データがメモリ105に送られ、一時記憶される。メモリ105に記憶された動画データは、信号処理部102における符号化処理に適した順序で読み出される。信号処理部102は、MPEG方式に従ってメモリ105から読み出した動画データを符号化し、再度、符号化動画データをメモリ105に記憶する。制御部106は、各種の制御情報などをメモリ105に記憶し、符号化動画データに多重する。これにより、ストリームデータが生成される。
【0020】
MPEGでは、動画データをフレーム内符号化、前方予測フレーム間動き補償予測符号化及び双方向予測フレーム間動き補償予測符号化の三種類の符号化方式を選択的に用いて符号化する。符号化された動画データは、IスライスのみからなるIピクチャ、BスライスのみからなるBピクチャ、及び、PスライスのみからなるPピクチャの三種類で構成されている。また、動画データは、1フレームのIピクチャと所定数のP,BピクチャからなるGOP(Group Of Pictures)を単位として符号化される。
【0021】
タイムコード生成部111は、記録開始の指示に応じて、記録開始からの経過時間を示すタイムコードのカウントを開始する。タイムコード生成部111は、1フレーム毎にタイムコード値をカウントアップし、「時:分:秒:フレーム」を示すタイムコードを生成し、メモリ105に出力する。制御部106は、符号化された各フレームにタイムコードを付加する。記録媒体制御部108は、メモリ105に所定量のストリームデータが蓄積されると、メモリ105からそのストリームデータを読み出し、記録媒体109に記録する。
【0022】
これ以降、記録停止の指示があるまでの間、同様の処理を継続する。
【0023】
記録停止の指示があると、記録媒体109に対するデータの記録を停止する。このとき、記録停止の指示に対応したフレームがGOPの最後のフレーム以外のフレームであった場合、記録停止の指示に対応するフレームを含むGOPの最後のフレームまで記録してから、記録を停止する。本実施例では、記録開始の指示から記録停止の指示までの間に記録媒体109に記録された一連のシーンのデータを、一つの動画ファイルとして管理する。
【0024】
再生時の動作を説明する。本実施例では、記録媒体109に記録された各シーンの代表画像の一覧を示すインデックス画面を表示し、これら代表画面から所望のシーンを選択する。制御部106は、操作部107から再生モードへの切り替え指示があると、後述の様にインデックス画面を表示部104に表示させる。ユーザは操作部107を操作して、表示部104に表示された代表画像のうち、所望のクリップの代表画像を選択する。
【0025】
制御部106は、記録媒体109に記録された管理情報に基づいて記録媒体制御部108を制御し、ユーザが選択した代表画像に対応するシーンのファイルを再生する。
【0026】
再生されたストリームファイル中のストリームデータは、一旦、メモリ105に蓄積される。信号処理部102は、メモリ105から動画データを読み出して復号し、メモリ105に送る。通信部110が、メモリ105に記憶された動画データを外部モニタなどの表示形態に適用した形態に変換して出力する。表示制御部103は、インデックス画面に代えて、メモリ105に記憶された動画データに係る動画像を表示部104に表示する。
【0027】
レコーダ200に対する動画データの出力処理を説明する。記録ポーズ状態において、ユーザが通信部110にSDI方式に対応するケーブル300を接続すると、制御部106は、撮像部101から出力される動画データを通信部110からレコーダ200に出力する。SDI方式は、動画データ等のビデオ信号を伝送する規格である。本実施例では、このSDI方式に従い、動画データを圧縮符号化していない状態でレコーダ200に出力する。レコーダ200は、ビデオカメラ100からの動画データを符号化して記録する。
【0028】
レコーダ200の構成と基本機能を説明する。通信部201は、SDI方式に従って、外部からの動画データや各種の情報を受信する。信号処理部202は、通信部201により得られた動画データに所定の処理を施すと共に、MPEG方式に従って符号化する。また、信号処理部202は、再生時には、再生された動画データを復号する。
【0029】
本実施例では、レコーダ200において動画データを圧縮する際の1GOPのフレーム数は、ビデオカメラ100において動画データを圧縮する際の1GOPのフレーム数とは異なる。例えば、前者は15フレームであるのに対し、後者は12フレームである。図3は、ビデオカメラ100とレコーダ200のGOPの構成例を示す。301は、ビデオカメラ100による符号化の1GOPのフレーム構成を示す。302は、レコーダ200による符号化の1GOPのフレーム構成を示す。図3において、I、P、Bがそれぞれ、フレーム内符号化、前方予測フレーム間動き補償予測符号化、双方向予測フレーム間動き補償予測符号化されたフレームを示す。また、I,P,Bに続く番号は、1GOP内での各フレームの表示順を示す。
