説明

画像出力システム、サーバ、画像出力装置及びプログラム

【課題】顧客がクーポンを手軽にかつ有効に利用でき、顧客の再利用を促進することができる画像出力システムを提供する。
【解決手段】ユーザ(顧客)は、二次元コード読取機309に携帯電話107やレシート109をかざす。画像出力装置105の制御部501は、二次元コード読取機309より読み取ったクーポンデータ327をサーバ101に送信する(ステップS21)。サーバ101の制御部201は、クーポンデータ327と顧客情報データ800を照合し、(ステップS22)一致した場合(ステップS23のYes)、画像出力装置105は画像データ処理を行う(ステップS27)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像出力装置(デジタルフォトプリント装置等)が写真店、家電量販店、ショッピングモール等に設置され、利用されている。この画像出力装置は、デジタルカメラ等で撮像した画像、記録媒体に記録されている画像データ等を読み込んで、画像編集、画像合成、プリント出力等を行う(例えば、[特許文献1]参照。)。
【0003】
一般利用者(顧客)は、自分のデジタルカメラで撮影した画像データを記録した記録媒体を持参して画像出力装置に読み取らせ、あるいは、その場で撮影を行い、必要に応じて画像編集処理等を行い、出力サイズ、出力枚数等を指定して高精細なカラープリントを出力し、そのまま持ち帰ることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−46324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような画像出力装置には、シールプリントや画質補正等のプリント機能に関する付加価値はついているが、顧客へのサービスといったマーケティング上の付加価値は少ない。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、顧客がクーポンを手軽にかつ有効に利用でき、顧客の再利用を促進することができる画像出力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、サーバと、複数の画像出力装置がネットワークを介して接続されたシステムであって、前記画像出力装置は、携帯端末またはレシートに表示されたクーポンデータを読み取る手段と、読み取ったクーポンデータを前記サーバに送信する手段と、を具備し、前記サーバは、受信した前記クーポンデータと、前記サーバの保有する顧客データとを照合し、一致した場合、一致情報を前記画像出力装置に送信する送信手段を具備し、前記画像出力装置は、前記サーバから一致情報を受信すると、前記クーポンデータに基づいて課金する課金手段を具備することを特徴とする画像出力システムである。
【0008】
第1の発明の画像出力システムでは、画像出力装置は、携帯端末またはレシートに表示されたクーポンデータを読み取り、読み取ったクーポンデータをサーバに送信する。サーバは、受信したクーポンデータと、サーバの保有する顧客データとを照合し、一致した場合、一致情報を画像出力装置に送信する。画像出力装置は、前記サーバから一致情報を受信すると、クーポンデータに基づいて課金処理を行う。
【0009】
クーポンデータは、携帯端末の画面上またはレシート上に二次元コードとして表示または印刷される。
【0010】
顧客データは、画像出力装置またはサーバに接続可能な他の端末より登録される。サーバに接続可能な他の端末とは、例えば自宅のパーソナルコンピュータや携帯電話等であり、インターネット経由で登録することができる。
【0011】
また、クーポンデータは、電子マネーにチャージ可能である。
【0012】
第2の発明は、複数の画像出力装置とネットワークを介して接続されたサーバであって、予め登録された顧客データと、画像出力装置から受信したクーポンデータとを照合し、一致した場合、一致情報を前記画像出力装置に送信する送信手段を具備することを特徴とするサーバである。
【0013】
第3の発明は、ネットワークを介してサーバと接続された画像出力装置であって、携帯端末またはレシートに表示されたクーポンデータを読み取る手段と、読み取ったクーポンデータを前記サーバに送信する手段と、前記サーバから、前記クーポンデータとサーバの保有する顧客データとの一致情報を受信すると、前記クーポンデータに基づいて課金する課金手段と、を具備することを特徴とする画像出力装置である。
【0014】
第4の発明は、コンピュータを第2の発明のサーバとして機能させるプログラムである。
第5の発明は、コンピュータを第3の発明の画像出力装置として機能させるプログラムである。
【0015】
上述のプログラムをCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、顧客がクーポンを手軽にかつ有効に利用でき、顧客の再利用を促進することができる画像出力システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、画像出力システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0018】
