説明

画像形成システム、画像形成装置及びプログラム

【課題】先頭1枚のプルーフ出力を実施する際にも、排紙することなく、かつ、タブ位置が連続した画像形成動作を実施できる画像形成システム、画像形成装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】プルーフ処理についての設定情報を使用者が入力する入力手段と、画像形成手段と、搬送手段と、画像形成手段及び搬送手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、入力手段にプルーフの対象を冊子1部と選択された場合には、冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、入力手段にプルーフの対象を冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更のない入力がされた場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブ位置が相異なるタブ紙や一連の特殊シートが所定の順序で配列されて1セットとなる特殊シート群を使用して印刷を行う画像形成システム、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一連の用紙に画像形成するときに、一連の用紙の区切りに合わせて、画像形成された用紙中にタブの付いた用紙を挿入する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる画像形成装置においては、タブ位置が順次連続して異なるように配置された複数のタブ紙を1セットとし、複数セットが給紙トレイに積載されており、積載された順番に給紙されていく。
【0004】
例えば、タブ位置が最上部に設けられたタブ紙が、常に最上部に設定されるように画像形成を行うには、画像形成動作を開始する際に、タブ位置が最上部に位置するタブ紙が給紙トレイの最上位に配置されるように、予め1セットのタブ紙を複数セット積載しておく。
【0005】
一方、使用者は、タブ紙を挿入する画像形成動作を実施する際には、画像形成の出来映えを予め確認したく、最初のタブ紙1枚のみに画像形成動作を実施するプルーフ出力を行いたい場合がある。
【0006】
プルーフ出力後は、本出力時にタブ位置の所望位置に配置されたタブ紙が最上位に配置されるように、1セットを形成する残りのタブ紙を排紙する。
【0007】
プルーフ出力による画像形成の出来映えが所望のレベルに達しない場合には、画像形成の設定を変更し、あらためて本出力の画像形成動作を実施することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−73110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
かかるプルーフ出力を実施し、画像形成の出来映えが所望のレベルに到達している場合には、画像形成を行った用紙を再利用することが望ましいが、上記のように、1セットを形成する残りのタブ紙を排紙すると、引き続き実施される画像形成動作におけるタブ紙のタブ位置は、画像形成の出来映えを確認するタブ紙と同じ位置になってしまう。
【0010】
本発明は、プルーフ出力を実施する際にも排紙することなく、かつ、タブ位置が連続した画像形成動作を実施できる画像形成システム、画像形成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的は、下記に記載する発明により達成される。
【0012】
1.複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群と複数枚の用紙とを使用して冊子を形成するに際して、前記冊子毎の前記タブ紙の挿入位置と、少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件と、前記冊子の先頭一枚または前記冊子1部をプルーフ対象とするかとを含む設定情報が入力される入力手段と、
入力された画像データに基づいて、前記用紙または前記タブ紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記用紙を装填した給紙トレイまたは前記タブ紙群を装填した給紙トレイから前記用紙または前記タブ紙を給紙し、前記給紙された用紙またはタブ紙を搬送経路に従って搬送して排出トレイへ排出する搬送手段と、
前記設定情報に基づいて、前記用紙または前記タブ紙を給紙し、少なくとも前記給紙された用紙上に画像を形成して、前記給紙された用紙またはタブ紙を排出するように前記画像形成手段及び前記搬送手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子1部と選択入力された場合には、前記冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、
前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記入力手段に前記画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記画像形成条件に変更がない場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うことを特徴とする画像形成システム。
