画像形成装置、サーバ装置、画像形成システム及び制御方法
【課題】ユーザに対してプリント出力のコスト意識を喚起するための機能が、低価格帯のMFPではこれまで十分に実現できていなかった。
【解決手段】アプリケーションサーバ103は、ホストからプリントジョブを受信すると、そのプリントジョブを留め置き、料金表を保存し、料金表と受信した印刷ジョブの設定情報によってプリントジョブの出力料金を計算する。その料金情報およびプリントジョブを、プリントジョブを出力する印刷装置に送信する。印刷装置は、受信した料金情報を操作部220に表示し、プリントジョブを出力するか否かを、ジョブ出力前にユーザに確認させる。
【解決手段】アプリケーションサーバ103は、ホストからプリントジョブを受信すると、そのプリントジョブを留め置き、料金表を保存し、料金表と受信した印刷ジョブの設定情報によってプリントジョブの出力料金を計算する。その料金情報およびプリントジョブを、プリントジョブを出力する印刷装置に送信する。印刷装置は、受信した料金情報を操作部220に表示し、プリントジョブを出力するか否かを、ジョブ出力前にユーザに確認させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアプリケーションサーバと連携してジョブの出力料金を表示する画像形成装置、画像形成システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機(MFP)などの画像形成装置においても省エネ/省コストに寄与する機能への要請が益々高まっている。そのために例えば、サーバにより印刷の料金を計算するシステムが提案されている。さらに、ユーザのPC端末から投入したジョブをサーバに一時格納し、印刷出力したい画像形成装置の操作部でそのユーザが所定の操作を行うことで、サーバに格納されたジョブを取得して印刷出力できるシステムも提案されている。このシステムでは、サーバは、料金表を管理しており、一時格納されたジョブの設定情報から、そのジョブを出力する際に必要な料金を計算する機能を持つ。画像形成装置でユーザが出力を指示する際には、画像形成装置が提供する画面において、サーバより取得した各ジョブを出力するのに必要な料金が表示される。例えば、サーバが計算した料金をユーザの携帯端末に提示するシステムが、特許文献1に記載されている。
【0003】
また、特許文献2では、ユーザ情報やジョブ情報をテーブルとして画像形成装置内に保持することで、セキュアなプリント出力を実現することが提示されている。特許文献2はさらに、利用料金等のユーザに関する情報を予め登録しておき、印刷時には印刷枚数をカウントして課金情報を記録するネットワークプリンタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−280869号公報
【特許文献2】特開2001−075751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今、導入コスト/メンテナンスコスト低減の観点から、高価格帯から低価格帯まで全て同一ベンダーの画像形成装置で、且つ同一アプリケーション環境で動作する印刷システムを求める顧客(ユーザ)が多い。
【0006】
しかしながら、前述したサーバと連携した機能を実現可能なのは、画像形成装置の操作部(UI)の表示能力や操作性が機能実現のために十分な水準にあり、且つオープンプラットフォームに対応した高価な画像形成装置に限られている。操作部の表示領域が1行のLCDであるような低価格の画像形成装置も、高価な画像形成装置と同じアプリケーション環境で動作することが望ましいが、UIやシステムの制約上、高価な画像形成装置と同じ機能を提供するのは困難である。結果として、サーバからジョブを取得して印刷する際に必要なコストをユーザに提供する機能もまた、低価格の画像形成装置では実現が困難であった。
【0007】
本発明は上記従来例に鑑みて成されたもので、表示能力が限られた画像形成装置によりサーバに格納された印刷ジョブを取得して実行する際に、その印刷に係るコストをユーザに提示可能な手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、例えば、以下の構成を備える。
【0009】
画像形成装置であって、プリントジョブを格納するサーバとの接続を制御する接続手段と、情報を表示し、また入力するための操作部と、前記サーバに対して、対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に対応して受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
あるいは、サーバと画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、
前記サーバは、プリントジョブを格納する格納手段と、画像形成装置から前記格納手段により格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信手段と、前記要求に応じて、前記格納手段により格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成手段と、前記作成手段により作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答手段と、前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段とを備え、
前記画像形成装置の少なくとも1つは、前記サーバとの接続を制御する接続手段と、情報を表示し、また入力するための操作部と、前記サーバに対して前記ジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信するジョブ情報の受信手段と、前記ジョブ情報の受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、表示能力が低く表示可能な情報量の少ない画像形成装置が含まれるシステムであっても、その画像形成装置によりサーバに格納された印刷ジョブを取得して実行する際に、ユーザに対してその印刷に係るコストを画像形成装置を通して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置が使用されるシステム構成図である。
【図3】アプリケーションサーバ103における価格設定の画面の一例を示す図である。
【図4】MFP101bの操作画面に表示される出力するジョブを選択する画面の一例を示す図である。
【図5】MFP101aの操作画面の一例を示す図である。
【図6】MFP101aの操作画面でプリント出力を得る際の操作手順の一例を示す図である。
【図7】MFP101aの操作画面に表示されるジョブの出力確認の画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態におけるMFPとアプリケーションサーバ103との処理のシーケンスを説明する図である。
【図9】MFP101aが出力確認の画面を表示する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】MFP101aの操作画面に表示される画面(ジョブ無し)の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るサーバ等の汎用コンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<ハードウェア構成>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態における画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。後述するMFP101a,101bは、各ハードウェアの機能や操作部における画面の大きさに違いがあるが、基本的には同様な構成を備えている。画像形成装置は、全体の制御を行うCPUを含むコントローラ200、処理や動作の設定を行うオペレーションパネルを備えた操作部220、画像処理のためのプロッタ222、原稿を読み取るスキャナ223などを含む。図1の装置はファクシミリ機能を持つため、ファクシミリ制御を行うファックス制御ユニット221も更に有する。
【0014】
