説明

画像形成装置、および画像形成方法

【課題】消去装置により部分的に劣化した用紙を再利用して画像を形成した場合であっても、高品質の画像形成が可能な画像形成装置、および画像形成方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、画像形成装置は、再利用される記録媒体が、消去された画像領域である劣化領域毎に識別して収納される複数の記録媒体収納部と、画像データを取得する取得部と、この取得された画像データから記録媒体へ印刷する際の印刷領域を判別する印刷領域判別部と、この印刷領域判別部で判別された印刷領域と対応する前記劣化領域を含まない記録媒体が収納された記録媒体収納部を前記複数の記録媒体収納部から選択する選択部と、この選択部で選択された記録媒体収納部から供給される記録媒体に前記取得部で取得した画像データを印刷する印刷部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、消去可能な記録材を用いて印刷された用紙の画像を消去し、再利用を行う画像形成装置、および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減、CO2排出量低減のため、紙の消費量を減らす必要性が高まってきている。このため、消去可能な記録材を用いて用紙に画像を形成し、一度形成された用紙に熱や光を加えて画像を消去することで用紙の再利用を図る画像形成装置が知られている。
【0003】
また、このような消去可能な記録材を用いて形成された画像を消去装置で消去する際、消去装置に通す用紙の通紙回数を計数し、所定の回数を超えた用紙に対してはジャムの原因となることから再利用を禁止する装置も知られている。
【0004】
しかしながら、このような画像形成装置と消去装置とを組み合わせて、紙の再利用をはかりつつ用紙への物理的なストレス、例えば、折り目やしわといった用紙のダメージによるジャムの発生を低減することはできるものの、部分的に劣化した用紙に印刷を行うことにより印字品質が低下するという問題は依然残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−268409号公報
【特許文献2】特開平7−234617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、消去装置に用紙を通すことにより部分的に劣化した用紙を再利用して画像を形成した場合であっても、高品質の画像形成が可能な画像形成装置、および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、画像形成装置は、再利用される記録媒体が、消去された画像領域である劣化領域毎に識別して収納される複数の記録媒体収納部と、画像データを取得する取得部と、この取得された画像データから記録媒体へ印刷する際の印刷領域を判別する印刷領域判別部と、この印刷領域判別部で判別された印刷領域と対応する前記劣化領域を含まない記録媒体が収納された記録媒体収納部を前記複数の記録媒体収納部から選択する選択部と、この選択部で選択された記録媒体収納部から供給される記録媒体に前記取得部で取得した画像データを印刷する印刷部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る記録紙に記録される印刷領域を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る劣化領域の位置を示す図である。
【図5】記録媒体収納部に収納される記録紙を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成処理を示すフローチャートである。
【図7】印刷領域から記録紙を選択するテーブルの内容を説明するための図である。
【図8】本実施の形態に係る消去処理を示すフローチャートである。
【図9】劣化領域パターンの種類を識別するフローチャートである。
【図10】劣化領域を識別するテーブルの内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示す断面図である。画像形成装置である複合機(以下MFPと記す)100は、自動原稿送り装置11にセットされた原稿を1枚ずつ搬送しながら、あるいは、図示しないプラテンにセットされた原稿を光学的に読み取り画像データを生成する原稿読取部10と、搬送された記録媒体としての記録紙PにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを図示しないインクヘッドから吐出し、画像を印刷する印刷部20と、記録媒体収納部である給紙トレイ31乃至35の一つから給紙される記録紙Pを印刷部20へ搬送する記録紙搬送部30と、ネットワークを介して接続された外部端末、例えばPC(パーソナルコンピュータ)から送信された印刷データを受信する外部情報入力部40とを備える。