【0013】
2.複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群を使用し、用紙または前記タブ紙を入力手段から設定された順序で給紙し、入力された画像データに基づき少なくとも前記給紙された用紙上に画像を形成する画像形成システムを制御するためのコンピュータに、
前記入力手段にプルーフの対象を冊子1部と選択入力された場合には、前記冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、
前記入力手段にプルーフの対象を冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記入力手段に画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に画像形成条件の変更がない場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うよう制御する機能を実現させるためのプログラム。
【0014】
3.複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群を装填するタブ紙用給紙トレイと、画像形成済みの用紙または前記タブ紙用給紙トレイから給紙したタブ紙を排出する排出トレイとを備えた後処理装置に、接続可能な画像形成装置であって、
前記タブ紙群と複数枚の用紙とを使用して冊子を形成するに際して、前記冊子毎の前記タブ紙の挿入位置と、少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件と、プルーフの対象を前記冊子の先頭一枚または前記冊子1部の何れにするかとを含む設定情報が入力される入力手段と、
入力された画像データに基づいて、前記用紙または前記タブ紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成された用紙を前記後処理装置に送出する送出手段と、
前記画像形成手段から前記後処理装置に送出された用紙を排出トレイへ排出させるとともに、前記入力手段から入力された設定情報に基づいて、前記タブ紙用給紙トレイからタブ紙を給紙して前記排出トレイへ排出させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子1部と選択された場合には、前記冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、
前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記入力手段に前記画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記画像形成条件の変更がない場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
プルーフ出力を実施する際にも、排紙することなく、かつ、タブ位置が連続した画像形成動作を実施できる画像形成システム、画像形成装置、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る画像形成システムSYの全体構成図である。
【図2】画像形成装置100の外観及び内部構成の模式図である。
【図3】画像形成装置100の機能的構成図である。
【図4】画像形成装置100により実行されるプルーフ処理の制御フロー図である。
【図5】冊子におけるタブ紙と用紙の配置を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面により説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限られるものではない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0018】
まず、実施の形態における構成を説明する。図1に、画像形成装置のネットワークシステムSYの全体構成を示す。図1に示すように、画像形成装置のネットワークシステムSYは、画像形成装置100とホスト装置200とがLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークNを介して接続され、データの送受信が可能なように構成されている。
【0019】
画像形成装置100としては、複写機、プリンタ、FAX、複合機等を適用可能である。本実施の形態においては、電子写真方式の複合機を適用した場合を例にとり説明する。画像形成装置100の構成については、詳細を後述する。
【0020】
ホスト装置200は、画像形成装置100に対応するプリンタドライバ、文書データや画像データを作成するアプリケーションソフト等が搭載されたパーソナルコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、記憶部、キーボードやマウス等の操作部、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部、通信部等を備える。
【0021】
ホスト装置200は、操作部より画像形成装置100における印刷が指示されると、記憶部に記憶されているプリンタドライバのプログラムに従い、印刷設定画面(図示せず)を表示部に表示させ、印刷設定画面からタブ印刷が指定されると、入力手段としてのタブ印刷設定画面(図示せず)を表示させる。