コントローラ200には、MFP全体の制御を行うCPU201と、操作部I/F、CPUI/F、PCII/F、メモリコントローラ等を内蔵するコントローラ用ASIC202と、画像データを蓄積するHDD213と、PCIバス218を介して接続されているNB(ノースブリッジ)203を備えている。コントローラ200には更に、RAM211やROM212等も設けられている。NB203にはまた、シリアルバス204、ネットワークインタフェースカード(以下、NICと称する)205、USBデバイス206、IEEE802.11無線LANI/F207、IEEE1394I/F208、UBSケーブルを介してICカードリーダライタ230等を接続するためのUSBホスト209、メモリーカードI/F210等が接続される。
ファックス制御ユニット221、プロッタ222、スキャナ223そしてその他のハードウェアリソースとASIC202とはPCIバス218によって接続されている。
【0015】
CPU201は、NB203、PCIバス218、USBホスト209を介して、USBケーブルにてICカードリーダライタ230と接続されており、ICカードリーダライタ230に対してコマンドを送信することにより制御を行う。ICカード104へのアクセスは、ICカードリーダライタ230がICカード104と通信を行うことにより実現される。
【0016】
図11はサーバまたはクライアントと機能する汎用コンピュータ51のブロック図である。図11に示されているように、汎用コンピュータ51は処理部1000とこれに周辺装置を含めて全体が構成されている。汎用コンピュータ51の処理部1000は、プログラムを実行するCPU1001、システム構成要素を互いに接続するバス1002、CPU1001が実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時記憶するDRAM1003、システムバスとメモリバスとCPU1001とを接続するブリッジ1004を含む。さらに、処理部1000はHDD装置2002とのインタフェースを司るHDDコントローラ1006、キーボード2003とのインタフェースを司るキーボードコントローラ1007、NIC等、ネットワークとの間の通信I/F1008を備えている。
【0017】
さらに処理部1000にはグラフィックアダプタ1005を含んでいる。グラフィックアダプタ1005には、操作者にグラフィック情報等を表示する表示装置2001が接続されている。更に、プログラムやデータが格納された大容量記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)装置2002、キーボード2003が夫々コントローラを介して接続されている。
【0018】
図2は、本実施形態の情報処理装置と画像形成装置などで構成される画像形成システムの概略図である。本システムでは、複数の画像形成装置(MFP101a,MFP101b)と、PC端末102と、アプリケーションサーバ103とがネットワークを介して通信可能に接続されている。本実施形態においては、MFP101aが操作部において提供する画面(例えば、後述の図5)と、MFP101bが操作部において提供する画面(例えば後述の図4)とでは、その表示領域と内容が大きく異なる。これは、各MFPのおもに販売価格などに応じた設計であって、MFP101bはMFP101aより高価格で販売される。
【0019】
<サービスワークフローの概略>
ここで、本実施形態において、アプリケーションサーバ103が提供するサービスの1つである、ジョブ出力のワークフローは以下の通りである。まず、ユーザが自分のPC端末102からプリントジョブをアプリケーションサーバ103に対して投入する。アプリケーションサーバ103は、外部装置から投入されたプリントジョブを一旦、所定の記憶装置に留め置く。この際、アプリケーションサーバ103においては、投入を指示したユーザの識別情報がプリントジョブに関連付けられて格納される。一方で、アプリケーションサーバ103では、図3で示す、プリントジョブを実行して文書等を印刷する際にかかる料金の設定を行う画面を提供する。例えば図3では、料金表として、A4白黒印刷は1ページにつき2.00$、A4カラー印刷は1ページにつき6.00$、A5白黒印刷は1ページにつき1.00$といったページ単価が設定されている。ここで設定された料金表は、アプリケーションサーバ103で管理されることになる。ここでは、通貨単位としてドルを挙げているが、もちろんアプリケーションサーバ103の管理者により如何なる通貨単位にも対応可能である。また、アプリケーションサーバ103は複数の料金表を持つことも可能であり、例えばユーザ毎に料金表を使い分けることが可能である。
【0020】
次に、ユーザは、プリントジョブを出力したいMFPの所へ行き、ICカード104若しくは操作部から識別情報(あるいは認証キー)を入力する。入力情報に対してはMFPにより、あるいは通信を介してアプリケーションサーバ103により認証処理が行われる。認証が成功した場合には、ユーザはMFPを利用できるようになる。たとえば、MFPの操作部が認証以外の操作、たとえばプリントジョブの実行のための操作等を受け付けるようになる。
【0021】
<表示能力の高いMFPによる表示例>
ここで、大面積の表示画面を持つ操作部220やWebブラウザ(ウェブブラウザ)機能を持つなどといった表示能力の高い高価格帯のMFP101bであれば、図4に示すような画面が操作部に表示される。図4で示す画面には、アプリケーションサーバ103に、ログインユーザ名が"Administrator"で投入された3つのジョブを含むジョブリスト401が表示されている。ログインユーザとは認証されてログインしているユーザを指す。ログインユーザは、この画面を介して、所望のプリントジョブを選択して、特定の操作たとえば"Print+Delete"キーを選択することでMFP101bに対して出力指示を行える。選択したプリントジョブを対象プリントジョブと呼ぶ。選択された対象プリントジョブはアプリケーションサーバ103から読み出されて印刷出力される。MFP101bの処理としては、選択され、出力指示されたプリントジョブをアプリケーションサーバ103に対して要求することで取得し、取得したプリントジョブを実行して印刷出力することである。図4の画面では、アプリケーションサーバ103に投入された3つのプリントジョブのジョブ情報411−413が表示されている。具体的には、ジョブ情報にはジョブ名称、カラー情報、サイズ、ページ数、部数、及び料金が含まれる。ここで、料金に関してはアプリケーションサーバ103で管理されている料金表と、各プリントジョブのカラー情報、サイズ、ページ数、及び部数に基づいて決定され、決定された料金が表示される。
尚、MFP101bの表示は、アプリケーションサーバ103から提供されるHTMLデータなどの情報をもとに、MFP101b内に搭載されるWebブラウザにより行われてもよい。その際には、ユーザによる入力指示などに関しては、Webブラウザ経由で行われることになる。この場合には、サーバが提供するHTMLデータを表示するために、MFP101bにはクライアントコンピュータに準ずる表示能力が求められる。
【0022】
<表示能力の低いMFPによる表示例>
一方、低価格帯のMFP101aでは例えば図5のような操作部220を有する。操作部220には、Menuボタン500、1行分の文字列を表示する表示部501、上下左右キー502、OKキー503のような必要最低限のものしかない。このため、上述したようなMFP101bと同様の操作手順でユーザに印刷指示を行わせることは非常に困難である。なお本実施形態では、このように表示可能な情報量の少ないMFPのことを表示能力の低いMFPと呼ぶ。ここで、MFP101aにおける、アプリケーションサーバ103に投入されたプリントジョブを出力する際の操作部における操作手順を、図6〜7を用いて説明する。ここでは、先ほどの説明と同様に、ログインユーザ名"Administrator"のユーザがログインしたことを想定する。
【0023】
図6において、ログインしたユーザは、Menuボタン600を押下する。続いて下矢印キー601を押下し、Print My Jobs602を表示させる。続いてOKボタン603を押下する。この一連のユーザ操作により、MFP101aとネットワーク接続されたアプリケーションサーバ103に投入されているログインユーザの全てのプリントジョブを対象プリントジョブとして印刷指示できる。もしも1人のユーザが複数のプリントジョブを登録している場合には、たとえば表示602の後に、ジョブIDを矢印ボタン601の操作に応じて順番に表示してもよい。ただし本実施形態ではユーザ毎のプリントジョブを選択の単位としており、1人のユーザについて複数のプリントジョブが登録されている場合には、それら複数のプリントジョブがまとめて選択される。
【0024】
