説明

画像形成ユニット及び画像形成装置

【課題】媒体に画像を形成することができなくなったり、画像品位が低下したりすることがないようにする。
【解決手段】像担持体を備えた画像形成ユニット本体と、該画像形成ユニット本体の上方に配設され、前記像担持体の表面を照射して露光する露光装置と、前記画像形成ユニット本体の下方に配設され、前記像担持体の表面に形成された現像剤像を転写する転写部材とを有する。前記画像形成ユニット本体の筐体は少なくとも一つの開口部を備える。該開口部における対向する縁部34a、34b間に連結要素が架設される。連結要素が架設されるので、成形プロセスにおける冷却工程時に、筐体に変形、反り等が発生するのを防止することができる。開口部の周辺の部位が像担持体に接触することがなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、感光体ドラムの表面にトナー像を形成するための画像形成ユニットが、プリンタの本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設されるようになっている。また、前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、現像剤としてのトナーを収容するためのトナーカートリッジを備える。
【0003】
前記画像形成ユニット本体の筐体は、トナーカートリッジと対向させて形成され、トナーカートリッジからトナーを画像形成ユニット本体内に供給するためのトナー供給口、LEDヘッドと対向させて形成され、LEDヘッドによって発生させられた光を感光体ドラムに照射するための受光口、及び転写ローラと対向させて形成され、前記トナー像を媒体としての用紙に転写するための転写口を備える。
【0004】
ところで、前記受光口及び転写口は、用紙上の印字領域を確保するために、印字領域の幅以上の開口幅を有する必要がある。なお、前記トナー供給口は、画像形成ユニット本体内に供給された後のトナーが画像形成ユニット本体の軸方向における全体に広がりやすくなるように、開口幅が広くされるのが好ましい(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−157055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の画像形成ユニットにおいては、画像形成ユニット本体の筐体を合成樹脂によって成形する際に、前記トナー供給口、受光口及び転写口を同時に形成するようになっているが、成形プロセスにおける冷却工程時に、筐体に変形、反り等が発生しやすい。
【0006】
したがって、変形、反り等によってトナー供給口、受光口及び転写口の周辺の所定の部位が感光体ドラムに接触することがあり、その場合、前記部位が感光体ドラムを傷付けたり、媒体搬送路を塞いだり、感光体ドラムの表面の照射を遮ったりするだけでなく、筐体とトナーカートリッジとの間にすき間が形成され、トナーが漏れてしまう。その結果、用紙に画像を形成することができなくなったり、画像品位が低下したりしてしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の画像形成ユニットの問題点を解決して、媒体に画像を形成することができなくなったり、画像品位が低下したりすることがない画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、像担持体を備えた画像形成ユニット本体と、該画像形成ユニット本体の上方に配設され、前記像担持体の表面を照射して露光する露光装置と、前記画像形成ユニット本体の下方に配設され、前記像担持体の表面に形成された現像剤像を転写する転写部材とを有する。
【0009】
そして、前記画像形成ユニット本体の筐体は少なくとも一つの開口部を備える。
【0010】
また、該開口部における対向する縁部間に連結要素が架設される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、本発明の画像形成ユニットにおいては、像担持体を備えた画像形成ユニット本体と、該画像形成ユニット本体の上方に配設され、前記像担持体の表面を照射して露光する露光装置と、前記画像形成ユニット本体の下方に配設され、前記像担持体の表面に形成された現像剤像を転写する転写部材とを有する。
【0012】
そして、前記画像形成ユニット本体の筐体は少なくとも一つの開口部を備える。
【0013】
また、該開口部における対向する縁部間に連結要素が架設される。
【0014】
この場合、前記画像形成ユニット本体の筐体は少なくとも一つの開口部を備え、該開口部における対向する縁部間に連結要素が架設されるので、成形プロセスにおける冷却工程時に、筐体に変形、反り等が発生するのを防止することができる。したがって、開口部の周辺の部位が像担持体に接触することがなくなるので、前記部位が像担持体を傷付けたり、媒体搬送路を塞いだり、像担持体の表面の照射を遮ったりするのを防止することができるだけでなく、筐体と現像剤収容部との間から現像剤が漏れるのを防止することができる。その結果、媒体に確実に画像を形成することができ、画像品位を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図、図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの配設状態を示す概念図である。
【0017】