【0022】
使用者は、タブ印刷設定画面から操作部を介して、印刷部数、使用するタブ紙群の1セット当りのタブ数(タブ紙枚数)、タブ挿入ページ(タブ挿入位置)、用紙の枚数等の形成すべき一つの冊子の情報を入力する。
【0023】
また、印刷設定画面から画像形成条件が使用者により指定されると、ホスト装置200は、入力手段としての画像形成条件設定画面(図示せず)を表示させる。使用者は、画像形成条件設定画面から操作部を介して、用紙やタブ紙に画像を形成する画像形成条件、例えば、用紙やタブ紙の面内における印刷部分の位置ずれの補正等の設定変更等を行う。
【0024】
また、印刷設定画面から画像形成を行うプルーフ対象を前記冊子の先頭一枚または前記冊子1部の何れにするかの選択した結果が指定されると、ホスト装置200は、入力手段としてのプルーフ対象選択画面(図示せず)を表示させる。
【0025】
使用者は、対象選択画面から操作部を介して、画像形成の対象を前記冊子の先頭一枚または前記冊子1部の何れにするかの選択を行う。
【0026】
印刷実行が指示されると、CPUは、入力されたタブ印刷設定情報、画像形成条件設定情報、プルーフ対象選択設定情報等を含む設定情報を制御データとして印刷対象のデータ(以下、印刷データと称する)に添付して通信部により画像形成装置100に送信する。
【0027】
なお、画像形成装置100、ホスト装置200の台数は特に限定されない。また、本実施の形態においては、画像形成システムSYとして画像形成装置100及びホスト装置200が通信手段としての通信ネットワークNを介して接続された構成を例にとり説明するが、例えば、USB(Universal Serial Bus)、セントロニクス仕様のパラレルポート等の通信手段を介して接続された構成としてもよい。
【0028】
図2に、画像形成装置100の外観及び内部構成を模式的に示す。画像形成装置100は、本発明の画像形成システムの構成を有するものであり、図2に示すように、画像形成装置本体1(以下、本体1と称する)と、これにオプション接続された後処理装置2及び大容量トレイユニット3により構成されている。本体1の上面には、操作表示部20及びADF(Auto Document Feeder)部40が設けられている。
【0029】
図3に、画像形成装置100の機能的構成を示す。図3に示す状態管理部10、操作表示部20、スキャナ部30、ADF部40、プリンタ部50は、図2に示す本体1に含まれる機能である。以下、図3を参照して画像形成装置100を構成する各部について説明する。
【0030】
状態管理部10は、CPU11、プログラムメモリ12、RAM(Random Access Memory)13、不揮発メモリ14、読み取り処理部15、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC16、圧縮・伸長IC17、画像メモリ(DRAM)18及び書き込み処理部19を備えて構成されている。
【0031】
CPU11は、プログラムメモリ12に記憶されているシステムプログラムや本発明のプルーフ処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置100の各部の動作を集中制御する。
【0032】
例えば、CPU11は、操作表示部20を介して入力された、或いは、プリントコントローラ部60を介して入力されたプルーフ対象選択設定情報等のジョブ毎の設定情報をRAM13のジョブ設定格納領域に格納し、格納された設定情報に基づいてジョブを実行する。ジョブとは、印刷等の画像形成に関する一連の動作を指し、例えば、複数枚の原稿をコピーする場合には、複数枚の原稿のコピーに関する一連の動作が1ジョブであり、複数部数のコピーを行う場合は、複数部数分のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。
【0033】
また、CPU11は、読み出したプログラムに従って、各種処理を実行し、制御手段を実現する。
【0034】
プログラムメモリ12は、半導体等の不揮発性メモリ等により構成され、画像形成装置100に対応するシステムプログラム、及び該システムプログラム上で実行可能な本発明のプルーフ処理プログラムを始めとする各種処理プログラム等を記憶する。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU11は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0035】
RAM13は、CPU11により実行制御される各種処理において、プログラムメモリ12から読み出されたプログラム、入力、若しくは出力データ及びパラメータ等の一時的な格納領域となる。例えば、RAM13は、ジョブ毎の設定情報(例えば、タブ印刷設定情報等)を一時的に格納するためのジョブ設定情報格納領域を有する。
【0036】
不揮発メモリ14は、画像形成装置100に係る各種設定データ等を記憶する。読み取り処理部15は、スキャナ部30により読み取られたアナログ画像信号をデジタル画像データに変換してDRAM制御IC16へ出力する。
【0037】
