説明

画像処理装置

【課題】原稿画像を光電的に読み取った画像データに基づいて、比較的少ない容量のメモリを用い、簡易な演算によって画像データ内における文字領域を適切に判別する。
【解決手段】原稿画像を読み取って取得した画像データに基づいて、所定の注目画素について第1の方向とその第1の方向に直交する第2の方向との1次元ラプラアシアン量をラプラシアン量算出部21によってそれぞれ算出し、その算出した第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差に基づいて、注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取って取得された画像データの各画素が文字領域に属する画素であるか否かを判定する属性判定部を備えた画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機などにおいて原稿画像を光電的に読み取った画像データに基づいて、その画像データ内の文字領域、写真領域、網点領域などの領域判別を行い、その各領域に応じた画像処理を行うことによって高画質な印刷画像を取得する方法が提案されている。
【0003】
たとえば、文字領域に対しては比較的強いエッジ強調処理を施すことによって文字の輪郭がくっきりするようにしたり、写真領域に対しては比較的弱いエッジ強調処理を施すことによってメリハリをつけたり、網点領域に対しては平滑化処理を施すことによってモアレの発生を低減させたりすることが提案されている。
【0004】
ここで、上述したような画像処理方法において、たとえば網点領域と文字領域とで誤判定が発生した場合、網点領域は文字領域と判別されてしまい、これによりエッジ強調処理が施されてモアレが発生してしまう問題がある。また、たとえば網点領域の一部だけに対してエッジ強調処理が施された場合には、その一部の領域と周辺領域との濃度差が発生して印刷画像の画質が著しく劣化する問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、網点領域を精度良く検出方法が種々提案されている。たとえば、特許文献1においては、文字領域と網点領域の特徴量として文字や網点の縁の孤立度合いを検出し、網点については複数の領域の検出結果を積算することによって、網点と文字との判別結果の精度を向上するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2009−55242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法のように複数の領域について検出結果を算出するようにしたのでは、処理が煩雑になるとともに、複数の領域についてそれぞれ演算を行うためのメモリも必要となりコストアップにもなる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、大きな容量のメモリを必要とすることなく、簡易な演算処理によって文字領域を適切に判別することができる画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理装置は、原稿画像を読み取って取得した画像データに基づいて、所定の注目画素について第1の方向とその第1の方向に直交する第2の方向との1次元ラプラアシアン量をそれぞれ算出するラプラシアン量算出部と、ラプラシアン量算出部において算出された第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差に基づいて、注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定する属性判定部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、上記本発明の画像処理装置においては、ラプラシアン量算出部を、第1の方向および第2の方向が互いに異なる複数の直交方向の組について、それぞれ第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量とを算出するものとし、注目画素について、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差が文字判定閾値以上である上記直交方向の組の数を注目画素文字候補カウント数として取得し、その注目画素文字候補カウント数に基づいて注目画素の文字らしさを表す指標を取得する文字らしさ取得部を設け、属性判定部を、文字らしさ取得部によって取得された文字らしさを表す指標に基づいて、注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定するものとできる。
【0011】
また、ラプラシアン量算出部を、注目画素の周辺に位置する周辺画素についても、複数の直交方向の組について、それぞれ第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量とを算出するものとし、文字らしさ取得部を、周辺画素について、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差が文字判定閾値以上である上記直交方向の組の数を周辺画素文字候補カウント数として取得し、その周辺画素文字候補カウント数と注目画素文字カウント数とに基づいて、注目画素の文字らしさを表す指標を取得するものとできる。