図に示されるように、プリンタ61は、媒体としての用紙Pを収容するための媒体収容部としての用紙カセット63、プリンタ61の本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設され、現像剤像としてのトナー像を形成する画像形成ユニット(現像装置、ドラムカートリッジ等を構成する。)64、露光装置としてのLEDヘッド17、転写部材としての転写ローラ70、定着装置としての定着器60等を備え、該定着器60は第1のローラとしての加圧ローラ11、第2のローラとしての加熱ローラ12等を備える。
【0018】
前記用紙カセット63の前端には、前記用紙Pを、1枚ずつ分離させ、繰り出して媒体搬送路としての用紙搬送路に供給する供給ローラとしてのホッピングローラ67が配設され、前記用紙搬送路におけるホッピングローラ67より下流側に、一対のレジストローラ68、69が配設される。なお、28は装置本体に開閉自在に配設されたトップカバーであり、該トップカバー28によって媒体積載部としてのスタッカ部が形成される。また、30はプリンタ61の全体の制御を行う制御基板である。なお、前記トップカバー28を開くことによって、画像形成ユニット64を装置本体に対して着脱することができる。
【0019】
前記画像形成ユニット64は、画像形成ユニット64の本体、すなわち、画像形成ユニット本体65、及び該画像形成ユニット本体65に対して着脱自在に配設され、現像剤としてのトナー27を収容するための現像剤収容器としてのトナーカートリッジ19を備える。そして、前記画像形成ユニット本体65は、像担持体としての感光体ドラム25、該感光体ドラム25の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ24、前記感光体ドラム25の表面に形成された潜像としての静電潜像に前記トナー27を付着させて現像する現像器66、トナー像が転写された後の感光体ドラム25の表面に残留したトナー27を現像剤担持体としての現像ローラ22に回収するクリーニング部材としてのクリーニングローラ26等を備える。
【0020】
また、前記現像器66は、感光体ドラム25に当接させて回転自在に配設され、トナー27を担持し、前記静電潜像にトナー27を付着させて現像し、トナー像を形成する前記現像ローラ22、現像ローラ22に当接させて回転自在に配設され、トナー27を帯電させて現像ローラ22に供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ21、及び先端を現像ローラ22に当接させて配設され、現像ローラ22上に均一な厚さの現像剤層としてのトナー層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード23を備える。なお、前記画像形成ユニット本体65の筐体36は、アッパフレーム37及びベースフレーム38を備える。
【0021】
前記感光体ドラム25は、導電性の金属シャフトにエピクロルヒドリンゴム等の半導電性のゴムを被覆することによって、ロール状に形成される。また、前記帯電ローラ24は、アルミニウム等から成る導電性基層及び有機感光体から成る表層によって構成される。そして、前記現像ローラ22は、導電性の金属シャフトにシリコーン等の半導電性ゴムを被覆することによってロール状に形成される。さらに、前記トナー供給ローラ21は、トナー27の搬送性を向上させるために、導電性の金属シャフトに、混練時に発泡剤が添加された樹脂を被覆することによってロール状に形成される。
【0022】
前記画像形成ユニット本体65の上には、感光体ドラム25と対向させて前記LEDヘッド17が配設され、該LEDヘッド17は、感光体ドラム25の表面を露光して静電潜像を形成する。また、画像形成ユニット本体65の下には、感光体ドラム25と対向させて前記転写ローラ70が配設され、該転写ローラ70は、感光体ドラム25上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
【0023】
そして、前記用紙搬送路における定着器60より下流側に排出ローラ13〜16が配設され、定着器60を通過した用紙Pは、排出ローラ13〜16によって搬送され、前記装置本体外に排出され、前記トップカバー28上に積載される。
【0024】
また、前記トナーカートリッジ19には、操作部としてのレバー部29が揺動自在に配設され、該レバー部29を矢印A方向に回動させることによって、インナーケース31が矢印B方向に回動させられ、トナー排出口32が開放される。そして、トナー27は、第1の開口部としての、かつ、現像剤供給口としてのトナー供給口33を通り、画像形成ユニット本体65内の現像剤保持空間としてのトナー保持空間20に供給される。
【0025】
該トナー保持空間20に供給されたトナー27は、トナー供給ローラ21の回転に伴って現像ローラ22に供給され、該現像ローラ22上において、現像ブレード23によってトナー27の薄膜が形成される。
【0026】
前記構成のプリンタ61において、前述されたように、感光体ドラム25の表面が、帯電ローラ24によって一様に帯電させられ、第2の開口部としての受光口34を介して、LEDヘッド17によって発生させられた光39により照射され、静電潜像が形成される。そして、前記現像ローラ22上のトナー27が前記静電潜像に付着させられ、トナー像が形成される。
【0027】
そして、ホッピングローラ67によって1枚ずつ繰り出された用紙Pは、前記レジストローラ68、69を介して搬送され、画像形成ユニット64と転写ローラ70との間に送られ、第3の開口部としての転写口35において、感光体ドラム25と当接させられる。このとき、転写ローラ70は、トナー像を用紙Pに転写する。
【0028】
