説明

画像化システム及び関連する技術

【解決手段】源と対物との間の距離が変化され、また、異なる距離の各々にて投影像が生成される画像化方法及び装置が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、全体として、画像装置及び技術、より詳細には、トモグラフィック像を生成するシステム及び技術的方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 当該技術にて既知であるように、トモシンセシスは、対物の一連の投影測定値を取得し且つ、その測定値を処理して三次元(3D)スライス情報にするための技術である。例えば、乳房トモシンセシスにおいて、源(X線管のような)及び(又は)検出器が異なる視角度にて一連の投影測定値(露出像)を生成するため円弧上の一連の位置を通して動かされる間、乳房は固定状態に保持されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
放射線源を円弧を通して動かすためには、投影像を生成させ得るように、比較的重いX線管及びガントリー組立体をモータ作動により平行移動するよう制御することを必要とする。このことは、一般に、面倒であり、また、動かされる装置に振動を誘発させ勝ちとなる。振動は、システムが対物の比較的小さい特徴を画像化する能力を低下させることになる。
【0004】
[0003] 本発明によれば、画像化システムは、源光線が対物を透過するときの角度を変化させ得るように画像化すべき対物に向けて且つその対物から離れる方向に可動である源を含む。源と画像化すべき対物との間の距離を変化させることにより、源ビームは、対物からの源の距離に依存して、対物を異なる角度にて透過する。このように、源と対物との間の距離は、対物の可変倍率の投影像を実現し得るように変化させる。可変の視差のため、可変倍率が実現される。源は、トモシンセシススライスを合成するため必要とされる必須の数の光景(又は投影像)を提供し得るよう動かすことができる。このようにして、複数の投影像(例えば、複数の異なる倍率レベルの各々にて少なくとも1つの投影像)を生成させることができ、投影像からのデータを合成して、トモシンセシススライスにすることができる。このように、この特別な構成において、従来の二次元(2D)投影画像法にて陰となる対物の特徴の視認化を許容する方法及び装置が提供される。源と対物との間の距離は、源又は対物の何れかを動かすことにより変更することができる。一部の実施の形態において、検出器は、源及び(又は)対物の動きに代えて又はその動きと共に、動かすこともできる。
【0005】
[0004] 本発明の更なる特徴によれば、画像化技術は、源及び検出器の少なくとも一方を画像化すべき対物に向けて且つその対物から離れる方向に向けて動かすステップを含む。源と対物との間の距離、(又は、対物と検出器との間の距離)は、対物の可変倍率の投影像を実現し得るよう変化させる。このため、拡大画像化法により生成された可変の視差のため、トモシンセシススライスを合成するのに必要とされる必須の数の光景(又は投影像)を提供することができる。このようにして、複数の投影像(例えば、複数の異なる倍率レベルの各々における少なくとも1つの投影像)を生成させ、また、投影データを、トモシンセシススライスに合成することができる。このように、この特別な配置により、従来の二次元的(2D)投影画像化法にて陰となる病変部の特徴に対して必要な視認化を許容する方法及び装置が提供される。
【0006】
[0005] 源は、X線管として提供することができ、この場合、源の信号は、X光線ビームに相応する。勿論、中性子ビーム源、マイクロ波源及び光源を含むが、これらにのみ限定されない、その他の型式の源を使用することが可能である。
【0007】
[0006] 本発明の可変倍率トモグラフィ技術によれば、可変倍率レベルにて一連の投影像が取得され且つ、これらを使用して、三次元的像を生成することができる。このことは、源及び(又は)対物を互いに対して平行移動状態にて動かすことにより得られた2つ又はより多くの視点から対物の投影像が取得される標準的なトモグラフィ技術と相違する。放射線技師は、これらの像から、対物の正常な組織及び(又は)異常な組織の三次元的(3D)構造を推定しなければならない。
【0008】
[0007] 他方、本発明の可変倍率トモグラフィ技術は、源から対物の反対側に配設された検出器の画像化面に対して典型的に実質的に直角な軸線に沿った動きを採用する。源は、画像化する対物に向けて且つ該対物から離れる方向に向けて動かすだけでよいから、源の平行移動(画像化する対物に対して)は不要である。源の平行移動が不要であるため、源の動きにより誘発される振動量は、低下し、その結果、システムは対物の比較的小さい特徴を画像化することができる。
【0009】
[0008] また、源の信号が発せられる方向と同一方向である、源及び(又は)検出器及び(又は)対物の動きを使用することにより、源を平行移動させる(例えば、画像化する対物の回りにて円弧状の経路に沿って)ことを不要にすることができる。源及び(又は)対物及び(又は)検出器の相対的な動きは、単一の線又は方向にて行われるため、このことは、画像化し且つ処置法(バイオプシー、針局所化、超音波等)のため対物又は患者を望ましい形態に配置する自由度を高めることになる。
【0010】