また、MFP100は、消去可能な記録材としての消去可能インクで印刷された記録紙Sを収納する消去用紙トレイ50と、この消去用紙トレイ50から供給された記録紙Sに所定温度の熱をかけて画像を消去する消去部52と、消去部52の消去用紙搬送方向の上流に配置され、画像が消去される前の記録面を読み取り、または、過去に所定の消去装置で消去された画像領域を印字領域ログ情報として独自コードやバーコード、QRコードなどで記録紙Sに記録された管理コードを読み取る画像読取部であるスキャナ51とを備える。消去部50で画像が消去された記録紙は、後述する劣化領域の識別結果に基づいて給紙先となる記録紙トレイ31乃至35の一つに図示しない用紙振り分け機構を備えた収納給紙部60を介して格納される。
【0011】
図2は、図1に示すMFP100の機能ブロック図で、図1に示す構成と同じ部分については同じ番号を付す。図2に示すように、MFP100は、システム全体を統括制御する制御部1を備え、制御部1は、MFPの画像形成動作を制御するCPU2、制御プログラムを記憶し、また、原稿読取部で読み取った画像データを蓄積するHDD(Hard Disc Drive)、その他に各種設定データ、パラメータをテーブルとして保存したりワークメモリとして機能するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される記憶装置3、後述する各デバイスに接続される演算I/O部4、および、CPU2の制御のもと、記憶装置3に記憶されたプログラムを読み出して実行される機能実行部5を備える。
【0012】
演算I/O部4は、デバイスとしての原稿読取部10、印刷部20、記録紙搬送部30、記録媒体収納部としての給紙トレイ31乃至35、外部情報入力部40、消去用紙トレイ50、画像読取部51、消去部52、収納給紙部60にそれぞれ接続され、制御部1からの命令を各デバイスに送信し、また、各デバイスからの情報を制御部1に通知したり、各デバイス間での情報、データの受け渡しを行う。
【0013】
機能実行部5は、原稿読取部10で読み取った原稿の画像データ、または、外部情報入力部40を介して受信した印刷データ等の画像データを取得する取得部6と、この取得部6で取得された画像データから記録紙Pへ印刷する際の印刷領域を判別する印刷領域判別部7と、後述する条件のもと記録紙Pが収納された給紙トレイ31乃至35の一つを選択する選択部8と、消去可能インクで印刷された記録紙Sの消去される画像を予め定められた画像領域単位で劣化領域として識別する劣化領域識別部9を備える。
【0014】
図3は、本実施の形態における記録媒体としての記録紙に画像が印刷される印刷領域を示すものである。具体的には、1ページの記録紙に対して印刷領域1から印刷領域3までの3つの領域に分割し、原稿読取部10で読み取られた原稿の画像データや外部情報入力部40から入力された印刷データが、この印刷領域1から印刷領域3のどの領域に印刷されるかを表すものである。なお、印刷の対象となる画像がどの領域に印刷されるかを判定する方法については後で説明する。
【0015】
図4は、本実施の形態における記録材としての消去可能インクで印刷された領域であって、消去の対象となる画像が印刷されている領域のパターンを示すものである。言い換えると、記録紙Sを給紙して消去部52で画像が消去される消去領域(以降、この消去される領域を劣化領域と記す)のパターンを示したものと言える。ここで言う劣化とは、消去後の記録紙を再利用して印刷を行った場合に起こりうる画像の劣化を意味し、例えば、消去部で行われる消去は熱により色素自体は消色されるものの記録材そのものは記録紙に残っており、この部分に再度印刷が行われると印刷のカスレや滲みが生じる恐れがある。また、印刷、消去を繰り返していくと消去性能が低下し、記録紙に若干ながら印刷画像が残るようになる。従い、ここでは、劣化の原因となる消去前の印刷レベル、特に、印刷時の画像濃度がある一定のレベルよりも高く、また面積が大きい場合に劣化の可能性のある領域として劣化領域と称している。
【0016】
この劣化領域もまた、図3で示した3分割の印刷領域に対応させて上段、中段、下段の3つの領域に分割される。この劣化領域の組み合わせからなる劣化領域パターンは、図4に示すように、何れの領域にも劣化が認められないものをパターン1とし、下段のみに劣化領域があるものをパターン2、中段から下段にかけて劣化があるものをパターン3とする。また、中段のみに劣化があるものをパターン4とし、上段と下段に劣化があるものをパターン5とする。上段から下段の全面に渡って劣化がある場合は、記録紙としての再利用に適さないことから、図示しない廃棄トレイに分別排出する等して以降の処理の対象とはしない。なお、劣化領域のパターンを識別する方法については後で詳しく説明する。