【0012】
また、属性判定部を、ラプラシアン量算出部において算出された第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上であるか否かの判定結果に基づいて、注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するものとできる。
【0013】
また、注目画素について、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上である上記直交方向の組の数を注目画素網点候補カウント数として取得し、その注目画素網点候補カウント数に基づいて注目画素の網点らしさを表す指標を取得する網点らしさ取得部を設け、属性判定部を、網点らしさ取得部によって取得された網点らしさを表す指標に基づいて、注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するものとできる。
【0014】
また、注目画素について、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上である上記直交方向の組の数を注目画素網点候補カウント数として取得するとともに、周辺画素について、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上である上記直交方向の組の数を周辺画素網点候補カウント数として取得し、注目画素網点候補カウント数と周辺画素網点候補カウント数とに基づいて、注目画素の網点らしさを表す指標を取得する網点らしさ取得部を設け、属性判定部を、網点らしさ取得部によって取得された網点らしさを表す指標に基づいて、注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するものとできる。
【0015】
また、属性判定部を、注目画素の文字らしさを表す指標と網点らしさを表す指標とに基づいて、注目画素が網点に属する画素かまたは写真に属する画素かを判別するものとできる。
【0016】
また、ラプラシアン量算出部を、原稿画像における網点の線数または画像データの解像度に応じて、1次元ラプラシアン量を算出するために用いるラプラシアンフィルタのサイズを変更するものとできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像処理装置によれば、原稿画像を読み取って取得した画像データに基づいて、所定の注目画素について第1の方向とその第1の方向に直交する第2の方向との1次元ラプラアシアン量をそれぞれ算出し、その算出した第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差に基づいて、注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定するようにしたので、1次元ラプラシアン量の簡易な演算処理によって文字領域を判別することができる。
【0018】
また、注目画素の属性判定に用いるためのメモリ容量も、1次元ラプラシアン量の算出するためのフィルタ係数を記憶するための領域や1次元ラプラシアン量の差分などを算出するための領域程度で良いので、上述した特許文献1に記載の方法と比較するとメモリ容量を小さくすることができる。
【0019】
また、上記本発明の画像処理装置において、第1の方向および第2の方向が互いに異なる複数の直交方向の組について、それぞれ第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量とを算出し、注目画素について、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差が文字判定閾値以上である上記直交方向の組の数を注目画素文字候補カウント数として取得し、その注目画素文字候補カウント数に基づいて注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定するようにした場合には、文字属性の判別の精度をより向上させることができる。
【0020】
さらに、注目画素の周辺に位置する周辺画素についても、注目画素と同様にして、周辺画素文字候補カウント数を取得し、その周辺画素文字候補カウント数と注目画素文字カウント数とに基づいて、注目画素が文字に属する画素であるか否かを判別するようにした場合には、文字の画素が周辺画素とのつながり度合いが大きいという性質を利用することによって、文字属性の判別の精度をさらに向上させることができる。
【0021】
また、第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上であるか否かの判定結果に基づいて、注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するようにした場合には、文字属性の判別の場合と同様に、少ないメモリ容量で簡易な演算によって網点領域を判別することができる。
【0022】
また、文字属性の判定の場合と同様に、注目画素について、第1の方向および第2の方向が互いに異なる複数の直交方向の組について、それぞれ第1および第2の1次元ラプラシアン量を算出し、第1および第2の方向の1次元ラプラシアン量の両方が網点判定閾値以上である上記直交方向の組の数を注目画素網点候補カウント数として取得し、その注目画素網点候補カウント数に基づいて注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するようにした場合には、網点属性の判別の精度をより向上させることができる。