[0009] 本発明の更なる形態によれば、画像化技術は、源及び検出器を作動させて対物の第一投影像を生成するステップと、源、対物及び検出器の少なくとも1つを対物と源及び検出器の少なくとも一方との間の距離を変化させる方向に向けて動かすステップと、源及び検出器を作動させ、対物の拡大し又は縮小した像に相応する対物の別の投影像を生成するステップとを含む。この特別な配置において、源、対物又は検出器を平行移動させることなく、三次元的トモグラフィック像を生成するために使用することのできる投影像を提供する画像化技術が提供される。源及び(又は)検出器と画像化する対物との間の距離を変化させることにより、拡がるビームは、画像化する対物中の構造体からのX光線源の距離に依存して異なる角度にて組織を透過する。これらの像は、次に、トモグラフィックスライスに合成することができる。このように、源及び(又は)検出器を対物の回りの円弧状の経路にて動かすことなく、また、源、対物及び(又は)検出器の任意の平行移動を必要とせず又は使用することなく、三次元像を生成することができる。
【0011】
[0010] 本発明の更なる形態によれば、乳房トモグラフィシステムは、検出器と、源の信号を検出器に向けて投影する源とを含み、源は、源が源の信号を提供するときに沿う軸線と一致する方向に向けて可動である。この特別な配置により、可変倍率乳房トモグラフィ技術が提供される。源は、トモグラフィスライスに合成することのできる像を生成するために、乳房に向けて且つ乳房から離れる方向に向いて動くだけでよいから、振動が減少したシステムが提供される。従来のトモシンセシスの動き(すなわち、源及び(又は)検出器を円弧状経路に沿った一連の位置を通って動かすこと)は、所望に応じて、可変倍率乳房トモグラフィ技術と組み合わせることができる。
【0012】
[0011] 本発明の上述した特徴、並びに本発明自体は、添付図面に関する以下の説明からより完全に理解されるであろう。
[0018] 画像化システム及び像を生成するため実行される作用を説明する前に、幾つかの基礎的な着想及び技術用語について説明する。
【0013】
[0019] 本明細書にて記載したシステム及び技術は、乳房の画像化、治療用途、光音響学的用途、皮膚の画像化及びその他の用途のような、多岐に渡る用途にて使用することができることを理解すべきである。
【0014】
[0020] 上記のことに留意して、本明細書にて使用したように、「源」という語は、適正な検出器により受け取られる信号を発する任意の型式の源を意味する。異なる型式の源は、異なる型式の信号を発することができ、また、任意の特定の用途の場合、当該技術の当業者は、特定の用途に適した特定型式の源(及び相応する検出器)を選ぶ方法が認識されよう。
【0015】
[0021] 特許請求の範囲の主題事項の説明の明確化を促進するため、乳房の画像化の用途及び乳房の画像化にて利用される技術に対して特定の参考例及び例が使用されることがある。かかる参考例は、特許請求の範囲に記載したシステム及び技術を乳房の画像化の用途にのみ限定するものと解釈されるべきではない。しかし、上述したように、本発明は、治療の用途、皮膚の画像化の用途及び光音響学的用途を含むが、これらにのみ限定されない多様な異なる型式の画像化の用途にて適用できる。
【0016】
[0022] 次に図1を参照すると、画像化システム10は、源12と、画像化すべき対物16の両側部に配設された検出器14とを含む。源12が第一の位置18aにあるとき、源の焦点20は、対物16上方の第一の距離であり、また、検出器の面22の上方の距離D1である。源12は、拡がるビーム(又は信号)24aを発する。このように、源12が第一の位置18aにあるとき、ビーム24aの少なくとも一部分は、第一の角度A1(検出器の14の面22に対して測定した)にて対物16の少なくとも一部分を透過する。このようにして、一般に既知であるように、対物16の第一の投影像を形成することができる。
【0017】
[0023] 次に、源12を第二の位置18bまで動かし、源の焦点20が対物16の上方の第二の異なる距離であり、また、検出器の面22の上方の距離D2であるようにする。源12は、拡がるビーム24bを発し、ビームの部分は、再度、対物16の少なくとも一部分と交差する。源12と対物16との間の距離、特に、対物中の構造体又は特徴の距離を変更することにより、源ビームが対物16を透過するときの角度が変化することを理解すべきである。更に、ビーム24a、24bが検出器の面22に衝突する位置は変化する。このようにして、対物16、特に、対物内の構造体又は特徴の異なる倍率の投影像を提供することができる。このように、源と対物との間の距離を変化させることにより、源ビームが対物に衝突し且つその対物を透過し且つ、検出器の面に達する角度は(対物内の構造体によりビームは何ら偏向しないものと仮定して)、変化し、検出器の面にて対物の見掛けの変位が提供される。
【0018】
[0024] 図1において、対物16の内部の構造体26及び検出器の面22の上方の高さhは、源が位置18aに配置されたとき、検出器の面の端縁22aからの距離R1にて検出器の面に配置されるものと見える。しかし、源が位置18bに配置されたとき、構造体26は、検出器面の端縁22aからの距離R2に配置されるものと見える。検出器の面22における構造体26の見掛けの動きは、視差現象に起因する。すなわち、構造体26は、視差効果のため、構造体26に対する線上にはない2つの異なる点から見たとき、見掛け上、変位する。
【0019】
