説明

画像形成システム、画像形成装置、および画像形成方法

【課題】 ジョブ実行に対する管理ユーザーの迅速な承認を可能にする。
【解決手段】 在席確認部42は、管理ユーザーが端末装置12〜14に在席中であるか否かを確認する。ジョブ受付部44は、ユーザーからのジョブ要求を受け付けると複数の管理ユーザーのいずれかからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、承認を受ける必要がある場合には、承認を受けた後にジョブ要求によるジョブを実行する。承認要求部45は、ジョブ受付部44により承認を受ける必要があると判定された場合、在席確認部42による確認結果に基づいて、在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置、および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置内に蓄積されている文書データに基づいて印刷を行う場合、その文書データに所定の管理情報が付加されていれば、ユーザー認証やユーザーによる確認などの後にしか印刷が行えない画像形成装置がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−229335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の技術では、ある文書データについて印刷要求を発行したユーザーがその文書データを管理する管理ユーザー(つまり、その文書データによる印刷等を許可する権限を有するユーザー)である場合にはただちに承認が受けられるが、印刷要求を発行したユーザーが管理ユーザーではない場合、管理ユーザーが在席していなければ、ただちに承認を受けることができない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、管理ユーザーからジョブ実行の承認を迅速に受けることを可能にする画像形成システム、画像形成装置、および画像形成方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、所定の複数の管理ユーザーが使用する複数の端末装置とを備える。そして、画像形成装置は、(a)管理ユーザーが端末装置に在席中であるか否かを確認する在席確認部と、(b)ユーザーからのジョブ要求を受け付けると複数の管理ユーザーのいずれかからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、承認を受ける必要がある場合には、承認を受けた後にジョブ要求によるジョブを実行するジョブ受付部と、(c)ジョブ受付部により承認を受ける必要があると判定された場合、在席確認部による確認結果に基づいて、在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信する承認要求部とを有する。一方、端末装置は、画像形成装置から承認要求を受信すると、その承認要求を表示し、管理ユーザーによる承認結果を画像形成装置へ送信する。
【0008】
これにより、複数の管理ユーザーのうち、在席している管理ユーザーに対して承認要求が送信されるため、管理ユーザーからジョブ実行の承認を迅速に受けることを可能にする。
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、(a)管理ユーザーが所定の端末装置に在席中であるか否かを確認する在席確認部と、(b)ユーザーからのジョブ要求を受け付けると、管理ユーザーからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、承認を受ける必要がある場合には、承認を受けた後にジョブ要求によるジョブを実行するジョブ受付部と、(c)ジョブ受付部により承認を受ける必要があると判定された場合、在席確認部による確認結果に基づいて、在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信する承認要求部とを備える。
【0010】
これにより、在席している管理ユーザーに対して承認要求が送信されるため、管理ユーザーからジョブ実行の承認を迅速に受けることを可能にする。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、文書データファイルと文書データファイルを管理する管理ユーザーを示す文書管理データとを関連付けて記憶する記憶装置をさらに備える。そして、ジョブ受付部は、文書データファイルに基づくジョブの要求を受け付け、承認要求部は、そのジョブ要求により指定された文書データファイルを管理する管理ユーザーを文書管理データに基づいて特定し、特定した管理ユーザーから、在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信する。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、ジョブ受付部は、ジョブ要求の内容および/またはユーザーの権限に基づいてジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定する。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、在席確認部は、所定期間内に管理ユーザーによる端末装置への操作があった場合、管理ユーザーが在席中であると判断する。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。在席確認部は、端末装置において所定の処理が実行されている場合、管理ユーザーが在席中でないと判断する。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、在席確認視部は、管理ユーザーが端末装置へログインしている場合、管理ユーザーが在席中であると判断する。