DRAM制御IC16は、CPU11からの制御に基づいて、読み取り処理部15から入力された画像データ、プリントコントローラ部60から入力された画像データを圧縮・伸長IC17により圧縮させ、圧縮された画像データを画像メモリ18の圧縮メモリ18aに書き込んで一時的に記憶させる。また、CPU11から画像データ出力の指示があると、DRAM制御IC16は、圧縮メモリ18aに記憶されている出力指示された画像データを圧縮・伸長IC17により伸長させ、書き込み処理部19に出力する。また、DRM制御IC16は、プリントコントローラ部60から入力された制御データをCPU11に出力する。
【0038】
圧縮・伸長IC17は、DRAM制御IC16の制御により画像データの圧縮処理、伸長処理を行うICである。
【0039】
画像メモリ18は、DRAMにより構成され、圧縮メモリ18aを有している。圧縮メモリ18aは、DRAM制御IC16の制御により、圧縮・伸長IC17で圧縮された画像データを一時的に記憶する。
【0040】
書き込み処理部19は、圧縮・伸長IC17から入力される画像データに基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、プリンタ部50へ出力する。
【0041】
操作表示部20は、操作表示制御部21と、LCD22とを備えて構成されている。操作表示制御部21は、CPU11からの表示信号を受信して、LCD22における表示制御を行う。また、LCD22上のタッチパネルから入力される操作信号をCPU11へ出力する。
【0042】
LCD22は、操作表示制御部21から入力される表示信号の指示に従って画面上に各種設定画面や画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。LCDの画面上は、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルが構成されており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作表示制御部21に出力する。
【0043】
操作表示部20は、その他、図示しない数字ボタンや各種設定、動作モード等を切替える機能ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備えており、ボタン操作による操作信号を操作表示制御部21からCPU11に出力する。
【0044】
本実施の形態において、操作表示部20は、入力手段として、タブ紙を使用した印刷ジョブに関する設定を行うためのタブ印刷設定画面(図示せず)等をLCD22に表示し、タブ印刷設定画面を介して入力されたタブ印刷設定情報をCPU11に出力する。
【0045】
スキャナ部30は、スキャナ制御部31と、スキャナ32とを備えて構成されている。スキャナ制御部31は、CPU11からの制御信号を受信して、スキャナ32各部を駆動制御する。スキャナ32は、プラテンガラスと、CCD(Charge Coupled Device)と、光源とを備え、光源から原稿へ照明走査した光の反射光をCCDにより結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取ったアナログ画像信号を読み取り処理部15へ出力する。
【0046】
ADF部40は、CPU11から入力される制御信号に基づきADF部40各部の制御を行うADF制御部41を備え、原稿トレイT1(図2参照)に載置された原稿をスキャナ部30のプラテンガラス上に1枚ずつ自動給送する。
【0047】
プリンタ部50は、プリンタ制御部51、プリント部52により構成されている。プリンタ制御部51は、CPU11からの制御信号を受信して、プリント部52の各部の動作を制御する。
【0048】
また、プリンタ制御部51は、ジョブ毎に給紙した用紙の枚数をカウントし、CPU11に出力する。更に、プリンタ制御部51は、CPU11及び後処理制御部71間のデータ通信の中継を行う。
【0049】
プリント部52は、図2に示すように、画像形成手段を構成するLD(Laser Diode)81、感光体ドラム82、帯電器83、現像器84、転写部85及び定着器86と、装填された用紙を供給する給紙トレイ87a〜87eと、搬送手段としてプリント部52内の搬送経路(図2に太線で示す)に従って用紙またはタブ紙を搬送するための給紙ローラ88a〜88e、レジストローラ89をはじめとする各種ローラ、搬送路切換板90及び反転部91等とを備えて構成されている。
【0050】
プリント部52の搬送手段は、プリンタ制御部51からの制御に基づき、当該ジョブで使用される種類、サイズ、向きの用紙またはタブ紙を対応する給紙トレイ87a〜87eの何れかから給紙して、給紙された用紙またはタブ紙を搬送経路上に搬送する。
【0051】
本実施の形態において、用紙は給紙トレイ87aに、タブ紙は給紙トレイ87bにストックされていることとする。
【0052】
また、画像形成手段においては、プリンタ制御部51からの指示に基づいて、感光体ドラム82表面を帯電器83により帯電させ、書き込み処理部19から入力されたPWM信号に基づいてLD81により感光体ドラム82表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成し、感光体ドラム82表面の静電潜像を含む領域に現像器84によりトナーを付着させる。
【0053】