最初に、図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係る画像出力システム100の構成について説明する。
図1は、画像出力システム100の構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、画像出力システム100は、サーバ101と、複数の画像出力装置105がネットワーク103を介して接続されている。画像出力装置105は、街頭端末(KIOSK端末)として店舗内や街頭に設置される。
【0020】
画像出力システム100において、画像出力装置105は二次元コード読取機309(図3で後述する。)を有し、二次元コード読取機309が携帯電話107またはレシート109等に表示された二次元コードを読み取ることにより画像出力装置105に情報が入力される。
【0021】
ネットワーク103は、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、社内LAN等のネットワークであり、有線、無線を問わない。
尚、サーバ101は、サーバコンピュータ等であり、ネットワーク103を介して、各種情報を提供する。
【0022】
次に、図2を参照しながら、サーバ101の概略構成について説明する。
図2はサーバ101のハードウエア構成図である。
図2に示すように、サーバ101は、制御部201、記憶部203、通信部205、表示部207、入力部209、入出力部211等がバス213を介して互いに接続されて構成される。
【0023】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory )、RAM(Random Access Memory)等を有する。
【0024】
CPUは、記憶装置、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、演算処理、動作制御等を行い、各種機能を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、プログラム、データ等を恒久的に保持し、RAMは、揮発性メモリであり、プログラム、データ等を一時的に保持する。
【0025】
記憶部203は、データを記憶する装置であり、ハードディスク、メモリ等を有する。記憶部には、CPUが実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(Operating System)等が格納される。
【0026】
プログラムは、例えば、サーバ101内の処理を実行するプログラム、CGI(Common Gateway Interface)プログラム、ASP(Active Server Pages)プログラム等である。
【0027】
通信部205は、サーバ101とネットワーク103間の通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御装置、通信ポート等を有する。
【0028】
表示部207は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
【0029】
入力部209は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部209を介して、サーバ101に対して、操作指示、動作指示、データ入力、維持管理等を行うことができる。
【0030】
入出力部211は、データの入出力を行い、例えば、フレキシブルディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置等を有する。
バス213は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0031】
また、プリンタ装置等を有する出力部(図示しない)等を設け、サーバ101の維持管理等に用いるようにしてもよい。
尚、同様の構成を採るサーバコンピュータ等をサーバ101として用いることができる。
【0032】
図3は、画像出力システム100における画像出力装置105の1例である。図3に示すように、画像出力装置105は、画像データ読込書込手段301、画像編集手段303、プリンタ305、課金手段307、二次元コード読取機309、ユーザ情報送信手段311、クーポン発行手段313等を備える。
【0033】
画像データ読込書込手段301は、被写体321や原稿323を画像入出力部509(図5)より読み取ったり、予め画像データが記録された記録メディア325から読み取ったりすることにより、画像データを取得する。また、画像データ読込書込手段301は、画像出力装置105が作成した画像データを記録メディア325に記録することもできる。
記録メディア325は、例えば、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)、SDカード、メモリースティック、フロッピー(登録商標)ディスク、PCカード、CD−ROM等である。
【0034】
画像編集手段303は、1つ以上の入力または選択した画像データに対して、落書き、スタンプのような加工、画像データの切抜き、変倍、切抜いた画像の他の画像への貼付け等、合成編集等を対話的に行う対話型インタフェース手段と画像処理プログラムで構成される。
