説明

画像出力指示装置、画像出力装置および画像出力システム

【課題】 画像出力装置に対応した適切な表示文字列などを画像出力指示装置に表示させること。
【解決手段】 画像出力指示装置1の通信手段14は、所定の通信プロトコルにて画像出力装置2と通信する。変換要求手段15は、表示内容を指定する表示情報が通信プロトコルにしたがって通信手段14により受信された場合に、表示情報をその表示情報に対応する画像出力装置2固有の表示文字列または表示画像へ変換する要求を通信手段14に送信させる。表示手段12は、要求に応じて通信手段14が受信した表示文字列または表示画像を表示情報により指定された表示内容の代わりに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力指示装置、画像出力装置および画像出力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンピュータとプリンタとをUSBケーブルで接続する構成が開示されている。コンピュータは、選択した画像を印刷するための印刷条件をプリンタへ出力する。プリンタは、その印刷条件で画像を印刷する。
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2004/021164公報(図面、発明の詳細な説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように特許文献1に開示される従来の印刷システムでは、コンピュータにおいて指定した印刷条件に基づいて、プリンタで画像を印刷することができる。
【0005】
このようにコンピュータとプリンタとをUSBケーブルで接続する場合とは別に、プリンタにDSC(Digital Still Camera)をUSBケーブルで直接に接続し、DSCが選択した画像をプリンタで印刷するシステムがある。このようなシステムは、ダイレクトプリントシステムと呼ばれている。
【0006】
このようなダイレクトプリントシステムでは、「CIPA(Camera and Imaging Products Association) DC−001−2003」に規定される通信プロトコルなどが使用される。このような通信プロトコルは、DSCとプリンタとの間で送受する印刷設定指示を規定したり、その印刷設定指示で指定する設定値の選択肢を規定したりする。これにより、DSCとプリンタとは、それらが異なるメーカのものであったとしても、それぞれがその所定の通信プロトコルに対応することで、それらを接続して画像を印刷することができる。
【0007】
しかしながら、ダイレクトプリントシステムでは、このように所定の通信プロトコルを採用することで、以下のような問題が生じることがある。
【0008】
DSCは、印刷条件の設定項目について設定値の選択肢を所定の通信プロトコルのパラメータとして受信し、そのパラメータを選択肢としての所定の文字列へ変換し、DSCの液晶モニタに表示する。ユーザは、このDSCの液晶モニタに表示される選択肢の文字列に基づいて、印刷設定指示にて指定する設定値を選択する。
【0009】
DSCが所定の通信プロトコルのパラメータを変換して液晶モニタに表示する選択肢の文字列は、DSCのメーカが準備した文字列である。そのため、所定の通信プロトコルの同一のパラメータに基づく表示であったとしても、DSCの液晶モニタに表示される選択肢の文字列は、DSC(あるいはDSCのメーカ)ごとに異なる可能性がある。つまり、使用するDSCが替わると、表示される選択肢の文字列も替わる可能性がある。その結果、たとえば、ユーザは、以前使用していたDSCと同じ印刷を新しいDSCで印刷しようとしても、選択肢がDSC毎に異なる文字列で表示されてしまうことによって混乱し、所望の印刷をすることができない場合が生じる可能性がある。
【0010】
また、DSCの液晶モニタに表示される印刷設定についての選択肢の文字列の意味が理解できない場合、ユーザは、その文字列についてDSCやプリンタのマニュアルを参照する。しかしながら、DSCに表示される選択肢の文字列は、プリンタに関連する選択肢の文字列でありながら、DSCとともに提供されているため、これらのマニュアルに詳しく解説さていない場合が多い。その結果、DSCやプリンタのマニュアルを参照したとしても、ユーザの問題が解消されない可能性がある。
【0011】
なお、「CIPA DC−001−2003」では、このような印刷設定指示のための選択肢の文字列へ変換されるパラメータ以外にも、プリンタの状態を通知するパラメータなどが規定されている。このプリンタの状態を通知するパラメータなどの場合にも、DSCは、プリンタの状態を表示するためにDSCのメーカが準備した文字列を表示する。そして、ユーザは、その表示される文字列によるワーニングの内容に応じて適切な処置をする必要があるが、ワーニングがDSC毎に異なる文字列による表現となっているため、そのワーニングの意味が理解できず、その結果、適切な処置をすることができないこともありえる。
【0012】
本発明は、画像出力装置に対応した適切な表示文字列などを画像出力指示装置に表示させることができる画像出力指示装置、画像出力装置および画像出力システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る画像出力指示装置は、所定の通信プロトコルにて画像出力装置と通信する通信手段と、表示内容を指定する表示情報が通信プロトコルにしたがって通信手段により受信された場合に、表示情報をその表示情報に対応する画像出力装置固有の表示文字列または表示画像へ変換する要求を通信手段に送信させる変換要求手段と、要求に応じて通信手段が受信した表示文字列または表示画像を表示情報により指定された表示内容の代わりに表示する表示手段と、を有するものである。
【0014】
この構成を採用すれば、表示手段は、表示情報により指定された表示内容の代わりに、画像出力装置から受信した表示文字列などを表示する。したがって、画像出力指示装置は、画像出力装置が他のものと交換されたとしても、ある表示情報に基づいて当該他の画像出力装置に応じた表示文字列などを表示することができる。
【0015】
本発明に係る画像出力指示装置は、上述した発明の構成に加えて、表示情報が、画像出力の指示における設定項目の選択肢の表示内容を指定する情報であるものである。
【0016】
この構成を採用すれば、画像出力指示装置に表示される設定項目の選択肢を、画像出力指示装置に関係なく統一することができる。
【0017】
本発明に係る他の画像出力指示装置は、所定の通信プロトコルにて画像出力装置と通信する通信手段と、通信手段が受信した通信情報に基づいて表示をする場合に、その表示に係る表示文字列または表示画像の送信要求を通信手段に送信させる送信要求手段と、送信要求に応じて通信手段が受信した表示文字列または表示画像を表示する表示手段と、を有するものである。
【0018】
この構成を採用すれば、表示手段は、通信情報に基づいて表示をする際に、画像出力装置から受信した表示文字列などを表示する。したがって、画像出力指示装置は、画像出力装置が他のものと交換されたとしても、ある表示情報に基づいて当該他の画像出力装置に応じた表示文字列などを表示することができる。
【0019】
本発明に係る他の画像出力指示装置は、上述した発明の構成に加えて、通信手段が受信した通信情報が、画像出力装置の状態に関する情報であるものである。
【0020】
この構成を採用すれば、画像出力指示装置に表示される画像出力装置の状態に関する情報を、画像出力指示装置に関係なく統一することができる。
【0021】
本発明に係る画像出力指示装置は、上述した各発明の構成に加えて、画像出力装置の有する表示文字列の言語の種類を問い合わせる言語種類問合手段を有し、変換要求手段または送信要求手段は、問合せに応じて通信手段が受信した言語の種類のうちから1つを指定するものである。
【0022】
この構成を採用すれば、表示手段は、所定の言語の表示文字列を表示することができる。したがって、画像出力装置が送信する表示文字列を適切に表示することができる。
【0023】
本発明に係る画像出力指示装置は、上述した各発明の構成に加えて、変換要求手段または送信要求手段が、表示文字列の文字数あるいはデータ量の最大値を指定するものである。
【0024】
この構成を採用すれば、表示手段は、所定の最大値以下の文字数あるいはデータ量の表示文字列を表示する。したがって、画像出力装置が送信する表示文字列を適切に表示することができる。
【0025】
本発明に係る画像出力装置は、所定の通信プロトコルにて画像出力指示装置と通信し、その通信プロトコルにしたがって表示内容を指定する表示情報を画像出力指示装置へ送信する通信手段と、表示情報と表示文字列または表示画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、通信手段が表示情報を表示文字列へ変換する要求を受信した後、記憶手段から要求に係る表示情報に対応する表示文字列または表示画像を選択し、通信手段から画像出力指示装置へ送信させる変換手段と、を有するものである。
【0026】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、画像出力指示装置に、通信プロトコルにしたがった表示情報により指定された表示内容として、記憶手段に記憶されている表示文字列などを表示させることができる。したがって、画像出力装置は、画像出力指示装置が他のものと交換されたとしても、当該他の画像出力指示装置に、その画像出力指示装置と同じ所定の表示文字列などを表示させることができる。
【0027】
本発明に係る画像出力装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段が記憶する表示文字列が、当該画像出力装置のマニュアルで使用している用語であり、且つ、画像出力の指示における設定項目の選択肢の表示内容を指定する情報であるものである。
