説明

画像形成方法、画像形成装置、印刷指示装置、冊子及びプログラム

【課題】冊子の見栄えを良くする。
【解決手段】冊子80を構成する複数の用紙の、冊子80の綴じ側81と反対側である小口側82の端部から冊子80の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に、付加画像を順次スライスした画像が複数の用紙の綴じ順に印刷されている。Z方向に沿って、冊子80を構成する複数の用紙を繰る形態に冊子80を湾曲させると、冊子80の小口側82の紙端の重なり部分に、第1章、第2章、第3章という付加画像が現れるが、冊子80を湾曲させていない状態では、冊子80の小口側82の側面に画像が現れることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法、画像形成装置、印刷指示装置、冊子及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の用紙を綴じて形成される冊子の綴じ側と反対側である小口側の端面に見出し等の文字が現れるように、各ページの小口側の端部に文字を分割して印刷する技術が用いられている。このような例は、辞書等の書籍において見られる手法である。
【0003】
冊子に十分な厚さがない場合には、複数の用紙を繰る形態に冊子を湾曲させ、冊子全体を反らせた際に、冊子の小口側の紙端の重なり部分に文字が現れるように、各ページの小口側の端部に文字を分割して印刷するものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
図19に、従来の見出し文字の印刷例を示す。図19に示すように、冊子100を構成する複数の用紙の端部に、見出し文字からなる付加画像を分割した画像が印刷されているため、複数の用紙を繰る形態に冊子100を湾曲させた際に、冊子100の綴じ側101と反対側である小口側102の紙端の重なり部分に「第1章」という見出し文字が現れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7349651号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術のように、各用紙の端部に付加画像を分割した画像を印刷した場合、図20に示すように、冊子100を湾曲させていない状態において、冊子100の小口側102の側面に何らかの画像が見えてしまい、見栄えの悪い状態となっていた。
【0007】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、冊子の見栄えを良くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成方法は、制御部により、付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成する工程と、印刷部により、前記生成された画像を前記複数の用紙に印刷する工程と、を含む。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成方法において、前記冊子の小口側の端部は、前記複数の用紙の小口側の紙端である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成方法において、前記冊子の小口側の端部は、前記複数の用紙において断裁処理後の小口側の紙端を見込んだ位置である。
【0011】
請求項4に記載の画像形成装置は、付加画像を取得する取得部と、前記取得された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、印刷部を制御して前記生成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部と、を備える。
【0012】
請求項5に記載の印刷指示装置は、付加画像を設定するための操作部と、前記設定された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、当該生成された画像の印刷を指示する印刷指示情報を生成する制御部と、前記生成された印刷指示情報を画像形成装置に送信する送信部と、を備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、複数の用紙を綴じて形成された冊子であって、前記複数の用紙の当該冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に、付加画像を順次スライスした画像が前記複数の用紙の綴じ順に印刷されている冊子である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、コンピュータを、付加画像を取得する取得部、前記取得された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、印刷部を制御して前記生成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、コンピュータを、付加画像を設定するための操作部、前記設定された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、当該生成された画像の印刷を指示する印刷指示情報を生成する制御部、前記生成された印刷指示情報を画像形成装置に送信する送信部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、4、5、6、7、8に記載の発明によれば、スライスされた付加画像のそれぞれが、冊子の小口側の端部から冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置されるので、冊子の見栄えを良くすることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、複数の用紙の小口側の紙端から予め定められた幅だけ内側に、スライスされた付加画像を配置することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、複数の用紙において断裁処理後の小口側の紙端を見込んだ位置から予め定められた幅だけ内側に、スライスされた付加画像を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態における画像形成システムのシステム構成図である。