また、トナー像が転写された用紙Pは、前記定着器60に送られ、定着器60において、トナー像は、加熱され、加圧されて用紙Pに定着させられ、画像が形成される。続いて、用紙Pは、排出ローラ13〜16によって搬送され、前記装置本体外に排出され、前記トップカバー28上に積載される。
【0029】
転写が行われた後の感光体ドラム25の表面に残留したトナー27は、前記クリーニングローラ26によって掻き取られた後、再び感光体ドラム25に付着させられ、感光体ドラム25の回転に伴って搬送され、前記現像ローラ22に回収される。このとき、トナー27が受光口34を通過する際にLEDヘッド17に付着するのを防止するために、受光口34と感光体ドラム25との間に金属板から成る現像剤付着防止部材としてのトナー付着防止部材81が配設され、該トナー付着防止部材81に電荷が加えられる。
【0030】
次に、前記画像形成ユニット64の前記筐体36について説明する。
【0031】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるアッパフレームの斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第1の詳細図、図5は本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第1の断面図である。
【0032】
アッパフレーム37は、合成樹脂によって成形され、成形と同時に形成された前記受光口34及びトナー供給口33を備える。受光口34は、長手方向(画像形成ユニット64の軸方向)に延びる孔から成る。そして、成形プロセス時に、所定の箇所、本実施の形態においては、受光口34の長手方向における中央部に、補強部としての、かつ、連結要素としての連結リブ40が形成され、該連結リブ40は、互いに対向する辺、本実施の形態においては、長辺側の縁部34a、34b間に架設される。
【0033】
そのために、前記縁部34a、34bの長手方向における中央部に、切欠部としての凹部44a、44bが受光口34を外側に拡大するように形成され、前記凹部44a、44b内において、縁部34a、34bと連結リブ40とが連結される。また、縁部34a、34bと連結リブ40とが連結される連結部に、切欠溝によって局部的に断面積が小さくされた破断部45a、45bが形成される。図5に示されるように、該破断部45a、45bの厚さは、連結リブ40の厚さhより小さくされる。なお、前記破断部45a、45bは、凹部44a、44b内、すなわち、前記縁部34a、34bにおける凹部44a、44bが形成されていない部分より外側に形成される。
【0034】
また、トナー供給口33も、長手方向(画像形成ユニット64の軸方向)に延びる孔から成る。そして、成形プロセス時に、所定の箇所、本実施の形態においては、トナー供給口33の長手方向における中央部に、補強部としての、かつ、連結要素としての連結リブ41が形成され、該連結リブ41は、互いに対向する辺、本実施の形態においては、長辺側の縁部33a、33b間に架設される。
【0035】
そのために、前記縁部33a、33bの長手方向における中央部に、切欠部としての凹部42a、42bがトナー供給口33を外側に拡大するように形成され、前記凹部42a、42b内において、縁部33a、33bと連結リブ41とが連結される。また、縁部33a、33bと連結リブ41とが連結される連結部に、切欠溝によって局部的に断面積が小さくされた破断部48a、48bが形成される。該破断部48a、48bの厚さは、連結リブ41の厚さhより小さくされる。なお、前記破断部48a、48bは、凹部42a、42b内、すなわち、前記縁部33a、33bにおける凹部42a、42bが形成されていない部分より外側に形成される。
【0036】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるベースフレームの斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第2の詳細図、図8は本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第2の断面図である。
【0037】
ベースフレーム38は、合成樹脂によって成形され、成形と同時に形成された転写口35を備える。該転写口35は、長手方向(画像形成ユニット64の軸方向)に延びる孔から成る。そして、成形プロセス時に、所定の箇所、本実施の形態においては、転写口35の長手方向における中央部に、補強部としての、かつ、連結要素としての連結リブ43が形成され、該連結リブ43は、互いに対向する辺、本実施の形態においては、長辺側の縁部35a、35b間に架設される。
【0038】
そのために、前記縁部35a、35bの長手方向における中央部に、切欠部としての凹部46a、46bが転写口35を外側に拡大するように形成され、前記凹部46a、46b内において、縁部35a、35bと連結リブ43とが連結される。また、縁部35a、35bと連結リブ43とが連結される連結部に、切欠溝によって局部的に断面積が小さくされた破断部47a、47bが形成される。図8に示されるように、該破断部47a、47bの厚さは、連結リブ43の厚さより小さくされる。なお、前記破断部47a、47bは、凹部46a、46b内、すなわち、前記縁部35a、35bにおける凹部46a、46bが形成されていない部分より外側に形成される。
【0039】
ところで、前述されたように、アッパフレーム37の成形プロセス時には、受光口34に連結リブ40が、トナー供給口33に連結リブ41が形成され、ベースフレーム38の成形プロセス時には、転写口35に連結リブ43が形成される。したがって、成形プロセスにおける冷却工程時に、アッパフレーム37及びベースフレーム38に変形、反り等が発生するのを防止することができる。