[0025] 源12を対物16近くとなり且つ対物16から更に離れるように動かすことにより、一連の投影像を生成することができ且つ、これらの投影像は、トモシンセシススライスに合成することができる。このため、所望の投影像を生成するためには、源12により発せられたビームが対物の各粒子を捕捉し且つ、検出器14により集められるときの角度を変化させることが必要である。特に、トモグラフィック像を生成するためデータを使用することができるような態様にて信号を収集する必要がある。源と対物との間の距離(すなわち、源と検出器との間の距離)を変化させることにより、可変倍率の対物の投影像が提供される。すなわち、視差の変化のため、可変倍率の投影像が取得される。このようにして、トモシンセシススライスを合成するため要求されるかかる投影像の必須の数を提供することができる。このため、源、対物及び(又は)検出器の間の間隔を適正に変化させることにより、複数の投影像(例えば、複数の異なる倍率レベルの各々にて少なくとも1つの投影像)を異なる倍率レベルにて生成することができ、また、これらの投影像は、トモシンセシススライスに合成することができる。扇形ビームのX線の幾何学的形態には、独特の拡がる位置線の関係が内在する。検討中の対物内の粒子の各々は、特定の位置線に沿ったその他の粒子と共に、検出器のその特定の点にてその減衰特徴(又は測定されるその他の量)を配置する位置線によって縦断される。倍率を変化させると、検出器にて特定の点と整合する粒子の組み合わせは変化する。倍率を変化させることは、倍率Aに対して位置線上にて組み合わさる組みの対物粒子は、この場合にも、倍率B(又は任意のその他の倍率)にて同一の対物粒子に対して組み合わさらないことを保証することになる。このようにして、一連の倍率は、正確に組み合わされたとき、対物における選択した面上の粒子を増強する、一連の独特の投影像を形成する作用を果たす。
[0026] ビームの品質を変調させるため、X光線管アノード(又はその他のエネルギ照射源)に衝突する電子の影響力の寸法及び形状を電子的に又は機械的に変化させることが望ましいであろう。更に、カソード、アノード及び対物間の角度関係は、X光線ビームの「ヒール」を活用し得るよう変化させることができる。更に、焦点の寸法及び勾配は、供給された投薬量、検出器の受理、ビームエネルギの質又はその後、又は同時的再構築のため対物粒子を最も良く感知するのに有用なその他の因子を最適化し得るように、動的に変化する倍率に調節する焦点の寸法、形状及び強度となるように動的に調節することができる。
【0020】
[0027] この一例としての実施の形態において、源12は、対物から離れた第一の距離から対物から離れた第二の距離まで動き、第一の距離は、第二の距離よりも対物16から更に離れており(すなわち、源は、標的に向けてより接近するように動く)、その逆もまた実施可能である。すなわち、源12は、対物16に向かうよりも対物16から離れるよう動くことができる。これと代替的に、源の動きは、対物に連続的に向かうか又は対物から離れる動きではなくて、無作為又は準無作為のパターンとすることができる。源の動きは、源ビームが対物にを捕捉する角度が適正に変更される限り、任意の方向に向け又は任意の所定のパターン(無作為又は所定のパターンの何れか)とすることができると説明すれば十分である。
【0021】
[0028] これと代替的に、ビーム−対物の捕捉角度を変化させるため、源を動かすのではなく、対物自体を対物に向けて又は対物から離れる方向に向けて動かすことができる。更に代替的に、対物及び検出器の双方を動かすか、又は検出器を動かし、或いは源及び検出器の双方を動かし、又は、源、検出器及び対物の全て動かすことができる。多数の要素(すなわち、多数の源、検出器及び対物)が動かされる場合、この動きは、同時に(及び全ての要素が同一の速度にて又は異なる速度にて動く)、又は異なる時点にて(要素が同一の速度にて又は異なる速度にて動く)生ずる。
【0022】
[0029] 更に代替的に、源を変更し、改変し又は源自体を調節することによりビームの特徴を変化させ又はさもなければ調節することにより、源ビームが対物を捕捉する角度を変更することが可能である。例えば、源の特徴を内部にて調節することにより、源から発せられたビームのビーム幅を変化させることができる一方、その変化は、ビームが対物を捕捉する角度を変化させることになる。別の例として、源がX光線源として提供される場合、源内のX光線ビームのスポット寸法は、変化させ、このため、源から発せられたビームが対物を捕捉する角度を変化させることができる。
【0023】
[0030] 源は、中性子ビーム源、マイクロ波源、X光線源又は光源として提供することができる。当該技術の当業者は、特定の用途のための特定型式の源を選ぶ方法が理解されよう。例えば、乳房画像化の用途において、源12は、拡がる形状を有するビームを発するX光線源として提供することができる。ビームは、円錐形、扇形又は少なくとも一部分が拡がる任意のその他の形状を有するものとして提供することができる。
【0024】
[0031] 図1のシステムにおいて、源12及び(又は)検出器14は、軸線30に沿って可動である。このようにして、源12及び検出器14の何れか又は双方は、画像化する対物16に向けて又は対物16から離れる方向に向けて動かすことができる。
【0025】
[0032] 画像化検出器に近い構造体は、拡がる入射ビーム(X光線等)を使用して画像化されるとき、検出器から更に離れた構造体よりも小さい倍率にて拡大されることを理解すべきである。標的とした組織(標的とした組織の両側部を含む)から異なる距離の倍数の焦点にて像を取得することにより、1つの対物中の内部構造体の倍率の差は、これら構造体の深さを暗号化する。この暗号化した位置データを使用して、減衰係数の体積分布を計算する再構築法を通じて深さデータを回収することができる。これは、医学的検討のための面として又は面のグループとして、検討用として提供することができる。
【0026】
[0033] これを実現する1つの技術は、特別に拡大した(又は縮小した)投影像のデータを重ね合わせ、関心のある面内の構造体のみが整合し且つ増強する一方、他の面内の構造体は、整合せず且つ、非整合状態によって不鮮明となる。このように強さを増した構造体は、それらの輝度及び鮮明さのため、より視認可能である。関心のある面の信号対暗雑音の比は、面外構造体のものに比して増大している一方、面外の構造体に対するものは減少している。
【0027】
[0034] 倍率係数は一定であることを理解すべきである。このため、特定の倍率係数を選ぶことは、源を配置すべき画像化面の上方の距離を選ぶことを許容する。