【図2】クライアントPCの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】クライアントPCの表示部に表示される印刷設定画面の例である。
【図4】第1の実施の形態のクライアントPCにより生成される印刷データの構成を示す図である。
【図5】画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】クライアントPCにおいて実行される第1の印刷指示処理を示すフローチャートである。
【図7】画像形成装置において実行される第1の印刷処理を示すフローチャートである。
【図8】合成画像生成処理を示すフローチャートである。
【図9】見出し画像の例である。
【図10】見出し画像をスライスしたスライス画像の例である。
【図11】スライス画像を本文画像に合成した合成画像の例である。
【図12】作成された冊子の例である。
【図13】冊子を湾曲させた際の「第1章」の見出し部分の部分拡大図である。
【図14】湾曲させていない状態の冊子の例である。
【図15】第2の実施の形態のクライアントPCにより生成される印刷データの構成を示す図である。
【図16】クライアントPCにおいて実行される第2の印刷指示処理を示すフローチャートである。
【図17】印刷データ生成処理を示すフローチャートである。
【図18】画像形成装置において実行される第2の印刷処理を示すフローチャートである。
【図19】従来の見出し文字の印刷例である。
【図20】従来の冊子を湾曲させていない状態の例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図14を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態における画像形成システム1のシステム構成を示す。図1に示すように、画像形成システム1は、クライアントPC(Personal Computer)10と、画像形成装置20とから構成されており、各装置は、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0021】
クライアントPC10は、一般的なPCから構成され、画像形成装置20における印刷を指示する印刷指示装置である。クライアントPC10には、OS(Operating System)や、印刷する文書を作成するための文書作成プログラムがインストールされている。また、クライアントPC10には、作成した文書の印刷指示や印刷する文書の印刷方法の指定を行うためのプリンタドライバプログラムがインストールされている。クライアントPC10は、このプリンタドライバの機能を用いて、印刷実行時に適用される各種設定情報62(図4参照)や本文画像データ61(図4参照)等を含む印刷データ60(図4参照)を生成し、画像形成装置20に送信する。
【0022】
画像形成装置20は、コピー機能、画像読取機能、プリンタ機能を備えた、所謂MFP(Multi-Function Peripheral)であって、画像データに基づいて用紙に画像を形成する。画像形成装置20には、クライアントPC10から送信された印刷データ60を受信し、ラスタデータへ展開するためのプリンタコントローラプログラムがインストールされている。
【0023】
図2に、クライアントPC10の機能的構成を示す。図2に示すように、クライアントPC10は、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶部17を備え、各部はバス18により接続されて構成されている。
【0024】
CPU11は、クライアントPC10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU11は、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信した指示信号に応じて、ROM15又は記憶部17に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM16に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0025】
CPU11は、記憶部17からプリンタドライバプログラムを読み出してRAM16に展開し、当該プログラムとの協働により、印刷データ60を生成し、画像形成装置20における印刷を指示する。
【0026】
操作部12は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU11に出力する。
【0027】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種表示画面等を表示する。
【0028】
通信部14は、通信ネットワークNを介して接続された画像形成装置20等の外部機器との間でデータの送受信を行うための機能部である。
【0029】
ROM15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU11により実行される各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。
【0030】
RAM16は、CPU11により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0031】
記憶部17は、ハードディスク等から構成され、プリンタドライバプログラム等の各種プログラム、画像データ等の各種データを記憶する記憶装置である。
【0032】
クライアントPC10では、画像形成装置20において付加画像の印刷を行うための設定が行われる。付加画像は、複数の用紙を綴じて形成される冊子の複数の用紙を繰る形態に冊子を湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に現れるように、複数の用紙に分割して印刷される。本実施の形態では、付加画像として、見出し画像を用いる場合を例にして説明する。見出し画像は、冊子を構成する複数のページを複数の区分に区分けした場合に、各区分に対応する見出しとして設定された画像である。なお、付加画像は、見出し画像に限らず、冊子のタイトルや作成者を示す画像であってもよいし、文字、数字、記号、符号、図形等であってもよい。
【0033】