【0028】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、そのマニュアルで使用している用語で、画像出力指示装置に表示文字列を表示させることができる。したがって、ユーザは、画像出力装置のマニュアルを参照し、その表示文字列の意味を理解することができる。
【0029】
本発明に係る画像出力装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段が記憶する表示文字列が、当該画像出力装置のマニュアルで使用している商品名あるいは型番であり、且つ、画像出力の指示における設定項目の選択肢の表示内容を指定する情報であるものである。
【0030】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、そのマニュアルで使用している商品名あるいは型番で、画像出力指示装置に表示文字列を表示させることができる。したがって、ユーザは、画像出力装置のマニュアルを参照し、その商品名あるいは型番を知ることができる。また、画像出力装置のマニュアルを参照しなくとも、その商品名あるいは型番の商品を購入したり、選択したりすることができる。
【0031】
本発明に係る他の画像出力装置は、所定の通信プロトコルにて画像出力指示装置と通信し、画像出力指示装置へ通信情報を送信する通信手段と、通信情報と通信情報に基づいて表示する表示文字列または表示画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、通信手段が通信情報に基づいて表示する表示文字列または表示画像の送信要求を受信した後、記憶手段から送信要求に係る通信情報に基づいて表示する表示文字列または表示画像を選択し、通信手段から画像出力指示装置へ送信させる送信手段と、を有するものである。
【0032】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、画像出力指示装置に、通信情報に基づいて表示をする際に、記憶手段に記憶されている表示文字列などを表示させることができる。したがって、画像出力装置は、画像出力指示装置が他のものと交換されたとしても、当該他の画像出力指示装置に、その画像出力指示装置と同じ所定の表示文字列などを表示させることができる。
【0033】
本発明に係る他の画像出力装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段が記憶する表示文字列が、当該画像出力装置のマニュアルで使用している文字列あるいは当該画像出力装置のマニュアルで使用している単語で構成される文字列であるものである。
【0034】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、そのマニュアルで使用している文字列あるいは当該画像出力装置のマニュアルで使用している単語で構成される文字列で、画像出力指示装置に表示文字列を表示させることができる。したがって、ユーザは、画像出力装置のマニュアルを参照し、その表示文字列の意味を理解することができる。
【0035】
本発明に係る画像出力装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段が、複数の言語に対応する複数の表示文字列あるいは文字数が異なる複数の表示文字列を記憶し、変換手段あるいは送信手段が、表示文字列の要求とともに指定された条件に合致する表示文字列を記憶手段に記憶される複数の表示文字列の中から抽出し、その抽出した表示文字列に基づく表示文字列を送信させるものである。
【0036】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、画像出力指示装置に指定された条件に合致する表示文字列を送信する。したがって、画像出力装置に、所定の表示文字列を適切に表示させることができる。
【0037】
本発明に係る画像出力装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段が、書換可能な記憶手段であるものである。
【0038】
この構成を採用すれば、記憶手段が記憶する表示文字列などを書き換えることができる。その結果、マニュアルの記載内容が変更されるなどしたとしても、それに応じて記憶手段が記憶する表示文字列などを書き換えて、表示文字列とマニュアルなどとの所定の対応関係などを維持することができる。
【0039】
本発明に係る画像出力装置は、上述した各発明の構成に加えて、記憶手段が、表示情報または通信情報に対応付けて音声として再生可能なデータを記憶し、変換手段あるいは送信手段が、要求に係る表示情報または通信情報に対応する、音声として再生可能なデータを送信させるものである。
【0040】
この構成を採用すれば、画像出力装置は、画像出力指示装置に、音声を再生させることができる。その結果、表示文字列ではユーザに伝えることができない情報を、画像出力指示装置から伝えることなどが可能となる。
【0041】
本発明に係る画像出力システムは、上述した各発明に係る画像出力指示装置と、上述した各発明に係る画像出力装置と、を有し、画像出力指示装置の通信手段と画像出力装置の通信手段とが通信して、画像出力指示装置により指示された画像を画像出力装置が出力するこものである。
【0042】
この構成を採用すれば、画像出力指示装置の表示手段に、画像出力装置からの所定の通信プロトコルにしたがった表示情報により指定された表示内容として、画像出力装置から受信した表示文字列などを表示させることができる。したがって、画像出力装置は、画像出力指示装置が他のものと交換されたとしても、当該他の画像出力指示装置に、その画像出力指示装置と同じ所定の表示文字列などを表示させることができる。
【0043】
本発明に係る他の画像出力システムは、上述した他の各発明に係る画像出力指示装置と、上述した他の各発明に係る画像出力装置と、を有し、画像出力指示装置の通信手段と画像出力装置の通信手段とが通信して、画像出力指示装置により指示された画像を画像出力装置が出力するものである。
【0044】
この構成を採用すれば、画像出力指示装置の表示手段に、画像出力装置からの通信情報に基づいて表示をする際に、画像出力装置から受信した表示文字列などを表示させることができる。したがって、画像出力装置は、画像出力指示装置が他のものと交換されたとしても、当該他の画像出力指示装置に、その画像出力指示装置と同じ所定の表示文字列などを表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態に係る画像出力指示装置、画像出力装置および画像出力システムを、図面に基づいて説明する。画像出力指示装置は、DSCを例として説明する。画像出力装置は、プリンタを例として説明する。画像出力システムは、ダイレクトプリントシステムを例として説明する。
【0046】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムを示すシステム斜視図である。ダイレクトプリントシステムは、画像出力指示装置としてのDSC1と、画像出力装置としてのプリンタ2と、を有する。DSC1とプリンタ2とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブル3で直接に接続される。
【0047】
プリンタ2は、たとえばブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクなどの複数のインク(マーカ)を使用して、用紙(メディア)にフルカラーの画像を形成するインクジェットプリンタである。プリンタ2は、DSC1、パーソナルコンピュータなどの機器に接続して使用できるものである。このようなプリンタ2には、一般的に、マニュアルが付属する。マニュアルには、一般的に、プリンタ2を他の機器に接続して使用する場合の使用方法、プリンタ2のエラーなどのステータスとその対処方法、インクカートリッジの型番、メディアの型番などの情報が記載される。ユーザは、このマニュアルを参照することで、プリンタ2への印刷指示の仕方や、プリンタ2の消耗品の交換などのメンテナンスなどを学習することができる。プリンタ2は、レーザプリンタなどの他のプリンタであってもよい。
【0048】
なお、DSC1とプリンタ2とは、USBケーブル3以外のケーブル、たとえばイーサネット(登録商標)ケーブルなどの有線通信路で接続されていてもよい。DSC1とプリンタ2とは、たとえばブルートゥース(Bluetooth)などによる無線通信路によって直接に通信できるように構成されていてもよい。
【0049】
実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムは、DSC1とプリンタ2との間で所定の通信プロトコルに基づいて通信する。所定の通信プロトコルとしては、たとえば「CIPA DC−001−2003」に規定される通信プロトコルがある。
【0050】
そして、たとえば、実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムのDSC1は、用紙種類などの設定項目の選択肢をプリンタ2から取得し、その取得した選択肢の中から設定値を選択し、選択した設定値を含む印刷設定指示をプリンタ2へ送信する。プリンタ2は、その印刷設定指示に基づいて画像を印刷する。
【0051】
このように所定の通信プロトコルに基づいて通信し、その結果として印刷が可能となるように構成されることで、DSC1は、その所定の通信プロトコルに対応する不特定のプリンタ2と接続して印刷させることができ、プリンタ2は、その所定の通信プロトコルに対応する不特定のDSC1と接続して印刷することができる。また、多数のメーカがその所定の通信プロトコルに対応するDSC1およびプリンタ2を提供することで、ユーザは自分の好みに合わせてDSC1およびプリンタ2を組合せて使用することができる。