[0035] 投影像からのデータは、変化する倍率にて生じる投影像中の組織構造体の見掛けの動きにて暗号化された深さ情報を回収するよう再構築されている。このことは、深さ情報を回収することを許容し、また、乳房の画像化のとき、乳房の内部構造体を3Dの全体像として提供することを許容する。3Dの全体像は、一連のスライスとして、又は分析及び検討を可能にする3D像として提供することができる。
【0028】
[0036] 1つの乳房を画像化する実施の形態において、投影像の数は、約7ないし約61の範囲にある。一般的に、任意の特定の用途にて使用される像の数は、最良の結果(すなわち、ユーザが最も正確な像であると考えるもの)を提供するように選ばれる。データを支配する各像中にて個別の雑音とならない多数の像を選ぶことが望ましい。このため、任意の用途にて選ぶべき像の特定の数は、源及び検出器の特徴、及び選んだ像の幾何学的形態並びに、像中にて実質的に最大の増強効果を実現する結果となる像の数のような、システムの因子を含むが、これらにのみ限定されない多数の因子に依存する。
【0029】
[0037] X光線信号の強度は、源が対物に近づくにつれて、低下するため、本発明の可変の画像化技術を使用して患者が被曝する全体的なX光線照射量は、標準的な2像マンモグラフィを使用して患者が被曝する照射量と同程度であることも理解すべきである。
【0030】
[0038] 次に、図2を参照すると、乳房の画像化システム40は、源42(例えば、X光線源)と、検出器44とを含む。この場合、検出器は、デジタル平面検出器として示されているが、勿論、当該技術の当業者に既知であり、また、平坦面又は湾曲面の何れかを有するその他の検出器を使用することができる。源、検出器及び取り付けアーム46のみが図2に示されており、また、説明の明確化及び容易さのため、乳房の画像化システムのその他の部品は、図2に示されていないことを理解すべきである。
【0031】
[0039] 図2の一例としての実施の形態において、源42及び検出器44は、伸縮式支持アーム46の第一及び第二の対向した端部に連結されている。画像化すべき対物(例えば、乳房48)は、圧縮板50a、50bから成る支持体50内に配設される。支持体50は、源42、検出器44及びアーム46から非連結状態とされ、支持体50、従って支持体50内に保持された乳房48は、源42及び(又は)検出器44及び(又は)アーム46が動く間、動かない。検出器44の頂面に連結された格子51は、源42が放射線信号を提供するとき、生じるであろう散乱を排除する。
【0032】
[0040] アーム46、従って、源50は、乳房48及び検出器44の上方にて第一の部分52aと第二の部分52bとの間を動く。一部の実施の形態において、図3及び図4に関して説明するように、源42及び検出器44は、また、検出器44に近接して配置された点54の回りを動くこともできる。
【0033】
[0041] トモシンセシススライスに合成することができる投影像を生成させるため、源42により発せられたビームが乳房48を捕捉し且つ、検出器44により集められるときの角度を変化させる必要がある。アーム46が上方及び下方に伸縮すると(例えば、位置52a、52bの間にて検出器44に向けて且つ検出器から離れる方向に)、源42は、軸線56に沿った方向に向けて上方及び下方に動く。源が動くとき(例えば、位置52a、52bの間にて)、源42から発せられた信号が乳房48を透過するときの角度は変化する。このように、源を乳房48に近づき又は乳房48から離れるように動かすことにより、一連の投影像を生成させることができ、また、これらの投影像は、トモシンセシススライスに合成することができる。
【0034】
[0042] これらの位置の間を動く間中、源及び検出器44は、既知の位置的関係を維持する。また、トモグラフィック像を生成するためデータを使用することができるような態様にて信号を収集しなければならない。源と乳房との間の距離(すなわち、乳房と検出器の像面との間の距離)を変化させることにより、対物の可変倍率の投影像が提供される。すなわち、可変倍率画像化法(すなわち、源、対物及び(又は)検出器間の距離を変化させる方法)に起因する可変の視差効果のため、トモシンセシススライスを合成するため必要とされる必須の数の像(又は投影像)を提供することができる。このようにして(すなわち、源、対物及び(又は)検出器の間の間隔を適宜に変化させることにより)、複数の投影像を異なる倍率レベルにて生成させることができ(例えば、複数の異なる倍率レベルの各々にて少なくとも1つの投影像)、また、これらの投影像は、トモシンセシススライスに合成することができる。
【0035】
[0043] システム40が作動するとき、放射線源42は、放射線ビームを検出器44に向けて発する。検出器は、乳房を透過した後の放射線の部分を検出し、その後、源は、乳房及び検出器の上方の異なる距離まで動く。一部の実施の形態において、源及び検出器は、点54の回りにて回動することもできる。この運動中、乳房48及び検出器44は、源42により発せられた放射線の経路内に配設され、源42及び検出器44は、既知の空間的関係を維持する。
【0036】
[0044] X光線ビームが発せられる方向と同一方向に向けた運動を使用することにより、掃引領域の寸法(すなわち、源が動く円弧の寸法)を減少させ、又は場合によっては、その領域を省くことさえもでき、また、画像化及び処置法(バイオプシー、針局所化、超音波等)のため、患者を望ましい形態に配置する自由度を向上させることを理解すべきである。
【0037】