【0023】
また、注目画素と同様に、周辺画素についても、第1および第2の方向の1次元ラプラシアン量の両方が網点判定閾値以上である上記直交方向の組の数を周辺画素網点候補カウント数として取得し、注目画素網点候補カウント数と周辺画素網点候補カウント数とに基づいて、注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するようにした場合には、第1および第2の1次元ラプラシアン量が大きくなる網点の中心近傍の画素だけでなく、網点の周縁部分の画素についても網点属性と判別することができるので、網点領域をより適切に判別することができる。
【0024】
また、注目画素の文字らしさを表す指標と網点らしさを表す指標とに基づいて、注目画素が網点に属する画素かまたは写真に属する画素かを判別するようにした場合には、写真に属する画素についても、簡易な演算方法によって判別することができる。
【0025】
また、網点に属する画素よりも文字に属する画素の方がエッジ強調度が大きくなるようにエッジ強調処理を施すようにした場合には、網点領域のモアレを抑制するとともに、文字領域の輪郭をはっきりとさせることができる。
【0026】
また、網点に属する画素よりも文字に属する画素の方がコントラストが高くなるように濃度変換処理を施すようにした場合には、文字をくっきりとさせることができるとともに、網点の画像が全体的に暗くなってしまうのを防止することができる。
【0027】
また、網点に属する画素に対して平滑化処理を施すとともに、写真に属する画素に対して平滑化処理を施さないようにした場合には、網点の画像においてモアレが発生するのを抑制することができるとともに、写真の画像が平滑化によってボケてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施形態を用いた印刷装置の概略構成を示すブロック図
【図2】図1に示す画像処理部の構成を示すブロック図
【図3】本発明の画像処理装置の一実施形態を用いた印刷装置の全体の処理の流れを説明するためのフローチャート
【図4】ラプラシアンフィルタ係数の一例を示す図
【図5】ラプラシアンフィルタの線画像と孤立点に対する反応を説明するための図
【図6】文字と網点の濃度分布を説明するための図
【図7】文字の1次元ラプラシアン量と網点の1次元ラプラシアン量の反応を説明するための図
【図8】注目画素と周辺画素との関係の一例を示す図
【図9】網点における画素同士の繋がり度合いと文字における画素同士の繋がり度合いとについて説明するための図
【図10】注目画素の1次元ラプラシアン量だけでなく周辺画素の1次元ラプラシアン量も考慮して注目画素の網点属性を判定することの理由を説明するための図
【図11】属性判定部の作用を説明するためのフローチャート
【図12】写真および網点の属性の画素に対して濃度変換処理を施す際に用いられるガンマ曲線と、文字の属性の画素に対して濃度変換処理を施す際に用いられるガンマ曲線との一例を示す図
【図13】ラプラシアンフィルタ係数のその他の例を示す図
【図14】網点の線数に応じてラプラシアンフィルタのサイズを変更する理由を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の画像処理装置を用いた印刷装置の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の印刷装置の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態の印刷装置1は、図1に示すように、原稿画像を光電的に読み取って画像データを取得する原稿画像読取部10と、原稿画像読取部10によって読み取られた画像データにおける文字領域、網点領域および写真領域を判定し、各領域に対してそれぞれに適応した互いに異なる画像処理を施す画像処理部20と、画像処理部20において画像処理の施された処理済画像データに基づいて印刷用紙に対して印刷処理を施す印刷部30とを備えている。
【0031】
原稿画像読取部10は、原稿画像の画像情報を光電的に読み取るラインイメージセンサを有し、ラインイメージセンサで原稿画像を走査することによって原稿画像を読み取り、原稿画像を表す画像データをビットマップデータとして出力するものである。本実施形態においては、ビットマップデータを構成する各画素データは8ビットで表されるものであり、0〜255の値をとり得るものである。
【0032】