【0052】
上述したようにDSC1がプリンタ2から設定項目の選択肢を取得し、その取得した選択肢の中から設定値を選択する場合、DSC1とプリンタ2とが共に理解可能な通信プロトコルは、それらの間で送受するオペレーションやリクエストなどといったコマンド、コマンドに応じるレスポンスおよびイベントなどとともに、印刷設定指示のための設定項目の各選択肢と1対1に対応するパラメータを規定する必要がある。これにより、たとえば、プリンタ2がDSC1へ用紙種類の選択肢として普通紙を伝えた場合、DSC1は、普通紙が選択肢として伝えられたことを理解することができる。
【0053】
この実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムでは、通信プロトコルにおいて、写真用紙が「PhotoPaper」と規定され、マット紙が「MattPaper」と規定され、普通紙が「PlainPaper」と規定されているものとする。この他にも、この実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムでは、印刷設定指示において指定可能な用紙種類の設定値として「Default」が規定されているものとする。印刷設定指示の用紙種類の設定値として「Default」が指定された場合、プリンタ2は、その指定されたときにプリンタ2に設定されている設定値を使用して印刷処理を実行する。なお、通信プロトコルにおいて規定されるパラメータは、英語の文字列以外にも、数字などによるコードであってもよい。
【0054】
図2は、図1のダイレクトプリントシステムにおいて実現される機能を示すブロック図である。
【0055】
DSC1は、画像ファイル10を記憶する半導体メモリ11を挿抜可能に装着される。DSC1は、表示手段としての液晶モニタ12と、入力デバイス13と、通信手段としての通信部14と、変換要求手段および言語種類問合手段としての印刷クライアント部15と、を有する。また、液晶モニタ12は、画像をフルカラーで表示することができる。入力デバイス13は、操作に応じた入力指示を出力する。
【0056】
DSC1の通信部14は、USBケーブル3を接続され、このUSBケーブル3の他端に接続されるプリンタ2の後述する通信部23との間でデータを送受する。なお、DSC1の通信部14は、具体的にたとえば、USBケーブル3が接続されるUSB通信I/F(インタフェース)と、PTP(Picture Transfer Protocol)通信部と、USBスティルイメージクラス通信部とで実現することができる。PTP通信部は、他のPTP通信部との間でピクチャトランスファプロトコルに基づく通信を実行する。USBスティルイメージクラス通信部は、他のPTP通信部との間でUSBスティルイメージクラスを使用した通信を実行する。
【0057】
印刷クライアント部15は、プリンタ2の後述する印刷サーバ部24との間で、上述した所定のプロトコルに基づいて通信を行う。そして、印刷クライアント部15は、上述した所定のプロトコルにおける印刷設定指示を生成し、印刷サーバ部24へ送信する。
【0058】
なお、印刷クライアント部15、通信部14のPTP通信部およびUSBスティルイメージクラス通信部は、DSC1に内蔵される図示外の内蔵コンピュータが図示外の内蔵メモリに記憶されるプログラムを実行することで実現される。なお、この内蔵メモリに記憶されるプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムであり、DSC1の出荷時に内蔵メモリに記憶されたものであっても、DSC1の出荷後に図示外の記録媒体や伝送媒体を介して内蔵メモリに記憶されたものであってもよい。
【0059】
プリンタ2は、ストリング保持テーブル20を記憶する記憶手段としての書換可能なROM(Read Only Memory)21と、印刷部22と、通信手段としての通信部23と、変換手段としての印刷サーバ部24と、を有する。印刷部22は、印刷ジョブに基づいて、用紙に画像を印刷する。
【0060】
プリンタ2の通信部23は、USBケーブル3を接続され、このUSBケーブル3の一端に接続されるDSC1の通信部14との間でデータを送受する。なお、プリンタ2の通信部23は、DSC1の通信部14と同様に、たとえば、USB通信I/Fと、PTP通信部と、USBスティルイメージクラス通信部とで実現されていればよい。
【0061】
印刷サーバ部24は、DSC1の印刷クライアント部15との間で、上述した所定のプロトコルに基づいて通信を行う。そして、印刷サーバ部24は、上述した所定のプロトコルにおける印刷設定指示に基づいて、印刷ジョブを生成する。
【0062】
なお、印刷サーバ部24、通信部23のPTP通信部およびUSBスティルイメージクラス通信部は、プリンタ2に内蔵される図示外の内蔵コンピュータが図示外の内蔵メモリに記憶されるプログラムを実行することで実現される。なお、この内蔵メモリに記憶されるプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムであり、プリンタ2の出荷時に内蔵メモリに記憶されたものであっても、プリンタ2の出荷後に図示外の記録媒体や伝送媒体を介して内蔵メモリに記憶されたものであってもよい。
【0063】
図3は、図2中の書換可能なROM21に記憶されるストリング保持テーブル20のデータ構造を示す説明図である。ストリング保持テーブル20は、所定の通信プロトコルにおける各パラメータと対応付けられた表示文字列を有する。表示文字列には、日本語用の表示文字列と、英語用の表示文字列とがある。日本語用の表示文字列および英語用の表示文字列としては、通常の表示文字列と、その短縮形の表示文字列とが記憶される。つまり、ストリング保持テーブル20は、所定の通信プロトコルにおける各パラメータと対応付けられた4つの表示文字列を有する。そして、日本語用の通常の表示文字列として、プリンタ2の日本語マニュアルに記載されているメディア商品名が記憶される。英語用の通常の表示文字列として、プリンタ2の英語マニュアルに記載されているメディア商品名が記憶される。なお、通常の表示文字列は、メディア商品名ではなく、プリンタ2のマニュアルで使用されている名称などの他の単語(文字列)や、メディアの型番などであってもよい。なお、マニュアルにURL(Uniform Resource Locator)などを記載し、そのURLで使用しているメディア商品名などであってもよい。また、そのプリンタ2に固有ではないような普通名称化している単語、あるいはその状態に限りなく近い単語、たとえば「用紙」などの単語は、ユーザが理解可能であると推測できるので、たとえマニュアルに記載されていなくても使用してもよい。
【0064】
具体的にはたとえば、ストリング保持テーブル20は、所定の通信プロトコルにおけるパラメータ「PhotoPaper」について、PM写真用紙、写真、PM Photo Paper、Photoの4つの表示文字列を有する。また、ストリング保持テーブル20は、所定の通信プロトコルにおけるパラメータ「MattPaper」について、PMマット紙、マット、PM Matt Paper、Mattの4つの表示文字列を有する。ストリング保持テーブル20は、所定の通信プロトコルにおけるパラメータ「PlainPaper」について、普通紙、普、Plain Paper、Plainの4つの表示文字列を有する。ストリング保持テーブル20は、所定の通信プロトコルにおけるパラメータ「Default」について、プリンタの設定値、おまかせ、Printter setting Paper、Printerの4つの表示文字列を有する。
【0065】
次に、以上のような構成を有する図1のダイレクトプリントシステムの動作を説明する。
【0066】
図4は、図1のダイレクトプリントシステムの全体的な処理の流れを示すフローチャートである。文字「DSC1(1)」の下に記載される直線上のボックスは、DSC1が実行する主な処理を示すものである。文字「プリンタ(2)」の下に記載される直線上のボックスは、プリンタ2が実行する主な処理を示すものである。この2つの直線の間にある矢線は、ダイレクト印刷においてDSC1とプリンタ2のとの間で送受される主なデータなどを示すものである。
【0067】
まず、DSC1の印刷クライアント部15は、印刷する画像を選択する(ステップST1)。具体的にはたとえば、印刷クライアント部15は、DSC1に装着された半導体メモリ11に記憶されている画像ファイル10の画像を液晶モニタ12に表示する。印刷クライアント部15は、入力デバイス13から得られる操作情報に基づいて、選択された画像を特定し、画像を、印刷する画像として選択する。なお、この他にもたとえば、印刷クライアント部15は、プリンタ2などに装着された図示外の半導体メモリ11に記憶されている画像ファイルの画像を液晶モニタ12に表示し、入力デバイス13の入力指示に基づいて、その画像を印刷する画像として選択するようにしてもよい。
【0068】
印刷する画像を選択すると、印刷クライアント部15は、用紙サイズの選択処理を実行する(ステップST2)。具体的にはたとえば、印刷クライアント部15は、L版、2L版、A4などの数種類の用紙サイズに対応する複数の選択項目を表示する印刷設定指示画面を、液晶モニタ12に表示する。印刷クライアント部15は、入力デバイス13から用紙サイズの選択を意味する入力指示があったら、その入力指示で選択された用紙サイズを、画像を印刷する用紙サイズとして選択する。
【0069】
用紙サイズを選択すると、印刷クライアント部15は、リクエストプリンタケーパビリティを生成する(ステップST3)。
【0070】