[0045] また、源42及び検出器44は、圧縮板の中心と整合されないことも理解すべきである。源42及び検出器44は、乳房の端縁に沿って整合され、また、軸線56で示したように乳房の僅かに外側にて整合されることになろう。これは、取得される乳房の投影像の一部分に現われる「ブラインドスポット」を避けるためである。例えば、図1において、対物16の内部にあり、また、検出器の面22の上方の高さhにある構造体26は、源が位置18aに配置されたとき、検出器の面の端縁22aから距離R1にて検出器の面上に配置されるように見える。しかし、源が位置18bに配置されたとき、構造体26は検出器の面の端縁22aから距離R2に配置されるように見える。検出器面22における乳房内の構造体の見掛けの動きは、視差現象(すなわち、2つの異なる視点から構造体を視認すること)に起因する。しかし、見掛けの動きは、2つの異なる視点を有する直線上にあるこれらの構造体には当て嵌まらない。このため、源及び検出器の好ましい位置は、これらが関心のある対物及び構造体から変位される位置である。図2において、源は1つの特定の側部にて変位されるものとして示されているが、源は、図2に示したように反対側部にて変位させることもできる。
【0038】
[0046] 同様の要素は同様の参照番号で表示した図3及び図4を参照すると、乳房トモグラフィシステム60は、源62(例えば、X光線源)と、検出器64とを含む。源及び検出器の面は、トモグラフィシステム60の作動中、既知の距離だけ互いに隔てられている。この場合、検出器はデジタル平面検出器として示されているが、当該技術の当業者に既知であり、また、勿論、平坦面又は湾曲面の何れかを有するその他の検出器を使用することができる。源、検出器及び取り付けアームのみが図3及び図3Aに示されており、また、説明の明確化及び容易さのため、乳房トモグラフィシステムのその他の部分は図3及び図3Aに図示されていないことを理解すべきである。
【0039】
[0047] 図3及び図4の乳房の画像化システムの実施の形態は、画像化する対物に対して源が動くこと(すなわち、システムは可変倍率アプローチ法を使用することを許容する)の点にて図2に示したものと同様である。しかし、幾つかの相違点がある。例えば、図3の実施の形態において、源は軸線66に沿って(図2に示したように、乳房の外周の回りではなく)乳房のほぼ中心と整合されている。また、図3及び図4の実施の形態において、源及び検出器が回動点68の回りにて可動である。
【0040】
[0048] 図3の一例としての実施の形態において、源60及び検出器64は、伸縮式支持アーム68の第一及び第二の対向した端部に連結される。画像化すべき対物(例えば、乳房70)は、源、検出器及びアームから非連結状態とされた圧縮板72a、72bから成る支持体内に配設されており、このため、源、検出器及びアームが動く間、支持体(従って、支持体内に保持された乳房)が動くことはない。検出器120の頂面に連結された格子74は、源110が放射線信号を提供するとき、生じるであろう散乱を排除する。
【0041】
[0049] アーム68(従って、源及びアームに連結された検出器)が検出器に近接する位置に配置された点68の回りを動く。図3及び図3Aの一例としての実施の形態において、点68は、検出器が位置する面内に位置している。アーム68が動くと、源62、検出器64及びアーム68は、経路(例えば、円弧状経路)を通って図4に示した位置まで動く。これらの位置の間を動く間中、検出器64は、源62との空間的関係を乳房トモグラフィ技術と調和した状態に維持する。
【0042】
[0050] トモグラフィシステム60の作動時、放射線源は、放射線ビームを検出器に向けて発し、源は位置80aと位置80bとの間を動く。源及び検出器は、点130の回りを回動することもできる。源と検出器との間の間隔は、変化して可変倍率を提供することができるが、乳房及び検出器は、源によって発せられた放射線の経路内に配設され、源及び検出器は、源及び検出器が回動運動に動き且つ軸線66に沿って動く場合でさえ、従来の乳房トモグラフィ技術に従って既知の空間的関係を維持する。検出器120は、乳房160を透過し且つ検出120に達する任意の放射線の存在を検出する。
【0043】
[0051] システム100を使用して乳房トモグラフィを実行する場合、人間は、図3及び図3Aに示した位置に配置され、画像化すべき乳房(すなわち図3及び図4の乳房160)は、圧縮板72a、72bの間に配置され且つ圧縮される。乳房は、圧縮板を介する以外のその他の何らかの仕方にて支持し又は保持することができることを理解すべきである。乳房を支持し又は保持する方法に関係なく、源及び検出器は、人間が立った位置にある状態にて利用される先行技術の乳房の画像化技術にて可能な場合よりも幅の広い角度範囲に渡って動いてデータを測定する。データは、乳房の像を提供すべく後で使用されよう。
【0044】
[0052] 本発明に従って、源及び検出器は、先行技術のシステムにては可能でなかった位置まで動かすことができるため、システムは、先行技術のシステムでは得られなかったデータを提供することができる。このように、システムは、先行技術のシステムよりもより詳細な画像化を実現することができる。
【0045】
[0053] 更に、源は、先行技術のシステムにて利用可能な範囲よりも広い角度範囲を縦断できるから、源は、先行技術のシステムにて使用される円錐形ビームのビーム幅及び(又は)ビーム形状と比較して狭いビーム幅及び(又は)ビーム形状を有する円錐形の形状の放射線ビームを利用することができる。このことは、関心のない構造体上に衝突する放射線の量を少なくする放射線ビームを使用することを許容する。例えば、乳房の画像化にて、人間の胸部、肩、心臓及び肺に衝突する放射線の量を少なくすることが可能であり、また、検出器上にて「溢れる」放射線の量を少なくすることも可能である。
【0046】