【0035】
プリンタ305は、高解像度のカラープリンタである。このプリンタ305は、複数台設置されてもよく、昇華型あるいはインクジェット型などの方式は問わない。プリント物327は、プリント出力された撮像による証明写真、デジタルカメラ画像等による写真、シールプリント、はがき等である。
課金手段307は予め投入された金額に応じて、画像出力装置105の各種機能を有効とする
【0036】
二次元コード読取機309は、携帯電話107やレシート109に表示された二次元コード603、701等の読み取りを行うための読取装置である。二次元コード603、701にはユーザ(顧客)固有の各種情報が含まれる。二次元コード603、701は、水平方向、垂直方向に情報を持ったコードであり、小さい面積で、数百文字から数千文字の情報を含むことができる。二次元コードとしては、例えばQRコード(登録商標)等がある。
【0037】
ユーザ情報送受信手段311は、二次元コード読取機309から読み取ったユーザ情報を、ネットワーク103を介してサーバ101に送信したり、サーバ101から新規のクーポン情報を受信したりする手段である。
【0038】
クーポン発行手段313は、サーバ101から送られてきた情報をもとに、レシート上にクーポンを出力する手段である。クーポンは、ユーザ(顧客)の画像出力装置105における利用状況に基づいてレシート等に二次元コードとして印刷される。
【0039】
また、画像出力装置105にICカードリーダライタ(図示せず。)を内蔵あるいは外部接続し、電子マネーのサーバと接続することによって、クーポンを電子マネーにチャージする等の仕組みを付加してもよい。
【0040】
次に、図4を参照しながら、画像出力装置105の外観構成について説明する
図4は、画像出力装置105の外観斜視図である。
【0041】
画像出力装置105の上段部正面には、タッチパネル付きモニタ等であるモニタ401が配置されている。モニタ401は、操作の案内や、操作の状況や、読み取った画像或いは編集加工した画像等を表示する表示手段としての機能を発揮する。
【0042】
モニタ401の画面の右には、メディア挿入口403が設置される。上段部と下段部を分けている水平部には、プリント物の画像を読み取ってデジタルデータ化するスキャナ405が設置される。また、モニタ401の画面の上には、デジタルカメラ等の撮像装置により被写体を撮像するためのレンズ窓407が設置される。これらのメディア挿入口403、スキャナ405、レンズ窓407は、画像データ読込書込手段301の一部を構成する。
【0043】
メディア挿入口403は、各種メディア(スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)、フロッピー(登録商標)ディスク、PCカード、CD−ROM等)の挿入口であり、フロッピー(登録商標)ディスク挿入口、CD−ROM挿入口、PCカード挿入口、スマートメディア挿入口、コンパクトフラッシュ(登録商標)挿入口等がひとまとめの位置に配置されている。
【0044】
また、画像出力装置105の筐体内には上記各記録メディアの挿入口403に対応して、それぞれの読取書込装置の本体が設置されている。各挿入口には、手数料の徴収が完了するまで記録メディアを取り出せないように、シャッタ(図示しない)を備えても良い。
【0045】
モニタ401の画面の下には二次元コード読取機309が設けられる。二次元コード読取機309は、携帯電話107やレシート109に表示された二次元コード603、701(図6、図7で後述する。)を読み取る。二次元コード603、701は、多くの情報を格納できるコードであり、二次元コード読取機309は、二次元コードを読み取る。
【0046】
画像出力装置105の下段部には、メンテナンスキー407、料金投入口(紙幣挿入口411、硬貨投入口413)、返却レバー415、返却口417、レシート取出口419、プリント物取出口421、スピーカ423、ドア開閉キー427等がそれぞれ配置されている。
【0047】
メンテナンスキー407は、一般利用者(顧客)を受け付けることのできる通常の顧客用の運転モードと、管理者等がメンテナンスを行うメンテナンスモードとを切り替えるキーである。
【0048】
料金投入口(紙幣挿入口411、硬貨投入口413)、返却レバー415、返却口417、レシート取出口419は、課金手段307の一部を構成する。
顧客は、紙幣挿入口411に紙幣を挿入したり、硬貨投入口413に硬貨を投入したりすることにより、料金を支払う。釣銭がある場合には返却口417から放出されるので、顧客はそれを受け取る。また、注文を取りやめる場合や硬貨が詰まった時には返却レバー415を回すことにより返却口417から放出されるので、顧客はそれを受け取る。
【0049】
料金を徴収した後、レシート取出口419から徴収した金額や注文内容が印刷されたレシート109が放出される。レシート109にはユーザの利用状況に応じてクーポンデータ327を含んだ二次元コード701が印刷される場合もある。
【0050】
プリント物取出口421は、プリンタ305の出力部分である。利用者は、タッチパネルボタンに触れるなどしてプリント実行を指示した後、プリント物取出口421から放出されるプリント物327を受け取る。
スピーカ423は、待機中や操作中に音声、BGM、効果音などを再生する。