ここで、クライアントPC10における曲げ見出し印刷の設定について説明する。曲げ見出し印刷とは、複数の用紙を綴じて形成される冊子の複数の用紙を繰る形態に冊子を湾曲させた際に当該冊子の小口側の紙端の重なり部分に見出し画像が現れるように、複数の用紙に印刷を行うことをいう。曲げ見出し印刷の設定は、クライアントPC10のプリンタドライバ機能において、印刷対象となる文書等の印刷を指示する際に行われる。
【0034】
図3に、クライアントPC10のCPU11とプリンタドライバプログラムとの協働により表示部13に表示される印刷設定画面40の例を示す。印刷設定画面40には、用紙サイズ指定領域41、排紙トレイ指定領域42、両面設定領域43、曲げ見出し機能チェックボックス44、ページ範囲指定領域45a,45b,45c,45d、見出し指定領域46a,46b,46c,46d、用紙端からの印刷位置指定領域47、単位指定領域48、フォント名指定領域49、フォントサイズ指定領域50、文字背景指定領域51、OKボタン52等が含まれる。
【0035】
用紙サイズ指定領域41は、用紙サイズを指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、用紙サイズ指定領域41のプルダウンメニューにおいて、A4、A3等の中から印刷を行う用紙サイズを指定する。
【0036】
排紙トレイ指定領域42は、印刷後の用紙を排出する排紙トレイを指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、排紙トレイ指定領域42のプルダウンメニューにおいて、メイントレイ、サブトレイ等の中から排紙トレイを指定する。
【0037】
両面設定領域43は、片面印刷を行うか、両面印刷を行うかを指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、両面設定領域43のプルダウンメニューにおいて、片面又は両面を指定する。
【0038】
曲げ見出し機能チェックボックス44は、曲げ見出し印刷を行うか否かを設定するためのものである。ユーザは、曲げ見出し印刷を行う場合には、操作部12からの操作により、曲げ見出し機能チェックボックス44をオンに設定する。
【0039】
ページ範囲指定領域45a,45b,45c,45dは、冊子を構成する複数のページを複数の区分に区分けした各区分に対応するページ範囲を指定するための領域である。ページ範囲は、各区分が文書中の何ページから何ページまでかを示すものである。ユーザは、操作部12からの操作により、ページ範囲指定領域45a,45b,45c,45dのそれぞれにおいて、各区分に対応するページ範囲(開始ページ及び終了ページ)を指定する。
【0040】
見出し指定領域46a,46b,46c,46dは、各区分に対応する見出しを指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、見出し指定領域46a,46b,46c,46dのそれぞれにおいて、各区分に対応する見出しを指定する。
【0041】
図3は、1ページから20ページまでの範囲を「第1章」という区分、21ページから40ページまでの範囲を「第2章」という区分、41ページから60ページまでの範囲を「第3章」という区分に指定した場合の例である。
【0042】
用紙端からの印刷位置指定領域47は、見出し画像の印刷位置を、冊子の小口側の辺と垂直な方向における冊子の小口側の端部からの距離(以下、シフト幅という。)で指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、用紙端からの印刷位置指定領域47において、シフト幅を指定する。
【0043】
単位指定領域48は、シフト幅の単位を指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、単位指定領域48のプルダウンメニューにおいて、ドット、mm等の中からシフト幅の単位を指定する。
【0044】
シフト幅は、用紙サイズ、紙種、綴じ方にもよるが、例えば、A4サイズの普通紙の場合には、0より大きく数mm程度までの値を指定することができる。ドットを単位としてシフト幅を指定する場合には、1ドット以上とする。また、指定可能なシフト幅の下限値及び上限値を予め定めておき、範囲外の値は指定できないようにしてもよいし、又は、範囲外の値が指定された場合には警告を発するようにしてもよい。
【0045】
フォント名指定領域49は、見出しに使用されるフォント名を指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、フォント名指定領域49のプルダウンメニューにおいて、フォント名を指定する。
【0046】
フォントサイズ指定領域50は、見出しのフォントサイズを指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、フォントサイズ指定領域50のプルダウンメニューにおいて、フォントサイズを指定する。
【0047】
文字背景指定領域51は、見出しの背景の有無を指定するための領域である。ユーザは、操作部12からの操作により、文字背景指定領域51のプルダウンメニューにおいて、見出しに背景を付与するか否かを指定する。
【0048】
なお、ページ範囲指定領域45a,45b,45c,45d、見出し指定領域46a,46b,46c,46d、用紙端からの印刷位置指定領域47、単位指定領域48、フォント名指定領域49、フォントサイズ指定領域50、文字背景指定領域51における設定内容は、曲げ見出し機能チェックボックス44がオンに設定されている場合にのみ有効となる。
【0049】
OKボタン52は、印刷設定画面40において設定された内容を確定するためのボタンである。
【0050】
クライアントPC10のプリンタドライバ機能において、操作部12からの操作により、印刷が指示された場合、CPU11は、印刷データ(PDLデータ)60を生成し、画像形成装置20に送信する。
【0051】
図4に、クライアントPC10により生成される印刷データ60の構成を示す。印刷データ60には、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文画像データ61及び各種設定情報62が含まれ、曲げ見出し印刷が設定された場合には、さらに、見出し画像データ63が含まれる。
【0052】
本文画像データ61には、各ページの本文画像データが含まれる。
各種設定情報62には、用紙サイズ設定、排紙トレイ設定、両面設定等が含まれ、曲げ見出し印刷が設定された場合には、さらに、曲げ見出し設定が含まれる。曲げ見出し設定には、各区分のページ範囲及びシフト幅(単位を含む。)が含まれる。