実行するプリントジョブが決定されたなら、MFP101aでは、図7に示すような出力確認画面を表示する。この画面には、アプリケーションサーバ103から受け取った情報が表示される。具体的には、ログイン中のユーザがアプリケーションサーバ103に投入したジョブの総数欄700と、それらジョブを出力するために必要な総料金701とが表示される。この例では、ユーザadministratorがオーナのプリントジョブは3つ(job A〜C)アプリケーションサーバ103投入されており、それらジョブの出力に7.00$必要であることが示されている。ここで、ユーザがOKボタン702を押下することで合意の指示を入力すれば、ログインユーザがアプリケーションサーバ103に投入した全てのジョブが出力される。また、例えばMenuボタン703を押下することより出力をキャンセルできる。キャンセルした場合、ユーザは自分のPC端末102からアプリケーションサーバ103にアクセスして、留め置き状態にあるプリントジョブを削除したり、再度生成したプリントジョブを再投入したりすることができる。
【0025】
図7の確認画面により、ユーザはプリントジョブの出力に先立って、図4で示されるようなジョブの詳細については把握できないまでも、ジョブ数および必要な料金を認識した上で出力するか否かを決めることが可能になる。
【0026】
MFPの持つ表示能力に応じてMFPにおける表示の仕方を変えるため、アプリケーションサーバ103は、ジョブを要求する画像形成装置の種類によって、異なるジョブ情報を提供する。例えば、MFP101bのような表示能力の高い画像形成装置に対しては、各ジョブの詳細情報が把握できるジョブリストを表示可能な情報を提供する。この情報は、例えばHTMLといったマークアップ言語形式の情報である。一方で、MFP101bのような表示能力の低い画像形成装置に対しては、ユーザにとって必要最低限の情報を提供するため、アプリケーションサーバ103でジョブの数と必要な料金を合計し、その情報を提供する。
【0027】
<MFPとサーバによる処理手順>
図8は、図6に例示した出力確認画面が表示される際に、MFP101aとアプリケーションサーバ103とが行う処理の流れを表したシーケンスチャートである。まずMFP101aは、操作部220において図6の手順で行われるユーザ操作を受け付けて、操作に応じたメニュー項目を表示する。ユーザ操作がPrint My Jobs602の表示まで達し、その状態でOKボタン603が押されると、Print My Jobsが実行される。その際には、MFP101aはアプリケーションサーバ103に対してログインユーザのユーザ情報(UserID)を引数として当該ユーザの留め置きされたジョブ情報の取得要求(getJobSummaryInfo(UserID))を送信する(801)。
【0028】
それを受け取ったアプリケーションサーバ103は、当該ユーザのプリントジョブの有無を判定する。該当するプリントジョブがあれば、予め決められた料金表と、該当するプリントジョブの設定(紙サイズやカラー白黒等)により、当該プリントジョブを出力するための総料金を算出する(802)。続いてアプリケーションサーバ103は、算出した総料金情報やリリースされる(送信される)プリントジョブ数の情報を、MFP101aに送信する(803)。
【0029】
MFP101aは、ステップ803で受信した情報から当該ユーザのプリントジョブの有無を判定する(804)。それと同時に、出力確認画面を表示するか否かの設定を判定(805)し、条件に応じた適切な画面を操作部220に表示する(806)。なお本実施形態では出力確認画面を表示するか否かの設定は「表示」に設定されているものとする。
【0030】
例えば、該当するユーザのプリントジョブが3つあって、それを出力するための総料金が7.00$であれば、図7のような画面が表示される。一方で、当該ユーザのジョブがサーバ上に存在しなければ、図10のような、該当するプリントジョブがないことを示す画面が表示される。
【0031】
この後、ユーザが操作部220でOKキー702を押下すると、MFP101aはアプリケーションサーバ103に対してジョブリリース要求(JobReleaseInd)を送信する(807)。要求を受け取ったアプリケーションサーバ103は、自身が留め置いていた該当するプリントジョブを、MFP101aに対して送信する(808)。なお送信するプリントジョブは、ステップ802で留め置きジョブ情報の取得要求に応じて特定したプリントジョブのIDあるいはオーナであるユーザを記憶しておくことで特定できる。ステップ807でジョブリリース要求を受けたなら、ステップ802で記憶されたIDあるいはオーナのプリントジョブがリリース要求の対象となる。
【0032】
以上のように、アプリケーションサーバ103は、MFP(画像形成装置)からの要求に応じた応答を返すことで、各MFPの表示能力に応じた情報をMFPに渡している。上記実施形態では、MFPの表示能力の高低はMFPの用いるプロトコルによって区別される。すなわちHTTP(HyperText Transfer Protocol)要求によりジョブ情報を要求するMFPに対しては、HTMLで記述した詳細なジョブ情報がアプリケーションサーバ103から送信される。一方、HTTPを用いずに例えばFTPや独自のプロトコルなどでジョブ情報を要求するMFPに対しては、簡潔なジョブ情報がアプリケーションサーバ103から送信される。簡潔なジョブ情報とは、たとえばテキストのみで構成され、限られた文字数(例えば表示部で表示可能な文字数)で記述されたジョブ情報である。プロトコルに基づく表示能力の判定は、たとえばプロトコルを通して入力された要求を処理するバックエンド処理プログラムがプロトコルごとに独立していれば不要である。単にプロトコル毎にMFPの表示能力を想定したコードをプログラムすればよいからである。しかしバックエンド処理プログラムが共通であれば、そこで要求元のプロトコルを判定し、判定結果に応じたジョブ情報を作成する必要がある。この処理は図8のステップ802で行われる。
【0033】
またアプリケーションサーバ103はMFPの表示能力に関する情報(例えば機種情報)を予め得ておくことが望ましいが、本例ではMFPとアプリケーションのベンダが同一であることを前提としているので、その情報を得るのは容易である。たとえば過去に生産されたMFPや現行のMFPのうち、最も低い表示能力にあわせた情報を作成するようにアプリケーションをプログラミングしておけばよい。
【0034】
なお、能力の高いMFPと低いMFPが同一のプロトコルを用いてアプリケーションサーバ103と通信する場合には、アプリケーションサーバ103はプロトコル以外の情報に基づいてMFPの表示能力を判定する必要がある。その場合には、たとえばSNMPを用いるなどしてアプリケーションサーバ103はMFPの接続時にその型番などの情報を得ておく。そして得た情報に基づき、例えば予めアプリケーションサーバ103に用意された型番と表示能力との対応表を参照して、ジョブ情報の要求元のMFPの表示能力を特定する。この特定はたとえば「高い」と「低い」という単純な区別であっても良い。そして特定した表示能力に応じて、低いものに対して図7のような、高いものに対しては図4のようなジョブ情報を送信する。
【0035】
<MFPによるジョブ情報の表示手順>
図9は、上述した出力確認画面が表示される際のMFP101aの処理を表したフローチャートである。MFP101aのCPU201は、図8の803でアプリケーションサーバ103からジョブ情報を受信すると、まずジョブ情報を参照して当該ユーザのプリントジョブが存在するか判定する(901)。該当するプリントジョブがアプリケーションサーバ103に存在しなければ、図10のような画面を作成し操作部220に表示する(902)。該当するプリントジョブがアプリケーションサーバ103に存在する場合、CPU201は出力確認用の画面を表示するか否かの設定を判定する(903)。この設定値は、例えばMFP101aのROM212やHDD213に保持されており、CPU201はこれを参照する。
【0036】
出力確認用の画面を表示する設定になっていれば、CPU201はアプリケーションサーバ103から受信したジョブ情報からジョブ数および総料金情報等を取り出して確認画面を作成し、操作部220に画面を表示するよう制御する(904)。
【0037】
一方で、とにかく操作ステップを減らしたいユーザや、特に確認画面が不要なユーザにも対応出来るように、確認画面を表示しない設定も可能であり、この場合はプリントジョブの実行中画面(不図示)が表示される(905)。
【0038】
MFP101aの処理としては、アプリケーションサーバ103から渡される情報を整形せずに、そのまま出力することは容易である。このため、本例では、アプリケーションサーバ103が貨幣単位の情報も含んだ形で料金情報を送信してもよい。たとえば図7に表示されたジョブ数700および金額701が表示の通りの文字列で記述された情報がジョブ情報としてアプリケーションサーバ103からMFP101aに送信される。これにより、MFPとしては貨幣情報を管理するテーブルをMFP内部のROM212等に保持する必要がない利点がある。