【0051】
また、外観からは明確に認識できないが、画像出力装置105の筐体内には、画像出力装置105の各構成部分を制御するための制御部を含むパソコンや、電圧の変換を行う電源ボックス、停電時に制御部のCPUやハードディスク等の破損を防ぐ無停電電源装置等が設置される。
【0052】
次に、図5を参照しながら、画像出力装置105の概略構成について説明する。
図5は、画像出力装置105のハードウエア構成図である。
【0053】
画像出力装置105は、制御部501、ハードディスク503、入出力部505(CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等)、通信制御部507、画像入出力部509、シャッタ511(1〜n)、モニタ401(タッチパネル付き)、コインメック513、ビルバリ515、レシートジャーナル処理部517、プリンタ305、二次元コード読取機309等が、バス521を介して接続される。
【0054】
制御部501は、CPU、ROM、RAM等で構成され、大容量記憶媒体としてのハードディスク503に格納されたプログラムに従って、バス521を介して接続された各装置を駆動制御する。
【0055】
ハードディスク503には、各構成部分を駆動制御するプログラム、例えば各記録メディア325に対応する読取書込プログラム、シャッタの開閉制御プログラム、課金プログラム等の他に、画像編集手段303の一部として入力または選択された画像を編集加工するための画像処理プログラム、対話型メニューをモニタ401に表示し、プリンタ305に対してプリント条件を設定して、プリント開始を指示するプログラム等が格納されている。
【0056】
これらの各プログラムコードは、制御部501により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0057】
入出力部505(CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等)は、制御部501のROMやハードディスク503に記憶されているプログラムや情報をバージョンアップ、あるいは、画像出力システム100の動作設定、機器設定等の設定を行う際に用いられ、メンテナンスキーにより本体部をメンテナンスモードに切り替えて、入出力部505にバージョンアップ用のCD−ROMを挿入し、データの書き換えを行ったり、設定データを入力して設定を行う。
【0058】
通信制御部507は、通信制御装置、通信ポート等であり、ネットワーク103を介して、画像出力装置105とサーバ101間の通信制御を行う。
画像入出力部509は、デジタルカメラ、スキャナ等からなり、画像データ読込書込手段311に相当する。
【0059】
シャッタ511は、メディア挿入部403に設けられ、当該メディア挿入部403を開閉し、読取処理の最中に記録メディアを取り出せないようにしたり、課金等の処理が完了するまで記録メディアを取り出せないようにすることができる。
【0060】
モニタ401に表示された操作案内に従って、同モニタ401に表示されたタッチパネルボタンを選択し触れることにより、プリントモードの選択およびオリジナル画像データの読み込みから、加工、合成編集、プリント物327の出力までの一連の操作を行うことができる。
【0061】
コインメック513、ビルバリ515、レシートジャーナル処理部517は、課金手段307に相当し、硬貨投入、紙幣挿入の受付や、レシート109の発行を行う。レシートジャーナル処理部517は、課金手段307の他に、クーポン発行手段313の一部も構成する。レシートジャーナル処理部517には、データを二次元コードに変換して出力する二次元コードライタ(図示せず。)を内蔵してもよい。
【0062】
二次元コード読取機309は、携帯電話107やレシート109に表示された二次元コード603、701等を読み込む。
プリンタ305は、画像の印刷出力処理を行う。
【0063】
次に、図6、7を参照しながら、画像出力システム100における携帯電話107、レシート109の二次元コード603、701について説明する。
図6に示すように携帯電話107には表示部601が設けられ、表示部601には、利用者の操作に応じて各種情報が表示される。画像出力システム100においては、携帯電話107がサーバ101等から受信した二次元コード603が表示される。二次元コード603には、クーポンデータ327等が格納される。
【0064】
図7はレシート109を示す。レシート109には、料金の領収を示す文字が印字される。また、レシート109には、二次元コード701が表示される。二次元コード701には、二次元コード603と同様に、クーポンデータ327等が格納される。また、レシート109の二次元コード701には、クーポンデータ327以外に、運用側、即ち端末運営会社や広告主によって広告情報が付加される場合もある。広告情報は、二次元コード701中に含まれるリンクの情報等を用いてサーバ101と接続された画像出力装置105等から閲覧することもできる。また、レシート109に文字情報で広告を掲載する場合もある。
【0065】
次に、図8を参照しながら顧客情報データ800について説明する。図8はサーバ101で管理される顧客情報データ800を示す。図8に示すように顧客情報データ800は、顧客ID801、固有情報803、使用(購入)履歴805、クーポン情報807等で構成される。