見出し画像データ63には、各区分の見出し画像データが含まれる。CPU11は、見出し指定領域46a,46b,46c,46dにおいて指定された見出し、フォント名指定領域49において指定されたフォント名、フォントサイズ指定領域50において指定されたフォントサイズ、文字背景指定領域51において指定された背景の有無に基づいて、各区分の見出し画像データを生成する。
【0053】
図5に、画像形成装置20の機能的構成を示す。図5に示すように、画像形成装置20は、CPU21、操作部22、表示部23、画像読取部24、通信部25、ROM26、RAM27、印刷部28、記憶部29、後処理部30を備え、各部はバス31により接続されて構成されている。
【0054】
CPU21は、画像形成装置20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部25により受信した指示信号に応じて、ROM26又は記憶部29に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM27に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0055】
CPU21は、記憶部29からプリンタコントローラプログラムを読み出してRAM27に展開し、当該プログラムとの協働により、印刷部28を制御して、クライアントPC10から受信した印刷データ60に従った印刷を行わせる。
【0056】
操作部22は、数字キーやスタートキー、リセットキー等の各種キーを有し、押下されたキーの押下信号をCPU21に出力する。また、操作部22は、表示部23と一体的に形成されたタッチパネルを備えており、ユーザの指先やタッチペン等により当接されたタッチパネル上の位置を検出して、位置信号をCPU21に出力する。
【0057】
表示部23は、LCD等により構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、操作部22からの入力指示やデータ等を表示する。
【0058】
画像読取部24は、原稿画像を読み取って画像データを生成する所謂スキャナであり、原稿を載置するプラテンガラス、プラテンガラス上の原稿画像を走査し、これをCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ上に結像する走査光学系を備えている。画像読取部24は、CCDイメージセンサで読み取った原稿画像に基づいて生成された画像信号をA/D変換して画像データを生成する。
【0059】
通信部25は、通信ネットワークNを介して接続されたクライアントPC10等の外部機器との間でデータの送受信を行うための機能部である。例えば、通信部25は、見出し画像データ63を含む印刷データ60を取得する。
【0060】
ROM26は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21により実行される各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。
【0061】
RAM27は、CPU21により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0062】
印刷部28は、電子写真方式、静電記録方式、熱転写方式等の作像プロセスを利用して用紙上に画像を印刷する。例えば、印刷部28は、感光体、転写ベルト、定着器、各種搬送ベルト等を備える。印刷部28は、CPU21の指示に従い、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷する。
【0063】
記憶部29は、ハードディスク等の記憶装置であり、プリンタコントローラプログラム等の各種プログラム、通信部25によりクライアントPC10から受信された印刷データ60、画像読取部24により読み取られた画像データ等を記憶する。
【0064】
後処理部30は、印刷後の用紙のソート処理を行うソートユニット、パンチ処理を行うパンチユニット、設定された綴じ位置にステープル処理を行うステープルユニット、折り処理を行う折りユニット、断裁処理を行う断裁ユニット等を備える。
【0065】
CPU21は、通信部25により取得された印刷データ60の見出し画像データ63に含まれる各区分の見出し画像データをラスタライズし、各区分に対応する見出し画像を生成する。CPU21は、各区分に対応する見出し画像を順次スライスする。CPU21は、通信部25により取得された印刷データ60の本文画像データ61に含まれる各ページの本文画像データをラスタライズし、各ページに対応する本文画像を生成する。
【0066】
CPU21は、スライスされた見出し画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅(印刷データ60の各種設定情報62の曲げ見出し設定に含まれるシフト幅)だけ内側に配置した画像を生成する。なお、スライスされた見出し画像の長手方向と、冊子の小口側の辺の方向とは一致している。具体的には、CPU21は、スライスされた見出し画像のそれぞれを、各ページに対応する本文画像の、冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に配置して合成画像を生成する。ここで、冊子の小口側の端部は、複数の用紙の小口側の紙端である。
【0067】
CPU21は、印刷部28を制御して、生成された合成画像を複数の用紙に印刷させる。
【0068】
次に、クライアントPC10における動作について説明する。
図6は、クライアントPC10において実行される第1の印刷指示処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と記憶部17に記憶されているプリンタドライバプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0069】
まず、CPU11により、表示部13に印刷設定画面40が表示され、ユーザの操作部12からの操作に基づいて、各種設定が行われる(ステップS1)。曲げ見出し印刷の指示を行う場合には、曲げ見出し設定が行われる。
【0070】