画像処理部20は、図2に示すように、入力された画像データに基づいて、所定の注目画素について第1の方向の1次元ラプラシアン量とその第1の方向に直交する第2の方向の1次元ラプラアシアン量とをそれぞれ算出するラプラシアン量算出部21と、ラプラシアン量算出部21において算出された第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量とに基づいて、画像データを構成する各画素の文字らしさを表す指標を取得する文字らしさ取得部22と、上記第1の方向の1次元ラプラシア量と第2の方向の1次元ラプラシアン量とに基づいて、各画素の網点らしさを表す指標を取得する網点らしさ取得部23と、各画素の上記文字らしさを表す指標と上記網点らしさを表す指標とに基づいて、その画素の文字、網点および写真の属性を判定する属性判定部24と、属性判定部24において判定された属性に基づいて、各画素の画素データに対してその属性に適応したエッジ強調処理を施すエッジ強調処理部と、各画素の画素データに対してその属性に適応した濃度変換処理を施す濃度変換処理部26と、各画素の画素データに対してその属性に適応した平滑化処理を施す平滑化処理部27と、エッジ強調処理、濃度変換処理および平滑化処理の施された画像データに対してハーフトーニング処理を施すハーフトーニング処理部28とを備えている。上記の各部の詳細な作用については、後で詳述する。
【0033】
印刷部30は、画像処理部20においてエッジ強調処理、濃度変換処理や平滑化処理の施された処理済画像データに基づいて、印刷用紙に印刷を施すものである。印刷部30としては、たとえば、孔版印刷やインクジェットプリントやレーザープリントなどを行うものを用いることができる。
【0034】
次に、本実施形態の印刷装置1の作用について、図3〜図11を適宜参照しながら説明する。なお、図3に示すフローチャートは、印刷装置1における原稿画像の読取りから印刷用紙への印刷処理までの全体の処理の流れを示したものである。また、図11に示すフローチャートは、図3に示す属性の判定(S18)の処理をより詳細に示したものである。
【0035】
まず、図3に示すフローチャートのように、原稿画像読取部10の原稿台に原稿が設置され、押圧板により押圧された状態でラインイメージセンサにより走査されて画像データが読み取られる(S10)。
【0036】
そして、原稿画像読取部10において読み取られた画像データは、画像処理部20のラプラシアン量算出部21に入力され、ラプラシアン量算出部21において、画像データを構成する各画素について1次元ラプラシアン量が算出される(12)。
【0037】
具体的には、ラプラシアン量算出部21には、図4(a)〜(d)に示す4組8種類のフィルタ係数が予め設定されている。図4(a)〜(d)の各組における2つのフィルタ係数は、互いに直交する方向に0以外の数値が配置されるように作成されたものである。また、図4(a)〜(d)の4組のフィルタ係数は、互いに異なる4つの直交方向のラプラシアン量が算出できるように作成されたものである。なお、本実施形態においては、フィルタ係数として5行×5列のものを利用するようにしたが、これに限らず、これよりも小さい3行×3列のものを用いてもよい。
【0038】
具体的には、ラプラシアン量算出部21は、図4(a)に示す2つのフィルタ係数を用いて、下式を算出することによって1次元ラプラシアン量Lap1[a]および1次元ラプラシアン量Lap2[a]を算出する。なお、data(j,i)は所定の注目画素の座標値(j,i)の画素データの値を示すものであり、jは図4(a)〜(d)に示すように縦方向の座標値を意味し、iは横方向の座標値を意味するものとする。
【0039】
Lap1[a]=−data(j,i)×2+(j−2,i)+data(j+2,i)
Lap2[a]=−data(j,i)×2+(j,i+2)+data(j+2,i-2)
また、ラプラシアン量算出部21は、図4(b)に示す2つのフィルタ係数を用いて、下式を算出することによって1次元ラプラシアン量Lap1[b]および1次元ラプラシアン量Lap2[b]を算出し、図4(c)に示す2つのフィルタ係数を用いて、下式を算出することによって1次元ラプラシアン量Lap1[c]および1次元ラプラシアン量Lap2[c]を算出し、図4(d)に示す2つのフィルタ係数を用いて、下式を算出することによって1次元ラプラシアン量Lap1[d]およびLap2[d]を算出する。
【0040】
Lap1[b]=−data(j,i)×2+(j−2,i+1)+data(j+2,i−1)
Lap2[b]=−data(j,i)×2+(j+1,i+2)+data(j−1,i-2)
Lap1[c]=−data(j,i)×2+(j−2,i+2)+data(j+2,i−2)
Lap2[c]=−data(j,i)×2+(j+2,i+2)+data(j−2,i-2)
Lap1[d]=−data(j,i)×2+(j−1,i+2)+data(j+1,i−2)
Lap2[d]=−data(j,i)×2+(j+2,i+1)+data(j−2,i-1)
ここで、上記のようにして算出される1次元ラプラシアン量は画像データの濃度振幅の2次微分値であり、図5の左側に示すような線の原画像に対してはそのエッジの部分に反応し、図5の右側に示すような網点に対してはそのピークに対して大きく反応するものである。
【0041】
したがって、このような1次元ラプラシアン量の性質を用いて、文字らしさ取得部22において各画素の文字らしさを表す指標を取得するとともに、網点らしさ取得部23において各画素の網点らしさを表す指標を取得する(S14,S16)。以下、まず、文字らしさ取得部22において各画素の文字らしさを表す指標を取得する方法について説明する。
【0042】
文字の場合、画像データの濃度分布は、図6(a)に示すように1方向(B方向)にのみ濃度勾配を有するものとなり、その1方向に直交する方向(A方向)については一様な濃度分布となる。したがって、このような濃度分布に対して1次元ラプラシアン量を算出した場合、図7(a)に示すように1方向(A方向)に大きく反応し、1方向に直交する方向(B方向)については小さい反応となる。そこで、文字らしさ取得部22は、このような1次元ラプラシアン量の性質を用いて文字らしさを表す指標を取得する。