【0016】
本発明に係る画像形成方法は、(a)ユーザーからのジョブ要求を受け付けると管理ユーザーからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定するステップと、(a)管理ユーザーが所定の端末装置に在席中であるか否かを確認するステップと、(c)承認を受ける必要があると判定された場合、管理ユーザーの在席確認結果に基づいて、在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信するステップと、(d)管理ユーザーによる承認を受け付けると、ジョブ要求によるジョブを実行するステップとを備える。
【0017】
これにより、在席している管理ユーザーに対して承認要求が送信されるため、管理ユーザーからジョブ実行の承認を迅速に受けることを可能にする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、在席している管理ユーザーに対して承認要求が送信されるため、管理ユーザーからジョブ実行の承認を迅速に受けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1における端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1に示す画像形成装置によるジョブ要求の処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、画像形成装置1がネットワーク2に接続されている。また、ネットワーク2には、ユーザーがジョブ要求を発行するために使用する端末装置11の他、複数の管理ユーザーが使用する端末装置12〜14が接続されている。管理ユーザーは、画像形成装置1においてジョブの実行に承認が必要な場合に、承認を行うユーザーである。
【0022】
図1に示す画像形成装置1は、プリンター、コピー機、ファクシミリ機、複合機などといった装置である。ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)および/またはWAN(Wide Area Network)で構成されるコンピューターネットワークである。端末装置11〜14は、例えば各種ソフトウェアがインストールされたパーソナルコンピューターである。
【0023】
図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置1は、操作パネル31、印刷装置32、画像読取装置33と、ファクシミリ装置34と、通信装置35と、記憶装置36と、コンピューター37とを備える。
【0024】
操作パネル31は、画像形成装置1の筐体表面に配置され、ユーザーに対して各種情報を表示する表示装置と、ユーザー操作を検出する入力装置とを有する。表示装置としては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置としては、キースイッチ、タッチパネルなどが使用される。
【0025】
印刷装置32は、印刷データに基づいて原稿画像を印刷する内部デバイスである。画像読取装置33は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部デバイスである。ファクシミリ装置34は、送信すべき原稿画像の画像データからファクシミリ信号を生成し送信するとともに、ファクシミリ信号を受信し画像データに変換する内部デバイスである。
【0026】
また、通信装置35は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2を介して他の装置(端末装置11〜14など)と所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。通信装置35としては、ネットワークインターフェース、モデムなどが使用される。
【0027】
また、記憶装置36は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどといった不揮発性の記憶装置であり、ユーザーデータ36a、文書データファイル36b、文書管理データ36cなどを記憶している。
【0028】
ユーザーデータ36aは、ユーザーの登録情報を有する。登録情報には、ユーザーID、その他の属性情報などが含まれる。
【0029】
文書データファイル36bは、画像読取装置33による原稿の画像読取で生成された画像データ、ファクシミリ装置34によるファクシミリ受信で生成された画像データ、端末装置12〜14などから管理ユーザーによりアップロードされた画像データなどといった文書データを含むファイルである。記憶装置36には、1または複数の文書データファイル36bが記憶可能である。
【0030】
文書管理データ36cは、文書データファイル36bと、その文書データファイル36bを管理する管理ユーザー(管理ユーザーのユーザーID)との対応関係の情報を有する。なお、文書データファイル36bが記憶装置36に記憶される際に、その文書データファイル36bについての文書管理データ36cが併せて記憶される。そのとき、文書データファイル36bを記憶させたユーザー、およびそのユーザーにより追加設定されたユーザーが管理ユーザーとなる。
