説明

画像形成装置、ハードディスク装置の起動方法、及びプログラム

【課題】画像形成装置の動作状態に応じて、HDDの起動処理におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を適切に設定することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、HDDコントローラ11と、HDD12と、マイコン3とを備える。マイコン3は、画像形成装置1の動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいてHDD12の起動処理時におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定する設定手段として機能し、マイコン3及びHDDコントローラ11は、設定されたリトライ回数あるいはタイムアウト値に基づいてHDD12の起動処理を実行する起動手段として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、ハードディスク装置の起動方法、及びプログラムに関し、より詳細には、画像形成装置が備えるハードディスク装置の起動処理をリトライする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Printer)に代表されるデジタル式複写機などの画像形成装置は、読み取った画像データを圧縮処理し、この圧縮画像データを記憶装置に保存した後、記憶装置から圧縮画像データを読み出して、伸張処理を行い、画像を形成するものである。このような画像形成装置では、画像データやユーザ管理情報などを記憶するためにHDD(ハードディスクドライブ)などの大容量の記憶装置が搭載される場合がある。
【0003】
上記のようなHDDの中にはエラーリトライ機能を備えたものがある。このHDDは、ホスト側からHDDにアクセス要求が与えられると、ホスト側とHDDとの間で要求されたアクセス処理を実行する。そして、このアクセス処理が正常に完了せずエラーになった場合、予め定められた手順に従ってエラーリトライ処理を行うようになっている。
【0004】
従来、HDDのエラーリトライ機能に係る技術として、例えば、特許文献1には、ディスク記憶装置のリトライ処理中におけるホスト側でのタイムアウトエラーの発生を抑える技術が記載されている。これによれば、ディスク記憶装置でのリトライ処理中にホスト側でのタイムアウトエラー検出によりホスト側からディスク記憶装置に対してリセット要求が与えられた場合に、その旨を記憶しておき、ホスト側からディスク記憶装置に対して先にリトライとなったのと同一のアクセス要求が与えられた際に、ディスク記憶装置からホスト側に特定エラーコードを通知することで、ホスト側で監視時間を延長させてタイムアウトエラー検出の発生を抑えるようにしている。
【0005】
また、特許文献2には、ハードディスク装置にエラー領域が有るか否かを検出するメディアチェック時において、監視時間内にリトライ処理を完了できない場合、監視時間の設定値を段階的に増加させて、リトライ処理中にタイムアウトエラーになることを防止する技術が記載されている。
また、特許文献3には、ディスクアレイを構成する各ハードディスク装置のリトライ時間を実測し、システム全体としてタイムアウトにならないような最小限のリトライ回数を設定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−358170号公報
【特許文献2】特開2000−293318号公報
【特許文献3】特開2001−331279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、HDDを搭載したMFPにおいては、MFPの主電源がオンされたときや、MFPが省エネモードから復帰するときなどに、HDDとHDDコントローラ間で起動処理が行われる。この起動処理では、HDDとHDDコントローラ間でお互いの認識とデータ転送速度のネゴシエーションのシーケンスが実行されるが、そのシーケンスは、1回で完了する場合や、複数回のリトライ処理で完了する場合、あるいは、リトライ処理でも完了できずエラーとなる場合もある。
【0008】
上記のHDDの起動処理におけるリトライ回数(あるいはタイムアウト値)は、通常、MFPの動作状態によらず一定であるため、例えば、MFPの主電源がオンされた場合と、MFPが省エネモードから復帰する場合とで同じリトライ回数が設定される。しかし、MFPの主電源がオンされた場合、ユーザがすぐにMFPを使用することはないと考えられるため、リトライ回数を多くし、HDDの起動処理を完了できる確度を向上させるほうが望ましい。また、MFPが省エネモードから復帰する場合、ユーザがすぐにMFPを使用すると考えられるため、HDDのリトライ回数をあまり多くすると、MFPシステム全体の立ち上げ時間を長引かせ、ユーザに違和感を与えてしまう可能性がある。このため、ユーザに違和感を与えない程度のリトライ回数を設定し、HDDの起動処理に必要以上に時間をかけないほうが望ましい。
【0009】
このようにリトライ回数は、MFPの動作状態によって適切に設定されることが望ましいが、特許文献1、2に記載の技術は、HDDのリトライ時に監視時間を延長させて、タイムアウトエラーの発生を防止するものであり、特許文献3に記載の技術は、HDDのリトライ回数を最小限に減らして、システム全体がタイムアウトにならないようにするものである。従って、これら特許文献1〜3に記載の技術では、MFPの動作状態に応じて、HDDの起動処理におけるリトライ回数を適切に設定することはできない。