図5は、図2中の印刷クライアント部15が用紙サイズを選択した後に生成するリクエストプリンタケーパビリティ41を示す図である。リクエストプリンタケーパビリティ41は、所定のプロトコルに基づくコマンドの1つである。リクエストプリンタケーパビリティ41は、XML(eXtensible Markup Language)形式のテキストデータである。図5のリクエストプリンタケーパビリティ41は、プリンタ2が印刷可能な用紙種類の選択肢をレスポンスとして要求するコマンドである。
【0071】
図5に示すリクエストプリンタケーパビリティ41は、XMLのバージョンを示すタグ(<?xml version=”1.0”?>)と、リクエストであることを示す一対のタグ(<Request>,</Request>)と、を有する。リクエストであることを示す一対のタグの間には、そのリクエストがプリンタ2の能力に関する情報のリクエストであることを示す一対のタグ(<ReqPrinterCapability>,</ReqPrinterCapability>)が記述される。
【0072】
また、プリンタ2の能力に関する情報のリクエストであることを示す一対のタグの間には、プリンタ2が印刷可能な選択肢を要求する設定項目(ここでは用紙種類)を示すタグ(<PaperType>,</PaperType>)が記述される。特に、図5に示すリクエストプリンタケーパビリティ41では、このタグは、「PaperSize=”A4”」という引数を有する。この引数「PaperSize=”A4”」は、設定項目(ここでは用紙種類:PaperType)の選択肢として、他の設定項目(ここでは用紙サイズ:PaperSize)の設定値がその引数の値(ここではA4)である場合において、その他の設定項目の設定値(ここではA4)と組合せて印刷することができる、要求に係る設定項目の設定値を選択肢として要求することを意味する。引数の値(ここではA4)には、用紙サイズ選択処理において選択された用紙サイズが記述される。選択された用紙サイズは、通信プロトコルでのパラメータ「A4」として記述される。
【0073】
リクエストプリンタケーパビリティ41を生成すると、印刷クライアント部15は、生成したリクエストプリンタケーパビリティ41を、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、リクエストプリンタケーパビリティ41をプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST4)。プリンタ2の通信部23は、受信したリクエストプリンタケーパビリティ41を印刷サーバ部24へ供給する。
【0074】
プリンタ2の印刷サーバ部24は、用紙種類の選択肢を要求するリクエストプリンタケーパビリティ41が供給されると、通信情報としてのプリンタケーパビリティを生成する(ステップST5)。
【0075】
図6は、図5のリクエストプリンタケーパビリティ41に応じて、印刷サーバ部24が生成するプリンタケーパビリティ42を示す図である。プリンタケーパビリティ42は、所定のプロトコルに基づくレスポンスの1つである。プリンタケーパビリティ42は、XML形式のテキストデータである。図6のプリンタケーパビリティ42は、プリンタ2が印刷可能な用紙種類の選択肢を含むレスポンスである。
【0076】
図6に示すプリンタケーパビリティ42は、XMLのバージョンを示すタグ(<?xml version=”1.0”?>)と、レスポンスであることを示す一対のタグ(<Response>,</Response>)と、を有する。レスポンスであることを示す一対のタグの間には、DSC1の印刷クライアント部15に要求された用紙サイズ(選択項目の一種)の選択肢「PhotoPaper」、「MattPaper」、「PlainPaper」が、プリンタ2の印刷可能な選択肢のレスポンスであることを示す一対のタグ(<PaperType>,</PaperType>)に挟まれて記述される。なお、このタグも図5と同様の引数を有する。各選択肢は、通信プロトコルにおけるパラメータとして記述される。
【0077】
印刷サーバ部24は、生成したプリンタケーパビリティ42をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このプリンタケーパビリティ42を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST6)。DSC1の通信部14は、プリンタケーパビリティ42を印刷クライアント部15へ供給する。
【0078】
プリンタケーパビリティ42が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、サポート言語リクエストを生成する(ステップST7)。
【0079】
図7は、図2中の印刷クライアント部15が生成するサポート言語リクエスト43を示す図である。サポート言語リクエスト43は、所定のプロトコルに基づくコマンドの1つである。プリンタ2の能力に関する情報を要求することを意味する一対のタグ(<ReqPrinterCapability>,</ReqPrinterCapability>)の間には、サポート言語の選択肢を要求することを示すタグ(<LanguageSupported>,</LanguageSupported>)が記述される。
【0080】
サポート言語リクエスト43を生成すると、印刷クライアント部15は、生成したサポート言語リクエスト43を、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、サポート言語リクエスト43をプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST8)。プリンタ2の通信部23は、受信したサポート言語リクエスト43を印刷サーバ部24へ供給する。
【0081】
サポート言語リクエスト43が供給されると、プリンタ2の印刷サーバ部24は、図3に示すストリング保持テーブル20を参照して、サポート言語レスポンスを生成する(ステップST9)。
【0082】
図8は、図7のサポート言語リクエスト43に応じて、印刷サーバ部24が生成するサポート言語レスポンス44を示す図である。サポート言語レスポンス44は、所定のプロトコルに基づくレスポンスの1つである。
【0083】
図8に示すサポート言語レスポンス44は、レスポンスであることを示す一対のタグ(<Response>,</Response>)の間には、プリンタ2が記憶する表示文字列の種類の選択肢「Japanese」、「English」が、プリンタ2の対応可能な表示文字列の種類の選択肢のレスポンスであることを示す一対のタグ(<LanguageSupported>,</LanguageSupported>)に挟まれて記述される。各選択肢は、通信プロトコルにおけるパラメータとして記述される。
【0084】
印刷サーバ部24は、生成したサポート言語レスポンス44をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このサポート言語レスポンス44を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST10)。DSC1の通信部14は、サポート言語レスポンス44を印刷クライアント部15へ供給する。
【0085】
サポート言語レスポンス44が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、その中の1つの言語(たとえばJapanese)を選択する。印刷クライアント部15は、サポート言語レスポンス44に複数の言語が通知された場合には、その中の1つを自動的に選択したり、液晶モニタ12に表示させて入力デバイス13による選択に基づいて選択したりすればよい。
【0086】
サポート言語として1つの言語を選択した後、DSC1の印刷クライアント部15は、デバイスストリングスリクエストを生成する(ステップST11)。
【0087】
図9は、図2中の印刷クライアント部15が生成するデバイスストリングスリクエスト45を示す図である。デバイスストリングスリクエスト45は、所定のプロトコルに基づくコマンドの1つである。リクエストを意味する一対のタグ(<Request>,</Request>)の間に、文字列を要求することを示すタグ(<DeviceString>,</DeviceString>)が記述される。また、この文字列を要求することを示すタグは、2つの引数「Language=”Japanese”」と「MaxLength=18」を有する。「Language=”Japanese”」は、所定の言語(ここでは日本語)の文字列を要求することを意味する。「MaxLength=18」は、その文字数の最大値(ここでは18)を意味する。なお、文字数の最大値に替えて、データ量の最大値を引数で指定するようにしてもよい。
【0088】
また、文字列を要求することを示すタグの間には、文字列へ変換させる所定のプロトコルのパラメータ(「PhotoPaper」と「MattPaper」と「PlainPaper」)のリストが、そのパラメータがある設定項目での選択肢に対応していることを示す一対のタグ(<PaperType>,</PaperType>)に挟まれて記述される。
【0089】
デバイスストリングスリクエスト45を生成すると、印刷クライアント部15は、生成したデバイスストリングスリクエスト45を、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、デバイスストリングスリクエスト45をプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST12)。プリンタ2の通信部23は、受信したデバイスストリングスリクエスト45を印刷サーバ部24へ供給する。
【0090】