【0031】
また、コンピューター37は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、図示せぬ記憶装置、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0032】
画像形成装置1の起動後に、各種プログラムがコンピューター37により適宜実行される。この実施の形態では、コンピューター37により、図示せぬオペレーティングシステム、通信処理部41、在席確認部42、制御部43、ジョブ受付部44、承認要求部45などの処理部が実現される。
【0033】
通信処理部41は、通信装置35を制御して所定の通信プロトコルでデータ通信を実行する処理部である。
【0034】
在席確認部42は、後述の在席通知部71と通信して、管理ユーザーが管理ユーザーの端末装置12〜14に在席中であるか否かを確認する。例えば、在席確認部42は、所定期間内に管理ユーザーによる端末装置12〜14への操作があった場合、その管理ユーザーが在席中であると判断する。また、例えば、在席確認部42は、管理ユーザーが端末装置12〜14へログインしている場合、管理ユーザーが在席中であると判断する。
【0035】
制御部43は、操作パネル31、印刷装置32、画像読取装置33、ファクシミリ装置34などといった内部デバイスを監視および制御する処理部である。
【0036】
ジョブ受付部44は、ユーザーからのジョブ要求を受け付けると1または複数の管理ユーザーのいずれかからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、承認を受ける必要がある場合には、承認を受けた後にジョブ要求によるジョブを実行する。
【0037】
承認要求部45は、ジョブ受付部44により承認を受ける必要があると判定された場合、在席確認部42による確認結果に基づいて、在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信する。
【0038】
図3は、図1における端末装置12の構成を示すブロック図である。
【0039】
端末装置12は、通信装置61と、表示装置62と、入力装置63と、コンピューター64とを備える。
【0040】
通信装置61は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2を介して他の装置(画像形成装置1など)とデータ通信を行う装置である。通信装置61としては、ネットワークインターフェース、モデムなどが使用される。
【0041】
表示装置62は、端末装置12のユーザー(管理ユーザー)に対して各種画面を表示する、液晶ディスプレイなどといった装置である。入力装置63は、そのユーザーによるユーザー操作を検出する、キーボード、マウスなどといった装置である。
【0042】
また、コンピューター64は、CPU、ROM、RAMなどを有し、図示せぬ記憶装置、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0043】
端末装置12の起動後に、各種プログラムがコンピューター64により適宜実行される。この実施の形態では、コンピューター64により、図示せぬオペレーティングシステム、在席通知部71、承認処理部72などの処理部が実現される。
【0044】
在席通知部71は、ユーザー(管理ユーザー)がこの端末装置12にログインすると起動し、そのユーザーが端末装置12にログインした旨およびそのユーザーのユーザーIDを画像形成装置1の在席確認部42に通知し、その後、そのユーザーが端末装置12を使用しているか否かを監視し、画像形成装置1の在席確認部42からの要求に応じて、そのユーザーの在席状況を在席確認部42へ通知する。
【0045】
承認処理部72は、画像形成装置1の承認要求部45からの承認要求を受信すると、承認要求を表示装置62に表示させ、入力装置63に対して承認の操作または拒否の操作が行われると、その承認結果を、承認要求の応答として画像形成装置1の承認要求部45へ送信する。
【0046】
なお、端末装置13,14も端末装置12と同様に構成されている。また、端末装置11は、画像形成装置1へジョブ要求を発行するドライバーをインストールされたパーソナルコンピューターなどであり、そのハードウェア構成は端末装置12〜14と同様である。管理ユーザーが端末装置11を使用することがある場合には、端末装置11も端末装置12と同様に構成される。
【0047】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0048】
図4は、図1に示す画像形成装置1によるジョブ要求の処理について説明するフローチャートである。
【0049】
ジョブ受付部44は、操作パネル31または端末装置11からのユーザーによるジョブ要求を受け付ける(ステップS11)。
【0050】
ジョブ受付部44は、ジョブ要求を受け付けると、ジョブ要求により指定されたジョブの実行について、管理ユーザーから承認を受ける必要があるか否かを判定する(ステップS12)。このとき、ジョブ受付部44は、ジョブ要求の内容(ジョブ種別、印刷対象の画像データなど)および/またはユーザーの権限に基づいてジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定する。
【0051】