【0030】
表示制御部203は、記録時には通信部201により得られた動画データに係る画像を表示部204に表示し、再生時には再生された動画データに係る画像を表示する。また、表示制御部203は、メニュー画面等の各種の情報を表示部204に表示する。
【0031】
メモリ205は、通信部201により得られた動画データ及び符号化された動画データを記憶する。また、メモリ205は、記録媒体209における管理情報等の情報も記憶する。制御部206はマイクロコンピュータを有し、プログラムに従ってレコーダ200の各部を制御する。操作部207は、電源スイッチ、撮影開始/停止の指示スイッチ、撮影モードと再生モードを切り替えるためのモードスイッチ、及びメニュー画面を操作するためのスイッチ等を備える。制御部206は、操作部207からの指示に応じて各部を制御する。
【0032】
記録媒体制御部208は、記録媒体209に動画データを記録し、また、記録媒体209から動画データを再生する。記録媒体209は、フラッシュメモリ又はハードディスク(HDD)等のランダムアクセスの記録媒体である。本実施例では、記録媒体209は、レコーダ200に内蔵されるが、不図示の装着排出機構により交換可能であってもよい。データバス210は、各部の間でデータやコマンドを送受信する。
【0033】
レコーダ200において、ユーザが操作部207を操作して記録開始を指示すると、制御部206は各部を制御して、通信部201からの動画データを記録媒体209に記録し、記録停止が指示されると、記録を停止する。
【0034】
ユーザが操作部207を操作して連動記録モードに設定すると、制御部206は、通信部201がビデオカメラ100からの記録開始/停止のコマンドに従い、動画データの記録の開始と停止を制御する。
【0035】
ビデオカメラ100の記録にレコーダ200の記録を連動させる連動記録モードを説明する。ユーザは、操作部107によりビデオカメラ100に連動記録モードを設定でき、操作部207によりレコーダ200に連動記録モードを設定できる。連動記録モードでは、ビデオカメラ100は、ユーザによる記録開始/停止の指示に応じて、レコーダ200に記録開始/停止のコマンドを出力する。レコーダ200は、連動記録モードが設定されている場合には、外部からの(ここではビデオカメラ100からの)記録開始/停止コマンドに応じて、通信部201から入力した動画データの記録を開始/停止する。
【0036】
ビデオカメラ100の制御部106は、操作部107からの記録開始の指示があると、前述のように各部を制御して、記録媒体109への動画データの記録を開始する。また、制御部106は、連動記録モードでは、この記録開始の指示に応じて、記録開始コマンドをレコーダ200に出力するように通信部110を制御する。更に、制御部106は、記録開始の指示に応じて、タイムコード生成部111により生成されたタイムコードを、通信部110から出力される動画データの各フレームに付加して出力させる。
【0037】
レコーダ200では、通信部201は、記録開始コマンドを受信すると、制御部206に転送する。制御部206は、記録開始コマンドに応じて、通信部201からの動画データの符号化を開始し、記録媒体209への記録を開始する。通信部201は、記録開始コマンドの後、動画データに付加されたタイムコードを検出して制御部206に送る。制御部206は、符号化された動画データの各フレームに、通信部201からのタイムコードを付加する。タイムコードを付加された符号化動画データは、記録媒体209に記録される。
【0038】
記録停止の指示があると、制御部106は、記録媒体109への動画データの記録を停止する。また、制御部106は、記録停止の指示に応じて、記録停止コマンドをレコーダ200に出力するように、通信部110を制御する。制御部106は、記録停止の指示に応じて、後述の様にタイムコード生成部111によるカウント処理を制御し、所定のカウント継続期間の間、レコーダ200にタイムコードの出力を継続して停止させる。
【0039】
レコーダ200では、通信部201が記録停止コマンドを受信し、制御部206に転送する。制御部206は、記録停止コマンドに応じて、通信部201からの動画データの符号化を停止し、記録媒体209への動画データの記録を停止する。ただし、記録停止コマンドに対応したフレームがGOPの最後のフレーム以外のフレームであった場合、記録停止コマンドに対応するフレームを含むGOPの最後のフレームまで記録してから、記録を停止する。
【0040】
この様に、連動記録モードでは、ビデオカメラ100への記録開始/停止の指示に連動して、外部のレコーダ200も動画データの記録を開始/停止する。
【0041】