【0043】
具体的には、上述したようにしてラプラシアン量算出部21において各画素について算出された4組のLap1およびLap2が文字らしさ取得部22に入力される。そして、文字らしさ取得部22は、所定の注目画素の4組のLap1およびLap2を用いて、各組の2つの1次元ラプラシアン量の差分を算出する。すなわち、下式を算出して4つのΔLapを算出する。
【0044】
Lap1[a]−Lap2[a]=ΔLap[a]
Lap1[b]−Lap2[b]=ΔLap[b]
Lap1[c]−Lap2[c]=ΔLap[c]
Lap1[d]−Lap2[d]=ΔLap[d]
そして、この4つのΔLapのうち、その絶対値が予め設定された文字判定閾値以上であるΔLapの数をカウントし、その数を注目画素文字候補カウント数として取得する。
【0045】
次に、文字らしさ取得部22は、上記注目画素の周囲に位置する周辺画素についても、注目画素と同様にして4つのΔLapを算出し、その4つのΔLapのうち、その絶対値が予め設定された文字判定閾値以上であるΔLapの数をカウントし、その数を周辺画素文字候補カウント数として取得する。本実施形態においては、図8に示すように注目画素PPに対して、その周囲に位置する16個の画素を周辺画素APとして周辺画素文字候補カウント数を取得することにより、注目画素の周囲に位置する周辺画素APについても文字らしさを考慮する。なお、図8においては、注目画素PPに対して1画素の間隔を空けて配置された画素を周辺画素APとして設定するようにしたが、これに限らず、注目画素PPに直接隣接する8つの画素を周辺画素APとして設定し、これらの周辺画素APについて周辺画素文字候補カウント数を取得するようにしてもよい。もしくは、図8に示すような注目画素PPに対して1画素の間隔を空けて配置された画素と注目画素PPに直接隣接する画素との両方を周辺画素APとして設定し、これらの周辺画素APについて周辺画素文字候補カウント数を取得するようにしてもよい。
【0046】
そして、上述したようにして取得した注目画素文字候補カウント数と周辺画素文字候補カウント数とを加算し、その加算値を上記注目画素の文字らしさを表す指標として取得する。
【0047】
ここで、注目画素の文字らしさを表す指標を取得する際に、上述したように注目画素の文字候補カウント数だけでなく、周辺画素の文字候補カウント数も考慮するようにしたのは、図9(a)に示すように、網点の画素については周辺画素とのつながり小さいが、図9(b)に示すように、文字の画素については周辺画素とのつながりが大きく、このような文字の画素の性質も文字らしさを表す指標として含めるようにするためである。
【0048】
そして、文字らしさ取得部22は、画像データを構成する全ての画素を注目画素として、上述したようにして各画素の文字らしさを表す指標を取得する。
【0049】
次に、網点らしさ取得部22において各画素の網点らしさを表す指標を取得する方法について説明する。
【0050】
網点の場合、画像データの濃度分布は、図6(b)に示すように1方向(B方向)とその1方向に直交する方向(A方向)との両方について濃度勾配を有するものとなる。したがって、このような濃度分布に対して1次元ラプラシアン量を算出した場合、図7(b)に示すように1方向(A方向)とその1方向に直交する方向(B方向)との両方について大きく反応することになる。そこで、網点らしさ取得部23は、このような1次元ラプラシアン量の性質を用いて網点らしさを表す指標を取得する。
【0051】
具体的には、ラプラシアン量算出部21において各画素について算出された4組のLap1およびLap2が網点らしさ取得部23にも入力される。そして、網点らしさ取得部23は、所定の注目画素の4組のLap1およびLap2を用いて、各組の2つの1次元ラプラシアン量の絶対値がともに予め設定された網点判定閾値以上であるか否かを判別する。
【0052】
そして、4組のうち、2つの1次元ラプラシアン量の絶対値がともに網点判定閾値以上である組の数を注目画素網点候補カウント数として取得する。
【0053】
次に、網点らしさ取得部23は、上記注目画素の周囲に位置する周辺画素についても、注目画素と同様にして、各組の2つの1次元ラプラシアン量の絶対値がともに予め設定された網点判定閾値以上であるか否かを判別し、2つの1次元ラプラシアン量の絶対値がともに網点判定閾値以上である組の数を周辺画素網点候補カウント数として取得する。なお、周辺画素の位置については、上述した文字らしさを表す指標を取得する場合と同様である。
【0054】
そして、上述したようにして取得した注目画素網点候補カウント数と周辺画素網点候補カウント数とを加算し、その加算値を上記注目画素の網点らしさを表す指標として取得する。
【0055】
ここで、注目画素の網点らしさを表す指標を取得する際に、上述したように注目画素の網点候補カウント数だけでなく、周辺画素の網点候補カウント数も考慮するようにしたのは、たとえば、図10に示すように網点判定閾値を設定し、注目画素の網点候補カウント数のみを網点らしさを表す指標とした場合、網点の中心部(図10において点線で示す部分)は網点の画素として検出されるが、網点周縁部(図10において一点鎖線で示す部分)は網点と画素として検出することができないためであり、上述したように周辺画素網点カウント数も網点らしさを表す指標として加算することによって上述した網点周縁部の網点の画素も適切に検出することができる。