【0039】
なお、認証処理に関して、改めて触れないが、MFP101は例えばICカード105と通信可能なICカードリーダライタ230を接続可能である。ユーザは、自分の個人認証情報が記録されているICカード105を予めシステム管理者から配布されており、MFP101の操作部に認証画面が表示されて認証操作を求められた時に、ICカード105をICカードリーダ104にかざす。これにより装置101がアプリケーションサーバ103と通信を行って認証処理を行い、認証が成功した場合にのみユーザはMFP101を使用することが出来る。なお、ICカード105は、一般に接触式と非接触式の2種類が存在するが、どちらのタイプでもよい。また、ユーザの個人認証手段は、ICカード105である必要はなく、ユーザの識別が可能な何らかのIDやパスワード、およびその組み合わせでも良い。この場合、ユーザは、予めシステム管理者から割り当てられている自分のIDやパスワードをMFP101の操作部から入力して認証操作を行う。また、実際の認証処理は、アプリケーションサーバ103が処理しても別の認証サーバが処理してもよく、場合によってはMFP101内部に認証テーブルを持たせて、MFP101自身が認証処理を行っても良い。
【0040】
なお本実施形態では表示対象の情報としてジョブ数と料金とを選択しているが、その他の情報を選択してもよい。たとえば料金のみ表示する様に構成することもできる。こうすれば更に表示する情報量を減らすことができる。
【0041】
以上の手順により本実施形態によれば、表示可能な情報量が限られたMFPをワークフローの出力端末として用いた場合でも、予めジョブの料金等、ジョブ実行に先立ってユーザに知らしめる必要がある情報を表示させることができる。また、表示能力の高いMFPと低いMFPとが混在したシステムであっても、サーバはMFPの表示能力に応じたジョブ情報を送信することができる。
【0042】
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアプリケーションサーバと連携してジョブの出力料金を表示する画像形成装置、画像形成システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機(MFP)などの画像形成装置においても省エネ/省コストに寄与する機能への要請が益々高まっている。そのために例えば、サーバにより印刷の料金を計算するシステムが提案されている。さらに、ユーザのPC端末から投入したジョブをサーバに一時格納し、印刷出力したい画像形成装置の操作部でそのユーザが所定の操作を行うことで、サーバに格納されたジョブを取得して印刷出力できるシステムも提案されている。このシステムでは、サーバは、料金表を管理しており、一時格納されたジョブの設定情報から、そのジョブを出力する際に必要な料金を計算する機能を持つ。画像形成装置でユーザが出力を指示する際には、画像形成装置が提供する画面において、サーバより取得した各ジョブを出力するのに必要な料金が表示される。例えば、サーバが計算した料金をユーザの携帯端末に提示するシステムが、特許文献1に記載されている。
【0003】
また、特許文献2では、ユーザ情報やジョブ情報をテーブルとして画像形成装置内に保持することで、セキュアなプリント出力を実現することが提示されている。特許文献2はさらに、利用料金等のユーザに関する情報を予め登録しておき、印刷時には印刷枚数をカウントして課金情報を記録するネットワークプリンタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−280869号公報
【特許文献2】特開2001−075751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今、導入コスト/メンテナンスコスト低減の観点から、高価格帯から低価格帯まで全て同一ベンダーの画像形成装置で、且つ同一アプリケーション環境で動作する印刷システムを求める顧客(ユーザ)が多い。
【0006】
しかしながら、前述したサーバと連携した機能を実現可能なのは、画像形成装置の操作部(UI)の表示能力や操作性が機能実現のために十分な水準にあり、且つオープンプラットフォームに対応した高価な画像形成装置に限られている。操作部の表示領域が1行のLCDであるような低価格の画像形成装置も、高価な画像形成装置と同じアプリケーション環境で動作することが望ましいが、UIやシステムの制約上、高価な画像形成装置と同じ機能を提供するのは困難である。結果として、サーバからジョブを取得して印刷する際に必要なコストをユーザに提供する機能もまた、低価格の画像形成装置では実現が困難であった。
【0007】
本発明は上記従来例に鑑みて成されたもので、表示能力が限られた画像形成装置によりサーバに格納された印刷ジョブを取得して実行する際に、その印刷に係るコストをユーザに提示可能な手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、例えば、以下の構成を備える。
【0009】
画像形成装置であって、プリントジョブを格納するサーバとの接続を制御する接続手段と、情報を表示し、また入力するための操作部と、前記サーバに対して、対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に対応して受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
あるいは、サーバと画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、
前記サーバは、プリントジョブを格納する格納手段と、画像形成装置から前記格納手段により格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信手段と、前記要求に応じて、前記格納手段により格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成手段と、前記作成手段により作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答手段と、前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段とを備え、
前記画像形成装置の少なくとも1つは、前記サーバとの接続を制御する接続手段と、情報を表示し、また入力するための操作部と、前記サーバに対して前記ジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信するジョブ情報の受信手段と、前記ジョブ情報の受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、表示能力が低く表示可能な情報量の少ない画像形成装置が含まれるシステムであっても、その画像形成装置によりサーバに格納された印刷ジョブを取得して実行する際に、ユーザに対してその印刷に係るコストを画像形成装置を通して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置が使用されるシステム構成図である。
【図3】アプリケーションサーバ103における価格設定の画面の一例を示す図である。
【図4】MFP101bの操作画面に表示される出力するジョブを選択する画面の一例を示す図である。
【図5】MFP101aの操作画面の一例を示す図である。
【図6】MFP101aの操作画面でプリント出力を得る際の操作手順の一例を示す図である。
【図7】MFP101aの操作画面に表示されるジョブの出力確認の画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態におけるMFPとアプリケーションサーバ103との処理のシーケンスを説明する図である。