デバイスストリングスリクエスト45が供給されると、プリンタ2の印刷サーバ部24は、図3に示すストリング保持テーブル20を参照して、変換を要求されたパラメータのリストを変換する。
【0091】
図9のパラメータのリストの場合、印刷サーバ部24は、引数「Language=”Japanese”」に基づいて日本語の表示文字列へ変換する。各パラメータには、通常の表示文字列と、短縮形の表示文字列とが対応付けられている。印刷サーバ部24は、まず、各パラメータを通常の表示文字列へ変換する。つまり、印刷サーバ部24は、パラメータPhotoPaperに対応する「PM写真用紙」を選択し、パラメータMattPaperに対応する「PMマット紙」を選択し、パラメータPlainPaperに対応する「普通紙」を選択する。
【0092】
次に、印刷サーバ部24は、その変換した各文字列の文字数が、引数「MaxLength=18」で指定される文字数(ここでは18文字)を超えているか否かを判断する。「PM写真用紙」は6文字、「PMマット紙」は6文字、「普通紙」は3文字であるので、いずれも、文字数は、18文字を超えない。そのため、印刷サーバ部24は、パラメータのリストを変換した表示文字列のリストとして、「PM写真用紙 PMマット紙 普通紙」を生成する。各表示文字列のリスト内での配列は、各パラメータのそのリスト内での配列と対応している。なお、たとえば図9のパラメータのリストに「Default」が追加されている場合、その日本語の通常の表示文字列「プリンタの設定値」が選択される。
【0093】
なお、たとえば「MaxLength」に5が設定されている場合、印刷サーバ部24は、適宜、日本語の短縮形の表示文字列を使用して、表示文字列のリスト「写真 マット 普通紙 おまかせ」を生成する。この短縮形での文字列の総文字数は、12文字である。
【0094】
パラメータのリストを表示文字列のリストへ変換すると、印刷サーバ部24は、デバイスストリングスレスポンスを生成する(ステップST13)。
【0095】
図10は、図9のサポート言語リクエスト43に応じて、印刷サーバ部24が生成するデバイスストリングスレスポンス46を示す図である。デバイスストリングスレスポンス46は、所定のプロトコルに基づくレスポンスの1つである。文字列であることを示すタグ(<DeviceString>,</DeviceString>)の間に、生成した文字列のリスト「PM写真用紙 PMマット紙 普通紙」が、要求に係る設定項目のものであることを示す一対のタグ(<PaperTypeString>,</PaperTypeString>)に挟まれて記述される。
【0096】
印刷サーバ部24は、生成したデバイスストリングスレスポンス46をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このデバイスストリングスレスポンス46を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST14)。DSC1の通信部14は、デバイスストリングスレスポンス46を印刷クライアント部15へ供給する。
【0097】
デバイスストリングスレスポンス46が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、文字列のリスト「PM写真用紙 PMマット紙 普通紙」を、液晶モニタ12に選択可能な選択肢として表示する(ステップST15)。具体的にはたとえば、印刷クライアント部15は、文字列のリストから各文字列を切り出し、切り出した文字列を割り付けた選択オブジェクトを生成する。「PM写真用紙 PMマット紙 普通紙」の場合、PM写真用紙が割り付けられた選択オブジェクトと、PMマット紙が割り付けられた選択オブジェクトと、普通紙が割り付けられた選択オブジェクトとが生成される。
【0098】
図11は、図1中のDSC1の背面を示す背面図である。DSC1の背面には、液晶モニタ12と、入力デバイス13の一種としての十字キー51と、が配置されている。図11の液晶モニタ12には、印刷設定指示画面が表示されている。印刷設定指示画面は、印刷のために設定する設定項目の項目名が割り付けられた選択オブジェクトが、画面の左半分に縦並びで表示される。図11では、用紙サイズとの項目名が割り付けられた選択オブジェクトと、用紙種類との項目名が割り付けられた選択オブジェクトと、印刷品質との項目名が割り付けられた選択オブジェクトとの3つの設定項目の選択オブジェクトが表示されている。
【0099】
そして、十字キー51が操作されて、用紙種類との項目名が割り付けられた選択オブジェクトが選択されると、DSC1の印刷クライアント部15は、PM写真用紙が割り付けられた選択オブジェクトと、PMマット紙が割り付けられた選択オブジェクトと、普通紙が割り付けられた選択オブジェクトとを、印刷設定指示画面の右半分に縦並びで表示する。
【0100】
また、十字キー51が操作されて、たとえばPM写真用紙が割り付けられた選択オブジェクトが選択されると、DSC1の印刷クライアント部15は、その選択した選択オブジェクトに割り付けられている表示文字列に対応する用紙種類のパラメータ(この場合PhotoPaper)を、印刷設定指示における用紙品質の設定値として選択する。
【0101】
DSC1による設定項目の設定値の選択が終了すると、印刷クライアント部15は、印刷オペレーションを生成する(ステップST16)。印刷オペレーションは、所定の通信プロトコルにおける印刷設定指示用のコマンドである。印刷オペレーションには、設定項目毎の設定値のパラメータを含む。たとえば、用紙種類の設定値としてPhotoPaperとのパラメータを含む。
【0102】
印刷オペレーションを生成すると、印刷クライアント部15は、生成した印刷オペレーションを、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、印刷オペレーションをプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST17)。プリンタ2の通信部23は、受信した印刷オペレーションを印刷サーバ部24へ供給する。
【0103】
印刷オペレーションが供給されると、プリンタ2の印刷サーバ部24は、印刷ジョブの生成処理を開始する(ステップST18)。印刷サーバ部24は、印刷オペレーションにおいて指定された印刷に係る画像の画像ファイル10の送信要求をDSC1へ送信し(ステップST19)、DSC1はその応答としてその画像の画像ファイル10を送信する(ステップST20)。印刷サーバ部24は、印刷オペレーションで指定された設定項目の設定値の組合せに基づいて、その設定値の組合せで取得した画像ファイル10の画像を印刷する印刷ジョブを生成する。
【0104】
印刷サーバ部24は、生成した印刷ジョブを印刷部22へ出力する。印刷部22は、印刷ジョブに基づいて画像を印刷する(ステップST21)。
【0105】
以上のように、この実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムでは、DSC1は、プリンタ2から取得した設定項目の選択肢から設定値を選択し、その選択した設定値を含む印刷オペレーションを送信する。プリンタ2は、その印刷オペレーションに基づいて画像を印刷する。
【0106】
また、この実施の形態1では、DSC1は、プリンタケーパビリティで受信した用紙種類の各パラメータ(表示情報へ変換する情報)を、プリンタ2がマニュアル内の所定のメディア商品名(表示文字列)へ変換し、そのメディア商品名を割り付けた選択オブジェクトを液晶モニタ12に表示する。そのため、ユーザは、液晶モニタ12に表示される選択オブジェクトを入力デバイス13で選択する場合、DSC1の種類に関係なく、その液晶モニタ12に表示されるメディア商品名をプリンタ2のマニュアルで確認することができる。その結果、ユーザは、各選択肢についてプリンタ2のマニュアルを参照し、自分が望む用紙種類の選択肢を選択することができる。ユーザは、DSC1とプリンタ2とを接続して、所望の印刷をすることができる。
【0107】
なお、上記実施の形態1では、DSC1は、用紙種類の選択肢のみをプリンタ2から取得し、その選択肢を、マニュアルに記載のメディア商品名へ変換している。この他にもたとえば、DSC1は、用紙サイズ、印刷レイアウト、印刷品質、その他の印刷指示のために設定する各設定項目の選択肢をプリンタ2から取得し、その選択肢をマニュアルで使用しているメディア商品名、その他のマニュアルで使用している用語の文字列へ変換するようにしてもよい。
【0108】
上記実施の形態1では、図9に示すように、デバイスストリングスリクエスト45において引数の値(たとえば「Japanese」)をタグ(<DeviceString>,</DeviceString>)の内側に記述している。この他にもたとえば、この引数の値(たとえば「Japanese」)を、引数用の別のタグ(たとえば<Language>,</Language>)に挟み、さらにその別のタグを先のタグ(<DeviceString>,</DeviceString>)に挟むように記述するようにしてもよい。
【0109】
上記実施の形態1では、プリンタ2のストリング保持テーブル20は、書換可能なROM21に記録されている。したがって、書換可能なROM21を交換したり、書換可能なROM21の内容を変更したりすることで、ストリング保持テーブル20を更新することができる。なお、書換可能なROM21の内容更新は、たとえばインターネット上のサーバから、更新データをパーソナルコンピュータ経由でダウンロードし、これを書換可能なROM21に書き込むようにすればよい。UPnP(Universal Plug and Play)などに対応するネットワーク接続可能なプリンタであれば、直接にそのサーバから更新データをダウンロードするも可能である。
【0110】
実施の形態2.