【0056】
上述したようにして、画像データを構成する全ての画素について、それぞれ文字らしさを表す指標と網点らしさを表す指標とが取得される。
【0057】
そして、この各画素の文字らしさを表す指標および網点らしさを表す指標は属性判定部24に入力され、属性判定部24は、これらに基づいて各画素の属性を判定する(S18)。本実施形態においては、文字、網点および写真の3つの属性が設定されており、各画素についていずれか1つの属性が割り当てられる。以下、属性判定部24の属性判定方法について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0058】
属性判定部24は、まず、各画素の文字らしさを表す指標を参照し、その文字らしさを表す指標が、予め設定された第1の閾値より大きいか否かを判定する(S30)。そして、文字らしさを表す指標が第1の閾値より大きい画素については属性を文字として判定する(S32)。
【0059】
一方、文字らしさを表す指標が第1の閾値以下の画素については、次に、網点らしさの指標を参照し、その網点らしさを表す指標が、予め設定された第2の閾値より大きいか否かを判定する(S34)。そして、文字らしさを表す指標が第1の閾値以下であって、網点らしさを表す指標が第2の閾値より大きい画素については属性を網点として判定する(S36)。
【0060】
一方、文字らしさを表す指標が第1の閾値以下であって、かつ網点らしさを表す指標が第2の閾値以下である画素については属性を写真として判定する(S38)。
【0061】
上述のようにして、属性判定部24は、画像データを構成する全ての画素に対して文字、網点または写真の属性を割り当てる。
【0062】
次に、図3に示すフローチャートに戻り、上述したようにして各画素に割り当てられた属性の情報に基づいて、エッジ強調処理部25において画像データの各画素データに対してエッジ強調処理が施される(S20)。具体的には、文字の属性の画素データに対してエッジ強調処理が施され、網点と写真の属性の画素データに対してはエッジ強調処理を施さないようにする。
【0063】
次に、エッジ強調処理部25においてエッジ強調処理が施された後、濃度変換処理部26においてエッジ強調処理済画素データに対して濃度変換処理が施される(S22)。
【0064】
濃度変換処理は、文字の内部が濃くなるように変換しようとすると写真のシャドー部分がつぶれてしまい、全体的に暗い印象の画像となってしまう。
【0065】
そこで、これを解消するために、本実施形態の濃度変換処理部26は、文字の属性の画素データに対してはコントラストの強いガンマ曲線を用いて濃度変換処理を施し、写真の属性の画素データに対しては文字のガンマ曲線よりも明るくなるようなガンマ曲線を用いて濃度変換処理を行うようにする。また、網点に対しては写真と同じガンマ曲線を用いて濃度変換処理を行う。図12は、文字の属性の画素データに対して濃度変換処理を施す際に用いられるガンマ曲線と、写真と網点の属性の画素に対して濃度変換処理を施す際に用いられるガンマ曲線との一例を示したものである。
【0066】
上述したようにして、画像データの各画素データに対して、その属性に応じた濃度変換処理が施された後、その濃度変換処理済画像データは、平滑化処理部27に入力される。そして、平滑化処理部27において濃度変換処理済画像データに対して平滑化処理が施される(S24)。具体的には、網点の属性の画素データに対しては、モアレを抑制するために平滑化処理が施され、文字と写真の属性の画素データに対しては、文字や絵画像の輪郭をはっきりさせるために平滑化処理を施さないようにする。
【0067】
次に、平滑化処理部27において平滑化処理が施された平滑化処理済画像データは、ハーフトーニング処理部28に入力される。そして、ハーフトーニング処理部28においては、平滑化処理済画像データに対してハーフトーニング処理が施される(S26)。ハーフトーニング処理としては、たとえば、誤差拡散法やディザ法などがある。
【0068】
そして、ハーフトーニング処理部28においてハーフトーニング処理の施された処理済画像データは、画像処理部20から出力されて印刷部30に入力される。
【0069】
そして、印刷部30において、入力された処理済画像データに基づいて印刷用紙に印刷処理が施される(S28)。
【0070】
上記実施形態の印刷装置1によれば、所定の注目画素について第1の方向とその第1の方向に直交する第2の方向との1次元ラプラアシアン量をそれぞれ算出し、その算出した第1の方向の1次元ラプラシアン量と第2の方向の1次元ラプラシアン量との差に基づいて、注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定するようにしたので、1次元ラプラシアン量の簡易な演算処理によって文字領域を判別することができる。
【0071】
また、注目画素の属性判定に用いるためのメモリ容量も、1次元ラプラシアン量の算出するためのフィルタ係数を記憶するための領域や文字らしさを表す指標などを算出するための領域程度で良いので、メモリ容量を比較的小さくすることができる。
【0072】