【0040】
そこで、冷却工程が完了し、アッパフレーム37及びベースフレーム38の収縮が安定した後、連結リブ40、41、43、又は破断部45a、45b、48a、48b、47a、47bに治具等によって衝撃を加えると、破断部45a、45b、48a、48b、47a、47bは、断面積が小さくされているので、応力が集中し、容易に破断する。したがって、連結リブ40、41、43を容易に除去することができる。
【0041】
図9は本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の画像形成ユニットを示す第1の斜視図、図10は本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の受光口の状態を示す断面図、図11は本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の画像形成ユニットを示す第2の斜視図、図12は本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の転写口の状態を示す断面図である。
【0042】
前述されたように、アッパフレーム37において、破断部45a、45bは、縁部34a、34bにおける凹部44a、44bが形成されていない部分より外側に、破断部48a、48bは、縁部33a、33bにおける凹部42a、42b(図1)が形成されていない部分より外側に形成されるので、連結リブ40、41が除去された後に、受光口34に残った破断部45a、45bの残留片によって光39の照射が遮られたり、トナー供給口33に残った破断部48a、48bの残留片によってトナー27の供給が妨げられたりすることがない。
【0043】
また、ベースフレーム38において、破断部47a、47b(図7及び8)は、縁部35a、35bにおける凹部46a、46bが形成されていない部分より外側に形成されるので、連結リブ43が除去された後に、転写口35に残った破断部47a、47bの残留片によって感光体ドラム25が傷付けられたり、用紙搬送路が塞がれたり、トナー像の転写が妨げられることがない。
【0044】
なお、本実施の形態において、連結リブ40、41、43は印字領域に形成されるが、連結リブを印字領域外に形成することができる。その場合、所定の部品をアッパフレーム37、ベースフレーム38等に組み込む際に、連結リブが前記部品に当たることによって除去されるように、連結リブの位置が設定される。例えば、感光体ドラム25をベースフレーム38に組み込むのに伴って、連結リブが感光体ドラム25の所定の箇所に当たり、そのとき、連結リブに加わる力によって連結リブを除去することができる。
【0045】
このように、本実施の形態においては、成形プロセス時に、受光口34、トナー供給口33及び転写口35に連結リブ43が形成されるので、成形プロセスにおける冷却工程時に、筐体36(図3)に変形、反り等が発生するのを防止することができる。したがって、受光口34、トナー供給口33及び転写口35の周辺の所定の部位が感光体ドラム25に接触することがなくなるので、前記部位が感光体ドラム25を傷付けたり、用紙搬送路を塞いだり、感光体ドラム25の表面の照射を遮ったりするのを防止することができるだけでなく、筐体36とトナーカートリッジ19との間からトナー27が漏れるのを防止することができる。その結果、用紙Pに確実に画像を形成することができ、画像品位を向上させることができる。
【0046】
また、破断部45a、45bは、縁部34a、34bにおける凹部44a、44bが形成されていない部分より外側に、破断部48a、48bは、縁部33a、33bにおける凹部42a、42bが形成されていない部分より外側に、破断部47a、47bは、縁部35a、35bにおける凹部46a、46bが形成されていない部分より外側に形成されるので、連結リブ40、41、43が除去された後に、光39の照射が遮られたり、トナー27の供給が妨げられたり、感光体ドラム25が傷付けられたり、用紙搬送路が塞がれたり、トナー像の転写が妨げられることがない。
【0047】
なお、本実施の形態において、連結リブ40、41、43は、受光口34、トナー供給口33及び転写口35にそれぞれ一つずつ形成されるようになっているが、受光口34、トナー供給口33及び転写口35にそれぞれ複数形成することができる。
【0048】
また、本実施の形態において、連結リブ40、41、43は、冷却工程が完了した後、除去されるようになっているが、必要に応じて、除去することなく、残しておくことができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0050】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるアッパフレームの斜視図、図14は本発明の第2の実施の形態における連結リブの配設状態を示す詳細図、図15は本発明の第2の実施の形態における連結リブの配設状態を示す断面図である。
【0051】
この場合、補強部としての、かつ、連結要素としての連結リブ40、41、43は同じ構造を有するので、連結リブ41についてだけ説明する。
【0052】
本実施の形態においては、アッパフレーム37の成形プロセス時に、縁部33a、33bと連結リブ41とが連結される連結部に、切欠溝によって局部的に断面積が小さくされた破断部53a、53bが形成される。該破断部53a、53bの厚さは、連結リブ41の厚さより小さく、かつ、破断部53a、53bのうちの一方、本実施の形態においては、破断部53aの厚さは、破断部53bの厚さより小さくされる。