そして、給紙トレイ87a〜87eの何れかから搬送された用紙またはタブ紙に転写部85によりトナーを転写して画像を形成し、定着器86で定着させた後、画像形成済みの用紙を送出手段としての排紙ローラ94により後処理装置2へ送出する。
【0054】
両面印刷を行う場合には、片面が印刷された用紙またはタブ紙を搬送路切換板90、反転経路を介して反転部91に搬送し、反転部91により表裏を反転して感光体ドラム82に再搬送して反転後の表面に画像を形成し、定着後、排紙ローラ94により後処理装置2へ送出する。
【0055】
後処理装置2は、プリンタ制御部51を介してCPU11から入力される制御信号に基づいて後処理装置2各部の制御を行う後処理制御部71を備える。後処理制御部71は、CPUと、後処理装置2に対応するシステムプログラム、該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムを記憶するプログラムメモリと、RAMにより構成され、後処理制御部71のCPUは、入力された制御信号に基づきプログラムメモリに記憶されたプログラムとの協働により各部を駆動制御し、プリンタ部50から排出された用紙またはタブ紙を、図示しないローラ等により構成される搬送手段により、指示された搬送経路にそって搬送し、中間スタッカ等の積載手段96に1部毎に集積して、ステープル処理、中綴じ処理、中折り処理等の後処理を行って、指示された排出トレイ(第一排出トレイTa1、第二排出トレイTa2の何れか)に排出する。
【0056】
プリントコントローラ部60は、I/F61、データ変換部62等により構成されている。I/F61は、NIC(Network Interface Card)やモデム等の、通信ネットワークNに接続するための通信用インターフェースであり、ホスト装置200とのデータの送受信を行う。データ変換部62は、I/F61を介して入力された印刷データを所定のページ記述言語によって画像形成装置100で印刷可能なデータ形式の画像データに変換し、制御データとともにDRAM制御IC16に出力する。
【0057】
次に、実施の形態における動作について説明する。図4は、画像形成装置100により実行されるプルーフ処理の制御フロー図である。当該処理は、CPU11と、プログラムメモリ12に記憶されているプルーフ処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現されるものであり、実施するジョブに対してタブ印刷が設定されている場合に実行される処理である。
【0058】
図5は、冊子におけるタブ紙と用紙の配置を説明する模式図である。
【0059】
図5(a)に示すように、タブ紙は5種類で1セットを成す。出力すべき冊子は、図5(b)に示すように、5枚の用紙に3種類のタブ紙を挿入したものとする。
【0060】
最初に、使用者はホスト装置200の操作部における印刷設定画面に冊子毎のタブ紙のシート枚数及びタブ紙の挿入位置の設定情報を入力し、画像形成条件設定画面に少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件の設定情報を入力する(ステップS1)。
【0061】
画像形成の出来映えが所望のレベルに到達しているかどうかを、本出力前に、一度画像形成動作を実施して使用者自身が確認するためのプルーフ処理を行って、画像形成を実施して使用者自身が確認する。
【0062】
特に、冊子の先頭一枚のみ画像形成を行いたい場合と、冊子を1部全体通して画像形成したい場合とがある。
【0063】
そこで、特に、ステップS2にて画像形成の出力の対象を、冊子の先頭一枚のみとするか、または冊子1部とするか、を選択するプルーフ選択結果の設定情報をプルーフ対象選択画面に入力する。
【0064】
冊子1部をプルーフ出力するとの選択を行う場合には、ステップS3にて、図5(b)に示すように、冊子1部をプルーフ出力し、冊子の先頭一枚のみ出力するとの選択を行う場合には、ステップS8にて、図5(c)に示すように先頭一枚のみをプルーフ出力する。
【0065】
冊子1部をプルーフ出力するに際し、1セットを構成するタブ紙の全てを使用しない場合には、使用しないタブ紙が残ることとなる。図5(a)においては、DとEが画像形成されずタブ紙が残る。次の冊子を出力する際に、1セットを構成するタブ紙の先頭のタブ紙が冊子の最上位に配置されるには、出力後に残ったタブ紙を排紙する必要がある。
【0066】
そこで、ステップS4にて、1セットを構成するタブ紙に残りがあるか判断する。RAM13のジョブ設定格納領域に格納されている1セットのタブ紙の数と、冊子1部に用いるタブ紙の数とから、使用しないタブ紙があるかどうか、また、使用しないタブ紙がある場合にはその数を計算する。
【0067】
残りのタブ紙がある場合には(ステップS4のYes)、不要な残ったタブ紙を排紙する(ステップS5)。図5(a)におけるDとEが画像形成されたタブ紙を排紙する。
【0068】
残りがない場合には(ステップS4のNo)、排紙は行わない。この時、タブ紙を搭載した給紙トレイの最上位には、1セットを構成するタブ紙の先頭のタブ紙が位置している。
【0069】
次いで、使用者が本出力を開始するかどうかの判断を待つ(ステップS6)。本出力の開始が入力されると、本出力を実施する(ステップS7)。
【0070】
ステップS2にて冊子の先頭一枚のみ出力するとの選択を行うと、図5(c)に示すように、Aなる画像形成がされたタブ紙が出力される(ステップS8)。使用者は画像を確認し、必要な場合には、画像の文字の大きさや余白の大きさ等の設定情報の設定変更を行う。