例えば、印刷実行の権限のないユーザーが印刷ジョブを実行させる場合には、管理ユーザーの承認を受ける必要がある。また、例えば、所定のセキュリティレベルの画像データについて印刷ジョブを実行させる場合には、管理ユーザーの承認を受ける必要がある。その場合、セキュリティレベルを示す情報が画像データに埋め込まれており、ジョブ受付部44は、その画像データからその情報を抽出する。
【0052】
承認を受ける必要がない場合には、ジョブ受付部44は、そのジョブ要求により指定されたジョブ(印刷、コピー、ファクシミリ送信など)を実行する(ステップS13)。
【0053】
一方、承認を受ける必要があると判定された場合、在席確認部42は、通信装置35および通信処理部41を使用して、そのジョブ要求について承認を行うことができる管理ユーザーの端末装置(端末装置12〜14のいずれか)の在席通知部71と通信し、その管理ユーザーが在席しているか否かを確認する。そして、承認要求部45は、在席確認部42による確認結果に基づいて、在席中の管理ユーザーを特定し(ステップS14)、在席中の管理ユーザーが複数存在する場合には1人の管理ユーザーを選択し(ステップS15)、通信装置35および通信処理部41を使用して、選択した管理ユーザーの端末装置(端末装置12〜14のいずれか)に対して承認要求を送信する(ステップS16)。
【0054】
例えば、ジョブ受付部44が、文書データファイル36bに基づくジョブ(印刷、ファクシミリ送信など)の要求を受け付け、そのジョブの実行に管理ユーザーの承認を受ける必要があると判定した場合、承認要求部45は、そのジョブ要求により指定された文書データファイル36bを管理する管理ユーザーを、文書管理データ36cに基づいて特定し、特定した管理ユーザーから、在席中の管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザー(つまり、その管理ユーザーが使用中の端末装置)に対して承認要求を送信する。
【0055】
この承認要求には、ジョブを発行したユーザーのIDおよび氏名、ジョブ種別およびその文書データファイル名などの情報が含まれている。
【0056】
その端末装置では、承認処理部72が、通信装置61を使用して、この承認要求を受信し、この承認要求に含まれている、ジョブを発行したユーザーのIDおよび氏名、ジョブ種別およびその文書データファイル名などの情報を、承認ボタンおよび拒否ボタンとともに、例えばポップアップウィンドウなどで、表示装置62に表示させる。そして、管理ユーザーは、その情報を確認した上で、入力装置63を操作して、承認ボタンおよび拒否ボタンのいずれかを押下する。その操作を検出すると、承認処理部72は、その承認結果(承認または拒否)を承認要求の応答として、通信装置61を使用して、画像形成装置1の承認要求部45に送信する。
【0057】
画像形成装置1の承認要求部45は、通信装置35および通信処理部41を使用して、その応答を受信すると、その応答に含まれる承認結果に基づいて、ジョブの実行が承認されたか否かを判定する(ステップS17)。
【0058】
ジョブの実行が承認された場合、ジョブ受付部44は、そのジョブ要求により指定されたジョブ(印刷、コピー、ファクシミリ送信など)を実行する(ステップS13)。
【0059】
一方、ジョブの実行が承認されなかった場合、ジョブ受付部44は、そのジョブの実行を拒否し、そのジョブ要求を破棄する(ステップS18)。
【0060】
以上のように、上記実施の形態によれば、在席確認部42は、管理ユーザーが端末装置12〜14に在席中であるか否かを確認する。ジョブ受付部44は、ユーザーからのジョブ要求を受け付けると複数の管理ユーザーのいずれかからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、承認を受ける必要がある場合には、承認を受けた後にジョブ要求によるジョブを実行する。承認要求部45は、ジョブ受付部44により承認を受ける必要があると判定された場合、在席確認部42による確認結果に基づいて、端末装置12〜14に在席中である管理ユーザーを選択し、選択した管理ユーザーに対して承認要求を送信する。
【0061】
これにより、複数の管理ユーザーのうち、在席している管理ユーザーに対して承認要求が送信されるため、管理ユーザーからジョブ実行の承認を迅速に受けることが可能になる。
【0062】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0063】
例えば、上記実施の形態において、在席通知部71は、端末装置12〜14においてスクリーンセーバー等の所定の処理が実行中である場合(すなわち、端末装置12〜14において所定期間内に管理ユーザーによる操作がなかったと判定できる場合)には、管理ユーザーが在席していないと判定するようにしてもよい。
【0064】
上記実施の形態においては、管理ユーザーの端末装置12〜14は3台であるが、3台に限定されるものではない。また、管理ユーザーの人数は、複数であれば何人でもよい。また、あるユーザーに対して承認を行う複数の管理ユーザーをユーザーデータ36aに登録しておき、ジョブ要求を発行したユーザーについてユーザーデータ36aに登録されている複数の管理ユーザーから、在席中の管理ユーザーを選択するようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施の形態において、各管理ユーザーが使用する端末装置は固定的に決められていてもよいし、所定の複数の端末装置のいずれも、各管理ユーザーが使用可能としてもよい。後者の場合、画像形成装置1の在席確認部42は、在席通知部71によるログイン時の通知で、ある管理ユーザーが使用している端末装置を特定する。