【0066】
顧客ID801は、顧客固有の識別番号である。固有情報803は、顧客固有の情報であり、氏名811、住所813、電話番号815、性別817、生年月日819等からなる。使用(購入)履歴805は、該当顧客が画像出力装置105を利用した日付や利用金額等である。クーポン情報807は、クーポンの情報である。クーポン情報807は、期限821や割引額823等から構成される。
期限821は現在有効なクーポンの使用期日を示す。割引額823はクーポンの金額や割引率等のサービス内容を示す。
【0067】
次に図9を参照しながら、クーポンデータ327について説明を行う。図9はクーポンデータ327を示す。クーポンデータ327は、携帯電話107の二次元コード603、レシート109の二次元コード701に含まれ、顧客ID901、クーポン情報903等で構成される。
顧客ID901は顧客固有の識別番号であり、図8の顧客ID801と同様のものである。クーポン情報903はクーポンの情報であり、図8のクーポン情報807と同様のものである。クーポン情報903には、クーポンの期限や割引額、割引率等のデータが含まれる。
【0068】
次に図10を参照しながら、画像出力システム100における新規の顧客登録の際の動作について説明を行う。図10は、新規の顧客登録の際の画像出力システム100におけるサーバ101及び画像出力装置105の動作を示すフローチャートである。
【0069】
新規に利用するユーザ(顧客)は、画像出力装置105のモニタ403上のタッチパネル等から登録に必要なデータ(例えば、氏名、住所等)を入力する。
画像出力装置105の制御部501は、モニタ403より入力された登録データをサーバ101に送信する(ステップS11)。
【0070】
サーバ101の制御部201は、顧客ID801を決定し、顧客ID801と、顧客情報データ800に画像出力装置105から受信したデータを書き込む(ステップS12)。また、新規登録の際に発行されるクーポンの情報が、顧客情報データ800のクーポン情報807に書き込まれる。
【0071】
制御部201は、顧客情報データ800のクーポン情報807と顧客ID801を画像出力装置105に送信する(ステップS13)。
【0072】
画像出力装置105の制御部501は、サーバ101から受信したデータをレシートジャーナル処理部517等に出力する(ステップS14)。ユーザ(顧客)は、クーポンデータ327が二次元コード701として印刷された紙等(図示せず。)を受け取る。この紙等はレシート109と同様に、写真プリント等の際に画像出力装置105の二次元コード読取機309にかざすことにより使用することができる。
【0073】
以上の過程を経て、画像出力装置105から入力された顧客の登録データは、サーバ101に送信され、サーバ101の顧客情報データ800に記録される。
以上のように、顧客登録を行った新規顧客に対し、画像出力装置105において即時にクーポンを発行することによって、新規顧客は最初の利用時から割引等のサービスを受けることができる。
【0074】
図10に示すように、画像出力装置105からユーザ(顧客)登録をする以外に、サーバ101に対して自宅のパーソナルコンピュータ等からインターネット等のネットワークを介してユーザ(顧客)登録をすることもできる。この場合、自宅のパーソナルコンピュータ等に接続されたプリンタにクーポンデータ327を含む二次元コードを出力してもよい。また、携帯電話107にクーポンデータ327を含む二次元コード603をダウンロードしてもよい。
【0075】
また、クーポン発行のタイミングは新規のユーザ登録時に限られない。サーバに予め登録されたクーポン発行機能に基づいて適宜クーポンが発行されたり、管理者が必要に応じてクーポン発行の操作を行ったりすることもできる。
【0076】
次に図11〜図13を参照しながら、クーポンを利用した画像出力処理について説明を行う。図11はクーポンを利用した画像出力システム100におけるサーバ101及び画像出力装置105の動作を示すフローチャートである。
【0077】
クーポンを利用してプリント等の画像データ処理を行うユーザ(顧客)は、二次元コード読取機309に携帯電話107やレシート109をかざす。このとき、携帯電話107の表示部601には、図6に示すように二次元コード603が表示されている。画像出力装置105の制御部501は、二次元コード読取機309から入力されたクーポンデータ327をサーバ101に送信する(ステップS21)。この場合、携帯電話107やレシート109がなくても、顧客ID901を直接入力することにより、クーポンを利用できる仕組みを設けてもよい。
【0078】
サーバ101の制御部201は、画像出力装置105から受信したクーポンデータ327と記憶部203の顧客情報データ800を照合する(ステップS22)。
【0079】
クーポン情報が一致しない場合(ステップS23のNo)、すなわちクーポンデータ327が無効である場合、制御部201はエラーステータスを画像出力装置105に送信する(ステップS24)。画像出力装置105の制御部501は、サーバ101からエラーステータスを受け取ると、モニタ403にエラーメッセージを出力する(ステップS25)。