【図9】MFP101aが出力確認の画面を表示する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】MFP101aの操作画面に表示される画面(ジョブ無し)の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るサーバ等の汎用コンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<ハードウェア構成>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態における画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。後述するMFP101a,101bは、各ハードウェアの機能や操作部における画面の大きさに違いがあるが、基本的には同様な構成を備えている。画像形成装置は、全体の制御を行うCPUを含むコントローラ200、処理や動作の設定を行うオペレーションパネルを備えた操作部220、画像処理のためのプロッタ222、原稿を読み取るスキャナ223などを含む。図1の装置はファクシミリ機能を持つため、ファクシミリ制御を行うファックス制御ユニット221も更に有する。
【0014】
コントローラ200には、MFP全体の制御を行うCPU201と、操作部I/F、CPUI/F、PCII/F、メモリコントローラ等を内蔵するコントローラ用ASIC202と、画像データを蓄積するHDD213と、PCIバス218を介して接続されているNB(ノースブリッジ)203を備えている。コントローラ200には更に、RAM211やROM212等も設けられている。NB203にはまた、シリアルバス204、ネットワークインタフェースカード(以下、NICと称する)205、USBデバイス206、IEEE802.11無線LANI/F207、IEEE1394I/F208、UBSケーブルを介してICカードリーダライタ230等を接続するためのUSBホスト209、メモリーカードI/F210等が接続される。
ファックス制御ユニット221、プロッタ222、スキャナ223そしてその他のハードウェアリソースとASIC202とはPCIバス218によって接続されている。
【0015】
CPU201は、NB203、PCIバス218、USBホスト209を介して、USBケーブルにてICカードリーダライタ230と接続されており、ICカードリーダライタ230に対してコマンドを送信することにより制御を行う。ICカード104へのアクセスは、ICカードリーダライタ230がICカード104と通信を行うことにより実現される。
【0016】
図11はサーバまたはクライアントと機能する汎用コンピュータ51のブロック図である。図11に示されているように、汎用コンピュータ51は処理部1000とこれに周辺装置を含めて全体が構成されている。汎用コンピュータ51の処理部1000は、プログラムを実行するCPU1001、システム構成要素を互いに接続するバス1002、CPU1001が実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時記憶するDRAM1003、システムバスとメモリバスとCPU1001とを接続するブリッジ1004を含む。さらに、処理部1000はHDD装置2002とのインタフェースを司るHDDコントローラ1006、キーボード2003とのインタフェースを司るキーボードコントローラ1007、NIC等、ネットワークとの間の通信I/F1008を備えている。
【0017】
さらに処理部1000にはグラフィックアダプタ1005を含んでいる。グラフィックアダプタ1005には、操作者にグラフィック情報等を表示する表示装置2001が接続されている。更に、プログラムやデータが格納された大容量記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)装置2002、キーボード2003が夫々コントローラを介して接続されている。
【0018】
図2は、本実施形態の情報処理装置と画像形成装置などで構成される画像形成システムの概略図である。本システムでは、複数の画像形成装置(MFP101a,MFP101b)と、PC端末102と、アプリケーションサーバ103とがネットワークを介して通信可能に接続されている。本実施形態においては、MFP101aが操作部において提供する画面(例えば、後述の図5)と、MFP101bが操作部において提供する画面(例えば後述の図4)とでは、その表示領域と内容が大きく異なる。これは、各MFPのおもに販売価格などに応じた設計であって、MFP101bはMFP101aより高価格で販売される。
【0019】
<サービスワークフローの概略>
ここで、本実施形態において、アプリケーションサーバ103が提供するサービスの1つである、ジョブ出力のワークフローは以下の通りである。まず、ユーザが自分のPC端末102からプリントジョブをアプリケーションサーバ103に対して投入する。アプリケーションサーバ103は、外部装置から投入されたプリントジョブを一旦、所定の記憶装置に留め置く。この際、アプリケーションサーバ103においては、投入を指示したユーザの識別情報がプリントジョブに関連付けられて格納される。一方で、アプリケーションサーバ103では、図3で示す、プリントジョブを実行して文書等を印刷する際にかかる料金の設定を行う画面を提供する。例えば図3では、料金表として、A4白黒印刷は1ページにつき2.00$、A4カラー印刷は1ページにつき6.00$、A5白黒印刷は1ページにつき1.00$といったページ単価が設定されている。ここで設定された料金表は、アプリケーションサーバ103で管理されることになる。ここでは、通貨単位としてドルを挙げているが、もちろんアプリケーションサーバ103の管理者により如何なる通貨単位にも対応可能である。また、アプリケーションサーバ103は複数の料金表を持つことも可能であり、例えばユーザ毎に料金表を使い分けることが可能である。
【0020】
次に、ユーザは、プリントジョブを出力したいMFPの所へ行き、ICカード104若しくは操作部から識別情報(あるいは認証キー)を入力する。入力情報に対してはMFPにより、あるいは通信を介してアプリケーションサーバ103により認証処理が行われる。認証が成功した場合には、ユーザはMFPを利用できるようになる。たとえば、MFPの操作部が認証以外の操作、たとえばプリントジョブの実行のための操作等を受け付けるようになる。
【0021】
<表示能力の高いMFPによる表示例>
ここで、大面積の表示画面を持つ操作部220やWebブラウザ(ウェブブラウザ)機能を持つなどといった表示能力の高い高価格帯のMFP101bであれば、図4に示すような画面が操作部に表示される。図4で示す画面には、アプリケーションサーバ103に、ログインユーザ名が"Administrator"で投入された3つのジョブを含むジョブリスト401が表示されている。ログインユーザとは認証されてログインしているユーザを指す。ログインユーザは、この画面を介して、所望のプリントジョブを選択して、特定の操作たとえば"Print+Delete"キーを選択することでMFP101bに対して出力指示を行える。選択したプリントジョブを対象プリントジョブと呼ぶ。選択された対象プリントジョブはアプリケーションサーバ103から読み出されて印刷出力される。MFP101bの処理としては、選択され、出力指示されたプリントジョブをアプリケーションサーバ103に対して要求することで取得し、取得したプリントジョブを実行して印刷出力することである。図4の画面では、アプリケーションサーバ103に投入された3つのプリントジョブのジョブ情報411−413が表示されている。具体的には、ジョブ情報にはジョブ名称、カラー情報、サイズ、ページ数、部数、及び料金が含まれる。ここで、料金に関してはアプリケーションサーバ103で管理されている料金表と、各プリントジョブのカラー情報、サイズ、ページ数、及び部数に基づいて決定され、決定された料金が表示される。
尚、MFP101bの表示は、アプリケーションサーバ103から提供されるHTMLデータなどの情報をもとに、MFP101b内に搭載されるWebブラウザにより行われてもよい。その際には、ユーザによる入力指示などに関しては、Webブラウザ経由で行われることになる。この場合には、サーバが提供するHTMLデータを表示するために、MFP101bにはクライアントコンピュータに準ずる表示能力が求められる。
【0022】
<表示能力の低いMFPによる表示例>
一方、低価格帯のMFP101aでは例えば図5のような操作部220を有する。操作部220には、Menuボタン500、1行分の文字列を表示する表示部501、上下左右キー502、OKキー503のような必要最低限のものしかない。このため、上述したようなMFP101bと同様の操作手順でユーザに印刷指示を行わせることは非常に困難である。なお本実施形態では、このように表示可能な情報量の少ないMFPのことを表示能力の低いMFPと呼ぶ。ここで、MFP101aにおける、アプリケーションサーバ103に投入されたプリントジョブを出力する際の操作部における操作手順を、図6〜7を用いて説明する。ここでは、先ほどの説明と同様に、ログインユーザ名"Administrator"のユーザがログインしたことを想定する。