[0054] 次に、図5を参照すると、トモシンセシスシステム80が示されている。このシステムは、ニクラソン(Niklason)その他の者に対して発行され且つ、本出願の譲受人に譲渡された米国特許明細書5,872,828に記載されたものと同様である。システム80は、平行移動の動き及び伸縮動きの双方を提供する可動アーム86に装着された放射線源84を含む。このため、可動アーム86は、源82と画像化する対物90(例えば、乳房)との間に配置された軸線又は回動点88の回りを回動し、また、伸縮し(すなわち、その長さを伸ばし且つ縮め)、このアームは、源84が画像化する対物90により近くなり且つ対物から更に離れるように動くことを許容する。
【0047】
[0055] 固定アーム92は、放射線検出器94に装着された第一の端部と、回動点88にて可動アーム86に装着された第二の端部とを有している。画像化する対物90(例えば、人間の乳房)は、検出器94と当接する位置に配設される。典型的に、画像化する対物10は、検出器94に対して圧縮される。
【0048】
[0056] 使用時、源84は、参照符号Aで示した源の位置と、参照符号Bで示した源の位置との間を動かされる(可変倍率の動きと呼ばれる)。源は、また、位置C、Dの間にて円弧96に沿って動くこともできる。可変倍率の動きと共に、円弧の動きを使用することは、像中のアーチファクトを解消するのを助けることができる。
【0049】
[0057] 源84は、図5に示した2つの位置A、Bの間を動く間、又は円弧96又は96´に沿って位置C、Dの間を動く間、検出器94に対し放射線を提供する。円弧に沿った任意の点にて、可動アーム86は、源と検出器との間の距離(すなわち高さ)を任意の所定の角度だけ変化させ得るように既知の量だけ伸び又は縮めることができる。検出器94は静止したままである。検出器94により収集された情報から、一般に既知であるように、対物10のX線吸収の最終的な合成図を作成することができる。このように、乳房の画像化システムは、源が対物に向け且つ対物から離れる方向に動くことを可能にし且つ、円弧状の経路に沿って対物の回りを平行移動することを可能にすることにより、可変倍率を利用してトモグラフィックスライスを生成することができる。
【0050】
[0058] 源84が直線又は円弧状の経路(又は、平行移動及び可変倍率の動きの双方を含む何らかの不規則なパターン)にて対物90の回りを動くのを許容することにより、スポットビーム(円錐形又は扇形のビームのような拡がりビームではなくて)を発する源を使用することができることを理解すべきである。
【0051】
[0059] 次に、図6を参照すると、図1ないし図5に関して上述した画像化技術は、対物の回りの直接、対向する方向(すなわち、反対方向)を含んで、対物の回りの2つの異なる方向から対物の可変倍率を利用し得るよう拡張することができる。
【0052】
[0060] 上述したように、X光線ビームが異なる角度から組織を透過して、画像化する構造体に対する像の間にて視差偏移を形成することにより、X光線トモシンセシスを実現することができる。これは、拡大像を使用して実現することができる。拡大X光線画像法において、拡がるビームは、画像化する対物中の構造体からのX光線源の距離に依存する異なる角度にて組織を透過する。次に、これらの像を合成してトモグラフィックスライスにすることができる。
【0053】
[0061]トモシンセシスを許容するため拡大X光線画像法を使用するための別の技術は、像を対物の一側部から得て、次に、像を対物の対向する側部(又は方向)(すなわち、第一の側部から180°の第二の側部)から得ることであろう。このアプローチ法により、双方の像にて同一の面内の構造体は、正確に整合され且つ増強される一方、その他全ての面内の構造体は、非整合状態で且つ不鮮明となり、このため、整合した面内の構造体を強調することになる。次に、像は偏移させ、次の面が整合等されて、構造体を通る全ての面を提供することができる。
【0054】
[0062] 例えば、図6において、源が一側部にあるとき、構造体502は、検出器上に像502cとして投影され、また、源が反対側部にあるとき、像502bとして投影されよう。投影像502が両方の像にて同一であり、従って、増強するように2つの像が調節されたとき、対物504の投影像は、双方の像にて非整合状態となり、また、対物502として明確に見ることはできないであろう。当初の2つの像を調節することにより、対物504は、双方の像にて整合され且つ増強される一方にて、対物502は、最早、整合されず且つ、増強もされない。このことは、全ての面に対して行うことができる。
【0055】
[0063] 図6において、第一の源500は、第一及び第二の対物502、504の像を第一の検出器506により画成された面上に形成する。上述したように、源500と対物502、504との間の距離(すなわち、対物と検出器との間の距離)は、対物502、504の可変倍率の投影像を実現し得るように変化させる。すなわち、拡大画像化法により生成された可変視差のため、トモシンセシススライスを合成するために必要とされる必須の数の像(又は投影像)が提供される。このようにして、トモシンセシススライスに合成することのできる複数の投影像(例えば、複数の異なる倍率レベルの各々にて少なくとも1つの投影像)を生成することができる。このように、図6に示した例において、源500は、位置508から位置510まで動かされる。源500と対物502との間の距離を変化させることにより、2つの投影像が提供される。具体的には、源500が位置508にあるとき、投影像502aが提供され、また、源500が位置510にあるとき、投影像502bが提供される。
【0056】
[0064] 同様に、源500と対物504との間の距離を変化させることにより(すなわち、源の位置を位置508から位置510まで動かすことにより)、2つの投影像が提供される。特に、源が位置508にあるとき、投影像504aが提供され、源が位置510にあるとき、投影像504bが提供される。