実施の形態2に係るダイレクトプリントシステムは、画像出力指示装置としてのDSC1と、画像出力装置としてのプリンタ2とがUSBケーブル3で接続されたものである。
【0111】
図12は、実施の形態2に係るダイレクトプリントシステムにおいて実現される機能を示すブロック図である。DSC1は、音声データに基づいて音声を出力する音声出力デバイス61を有する。記憶手段としてのプリンタ2の書換可能なROM21は、詳細情報保持テーブル62と、画像ファイル63と、音声ファイル64と、動画ファイル65とを記憶する。
【0112】
図13は、図12中の書換可能なROM21に記憶される詳細情報保持テーブル62のデータ構造を示す説明図である。詳細情報保持テーブル62は、所定の通信プロトコルにおける各ステータスコードに対応付けられた表示文字列を有する。表示文字列には、日本語用の表示文字列がある。日本語用の表示文字列としては、通常の表示文字列と、その短縮形の表示文字列とが記憶される。なお、日本語用の表示文字列以外の言語、たとえば英語用の表示文字列を記憶するようにしてもよい。
【0113】
通常の表示文字列は、プリンタ2のマニュアルに記載されている文字列、あるいは、マニュアルで使用されている用語や単語(文字列)を使用する文字列である。たとえば、マニュアルにおいてインクの色の名前としてマゼンタを使用している場合には、この通常の表示文字列でもマジェンタではなく、マゼンタと記憶するのが望ましい。なお、表示文字列には、マニュアルに記載している型番などを使用してもよい。
【0114】
具体的にはたとえば、詳細情報保持テーブル62は、図13に示すように、所定の通信プロトコルにおけるステータスコード(エラーコード)「marker−supply−empty」と対応付けて、「[インクの色]インクを交換してください。」という通常の表示文字列と、「インク交換」という短縮形の表示文字列とを記憶する。これらの情報は、プリンタ2のステータスがインクなし状態になったときに使用される。[インクの色]には、プリンタ2で使用するインクの色であるブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの中から選択される少なくとも1色の色の名前(文字列)が入る。
【0115】
詳細情報保持テーブル62は、この他にもたとえば、用紙切れを意味する所定の通信プロトコルにおけるステータスコード「media−empty」と対応付けられた「用紙を追加してください」という通常の文字列などを有する。
【0116】
ステータスコード「marker−supply−empty」は、DSC1とプリンタ2とが通信するために使用する所定の通信プロトコルにおいて、プリンタ2がDSC1へ「インクなし」を通知するために使用するものである。なお、ステータスコードは、たとえば「10010000」などの数字からなるコードであってもよい。プリンタ2は、たとえばプリンタ2の内部でのステータスとして、ブラックインク、イエローインク、シアンインクあるいはマゼンタインクが無くなった場合に、このステータスコード「marker−supply−empty」を通知する。
【0117】
画像ファイル63は、詳細情報保持テーブル62の通常の表示文字列(たとえば「インクを交換してください。」)をイメージ化した画像のデータを含むファイルである。この画像ファイル63は、JPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)形式で圧縮された画像データを有する。なお、画像データは、PNG(Portable Network Graphics)などの他の形式のものであってもよい。
【0118】
音声ファイル64は、詳細情報保持テーブル62の通常の表示文字列(たとえば「インクを交換してください。」)を読み上げる音声のデータを含むファイルである。この音声ファイル64は、WAV形式の音声データを有する。
【0119】
動画ファイル65は、詳細情報保持テーブル62の通常の表示文字列に基づいてユーザが処置する処置手順(たとえばインクカートリッジの交換手順)を示す動画のデータを含むファイルである。この動画ファイル65は、MPEG(Moving Picture Coding Experts Group/Moving Picture Experts Group形式で圧縮された動画像データを有する。
【0120】
図2に示すこれ以外の各構成要素は、実施の形態1における同名の構成要素と同じ機能を有するものであり、実施の形態1と同一の符号を使用して説明を省略する。
【0121】
次に、以上のような構成を有する図12のダイレクトプリントシステムの動作を説明する。
【0122】
図14は、図1のダイレクトプリントシステムの全体的な処理の流れを示すフローチャートである。文字「DSC(1)」の下に記載される直線上のボックスは、DSC1が実行する主な処理を示すものである。文字「プリンタ(2)」の下に記載される直線上のボックスは、プリンタ2が実行する主な処理を示すものである。この2つの直線の間にある矢線は、ダイレクト印刷においてDSC1とプリンタ2のとの間で送受される主なデータなどを示すものである。
【0123】
たとえば、DSC1とプリンタ2とをUSBケーブル3で接続し、DSC1の印刷オペレーションに基づいて印刷部22が画像を印刷している最中にシアンインクおよびマゼンタインクが無くなった場合、印刷部22は、送信手段としての印刷サーバ部24へ「シアンインクなし、マゼンタインクなし」を示すステータスを通知する。
【0124】
プリンタ2の印刷サーバ部24は、プリンタ2内においてステータスの通知が供給されると、DSC1にプリンタ2の状態を通知するための、所定の通信プロトコルにおける通信情報としてのステータス情報を生成する。「シアンインクなし、マゼンタインクなし」を示すステータスの通知の場合には、印刷サーバ部24は、所定の通信プロトコルで定義されているステータスコード「marker−supply−empty」を含むステータス情報を生成する(ステップST31)。「marker−supply−empty」は、ブラックインクがなくなった場合などにおいても使用するステータスコードである。
【0125】
ステータス情報を生成すると、印刷サーバ部24は、生成したステータス情報を、通信手段としてのプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、ステータス情報を通信手段としてのDSC1の通信部14へ送信する(ステップST32)。DSC1の通信部14は、受信したステータス情報を、送信要求手段および言語種類問合手段としての印刷クライアント部15へ供給する。
【0126】
DSC1の印刷クライアント部15は、所定の通信プロトコルに基づくステータス情報が供給されると、そのステータス情報に応じた処理を開始し、リクエストプリンタケーパビリティ72を生成する(ステップST33)。
【0127】
図15は、図12中の印刷クライアント部15が、ステータスコード「marker−supply−empty」を含むステータス情報が供給された後に生成するリクエストプリンタケーパビリティ71を示す図である。リクエストプリンタケーパビリティ71は、所定のプロトコルに基づくコマンドのうちの1つである。リクエストプリンタケーパビリティ71は、XML形式のテキストデータである。
【0128】
図15に示すリクエストプリンタケーパビリティ71は、タグ<ReqPrinterCapability>,</ReqPrinterCapability>の間に、その要求に係る情報が、プリンタ2が供給可能なフォーマット(ここではデータの種類の意味)であることを示すタグ(<FormatSupported>,</FormatSupported>)が記述される。
【0129】
リクエストプリンタケーパビリティ71を生成すると、印刷クライアント部15は、生成したリクエストプリンタケーパビリティ71を、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、リクエストプリンタケーパビリティ71をプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST34)。プリンタ2の通信部23は、受信したリクエストプリンタケーパビリティ71を印刷サーバ部24へ供給する。
【0130】
プリンタ2の印刷サーバ部24は、供給可能なフォーマットを要求するリクエストプリンタケーパビリティ71が供給されると、まず、書換可能なROM21を参照し、供給可能なデータの種類を判断する。図12に示すように、書換可能なROM21には、表示文字列を記憶する詳細情報保持テーブル62と、JPEG形式の画像データを記憶する画像ファイル63と、WAV形式の音声データを記憶する音声ファイル64と、MPEG形式の動画データを記憶する動画ファイル65とが記憶されている。この場合、印刷サーバ部24は、表示文字列と、JPEG形式の画像データと、WAV形式の音声データと、MPEG形式の動画データとが供給可能であると判断する。供給可能なフォーマットを判断したら、印刷サーバ部24は、プリンタケーパビリティを生成する(ステップST35)。
【0131】
図16は、図15のリクエストプリンタケーパビリティ71に応じて、印刷サーバ部24が生成するプリンタケーパビリティ72を示す図である。プリンタケーパビリティ72は、所定のプロトコルに基づくレスポンスのうちの1つである。図16に示すプリンタケーパビリティ72では、プリンタ2が供給可能なフォーマット(ここではデータの種類の意味)であることを示すタグ(<FormatSupported>,</FormatSupported>)の間に、プリンタ2が供給可能なフォーマットを示すコード「TEXT」、「JPEG」、「WAV」、「MPEG」が記述される。
【0132】
コード「TEXT」は、ステータス情報に対する当該プリンタ2固有の代替報知情報を、文字列で供給可能であることを示すコードである。コード「JPEG」は、ステータス情報に対する当該プリンタ2固有の代替報知情報を、JPEG形式の画像データで供給可能であることを示すコードである。コード「WAV」は、ステータス情報に対する当該プリンタ2固有の代替報知情報を、WAV形式の音声データで供給可能であることを示すコードである。コード「MPEG」は、ステータス情報に対する当該プリンタ2固有の代替報知情報を、MPEG形式の動画像データで供給可能であることを示すコードである。
【0133】
印刷サーバ部24は、生成したプリンタケーパビリティ72をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このプリンタケーパビリティ72を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST36)。DSC1の通信部14は、プリンタケーパビリティ72を印刷クライアント部15へ供給する。
【0134】
プリンタケーパビリティ72が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、プリンタ2が供給可能なフォーマットを示すコードとして「TEXT」が含まれているので、サポート言語リクエストを生成する(ステップST37)。ここでは、実施の形態1の図7に示すものと同じサポート言語リクエストが生成される。
【0135】