【0010】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画像形成装置の動作状態に応じて、HDDの起動処理におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を適切に設定することができる画像形成装置、ハードディスク装置の起動方法、及びプログラムを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ハードディスク装置を備える画像形成装置であって、該画像形成装置の動作状態を判定する判定手段と、該判定結果に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理時におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定する設定手段と、該設定されたリトライ回数あるいはタイムアウト値に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理を実行する起動手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0012】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記判定手段は、前記画像形成装置の動作状態として、前記画像形成装置が主電源オンにより起動する状態、前記画像形成装置が省エネモードから復帰する状態、前記画像形成装置がFAX夜間待機モードから復帰する状態のいずれかの動作状態を判定することを特徴としたものである。
【0013】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、該画像形成装置の動作状態毎にリトライ回数あるいはタイムアウト値を登録したデータテーブルを備え、前記設定手段は、前記判定手段により判定された前記画像形成装置の動作状態に基づいて、前記データテーブルを参照することによりリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定することを特徴としたものである。
【0014】
第4の技術手段は、画像形成装置が備えるハードディスク装置の起動方法であって、前記画像形成装置の動作状態を判定する判定ステップと、該判定結果に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理時におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定する設定ステップと、該設定されたリトライ回数あるいはタイムアウト値に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理を実行する起動ステップとを備えたことを特徴としたものである。
【0015】
第5の技術手段は、第4の技術手段におけるハードディスク装置の起動方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置の動作状態を判定し、その判定結果に基づいて、HDDの起動処理におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を適切に設定することができるため、画像形成装置の信頼性と利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】不揮発性メモリに格納されるリトライテーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明によるハードディスク装置の起動方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図4】本発明による画像形成装置にステータスをセットする方法の一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の画像形成装置、ハードディスク装置の起動方法、及びプログラムに係る好適な実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の画像形成装置の構成例を示すブロック図で、図中、1は画像形成装置を示す。画像形成装置1は、各種表示を行いユーザからの操作入力を受け付けるタッチパネル付きLCD(Liquid Crystal Display)などで構成されるユーザインタフェース(ユーザI/F)2と、画像形成装置1の動作を制御するCPU等を含むマイコン3と、マイコン3,不揮発性メモリ5,及びRTC13(リアルタイムクロック)を接続するローカルバス4と、マイコン3で実行されるプログラムや各種データテーブルを保存する不揮発性メモリ5と、原稿画像を読み取り画像データを入力するスキャナユニット6と、PC(パーソナルコンピュータ)19から入力される画像データあるいはHDD12に記憶されている画像データを印刷する印刷ユニット7とを備える。
【0020】