【0057】
[0065] システムは、位置514に配設された第二の源512を含む。源512は、第一及び第二の対物502、504の像を第二の検出器516により画成された面に形成する。このように、源が位置514に配設された状態にて、投影像502c(すなわち、源514及び検出器516を使用して生成された対物502の投影像)及び投影像504c(すなわち、源514及び検出器516を使用して生成された対物502の投影像)が提供される。
【0058】
[0066] 2つの源500、512は、画像化される対物502、504の異なる側部に配設されることを認識すべきである。視差の偏移は、拡がるX光線ビームを使用して反対方向から画像化することにより、固定の源/検出器及びX光線源の場合でさえ反対方向から画像化する対物の距離まで、像毎に各面にて対物に対して相違するであろう。例えば、ある対物が構造体の中心にあり、その対物が対物から等距離にある源にて180°投影像にて画像化される場合、双方の像にて対物の倍率は同一であり、また、これらが整合されたとき、これらは重ね合わされ、また、増強される一方、その他の全ての面は、(異なる倍率のため)非整合状態となり、また、増強されないであろう。像の寸法を変更することにより、次の面は増強される一方、その面外の対物は、非整合状態等とされるであろう。このようにして、同様にトモシンセシススライスを実現することができる。
【0059】
[0067] 源500は、2つの異なる位置(すなわち、位置508、510)の間を動くものとして示される一方、源512は1つの位置においてのみ示されているが、源の動きのその他の変更を使用することもできることを理解すべきである。例えば、源500が静止状態に保持されている間、源512は、複数の位置まで動かすことができる。これと代替的に、源500及び源512の双方は、直線状経路に沿った異なる位置まで動かし、これにより、源の各々と画像化する対物との間の距離を変化させるようにしてもよい。
【0060】
[0068] 更に代替的に、また、上述したように、検出器506、516(源500、512ではなく)は、画像化される対物が測定されるときの倍率を変化させるように動かすことができる。または、源−検出器対を、画像化される対物に向け又は対物から離れる方向に向けて直線状経路に沿って動かすことができる。または、更に代替的に、源及び検出器の双方は、互いに独立的に動かすことができる。このように、対物の可変倍率の投影像となる源及び検出器の動きの任意の組み合わせは、源及び(又は)検出器の動きの結果、トモシンセシススライスに合成することができる像を生成させるため使用することのできる投影像(又はより正確には、多分、投影像のデータ)となる限り、使用することができることを理解すべきである。
【0061】
[0069] 図6に関して説明した二重の画像化アプローチ法は、図1ないし図5に関して説明した技術及び実施の形態と組み合わせて使用することが可能であることを理解すべきである。
【0062】
[0070] 本発明の幾つかの一例としての実施の形態のみを上記に詳細に説明したが、当該技術の当業者は、本発明の新規な教示及び有利な効果から実質的に逸脱せずに、一例としての実施の形態に対して多くの改変例が可能であることが容易に理解されよう。従って、かかる改変例の全ては、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲に含めることを意図するものである。本明細書にて言及した全ての特許、特許出願及び出版物は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めるものであることを更に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】可変倍率を有する画像化システムのブロック図である。
【図2】可変倍率を有する乳房トモグラフィシステムの第一の実施の形態を示す等角図である。
【図3】可変倍率を有する乳房トモグラフィシステムの第二の実施の形態を示す等角図である。
【図4】可変倍率を有する乳房トモグラフィシステムの第二の実施の形態を示す等角図である。
【図5】トモシンセシスシステムの概略図である。
【図6】対物の異なる側から像を生成する画像化システムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
源及び検出器を使用して対物を画像化する方法において、
(a)前記源が前記対物から第一の距離にあるように前記源及び対物を配置するステップと、
(b)前記源及び検出器を使用して第一の投影像を取得するステップと、
(c)前記源が前記対物から第二の距離にあるように、前記源及び対物の少なくとも一方を動かすステップと、
(d)前記源及び検出器を使用して第二の投影像を取得するステップとを備える、対物を画像化する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第一及び第二の投影像を組み合わせてトモシンセシススライスを提供するステップを更に備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
(e)前記源が前記対物から次の異なる距離にあるように、前記源及び対物の少なくとも一方を動かすステップと、
(f)前記源及び検出器を使用して次の投影像を取得するステップと、
(g)ステップ(e)及び(f)を反復して複数の投影像を提供するステップと、