【0017】
次に、図5を用いて記録媒体収納部とそこに収納される記録紙との関係を説明する。図5は、記録媒体収納部である各給紙トレイに収納される記録紙の劣化パターンを示したもので、どの給紙トレイにどの劣化パターンの記録紙を収納するかは、ユーザが図示しない操作パネルから任意に設定することができる。ここでは、給紙トレイ31に劣化領域パターン1を持つ記録紙が収納され、給紙トレイ32に劣化領域パターン2を持つ記録紙が収納され、給紙トレイ33に劣化領域パターン3を持つ記録紙が収納され、給紙トレイ34に劣化領域パターン4を持つ記録紙が収納され、給紙トレイ35に劣化領域パターン5を持つ記録紙が収納されている。また、この対応関係を示すデータは記憶装置3にテーブルとして保持される。
【0018】
図6は、本実施の形態に係る画像形成処理を示すフローチャートである。図6に示すように、MFP100は、制御部1のCPU2の制御のもと、記憶装置3に記憶されたプログラムが実行される。先ず、原稿読取部10で読み取った原稿の画像データ、または、外部情報入力部40を介して受信した印刷データをビットマップに展開して得られた画像データを取得し(ACT1)、取得した画像データに対して印刷用の画像処理を実行しながら、印刷の領域を判別する。印刷領域を判別する方法としては、例えば、この取得された画像データを二値化し、二値化により得られた二値化画像における連結画素毎の外接矩形領域を処理対象の画像領域として特定し、この特定した各画像領域を座標情報と関連づけることで印刷の対象とされる画像領域が、図3に示す領域1、領域2、領域3、領域1+領域2、領域1+領域3、領域2+領域3、領域1+領域2+領域3のうちの何れに位置するかを判別する(ACT2)。次に、CPU2は、図7に示す、印刷領域と劣化領域パターンの選択順序を記憶したテーブルを参照してACT2で判別した印刷領域を含まない劣化領域パターンを選択し、さらに、この選択した劣化領域パターンを持つ記録紙が収納された給紙トレイを図5の用紙収納テーブルを参照して選択する(ACT3)。次に、記録紙搬送部30は、選択された記録紙トレイに収納されている記録紙を印刷部20に搬送し(ACT4)、印刷部20は所定の画像処理が施された画像データを搬送された記録紙に印刷する(ACT5)。
【0019】
ここで、図7に示す印刷領域と劣化領域パターンの選択順序について、印刷領域1に画像を印刷する場合を例に、図4の劣化領域パターンを参照しながら説明する。先ず、印刷領域1に画像を印刷する場合、最初に劣化領域パターン3の記録紙が選択される。劣化領域パターン3は、中段から下段にかけて劣化があるもので、画像の印刷が印刷領域1、すなわち、記録紙の上部分のみに印刷される限りにおいては、例え記録紙の中段、下段の領域が劣化していたとしても印刷画像の品質に影響されないためである。一方、最初に選択される劣化領域パターン3の記録紙がなかった場合には、劣化領域パターン4の記録紙が次の候補として選択される。次に、劣化領域パターン4の記録紙がなかった場合には、劣化領域パターン2の記録紙が選択され、さらに、劣化領域パターン2の記録紙がなかった場合には、最後に劣化領域パターン1の記録紙が選択される。このように、劣化領域パターンの選択は、記録紙を再利用する場合の効率を考慮して最も無駄の印刷領域が発生しないものから順に選択される。また、図7に示す残りの印刷領域、すなわち、印刷領域2から領域1+領域2+領域3に至るまで、同様の手順で劣化領域パターンの選択が行われる。
【0020】
一方、印刷領域3に画像を印刷する場合には、劣化領域パターン3(以降のパターン4、パターン2も同様)の記録紙を選択しただけでは下段の劣化領域に画像が印刷されてしまうため、さらに画像データを180度回転させている。これにより、印刷を劣化領域のない上段に行うことができる。この他に画像を180度回転させるものとしては、領域2+領域3に印刷する場合に劣化領域パターン2を選択した場合がある。このように、画像を180度回転させることにより、記録紙の搬送方向を印刷部の上流で反転させる機構を必要とせず、装置が大型化したり高価になることを防止できる。
【0021】
次に、本実施の形態における消去部を利用して画像を消去し、画像を消去した記録紙を劣化領域パターンに応じて用紙収納部へ仕分けして収納する方法について図8から図10を用いて説明する。
【0022】
図8は、本実施の形態における記録材としての消去可能インクで印刷された記録紙から画像を消去する処理を示すフローチャートである。消去可能インクで印刷された記録紙Sは、ユーザによって消去用紙トレイ50に収納され、次に、図示しない開始ボタンが操作されることにより処理が実行される。
【0023】