具体的には、ユーザは、操作部12からの操作により、用紙サイズ指定領域41において用紙サイズを指定し、排紙トレイ指定領域42において排紙トレイを指定し、両面設定領域43において片面又は両面を指定する。用紙サイズ指定領域41、排紙トレイ指定領域42、両面設定領域43の設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0071】
また、ユーザは、曲げ見出し印刷を行う場合には、操作部12からの操作により、曲げ見出し機能チェックボックス44をオンに設定する。曲げ見出し機能チェックボックス44がオンに設定された場合には、ユーザは、操作部12からの操作により、ページ範囲指定領域45a,45b,45c,45dにおいて各区分に対応するページ範囲を指定し、見出し指定領域46a,46b,46c,46dにおいて各区分に対応する見出しを指定し、用紙端からの印刷位置指定領域47においてシフト幅を指定し、単位指定領域48においてシフト幅の単位を指定し、フォント名指定領域49においてフォント名を指定し、フォントサイズ指定領域50においてフォントサイズを指定し、文字背景指定領域51において見出しの背景の有無を指定する。これらの設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0072】
次に、操作部12からの操作により、印刷が指示された場合、CPU11により、ステップS1において設定された情報に基づいて、本文画像データ61、各種設定情報62を含む印刷指示情報としての印刷データ(PDLデータ)60が生成される(ステップS2)。曲げ見出し印刷を行う場合には、CPU11により、見出し指定領域46a,46b,46c,46dにおいて指定された見出し、フォント名指定領域49において指定されたフォント名、フォントサイズ指定領域50において指定されたフォントサイズ、文字背景指定領域51において指定された背景の有無に基づいて、各区分の見出し画像データが生成される。この場合、印刷データ60には、さらに、各区分の見出し画像データからなる見出し画像データ63が含まれ、各種設定情報62には、曲げ見出し設定が含まれる。
【0073】
次に、CPU11により、印刷データ60が通信部14を介して画像形成装置20に送信される(ステップS3)。
以上で、第1の印刷指示処理が終了する。
【0074】
次に、画像形成装置20における動作について説明する。
図7は、画像形成装置20において実行される第1の印刷処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21と記憶部29に記憶されているプリンタコントローラプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0075】
まず、画像形成装置20において、通信部25により、クライアントPC10から送信された印刷データ60が受信される(ステップS11)。
【0076】
次に、CPU21により、受信された印刷データ60が解析される(ステップS12)。
【0077】
次に、CPU21により、合成画像生成処理が行われる(ステップS13)。
ここで、図8を参照して、合成画像生成処理について説明する。
まず、CPU21により、印刷データ60の各種設定情報62に曲げ見出し設定が含まれるか否かが判断される(ステップS21)。印刷データ60の各種設定情報62に曲げ見出し設定が含まれると判断された場合には(ステップS21;YES)、CPU21により、見出し画像データ63に含まれる各区分の見出し画像データがラスタライズされ、複数の各区分に対応する見出し画像が生成される(ステップS22)。見出し画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図9に、見出し画像70の例を示す。
【0078】
次に、CPU21により、ラスタライズされた見出し画像が、予め定められた方向に順次スライスされる(ステップS23)。この際、CPU21により、各種設定情報62の曲げ見出し設定に含まれる各区分のページ範囲に基づいて、各見出し画像は、当該見出し画像に対応する区分に属する用紙の枚数に分割される。スライスされた見出し画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。図10に、図9に示す見出し画像70を縦方向にスライスしたスライス画像70a,70b,70c,70dを示す。
【0079】
次に、CPU21により、本文画像データ61に含まれる各ページの本文画像データがラスタライズされ、複数の本文画像が生成される(ステップS24)。本文画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0080】
次に、CPU21により、印刷データ60の各種設定情報62の曲げ見出し設定に含まれる各区分のページ範囲及びシフト幅に基づいて、複数の区分毎に、各区分のページ範囲に属する各本文画像の、冊子の小口側の端部から冊子の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に、スライスされた見出し画像のそれぞれが配置され、合成画像が生成される(ステップS25)。この際、CPU21により、スライスされた見出し画像の長手方向と、冊子の小口側の辺に沿った方向とが一致するように、スライスされた見出し画像のそれぞれが配置される。また、本文画像に対して、スライスされた見出し画像が合成される縦方向(冊子の小口側の辺に沿った方向)の位置は、例えば、用紙の縦幅を区分の数で等分し、区分の順序に従って順次シフトさせた位置とする。合成画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0081】
図11に、スライス画像70a,70b,70c,70dを本文画像71a,71b,71c,71dに合成した合成画像の例を示す。図11に示すように、スライス画像70a,70b,70c,70dは、本文画像71a,71b,71c,71dの冊子の小口側の端部から冊子の小口側の辺と垂直な方向(図11に示すX方向)にシフト幅Wだけ内側に配置される。また、スライス画像70a,70b,70c,70dの長手方向と、冊子の小口側の辺に沿った方向(図11に示すY方向)とは一致している。また、同一区分の見出し画像70を分割したスライス画像70a,70b,70c,70dは、冊子の小口側の辺に沿った方向(図11に示すY方向)において、同じ位置に配置される。
【0082】