本実施例では、ビデオカメラ100における動画圧縮時の1GOPのフレーム数とレコーダ200における動画圧縮時の1GOPのフレーム数が異なる。また、レコーダ200では、記録停止コマンドを受けた後も、GOPの最後のフレームまで記録してから記録を停止する。従って、連動記録モードにおいて、ビデオカメラ100で最後に記録されるフレームと、レコーダ200で最後に記録されるフレームが異なる場合が多い。
【0042】
ビデオカメラ100は、動画記録を停止した後も、所定のカウント継続期間の間、タイムコード生成部111によるタイムコードのカウント処理を継続し、レコーダ200にタイムコードを出力し続ける。これにより、レコーダ200は、ビデオカメラ100から記録停止コマンドを受信してから実際に記録を停止するまでの間も、正しいタイムコードを記録することが可能になる。もちろん、カウント継続期間は、レコーダ200が記録停止コマンドを受信してから実際に記録を停止するまでの最大時間以上に設定される。
【0043】
図2は、連動記録モードにおけるビデオカメラ100の動作フローチャートを示す。図2の処理は、制御部106が各部を制御することにより実行される。
【0044】
連動記録モードが設定された状態で、操作部107より記録開始の指示があると、制御部106は、通信部110によりレコーダ200に記録開始コマンドを出力させる(S201)。ビデオカメラ100は、動画データの符号化及び記録を開始する(S202)。
【0045】
制御部106は、通信部110を制御して、動画データにタイムコード生成部111により生成されたタイムコードを付加したデータをレコーダ200に出力させる(S203)。
【0046】
ビデオカメラ100において、1フレームの動画データの符号化と記録が終了すると、タイムコード生成部111はタイムコードをカウントアップする(S204)。
【0047】
ユーザが操作部107により記録停止を指示するまで(S205)、S202〜S204の処理を続ける。
【0048】
操作部107により記録停止の指示があると(S205)、制御部106は、GOPの最終フレーム、即ち、図3のGOP構成301におけるP11フレームまで記録したか否かを判別する(S206)。GOPの最終フレームまで記録していない場合(S206)、ビデオカメラ100は、動画データの符号化と記録を続け(S213)、動画データ及びタイムコードをレコーダ200に出力する(S214)。タイムコード生成部111がタイムコードをカウントアップし、S206に戻る(S215)。
【0049】
GOPの最終フレームまで記録した場合(S206)、ビデオカメラ100は、動画データの符号化と記録を停止する(S207)。そして、制御部106は、通信部110により記録停止コマンドをレコーダ200に出力させる(S208)。通信部110は継続して、動画データにタイムコード生成部111によるタイムコードを付加してレコーダ200に出力する(S209)。タイムコード生成部111は、タイムコードをカウントアップする(S210)。
【0050】
記録媒体109への動画データの記録を停止してからカウント継続期間が経過するまで(S211)、S209とS210の処理を繰り返す。所定カウント継続期間が経過すると(S211)、その時点でタイムコード生成部111が生成しているタイムコードの値をメモリ105に記憶し(S212)、処理を終了する。
【0051】
本実施例では、S211におけるカウント継続期間を、ビデオカメラ100における1GOPのフレーム数とレコーダ200における1GOPのフレーム数とに基づいて決定する。カウント継続期間は、レコーダ200が記録停止コマンドを受信した後、記録を停止するまでに記録する全フレームに異なるタイムコードが付加されるようにするのに必要な期間である。
【0052】
レコーダ200における1GOPのフレーム数は、例えば、ユーザが、操作部107によりビデオカメラ100に入力する。これ以外にも、レコーダ200から通信部201を介して1GOPのフレーム数の情報をビデオカメラ100に知らせる様にしてもよい。
【0053】
ビデオカメラ100における1GOPのフレーム数が12で、レコーダ200における1GOPのフレーム数が15である場合、レコーダ200は、記録停止コマンドの後、最長で12フレームの動画を記録する可能性がある。例えば、記録開始から37フレーム目から48フレーム目までの間で記録停止の指示があると、ビデオカメラ100は、48フレーム目まで動画を記録して記録停止すると共に、記録停止コマンドをレコーダ200に出力する。レコーダ200は、48フレーム目で記録停止コマンドを受けると、1GOPのフレーム数の整数倍である60フレーム目まで動画を記録して記録停止する。
【0054】