【0053】
この場合、連結リブ41又は破断部53aに、治具等によって衝撃を加えると、破断部53aは、断面積が小さくされているので、応力が集中し、容易に破断する。したがって、連結リブ41を容易に除去することができる。なお、破断部54bは、破断部53aより厚くされるので、破断しない。
【0054】
図16は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図、図17は本発明の第2の実施の形態におけるリブ受け部の周辺の拡大図である。
【0055】
現像剤としてのトナー27(図3)を収容するための現像剤収容器としてのトナーカートリッジ19には、画像形成ユニット本体65に取り付けられときに、前記連結リブ41と対応する位置、本実施の形態においては、ベースフレーム38の長手方向(画像形成ユニット64の軸方向)における中央部に、ベースフレーム38と隣接させて、凹部から成るリブ受け部55が形成され、該リブ受け部55によって、除去された後の連結リブ41を収容することができるようになっている。そのために、リブ受け部55の幅は、連結リブ41の幅よりわずかに広く、リブ受け部55の長さは、連結リブ41の長さよりわずかに広くされる。
【0056】
また、前記リブ受け部55内には、所定の箇所に、トナーカートリッジ19を対応する画像形成ユニット本体65以外の画像形成ユニット、例えば、仕様の異なる画像形成ユニットに誤って装着するのを防止するためのロックアウト用の干渉部材としての突起56が形成され、該突起56には、根元に断面積が局部的に小さくされた破断部57が形成される。なお、仕様に応じて、出荷時には、突起56は、破綻部57から治具等によってあらかじめ除去されていたり、除去せずに残してあったりする。
【0057】
図18は本発明の第2の実施の形態における連結リブが除去された状態を示す図、図19は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジが画像形成ユニット本体に取り付けられた状態を示す第1の図、図20は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジが画像形成ユニット本体に取り付けられた状態を示す第2の図である。
【0058】
除去された連結リブ41は、まず、図18に示されるように、上方に折り曲げられる。そして、トナーカートリッジ19を画像形成ユニット本体65に取り付ける場合、図19に示されるように、リブ受け部55に形成された突起56があらかじめ除去されているので、連結リブ41と突起56とは干渉することがなく、トナーカートリッジ19を画像形成ユニット本体65に円滑に取り付けることができるが、図20に示されるように、突起56が残ったまま、トナーカートリッジ19を画像形成ユニット本体65に取り付けようとすると、連結リブ41と突起56とが干渉してしまう。したがって、トナーカートリッジ19を画像形成ユニット本体65に取り付けることができないようにすることができる。
【0059】
なお、前記連結リブ41の数を多くしたり、連結リブ41の折曲げの方向を変更したりすることによって、更に多くの仕向け、仕様等に対応することができる。
【0060】
本実施の形態においては、トナーカートリッジ19に突起56を形成し、連結リブ41と突起56とを干渉させるようにしているが、連結リブ41とリブ受け部55が形成されないトナーカートリッジ19とを干渉させることによって、トナーカートリッジ19を画像形成ユニット本体65に取り付けることができないようにすることができる。
【0061】
このように、本実施の形態においては、連結リブ41をロックアウト用として使用することができるので、例えば、仕様の異なるプリンタのトナーカートリッジを誤って装着した場合にトナーの漏れが発生するのを防止することができる。また、本実施の形態をカラーのプリンタに適用した場合、各色ごとにロックアウトを設定しておくことによって、異なる色のトナーカートリッジを画像形成ユニット本体65に誤って装着するのを防止することができるので、画像品位を向上させることができる。
【0062】
なお、本実施の形態においては、連結リブ41を折り曲げてロックアウト用として使用するようになっているが、連結リブ41を完全にアッパフレーム37から切断し、所定の箇所に取り付けることによって、ロックアウト用として使用することができる。
【0063】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0064】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるアッパフレームの斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの配設状態を示す概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第1の詳細図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第1の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるベースフレームの斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第2の詳細図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