なお、上記実施形態の印刷装置1においては、1次元ラプラシアン量を算出する際、5×5のフィルタ係数を用いるようにしたが、これに限らず、図13に示すような9×9のフィルタ係数を用いるようにしてもよい。この場合、8組の直交するフィルタ係数を用いることができるので、文字候補カウント数および網点候補カウント数として8段階の値をとることができ、より高精度に文字または網点を判別することができる。
【0073】
また、1次元ラプラシアン量を算出する際に用いるラプラシアンフィルタのサイズについては、原稿画像における網点の線数に応じて変更するようにしてもよい。以下、このように網点の線数に応じてフィルタサイズを変更することが望ましい理由を説明する。
【0074】
まず、原稿画像における網点の線数が100線であって、この網点に対して5×5のラプラシアンフィルタが図14(A)に示すような大きさであるとする。なお、図14(A)に示すラプラシアンフィルタの斜線の部分に0以外の係数が配置されており、斜線以外の部分は0が配置されているものとする。
【0075】
このとき、図14(A)の左側に示すように、注目画素(ラプラシアンフィルタの中心位置の画素)が網点の中心に位置する場合、濃度の高い部分にラプラシアンフィルタの0以外の係数が位置するため、直交方向の1次元ラプラシアン量には差が生じることなくこの注目画素を網点と判定することができる。また、図14(A)の右側に示すように、注目画素が網点の中心位置からずれた場合においても、濃度の低い部分にラプラシアンフィルタの0以外の係数が位置するため、直交方向の1次元ラプラシアン量には差が生じることなく、この注目画素を網点と判定することができる。
【0076】
そして、原稿画像における網点の線数が100線以上である場合も同様に、図14(B)に示すように、網点に対してラプラシアンフィルタの注目画素がずれたとしても、直交方向の1次元ラプラシアン量には差が生じないためこの注目画素を網点と判定することができる。なお、図14(B)は濃度が濃い領域の網点を示しているが、図14(C)に示すように濃度が低い領域の網点の場合には、ラプラシアンフィルタの周囲の係数が網点以外の余白部分にくる確率が高いので、この場合にも、直交方向の1次元ラプラシアン量には差が生じないためこの注目画素を網点と判定することができる。
【0077】
一方、原稿画像における網点の線数が100線未満である場合には、図14(D)の左側に示すように注目画素が網点の中心位置にある場合には、その注目画素を網点と判定することができるが、図14(D)の右側に示すように注目画素が網点の中心位置からずれた場合には、直交方向の1次元ラプラシアン量に差が生じるため文字であると誤判定される可能性がある。
【0078】
そこで、このような誤判定を防止するために、網点の線数に応じて、ラプラシアンフィルタのサイズを変更することが望ましい。具体的には、網点の線数が低くなるほどラプラシアンフィルタのサイズを大きくすることが望ましい。なお、網点の線数を図14(B),(C)よりもさらに高くした場合、たとえば150線とした場合には、ラプラシアンフィルタのサイズを5×5よりも小さい3×3にすることが望ましい。このように網点の線数に応じてラプラシアンフィルタのサイズを変更することによって、網点の中心位置とラプラシアンフィルタの0以外の係数の位置との関係を、図14(A)に示したような位置関係に維持することができるので、網点が文字と誤判定されるのを防止することができる。
【0079】
具体的な構成としては、たとえば、ラプラシアン量算出部21に対して、互いに異なる大きさの複数の網点の線数とラプラシアンフィルタのサイズとを対応付けたテーブルを予め設定しておき、ラプラシアン量算出部21が、使用者によって入力された網点の線数の情報を受け付け、上記テーブルを参照することによって、上記受け付けた網点の線数に対応するラプラシアンフィルタのサイズを取得して設定するようにすればよい。
【0080】
また、上記説明では、ラプラシアンフィルタを構成する画素サイズが一定の場合について説明したが、たとえば、画像データの解像度が変更された場合には、すなわちラプラシアンフィルタを構成する画素サイズが変更された場合にも、ラプラシアンフィルタの係数の位置と網点の中心位置との関係が変更されることになるので、画像データの解像度に応じてラプラシアンフィルタのサイズを変更することが望ましい。具体的には、たとえば、画像データの解像度が高くなった場合には、図14(A)〜(D)に示したような5×5のラプラシアンフィルタの範囲が狭くなることになるので、網点の中心位置との位置関係が変更されることになる。そこで、このような網点の中心位置とラプラシアンフィルタの係数の位置との関係が変更されないように、5×5よりも大きなサイズのラプラシアンフィルタに変更することが望ましい。すなわち、画像データの解像度が高いほどラプラシアンフィルタのサイズが大きくなるように変更することが望ましい。
【0081】
この場合においても、たとえば、ラプラシアン量算出部21に対して、互いに異なる大きさの画像データの解像度とラプラシアンフィルタのサイズとを対応付けたテーブルを予め設定しておき、ラプラシアン量算出部21が、使用者によって入力された画像データの解像度の情報を受け付け、上記テーブルを参照することによって、上記受け付けた解像度に対応するラプラシアンフィルタのサイズを取得して設定するようにすればよい。
【符号の説明】
【0082】
1 印刷装置
10 原稿画像読取部