また、画像形成装置1は、スキャナユニット6から入力される画像データに各種画像処理を施して印刷ユニット7に出力する画像処理部8と、マイコン3,画像処理部8,及びHDDコントローラ11を接続するPCIバス9と、画像処理部8の作業用メモリ10と、HDD12を制御するためのHDDコントローラ11と、画像データやユーザ管理情報を記憶するためのHDD12と、時計機能を担うRTC13と、FAX装置17とFAX回線16を介して接続されるFAXユニット14と、PC19とLAN(ローカルエリアネットワーク)18を介して接続されるネットワークインタフェース(ネットワークI/F)15とを備える。
【0021】
上記の画像形成装置1は、コピー機能、プリント機能、及びFAX機能を備えたMFPとして例示することができる。以下、これらの各機能について動作を説明する。
【0022】
コピー機能の場合、スキャナユニット6で読み取られた画像データが画像処理部8へ送られ、画像処理部8では、画像データに対して画像処理が行われ、圧縮画像データが生成される。画像処理部8で生成された圧縮画像データは、HDDコントローラ11を介してHDD12に書き込まれる。そして、印刷時には、HDDコントローラ11を介してHDD12から圧縮画像データが読み出され、画像処理部8で伸張処理が行われ、印刷画像データが生成される。画像処理部8で生成された印刷画像データは、印刷ユニット7に出力され、印刷ユニット7で印刷される。
【0023】
プリント機能の場合、PC19からの画像データをLAN18を介してマイコン3が受け取り、マイコン3はこの画像データをPCIバス9を介して画像処理部8へ転送する。画像処理部8は、マイコン3から受け取った画像データを圧縮して圧縮画像データを生成し、この圧縮画像データをHDDコントローラ11を介してHDD12に書き込む。そして、印刷時には、HDDコントローラ11を介してHDD12から圧縮画像データが読み出され、画像処理部8で伸張処理が行われ、印刷画像データが生成される。画像処理部8で生成された印刷画像データは、印刷ユニット7に出力され、印刷ユニット7で印刷される。
【0024】
FAX機能の場合、FAXユニット14は、FAX装置17からFAX回線16を介してFAXデータの着信があると、マイコン3に対して、画像形成装置1が画像データを受け取り可能か否かを問い合わせ、マイコン3からの許諾の後に回線に呼応し、FAXデータの受信を開始する。受信されたFAXデータは、マイコン3に順次送られ、HDDコントローラ11を介してHDD12へ圧縮画像データとして保存される。そして、FAX受信が完了した後、HDDコントローラ11を介してHDD12から圧縮画像データが読み出され、上記と同様に伸張処理が行われ、印刷画像データが印刷ユニット7に出力される。
【0025】
本発明の主たる特徴部分は、画像形成装置の動作状態に応じて、HDDの起動処理におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を適切に設定することにある。このための構成として、画像形成装置1は、ハードディスク装置であるHDD12と、画像形成装置1の動作状態を判定する判定手段と、判定結果に基づいてHDD12の起動処理時におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値(以下、リトライ回数で代表する)を設定する設定手段と、設定されたリトライ回数に基づいてHDD12の起動処理を実行する起動手段とを備える。
【0026】
図1の例において、判定手段,設定手段としての機能はマイコン3により実現され、起動手段としての機能はマイコン3,HDDコントローラ11により実現される。具体的には、判定手段、設定手段、及び起動手段としての機能をコンピュータに実行させるためのプログラムを不揮発性メモリ5に格納しておき、プログラムの実行時に、マイコン3が不揮発性メモリ5からプログラムを読み出して実行する。
【0027】
HDD12の起動処理とは、前述したように、HDD12とHDDコントローラ11との間で、相互の認識とデータ転送速度のネゴシエーションを行うシーケンス処理であって、所定のコマンドをやり取りすることで、相互に認識すると共に、データ転送速度を決定する。具体的には、“Serial ATA Revision 2.5”などの技術仕様書にも規定されており、ここでの説明は省略する。この起動処理は、HDD12及びHDDコントローラ11への給電が停止した状態から起動するときに行われる。すなわち、画像形成装置1が主電源オンにより起動する場合、画像形成装置1が省エネモードから復帰する場合、画像形成装置1がFAX夜間待機モードから復帰する場合の大きく3つのケースが想定され、これらのケースでは、いずれもHDD12とHDDコントローラ11への給電が停止するため、HDD12の起動処理が実行される。
【0028】
しかしながら、このような画像形成装置1の動作状態に係らず、HDD12の起動処理の条件を一定に設定すると、リトライ回数の過不足が生じる。このため、マイコン3は、画像形成装置1の動作状態として、画像形成装置1が主電源オンにより起動する状態、画像形成装置1が省エネモードから復帰する状態、画像形成装置1がFAX夜間待機モードから復帰する状態のいずれかの動作状態を判定する。そして、マイコン3は、この判定結果に基づいて、起動処理のリトライ回数を設定する。具体的には、画像形成装置1の動作状態毎にリトライ回数を登録したデータテーブルに相当するリトライテーブルを不揮発性メモリ5に格納しておく。マイコン3は、画像形成装置1の動作状態の判定結果に基づいて、このリトライテーブルを参照することによりリトライ回数を設定することができる。