ステップS21において、印刷データ60の各種設定情報62に曲げ見出し設定が含まれないと判断された場合には(ステップS21;NO)、CPU21により、本文画像データ61に含まれる各ページの本文画像データがラスタライズされ、複数の本文画像が生成される(ステップS26)。本文画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0083】
ステップS25又はステップS26の後、合成画像生成処理は終了し、図7のステップS14に移行する。
【0084】
図7に戻り、CPU21により印刷部28が制御され、各ページに対応するラスタデータに基づいて、本文画像が用紙に印刷される(ステップS14)。本文画像にスライスされた見出し画像が合成されているページについては、スライスされた見出し画像が合成された本文画像が印刷される。
【0085】
次に、CPU21により後処理部30が制御され、印刷後の複数の用紙に対して後処理が行われる(ステップS15)。具体的には、後処理部30により、複数の用紙が綴じられ、冊子が作成される。
以上で、第1の印刷処理が終了する。
【0086】
図12に、作成された冊子80の例を示す。冊子80は、冊子80を構成する複数の用紙の、冊子80の綴じ側81と反対側である小口側82の端部から冊子80の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に、見出し画像を順次スライスした画像が複数の用紙の綴じ順に印刷されている。図12に示すZ方向に沿って、冊子80を構成する複数の用紙を繰る形態に冊子80を湾曲させると、冊子80の小口側82の紙端の重なり部分に、第1章、第2章、第3章の見出し画像が現れる。
【0087】
図13は、冊子80を湾曲させた際の「第1章」の見出し部分の部分拡大図である。「第1章」という見出し画像をスライスした画像のそれぞれが、用紙83a,83b,83c,83dの紙端からシフト幅Wだけ内側に印刷されている。このため、図14に示すように、冊子80を湾曲させていない状態では、冊子80の小口側82の側面に画像が現れることがない。
【0088】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、スライスされた見出し画像のそれぞれが、冊子の小口側の端部から冊子の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に配置されるので、冊子を湾曲させていない状態では冊子の小口側の側面に画像が現れることがなく、冊子の見栄えを良くすることができる。
【0089】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像形成システムは、第1の実施の形態に示した画像形成システム1と同様の構成であるため、図1、図2及び図5を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。また、図3に示した印刷設定画面40は、第2の実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。また、第2の実施の形態においても、付加画像として、見出し画像を用いる場合を例にして説明する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0090】
第1の実施の形態では、画像形成装置20において見出し画像をスライスし、スライスされた見出し画像を本文画像と合成する場合について説明したが、第2の実施の形態は、クライアントPC10において見出し画像をスライスし、スライスされた見出し画像を本文画像と合成する場合の例である。
【0091】
クライアントPC10のプリンタドライバ機能において、操作部12からの操作により、印刷が指示された場合、CPU11は、印刷設定画面40(図3参照)において設定された見出し画像を順次スライスし、当該スライスされた見出し画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅(用紙端からの印刷位置指定領域47において指定されたシフト幅)だけ内側に配置した画像を生成し、生成された画像の印刷を指示する印刷指示情報としての印刷データ(PDLデータ)90(図15参照)を生成する。なお、スライスされた見出し画像の長手方向と、冊子の小口側の辺の方向とは一致している。具体的には、CPU11は、スライスされた見出し画像のそれぞれを、各ページに対応する本文画像の、冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に配置した画像をPDLコマンドにより記述する。ここで、冊子の小口側の端部は、複数の用紙の小口側の紙端である。
【0092】
そして、CPU11は、通信部14を介して印刷データ90を画像形成装置20に送信する。
【0093】
図15に、クライアントPC10により生成される印刷データ90の構成を示す。印刷データ90には、複数のページのそれぞれの印刷内容を示す本文画像データ91及び各種設定情報92が含まれる。印刷データ90は、PDLコマンドにより記述されており、本文画像にスライスされた見出し画像が合成される場合には、このスライスされた見出し画像を合成するというコマンドも印刷データ90の本文画像データ91に含まれる。
【0094】
本文画像データ91には、各ページの本文画像データが含まれる。
各種設定情報92には、用紙サイズ設定、排紙トレイ設定、両面設定等が含まれる。
【0095】
次に、クライアントPC10における動作について説明する。
図16は、クライアントPC10において実行される第2の印刷指示処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と記憶部17に記憶されているプリンタドライバプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0096】
まず、CPU11により、表示部13に印刷設定画面40(図3参照)が表示され、ユーザの操作部12からの操作に基づいて、各種設定が行われる(ステップT1)。曲げ見出し印刷の指示を行う場合には、曲げ見出し設定が行われる。
【0097】
具体的には、ユーザは、操作部12からの操作により、用紙サイズ指定領域41において用紙サイズを指定し、排紙トレイ指定領域42において排紙トレイを指定し、両面設定領域43において片面又は両面を指定する。用紙サイズ指定領域41、排紙トレイ指定領域42、両面設定領域43の設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0098】