【0023】
図6において、ログインしたユーザは、Menuボタン600を押下する。続いて下矢印キー601を押下し、Print My Jobs602を表示させる。続いてOKボタン603を押下する。この一連のユーザ操作により、MFP101aとネットワーク接続されたアプリケーションサーバ103に投入されているログインユーザの全てのプリントジョブを対象プリントジョブとして印刷指示できる。もしも1人のユーザが複数のプリントジョブを登録している場合には、たとえば表示602の後に、ジョブIDを矢印ボタン601の操作に応じて順番に表示してもよい。ただし本実施形態ではユーザ毎のプリントジョブを選択の単位としており、1人のユーザについて複数のプリントジョブが登録されている場合には、それら複数のプリントジョブがまとめて選択される。
【0024】
実行するプリントジョブが決定されたなら、MFP101aでは、図7に示すような出力確認画面を表示する。この画面には、アプリケーションサーバ103から受け取った情報が表示される。具体的には、ログイン中のユーザがアプリケーションサーバ103に投入したジョブの総数欄700と、それらジョブを出力するために必要な総料金701とが表示される。この例では、ユーザadministratorがオーナのプリントジョブは3つ(job A〜C)アプリケーションサーバ103投入されており、それらジョブの出力に7.00$必要であることが示されている。ここで、ユーザがOKボタン702を押下することで合意の指示を入力すれば、ログインユーザがアプリケーションサーバ103に投入した全てのジョブが出力される。また、例えばMenuボタン703を押下することより出力をキャンセルできる。キャンセルした場合、ユーザは自分のPC端末102からアプリケーションサーバ103にアクセスして、留め置き状態にあるプリントジョブを削除したり、再度生成したプリントジョブを再投入したりすることができる。
【0025】
図7の確認画面により、ユーザはプリントジョブの出力に先立って、図4で示されるようなジョブの詳細については把握できないまでも、ジョブ数および必要な料金を認識した上で出力するか否かを決めることが可能になる。
【0026】
MFPの持つ表示能力に応じてMFPにおける表示の仕方を変えるため、アプリケーションサーバ103は、ジョブを要求する画像形成装置の種類によって、異なるジョブ情報を提供する。例えば、MFP101bのような表示能力の高い画像形成装置に対しては、各ジョブの詳細情報が把握できるジョブリストを表示可能な情報を提供する。この情報は、例えばHTMLといったマークアップ言語形式の情報である。一方で、MFP101bのような表示能力の低い画像形成装置に対しては、ユーザにとって必要最低限の情報を提供するため、アプリケーションサーバ103でジョブの数と必要な料金を合計し、その情報を提供する。
【0027】
<MFPとサーバによる処理手順>
図8は、図6に例示した出力確認画面が表示される際に、MFP101aとアプリケーションサーバ103とが行う処理の流れを表したシーケンスチャートである。まずMFP101aは、操作部220において図6の手順で行われるユーザ操作を受け付けて、操作に応じたメニュー項目を表示する。ユーザ操作がPrint My Jobs602の表示まで達し、その状態でOKボタン603が押されると、Print My Jobsが実行される。その際には、MFP101aはアプリケーションサーバ103に対してログインユーザのユーザ情報(UserID)を引数として当該ユーザの留め置きされたジョブ情報の取得要求(getJobSummaryInfo(UserID))を送信する(801)。
【0028】
それを受け取ったアプリケーションサーバ103は、当該ユーザのプリントジョブの有無を判定する。該当するプリントジョブがあれば、予め決められた料金表と、該当するプリントジョブの設定(紙サイズやカラー白黒等)により、当該プリントジョブを出力するための総料金を算出する(802)。続いてアプリケーションサーバ103は、算出した総料金情報やリリースされる(送信される)プリントジョブ数の情報を、MFP101aに送信する(803)。
【0029】
MFP101aは、ステップ803で受信した情報から当該ユーザのプリントジョブの有無を判定する(804)。それと同時に、出力確認画面を表示するか否かの設定を判定(805)し、条件に応じた適切な画面を操作部220に表示する(806)。なお本実施形態では出力確認画面を表示するか否かの設定は「表示」に設定されているものとする。
【0030】
例えば、該当するユーザのプリントジョブが3つあって、それを出力するための総料金が7.00$であれば、図7のような画面が表示される。一方で、当該ユーザのジョブがサーバ上に存在しなければ、図10のような、該当するプリントジョブがないことを示す画面が表示される。
【0031】
この後、ユーザが操作部220でOKキー702を押下すると、MFP101aはアプリケーションサーバ103に対してジョブリリース要求(JobReleaseInd)を送信する(807)。要求を受け取ったアプリケーションサーバ103は、自身が留め置いていた該当するプリントジョブを、MFP101aに対して送信する(808)。なお送信するプリントジョブは、ステップ802で留め置きジョブ情報の取得要求に応じて特定したプリントジョブのIDあるいはオーナであるユーザを記憶しておくことで特定できる。ステップ807でジョブリリース要求を受けたなら、ステップ802で記憶されたIDあるいはオーナのプリントジョブがリリース要求の対象となる。
【0032】
以上のように、アプリケーションサーバ103は、MFP(画像形成装置)からの要求に応じた応答を返すことで、各MFPの表示能力に応じた情報をMFPに渡している。上記実施形態では、MFPの表示能力の高低はMFPの用いるプロトコルによって区別される。すなわちHTTP(HyperText Transfer Protocol)要求によりジョブ情報を要求するMFPに対しては、HTMLで記述した詳細なジョブ情報がアプリケーションサーバ103から送信される。一方、HTTPを用いずに例えばFTPや独自のプロトコルなどでジョブ情報を要求するMFPに対しては、簡潔なジョブ情報がアプリケーションサーバ103から送信される。簡潔なジョブ情報とは、たとえばテキストのみで構成され、限られた文字数(例えば表示部で表示可能な文字数)で記述されたジョブ情報である。プロトコルに基づく表示能力の判定は、たとえばプロトコルを通して入力された要求を処理するバックエンド処理プログラムがプロトコルごとに独立していれば不要である。単にプロトコル毎にMFPの表示能力を想定したコードをプログラムすればよいからである。しかしバックエンド処理プログラムが共通であれば、そこで要求元のプロトコルを判定し、判定結果に応じたジョブ情報を作成する必要がある。この処理は図8のステップ802で行われる。
【0033】
またアプリケーションサーバ103はMFPの表示能力に関する情報(例えば機種情報)を予め得ておくことが望ましいが、本例ではMFPとアプリケーションのベンダが同一であることを前提としているので、その情報を得るのは容易である。たとえば過去に生産されたMFPや現行のMFPのうち、最も低い表示能力にあわせた情報を作成するようにアプリケーションをプログラミングしておけばよい。
【0034】
なお、能力の高いMFPと低いMFPが同一のプロトコルを用いてアプリケーションサーバ103と通信する場合には、アプリケーションサーバ103はプロトコル以外の情報に基づいてMFPの表示能力を判定する必要がある。その場合には、たとえばSNMPを用いるなどしてアプリケーションサーバ103はMFPの接続時にその型番などの情報を得ておく。そして得た情報に基づき、例えば予めアプリケーションサーバ103に用意された型番と表示能力との対応表を参照して、ジョブ情報の要求元のMFPの表示能力を特定する。この特定はたとえば「高い」と「低い」という単純な区別であっても良い。そして特定した表示能力に応じて、低いものに対して図7のような、高いものに対しては図4のようなジョブ情報を送信する。
【0035】
<MFPによるジョブ情報の表示手順>
図9は、上述した出力確認画面が表示される際のMFP101aの処理を表したフローチャートである。MFP101aのCPU201は、図8の803でアプリケーションサーバ103からジョブ情報を受信すると、まずジョブ情報を参照して当該ユーザのプリントジョブが存在するか判定する(901)。該当するプリントジョブがアプリケーションサーバ103に存在しなければ、図10のような画面を作成し操作部220に表示する(902)。該当するプリントジョブがアプリケーションサーバ103に存在する場合、CPU201は出力確認用の画面を表示するか否かの設定を判定する(903)。この設定値は、例えばMFP101aのROM212やHDD213に保持されており、CPU201はこれを参照する。