図4は、ビデオカメラ100とレコーダ200において記録される動画と、ビデオカメラ100で生成されるタイムコードの関係の一例を示す。401は、ビデオカメラ100で記録される1シーン目の動画データを示す。402は、レコーダ200で記録される1シーン目の動画データを示す。403は、ビデオカメラ100で1シーン目の記録時に生成されるタイムコードを示す。409は、ビデオカメラ100で記録される2シーン目の動画データを示す。410は、レコーダ200で記録される2シーン目の動画データを示す。411は、ビデオカメラ100で2シーン目の記録時に生成されるタイムコードを示す。
【0055】
1シーン目の記録開始の指示404があると、ビデオカメラ100は、動画データ401の記録を開始すると共に、レコーダ200に記録開始コマンドを出力する。レコーダ200は、記録開始コマンドを受け、動画データ402の記録を開始する。タイムコード生成部111は、タイムコード403を順次、生成する。
【0056】
記録停止の指示405があると、ビデオカメラ100は、指示405に対応するフレームB10を含むGOPの最終フレームP11まで記録した時点406で、動画データ401の記録を停止し、レコーダ200に記録停止コマンドを出力する。レコーダ200は、記録停止コマンドを受けた時点406に対応したフレームB6を含むGOPの最終フレームP14まで記録して、動画データ402の記録を停止する。
【0057】
ビデオカメラ100は、時点406で動画データ401の記録を停止した後、12フレームの期間408の間、タイムコード生成部111によるカウントを継続し、タイムコード403と動画データとをレコーダ200に出力し続ける。時点406から12フレーム経過した時点407になると、タイムコード生成部111はカウントを停止し、ビデオカメラ100はレコーダ200へのタイムコードの出力を停止する。1シーン目の記録時に生成したタイムコード403の最後の値10:10:00:19の次の値10:10:00:20が、メモリ105に記憶される。
【0058】
続いて、2シーン目の記録開始の指示412に従い、ビデオカメラ100は、動画データ409の記録を開始すると共に、レコーダ200に記録開始コマンドを出力する。レコーダ200は、記録開始コマンドに従い動画データ410の記録を開始する。タイムコード生成部111は、メモリ105に記憶された値10:10:00:20からタイムコードのカウントを開始し、タイムコード411を順次生成する。
【0059】
この様に、本実施例では、ビデオカメラ100が動画の記録を停止し、レコーダ200に記録停止コマンドを出力した後も、カウント継続期間の間、タイムコードのカウントを続け、レコーダ200にタイムコードを出力する。これにより、レコーダ200は、記録停止コマンドを受信した後に記録される動画の各フレームに正しいタイムコードを付加することができる。
【0060】
上記実施例では、カウント継続期間を、レコーダ200が記録停止コマンドを受信してから実際に記録を停止するまでの期間以上となる一定期間とした。しかし、レコーダ200からビデオカメラ100への記録停止の通知に従い、カウント継続期間を満了させてもよい。この場合、レコーダ200が実際に動画記録を停止するのに応じて、ビデオカメラ100は、タイムコードのカウントとタイムコードの出力を停止することになる。
【実施例2】
【0061】
本実施例の別の動作を説明する。レコーダ200が動画の記録を停止した際に、記録停止を示す情報と最終フレームに付加されたタイムコードの値とをビデオカメラ100に供給する。そして、ビデオカメラ100は、次の記録開始時に、レコーダ200から先に取得したタイムコードの値からタイムコード生成部111によるカウントを開始する。図5はこのように動作させるビデオカメラ100の動作フローチャートである。図5において、図2と同様の処理には同一符号を付加し、詳細な説明は省略する。
【0062】
レコーダ200は、動画の記録を停止すると、記録終了を示す記録終了信号を通信部201によりビデオカメラ100の通信部110に出力する。また、レコーダ200は、動画の記録を停止した際に、最終フレームに付加したタイムコードの値を示す情報も、通信部201によりビデオカメラ100に出力する。
【0063】
ビデオカメラ100は、先に説明したように、記録停止コマンドをレコーダ200に出力し(S208)、タイムコードをカウントアップし(S210)、この後、レコーダ200からの記録終了信号の受信を待機する(S501)。記録終了信号を受信していない場合(S501)、S209に戻る。記録終了信号を受信した場合(S501)、記録終了信号と共に受信したタイムコードの値を、メモリ105に記憶する(S502)。
【0064】
図6は、図5に示す動作の下で、ビデオカメラ100とレコーダ200で記録される動画と、ビデオカメラ100で生成されるタイムコードの例を示す。601は、ビデオカメラ100で記録される1シーン目の動画データを示す。602はレコーダ200で記録される1シーン目の動画データを示す。603は、ビデオカメラ100で1シーン目の記録時に生成されるタイムコードを示す。609は、ビデオカメラ100で記録される2シーン目の動画データを示す。610がレコーダ200で記録される2シーン目の動画データを示す。611は、ビデオカメラ100で2シーン目の記録時に生成されるタイムコードを示す。