【0080】
クーポン情報が一致した場合(ステップS23のYes)、サーバ101の制御部201は、正常終了のステータスを画像出力装置105に送信する(ステップS26)。画像出力装置105は画像データ処理を行う(ステップS27)。
【0081】
図12はステップS27の画像データ処理における画像出力装置105の動作を示すフローチャートである。
【0082】
まず、画像出力装置105の制御部501は、サービスの内容、手順、案内等を示すメニュー画面を、モニタ401に表示し、利用者に機能選択させる。(ステップS31)。
制御部501は、画像入出力部509を介して、画像データを取得する(ステップS32)。利用者は、画像データの入力に際し、記録メディア325からの読み取り、スキャナからの読み取り、撮像装置(デジタルカメラ等)による被写体の撮像等の方法を選択する。
【0083】
制御部501は、利用者の指示に基づいて、画像の加工、編集、合成等を行う(ステップS33)。画像の加工、編集、合成は、例えば、入力画像データ同士、フレーム画像、既存画像等の合成、塗色、文字入力、移動、拡大・縮小、はがきデータ作成等である。
【0084】
制御部501は、色修正、リサイズ、トリミング、レイアウト、文字・ロゴ合成等の画像処理を行う(ステップS34)。
【0085】
制御部501は、画像処理した画像データをメモリ、ハードディスク装置等に保持する(ステップS35)。
【0086】
次に、制御部501は課金処理を行う(ステップS36)。図13はステップS36の課金処理におけるサーバ101及び画像出力装置105の動作を示すフローチャートである。制御部501は、利用者の注文内容(出力形態(写真プリント、シールプリント、インデックスプリント、はがきプリント等)、プリント枚数等)、また入力されたクーポン情報903の内容に応じて課金処理を行う(ステップS41)。
【0087】
制御部501は、ステップS41における課金の情報をサーバ101に送信する(ステップS42)。サーバ101の制御部201は、画像出力装置105から受信した課金情報等をもとに顧客情報データ800の更新を行う(ステップS43)。即ち、使用(購入)履歴805にデータを追加したり、クーポン情報807を更新したりする。
【0088】
新しく発行するクーポンがない場合(ステップS44のNo)、制御部201は、終了ステータスを画像出力装置105に送信する(ステップS45)。新しくクーポンを発行する場合(ステップS44のYes)、制御部201は更新されたクーポン情報807を画像出力装置105に送信する(ステップS46)。
【0089】
画像出力装置105の制御部501は、サーバ101から受信した情報をもとにレシート発行処理を行う(ステップS47)。すなわち、新しくクーポンが発行された場合には、レシート109を発行する時に、新しいクーポンデータ327を二次元コードに変換し、レシート109上にクーポンデータ327を含む二次元コード701を印刷する。
【0090】
課金処理が終了すると、画像出力装置105の制御部501は、ステップS35で保持した画像データを、出力可能となった印刷装置に転送し、印刷出力処理を行う(ステップS37)。
画像データ処理を続ける場合にはステップS31に戻ってもよい。
【0091】
以上の過程を経て、画像出力システム100は、二次元コード読取機309から入力されたクーポンデータ327をもとに画像データ処理に対する課金処理を行う。課金処理の結果は直ちにサーバ101に送信され、サーバ101の顧客情報データ800が更新される。
【0092】
このように画像出力システム100においては、携帯電話107やレシート109上の二次元コードに格納されたIDやクーポン情報を用いて簡単に割引等の顧客サービスが行える。これにより、顧客の、画像出力装置105を用いた写真のプリント等の再利用を促進することができる。また、あらかじめユーザ(顧客)情報を登録することによって、顧客管理を一括して行うことができるので、顧客サービスの拡大等についても容易に対応することが可能である。
【0093】
また、ポイントカードの発行をせずに顧客サービスを行うことができるため、カード発行に必要なコストや手間を削減できる。また顧客も、ポイントカードを利用の都度持ち歩く必要がないので、財布がかさばるというような煩わしさもなくなる。
さらに、クーポンの使用の際にサーバが保持するデータと照合することによって、クーポンデータの不正使用を防止することもできる。即ち、クーポンを重複して使用するのを防ぐことができる。
【0094】
また、画像出力システム100は、現存する機器に二次元コード読取機等を内蔵する等の対応で構築することが可能である。従って新規の機器を導入したり、システムの大規模な修正をしたりする必要がない。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像出力システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
以上のように、サーバ101と画像出力装置105の分散処理について説明を行ったが、画像出力装置105単体で以上のような処理を行ってもよい。即ち、顧客管理およびクーポンの発行を画像出力装置105毎に行ってもよい。
【0097】