また、ユーザは、曲げ見出し印刷を行う場合には、操作部12からの操作により、曲げ見出し機能チェックボックス44をオンに設定する。曲げ見出し機能チェックボックス44がオンに設定された場合には、ユーザは、操作部12からの操作により、ページ範囲指定領域45a,45b,45c,45dにおいて各区分に対応するページ範囲を指定し、見出し指定領域46a,46b,46c,46dにおいて各区分に対応する見出しを指定し、用紙端からの印刷位置指定領域47においてシフト幅を指定し、単位指定領域48においてシフト幅の単位を指定し、フォント名指定領域49においてフォント名を指定し、フォントサイズ指定領域50においてフォントサイズを指定し、文字背景指定領域51において見出しの背景の有無を指定する。これらの設定内容は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0099】
次に、操作部12からの操作により、印刷が指示された場合、CPU11により、ステップT1において設定された情報に基づいて、印刷データ生成処理が行われる(ステップT2)。
【0100】
ここで、図17を参照して、印刷データ生成処理について説明する。
まず、CPU11により、印刷設定画面40において設定された設定内容に曲げ見出し設定が含まれるか否かが判断される(ステップT11)。具体的には、CPU11により、印刷設定画面40の曲げ見出し機能チェックボックス44がオンに設定されたか否かが判断される。印刷設定画面40において設定された設定内容に曲げ見出し設定が含まれると判断された場合には(ステップT11;YES)、CPU11により、印刷設定画面40の見出し指定領域46a,46b,46c,46dにおいて指定された各区分の見出し、フォント名指定領域49において指定されたフォント名、フォントサイズ指定領域50において指定されたフォントサイズ、文字背景指定領域51において指定された背景の有無に基づいて、各区分に対応する複数の見出し画像が展開される(ステップT12)。展開された見出し画像のデータは、CPU11により、RAM16に格納される。
【0101】
次に、CPU11により、展開された見出し画像が、予め定められた方向に順次スライスされる(ステップT13)。この際、CPU11により、印刷設定画面40のページ範囲指定領域45a,45b,45c,45dにおいて指定された各区分のページ範囲に基づいて、各見出し画像は、当該見出し画像に対応する区分に属する用紙の枚数に分割される。スライスされた見出し画像のデータは、CPU11により、RAM16に格納される。
【0102】
次に、CPU11により、各ページの本文画像がPDLコマンドにより記述され、印刷データ90が生成される(ステップT14)。生成された印刷データ90は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0103】
次に、CPU11により、印刷設定画面40のページ範囲指定領域45a,45b,45c,45dにおいて指定された各区分のページ範囲、用紙端からの印刷位置指定領域47において指定されたシフト幅に基づいて、複数の区分毎に、各区分のページ範囲に属する各本文画像の、冊子の小口側の端部から冊子の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に、スライスされた見出し画像のそれぞれを配置して合成するコマンドが印刷データ90に追加される(ステップT15)。この際、CPU11により、スライスされた見出し画像の長手方向と、冊子の小口側の辺に沿った方向とが一致するように、各本文画像に、スライスされた見出し画像のそれぞれを配置して合成するコマンドが印刷データ90に追加される。また、本文画像に対して、スライスされた見出し画像が合成される縦方向(冊子の小口側の辺に沿った方向)の位置は、例えば、用紙の縦幅を区分の数で等分し、区分の順序に従って順次シフトさせた位置とする。スライスされた見出し画像のそれぞれを合成するコマンドが追加された印刷データ90は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0104】
ステップT11において、印刷設定画面40において設定された設定内容に曲げ見出し設定が含まれないと判断された場合には(ステップT11;NO)、CPU11により、各ページの本文画像がPDLコマンドにより記述され、印刷データ90が生成される(ステップT16)。生成された印刷データ90は、CPU11により、RAM16に格納される。
【0105】
ステップT15又はステップT16の後、印刷データ生成処理は終了する。そして、図16に戻り、CPU11により、印刷データ90が通信部14を介して画像形成装置20に送信される(ステップT3)。
以上で、第2の印刷指示処理が終了する。
【0106】
次に、画像形成装置20における動作について説明する。
図18は、画像形成装置20において実行される第2の印刷処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21と記憶部29に記憶されているプリンタコントローラプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0107】
まず、画像形成装置20において、通信部25により、クライアントPC10から送信された印刷データ90が受信される(ステップT21)。
【0108】
次に、CPU21により、受信された印刷データ90が解析される(ステップT22)。
【0109】
次に、CPU21により、印刷画像生成処理が行われる(ステップT23)。具体的には、CPU21により、印刷データ90の解析結果に基づいて、各種設定情報92に従って、本文画像データ91に含まれる各ページの本文画像データがラスタライズされ、複数の本文画像が生成される。本文画像にスライスされた見出し画像が合成されている場合には、このスライスされた見出し画像を合成するというコマンドが印刷データ90の本文画像データ91に含まれているため、画像形成装置20では、通常のラスタライズ処理を行えばよい。本文画像のラスタデータは、CPU21により、RAM27に格納される。
【0110】
次に、CPU21により印刷部28が制御され、各ページに対応するラスタデータに基づいて、本文画像が用紙に印刷される(ステップT24)。
【0111】