(h)前記複数の投影像を組み合わせてトモシンセシススライスを提供するステップとを更に備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記源と前記対物との間の距離は、像面に対して直角な線に沿って測定される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記源及び対物の少なくとも一方を動かすステップは、前記源を前記対物に接近するように動かすステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記源及び対物の少なくとも一方を動かすステップは、前記源を前記対物から更に離れるように動かすステップを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記源及び対物の少なくとも一方を動かすステップは、前記対物を前記源に向けて動かすステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記源及び対物の少なくとも一方を動かすステップは、前記対物を前記源から離れるように動かすステップを含む、方法。
【請求項9】
源及び検出器を使用して対物を画像化する方法において、
(a)前記源及び対物が第一の距離だけ隔てられ、また、源信号が前記対物を第一の角度にて捕捉する第一の位置に前記源を配置するステップと、
(b)前記源が前記第一の位置にある状態にて前記対物の第一の投影像を取得するステップと、
(c)前記源及び対物の少なくとも一方を、前記第一の位置から前記源及び対物が第二の距離だけ隔てられ、また、源信号が第二の異なる角度にて前記対物を捕捉する第二の位置まで、画像化面に対して実質的に直角な方向に向けて動かすステップと、
(d)前記源及び検出器を使用して第二の投影像を取得するステップとを備える、対物を画像化する方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記第一及び第二の投影像を組み合わせてトモシンセシススライスを提供するステップを更に備える、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、
(e)前記源及び対物の少なくとも一方を、前記源信号が前記対物を捕捉するときの角度を変化させるべく新たな位置まで動かすステップと、
(f)前記新たな位置にて前記源及び検出器を使用して次の投影像を取得するステップと、
(g)ステップ(e)及び(f)を反復して複数の投影像を提供するステップと、
(h)前記複数の投影像を組み合わせてトモシンセシススライスを提供するステップとを更に備える、方法。
【請求項12】
対物を画像化するシステムにおいて、
前記対物の回りに配設し得る源と、
前記源により発せられ前記対物を通って伝播する信号を受け取り得るように、前記対物の回りに配設され得る検出器と、
前記源を前記対物から複数の異なる距離にて隔てることができ、源信号が前記対物を捕捉するときの角度が前記複数の異なる距離の各々にて変化するように、前記源及び対物の少なくとも一方を配置するコントローラと、
前記複数の異なる距離の各々にて前記源及び検出器を使用して前記対物の投影像を取得する像形成装置と、
複数の投影像を受け取ると共に、前記複数の投影像を組み合わせてトモシンセシススライスを提供し得るようにされたプロセッサとを備える、対物を画像化するシステム。
【請求項13】
源及び検出器を使用して対物を画像化する方法において、
(a)前記検出器を第一の検出器位置に配置するステップと、
(b)前記対物を第一の対物位置に配置するステップと、
(c)前記源及び対物が第一の距離だけ隔てられ、前記源及び検出器が第二の距離だけ隔てられ、源信号が第一の角度にて前記対物を捕捉した後に前記検出器の画像化面に衝突するような第一の源位置に、前記源を配置するステップと、
(d)前記源が前記第一の源位置にあり、前記対物が前記第一の対物位置にあり、前記検出器が前記第一の検出器位置にある状態で、前記対物の第一の投影像を取得するステップと、
(c)前記源及び対物が第一の距離だけ隔てられ、前記源及び検出器が第三の距離だけ隔てられ、源信号が第二の異なる角度にて前記対物を捕捉した後に前記検出器の画像化面に衝突するように、前記検出器を前記第一の検出器位置から第二の検出器の位置まで前記画像化面に対して実質的に直角に動かすステップとを備える、対物を画像化する方法。
【請求項14】
対物を画像化するシステムにおいて、
前記対物の回りに配設し得る源と、
前記源により発せられ前記対物を通って伝播する信号を受け取り得るように、前記対物の回りに配設され得る検出器と、
前記源と前記対物との間の距離を変化させることなく、前記源を前記検出器から複数の異なる距離にて隔てることができ、源信号が前記検出器の像面を捕捉するときの角度が複数の異なる距離の各々にて変化するように、前記源及び検出器の少なくとも一方を配置するコントローラと、
前記複数の異なる距離の各々にて前記源及び検出器を使用して前記対物の投影像を取得する像形成装置と、
複数の投影像を受け取ると共に、前記複数の投影像を組み合わせてトモシンセシススライスを提供し得るようにされたプロセッサとを備える、対物を画像化するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−512502(P2009−512502A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536603(P2008−536603)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/038828
【国際公開番号】WO2007/047114
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(503046334)ザ・ゼネラル・ホスピタル・コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】