における連結リブの配設状態を示す第2の断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の画像形成ユニットを示す第1の斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の受光口の状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の画像形成ユニットを示す第2の斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における連結リブを除去した後の転写口の状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるアッパフレームの斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における連結リブの配設状態を示す詳細図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における連結リブの配設状態を示す断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるリブ受け部の周辺の拡大図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における連結リブが除去された状態を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジが画像形成ユニット本体に取り付けられた状態を示す第1の図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジが画像形成ユニット本体に取り付けられた状態を示す第2の図である。
【符号の説明】
【0066】
17 LEDヘッド
25 感光体ドラム
33 トナー供給口
34 受光口
33a、33b、34a、34b、35a、35b 縁部
35 転写口
36 筐体
40、41、43 連結リブ
64 画像形成ユニット
65 画像形成ユニット本体
70 転写ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)像担持体を備えた画像形成ユニット本体と、
(b)該画像形成ユニット本体の上方に配設され、前記像担持体の表面を照射して露光する露光装置と、
(c)前記画像形成ユニット本体の下方に配設され、前記像担持体の表面に形成された現像剤像を転写する転写部材とを有するとともに、
(d)前記画像形成ユニット本体の筐体は少なくとも一つの開口部を備え、
(e)該開口部における対向する縁部間に連結要素が架設されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
(a)前記各縁部に凹部が形成され、
(b)前記連結要素は、前記凹部内において前記各縁部と連結される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記連結要素は、前記各縁部との連結部に、断面積が小さくされた破断部を備える請求項2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記開口部は、前記露光装置によって発生させられた光を像担持体に照射するための受光口である請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記開口部は、前記現像剤像を媒体に転写するための転写口である請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
(a)前記画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、現像剤を収容するための現像剤収容器を有するとともに、
(b)前記開口部は、前記現像剤収容器から現像剤を画像形成ユニット本体内に供給するための現像剤供給口である請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記連結要素は、前記像担持体を画像形成ユニット本体に取り付ける際に除去される請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記連結要素は、ロックアウト用として使用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
(a)現像剤収容器から現像剤が供給される第1の開口部と、
(b)感光体ドラムを露光するために露光装置から照射された光を受けるための第2の開口部と、
(c)前記感光体ドラム上に形成された現像剤像を媒体に転写するための第3の開口部とを有するとともに、
(d)前記第1〜3の開口部のうちのいずれか1つ以上の開口部は、少なくとも1対以上の対向する辺を連結する連結要素を少なくとも1つ以上備え、
(e)前記連結要素は、連結する辺に形成された凹部において連結されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成ユニットが搭載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−78850(P2010−78850A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246488(P2008−246488)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】