【0065】
1シーン目の記録開始の指示604があると、ビデオカメラ100は、動画データ601の記録を開始すると共にレコーダ200に記録開始コマンドを出力する。レコーダ200は、受信した記録開始コマンドに従い動画データ602の記録を開始する。タイムコード生成部111は、タイムコード603を順次生成する。
【0066】
記録停止の指示605があると、ビデオカメラ100は、指示605に対応するフレームB10を含むGOPの最終フレームP11まで記録した時点606で、動画データ601の記録を停止し、レコーダ200に記録停止コマンドを出力する。レコーダ200は、記録停止コマンドを受けた時点606に対応したフレームB6を含むGOPの最終フレームP14まで記録して、時点607に動画データ602の記録を停止する。そして、レコーダ200は、ビデオカメラ100に記録終了信号と、最終フレームP14に付加したタイムコードの値10:10:00:16の情報をビデオカメラ100に出力する。
【0067】
ビデオカメラ100は、動画データ601の記録停止後も、レコーダ200からの記録終了信号を受信するまでの期間608、タイムコード生成部111によるカウントを継続し、タイムコード603をレコーダ200に出力し続ける。ビデオカメラ100は、レコーダ200から記録終了信号を受けた時点607で、タイムコードのカウントを停止し、レコーダ200へのタイムコード出力を停止する。そして、レコーダ200から記録終了信号と共に受け取ったタイムコード値をメモリ105に記憶する。
【0068】
2シーン目の記録開始の指示612があると、ビデオカメラ100は、動画データ609の記録を開始すると共に、レコーダ200に記録開始コマンドを出力する。レコーダ200は、記録開始コマンドを受信すると、動画データ610の記録を開始する。ビデオカメラ100のタイムコード生成部111は、メモリ105に記憶された値10:10:00:19の次の値からタイムコードのカウントを開始し、タイムコード611を順次生成する。
【0069】
図5及び図6を参照して説明した動作でも、レコーダ200に記録される動画データに付加されるタイムコードの連続性を確保できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データを入力する入力手段と、
前記動画データの記録開始からの経過時間を示すタイムコードを生成するタイムコード生成手段と、
前記入力手段により入力された動画データと前記タイムコード生成手段により生成されたタイムコードとを記録媒体に記録する記録手段と、
前記入力手段により入力された動画データと前記タイムコード生成手段により生成されたタイムコードとを外部記録装置に出力する出力手段と、
前記記録手段による前記動画データの記録開始に応じて前記外部記録装置に記録開始コマンドを出力し、前記記録手段による前記動画データの記録停止に応じて前記外部記録装置に記録停止コマンドを出力するように前記出力手段を制御する制御手段
とを備え、
前記制御手段は、前記記録手段による前記動画データの記録開始に応じて、前記タイムコード生成手段に前記タイムコードのカウントを開始させると共に、前記外部記録装置への前記タイムコードの出力を前記出力手段に開始させ、前記記録手段による前記動画データの記録停止に応じた前記動画データの記録停止の後のカウント継続期間の間、前記タイムコード生成手段による前記タイムコードのカウントを継続させ、前記外部記録装置への前記タイムコードの出力を前記出力手段に継続させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記外部記録装置からの記録終了信号に従い、前記タイムコード生成手段による前記タイムコードのカウントを停止させ、前記外部記録装置への前記タイムコードの出力を前記出力手段に停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記録手段は、前記動画データをMPEG方式に従って符号化して記録し、
前記外部記録装置は、前記出力手段から出力された動画データをMPEG方式に従って符号化して記録し、
前記記録手段により符号化される動画データの1GOPのフレーム数と前記外部記録装置により符号化される動画データの1GOPのフレーム数とが異なる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−244294(P2011−244294A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115985(P2010−115985)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】