また、ユーザに対する割引の情報であるクーポンを発行する以外に、数値を貯める方式、即ちポイントを発行する方式にしてもよい。この場合も、クーポンと同様に、ユーザの使用実績等によってポイントを付与し、ユーザに還元することができる。
【0098】
また、画像出力システム100においては、電子マネーのシステムと連動することによって、クーポンを電子マネーにチャージすることもできる。電子マネーにチャージする場合には、画像出力装置105で使用する場合と還元率を変える等サービスの差別化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明における画像出力システム100の概略構成図
【図2】サーバ101のハードウエア構成図
【図3】画像出力装置105の構成を示すブロック図
【図4】画像出力装置105の外観斜視図
【図5】画像出力装置105のハードウエア構成図
【図6】携帯電話107の概略構成図
【図7】レシート109の概略構成図
【図8】顧客情報データ800の一態様を示す図
【図9】クーポンデータ327の一態様を示す図
【図10】顧客情報登録の際の画像出力システム100におけるサーバ101及び画像出力装置105の動作を示すフローチャート
【図11】画像出力システム100におけるサーバ101及び画像出力装置105の動作を示すフローチャート
【図12】画像データ処理(図11のステップS27)における画像出力装置105の動作を示すフローチャート
【図13】課金処理(図12のステップS36)におけるサーバ101及び画像出力装置105の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0100】
100………画像出力システム
101………サーバ
103………ネットワーク
105………画像出力装置
107………携帯電話
109………レシート
201………制御部
203………記憶部
205………通信部
207………表示部
209………入力部
211………入出力部
309………二次元コード読取機
603、701………二次元コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、複数の画像出力装置がネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記画像出力装置は、
携帯端末またはレシートに表示されたクーポンデータを読み取る手段と、
読み取ったクーポンデータを前記サーバに送信する手段と、
を具備し、
前記サーバは、受信した前記クーポンデータと、前記サーバの保有する顧客データとを照合し、一致した場合、一致情報を前記画像出力装置に送信する送信手段を具備し、
前記画像出力装置は、前記サーバから一致情報を受信すると、前記クーポンデータに基づいて課金する課金手段を具備することを特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
前記クーポンデータは、携帯端末の画面上に二次元コードとして表示されることを特徴とする請求項1記載の画像出力システム。
【請求項3】
前記クーポンデータは、レシート上に二次元コードとして印刷されることを特徴とする請求項1記載の画像出力システム。
【請求項4】
前記顧客データは、前記画像出力装置または前記サーバに接続可能な端末より登録されることを特徴とする請求項1記載の画像出力システム。
【請求項5】
前記クーポンデータは、電子マネーにチャージ可能であることを特徴とする請求項1記載の画像出力システム。
【請求項6】
複数の画像出力装置とネットワークを介して接続されたサーバであって、
予め登録された顧客データと、画像出力装置から受信したクーポンデータとを照合し、一致した場合、一致情報を前記画像出力装置に送信する送信手段を具備することを特徴とするサーバ。
【請求項7】
ネットワークを介してサーバと接続された画像出力装置であって、
携帯端末またはレシートに表示されたクーポンデータを読み取る手段と、
読み取ったクーポンデータを前記サーバに送信する手段と、
前記サーバから、前記クーポンデータとサーバの保有する顧客データとの一致情報を受信すると、前記クーポンデータに基づいて課金する課金手段と、
を具備することを特徴とする画像出力装置。
【請求項8】
前記クーポンデータは、携帯端末の画面上に二次元コードとして表示されることを特徴とする請求項7記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記クーポンデータは、レシート上に二次元コードとして印刷されることを特徴とする請求項7記載の画像出力装置。
【請求項10】
コンピュータを請求項6記載のサーバとして機能させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータを請求項7乃至9記載の画像出力装置として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−83915(P2008−83915A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262200(P2006−262200)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】