サポート言語リクエストを生成すると、印刷クライアント部15は、生成したサポート言語リクエストを、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、サポート言語リクエストをプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST38)。プリンタ2の通信部23は、受信したサポート言語リクエストを印刷サーバ部24へ供給する。
【0136】
サポート言語リクエストが供給されると、プリンタ2の印刷サーバ部24は、図12に示す詳細情報保持テーブル62を参照して、サポート言語レスポンスを生成する(ステップST39)。
【0137】
図17は、この実施の形態2において、サポート言語リクエストに応じて印刷サーバ部24が生成するサポート言語レスポンス74を示す図である。図17のサポート言語レスポンス74は、実施の形態1の図8に示すものとほぼ同一であり、詳細な説明は省略する。ただし、この実施の形態2において詳細情報保持テーブル62は、日本語の表示文字列しか記憶していないため、図17のサポート言語レスポンス74では、タグ<Response>,</Response>の間に、プリンタ2が記憶する表示文字列の種類の選択肢として「Japanese」のみが記述される。この選択肢「Japanese」は、通信プロトコルにおけるパラメータである。
【0138】
印刷サーバ部24は、生成したサポート言語レスポンス74をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このサポート言語レスポンス74を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST40)。DSC1の通信部14は、サポート言語レスポンス74を印刷クライアント部15へ供給する。
【0139】
サポート言語レスポンス74が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、選択肢「Japanese」を選択する。サポート言語の種類を選択した後、DSC1の印刷クライアント部15は、デバイスインフォリクエストを生成する(ステップST41)。
【0140】
図18は、図12中の印刷クライアント部15が生成するデバイスインフォリクエスト75を示す図である。デバイスインフォリクエスト75は、所定のプロトコルに基づくコマンドの1つである。デバイスインフォリクエスト75では、タグ<Request>,</Request>の間に、デバイスインフォを要求するタグ(<DeviceInfo Language=”Japanese” MaxLength=”20”>)と、デバイスインフォを要求するフォーマット(「TEXT」と「WAV」)と、デバイスインフォを要求するステータスコード(「marker−supply−empty」)とが記述される。なお、引数「Language=”Japanese”」は、日本語の表示文字列を指定し、引数「MaxLength=”20”」は、文字数の最大値を指定している。文字数の替わりにデータ量の最大値を引数として指定してもよい。
【0141】
デバイスインフォリクエスト75を生成すると、印刷クライアント部15は、生成したデバイスインフォリクエスト75を、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、デバイスインフォリクエスト75をプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST42)。プリンタ2の通信部23は、受信したデバイスインフォリクエスト75を印刷サーバ部24へ供給する。
【0142】
デバイスインフォリクエスト75が供給されると、プリンタ2の印刷サーバ部24は、書換可能なROM21を参照しながら、必要な情報の生成処理を開始する。
【0143】
デバイスインフォリクエスト75では、フォーマット「TEXT」が指定されている。そのため、印刷サーバ部24は、まず、詳細情報保持テーブル62を参照して、デバイスインフォが要求されているステータスコードに対応する通常の表示文字列を選択する。ステータスコード「marker−supply−empty」の場合には、図13に示すように「[インクの色]インクを交換してください」という通常の表示文字列を選択する。また、印刷サーバ部24は、印刷部22に、インクなしになっているインクの色を確認する。印刷部22は、「シアンインクなし、マゼンタインクなし」というステータスになっているので、印刷サーバ部24は、代入部[インクの色]に「シアン、マゼンタ」の文字列を代入し、「シアン、マゼンタインクを交換してください」という表示文字列を生成する。
【0144】
この表示文字列「シアン、マゼンタインクを交換してください」の文字数は、20文字である。したがって、MaxLength=”20”を満たすので、印刷サーバ部24は、この表示文字列を応答する表示文字列と決定する。なお、たとえばシアン、マゼンタのほかにブラックもインクなしになっている場合には、通常の表示文字列の文字数がMaxLength=”20”を超えてしまう。その場合には、印刷サーバ部24は、詳細情報保持テーブル62から短縮形の表示文字列「インク交換」を読み込み、この短縮形の表示文字列を応答する表示文字列と決定する。
【0145】
また、デバイスインフォリクエスト75では、フォーマット「WAV」が指定されている。そのため、印刷サーバ部24は、音声ファイル64を参照してそのファイル名を取り込む。
【0146】
要求に係るすべてのフォーマットの情報を生成したら、印刷サーバ部24は、デバイスインフォレスポンスを生成する(ステップST43)。
【0147】
図19は、図18のデバイスインフォリクエスト75に応じて、印刷サーバ部24が生成するデバイスインフォレスポンス76を示す図である。デバイスインフォレスポンス76は、所定のプロトコルに基づくレスポンスの1つである。デバイスインフォのレスポンスを意味する一対のタグ(<DeviceInfo Language=”Japanese”>,</DeviceInfo>)の間に、フォーマットの種類(「TEXT」と「WAV」)と、表示文字列「シアン、マゼンタインクを交換してください」と、音声ファイル64のファイル名「ERROR.WAV」とが記述される。なお、デバイスインフォレスポンス76において音声ファイル64を特定する情報としては、ファイル名以外にも、そのファイル名と1対1対応で生成するファイルIDやURLなどを使用してもよい。
【0148】
印刷サーバ部24は、生成したデバイスインフォレスポンス76をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このデバイスインフォレスポンス76を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST44)。DSC1の通信部14は、デバイスインフォレスポンス76を印刷クライアント部15へ供給する。
【0149】
デバイスインフォレスポンス76が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、表示文字列「シアン、マゼンタインクを交換してください」を、表示手段としての液晶モニタ12に表示する(ステップST45)。
【0150】
図20は、図12中のDSC1の背面を示す背面図である。DSC1の背面には、液晶モニタ12と、入力デバイス13の一種としての十字キー51と、が配置されている。図11の液晶モニタ12には、ステータス表示画面が表示されている。ステータス表示画面には、プリンタから送信された表示文字列である「シアン、マゼンタインクを交換してください」との文字列が表示されている。
【0151】
デバイスインフォレスポンス76に含まれる表示文字列を表示した後、印刷クライアント部15は、デバイスインフォレスポンス76でファイル名が提供された音声ファイル64を取得するために、ファイルリクエストを生成する(ステップST46)。
【0152】
図21は、図12中の印刷クライアント部15が生成するファイルリクエスト77を示す図である。ファイルリクエスト77は、所定のプロトコルに基づくコマンドの1つである。タグ<Request>,</Request>の間に、要求に係るファイルのフォーマット「WAV」とファイル名「ERROR.WAV」とがそれぞれのタグに挟まれて記述される。
【0153】
ファイルリクエスト77を生成すると、印刷クライアント部15は、生成したファイルリクエスト77を、DSC1の通信部14へ供給する。DSC1の通信部14は、ファイルリクエスト77をプリンタ2の通信部23へ送信する(ステップST47)。プリンタ2の通信部23は、受信したファイルリクエスト77を印刷サーバ部24へ供給する。
【0154】
ファイルリクエスト77が供給されると、プリンタ2の印刷サーバ部24は、プリンタ2の通信部23に要求されたファイルを送信させる(ステップST49)。ここでは、プリンタ2の通信部23は、音声ファイル64をDSC1の通信部14へ送信する。DSC1の通信部14は、受信した音声ファイル64を半導体メモリ11などのDSC1の所定のメモリに記憶する。
【0155】
プリンタ2の通信部23に要求されたファイルを送信させた後、印刷サーバ部24は、ファイルレスポンス78を生成する(ステップST48)。
【0156】
図22は、図21のファイルリクエスト77に応じて、印刷サーバ部24が生成するファイルレスポンス78を示す図である。ファイルレスポンス78は、所定のプロトコルに基づくレスポンスの1つである。ファイルレスポンス78を意味する一対のタグ(<Response>,</Response>)の間に、正常にファイル送信が完了したことを意味するコード「OK」が記述される。なお、正常にファイル送信が完了しなかった場合には、それを意味するコード「NG」が記述される。
【0157】
印刷サーバ部24は、生成したファイルレスポンス78をプリンタ2の通信部23へ供給する。プリンタ2の通信部23は、このファイルレスポンス78を、DSC1の通信部14へ送信する(ステップST50)。DSC1の通信部14は、ファイルレスポンス78を印刷クライアント部15へ供給する。
【0158】
ファイルレスポンス78が供給されると、DSC1の印刷クライアント部15は、半導体メモリ11などのDSC1の所定のメモリから、要求した音声ファイル64を読み込み、その音声ファイル64の音声データを音声出力デバイス61へ供給する。音声出力デバイス61は、供給された音声データに基づく音声を出力する。音声出力デバイス61は、たとえば「インクを交換してください。」という音声を出力する(ステップST51)。
【0159】
以上のように、この実施の形態2に係るダイレクトプリントシステムでは、DSC1は、プリンタ2の状態に関するパラメータを、プリンタ2から取得した所定の表示文字列などへ変換し、その表示文字列などを出力する。したがって、ユーザは、DSC1の種類に関係なく、プリンタ2のマニュアルで、DSC1の液晶モニタ12に表示されるメッセージの用語や意味を確認することができる。その結果、ユーザは、メッセージの意味を理解した上で、そのメッセージに応じた適切な処置をすることができる。
【0160】