20 画像処理部
21 ラプラシアン量算出部
22 文字らしさ取得部
23 網点らしさ取得部
24 属性判定部
25 エッジ強調処理部
26 濃度変換処理部
27 平滑化処理部
28 ハーフトーニング処理部
30 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取って取得した画像データに基づいて、所定の注目画素について第1の方向と該第1の方向に直交する第2の方向との1次元ラプラアシアン量をそれぞれ算出するラプラシアン量算出部と、
該ラプラシアン量算出部において算出された前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との差に基づいて、前記注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定する属性判定部とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ラプラシアン量算出部が、前記第1の方向および前記第2の方向が互いに異なる複数の直交方向の組について、それぞれ前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量とを算出するものであり、
前記注目画素について、前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との差が文字判定閾値以上である前記直交方向の組の数を注目画素文字候補カウント数として取得し、該注目画素文字候補カウント数に基づいて前記注目画素の文字らしさを表す指標を取得する文字らしさ取得部を備え、
前記属性判定部が、前記文字らしさ取得部によって取得された文字らしさを表す指標に基づいて、前記注目画素が文字に属する画素であるか否かを判定するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ラプラシアン量算出部が、前記注目画素の周辺に位置する周辺画素についても、前記複数の直交方向の組について、それぞれ前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量とを算出するものであり、
前記文字らしさ取得部が、前記周辺画素について、前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との差が文字判定閾値以上である前記直交方向の組の数を周辺画素文字候補カウント数として取得し、該周辺画素文字候補カウント数と前記注目画素文字カウント数とに基づいて、前記注目画素の文字らしさを表す指標を取得するものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記属性判定部が、前記ラプラシアン量算出部において算出された前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上であるか否かの判定結果に基づいて、前記注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記注目画素について、前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上である前記直交方向の組の数を注目画素網点候補カウント数として取得し、該注目画素網点候補カウント数に基づいて前記注目画素の網点らしさを表す指標を取得する網点らしさ取得部を備え、
前記属性判定部が、前記網点らしさ取得部によって取得された網点らしさを表す指標に基づいて、前記注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記注目画素について、前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上である前記直交方向の組の数を注目画素網点候補カウント数として取得するとともに、前記周辺画素について、前記第1の方向の1次元ラプラシアン量と前記第2の方向の1次元ラプラシアン量との両方が網点判定閾値以上である前記直交方向の組の数を周辺画素網点候補カウント数として取得し、前記注目画素網点候補カウント数と前記周辺画素網点候補カウント数とに基づいて、前記注目画素の網点らしさを表す指標を取得する網点らしさ取得部を備え、
前記属性判定部が、前記網点らしさ取得部によって取得された網点らしさを表す指標に基づいて、前記注目画素が網点に属する画素であるか否かを判定するものであることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記属性判定部が、前記注目画素の前記文字らしさを表す指標と前記網点らしさを表す指標とに基づいて、前記注目画素が網点に属する画素かまたは写真に属する画素かを判別するものであることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記ラプラシアン量算出部が、前記原稿画像における網点の線数または前記画像データの解像度に応じて、前記1次元ラプラシアン量を算出するために用いるラプラシアンフィルタのサイズを変更するものであることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図9】
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