【0036】
出力確認用の画面を表示する設定になっていれば、CPU201はアプリケーションサーバ103から受信したジョブ情報からジョブ数および総料金情報等を取り出して確認画面を作成し、操作部220に画面を表示するよう制御する(904)。
【0037】
一方で、とにかく操作ステップを減らしたいユーザや、特に確認画面が不要なユーザにも対応出来るように、確認画面を表示しない設定も可能であり、この場合はプリントジョブの実行中画面(不図示)が表示される(905)。
【0038】
MFP101aの処理としては、アプリケーションサーバ103から渡される情報を整形せずに、そのまま出力することは容易である。このため、本例では、アプリケーションサーバ103が貨幣単位の情報も含んだ形で料金情報を送信してもよい。たとえば図7に表示されたジョブ数700および金額701が表示の通りの文字列で記述された情報がジョブ情報としてアプリケーションサーバ103からMFP101aに送信される。これにより、MFPとしては貨幣情報を管理するテーブルをMFP内部のROM212等に保持する必要がない利点がある。
【0039】
なお、認証処理に関して、改めて触れないが、MFP101は例えばICカード105と通信可能なICカードリーダライタ230を接続可能である。ユーザは、自分の個人認証情報が記録されているICカード105を予めシステム管理者から配布されており、MFP101の操作部に認証画面が表示されて認証操作を求められた時に、ICカード105をICカードリーダ104にかざす。これにより装置101がアプリケーションサーバ103と通信を行って認証処理を行い、認証が成功した場合にのみユーザはMFP101を使用することが出来る。なお、ICカード105は、一般に接触式と非接触式の2種類が存在するが、どちらのタイプでもよい。また、ユーザの個人認証手段は、ICカード105である必要はなく、ユーザの識別が可能な何らかのIDやパスワード、およびその組み合わせでも良い。この場合、ユーザは、予めシステム管理者から割り当てられている自分のIDやパスワードをMFP101の操作部から入力して認証操作を行う。また、実際の認証処理は、アプリケーションサーバ103が処理しても別の認証サーバが処理してもよく、場合によってはMFP101内部に認証テーブルを持たせて、MFP101自身が認証処理を行っても良い。
【0040】
なお本実施形態では表示対象の情報としてジョブ数と料金とを選択しているが、その他の情報を選択してもよい。たとえば料金のみ表示する様に構成することもできる。こうすれば更に表示する情報量を減らすことができる。
【0041】
以上の手順により本実施形態によれば、表示可能な情報量が限られたMFPをワークフローの出力端末として用いた場合でも、予めジョブの料金等、ジョブ実行に先立ってユーザに知らしめる必要がある情報を表示させることができる。また、表示能力の高いMFPと低いMFPとが混在したシステムであっても、サーバはMFPの表示能力に応じたジョブ情報を送信することができる。
【0042】
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントジョブを格納するサーバとの接続を制御する接続手段と、
情報を表示し、また入力するための操作部と、
前記サーバに対して、対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、
前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ情報には更に対象プリントジョブの数を含み、
前記制御手段は前記操作部に前記対象プリントジョブの数を更に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザによる認証情報の入力に応じてユーザの認証を行う認証手段を更に備え、
前記受信手段は、対象プリントジョブとして前記認証手段により認証されたユーザが作成したプリントジョブに関するジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブ情報は文字列であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
外部装置から受信したプリントジョブを格納する格納手段と、
プリントジョブを実行した際の料金を示す料金表を格納する格納手段と、
情報を表示し、また入力するための操作部を備える画像形成装置から、前記格納手段により格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信手段と、
前記要求に応じて、前記料金表を参照して、前記格納手段により格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成手段と、
前記作成手段により作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答手段と、
前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
前記作成手段は、前記操作部の表示能力を、前記画像形成装置との間のプロトコルに基づいて判定し、該判定結果に応じてジョブ情報を作成することを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記作成手段は、前記操作部の表示能力を、前記画像形成装置との接続時に取得した機種情報に基づいて判定し、該判定結果に応じてジョブ情報を作成することを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記作成手段は、前記受信手段により前記画像形成装置からHTTPを用いた要求を受信した際には、当該画像形成装置の備える操作部でウェブブラウザを介して各対象プリントジョブを実行した場合の料金を確認できるマークアップ言語形式のジョブ情報を作成することを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項9】
サーバと画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、
前記サーバは、
プリントジョブを格納する格納手段と、
画像形成装置から前記格納手段により格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信手段と、
前記要求に応じて、前記格納手段により格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成手段と、
前記作成手段により作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答手段と、
前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段とを備え、
前記画像形成装置の少なくとも1つは、
前記サーバとの接続を制御する接続手段と、
情報を表示し、また入力するための操作部と、
前記サーバに対して前記ジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信するジョブ情報の受信手段と、
前記ジョブ情報の受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、
前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記作成手段は、前記操作部の表示能力を、前記画像形成装置との間のプロトコルに基づいて判定し、該判定結果に応じてジョブ情報を作成することを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記作成手段は、前記受信手段により前記画像形成装置からHTTPを用いた要求を受信した際には、当該画像形成装置の備える操作部でウェブブラウザを介して各対象プリントジョブを実行した場合の料金を確認できるマークアップ言語形式のジョブ情報を作成することを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項12】
請求項1乃至4に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項5乃至8に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