また、この実施の形態2に係るダイレクトプリントシステムでは、DSC1は、プリンタ2から音声ファイル64、画像ファイル63、動画ファイル65を取得し、それを再生する。したがって、ユーザが液晶モニタ12のメッセージの表示に気が付かない場合や、ユーザがそのメッセージに対する処置が判らない場合であっても、それらのファイルのデータを再生することで、ユーザにメッセージに気付かせ、メッセージに応じた適切な処置をさせることができる。
【0161】
なお、上記実施の形態2では、プリンタ2は、インク切れなどになったら自発的にステータス情報をDSC1へ送信している。この他にもたとえば、DSC1が周期的にプリンタ2にステータスの取得を要求し、プリンタ2は、この要求に応じてその要求時点でのステータス情報をDSC1へ送信するようにしてもよい。さらにたとえば、プリンタ2は、DSC1からの送信要求に応じて何らかのレスポンス、たとえば、用紙種類の取得要求に応答するプリンタケーパビリティ72などのレスポンスなどを返すときに、そのレスポンス内にステータスであることを示すタグとともに、ステータス情報を追加して送信するようにしてもよい。
【0162】
上記実施の形態2では、印刷クライアント部15は、デバイスインフォリクエスト75において、要求する表示文字列の長さを実施の形態1と同様に引数MaxLength=”20”で規定している。この他にもたとえば、印刷クライアント部15は、要求する表示文字列の行数と各行における文字数とを、たとえば何行何桁のように組合せてなる引数を指定するようにしてもよい。
【0163】
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0164】
上記各実施の形態では、DSC1の通信部14およびプリンタ2の通信部23には、PTP通信部と、USB_SIC通信部と、USB通信I/Fとで構成されるものを利用している。この他にもたとえば、DSC1の通信部14およびプリンタ2の通信部23には、サブクラスとしてSCSIコマンドを指定したUSBマスストレージクラス通信部と、USB通信I/Fとで構成されるものを利用するようにしてもよい。
【0165】
上記各実施の形態では、DSC1は、液晶モニタ12に表示する表示文字列をプリンタ2に要求している。この他にもたとえば、DSC1は、液晶モニタ12に表示する画像であって且つその表示文字列を含む画像とか、その表示文字列を読み上げる音声とか、動画とかの再生可能な他の種類のデータをプリンタ2に要求するようにしてもよい。
【0166】
上記各実施の形態は、DSC1とプリンタ2とをUSBケーブル3で接続したダイレクトプリントシステムの例である。DSC1の替わりに、携帯電話端末、PDA(Personal Data Assistant)などをプリンタ2に接続してもよい。プリンタ2の替わりに、テレビジョン受信機、プロジェクタ投影装置などを、DSC1などに接続するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、たとえばデジタルスチルカメラとプリンタとを直接に接続し、そのデジタルスチルカメラで選択した画像をプリンタで印刷するダイレクトプリントシステムなどに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の実施の形態1に係るダイレクトプリントシステムの斜視図である。
【図2】図1のダイレクトプリントシステムの機能ブロック図である。
【図3】図2中のストリング保持用データベースのデータ構造を示す説明図である。
【図4】図1のダイレクトプリントシステムのフローチャートである。
【図5】リクエストプリンタケーパビリティを示す図である。
【図6】プリンタケーパビリティを示す図である。
【図7】サポート言語リクエストを示す図である。
【図8】サポート言語レスポンスを示す図である。
【図9】デバイスストリングスリクエストを示す図である。
【図10】デバイスストリングスレスポンスを示す図である。
【図11】図1中のDSCの背面を示す背面図である。
【図12】実施の形態2に係るダイレクトプリントシステムの機能ブロック図である。
【図13】図12中の詳細情報保持用データベースのデータ構造を示す説明図である。
【図14】図12のダイレクトプリントシステムのフローチャートである。
【図15】リクエストプリンタケーパビリティを示す図である。
【図16】プリンタケーパビリティを示す図である。
【図17】サポート言語レスポンスを示す図である。
【図18】デバイスインフォリクエストを示す図である。
【図19】デバイスインフォレスポンスを示す図である。
【図20】図12中のDSCの背面を示す背面図である。
【図21】ファイルリクエストを示す図である。
【図22】ファイルレスポンスを示す図である。
【符号の説明】
【0169】
1 DSC(画像出力指示装置)、2 プリンタ(画像出力装置)、12 液晶モニタ(表示手段)、14 通信部(通信手段)、15 印刷クライアント部(変換要求手段、送信要求手段、言語種類問合手段)、21 書換可能なROM(記憶手段)、23 通信部(通信手段)、24 印刷サーバ部(変換手段、送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信プロトコルにて画像出力装置と通信する通信手段と、
表示内容を指定する表示情報が上記通信プロトコルにしたがって上記通信手段により受信された場合に、上記表示情報をその表示情報に対応する上記画像出力装置固有の表示文字列または表示画像へ変換する要求を上記通信手段に送信させる変換要求手段と、
上記要求に応じて上記通信手段が受信した表示文字列または表示画像を上記表示情報により指定された表示内容の代わりに表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像出力指示装置。
【請求項2】
前記表示情報は、画像出力の指示における設定項目の選択肢の表示内容を指定する情報であることを特徴とする請求項1記載の画像出力指示装置。
【請求項3】
所定の通信プロトコルにて画像出力装置と通信する通信手段と、
上記通信手段が受信した通信情報に基づいて表示をする場合に、その表示に係る表示文字列または表示画像の送信要求を上記通信手段に送信させる送信要求手段と、
上記送信要求に応じて上記通信手段が受信した表示文字列または表示画像を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像出力指示装置。
【請求項4】
前記通信手段が受信した通信情報は、前記画像出力装置の状態に関する情報であることを特徴とする請求項3記載の画像出力指示装置。
【請求項5】
前記画像出力装置の有する表示文字列の言語の種類を問い合わせる言語種類問合手段を有し、
前記変換要求手段または前記送信要求手段は、上記問合せに応じて上記通信手段が受信した言語の種類のうちから1つを指定すること、
を特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の画像出力指示装置。
【請求項6】
前記変換要求手段または前記送信要求手段は、前記表示文字列の文字数あるいはデータ量の最大値を指定することを特徴とする請求項1から5の中のいずれか1項記載の画像出力指示装置。
【請求項7】
所定の通信プロトコルにて画像出力指示装置と通信し、その通信プロトコルにしたがって表示内容を指定する表示情報を上記画像出力指示装置へ送信する通信手段と、
上記表示情報と表示文字列または表示画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、
上記通信手段が上記表示情報を表示文字列へ変換する要求を受信した後、上記記憶手段から上記要求に係る上記表示情報に対応する表示文字列または表示画像を選択し、上記通信手段から上記画像出力指示装置へ送信させる変換手段と、
を有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項8】
前記記憶手段が記憶する前記表示文字列は、当該画像出力装置のマニュアルで使用している用語であり、且つ、画像出力の指示における設定項目の選択肢の表示内容を指定する情報であることを特徴とする請求項7記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記記憶手段が記憶する前記表示文字列は、当該画像出力装置のマニュアルで使用している商品名あるいは型番であり、且つ、画像出力の指示における設定項目の選択肢の表示内容を指定する情報であることを特徴とする請求項7記載の画像出力装置。
【請求項10】
所定の通信プロトコルにて画像出力指示装置と通信し、上記画像出力指示装置へ通信情報を送信する通信手段と、
上記通信情報と上記通信情報に基づいて表示する表示文字列または表示画像とを対応付けて記憶する記憶手段と、
上記通信手段が上記通信情報に基づいて表示する表示文字列または表示画像の送信要求を受信した後、上記記憶手段から上記送信要求に係る上記通信情報に基づいて表示する表示文字列または表示画像を選択し、上記通信手段から上記画像出力指示装置へ送信させる送信手段と、
を有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項11】
前記記憶手段が記憶する前記表示文字列は、当該画像出力装置のマニュアルで使用している文字列あるいは当該画像出力装置のマニュアルで使用している単語で構成される文字列であることを特徴とする請求項10記載の画像出力装置。
【請求項12】
前記記憶手段は、複数の言語に対応する複数の表示文字列あるいは文字数が異なる複数の表示文字列を記憶し、
前記変換手段あるいは前記送信手段は、前記表示文字列の要求とともに指定された条件に合致する表示文字列を前記記憶手段に記憶される複数の表示文字列の中から抽出し、その抽出した表示文字列に基づく表示文字列を送信させることを特徴とする請求項7から11記載の画像出力装置。
【請求項13】
前記記憶手段は、書換可能な記憶手段であることを特徴とする請求項7から12記載の画像出力装置。
【請求項14】
前記記憶手段は、前記表示情報または前記通信情報に対応付けて音声として再生可能なデータを記憶し、
前記変換手段あるいは前記送信手段は、前記要求に係る表示情報または通信情報に対応する、音声として再生可能なデータを送信させることを特徴とする請求項7から13記載の画像出力装置。
【請求項15】
請求項1または2記載の画像出力指示装置と、請求項7から9の中のいずれか1項記載の画像出力装置と、を有し、
上記画像出力指示装置の通信手段と上記画像出力装置の通信手段とが通信して、上記画像出力指示装置により指示された画像を上記画像出力装置が出力すること、
を特徴とする画像出力システム。
【請求項16】
請求項3または4記載の画像出力指示装置と、請求項10または11記載の画像出力装置と、を有し、
上記画像出力指示装置の通信手段と上記画像出力装置の通信手段とが通信して、上記画像出力指示装置により指示された画像を上記画像出力装置が出力すること、
を特徴とする画像出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−79235(P2006−79235A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260567(P2004−260567)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】