【0066】
また、上記実施の形態において、在席確認部42は、承認が必要なジョブ要求が受け付けられた時点で管理ユーザーの在席確認を行っているが、その代わりに、定期的に、管理ユーザーの在席状況を確認するようにしてもよい。その場合、承認が必要なジョブ要求が受け付けられたときに、在席確認をすることなく、ただちに在席中の管理ユーザーを特定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、例えば、複数のユーザーにより使用される画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
12〜14 端末装置
42 在席確認部
44 ジョブ受付部
45 承認要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
所定の複数の管理ユーザーが使用する複数の端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、
前記管理ユーザーが前記端末装置に在席中であるか否かを確認する在席確認部と、
ユーザーからのジョブ要求を受け付けると前記複数の管理ユーザーのいずれかからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、前記承認を受ける必要がある場合には、前記承認を受けた後に前記ジョブ要求によるジョブを実行するジョブ受付部と、
前記ジョブ受付部により前記承認を受ける必要があると判定された場合、前記在席確認部による確認結果に基づいて、在席中である前記管理ユーザーを選択し、選択した前記管理ユーザーに対して承認要求を送信する承認要求部とを有し、
前記端末装置は、前記画像形成装置から前記承認要求を受信すると、前記承認要求を表示し、前記管理ユーザーによる承認結果を前記画像形成装置へ送信すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
管理ユーザーが所定の端末装置に在席中であるか否かを確認する在席確認部と、
ユーザーからのジョブ要求を受け付けると、前記管理ユーザーからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定し、前記承認を受ける必要がある場合には、前記承認を受けた後に前記ジョブ要求によるジョブを実行するジョブ受付部と、
前記ジョブ受付部により前記承認を受ける必要があると判定された場合、前記在席確認部による確認結果に基づいて、在席中である前記管理ユーザーを選択し、選択した前記管理ユーザーに対して承認要求を送信する承認要求部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
文書データファイルと前記文書データファイルを管理する管理ユーザーを示す文書管理データとを関連付けて記憶する記憶装置をさらに備え、
前記ジョブ受付部は、前記文書データファイルに基づくジョブの要求を受け付け、
前記承認要求部は、前記ジョブ要求により指定された前記文書データファイルを管理する管理ユーザーを前記文書管理データに基づいて特定し、特定した管理ユーザーから、在席中である前記管理ユーザーを選択し、選択した前記管理ユーザーに対して承認要求を送信すること、
を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブ受付部は、前記ジョブ要求の内容および/または前記ユーザーの権限に基づいて前記ジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記在席確認部は、所定期間内に前記管理ユーザーによる前記端末装置への操作があった場合、前記管理ユーザーが在席中であると判断することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記在席確認部は、前記端末装置において所定の処理が実行されている場合、前記管理ユーザーが在席中でないと判断することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記在席確認部は、前記管理ユーザーが前記端末装置へログインしている場合、前記管理ユーザーが在席中であると判断することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザーからのジョブ要求を受け付けると管理ユーザーからジョブ実行の承認を受ける必要があるか否かを判定するステップと、
前記管理ユーザーが所定の端末装置に在席中であるか否かを確認するステップと、
前記承認を受ける必要があると判定された場合、前記管理ユーザーの在席確認結果に基づいて、在席中である前記管理ユーザーを選択し、選択した前記管理ユーザーに対して承認要求を送信するステップと、
前記管理ユーザーによる前記承認を受け付けると、前記ジョブ要求によるジョブを実行するステップと、
を備えることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−113359(P2012−113359A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259421(P2010−259421)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】