【0071】
次いで、使用者が本出力を開始するかどうかの判断を待つ(ステップS9)。本出力の開始が入力され(ステップS9のYes)、ステップ10において各用紙または各タブ紙に共通する条件、例えば余白の大きさ等の設定情報が変更された場合には(ステップS10のYes)、その設定情報を反映され、残りのタブ紙があるかどうか確認される(ステップS11)。残りのタブ紙がある場合には(ステップS11のYes)、不要な残ったタブ紙を排紙し(ステップS12)、本出力を実施する(ステップS7)。
【0072】
設定情報が変更されていない場合には(ステップS10のNo)、本出力を実施する(ステップS7)。
【0073】
以上のように、複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群と所定枚数の用紙とを使用して冊子を形成するに際して、冊子毎のタブ紙のシート枚数及びタブ紙の挿入位置と、少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件と、冊子の先頭一枚または冊子1部のプルーフ対象と、を含む設定情報を使用者が入力する入力手段としての印刷設定画面と、画像形成手段としてのプリント部52と、搬送手段としてのプリント部52内の搬送経路と、設定情報に基づいて、画像形成手段及び搬送手段を制御する制御手段としてのCPU11と、を備え、制御手段としてのCPU11は、入力手段にプルーフの対象を冊子1部と選択された場合には、冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、入力手段としての印刷設定画面に、プルーフの対象を冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更のない入力がされた場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うことで、先頭1枚のプルーフ出力を実施する際にも、排紙することなく、かつ、タブ位置が連続した画像形成動作を実施できる画像形成システムを提供できる。
【0074】
また、複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群を使用し、用紙またはタブ紙を予め設定された順序で給紙し、入力された画像データに基づき少なくとも給紙された用紙上に画像を形成して、給紙された用紙またはタブ紙を排出する画像形成システムを制御するためのコンピュータに、入力手段にプルーフの対象を冊子1部と選択入力された場合には、冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、入力手段にプルーフの対象を冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更のない入力がされた場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うよう制御することで、先頭1枚のプルーフ出力を実施する際にも、排紙することなく、かつ、タブ位置が連続した画像形成動作を実施できるプログラムを提供できる。
【0075】
また、複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群を装填するタブ紙用給紙トレイと、画像形成済みの用紙またはタブ紙用給紙トレイから給紙したタブ紙を排出する排出トレイとを備えた後処理装置に接続可能な画像形成装置であって、タブ紙群と所定枚数の用紙とを使用して冊子を形成するに際して、冊子毎のタブ紙のシート枚数及びタブ紙の挿入位置と、少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件と、プルーフの対象を冊子の先頭一枚または冊子1部の何れにするかの選択結果と、を含む設定情報を使用者が入力する入力手段と、入力された画像データに基づいて、用紙またはタブ紙上に画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段により画像が形成された用紙を後処理装置に送出する送出手段と、後処理装置に対し、画像形成手段から後処理装置に送出された用紙を排出トレイへ排出させるとともに、入力された設定情報に基づいて、タブ紙用給紙トレイからタブ紙を給紙して排出トレイへ排出させる制御手段と、を備え、制御手段は、入力手段にプルーフの対象を冊子1部と選択された場合には、冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、入力手段にプルーフの対象を冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りのタブ紙を排出し、冊子の先頭一枚のみ画像形成後に入力手段に画像形成条件の変更のない入力がされた場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うことで、先頭1枚のプルーフ出力を実施する際にも、排紙することなく、かつ、タブ位置が連続した画像形成動作を実施できる画像形成装置を提供できる。
【符号の説明】
【0076】
1 画像形成装置本体
2 後処理装置
3 大容量トレイユニット
10 状態管理部