【0029】
図2は、不揮発性メモリ5に格納されるリトライテーブルの一例を示す図である。このリトライテーブルにおいて、ステータスは画像形成装置1の動作状態を示し、本例では、“0”が主電源オンにより起動する状態、“1”が省エネモードから復帰する状態、“2”がFAX夜間待機モードから復帰する状態を示している。このステータスは、主電源をオフする、あるいは、省エネモードあるいはFAX夜間待機モードに移行する際に、更新され、不揮発性メモリ5に記憶される。つまり、画像形成装置1の主電源がオフされた場合に、ステータス“0”が記憶され、画像形成装置1が省エネモードに移行した場合に、ステータス“1”が記憶され、画像形成装置1がFAX夜間待機モードに移行した場合に、ステータス“2”がそれぞれ記憶される。
【0030】
そして、次に、画像形成装置1の主電源をオンにする、あるいは、画像形成装置1を上記の各モードから復帰させる際に、マイコン3が不揮発性メモリ5に記憶されているステータスを取得し、取得したステータスに応じたリトライ回数を図2のリトライテーブルから特定し、このリトライ回数をHDDコントローラ11に設定することができる。なお、ここではリトライテーブルにリトライ回数を登録する場合について例示しているが、リトライ回数の代わりにタイムアウト値を登録してもよいことは言うまでもない。
【0031】
図2のリトライテーブルに登録するリトライ回数は特に限定するものではないが、画像形成装置1の主電源がオンされた場合、ユーザがすぐに画像形成装置1を使用することはないと考えられるため、リトライ回数を多くし、HDD12の起動処理を完了できる確度を向上させるほうが望ましい。なお、このリトライの結果、HDD12の起動処理が完了しないことも起こり得るが、この場合には、エラー処理として、HDD12にエラーが発生している旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0032】
また、画像形成装置1が省エネモードから復帰する場合、ユーザがすぐに画像形成装置1を使用すると考えられるため、HDD12のリトライ回数をあまり多くすると、システム全体が立ち上がるまでの時間が長くなり、ユーザに違和感を与えてしまう可能性がある。このため、ユーザに違和感を与えない程度のリトライ回数を設定し、HDD12の起動処理に必要以上に時間をかけないほうが望ましい。そして、上記と同様に、このリトライの結果、HDD12の起動処理が完了しないことも起こり得るが、この場合には、エラー処理として、HDD12にエラーが発生している旨をユーザに通知するようにしてもよい。なお、HDD12にエラーが発生した場合でも、縮退運転により、システム全体としては正常に立ち上げることができる。
【0033】
また、FAX夜間待機モードの場合、スキャナユニット6、印刷ユニット7、及びHDD12への給電が停止され、FAXユニット14によるFAXの着信待ち状態となる。この場合、FAXの呼び出しに応じて、HDD12の起動処理を開始するが、FAXの呼び出しから呼応までの間に、HDD12の起動処理を完了させておく必要がある。従って、FAXの呼び出しから呼応までに要する時間以内でリトライ処理が完了するようにリトライ回数を設定する。なお、このリトライの結果、HDD12の起動処理が完了しないことも起こり得るが、この場合には、HDD12のエラーのためFAX受信ができない旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0034】
図3は、本発明によるハードディスク装置の起動方法の一例を説明するためのフロー図である。まず、画像形成装置1は、主電源オンにより起動する場合、省エネモードから復帰する場合、あるいは、FAX夜間待機モードから復帰する場合に、HDD12の起動処理を開始する(ステップS1)。マイコン3は、不揮発性メモリ5に記憶されている画像形成装置1の現在のステータスをリードし(ステップS2)、そのステータスに基づいて、不揮発性メモリ5に記憶されているリトライテーブルを参照しリトライ回数を取得する(ステップS3)。図2のリトライテーブルの場合、ステータスが“0”であれば、リトライ回数は25回、ステータスが“1”であれば、リトライ回数は18回、ステータスが“2”であれば、リトライ回数は10回となる。
【0035】
次に、マイコン3は、ステップS3で取得したリトライ回数をHDDコントローラ11のレジスタにセットし、このリトライ回数に基づいてHDDコントローラ11とHDD12との間で起動処理が実行される(ステップS4)。そして、マイコン3は、HDD12の起動処理が成功したか否かを判定する(ステップS5)。この起動処理が成功したか否かは、例えば、起動処理に成功した場合に成功フラグをHDDコントローラ11のレジスタに書き込んでおくことで判定することができる。マイコン3は、ステップS5での判定の結果、HDD12の起動処理が成功したと判定した場合(YESの場合)、不揮発性メモリ5のステータス値を“0”にセットし、正常シーケンスに移行する(ステップS6)。また、ステップS5において、HDD12の起動処理が成功していないと判定した場合(NOの場合)、リトライ回数に達したか否かを判定する(ステップS7)。
【0036】