消去用紙トレイ50に収納された消去用記録紙Sは、1枚ずつ消去部52に向かって搬送される(ACT11)。搬送された消去用記録紙Sは、一旦、スキャナ51で画像が読み取られ、後述する劣化領域の識別方法に従って劣化領域が識別される(ACT12)。劣化領域の識別結果は、先に説明した劣化領域パターン1から劣化領域パターン5の何れかに分類される。次に、消去用記録紙Sは、所定の温度に加熱された消去部52を通過することで画像が消去され(ACT13)、画像が消去された記録紙は収納給紙部60へ送られる(ACT14)。収納給紙部60は、ACT12で識別された劣化領域に従って、記録媒体収納部としての給紙トレイ31から35の何れに収納するかを図5のテーブルを参照して決定され、対応する給紙トレイに格納する(ACT15)。
【0024】
図9は、画像読取部であるスキャナ51でスキャンした画像を元に、画像消去が行われる際の劣化領域のパターンを識別するフローチャートである。また、識別にあたっては、図10に示す識別値と劣化領域パターンを予め記憶装置3に記憶したテーブルを用いる。
【0025】
フローが開始されると、最初に識別値に0を代入し、各フラグの初期化を行う(ACT21)。次に、分割領域として3分割された上段の画像を読み込む(ACT22)。読み込んだ画像信号は、輝度を表すRGB信号であるため、濃度情報を示すCMYK画像に変換し(ACT23)、変換されたCMYK画像を各プレーンに分解すると共に各画素値の合計値を算出する(ACT24)。ここで、各画素値の合計値がある閾値1と比較され(ACT25)、閾値1よりも合計値が大きいと判断された場合は、読み込んだ画素を印刷画素としてカウントする。一方、閾値1よりも小さいと判断した場合は、画素としてカウントされない。閾値1の設定は、本実施の形態における消去可能インクを利用して印刷された画像を消去した場合に、消去後に画像劣化と見なされる画像濃度に応じて決定される。続いて、最初に選択された領域全画素について走査が完了したかを判断し(ACT27)、全画素の走査が完了するまで、印刷画素のカウントを繰り返す。
【0026】
次に、読み込んだ分割領域、ここでは上段に相当する領域の全画素数と、ACT26でカウントした印刷画素数の割合を算出する(ACT28)。その後、画素数の割合と予め設定された閾値2とを比較し(ACT29)、画素数の割合が閾値2よりも大きい場合、現在、処理を行っている領域が上段分割領域である場合には識別値に+1を代入し、中段分割領域の場合には+3を、また、下段分割領域である場合には+5を代入する(ACT30)。また、画素数の割合が閾値2よりも小さい場合には、識別値には点数が加算されず、そのままの値となる。閾値2の割合は、ある一定以上の濃度を持つ画素がその領域に占める面積の割合を示すもので、所定の面積を超える場合、識別値として点数が加算され、劣化領域があることを意味するものである。続けて、3分割された領域全てに対して読み込みが完了したかを判断し(ACT31)、全ての領域の読み込みが完了するまで識別値の加算を繰り返す。
【0027】
このようにして加算された識別値から、図10の劣化領域パターンと識別テーブルを用いて消去用記録紙の劣化領域を識別することができる。すなわち、識別値が0の時は劣化領域パターン1、識別値が1または5の時は劣化領域パターン2、識別値が4または8の時は劣化領域パターン3、識別値が3の時は劣化領域パターン4、識別値が6の時は劣化領域パターン5と識別される。
【0028】
本実施の形態における劣化領域パターンを識別する他の方法として管理コードを利用するものがある。例えば、過去に所定の消去装置で消去された画像領域を印字領域ログ情報として独自コードやバーコード、QRコードに変換して記録紙Sに記録させておき、これらの管理コードをスキャナ51で読み取る。この読み取ったコード読取情報を、演算I/O部4を介してCPU2へ送り、劣化領域情報を解析することで当該記録紙Sの劣化領域を識別することができる。さらに、図9に示す画像データを読み取る方法と、この管理コード情報を読み取る方法とを組み合わせ、最終劣化領域を判定することもできる。例えば、図10において劣化領域判定結果が劣化領域パターン2と判定され、印字ログ情報による結果が劣化パターン4であった場合、最終劣化領域はこの2つのパターンを合せた劣化パターン3とすることもできる。このように、過去の消去履歴情報を利用すれば、より確実に劣化領域を識別することができる。
【0029】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、印刷領域や劣化領域を3分割としているが、分割数は3分割以上としても良く、また、分割方向は記録紙搬送方向に対して副走査方向でも、主走査方向でも構わない。
【0030】