情報を表示し、また入力するための操作部を備える画像形成装置とサーバとを接続して構成される画像形成システムにおける制御方法であって、
プリントジョブを格納する格納工程と、
画像形成装置から、前記格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信工程と、
前記要求に応じて、前記格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成工程と、
前記作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答工程と、
前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信工程とを有し、
前記画像形成装置の少なくとも1つは、
前記サーバとの接続を制御する接続工程と、
前記サーバに対して前記ジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信するジョブ情報の受信工程と、
前記受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御工程と、
前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項1】
プリントジョブを格納するサーバとの接続を制御する接続手段と、
情報を表示し、また入力するための操作部と、
前記サーバに対して、対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、
前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ情報には更に対象プリントジョブの数を含み、
前記制御手段は前記操作部に前記対象プリントジョブの数を更に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザによる認証情報の入力に応じてユーザの認証を行う認証手段を更に備え、
前記受信手段は、対象プリントジョブとして前記認証手段により認証されたユーザが作成したプリントジョブに関するジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブ情報は文字列であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
外部装置から受信したプリントジョブを格納する格納手段と、
プリントジョブを実行した際の料金を示す料金表を格納する格納手段と、
情報を表示し、また入力するための操作部を備える画像形成装置から、前記格納手段により格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信手段と、
前記要求に応じて、前記料金表を参照して、前記格納手段により格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成手段と、
前記作成手段により作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答手段と、
前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
前記作成手段は、前記操作部の表示能力を、前記画像形成装置との間のプロトコルに基づいて判定し、該判定結果に応じてジョブ情報を作成することを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記作成手段は、前記操作部の表示能力を、前記画像形成装置との接続時に取得した機種情報に基づいて判定し、該判定結果に応じてジョブ情報を作成することを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記作成手段は、前記受信手段により前記画像形成装置からHTTPを用いた要求を受信した際には、当該画像形成装置の備える操作部でウェブブラウザを介して各対象プリントジョブを実行した場合の料金を確認できるマークアップ言語形式のジョブ情報を作成することを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項9】
サーバと画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、
前記サーバは、
プリントジョブを格納する格納手段と、
画像形成装置から前記格納手段により格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信手段と、
前記要求に応じて、前記格納手段により格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成手段と、
前記作成手段により作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答手段と、
前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段とを備え、
前記画像形成装置の少なくとも1つは、
前記サーバとの接続を制御する接続手段と、
情報を表示し、また入力するための操作部と、
前記サーバに対して前記ジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信するジョブ情報の受信手段と、
前記ジョブ情報の受信手段により受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御手段と、
前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行手段とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記作成手段は、前記操作部の表示能力を、前記画像形成装置との間のプロトコルに基づいて判定し、該判定結果に応じてジョブ情報を作成することを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記作成手段は、前記受信手段により前記画像形成装置からHTTPを用いた要求を受信した際には、当該画像形成装置の備える操作部でウェブブラウザを介して各対象プリントジョブを実行した場合の料金を確認できるマークアップ言語形式のジョブ情報を作成することを特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項12】
請求項1乃至4に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項5乃至8に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
情報を表示し、また入力するための操作部を備える画像形成装置とサーバとを接続して構成される画像形成システムにおける制御方法であって、
プリントジョブを格納する格納工程と、
画像形成装置から、前記格納されたプリントジョブに関するジョブ情報の要求を受信する受信工程と、
前記要求に応じて、前記格納されたプリントジョブの中の前記画像形成装置で印刷すべき対象プリントジョブを全て実行した場合の総料金を含むジョブ情報を、前記画像形成装置の備える操作部の表示能力に応じた形式で作成する作成工程と、
前記作成されたジョブ情報を前記画像形成装置に対して応答する応答工程と、
前記画像形成装置からの前記対象プリントジョブの要求に応じて、前記対象プリントジョブを前記画像形成装置に送信する送信工程とを有し、
前記画像形成装置の少なくとも1つは、
前記サーバとの接続を制御する接続工程と、
前記サーバに対して前記ジョブ情報の要求を送信し、該要求に対するジョブ情報を受信するジョブ情報の受信工程と、
前記受信したジョブ情報に含まれる総料金を前記操作部に表示させる制御工程と、
前記操作部に表示された総料金に対する合意の指示が前記操作部から入力されると、該指示に応じて前記対象プリントジョブの要求を前記サーバに対して送信し、該要求に応じて受信した対象プリントジョブの実行を制御する実行工程とを有することを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−233032(P2011−233032A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104237(P2010−104237)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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