12 プログラムメモリ
14 不揮発メモリ
18 画像メモリ
20 操作表示部
21 操作表示制御部
50 プリンタ部
51 プリンタ制御部
52 プリント部
60 プリントコントローラ部
71 後処理制御部
82 感光体ドラム
83 帯電器
84 現像器
85 転写部
86 定着器
94 排紙ローラ
100 画像形成装置
200 ホスト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群と複数枚の用紙とを使用して冊子を形成するに際して、前記冊子毎の前記タブ紙の挿入位置と、少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件と、前記冊子の先頭一枚または前記冊子1部をプルーフ対象とするかとを含む設定情報が入力される入力手段と、
入力された画像データに基づいて、前記用紙または前記タブ紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記用紙を装填した給紙トレイまたは前記タブ紙群を装填した給紙トレイから前記用紙または前記タブ紙を給紙し、前記給紙された用紙またはタブ紙を搬送経路に従って搬送して排出トレイへ排出する搬送手段と、
前記設定情報に基づいて、前記用紙または前記タブ紙を給紙し、少なくとも前記給紙された用紙上に画像を形成して、前記給紙された用紙またはタブ紙を排出するように前記画像形成手段及び前記搬送手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子1部と選択入力された場合には、前記冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、
前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記入力手段に前記画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記画像形成条件に変更がない場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群を使用し、用紙または前記タブ紙を入力手段から設定された順序で給紙し、入力された画像データに基づき少なくとも前記給紙された用紙上に画像を形成する画像形成システムを制御するためのコンピュータに、
前記入力手段にプルーフの対象を冊子1部と選択入力された場合には、前記冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、
前記入力手段にプルーフの対象を冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記入力手段に画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に画像形成条件の変更がない場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うよう制御する機能を実現させるためのプログラム。
【請求項3】
複数の相異なる種類のタブ紙が所定の順序で配列されて1セットを構成するタブ紙群を装填するタブ紙用給紙トレイと、画像形成済みの用紙または前記タブ紙用給紙トレイから給紙したタブ紙を排出する排出トレイとを備えた後処理装置に、接続可能な画像形成装置であって、
前記タブ紙群と複数枚の用紙とを使用して冊子を形成するに際して、前記冊子毎の前記タブ紙の挿入位置と、少なくとも用紙に画像を形成する画像形成条件と、プルーフの対象を前記冊子の先頭一枚または前記冊子1部の何れにするかとを含む設定情報が入力される入力手段と、
入力された画像データに基づいて、前記用紙または前記タブ紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成された用紙を前記後処理装置に送出する送出手段と、
前記画像形成手段から前記後処理装置に送出された用紙を排出トレイへ排出させるとともに、前記入力手段から入力された設定情報に基づいて、前記タブ紙用給紙トレイからタブ紙を給紙して前記排出トレイへ排出させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子1部と選択された場合には、前記冊子1部の画像形成動作を実施後、1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、
前記入力手段にプルーフの対象を前記冊子の先頭一枚のみと選択入力された場合であって、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記入力手段に前記画像形成条件の変更の入力がされた場合には1セットを構成する残りの前記タブ紙を排出し、前記冊子の先頭一枚のみ画像形成後に前記画像形成条件の変更がない場合には冊子を構成する残りの用紙またはタブ紙に画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−150050(P2011−150050A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9794(P2010−9794)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】