次に、マイコン3は、ステップS7において、リトライ回数に達していないと判定した場合(NOの場合)、ステップS4に戻り、HDD12の起動処理をリトライする。また、ステップS7において、リトライ回数に達した場合(YESの場合)、不揮発性メモリ5のステータス値を“0”にセットし、エラーシーケンスに移行する(ステップS8)。このエラーシーケンスは、例えば、HDD12にエラーが発生している旨をユーザに通知するための処理である。
【0037】
図4は、本発明による画像形成装置1にステータスをセットする方法の一例を説明するためのフロー図である。本例では、画像形成装置1のステータス値が“0”(初期値)にセットされ不揮発性メモリ5に格納されているものとして説明する。まず、マイコン3は、画像形成装置1の状態を監視し(ステップS11)、画像形成装置1が省エネモードに移行したか否かを判定する(ステップS12)。そして、マイコン3は、画像形成装置1が省エネモードに移行したと判定した場合(YESの場合)、ステータス値を“1”にセットして不揮発性メモリ5に格納する(ステップS13)。また、マイコン3は、ステップS12において、省エネモードへ移行していないと判定した場合(NOの場合)、画像形成装置1がFAX夜間待機モードに移行したか否かを判定する(ステップS14)。
【0038】
マイコン3は、ステップS14において、画像形成装置1がFAX夜間待機モードへ移行したと判定した場合(YESの場合)、ステータス値を“2”にセットして不揮発性メモリ5に格納する(ステップS15)。また、ステップS14において、FAX夜間待機モードへ移行していないと判定した場合(NOの場合)、そのまま終了する。
【0039】
以上、本発明に係る画像形成装置、該装置が備えるハードディスク装置の起動方法を中心に説明したが、本発明はハードディスク装置の起動方法をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。
【0040】
このように、本発明によれば、画像形成装置の動作状態を判定し、その判定結果に基づいて、HDDの起動処理におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を適切に設定することができるため、画像形成装置の信頼性と利便性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0041】
1…画像形成装置、2…ユーザI/F、3…マイコン、4…ローカルバス、5…不揮発性メモリ、6…スキャナユニット、7…印刷ユニット、8…画像処理部、9…PCIバス、10…メモリ、11…HDDコントローラ、12…HDD、13…RTC、14…FAXユニット、15…ネットワークI/F、16…FAX回線、17…FAX装置、18…LAN、19…PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスク装置を備える画像形成装置であって、
該画像形成装置の動作状態を判定する判定手段と、該判定結果に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理時におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定する設定手段と、該設定されたリトライ回数あるいはタイムアウト値に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理を実行する起動手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記判定手段は、前記画像形成装置の動作状態として、前記画像形成装置が主電源オンにより起動する状態、前記画像形成装置が省エネモードから復帰する状態、前記画像形成装置がFAX夜間待機モードから復帰する状態のいずれかの動作状態を判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、該画像形成装置の動作状態毎にリトライ回数あるいはタイムアウト値を登録したデータテーブルを備え、前記設定手段は、前記判定手段により判定された前記画像形成装置の動作状態に基づいて、前記データテーブルを参照することによりリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置が備えるハードディスク装置の起動方法であって、
前記画像形成装置の動作状態を判定する判定ステップと、該判定結果に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理時におけるリトライ回数あるいはタイムアウト値を設定する設定ステップと、該設定されたリトライ回数あるいはタイムアウト値に基づいて前記ハードディスク装置の起動処理を実行する起動ステップとを備えたことを特徴とするハードディスク装置の起動方法。
【請求項5】
請求項4に記載のハードディスク装置の起動方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−101479(P2012−101479A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252980(P2010−252980)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】