次に、CPU21により後処理部30が制御され、印刷後の複数の用紙に対して後処理が行われる(ステップT25)。具体的には、後処理部30により、複数の用紙が綴じられ、冊子が作成される。
以上で、第2の印刷処理が終了する。
【0112】
冊子の仕上がり状態は、図12〜図14を用いて説明した冊子80と同様であるため、説明を省略する。
【0113】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、スライスされた見出し画像のそれぞれが、冊子の小口側の端部から冊子の小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側に配置されるので、冊子を湾曲させていない状態では冊子の小口側の側面に画像が現れることがなく、冊子の見栄えを良くすることができる。
【0114】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置、印刷指示装置、冊子の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0115】
例えば、スライスされた見出し画像は、複数の用紙において断裁処理後の小口側の紙端を見込んだ位置、すなわち、最終的に紙端となる位置から小口側の辺と垂直な方向にシフト幅だけ内側にずらした位置に印刷することとしてもよい。その場合、画像形成装置20において、スライスされた見出し画像は、断裁される用紙の幅の分だけさらに内側に印刷され、印刷後、後処理部30において断裁処理が行われる。
【0116】
また、上記各実施の形態では、印刷設定画面40の用紙端からの印刷位置指定領域47において、ユーザがシフト幅を指定することとしたが、画像形成装置20において、用紙の端まで印刷することができない場合等には、シフト幅を画像形成装置20において印刷し得る小口側の境界位置から紙端までの距離とする等、固定値とすることとしてもよい。
【0117】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM又はハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 画像形成システム
10 クライアントPC
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 ROM
16 RAM
17 記憶部
18 バス
20 画像形成装置
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 画像読取部
25 通信部
26 ROM
27 RAM
28 印刷部
29 記憶部
30 後処理部
31 バス
40 印刷設定画面
41 用紙サイズ指定領域
42 排紙トレイ指定領域
43 両面設定領域
44 曲げ見出し機能チェックボックス
45a,45b,45c,45d ページ範囲指定領域
46a,46b,46c,46d 見出し指定領域
47 用紙端からの印刷位置指定領域
48 単位指定領域
49 フォント名指定領域
50 フォントサイズ指定領域
51 文字背景指定領域
52 OKボタン
60 印刷データ
61 本文画像データ
62 各種設定情報
63 見出し画像データ
70 見出し画像
70a,70b,70c,70d スライス画像
71a,71b,71c,71d 本文画像
80 冊子
81 綴じ側
82 小口側
90 印刷データ
91 本文画像データ
92 各種設定情報
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部により、付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成する工程と、
印刷部により、前記生成された画像を前記複数の用紙に印刷する工程と、
を含む画像形成方法。
【請求項2】
前記冊子の小口側の端部は、前記複数の用紙の小口側の紙端である、
請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記冊子の小口側の端部は、前記複数の用紙において断裁処理後の小口側の紙端を見込んだ位置である、
請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項4】
付加画像を取得する取得部と、
前記取得された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、印刷部を制御して前記生成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項5】
付加画像を設定するための操作部と、
前記設定された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、当該生成された画像の印刷を指示する印刷指示情報を生成する制御部と、
前記生成された印刷指示情報を画像形成装置に送信する送信部と、
を備える印刷指示装置。
【請求項6】
複数の用紙を綴じて形成された冊子であって、
前記複数の用紙の当該冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に、付加画像を順次スライスした画像が前記複数の用紙の綴じ順に印刷されている冊子。
【請求項7】
コンピュータを、
付加画像を取得する取得部、
前記取得された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、印刷部を制御して前記生成された画像を前記複数の用紙に印刷させる制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
付加画像を設定するための操作部、
前記設定された付加画像を順次スライスし、当該スライスされた付加画像のそれぞれを、複数の用紙を綴じて形成されるべき冊子の小口側の端部から当該冊子の小口側の辺と垂直な方向に予め定められた幅だけ内側に配置した画像を生成し、当該生成された画像の印刷を指示する印刷指示情報を生成する制御部、
前記生成された印刷指示情報を画像形成装置に送信する送信部、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−205113(P2010−205113A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51732(P2009−51732)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】