さらに、本実施の形態における印刷方式はインクジェット記録方式を用いているが、電子写真方式でもよく、その場合、消去可能インクに代わって、消去可能なトナーを使用すればよい。また、画像を消去する方法としては、熱を利用するものでも光を照射するものでも構わない。
【0031】
さらに、印刷領域を識別する方法として、図9に示す、劣化領域パターンを識別する方法を利用しても構わない。
【0032】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1…制御部
2…CPU
3…記憶装置
4…演算I/O部
6…取得部
7…印刷領域判別部
8…選択部
9…劣化領域識別部
20…印刷部
31−35…記録媒体収納部(給紙トレイ)
51…画像読取部(スキャナ)
52…消去部
60…収納給紙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用される記録媒体が、消去された画像領域である劣化領域毎に識別して収納される複数の記録媒体収納部と、
画像データを取得する取得部と、
この取得された画像データから記録媒体へ印刷する際の印刷領域を判別する印刷領域判別部と、
この印刷領域判別部で判別された印刷領域と対応する前記劣化領域を含まない記録媒体が収納された記録媒体収納部を前記複数の記録媒体収納部から選択する選択部と、
この選択部で選択された記録媒体収納部から供給される記録媒体に前記取得部で取得した画像データを印刷する印刷部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記選択部で選択される記録媒体収納部は、前記印刷領域と前記劣化領域との配置から所定の優先順位に基づいて選択される請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記選択部で選択される記録媒体収納部は、前記取得部で取得された画像データを回転して印刷した場合の印刷領域を前記劣化領域に含まない記録媒体を収納したものである請求項1あるいは2記載の画像形成装置。
【請求項4】
消去可能な記録材を用いて記録媒体に印刷された画像を消去する消去部と、
前記記録媒体の消去される画像を予め定められた画像領域単位で劣化領域として識別する劣化領域識別部と、
前記劣化領域識別結果に基づいて、前記複数の記録媒体収納部から選択されたひとつの前記記録媒体収納部に前記消去部で画像が消去された記録媒体を格納する収納給紙部とを備える請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録媒体に記録された画像を読み取る画像読取部を備えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記劣化領域識別部は、前記画像読取部で読み取った前記予め定められた画像領域での消去対象画像の濃度と面積により劣化領域を推定する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像データを取得し、
この取得された画像データから記録媒体へ印刷する際の印刷領域を判別し、
この判別された印刷領域と対応する、消去された画像領域である劣化領域を含まない記録媒体が収納された記録媒体収納部を複数の記録媒体収納部から選択し、
この選択された記録媒体収納部から供給される記録媒体に前記取得した画像データを印刷する画像形成方法。
【請求項8】
前記選択される記録媒体収納部は、前記印刷領域と前記劣化領域との配置から所定の優先順位に基づいて選択される請求項7記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記選択される記録媒体収納部は、前記取得された画像データを回転して印刷した場合の印刷領域を前記劣化領域に含まない記録媒体を収納したものである請求項7あるいは8記載の画像形成方法。
【請求項10】
消去可能な記録材を用いて記録媒体に印刷された画像を消去し、
前記記録媒体の消去される画像を予め定められた画像領域単位で劣化領域として識別し、
前記劣化領域識別結果に基づいて、前記複数の記録媒体収納部から選択されたひとつの前記記録媒体収納部に前記消去部で画像が消去された記録媒体を格納する請求項7記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記劣化領域の識別は、前記予め定められた画像領域での消去対象画像の濃度と面積により劣化領域を推定する請求項10記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−255671(P2011−255671A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91766(P2011−91766)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】